JP5191220B2 - 剥離シート及び剥離シート積層体 - Google Patents

剥離シート及び剥離シート積層体 Download PDF

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Description

本発明は、剥離シート及びその剥離シートの剥離層に接着剤層が積層されている接着性剥離シート積層体に関する。
近年、小型、薄型、軽量で実装密度の高い半導体装置の要求が高まっている。半導体デバイスの組み立て工程に用いられる、特にデバイスの高密度実装は、接着フィルムを介して行われ、そして該接着フィルムとして、一般にエポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂などを含む接着剤が用いられている。この場合、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持体上に剥離層を設けてなる剥離シートの該剥離層に、前記の接着剤の半硬化層を形成し、この半硬化した接着剤層(接着フィルム)をポリイミドフィルムなどの耐熱フィルムに貼合した後、剥離シートを剥し、次いで、該接着剤層の表面で銅箔にラミネートし、該接着剤層を硬化させて、最後に銅箔をエッチング処理して電子回路、実装パッドなどを形成する方法が一般に用いられている。
小型、薄型、軽量で実装密度の高い半導体装置の要求に応えるために、剥離シート上の接着剤層の厚さも、薄いものが望まれている。
前記剥離シートの剥離層には、シリコーン系剥離剤やアルキド系剥離剤がよく用いられてきた。しかし、シリコーン系剥離剤を前記用途に用いた場合、軽剥離性を有するものの、剥離層表面の表面エネルギーが低いことから、薄い接着剤層を形成するために接着剤の塗工量を少なくすると塗工した接着剤のはじきが発生することがある。また、剥離剤として、脂肪酸を変性したアルキド樹脂あるいはアクリル樹脂とアミノ樹脂などの架橋樹脂からなるアルキド系剥離剤(例えば、特許文献1、2参照)を用いた場合、薄い接着剤層を形成するために接着剤の塗工量を少なくしても、剥離層の高い表面張力により良好な接着剤塗工性を有するものの、接着剤塗工時の濡れ性や、接着剤層の剥離力を制御することが困難であり、また、接着剤層の剥離時にジッピングを発生し、接着剤層の表面の平滑性が損なわれるという問題点が生じていた。
特開2004−277614号公報 特開平10−6459号公報
本発明は、薄い接着剤層を形成するために接着剤の塗工量を少なくしても、剥離層の表面に接着剤を塗工した際の濡れ性に優れ、接着剤のはじきが生じにくく、塗工により形成した接着剤層との剥離性も優れ、かつ、接着剤層を剥離した際にジッピングを発生せず、そのため接着剤層の平滑な面を形成することができる剥離シートを提供し、さらにその剥離シートを使用して得られる、剥離層に接着剤層が積層されている接着性剥離シート積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材シートの少なくとも一方の表面に、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜であり、実質的にシリコーン化合物を含まないと共にポリ(メタ)アクリル酸エステルを含まないものである剥離層を形成することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材シートの少なくとも一方の表面に、剥離層が形成されており、該剥離層が両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜であり、実質的にシリコーン化合物を含まないと共にポリ(メタ)アクリル酸エステルを含まないものであることを特徴とする剥離シートを提供するものである。
また、本発明は、上記剥離シートにおいて、剥離層が、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体と、その官能基と反応し得る架橋剤とを硬化させた硬化皮膜である剥離シートを提供するものである。
また、本発明は、上記剥離シートにおいて、剥離層の厚さが0.03〜1μmであり、剥離層の表面の純水を用いた静的接触角が95°以下である剥離シートを提供するものである。
また、本発明は、上記剥離シートにおいて、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の官能基が水酸基であり、架橋剤がメラミン樹脂である剥離シートを提供するものである。
また、本発明は、上記剥離シートの剥離層の表面に、接着樹脂層が設けられていることを特徴とする接着性剥離シート積層体を提供するものである。
本発明の剥離シートは、剥離層の表面に接着樹脂を塗工した際の濡れ性と塗工により形成した接着樹脂層との剥離性との両方に優れ、また、接着剤層を剥離した際にジッピングを発生せず、そのため接着樹脂層の平滑な面を形成することができる。また、その剥離シートを使用して得られる、剥離層に接着剤層の未硬化層又は半硬化層が積層されている接着性剥離シート積層体は、プリント配線基板などの各種電子材料などの接着用フィルムを提供することができる。
本発明の剥離シートにおける基材シートとしては、上質紙、クレーコート紙、キャストコート紙、クラフト紙などの紙類、これらの紙類にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、合成紙等の紙材シート、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂のシートなどが挙げられる。基材シートは、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。
基材シートの厚さは、特に制限ないが、通常10〜300μmであればよく、好ましくは20〜200μmである。基材シートの厚さが薄すぎると、接着剤層の乾燥温度、硬化温度が高い場合に、基材シートの収縮が起こり、平滑な接着剤層が形成できないことがある。
また、基材シートとして合成樹脂シートを用いる場合、基材シートの剥離層を設ける表面は、剥離層との密着性を向上させるために、所望により酸化法や凹凸化法などの方法により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えば、コロナ放電表面処理、クロム酸表面処理(湿式)、火炎表面処理、熱風表面処理、オゾン・紫外線照射表面処理などが挙げられる。また、上記凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材シートの種類に応じて適宜選定されるが、一般には、コロナ放電表面処理法が効果及び操作性の点から、好ましく用いられる。また、プライマー処理を施すこともできる。
基材シートとして紙材シートを用いる場合には、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜を設ける前に、目止め層を紙材シートの表面に設けることが好ましい。目止め層は、目止め機能を有する成分であれば、特に限定されないが、バインダーと無機充填剤から成る組成物が好ましい。バインダーとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
無機充填剤としては、カオリンクレー、焼成クレー、ベントナイト、タルク、ケイソウ土、石膏、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。無機充填剤の配合量は、目止め機能を発揮させるものであれば、特に制限ないが、通常目止め層を構成する組成物の全体量の50〜98質量%が好ましい。
目止め層を基材の一方又は両方の表面に設けるには、目止め機能を有する成分を、分散媒又は溶媒で希釈して得られる液状目止め層用組成物を、基材の一方又は両方の表面に塗布し、乾燥させることにより、行うことができる。
分散媒又は溶媒としては、水やトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶剤等が挙げられる。
本発明において、剥離層は、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜であり、実質的にシリコーン化合物を含まない。
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の硬化は、官能基の種類により決まるが、熱硬化であってもよいし、光硬化であってもよく、熱硬化と光硬化を併用してもよい。官能基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体は、光硬化性化合物として使用することができる。
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体は、直鎖状の重合体であることが好ましいが、少量の分岐を有するものであってもよい。この直鎖状の重合体は、1,4−付加によりブタジエンを重合したものであり、分岐状の重合体は、1,2−付加によりブタジエンを重合したものである。両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体は、1,4−付加によりブタジエンを重合した単位の割合が50%以上であり、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の数平均分子量は、800〜20000が好ましく、1000〜10000が特に好ましい。
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の硬化が熱硬化である場合、硬化触媒を配合して行うことができる。硬化触媒としては、特に制限なく、架橋反応触媒として機能するものであればよいが、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機系の酸性触媒が好適である。硬化触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化触媒の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体は、官能基の種類によっては単独で硬化することもあるが、その官能基と反応し得る架橋剤により硬化してもよい。
架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、アジリジン化合物、金属キレート化合物などが挙げられる。両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の官能基が水酸基である場合、架橋剤はメラミン樹脂が好ましい。この組合せによると、メラミン樹脂の配合量により、接着剤層を剥離する際の剥離力を調節することができる。
架橋剤の含有量は、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体100質量部に対して、5〜500質量部が好ましく、10〜300質量部がより好ましい。
メラミン樹脂としては、メチル化メラミン樹脂、エチル化メラミン樹脂、プロピル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、ヘキシル化メラミン樹脂、オクチル化メラミン樹脂などが挙げられ、アルキル基の炭素数が3以下のアルキル化メラミン樹脂が好ましく、メチル化メラミン樹脂が特に好ましい。
また、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜は、本発明の目的を損なわない範囲内で、他の硬化樹脂を含んでもよいが、ポリ(メタ)アクリル酸エステルは含まない
両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、光開始剤、光安定剤などの各種添加剤を含有させることができる。
剥離層は、実質的にシリコーン化合物を含まない材料で構成されている。これにより、接着剤層を剥離層上に塗工する際にはじきが生じたり、ピンホールが生成したりすることがあるのを防止することができる。また、接着剤層にシリコーン化合物が移行すると、接着力が低下することがあるのを防止することができる。
実質的にシリコーン化合物を含まないとは、シリコーン化合物の量が、好ましくは500μg/m以下、より好ましくは100μg/m以下のことをいう。
剥離層の表面は、純水を用いた静的接触角が95°以下であることが好ましく、92°以下であることがより好ましく、89°以下であることが特に好ましい。また、純水を用いた静的接触角が95°を超えると、接着剤を塗工する際に、はじきが生じたり、ピンホールが生成したりする傾向がある。純水を用いた静的接触角の下限は、特に制限ないが、70°以上であることが好ましく、75°以上であることがより好ましい。
また、必要とする接着剤層の厚みが薄くなるほど接着の信頼性を高めるために、剥離層の表面は平滑である必要があり、中心線平均表面粗さ(Ra)が100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
また、接着剤層の剥離シートの剥離層に対する剥離力は、100〜600mN/20mmが好ましく、150〜550mN/20mmがより好ましい。
また、後述する接着剤層の剥離シートの剥離層に対する剥離力変化率の好ましい範囲は、7%以内であり、より好ましくは5%以内である。
剥離層の厚さは、0.03〜1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましく、0.08〜0.3μmが特に好ましい。
基材シートの少なくとも一方の表面に両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜を形成する方法は、例えば、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体、架橋剤及び硬化触媒、さらに必要に応じて、溶媒や、他の熱硬化性樹脂を配合した両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体組成物を基材シートの表面に塗工し、加熱処理する方法が挙げられる。所望により、熱硬化した皮膜に紫外線等の電離放射線を照射して、1,4−ポリブタジエンの主鎖にある不飽和結合を反応させて架橋密度を調整してもよい。
上記溶媒としては、特に制限なく、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類などや、これらの混合溶媒が挙げられる。溶媒の量は、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体組成物の塗工時の粘度を適当な範囲にするために適宜選定すればよい。
なお、塗工方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ゲートロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
加熱処理温度は、100〜170℃が好ましく、130〜160℃がより好ましい。また、加熱処理時間は、特に制限ないが、30秒〜5分間が好ましい。
また、両末端の官能基が重合性不飽和基である1,4−ポリブタジエン重合体を用いる場合には、必要に応じて光開始剤、他の光硬化性樹脂、溶媒を配合した組成物を基材シートの表面に塗工し、所望により加熱乾燥を行なった後、これに紫外線等の電離放射線を照射して塗膜を硬化させる方法によっても剥離層を形成することができる。
上記紫外線は、高圧水銀ランプ、キセノンランプなどで得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cmである。
本発明の接着性剥離シート積層体は、剥離シートの剥離層の表面に、接着剤層が設けられている。
接着剤層は、接着樹脂からなる。接着樹脂は、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂及びポリイミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の接着樹脂が好ましい。接着樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
接着樹脂は、未硬化の状態であってもよいし、半硬化の状態であってもよく、また、硬化された状態であってもよいが、電子材料などの接着用フィルムとして使用する場合には、未硬化の状態、半硬化の状態が好ましく、特に半硬化の状態が好ましい。
接着樹脂を硬化させるには、硬化触媒を含有させることが好ましい。
硬化触媒としては、接着樹脂の硬化触媒として機能する種々のものが使用できる。硬化触媒は、接着樹脂の硬化を促進するためのものであり、硬化触媒の配合量は、通常接着樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部が好ましい。
接着剤層の厚さは、用途に応じて適宜選定すればよいが、通常1〜100μmが好ましく、1〜50μmが特に好ましい。本発明においては、接着剤層の厚さの薄いものを製造することができ、厚さ30μm以下の性能の優れた接着剤層を容易に製造することができ、特に厚さ10μm以下の性能の優れた接着剤層を容易に製造することができる。
剥離シートの剥離層の表面に接着剤層を設ける方法としては、例えば、接着樹脂溶液を剥離層の表面に塗工し、加熱処理する方法が挙げられる。
塗工方法としては、例えば、上記と同様な方法などが使用できる。
加熱処理温度は、要望される硬度を得るために適宜選定すればよいが、通常50〜200℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。
なお、接着剤層の表面は、別の剥離シートで覆ってもよい。
別の剥離シートとしては、基材シートの表面に剥離層を有するものが挙げられる。
剥離層形成用の樹脂としては、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂、メチロールメラミン系樹脂、メトキシメチロールメラミン系樹脂などのメラミン系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化性又は電離放射線硬化性樹脂などが挙げられ、シリコーン転移により接着性能が低下する恐れがある場合には、シリコーン系樹脂を使用しないことが好ましい。
本発明の剥離シートは、種々の用途に用いられるが、例えば、プリント配線基板等に適用される接着樹脂キャスト用に用いられる。
また、本発明の接着性剥離シート積層体は、その接着剤層の表面で、プリント配線基板の表面に貼り合わせ、次いで、本発明の剥離シートを剥離し、現れた接着剤層の別の表面に銅などの金属箔を貼り付けることにより、プリント配線板用積層体にすることができる。このプリント配線板用積層体は、銅等の金属箔をエッチングすることにより、配線を形成したプリント配線板を製造することができる。
本発明の剥離シートは、上記の他、セラミックグリーンシート製造工程用剥離シート、合成皮革製造工程用剥離シートなどの樹脂皮膜形成用剥離シートとして有用である。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
本発明の実施例又は比較例で得られた剥離シートの性能評価は、次の方法により行った。
接着剤の塗工性評価
剥離シートの剥離層の表面に、製造例1で得たポリイミド系接着剤を25μmのアプリケーターで塗工した後、100℃で2分間乾燥処理して厚さ5μmの半硬化状態の接着剤層を形成した。塗工の際のはじきの有無、ピンホールの有無を目視にて観察した。
はじき及びピンホールが全く発生しなかった場合を○とし、ピンホールが発生した場合を△とし、はじきが発生した場合を×とした。
(2)剥離シートの剥離層の表面の静的接触角測定
剥離シートの剥離層の表面に、23℃、50%RHの雰囲気下で、純水2μリットルを滴下し、θ/2法により静的接触角を算出した。
(3)接着剤層の剥離性評価
剥離シートの剥離層の表面に、製造例1で得たポリイミド系接着剤を100μmのアプリケーターで塗工した後、100℃で2分間乾燥処理して厚さ25μmの半硬化状態の接着剤層を形成した。
次いで、この半硬化状態の接着剤層の表面に、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(厚み50μm)を貼り合わせた後、該半硬化状態の接着剤層の剥離シートの剥離層に対する剥離力を、JIS Z0237に準拠して、23℃、50%RHの雰囲気下で、引張試験機を用いて、180°方向に300mm/分の速度で150mm剥離させることにより測定した。
(4)ジッピングの評価としての剥離力変化率の測定
上記剥離力試験の剥離開始から剥離終了までの間において、剥離力の平均値(Fa)を求めると共に、剥離力変化率を、下記の式に従って算出した。
なお、剥離力の平均値(Fa)は、下記のようにして求めた値である。図1(a)は、剥離力測定試験において、ジッピングが生じない場合の剥離力との関係を示すグラフであり、この場合、Faは全測定点の平均値aで示される。一方、図1(b)は、剥離力測定試験において、ジッピングが生じた場合の時間と剥離力との関係を示すグラフであり、この場合、各測定点Pにおける極大剥離力P1、P2、P3、・・・・・・Pnの平均値Fpを求めると共に、各測定点Bにおける極小剥離力B1、B2、B3、・・・・・・・Bnの平均値Fbを求め、Fa=(Fp+Fb)/2の式より平均値(Fa)を求める。
剥離力変化率は、次式により算出する。
剥離力変化率(%)=[(Fp−Fb)/2Fa]×100
(5)ジッピングの評価としての接着剤層の表面状態
剥離シートの接着剤層を剥離層から剥離した後の、接着剤層の表面状態を目して観察し、以下の基準で評価した。
○:剥離層と接していた接着剤層の表面の変形がなく、表面状態は平滑であった。
×:剥離層と接していた接着剤層の表面の変形が起こり、目視にてスジ等が確認された。
(製造例1)
ポリアミド樹脂(富士化成工業社製、商品名「トーマイドTXC−232−B」)の25質量%溶液(溶媒:イソプロピルアルコール/トルエン=1/1(質量比)の混合溶剤)100質量部に対し、ビスフェノールA型レゾールフェノール樹脂とアルキルフェノール型レゾールフェノール樹脂との混合物(昭和高分子社製、商品名「CKM−908」)の25質量%溶液(溶媒:トルエン)20質量部を添加することにより接着剤を製造した。
(実施例1)
両末端に水酸基を有する1,4−ポリブタジエン重合体(出光興産(株)製、商品名「R−45HT」、数平均分子量約2800、1,4−付加単位含有割合80.8%)と、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(日立化成ポリマー(株)製、商品名「テスファイン200」)を質量比50:50になるように、混合した。この混合物に、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸の50質量%メタノール溶液を総樹脂量の5質量%の量になるように添加し、固形分濃度が2.0質量%となるようにトルエン/メチルエチルケトン混合溶媒にて希釈し、剥離剤塗工溶液を調製した。得られた剥離剤塗工溶液をマイヤーバー#4を用いて、乾燥後の膜厚が0.07μmとなるように、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(三菱化学ポリエステル社製、商品名「PET38T−100」)の片面に塗工した後、150℃で1分間加熱処理して、剥離層を硬化させ、剥離シートを作製した。
得られた剥離シートを用いて、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。なお、得られた剥離シートの剥離層の中心線平均表面粗さ(Ra)は、36nmであった。
(実施例2)
両末端に水酸基を有する1,4−ポリブタジエン重合体と、メチル化メラミン樹脂の混合比を質量比で70:30とした以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作成した。
得られた剥離シートを用いて、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。なお、得られた剥離シートの剥離層の中心線平均表面粗さ(Ra)は、36nmであった。
(実施例3)
両末端に水酸基を有する1,4−ポリブタジエン重合体と、メチル化メラミン樹脂の混合比を質量比で30:70とした以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作成した。
得られた剥離シートを用いて、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。なお、得られた剥離シートの剥離層の中心線平均表面粗さ(Ra)は、38nmであった。
(比較例1)
メチル化メラミン樹脂(日立化成ポリマー(株)製、商品名「テスファイン200」、固形分濃度80質量%)に、p−トルエンスルホン酸の50質量%メタノール溶液を総樹脂量の5質量%の割合になるように添加し、固形分濃度2質量%となるように、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒にて希釈し、調製した剥離剤塗工溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作成した。
得られた剥離シートを用いて、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
両末端に水酸基を有するポリブタジエン重合体(出光興産(株)製、商品名「R−45HT」、数平均分子量約2800、1,4−付加単位含有割合80.8%)の代わりに、両末端に水酸基を有するポリブタジエン重合体(日本曹達(株)製、商品名「G−3000」、1,2−付加単位含有割合100%)を用いた以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作成した。
得られた剥離シートを用いて、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
付加反応型シリコーン樹脂(信越化学(株)製、商品名「KS−847H」)100重量部及び塩化白金酸系硬化剤(信越化学(株)製、商品名「CAT−PL−50T」)1.0重量部をトルエンにて固形分濃度が1.1質量%となるように希釈して剥離剤溶液を調製した。
次いで、上記剥離剤溶液をマイヤーバー#4を用いて、乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(三菱化学ポリエステル社製、商品名「PET38T−100」)の片面に塗工した後、130℃で約1分間乾燥させ、剥離シートを作製した。
得られた剥離シートを用いて、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。
なお、表1中の測定不可a)及びb)は、以下に示す意味である。
a):基材シートと接着剤層間の界面破壊が生じた為、測定不可であった。
b):接着剤塗工時に、ハジキ等が発生した為、測定不可であった。
Figure 0005191220
実施例1〜3は、接着剤層の剥離力が190〜530mN/20mmであり、程よい剥離力であった。比較例1は、両末端に水酸基を含有する1,4−ポリブタジエン重合体を含有していないので、剥離層の表面の純水の静的接触角が低く、剥離層と接着剤層の界面で浮き・ハガレが生じ、剥離シートとして欠陥品であった。また、比較例2は、両末端に水酸基を含有する1,4−ポリブタジエン重合体の代わりに、両末端に水酸基を含有する1,2−ポリブタジエン重合体を用いているため、接着剤層の剥離力が大きすぎて、また、剥離力変化率が大きく、ジッピングが起こり、接着剤層の表面状態が悪かった。比較例3は、剥離層がシリコーン樹脂であるため、乾燥膜厚5μmになるように接着剤を塗工する際の塗工性が悪く、ハジキ等が発生し、表面の平滑な接着剤層を得ることができず、乾燥膜厚25μmになるように接着剤を塗工すると、塗工は可能であったが、接着剤層の剥離シートの剥離層に対する剥離力が低すぎるため、接着剤層と剥離層との間で浮きが発生し、正確な剥離力の測定ができなかった。
本発明の剥離シートは、プリント配線基板などの各種電子材料などの接着用フィルムを作製できる接着樹脂キャスト用剥離シートや、セラミック層が積層されているセラミック剥離シート積層体用剥離シートなどとして利用できる。
図1は、剥離力測定試験における時間と剥離力との関係を示すグラフであり、図1(a)はジッピングが生じない場合を示したものであり、図1(b)はジッピングが生じた場合を示したものである。

Claims (5)

  1. 基材シートの少なくとも一方の表面に、剥離層が形成されており、該剥離層が両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体を硬化させた硬化皮膜であり、実質的にシリコーン化合物を含まないと共にポリ(メタ)アクリル酸エステルを含まないものであることを特徴とする剥離シート。
  2. 剥離層が、両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体と、その官能基と反応し得る架橋剤とを硬化させた硬化皮膜である請求項1に記載の剥離シート。
  3. 剥離層の厚さが0.03〜1μmであり、剥離層の表面の純水を用いた静的接触角が95°以下である請求項1に記載の剥離シート。
  4. 両末端に官能基を有する1,4−ポリブタジエン重合体の官能基が水酸基であり、架橋剤がメラミン樹脂である請求項2又は3に記載の剥離シート。
  5. 請求項1〜のいずれかの剥離シートの剥離層の表面に、接着剤層が設けられていることを特徴とする接着性剥離シート積層体。
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