JP5191200B2 - 加工顔料,顔料分散組成物,着色パターン形成方法、着色パターン、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示素子 - Google Patents

加工顔料,顔料分散組成物,着色パターン形成方法、着色パターン、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は,加工顔料,顔料分散組成物,着色パターン形成方法、着色パターン、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示素子に関する。
カラーフィルタは液晶ディスプレイや固体撮像素子に不可欠な構成部品である。 液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルタ用途においては、大型TV生産のため基板サイズが拡大しており、大型基板を用いた場合の生産性向上のため、低エネルギーでの硬化が望まれている。また、TV用途の液晶ディスプレイでは、従来のモニター用途のものに比し、より高度な画質が求められている。すなわち、コントラスト及び色純度の向上である。コントラスト向上のため、カラーフィルタの作製に用いられる硬化性組成物に関しては、使用する着色剤(有機顔料等)の粒子サイズとして、より微小なものが求められている。特許文献1には、カラーフィルタ用に適した着色剤として、耐熱性や耐溶剤性に比較的優れた着色樹脂皮膜(着色マトリックス)を形成できる表面処理微細有機顔料として、エポキシ樹脂や(メタ)アクリル樹脂で表面処理した微細有機顔料および前記樹脂で表面処理された微細有機顔料、カルボキシル基を有する皮膜形成性樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤等を含む感光性組成物を用いたカラーフィルターが記載されている。また,特許文献2には,特定のアミノ樹脂を用いた表面処理顔料が開示されている。
しかしながら,近年求められている更なるコントラスト向上要求,色純度向上要求には応えきれていないという問題がある。
特開平7−13016号公報 特開2003−206414号
本発明の目的は,分散性に優れた加工顔料を提供することである。次に本発明の目的は,良好に分散された顔料分散組成物を提供することである。更に本発明の目的は,良好な分散状態を有する着色パターン形成性組成物、それを用いた着色パターン形成方法、該着色パターン形成方法により形成された着色パターンを提供することである。さらに本発明の目的は,コントラストの高いカラーフィルタ、その製造方法を提供することである。
<1> 側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重量平均分子量1000以上50,000以下で、カルボキシル基を50〜200mgKOH/gの範囲で有するビニル共重合体で顔料を被覆してなる加工顔料。
<2> 前記顔料の平均1次粒子径が5〜25nmであることを特徴とする上記<1>に記載の加工顔料。
<3> 前記ビニル共重合体が、アクリル系単量体の少なくとも二種によって合成される共重合体、または該共重合体とは異なりアクリル系単量体の少なくとも一種とアクリル系単量体以外の他の単量体の少なくとも一種との共重合によって合成される共重合体であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の加工顔料。
<4> 前記ビニル共重合体が、後述の繰り返し単位a〜eから選択される繰り返し単位からなる共重合体であることを特徴とする上記<3>に記載の加工顔料。
> 前記ビニル共重合体が,(メタ)アクリル酸と、スチレン又はα−メチルスチレンと、を共重合成分として含有する共重合体である上記<>又は<>に記載の加工顔料。
<6>
前記顔料が、下記から選択される少なくとも1種を含む上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の加工顔料。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185
C.I.Pigment Orange 36,71
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264
C.I.Pigment Violet 19,23,32
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66
C.I.Pigment Green 7,36,37
C.I.Pigment Black 1,7
> 上記<1>〜<>のいずれか1項に記載の加工顔料を有機溶剤中に分散してなることを特徴とする顔料分散組成物。
> さらに顔料分散剤を有することを特徴とする上記<>に記載の顔料分散組成物。
> 上記<>又は<>に記載の顔料分散組成物と,エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物と、光重合開始剤と、を含む着色パターン形成性組成物。
<10> 前記エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物が、4官能以上のアクリレート化合物であることを特徴とする上記<9>に記載の着色パターン形成性組成物。
<11> 前記光重合開始剤が、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、クマリン系、アクリジン類系、ビイミダゾール系、及びオキシムエステル系の化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記<9>又は<10>に記載の着色パターン形成性組成物。
12> 上記<〜<11>のいずれか1項に記載の着色パターン形成性組成物をスリットコート法により塗布する工程を含むことを特徴とする着色パターン形成方法。
13> 上記<12>に記載の着色パターン形成方法により形成されたことを特徴とする着色パターン。
14> 上記<13>に記載の着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法。
<1> 上記<14>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造され、コントラスト5000以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
<1> 上記<1>に記載のカラーフィルタを備えてなる液晶表示素子。
本発明の側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するビニル共重合体を顔料処理に使用すると、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めることができると考えられる。そのため分散工程において、1次粒子に近い状態の分散体を得ることができ、コントラストの高いカラーフィルターを得ることができると考えられる。
それは、ビニル共重合体が側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有しており、該構造と顔料とが適度な静電的相互作用を持つこと、およびビニル共重合体による強い分子間力により、顔料1次粒子にビニル共重合体が強力に吸着し、スラリー、ろ過、水洗時にも脱着することないため、顔料1次粒子同士の凝集を効果的に抑制しているからだと考えられる。
また本発明の加工顔料を用い作製されたカラーフィルターは、高温・高湿度下でカラーフィルター層が濁る、カラーフィルター作製時に濁るといった問題も解決できる。これらの問題は、カラーフィルター中の微細顔料粒子が凝集して結晶成長して起こる現象であると考えられ、顔料1次粒子が微細であるほど起きやすい。
本発明の加工顔料は、先と同様の理由で、ビニル共重合体が微細顔料に強く吸着しているため、カラーフィルター中においても顔料粒子同士の凝集を効果的に抑制しているからだと考えられる。
さらに本発明の加工顔料を用いたカラーフィルターは、液晶の電圧保持率に優れる。液晶の電圧保持率の低下は、カラーフィルター中の金属イオン濃度が高い場合におきやすい。特にソルトミリング法を用いて微細顔料を作成した場合、起きやすい問題であるが、それは、顔料粒子に吸着したソルトミリングに使う無機塩(イオン)が分散工程、カラーフィルタ製造工程あるいは液晶表示素子を形成した後で、顔料粒子から溶出してくるためであると思われる。顔料1次粒子が微細であるほど、イオン性化合物を包含しやすくなり、水洗・ろ過での除去が難しくなる。本発明の加工顔料は、先と同様の理由で、ビニル共重合体が微細顔料に強く吸着しているため、分散工程あるいはカラーフィルター中でのイオンの溶出を効果的に抑制できるからだと考えられる。
また本発明の加工顔料を用いた着色感光性組成物は、カラーフィルター製造工程時、現像液中に析出物が発生しにくいという利点を有している。析出物は顔料粒子の凝集体であることが多い。析出は、分散剤により分散された顔料分散体がアルカリ現像液により、分散剤が脱着してしまい、微細顔料粒子が凝集して結晶成長して析出する現象であると考えられる。本発明の加工顔料は、先と同様の理由で、ビニル共重合体が微細顔料に強く吸着しているため、アルカリ現像液によってもビニル共重合体が脱着することがなく、アルカリ現像液中でも安定的に分散されているため、現像液中に析出物が発生しにくいと考えられる。
本発明によれば,分散性に優れた加工顔料、良好に分散された顔料分散組成物、良好な分散状態を有する着色パターン形成性組成物を得ることができる。また。本発明によれば,着色パターン形成性組成物を用いた着色パターン形成方法、該着色パターン形成方法により形成された着色パターンを提供することができる。さらに本発明によれば,コントラストの高いカラーフィルタ、その製造方法を提供することができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
<加工顔料>
本発明の加工顔料は、側鎖にエチレン性不飽和二重結合(以下、エチレン性不飽和基ともいう。)を有する重量平均分子量1000以上50,000以下で、カルボキシル基を50〜200mgKOH/gの範囲で有するビニル共重合体で顔料を被覆処理したことを特徴とする。
このような加工顔料の製造は、i)顔料と、ii)水溶性の無機塩と、iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、およびiv)側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重量平均分子量1000以上50,000以下のビニル共重合体を加え、ニーダー等で機械的に混練する工程(この工程をソルトミリングと称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。このような製造方法により、微細でかつ乾燥時の顔料の凝集が少ない本発明の加工顔料が得られる。
上記したソルトミリングについて、さらに具体的に説明する。
まず、i)有機顔料とii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量のiii)水溶性の有機溶剤を加え,ニーダー等で強く練り込んだ後,この混合物を水中に投入し,ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に,このスラリーを濾過,水洗して必要により乾燥することにより,微細化された顔料が得られる。なお,油性のワニスに分散して用いる場合には,乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で,水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は,処理顔料は乾燥する必要がなく,濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
本発明においては、ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、前記iv)少なくとも一部可溶な樹脂により表面が被覆された、さらに微細で、乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料が得られる。
乾燥凝集を防ぐ方法として,上記スラリー中にアルカリ水溶液に溶解したアルカリ可溶性樹脂を添加し,充分攪拌混合した後に塩酸または硫酸等の酸性水溶液で中和して樹脂を顔料に沈着させるか,塩化カルシウムまたは塩化バリウム等の水溶性の多価金属塩の水溶液を添加して樹脂を析出させて顔料に沈着させることにより,乾燥凝集を防ぐことも可能である。
なお、iv)側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重量平均分子量1000以上50,000以下のビニル共重合体を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。
〔i)顔料〕
本発明で用いる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。顔料の粒子サイズとしては、本発明の顔料分散組成物が好適に用いられるカラーフィルタが、高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。顔料分散組成物及びこれを含有する着色パターン形成性組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料の平均1次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5〜25nmが最も好ましい。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均1次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I. Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73
C.I. Pigment Green 7、10、36、37
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42
C.I.Pigment Brown 25、28
C.I.Pigment Black 1、7 等を挙げることができる。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Black 1、7
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々の組合せて用いることができる。上記の組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料若しくはペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、又はジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139またはC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:81以上では発色力が下がる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。上記質量比が100:5未満では400〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることができない場合がある。また100:200を越えると主波長が長波長寄りになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を1種単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
また、ブラックマトリックス用途に好適な顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン単独又は混合を用いることができ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。
また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
〔ii)水溶性の無機塩〕
本発明に用いられる水溶性の無機塩は、水に溶解するものであれば特に限定されず、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
ソルトミリングする際に用いる無機塩の量は、処理効率と生産効率の両面から、有機顔料の1〜30重量倍、特に5〜25重量倍であることが好ましい。有機顔料に対する無機塩の量比が大きいほど微細化効率が高いが、1回の顔料の処理量が少なくなるためである。
〔iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤〕
水溶性有機溶剤は、有機顔料、無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。
水溶性有機溶剤の添加量としては、無機塩に対して5質量%〜50質量%が好ましい。より好ましくは無機塩に対して10質量%〜40質量%であり、最適には無機塩に対して15質量%〜35質量%である。添加量が5質量%未満であると、均一な混練が難しくなり、粒子サイズの分布が大きくなって好ましくない。添加量が50質量%以上であると、混練組成物がやわらかくなりすぎ、混練組成物にシェアがかかりにくくなる為に、十分な微細化効果が得られなくなる。
iii)水溶性有機溶剤はソルトミリング初期に全てを添加しても良いし、分割して添加しても良い。水溶性有機溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用することも出来る。
〔iv)側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重量平均分子量1000以上50,000以下のビニル共重合体〕
本発明で使用される共重合体は、側鎖にエチレン性不飽和二重結合(以下、エチレン性不飽和基ともいう。)を有するGPCで測定した重量平均分子量が1000以上50,000以下で、カルボキシル基を50〜200mgKOH/gの範囲で有するビニル共重合体(以下、特定ビニル共重合体ともいう。)であれば、特に制限を受けない。
本発明に係る前記特定ビニル共重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)で1,000以上〜50,000の範囲であり、1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるための観点からは、本発明の特定ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)は1,000以上であることが必要である。また、顔料分散組成物を含有する着色パターン形成性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、本発明の特定ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)は50,000以下である。
本発明の加工顔料中、本発明に係るiv)特定ビニル共重合体の含有量としては質量比で、i)顔料:iv)特定ビニル共重合体=1:0.01〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.05〜1:1であり、さらに好ましくは、1:0.1〜1:0.6である。
本発明における前記特定ビニル共重合体は、側鎖にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する共重合体であるが、中でも、アクリル系の共重合体であることが好ましい。
前記エチレン性不飽和基は共重合体の側鎖に有すればよく、直接結合した形態であっても、また2価の連結基を介して結合してもよい。
前記エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましく、特に、脂環式(メタ)アクリロイル基を好ましい。
なお、(メタ)アクリロイルはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、以下において同様に、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを表す。
特定ビニル共重合体は、エチレン性不飽和基を側鎖に有するので、粘度が上昇することなく顔料の含有濃度を高くすることができ、また、感度を高く保持することができ、タクトタイムの短縮にも寄与する。
本発明における特定ビニル共重合体のエチレン性不飽和基の比率は、共重合体1分子に対してモル比で10〜60が好ましく、より好ましくは15〜50であり、特に好ましくは20〜40である。
本発明における特定ビニル共重合体は、その側鎖にアルカリ可溶性基を有することが好ましく、該アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性基が挙げられ、中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、部分エステル化マレイン酸などが挙げられ、中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
また、アルカリ可溶性基を側鎖に有することにより、良好な現像性を確保することができる。
前記特定ビニル共重合体の酸価は、カルボキシル基を、酸価50〜200mgKOH/gの範囲で有、酸価50〜150mgKOH/gが更に好ましい。酸価が50mgKOH/g以上であると現像性が向上し、また、200mgKOH/g以下であると凝集を効果的に感度が向上する点で好ましい。
また、本発明におけるアクリル系共重合体において、アルカリ可溶性基の比率はアクリル系共重合体1分子に対してモル比で10〜60が好ましく、より好ましくは15〜50であり、特に好ましくは20〜40である。
本発明における特定ビニル共重合体は、その側鎖に疎水性基の少なくとも一つを有することが好ましい。疎水性基を側鎖に有するので、現像時における現像液の膜中への染み込みを制御して現像速度を適正にコントロールすることができる。
さらに、経時での化学的な着色がなく、着色剤として赤色、緑色、青色等の有彩色顔料を採用した場合でも色特性の経時劣化を低減することができる。
本発明における特定ビニル共重合体の疎水性基の比率は共重合体1分子に対してモル比で5〜70が好ましく、より好ましくは10〜60であり、特に好ましくは20〜40である。
本発明における特定ビニル共重合体は、アクリル系単量体の少なくとも二種、アクリル系単量体の少なくとも一種とアクリル系単量体以外の他の単量体の少なくとも一種との共重合によって合成することができる。
側鎖のエチレン性不飽和基、アルカリ可溶性基、及び疎水性基は、アクリル系単量体及び他の単量体のいずれに存在してもよく、双方に存在していてもよい。
また、アクリル系単量体の少なくとも二種、アクリル系単量体の少なくとも一種とアクリル系単量体以外の他の単量体の少なくとも一種との共重合体等を常法により合成後、これに更に反応させて側鎖にアルカリ可溶性基、重合性二重結合、及び疎水性基を導入することによって合成することもできる。
なお、特定ビニル共重合体におけるエチレン性不飽和基、アルカリ可溶性基、及び疎水性基の存在は、例えば、赤外線吸収スペクトル分析、酸価測定、質量分析により確認することができる。
前記アクリル系単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリ−ル(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸クロライド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等が挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸およびα位にアルキル基が置換していてもよいスチレンを共重合成分として含有する共重合体が好ましい。
本発明の特定ビニル共重合体における他の共重合可能なモノマーとしては、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートおよびこれらのアクリレートをメタクリレートに変えた化合物を用いることができる。
アクリル系単量体以外の他の単量体としては、上記ビニル化合物が挙げられ、スチレン、α−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン)、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、等を挙げることができる。
これらの親油性モノマーで、特に好ましいものは、スチレンである。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要によりヒドロキシル基、ポリアルキレンオキシド基を有する化合物を共重合させることもできる。
これらの基は親水性が高く、樹脂に含有させることによってアルカリ現像での現像速度を調整することに有効である。
具体例としてはヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとして、ヒドロキシアルキルアクリレート及びヒドロキシアリールアクリレートを挙げることができる。
上記ヒドロキシアルキルアクリレートのアルキル基は、炭素数が2〜12であることが好ましい。
また、アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該置換基としては、アリール基、ハロゲン基、フェニル基、アルコキシル基等を挙げることができる。
アルキル基の具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。
特に好ましいヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。
また、ヒドロキシアリールアクリレートのアリール基は、炭素数が6〜12であることが好ましい。また、アリール基は、その水素原子が置換基で置換されていてもよい。
該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、フェニル基、アルコキシル基等を挙げることができる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基等を挙げることができる。
上記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアルキレンオキシド基を有する化合物としてはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートであり、またはこれらの末端OH基をアルキル基で封鎖した化合物が好適である。
ポリアルキレン基の繰り返し単位は3〜20程度が好ましく、5〜10が更に好ましい。
本発明に特定ビニル共重合体としては、具体的には、下記の化合物(繰り返し単位:a〜eは表に記載。)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記特定ビニル共重合体は、従来公知の製造方法を用いて製造することができる。
前記特定ビニル共重合体の製造において、エチレン性不飽和基(不飽和結合)を共重合体の樹脂に付与する方法は下記の方法があり、適宜用いることができる。
(1)カルボキシル基もしくはOH基を含むアクリル樹脂とイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物との反応によって得られるウレタン変性した不飽和基含有アクリル樹脂
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び不飽和基を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)OH基を含むアクリル樹脂と不飽和基を有する2塩基酸無水物を反応させた不飽和基含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂合成方法が好ましい。
具体的には、例えば、ジシクロペンタニルメタクリレート、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびベンジルメタクリレートの4元共重合体のCOOH基およびOH基に、反応性を有するエポキシ環を有し且つ炭素炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて目的とする樹脂を得る方法がある。
また、ジシクロペンテニルアクリレート、メタクリル酸およびスチレンの3元共重合体のCOOH基に、反応性を有するイソシアネート基を有し且つ炭素炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばイソホロンジイソシアネートとヒドロキシエチルメタクリレートの等モル反応物などの化合物)を反応させて目的とする樹脂を得る方法などがある。
OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
更にエチレン性不飽和基を共重合体に導入する合成手段としては、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報などに記載の方法が知られている。
より具体的には、樹脂中のカルボキシル基や水酸基に、例えばエポキシシクロヘキシル基、エポキシシクロペンチル基等の脂環式エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物などを反応させることにより、側鎖にエチレン性不飽和基を有する樹脂を得ることができる。
上記化合物の好ましい例としては、エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレートが挙げられ、このうち最も好ましいのは(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートである。
本発明においては、共重合体の側鎖に脂環式の基が導入されていることにより、特に顔料との密着性に優れ、保存安定性に優れるため、優れた顔料分散組成物を得ることができる。
該iv)特定ビニル共重合体は、通常のラジカル重合法によって製造することができる。一般的には、懸濁重合法あるいは溶液重合法などを用いる。このような重合体を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。
該ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、さらに連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノールおよびドデシルメルカプタン)を使用することができる。
本発明の加工顔料は、有機顔料などのi)顔料粒子がiv)特定ビニル共重合体で被覆されていることを特徴とし、該特定ビニル共重合体が顔料粒子表面の一部或いは全部に強固に被覆されることで本発明の効果を奏するものであり、一般的な高分子分散剤が顔料に吸着してなるものとは異なるものである。この被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で特定ビニル共重合体の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子分散剤は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された加工顔料の場合には遊離率は極めて少なく、40%以下である。
本発明の加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、遊離量を算出する。その方法は、加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機で室温で3時間、振とうさせた。その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した特定ビニル共重合体の質量を求め、初期の処理に使用した特定ビニル共重合体の質量との比から、遊離率(%)を算出した。
市販等の加工顔料の遊離率は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、加工顔料全体を溶解した後に、高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」として算出する。別途、加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
本発明において、上述の特定ビニル共重合体の他に、必要に応じて、他の化合物を同時に使用してもよい。好ましくは室温において固体であり、水不溶性で、かつソルトミリング時の湿潤剤に用いる水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶である必要があり,天然樹脂,変性天然樹脂,合成樹脂,天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。
乾燥した加工顔料を用いる場合には,用いる化合物は室温で固体であることが好ましい。天然樹脂としてはロジンが代表的であり,変性天然樹脂としては,ロジン誘導体,繊維素誘導体,ゴム誘導体,タンパク誘導体およびそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,マレイン酸樹脂,ブチラール樹脂,ポリエステル樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
合成樹脂としては、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
このようにして得られた本発明の加工顔料は、顔料表面が前記特定ビニル共重合体により強固に被覆され、有機溶剤に浸漬した場合でも遊離しないことから、分散性及び分散安定性に優れた加工顔料となり、その応用範囲は広く、特に、顔料分散組成物の調製に有用である。
<顔料分散組成物>
次に、前記本発明の加工顔料を用いた本発明の顔料分散組成物について説明する。
本発明の顔料分散組成物は、上記本発明の加工顔料を有機溶剤中に分散してなる。
また、本発明の加工顔料を有機溶剤中に分散する際、顔料分散剤(顔料誘導体を含む。)を適宜必要に応じて使用することも好ましい態様である。
〔有機溶剤〕
本発明の顔料分散組成物における有機溶剤としては、有機溶剤であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、
有機溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテルアテセート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノブチルエ−テルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、トリアセチン、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリアセチンモノアセテート、トリアセチンジアセテート等;並びにエーテル類、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ、等が挙げられる。
上記のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールジアセテート等が好適である。
有機溶剤は、一種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料分散組成物における有機溶剤の含有量は、顔料分散組成物の用途などに応じて適宜選択される。顔料分散組成物が後述する着色パターン形成性組成物光の調製に用いられる場合には、取り扱い性の観点から、顔料及び特定ビニル共重合体等を含む固形分濃度が5〜50質量%となるように含有することができる。
〔顔料分散剤〕
本発明の顔料分散組成物は、顔料の分散性をより向上させる目的で、顔料分散剤を含有することが好ましい。
前記顔料分散剤としては、従来から公知の顔料分散剤を用いることができる。更に、同様の目的で、界面活性剤等の分散剤、その他成分を加えることもできる。
顔料分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
前記、高分子分散剤は、本発明における特定ビニル共重合体と同様に、分散工程において、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
(ブロック型高分子)
ブロック型高分子としては、特に限定されないが、顔料吸着ブロックと、顔料に吸着しないブロックとからなるブロック型高分子が挙げられる。
顔料吸着ブロックを構成する単量体としては、特に制限されないが、例えば、顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、有機色素構造あるいは複素環構造を有するモノマー、酸性基を有するモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマーなどを挙げることができる。
有機色素構造あるいは複素環構造を有するモノマーとしては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等の複素環構造を有するモノマーを挙げることができる。より具体的には、特に制限されないが、以下のような構造のモノマーを挙げることができる。
酸性基を有するモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
塩基性窒素原子を有するモノマーとして、複素環を有するモノマーとして、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾールなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノヘキシル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジイソプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−i−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸ピペリジノエチル、(メタ)アクリル酸1−ピロリジノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸N,N−メチルフェニルアミノエチルなどが挙げられ、(メタ)アクリルアミド類として、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド及び6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、スチレン類として、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン等、が挙げられる。
また、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基を有するモノマーを用いることも可能である。具体的には、例えば、以下の構造のモノマーを挙げることができる。
更に、イオン性官能基を含有するモノマーを利用することができる。イオン性ビニルモノマー(アニオン性ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー)の例としては、アニオン性ビニルモノマーとして、前記酸性基を有するビニルモノマーのアルカリ金属塩や、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン)との塩などが挙げられ、カチオン性ビニルモノマーとしては、前記含窒素ビニルモノマーを、ハロゲン化アルキル(アルキル基:C1〜18、ハロゲン原子:塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子);塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸エステル(アルキル基:C1〜18);ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸アルキルエステル(アルキル基:C1〜18);硫酸ジアルキル(アルキル基:C1〜4)等で4級化させたもの、ジアルキルジアリルアンモニウム塩などが挙げられる。
顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーは、分散する顔料の種類に応じて、適宜選択することができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料に吸着しないブロックを構成する単量体としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどを挙げることができる。これらの単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ現像処理が必要な着色パターン形成性組成物に適用する場合には、上記の顔料に吸着しないブロックを構成する単量体と、酸性基を有するビニルモノマーを併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、およびクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルおよびフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリルの例としては、メタクリロニトリル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
前記酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる。
本発明におけるブロック型高分子を得る方法としては、従来公知の方法が利用して得ることができる。例えば、リビング重合、イニファータ法等が知られており、更に他の方法として、顔料吸着基を有する単量体又は顔料吸着基を有しない単量体をラジカル重合する際に、チオールカルボン酸又は2−アセチルチオエチルエーテル、10−アセチルチオデカンチオール等の分子内にチオエステルとチオール基とを含有する化合物を共存させて重合して得られた重合体を水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで処理して、片末端にチオール基を有する重合体とし、得られた片末端にチオール基を有する重合体の存在下でもう一方のブロックの単量体成分をラジカル重合する方法も知られている。これらの中でも、リビング重合が好適である。
ブロック型高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは3,000〜100,000の範囲とすることが好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。重量平均分子量が3,000以上であると、安定化効果をより効果的に得ることができ、また、重量平均分子量が100,000以下であると、より効果的に吸着して良好な分散性を発揮することができる。
ブロック型高分子としては、市販品を利用することも可能である。具体的な例としては、Disperbyk−2000、同−2001(以上BYK Chemie社製 )、EFKA4330、同4340(以上EFKA社製)等を挙げることができる。
(グラフト型高分子)
グラフト型高分子については、特に制限されないが、特開昭54−37082号公報、特開昭61−174939号公報などに記載のポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物、特開平9−169821号公報に記載のポリアリルアミンの側鎖のアミノ基をポリエステルで修飾した化合物、特開昭60−166318号公報に記載のポリエステルポリオール付加ポリウレタン等が好適に挙げられ、更に、特開平9−171253号公報や、マクロモノマーの化学と工業(アイピーシー出版部、1989年)などにあるように、重合性オリゴマー(以下、マクロモノマーと称する)を共重合成分とするグラフト型高分子も好適に挙げることができる。
グラフト型高分子の枝部は、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられるが、下記一般式(5)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子がより好ましい。
一般式(5)中、R74は、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Qはシアノ基、炭素原子数6〜30のアリール基、または、−COOR75(ここで、R75は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基を表す)を表す。
一般式(5)中、R74で表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。アルキル基の置換基としてはハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、等が挙げられる。このようなアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、カルボキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基などが挙げられる。このようなR74のうち、水素原子、メチル基が好ましい。
一般式(5)中、Qで表されるアリール基は置換基を有していてもよく、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、特に炭素原子数6〜12のアリール基が好ましい。アリール基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。このようなアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、等が挙げられる。このようなアリール基のうち、無置換アリール基、又は、ハロゲン原子、アルキル基、若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基が好ましく、特に無置換アリール基、又は、アルキル基で置換されたアリール基が好ましい。
一般式(5)のQで表される−COOR75中の、R75で表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましく、特に炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としてはハロゲン原子、アルケニル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基等が挙げられる。このようなアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、2−ブロモプロピル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、ビシクロ〔3.2.1〕オクト−2−イル基、1−アダマンチル基、ジメチルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、N,N−ジブチルアミノカルバモイルメチル基などが挙げられる。このようなアルキル基のうち、無置換アルキル基、又は、ハロゲン原子、アリール基、若しくは水酸基で置換されたアルキル基が好ましく、特に無置換アルキル基が好ましい。
一般式(5)のQで表される−COOR75中の、R75で表されるアリール基は置換基を有していてもよく、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、特に炭素原子数6〜12のアリール基が好ましい。アリール基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。このようなアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基、等が挙げられる。このようなアリール基のうち、無置換アリール基、又は、ハロゲン原子、アルキル基、若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基が好ましく、特にアルキル基で置換されたアリール基が好ましい。
このようなR75のうち、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基が好ましく、特に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましい。
このような一般式(5)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の枝部の具体的な例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートとベンジル(メタ)アクリレートとの共重合体、メチル(メタ)アクリレートとスチレンとの共重合体、メチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、メチル(メタ)アクリレートとアクリロニトリルとの共重合体などが挙げられる。
一般式(5)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の合成には、公知のいずれの方法を用いてもよい。
具体的には、一般式(5)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーと、該マクロモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーと、の共重合が挙げられる。
一般式(5)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーのうち、好ましいものは下記一般式(6)で表されるものである。

一般式(6)中、R76は、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Wは単結合または、
(Z、Zは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基を表し、Zは水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基を表す。)等の原子団から選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成された連結基を表し、Aは、前記した一般式(5)で表される構成単位を少なくとも有する基を表す。
このような一般式(6)で表されるマクロモノマーの具体的な例としては、以下に示すものが挙げられる。
前記構造におけるAは、前記一般式(6)におけるAと同義である。
市販品として入手できるこのようなマクロモノマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。
上記マクロモノマーの分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1,000〜20,000であるのが好ましく、2,000〜15,000であるのがより好ましい。上記数平均分子量が上記範囲内であると、顔料分散剤としての立体反発効果をより効果的に得ることができる。
上記に記載したマクロモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、顔料の分散性、分散安定性を向上させるために、前記「顔料吸着ブロックを構成する単量体」を用いることが好ましい。また、その他の共重合成分として、前記「顔料に吸着しないブロックを構成する単量体」を共重合させてもよい。
上記グラフト型高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは3,000〜100,000の範囲とすることが好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。重量平均分子量が3,000以上であると、安定化効果をより効果的に得ることができ、また、重量平均分子量が100,000以下であると、より効果的に吸着して良好な分散性を発揮することができる。
前記グラフト型高分子の市販品としては、ソルスパース24000、同28000、同32000、同38500、同39000、同55000(以上ルーブリゾール社製)、Disperbyk−161、同−171、同−174(以上BYK Chemie社製)等が挙げられる。
(末端変性型高分子)
末端変性型高分子としては、例えば、特開平9−77994号公報や、特開2002−273191号公報などに記載されているポリマーの末端に官能基を有する高分子を挙げることができる。
ポリマーの末端に官能基を有する高分子を合成する方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法およびこれらを組み合わせた方法などを挙げることができる。
1.官能基含有の重合開始剤を用いて重合(例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など)で合成する方法
2.官能基含有の連鎖移動剤を用いてラジカル重合で合成する方法
ここで導入する官能基は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基およびイオン性官能基から選択される部位などが挙げられる。また、これらの吸着部位に誘導できる官能基であっても構わない。
ポリマー末端に官能基を導入できる連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト化合物(例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メカルプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メカルプルイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、メルカプトアセトフェノン、ナフタレンチオール、ナフタレンメタンチオール等)またはこれらメルカプト化合物の酸化体であるジスルフィド化合物、およびハロゲン化合物(例えば、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸など)が挙げられる。
また、ポリマー末端に官能基を導入できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)、2,2’−アゾビス(2−シアノペンタノール)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロライド)、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕等又はこれらの誘導体等が挙げられる。
重合に用いられるモノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマーとしては、前記「顔料に吸着しないブロックを構成する単量体」を用いることができる。
上記の末端変性型高分子の分子量としては、重量平均分子量1,000〜50,000であることが好ましい。上記数平均分子量が1,000以上であると、顔料分散剤としての立体反発効果をより効果的に得ることができ、50,000以下であると、より効果的に立体効果を抑制し、顔料への吸着の時間をより短縮できる。
前記末端変性型高分子の市販品としては、ソルスパース3000、同17000、同27000(以上ルーブリゾール社製)等を挙げることができる。
分散剤としては、本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましく、中でも有機色素構造あるいは複素環構造を有する単量体に由来する共重合単位を含有するグラフト型高分子、末端基として有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、またはウレタン基を有する末端変性型高分子が特に好ましい。
〔(B)顔料誘導体〕
本発明の顔料分散組成物は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として着色パターン形成性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
分散の方法は、例えば、顔料と顔料分散剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えばGETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって行なえる。分散時間としては、3〜6時間程度が好適である。
顔料分散剤の添加量は、高分子分散剤の場合は、顔料に対して、0.5〜100重量%となるように添加することが好ましく、3〜100質量%がより好ましく、5〜80質量%が特に好ましい。顔料分散剤の量が前記範囲内であると、十分な顔料分散効果が得られる。ただし、分散剤の最適な添加量は、使用する顔料の種類、溶剤の種類などの組み合わせ等により適宜調整される。
本発明の特定ビニル共重合体と分散剤の比率は、特に制限されないが、分散剤が高分子分散剤である場合は、10/90〜90/10質量比が好ましく、特に20/80〜80/20質量比が好ましい。
−顔料分散組成物の調製−
本発明の顔料分散組成物の好ましい態様は、前記特定ビニル共重合体で被覆処理した加工顔料と有機溶剤と顔料分散剤とを分散してなる顔料分散組成物である。更に、必要に応じて、後述のアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。
本発明の顔料分散組成物の調製は、本発明の加工顔料と有機溶剤とさらに好ましくは顔料分散剤、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂を加えて混練、分散を行なう。分散は主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、顔料分散組成物を得る。ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
本発明の着色パターン形成性組成物は、前記顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物と、光重合開始剤を(好ましくは溶剤と共に)含有させ、これに必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
本発明の顔料分散物は、カラーフィルタの製造に用いられる着色パターン形成性組成物に好適に用いられる。
<着色パターン形成性組成物>
本発明の着色パターン形成性組成物は、前記顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物と、光重合開始剤を含むことを特徴とする。
前記組成物における光重合開始剤は好ましくは有機溶剤と共に含有させることが好ましい。また、前記組成物は、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等の添加剤を含有することができる。
−エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物−
本発明の着色パターン形成性組成物は、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物(以下、重合性化合物ともいう。)の少なくとも一種を含有する。
重合性化合物は、後述の光重合開始剤からの活性種の作用を受けて重合硬化し、画像形成するものである。
重合性化合物としては、常圧下で沸点が100℃以上の少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく、中でも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
常圧下で沸点が100℃以上の少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートが挙げられる。
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報に一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基が、エチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用される。
重合性化合物は、一種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合性化合物の着色パターン形成性組成物中における含有量としては、着色パターン形成性組成物(全固形分)100部に対して、好ましくは20〜200部であり、より好ましくは50〜120部である。該含有量が前記範囲内であると、良好に硬化を行なえる点で好ましい。
−光重合開始剤−
光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許USP−4318791、欧州特許公開EP−88050A等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許USP−4199420明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、Fr−2456741明細書に記載の(チオ)キサントン系又はアクリジン系化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン系又はビイミダゾール系の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
前記光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン類系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、を好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、等を好適に挙げることができる。
前記活性ハロゲン光重合開始剤(トリアジン系,オキサジアゾール系,クマリン系)としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン,2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール,3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S. Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S.PerkinII(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
光重合開始剤の光硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
−増感色素−
本発明において必要に応じて増感色素を添加することが好ましい。この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
(分光増感色素又は染料)
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
(350〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
更に好ましい増感色素の例としては、下記一般式(XIV)〜(XVIII)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(XIV)中、Aは硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
以下に、一般式(XIV)で表される化合物の好ましい具体例〔(F−1)〜(F−5)〕を示す。
(一般式(XV)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここでLは−O−又は−S−を表す。また、Wは一般式(XIV)に示したものと同義である。)
一般式(XV)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−6)〜(F−8)〕が挙げられる。
(一般式(XVI)中、Aは硫黄原子又はNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(XVI)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−9)〜(F−11)〕が挙げられる。
(一般式(XVII)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−、又は−NR63を表し、R63は置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L、Lはそれぞれ独立に、隣接するA、A及び隣接炭素原子と共同してして色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R61、R62はそれぞれ独立に一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
一般式(XVII)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−12)〜(F−15)〕が挙げられる。
また、そのほかに、本発明に用いられる好適な増感色素として、下記式(XVIII)で表されるものが挙げられる。
(一般式(XVIII)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子ないし−N(R)−を表し、Yは酸素原子又は−N(R)−を表す。R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は、一価の非金属原子団を表し、AとR、R、Rとは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
ここで、R、R、Rが一価の非金属原子団をあらわすとき、好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基又はアリール基を表す。
次に、R、R、Rの好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N,N−ジアリールウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アリール−N−アリールウレイド基、N,N−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアリール−N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO2)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらは更に置換基を有していてもよい。
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、又は多環芳香族環から誘導される基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(GCO−)におけるGとしては、水素、並びに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
上記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR、R、又はRとして好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
、R、又はRとして好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
、R、又はRとして好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
なお、R及びRの更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。また、Rの更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。その理由は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸又は塩基を発生させる効率が向上するためと推定される。
次に、一般式(XVIII)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、一般式(XVIII)におけるR、R、又はRについての前述の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基を有するアリール基が挙げられ、特に好ましいAとしてはアミノ基を有するアリール基が挙げられる。
次に、式(XVIII)におけるYについて説明する。Yは上述のA及び隣接炭素原子と共同して、複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表す。このような複素環としては縮合環を有していてもよい5、6、7員の含窒素、或いは含硫黄複素環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環がよい。
含窒素複素環の例としては例えば、L.G.Brookerら著、ジャーナル オブ アメリカンケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)第73巻(1951年)、p.5326−5358及び参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。
具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール、4,5−ジ(2−フリル)チアゾール等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6ージメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール、等)、チアナフテノ−7,6,4,5−チアゾール類(例えば、4−メトキシチアナフテノ−7,6,4,5−チアゾール、等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5ーメチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6ーメトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール、等)、
ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール、等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール、等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール、等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン、4,5−ジメチルチアゾリン、4−フェニルチアゾリン、4,5−ジ(2−フリル)チアゾリン、4,5−ジフェニルチアゾリン、4,5−ジ(p−メトキシフェニル)チアゾリン等)、2−キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6ーヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、等)、4−キノリン類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、等)、1−イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジメチルベンズイミダゾール、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール、等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5−トリメチルインドレニン、3,3,7−トリメチルインドレニン、等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン、等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等を挙げることができる。また、これらの環の置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
また、含硫黄複素環の例としては、例えば、特開平3−296759号記載の色素類におけるジチオール部分構造を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール、等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール、等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジエトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール、等)等を挙げることができる。
以上に述べた一般式(XVIII)における、Yが上述のA及び隣接する炭素原子と共同して形成する含窒素或いは含硫黄複素環の例のうち、下記一般式(XVIII-2)の部分構造式で表される構造を有する色素は、高い増感能を有する上、保存安定性にも非常に優れた感光性組成物を与えるため、特に好ましい。一般式(XVIII−2)で表される構造を有する色素は新規化合物として、特願2003−311253明細書に詳細に記載した化合物である。
(一般式(XVIII−2)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子ないし−N(R)−を表す。R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表し、AとR、R、R、Rは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
一般式(XVIII−2)中、A及びRは一般式(XVIII)におけるのと同義であり、Rは一般式(XVIII)におけるRと、Rは一般式(XVIII)におけるRと、Rは一般式(XVIII)におけるRと、それぞれ同義である。
次に本発明に用いられる一般式(XVIII)で表される化合物の好ましい態様である一般式(XVIII−3)で表される化合物について説明する。
前記一般式(XVIII−3)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子ないし−N(R)−を表す。R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は、一価の非金属原子団であり、AとR、R、Rは、それぞれ互いに、脂肪族性又は芳香族性の環を形成するために結合することができる。Arは置換基を有する芳香族環又はヘテロ環を表す。但し、Ar骨格上の置換基は、そのハメット値の総和が0より大きいことを要する。ここでハメット値の総和が0より大きいとは、1つの置換基を有し、その置換基のハメット値が0より大きいものであってもよく、複数の置換基を有し、それらの置換基におけるハメット値の総和が0より大きいものであってもよい。
一般式(XVIII−3)中、A及びRは一般式(XVIII)におけるものと同義であり、Rは一般式(XVIII)におけるRと、Rは一般式(XVIII)におけるRと同義である。また、Arは置換基を有する芳香族環又はヘテロ環を表し、具体例としては、先に一般式(XVIII)におけるAの説明に記載されたもののうち、置換基を有する芳香族環又はヘテロ環に係る具体例が同様に挙げられる。ただし、一般式(XVIII−3)におけるArに導入可能な置換基としては、ハメット値の総和が0以上であることが必須であり、そのような置換基の例としては、トリフルオロメチル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホキシド基、アミド基、カルボキシル基等を挙げることができる。これら置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF、m:0.43、p:0.54)、カルボニル基(例えば−COHm:0.36、p:0.43)、エステル基(−COOCH、m:0.37、p:0.45)、ハロゲン原子(例えばCl、m:0.37、p:0.23)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、スルホキシド基(例えば−SOCH、m:0.52、p:0.45)、アミド基(例えば−NHCOCH、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.37、p:0.45)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。このうち、Arの好ましい例としては置換基を有するフェニル基を挙げることができ、Ar骨格上の好ましい置換基としてはエステル基、シアノ基が挙げられる。置換の位置としてはAr骨格上のオルト位に位置していることが特に好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(XVIII)で表される増感色素の好ましい具体例〔例示化合物(F1)〜例示化合物(F56)〕を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に適用可能な前記増感色素の中でも、前記一般式(XVIII)で表される化合物が、深部硬化性の観点から好ましい。
上記の増感色素に関しては、本発明の感光性組成物の特性を改良する目的で、以下のような種々の化学修飾を行うことが可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、架橋硬化膜の高強度化や、架橋硬化膜からの色素の不要な析出抑制効果向上を得ることができる。
増感色素の含有量は、本発明のカラーフィルタ用着色感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
増感色素の含有量がこの範囲であることで、超高圧水銀灯の露光波長に対して高感度であり、膜深部硬化性が得られると共に、現像マージン、パターン形成性の点で好ましい。
〈アルカリ可溶性樹脂〉
本発明の着色パターン形成性組成物は、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂を含有することができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
上記の線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
このほか、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。ここで(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸を合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR、CH=C(R)(COOR)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR、及び/又はCH=C(R)(COOR)である。
アルカリ可溶性樹脂の着色パターン形成性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは、2〜12質量%であり、特に好ましくは、3〜10質量%である。
塗布液のレオロジーの観点,塗布膜の膜厚均一性の観点から,着色パターン形成性組成物に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。特に,高純度カラーフィルタ等の作成のために顔料濃度を増大させた場合に,有効である。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は例えばアデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上ADEKA株製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。
好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08(大日本インキ(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、着色パターン形成性組成物の100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部以下の場合は、塗布乾燥での表面あれが生じ難く、平滑性が悪化し難くなる。
−溶剤−
本発明の着色パターン形成性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。
本発明の着色パターン形成性組成物の調製は、一般に溶剤を用いて好適に行なうことができる。
溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテルアテセート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノブチルエ−テルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、トリアセチン、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリアセチンモノアセテート、トリアセチンジアセテート等;並びにエーテル類、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ、等が挙げられる。
上記のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールジアセテート等が好適である。溶剤は、一種単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−その他成分−
本発明の着色パターン形成性組成物は、上記成分以外に必要に応じて、連鎖移動剤,フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、その他充填剤、上記のアルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、上記以外の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
(連鎖移動剤)
本発明の着色硬化性組成物に添加し得る連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(フッ素系有機化合物)
フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に流動性)を改善でき、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。すなわち、被塗布物と塗布液との界面張力を低下させて被塗布物への濡れ性が改善され、被塗布物への塗布性が向上するので、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
その他の各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色パターン形成性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明の着色パターン形成性組成物には、上記以外に更に熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール、等が有用である。
〜着色パターン形成性組成物の調製〜
本発明の着色パターン形成性組成物は、本発明における顔料分散組成物、エチレン性不飽和基を有する化合物、及び光重合開始剤、並びに必要に応じて他の成分を(好ましくは溶剤と共に)混合し、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。
なお、混合分散する工程(混合分散工程)は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理とで構成されるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。また混練、分散工程に使用する顔料種は予めソルトミリング法等によって粒子サイズを微細化しておくことが好ましい。ソルトミリングの方法は特許3130217、特表2003−504480などで公知である。またビルドアップ法によって形成した微粒子の顔料も用いることができる。
混練分散工程では、原料の顔料の粒子表面をビヒクルの樹脂成分を主体とした構成成分との濡れを促進し、顔料粒子と空気の固体/気体界面から顔料粒子とビヒクル溶液の固体/溶液界面に変換する。微分散工程では、ガラス、ジルコニアやセラミックの微粒の分散用メディアと共に混合攪拌することにより、顔料粒子を一次粒子に近い微小な状態にまで分散する。したがって、混練分散工程では顔料粒子表面が形成する界面を空気から溶液に変換する必要があるので、強い剪断力圧縮力が必要となり、それにふさわしい混練機、被混練物は高粘度のものが望ましく、一方、微分散工程では粒子を微小な状態にまで均一に安定に分布させることが必要となり、凝集している顔料粒子に衝撃力と剪断力を不要するような分散機と、比較的低い被分散物は比較的低粘度であることが望ましい。
本発明の着色パターン形成性組成物を用いて、例えば、カラーフィルタを作製するための混練分散工程は、まず有機顔料やカーボンブラック等の顔料、本発明に係るアクリル系共重合体(アルカリ可溶性樹脂)の一部及び必要に応じて分散剤もしくは表面処理剤を溶剤の一部と共に混練する。混練に用いる機械は、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等が挙げられ、強い剪断力を与えながら分散する。次いで、残りの溶剤及び本発明に係るアクリル系共重合体(アルカリ可溶性樹脂;前記混練に用いていない残部)を加え、主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機などを用い、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで分散する。なお、上記の混練する工程を省くことも可能である。その場合には、顔料等の着色剤、本発明に係る特定ビニル共重合体及び必要に応じて分散剤もしくは表面処理剤、アルカリ可溶性樹脂を溶剤と共にビーズ分散する。この場合には、混練する際に用いる分の本発明に係る特定ビニル共重合体は分散の途中で添加することが好ましい。
混練、分散についての詳細は、T.C. Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されている。
このようにして得られた本発明の着色パターン形成用組成物は、前述の各成分を含むことにより、組成物中で(A)顔料を良好な分散状態で保ち、良好な色特性が得られると共に、この組成物を用いて、例えば、カラーフィルタを構成したときには高いコントラストを得ることができる。
<着色パターン形成方法、着色パターン、カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ>
次に、本発明の着色パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタについて説明する。
本発明の着色パターン形成方法は、本発明の着色パターン形成用組成物をスリットコート法により塗布する工程を含むことで、所望の着色パターンを形成することができる。
この着色パターン形成方法は、カラーフィルタの製造方法に適用することが好ましい。
以下、本発明の着色パターン形成方法を適用したカラーフィルタの製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の着色パターン形成用組成物を、直接若しくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する工程(以下、適宜「感光性膜形成工程」と略称する。)と、形成された感光性膜を、パターン露光する(マスクを介して露光する)工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の感光性膜を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含む。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
(感光性膜形成工程)
感光性膜形成工程では、直接若しくは他の層を有する基板上に、本発明の着色パターン形成用組成物を塗布して(付与して)感光性膜を形成する。
本工程に用いうる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコーン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは、基板表面の平坦化のために下塗り層(他の層)を設けてもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法において、基板上への本発明の着色パターン形成用組成物の塗布方法としては、スリットコート法を用いることを要するが、その他、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
着色パターン形成用組成物の塗布膜厚としては、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmが更に好ましい。
基板上に塗布された感光性膜の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10〜300秒で行うことができる。
(露光工程)
露光工程では、前記感光性膜形成工程において形成された感光性膜を、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する、即ち、パターン露光を行う。
本工程では、塗布膜である感光性膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行うことで、光照射された塗布膜部分だけを硬化させることができる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜1500mJ/cmが好ましく10〜1000mJ/cmがより好ましく、10〜500mJ/cmが最も好ましい。
製造するカラーフィルタが液晶表示素子用である場合は、上記範囲の中で5〜200mJ/cmが好ましく10〜150mJ/cmがより好ましく、10〜100mJ/cmが最も好ましい。また、製造するカラーフィルタが固体撮像素子用である場合は、上記範囲の中で30〜1500mJ/cmが好ましく50〜1000mJ/cmがより好ましく、80〜500mJ/cmが最も好ましい。
(現像工程)
次いで、現像処理を行うことにより、露光工程における未露光部分が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、未硬化部における光硬化性組成物の膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
前記有機溶剤としては、本発明の着色パターン形成用組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
現像工程後、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行う。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃の熱硬化処理を行う。基板がガラス基板又はシリコーン基板の場合は上記温度範囲の中でも200℃〜240℃が好ましい。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
以上説明した、感光性膜形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により加熱処理)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)が作製される。
以上のような本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色パターン形成用組成物を用いてなる着色パターンを有する構成であり、コントラストを5000以上とすることができる。
ここで、コントラストとは、カラーフィルタを構成するR(赤)、G(緑)、B(青)について、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。
コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。ここで、偏光板としては、日東電工G1220DUNを用い、測定機は色彩輝度計BM−5((株)トプコン製)を用いた。
本発明の着色パターン形成用組成物を基板上に付与して膜形成する場合、膜の乾燥厚みとしては、一般に0.3〜5.0μmであり、好ましくは0.5〜3.5μmであり、最も望ましくは1.0〜2.5μmである。
基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
本発明の着色パターン形成用組成物の用途として、主にカラーフィルタの画素への用途を主体に述べてきたが、カラーフィルタの画素間に設けられるブラックマトリックスにも適用できることは言うまでもない。ブラックマトリックスは、本発明の着色パターン形成用組成物に着色剤として、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色の着色剤を添加したものを用いる他は、上記画素の作製方法と同様に、パターン露光、アルカリ現像し、更にその後、ポストベークして膜の硬化を促進させて形成させることができる。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。
より具体的には、カラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示素子であるパネルが得られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。また、表中の「特定ビニル共重合体」とは「本発明の側鎖にエチレン性不飽和結合を有する重量平均分子量1,000以上50,000以下のビニル共重合体」又は「比較の共重合体」を言う。
(合成例1:特定ビニル共重合体1の合成)
酸価200、分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて特定ビニル共重合体1を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ特定ビニル共重合体1の酸価は80であった。
(合成例2:特定ビニル共重合体2の合成)
酸価200、分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート7.7gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて:特定ビニル共重合体2を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ特定ビニル共重合体2の酸価は80であった。
(合成例3:特定ビニル共重合体3の合成)
酸価200、分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、グリシジルメタクリレート5.9gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて特定ビニル共重合体3を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ特定ビニル共重合体3の酸価は80であった。
(比較合成例101:比較ビニル共重合体P−2の合成)
酸価200、分子量900のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて比較ビニル共重合体P−2を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ比較ビニル共重合体P−2の酸価は80であった。
(比較合成例102:比較ビニル共重合体P−3の合成)
酸価200、分子量55,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて比較ビニル共重合体P−3を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ比較ビニル共重合体P−3の酸価は80であった。
(比較合成例103:比較ビニル共重合体P-4の合成)
酸価200、分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート9gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて比較ビニル共重合体P-4を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ比較ビニル共重合体P-4の酸価は45であった。
(比較合成例104:比較ビニル共重合体P-5の合成)
酸価290、分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.2gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて比較ビニル共重合体P-5を得た。KOHによる中和滴定をおこなったところ比較ビニル共重合体P-5の酸価は210であった。
<顔料加工の実施例>
(実施例1)
表1記載の顔料 50g、塩化ナトリウム 500g、表1記載の特定ビニル共重合体溶液(30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液) 25g、およびジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥して特定ビニル共重合体1で被覆された加工顔料を得た。
(顔料1次粒子径の測定)
顔料1次粒子径は、得られた加工顔料を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより求めた。
(顔料被覆度の評価)
得られた加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール 100mL中に投入し、振とう機にて室温で3時間、振とうさせた。その後、遠心分離機にて、80,000rpm、8時間かけて顔料を沈降させた。上澄み液部分の固形分を乾燥法から求め、顔料から遊離した特定ビニル共重合体1の量を求め、処理に使用した特定ビニル共重合体1との比から、遊離率(%)を算出した。遊離率(%)が小さいほど顔料への被覆度が高い。
(実施例2〜8、比較例1〜10
実施例1において、表1の顔料、特定・比較ビニル共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして加工顔料を得、同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例9)
≪赤色硬化性組成物の調製≫
下記RED組成Aを3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.1mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、赤色顔料分散組成物(1)を得た。
続いて、下記RED組成Bを混合撹拌し、赤色硬化性組成物(着色パターン形成性組成物)の赤色画素用塗布液(1)を得た。
これらについては、下記の評価を行い、評価結果を表2及び表3に示す。
−RED組成A(顔料分散組成物)−
・加工顔料1・・・ 14部
・加工顔料4・・・ 4部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)・・・ 8部
・アルカリ可溶性樹脂溶液:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量% 10部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 64部
−RED組成B(塗布液)−
・上記RED組成Aの分散液 100部
・樹脂溶液:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) 8部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学製) 1部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート 6部
・重合開始剤A:4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 1部
・重合開始剤B:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 1部
・重合開始剤C:ジエチルチオキサントン 0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R30 大日本インキ製) 0.01部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:テトロニックR150 ADEKA製) 0.3部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 140部
(実施例10、11)
実施例9において、RED組成Aの「加工顔料1と4」の代わりに、それぞれ「加工顔料2と4」、「加工顔料3と4」を用いた以外は、実施例9と同様にして、顔料分散組成物(2)と(3)、赤色硬化性組成物(着色パターン形成性組成物)の赤色画素用塗布液(2)と(3)を得た。
(実施例12)
≪緑色硬化性組成物(1)の調製≫
実施例9において、下記RED組成Aを用いる代わりに、下記GREEN組成Aを用いた以外は、実施例と同様にして緑色顔料分散組成物(1)を得た。
続いて、下記GREEN組成Bを混合撹拌し、緑色硬化性組成物(着色パターン形成性組成物)の緑色画素用塗布液(1)を得た。
−GREEN組成A(顔料分散組成物)−
・加工顔料5 11部
・加工顔料6 7部
・分散剤:(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液) 8部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) 4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55部
−GREEN組成B(塗布液)−
・GREEN組成Aの分散液 100部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート 7.5部
・重合開始剤A:1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O―ベンゾイルオキシム) 2部
・重合開始剤B:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 1部
・重合開始剤C:ジエチルチオキサントン 0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.001部
・フッソ系界面活性剤(商品名:Megafac R30 大日本インキ製) 0.01部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:テトロニックR150 ADEKA製) 0.3部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 140部
(実施例13)
≪青色硬化性組成物の調製≫
実施例9において、下記RED組成Aを用いる代わりに、下記BLUE組成Aを用いた以外は、実施例9と同様にして青色顔料分散組成物(1)を得た。
続いて、下記BLUE組成Bを混合撹拌し、青色硬化性組成物(着色パターン形成性組成物)の青色画素用塗布液(1)を得た。
−BLUE組成A(顔料分散組成物)−
・加工顔料7 14部
・加工顔料8 1部
・分散剤:(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液) 8部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) 4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 63部
−BLUE組成B(塗布液)−
・BLUE組成Aの分散液 100部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) 6部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート 11.5部
・重合開始剤A:1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O―ベンゾイルオキシム) 3部
・重合開始剤B:ジエチルチオキサントン 0.5部
・重合禁止剤: p−メトキシフェノール 0.001部
・フッソ系界面活性剤(商品名:Megafac R30 大日本インキ製) 0.01部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:テトロニックR150 ADEKA製) 0.3部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 170部
(比較例1113
実施例9において、「加工顔料1と4」を用いる代わりに、それぞれ「加工顔料101と102」、「加工顔料103と104」、「加工顔料105と106」を使用した以外は、実施例9と同様に行い、顔料分散物として赤色顔料分散物(4)、緑色顔料分散組成物(2)、青色顔料分散組成物(2)を得、続いて、着色パターン形成性組成物として赤色画素用塗布液(4)、緑色画素用塗布液(2)、青色画素用塗布液(2)を得て、実施例9と同様に評価した。
<顔料分散組成物(組成A)の評価>
得られた顔料分散組成物について下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)粘度の測定、評価
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計を用いて、分散直後の顔料分散組成物の粘度η1(初期粘度)および分散後(室温にて)1週間経過した後の顔料分散組成物の粘度η2(経時粘度)を測定し、増粘の程度をで評価した。ここで、η2/η1が低いことは、分散剤に起因する粘度の上昇が抑制されており、顔料の分散性及び分散安定性が良好であることを示す。
(2)コントラストの測定、評価
得られた顔料分散組成物をガラス基板上に塗布し、乾燥後の塗布膜の厚さが1μmになるようにサンプルを作製した。2枚の偏光板の間にこのサンプルを置き、偏光板が平行時の輝度と直行時の輝度を(BM−5 トプコン社製)にて測定し、コントラスト=平行時の輝度/直行時の輝度で求めた。ここで、コントラストが高いことは、顔料が高度に微細化された状態で均一に分散されているため、透過率すなわち着色力が高いことを示す。
(3)顔料析出性の評価
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に得られた顔料分散組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥した。
その後、塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施し、光学顕微鏡にてパターン上の顔料析出の有無を確認した。点数が高いほど、よい。
4:ポストベーク4回目で析出
3:ポストベーク3回目で析出
2:ポストベーク2回目で析出
1:ポストベーク1回目で析出

実施例の通り、本発明は保存性およびコントラストにおいて優れていることがわかった。
(実施例14:カラーフィルタの作製)
3−1.着色画素部形成工程
(1)赤色画素部の形成
<硬化性組成物層(塗膜)の形成>
一方の面にブラックマトリクス(BM)が形成されたガラス基板(550mm×650mm)のBM形成面側に、上記にて得られた赤色画素用塗布液(1)を、スリット間隔100μm、塗布有効幅500mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置を用いてスリット塗布することにより、硬化性組成物層(塗膜)を形成した。
スリット塗布は、UV照射工程後の膜厚が、1.5μm〜3.0μmとなるようにスリットとガラス基板との間隔、塗布液の吐出量を調節して、塗布速度100mm/秒で行った。
<露光、現像、洗浄(リンス)>
次いで、得られた硬化性組成物層に対し、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間乾燥(プリベーク)を行なった後、HITACHI露光機LE5565(全波長)を用いて、プロキシミテイーギャップを300μmとして、100mJ/cmで露光した(照度:20mW/cm)。
露光後の基板を、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(25℃)で60秒間、現像し、純水で洗浄した。
以上により、ガラス基板上に赤色画素部を形成した。
(2)緑色画素部の形成
赤色画素部が形成されたガラス基板に、緑色画素用塗布液(1)を用いた以外は、赤色画素部の形成と同様にして緑色画素部を形成した。
(3)青色画素部の形成
赤色画素部及び緑色画素部が形成されたガラス基板に、青色画素用塗布液(1)を用いた以外は、赤色画素部の形成と同様にして青色画素部を形成した。
3−2.UV照射工程
形成された赤色画素部、緑色画素部、及び青色画素部に対し、下記の条件でUV照射を行った。
<UV照射条件>
光源:高圧水銀灯(ウシオ電機製UM−2KL)
照度:L=350mW/cm、H=700mW/cm
照射時間:L=5sec、H=25sec
UV照射時の加熱温度(Hot Plateを使用):35℃
以上のようにして、表のカラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタについて下記の評価を行った。
(実施例15,16、比較例14
実施例14において、赤色画素用塗布液(1)を用いる代わりに、表に示すように赤色画素用塗布液(2)、(3)、(4)を用いた以外は、実施例14と同様にしてカラーフィルタを得、同様に評価した。
(比較例15
実施例14において、緑色画素用塗布液(1)を用いる代わりに、表に示すように緑色画素用塗布液(2)を用いた以外は、実施例14と同様にしてカラーフィルタを得、同様に評価した。
(比較例16
実施例14において、緑色画素用塗布液(1)を用いる代わりに、表に示すように緑色画素用塗布液(2)を用いた以外は、実施例14と同様にしてカラーフィルタを得、同様に評価した。
<基板密着性>
基板密着性の評価として、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。本評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った。
−評価基準−
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
<マスク太り量>
形成されたパターンの寸法を、寸法計測器(ICRON オリンパス(株)製)にて測定した。本評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った。
−評価基準−
○:マスクに対し+5μm以上の太り幅。
△:マスクに対し+2μm以上、5μm未満の太り幅。
×:マスクに対し+2μm未満の太り幅。
<現像残渣>
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を観察し、現像性を評価した。
−評価基準−
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった。
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:未露光部に、残渣が著しく確認された。
<コントラスト評価>
測定基板の作成
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737コーニング(株)社製)上に前記着色パターン形成性組成物を膜厚2.5μmとなるように塗布し、90℃オーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、全面に200mj/cmの露光(照度は20mW/cm)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて露光済みの塗布膜を覆い、60秒間静止した。その後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。以上のように、光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理(ポストベーク)を施し、ガラス基板上にカラーフィルタ用着色樹脂皮膜を形成した。
−コントラストの測定−
ガラス基板上にカラーフィルタ用着色樹脂皮膜を偏光板(日東電工(株)製、G1220DUN)で挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直行時の輝度を色彩輝度計(BM−5 トプコン社製)にて測定し、コントラスト=平行時の輝度/直行時の輝度で求めた。
<色度測定>
形成された塗膜の色度x値とy値は分光光度計(大塚電子(株)社製MCPD−3000)を使用して算出し、両色度座標x値、y値を合わせてY値を算出した。
<粘度、表面張力、接触角の測定(23℃、50%RH)>
得られた着色パターン形成用組成物について、E型粘度計(RE550L、東機産業社製)を用いて、組成物調製後の粘度ηを測定したところ3.5mPa・secであり、ウイルヘルミー法にて表面張力を測定したところ、27mN/mであった。
また、ガラス基板(1737、コーニング社製)基板への接触角を、自動接触角計(DropMaster DM500、協和界面科学社製)にて、測定したところ18°であった。
<溶剤溶解性測定>
得られた着色パターン形成用組成物を、スリットコータ(ヘッドコーター、ファスタ−社製ヘッド搭載)を用いて、550mm×650mmガラス基板(1737、コーニング社製)上に塗布速度200mm/secにて塗布を実施した。その後、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。乾燥膜の膜厚は2μmであった。
乾燥膜を有する基板を45度傾斜して固定し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート液滴(0.1ml)を1秒間隔で滴下し、膜面の溶解を目視観察した。評価指標は以下の通りである。
−評価基準−
◎:膜が1滴〜2滴で溶解するもの
○:膜が3滴〜4滴で溶解するもの
△:膜が5滴〜6滴で溶解するもの
×:膜が6滴で溶解しないもの
<スリット塗布ムラの評価>
スリット間隔100μm、塗布有効幅500mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置を用いて、スリット塗布適性の評価を行った。通常の方法で10枚ガラス基板(幅550mm、長さ650mm、厚み0.7mm)上に塗布した後に、前記スリットヘッドを空中に5分間待機させ、強制乾燥させた。待機後3秒間ダミーデイスペンスし、そのままガラス基板に断続で10枚スリット塗布した。ポストベーク後の塗膜厚が2μmとなるようにスリットとガラス基板間の間隔を調節して、塗布速度100mm/秒で硬化性組成物を塗布した。塗布後、ホットプレートで、90℃、60秒間プリベークした後、塗布面のスジ状のムラの本数をナトリウム光源を用いて目視にてカウントし、以下の基準で評価した。
−評価基準−
○:塗布面にスジ状のムラが全くないもの
△:スジ状のムラが1〜5本観察されたもの
×:スジ状のムラが6本以上観察されたもの
同時にXYステージを持つ光学顕微鏡で10μm以上の大きさの異物の有無を観察し、異物の数を計測し、基板1枚当たりの数で示した。コントラストは、後述する方法により測定した。
<膜厚ムラ>
上記塗膜のスジ状の膜厚ムラ変動をポストベーク処理後にアルバック社製の触針式膜厚計DECTAC−3で測定した。
評価基準は以下の通りであり、△が実用上の許容範囲の下限となる。○:膜厚ムラが±1%以内であるもの
−評価基準−
△:膜厚ムラが±1%を超え、±2%以内であるもの
×:膜厚ムラが±2%を超えるもの。
<耐薬品性>
得られた実施例1及び比較例1のカラーフィルタを、下記表2に示す条件で、各種の薬液(NMP、KOH、HNO/CHCOOH/HPO)に浸漬し、浸漬前後の色差(ΔE*ab)を、大塚電子製MCPD−3000にて測定した。得られた色差を比較して薬液耐性を評価することにより、カラーフィルタの性能評価とした。評価結果を表に示す。
<硬化性組成物の保存安定性>
前記塗布液である硬化性組成物を室温で1ケ月保存した後、異物の析出度合いを目視観察により下記評価基準に従って評価した。
−評価基準−
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
<パターン断面形状>
形成されたパターンの断面形状を観察した。
−評価基準−
◎:テーパー角度が30以上70度未満の範囲(順テーパー)
○:テーパー角度が70以上90度未満の範囲(順テーパー)
△:テーパー角度が90度(矩形)
×:テーパー角度が90度を越える(逆テーパー)
<基板密着性>
基板密着性の評価として、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った。
−評価基準−
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
実施例のとおり、本発明は、基板密着性、現像性、保存性、パターン形状において優れていることが判った。また、上記表記載以外の評価項目においても、実施例14〜16はそれぞれ良好な評価結果が得られ、中でも、実施例15は全ての評価において評価基準レベルの最上位であった。

Claims (16)

  1. 側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重量平均分子量1,000以上50,000以下で、カルボキシル基を50〜200mgKOH/gの範囲で有するビニル共重合体で顔料を被覆してなる加工顔料。
  2. 前記顔料の平均1次粒子径が5〜25nmであることを特徴とする請求項1に記載の加工顔料。
  3. 前記ビニル共重合体が、アクリル系単量体の少なくとも二種によって合成される共重合体、または該共重合体とは異なりアクリル系単量体の少なくとも一種とアクリル系単量体以外の他の単量体の少なくとも一種との共重合によって合成される共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加工顔料。
  4. 前記ビニル共重合体が、下記の繰り返し単位a〜eから選択される繰り返し単位からなる共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の加工顔料。
  5. 前記ビニル共重合体が,(メタ)アクリル酸と、スチレン又はα−メチルスチレンと、を共重合成分として含有する共重合体であることを特徴とする請求項又は請求項に記載の加工顔料。
  6. 前記顔料が、下記から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加工顔料。
    C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185
    C.I.Pigment Orange 36,71
    C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264
    C.I.Pigment Violet 19,23,32
    C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66
    C.I.Pigment Green 7,36,37
    C.I.Pigment Black 1,7
  7. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の加工顔料を有機溶剤中に分散してなることを特徴とする顔料分散組成物。
  8. さらに顔料分散剤を有することを特徴とする請求項に記載の顔料分散組成物。
  9. 請求項又は請求項に記載の顔料分散組成物と,エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物と、光重合開始剤と、を含む着色パターン形成性組成物。
  10. 前記エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物が、4官能以上のアクリレート化合物であることを特徴とする請求項9に記載の着色パターン形成性組成物。
  11. 前記光重合開始剤が、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、クマリン系、アクリジン類系、ビイミダゾール系、及びオキシムエステル系の化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の着色パターン形成性組成物。
  12. 請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の着色パターン形成性組成物をスリットコート法により塗布する工程を含むことを特徴とする着色パターン形成方法。
  13. 請求項12に記載の着色パターン形成方法により形成されたことを特徴とする着色パターン。
  14. 請求項13に記載の着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法。
  15. 請求項14に記載のカラーフィルタの製造方法により製造され、コントラスト5000以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
  16. 請求項1に記載のカラーフィルタを備えてなる液晶表示素子。
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