JP5190760B2 - 固体酸化物形燃料電池セル体 - Google Patents
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Description
O2+4e− → 2O2− …(1)
H2+O2− → H2O+2e− …(2)
CO+O2− → CO2+2e− …(3)
プリコート層について評価するために、以下のような実験を行なった。まず、各実験用試料の作製方法について、以下に記載する。
出発原料として、La(OH)3、SrCO3、NiO、Fe2O3の各粉末を使用した。La0.95Sr0.05Ni0.25Fe0.75O3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
組成がLa0.85Sr0.15Ni0.25Fe0.75O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.75Sr0.25Ni0.05Fe0.95O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.1Fe0.9O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.88Sr0.12Ni0.05Fe0.95O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.97Sr0.03Ni0.03Fe0.97O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.9Sr0.1Ni0.15Fe0.85O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
出発原料として、La(OH)3、NiO、Fe2O3の各粉末を使用した。LaNi0.15Fe0.85O3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
出発原料として、La(OH)3、Fe2O3の各粉末を使用した。LaFeO3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
出発原料として、La(OH)3、SrCO3、Fe2O3の各粉末を使用した。La0.9Sr0.1FeO3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
組成がLa0.94Sr0.06Ni0.95Fe0.05O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.48Sr0.52Ni0.66Fe0.34O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.94Sr0.06Ni0.53Fe0.47O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.47Fe0.53O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.65Sr0.35Ni0.46Fe0.54O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.33Fe0.67O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.79Sr0.21Ni0.35Fe0.65O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.61Sr0.39Ni0.19Fe0.81O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
組成がLa0.65Sr0.35Ni0.1Fe0.9O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
出発原料として、La(OH)3、SrCO3、NiOの各粉末を使用した。La0.67Sr0.33NiO3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
組成がLa0.44Sr0.56NiO3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、比較例10と同様である。
組成がLaNi0.53Fe0.47O3となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例8と同様である。
出発原料として、La(OH)3、SrCO3、MnO2の各粉末を使用した。La0.75Sr0.25MnO3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1400℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
実施例及び比較例の組成分析方法を以下に示す。まず、標準試料作製方法について示す。標準試料は、後で述べる原料を配合し、混合し、乾燥することによって得られる。配合については、La(OH)3, SrCO3, Fe2O3, NiOを110℃で2時間以上乾燥させ、表1に示す元素比になるように配合した。具体的には、標準試料1は元素のmol比がLa:Sr:Ni:Fe=0.9:0.1:0.7:0.3となるように、標準試料2はLa:Sr:Ni:Fe=0.7:0.3:0.5:0.5となるように、標準試料3はLa:Sr:Ni:Fe=0.5:0.5:0.1:0.9となるように配合した。混合については、4種類の原料が均一になるまで十分に混合した。乾燥については、110℃で一晩以上乾燥した。粉体形態の3種類の標準試料についてそれぞれ、四ホウ酸リチウムを用いてガラスビードを作製し、リガク製ZSX PrimusIIを用いて以下の条件で、La, Sr, Ni, Feの強度値の測定を行った。
スペクトル Kα
X線出力 60mA, 50kV
スリット S2
分析径 1mm角
分光結晶 LiF1
検出器 SC
インターコネクタが長期運転で劣化し、プリコート層が還元ガスにさらされるのを想定し以下の実験を行なった。実施例1〜10及び比較例1〜13の還元安定性について、次のように評価した。作製した実験用試料を電気炉に入れ、電気炉内部に還元ガスとして水素、キャリアガスとしてN2を流し、電気炉内部を3%水素濃度雰囲気状態とした。次に、電気炉を900℃まで昇温させ、900℃で2時間温度をキープした後、室温まで降温させた。その後、実験用試料を取り出し実験用試料が崩壊しているかどうかの確認を目視にて行なった。
実施例1〜10は実験用試料が崩壊することなく形状を保っており、比較例1〜13は実験用試料にクラックが入って崩壊し形状を維持していなかった。還元安定性評価結果を表2及び図2に示す。図2はLa1−ySryNi1−xFexO3組成図に、実験用試料が崩壊しなかった組成を○で、崩壊した組成を×で表記した図である。縦軸はSrドープ量yを0から0.8まで、横軸はFeドープ量xを0から1まで表しており、点線によって区切ってある。○横の数字は実施例番号を、×横の数字は比較例番号を表す。
さらには、プリコート層にはインターコネクタから流れてくる電子を効率よく空気極へ流すために高い導電性が要求される。そこで、プリコート層の導電率について評価するために、以下のような実験を行なった。まずは各試料の作製方法について以下に記載する。また、実施例1〜8で還元安定性を評価するために作製した実験用試料についても導電率評価を行なった。
出発原料として、La(OH)3、SrCO3、Cr2O3、Fe2O3の各粉末を使用した。La0.9Sr0.1Cr0.1Fe0.9O3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1400℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
出発原料として、La(OH)3、SrCO3、TiO2、Fe2O3の各粉末を使用した。La0.9Sr0.1Ti0.1Fe0.9O3組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1400℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
実施例1〜8及び比較例14、15の導電率について、次のように評価した。作製した実験用試料にJISR1661に基づき電流端子及び電圧端子を取り付けた。前記実験用試料を900℃、大気雰囲気の条件下にて、直流4端子法による導電率測定を行ない、(4)式より導電率を算出した。
σe=L/A×(V/I) ・・・(4)
ここで、σeは導電率、Lは電位端子間距離、Aは試料の断面積、Vは電位、Iは電流を示す。
導電率評価結果について、表3に示す。表3より、実施例1〜8は導電率が2桁以上と高く、さらに実施例1、2、3、5は導電率が3桁以上と非常に高いことが確認された。よって、La1−ySryNi1−xFexO3(0≦y≦0.3、0.7≦x≦1)とすることで導電性の高いプリコート層となることが確認できた。さらにLa1−ySryNi1−xFexO3(0≦y≦0.05 0.85≦x≦1を含まない)とすることで、非常に導電率の高いプリコート層となることが確認できた。導電率が高いほどインターコネクタからの電子を効率よく空気極に流すことができるので、出力性能に優れる、特には電流量の多くなる高電流密度領域での出力性能を向上させた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。
2…インターコネクター
3…固体電解質
4…燃料極
5…プリコート
Claims (2)
- 空気極と、インターコネクタとを備えた固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極とインターコネクタの間にプリコート層を備え、前記プリコート層がLa1−ySryNi1−xFexO3で表され、その組成範囲が0≦y≦0.3、0.7≦x≦1で表され、かつその結晶系が斜方晶系であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル体。
- 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池セル体を備える燃料電池。
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