本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他いろいろな実施の形態が含まれる。
(被検査物の検査方法1)
本発明の検査方法1について以下に示す。図4に示すように、第1の工程は、入力手段によって被検査物の関心領域画像データを入力する。入力手段はカメラ、レンズ、照明等を主な構成とし、画像入力を行う。入力された関心領域画像データは、デジタル情報に変換される。静止された被検査物の関心領域画像データを取得する場合は、CCDエリアセンサカメラを用い、搬送中の被検査物の関心領域画像データを取得する場合は、CCDラインセンサカメラを用いることが好ましい。ただし、本発明の入力手段は、特に限定されるものではなく、ディジタルカメラ、ディジタルビデオカメラ、携帯電話のカメラ、コンピュータネットワーク等から関心領域画像データを取得することができる。例えば、図5に本来印刷されるべきでない箇所に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例を示す。図5(a)に、入力手段によって入力された被検査物の関心領域画像データ6aを示す。関心領域画像データ6aの濃度は、例えば、256階調で表現され、特に限定されるものではない。また、関心領域画像データ6aの保存形式はビットマップ形式、JPEG形式等、特に限定されるものではない。関心領域画像データ6aの被検査物は、紙基材が薄い黄色であり、紙基材上に印刷された濃淡(階調)を有する異物が印刷されている。
第2の工程は、統計値演算手段によって、第1の工程で得られた関心領域画像データのヒストグラムを求める。例えば、図5(b)に関心領域画像データ6aのヒストグラムを示す。ヒストグラム7a1は、0〜255の256階調で表現された関心領域画像データ6aの紙基材における画像データのヒストグラムであり、ヒストグラム7a2は、関心領域画像データ6aの異物における画像データのヒストグラムである。
図4に示す第3の工程は、第2の工程で求めたヒストグラム7a1及びヒストグラム7a2から平均値及び/又は分散値を算出する。図5(c)に平均値及び分散値の一例を示す。
図4に示す第4の工程は、検査判定手段によって、第3の工程で得られた平均値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値を比較し、及び/又は第3の工程で得られた分散値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定する。図5(c)で得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所に異物等が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。
(被検査物の検査方法2)
本発明の検査方法2について以下に示す。図6に示すように、第1の工程は、入力手段によって被検査物の関心領域の関心領域画像データを入力する。入力手段については被検査物の検査方法1と同様である。例えば、図7に本来印刷されるべきでない箇所に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例を示す。図7(a)に示す関心領域画像データ6bの被検査物は、紙基材が薄い黄色であり、紙基材上に印刷された濃淡(階調)を有する印刷絵柄が印刷されている。さらに、被検査物の関心領域には異物が形成されている。
図6に示す第2の工程は、差分画像算出手段によって、第1の工程で得られた関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段に記憶された差分用基準画像データの差分画像データを生成する。例えば、図7(a)に、入力手段によって入力された関心領域画像データ6bと、あらかじめ記憶手段に記憶された差分用基準画像データ8aからの絶対値による差分画像データ9aを示す。関心領域画像データ6b、差分用基準画像データ8a及び差分画像データ9aの濃度は、例えば、256階調で表現され、特に限定されるものではない。差分画像データ9aは、関心領域画像データ6bの各座標の画素と、差分用基準画像データ8aの関心領域画像データ6bにおける各座標の画素と同一の座標の画素の濃度差を絶対値として取ったものである。図7(a)に示すように、関心領域画像データ6bは、印刷絵柄の画像データ2d、異物の画像データ10a及び基材の画像データ11aを有している。差分用基準画像データ8aは、印刷絵柄の画像データ2e及び基材の画像データ11bを有している。よって、関心領域画像データ6bと差分用基準画像データ8aの差分画像データ9aは、基材の画像データ11a及び11bの差である残った基材の画像データ17aと、印刷絵柄の画像データ2d及び2eの差である差分により残った印刷絵柄の画像データ18a及び異物の画像データ10bのデータとなる。前述の説明では、関心領域画像データ6bと、あらかじめ記憶手段に記憶された差分用基準画像データ8aからの絶対値による差分画像データ9aを生成しているが、本発明はこれに限定されることなく、正又は負によって差分画像データを生成しても良い。
図6に示す第3の工程は、統計値演算手段によって、第2の工程で得られた差分画像データのヒストグラムを求める。例えば、図7(b)に、0〜255の256階調で表現された差分画像データ9aのヒストグラムを示す。ヒストグラム7b1は、基材の画像データ11a及び11bの差である残った基材の画像データ17aと、印刷絵柄の画像データ2d及び2eの差である差分により残った印刷絵柄の画像データ18aのヒストグラムであり、ヒストグラム7b2は、異物の画像データ10bのヒストグラムである。
図6に示す第4の工程は、第3の工程で得られたヒストグラム7b1及び7b2から平均値及び/又は分散値を算出する。図7(c)に、平均値及び分散値の一例を示す。
図6に示す第5の工程は、検査判定手段によって、第4の工程で得られた平均値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値とを比較し、及び/又は第4の工程で得られた分散値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定する。図7(c)で得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所に異物等が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。
次に、差分画像データと、差分画像データから得られるヒストグラムの一例を示す。図8(a)〜(d)の差分用基準画像データは、基材の画像データのみのデータである。図8(a)は、正常である関心領域の検査例である。図8(a)の関心領域画像データは、基材の画像データのみである。よって、差分画像データから得られるヒストグラムは、基材の画像データ同士の差のみが抽出され、平均値及び分散値は低いものとなる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準内のデータとなり、被検査物の関心領域は異物等が印刷されていないと判断され、正常品と判定される。図8(b)は、正常である関心領域の検査例である。図8(b)の関心領域画像データは、暗い基材の画像データである。よって、差分画像データから得られるヒストグラムは基材の画像データ同士の差のみが抽出され、図8(a)よりも平均値及び分散値は若干高いものとなる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準内のデータとなり、被検査物の関心領域は、異物等が印刷されていないと判断され、正常品と判定される。図8(c)は、不良である関心領域の検査例である。図8(c)の関心領域画像データは、基材の画像データ及び異物の画像データで、何らかの要因で被検査物の関心領域に異物が混入した場合を示している。差分画像データから得られるヒストグラムは、基材の画像データ同士の差と、差分用基準画像データの基材の画像データと関心領域画像データの異物の画像データとの差が抽出され、平均値及び分散値は非常に高いものとなるため、欠陥検出が可能となる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所に異物等が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。図8(d)は、不良である関心領域の検査例である。図8(d)の関心領域画像データは、基材の画像データ及びNG画像データで、何らかの要因でインキ飛びのような小さな面積を持つNG画像が被検査物の関心領域に混入した場合を示している。差分画像データから得られるヒストグラムは、基材の画像データ同士の差と、差分用基準画像データの基材の画像データと関心領域画像データのNG画像データの差が抽出され、平均値は多少高めであり、分散値は非常に高いものとなるため、欠陥検出が可能となる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所にNG画像が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。
図9(a)〜(d)の差分用基準画像データは、すべて基材の画像データ及び印刷絵柄の画像データである。図9(a)は、正常である関心領域の検査例である。図9(a)の関心領域画像データは、基材の画像データ及び印刷絵柄の画像データである。よって、差分画像データから得られるヒストグラムは、基材の画像データ同士の差と印刷絵柄の画像データ同士の差が抽出され、平均値及び分散値は低いものとなる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準内のデータとなり、被検査物の関心領域は、正常な印刷絵柄が印刷されていると判断され、正常品と判定される。図9(b)は、正常である関心領域の検査例である。図9(b)の関心領域画像データは、暗い基材の画像データ及び印刷絵柄の画像データである。よって、差分画像データから得られるヒストグラムは、基材の画像データ同士の差と印刷絵柄の画像データ同士の差が抽出され、図9(a)よりも平均値及び分散値は若干高いものとなる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準内のデータとなり、被検査物の関心領域は、正常な印刷絵柄が印刷されていると判断され、正常品と判定される。図9(c)は、不良である関心領域の検査例である。図9(c)の関心領域画像データは、基材の画像データのみで、何らかの要因で印刷絵柄が関心領域に印刷されなかった場合を示している。差分画像データから得られるヒストグラムは、基材の画像データ同士の差と、差分用基準画像データの印刷絵柄の画像データと関心領域画像データの基材の画像データとの差が抽出され、平均値及び分散値は非常に高いものとなるため、欠陥検出が可能となる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべき印刷絵柄が印刷されていない可能性があると判断され、不良品と判定される。図9(d)は不良である関心領域の検査例である。図9(d)の関心領域画像データは基材の画像データ及びNG画像データで、何らかの要因で印刷抜けのような小さな面積を持つNGが関心領域に混入した場合を示している。差分画像データから得られるヒストグラムは基材の画像データ同士の差と、印刷絵柄の画像データ同士の差と、差分用基準画像データの印刷絵柄の画像データと関心領域画像データの基材の画像データとの差が抽出され、平均値は多少高めであり、分散値は非常に高いものとなるため、欠陥検出が可能となる。得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべき印刷絵柄が印刷されていない可能性があると判断され、不良品と判定される。
(被検査物の検査方法3−1)
本発明の検査方法3−1について以下に示す。関心領域に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例であって、後述する基材の画像データが完全に除去された関心領域画像データ13aから平均値及び/又は分散値を算出し、良否を判定した例である。
図10に示すように第1の工程は、入力手段によって、被検査物の関心領域の関心領域画像データを入力する。図11(a)に示す関心領域画像データ6cの被検査物は、濃淡及び濃度むらを有する紙基材であり、被検査物の関心領域には異物が形成されている。
次に、図10に示す第2の工程は、基材除去検査画像作成手段によって、第1の工程で得られた関心領域画像データとあらかじめ記憶手段に記憶された基材データを比較し、関心領域画像データから基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標を1〜255の255階調で表し、基材の画像データが除去された関心領域画像データを生成する。図11(a)に、入力手段によって入力された被検査物の関心領域画像データ6cと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データ12aを比較し、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13aを示す。図11(a)に示すように、関心領域画像データ6cは、異物の画像データ10及び11cを有している。関心領域画像データ6cと基材データ12aを比較した場合の基材の画像データが除去された関心領域画像データ13aは、基材の画像データ11cがすべて除去されて、異物の画像データ10cのみのデータとなる。ここで、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13aのうち除去された座標は、0で定義される。よって、除去された座標の0は、後述するヒストグラム上には現れることがない。
次に、図10に示す第3の工程の統計値演算手段によって、第2の工程で得られた基材の画像データが除去された関心領域画像データのヒストグラムを求める。図11(b)に、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13aのヒストグラム7cを示す。なお、ヒストグラムは、1〜255の画素値を対象とし、更に削除された座標が257と定義された場合、ヒストグラムは、0〜255の画素値を対象とする。図11(b)に示す点線のヒストグラムPは、図面では説明上記載しているが、実際には形成されるものではない。図11(b)に基材の画像データが除去された関心領域画像データ13aのヒストグラム7cを示す。ヒストグラム7cは、異物の画像データ10cのみのヒストグラムである。
次に、図10に示す第4の工程は、第3の工程で得られた図11(b)に示したヒストグラム7cから平均値及び/又は分散値を算出する。図11(c)に平均値及び分散値の一例を示す。
次に、図10に示す第5の工程は、検査判定手段によって、第4の工程で得られた平均値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値を比較し、及び/又は第4の工程で得られた分散値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定することを特徴する検査物の検査方法である。なお、図11(c)で得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所に異物等が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。
(被検査物の検査方法3−2)
本発明の検査方法3−2について以下に示す。関心領域に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例であって、後述する基材の画像データが完全に除去されていない関心領域画像データ13bから平均値及び/又は分散値を算出し、良否を判定した例である。
図12(a)に図10で示した第1の工程の入力手段によって入力された被検査物の関心領域画像データ6dと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データ12bを比較し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13bを示す。図12(a)に示すように、関心領域画像データ6dは、小さな異物の画像データ10d及び基材の画像データ11dを有している。なお、小さな異物の画像データ10dは、図11(a)に示した異物の画像データ10cよりも面積の小さいデータである。次に、図10に示した第2の工程で得られる関心領域画像データ6dと基材データ12bとを比較した場合の基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13bは、基材の画像データ11dの一部が除去され、残った基材の画像データ15aと小さな異物の画像データ10dのデータとなる。ここで、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13bのうち、除去された座標は0で定義される。よって、除去された座標の0は、後述するヒストグラム上には現れることがない。
次に、図10に示した第3の工程の統計値演算手段によって、第2の工程で得られた基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データのヒストグラムを求める。図12(b)に、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13bのヒストグラム7d1及び7d2を示す。なお、ヒストグラムは、1〜255の画素値を対象とし、更に削除された座標が257と定義された場合、ヒストグラムは、0〜255の画素値を対象とする。図12(b)に示す点線のヒストグラムPは、図面では説明上記載しているが、実際には形成されるものではない。ヒストグラムは、残った基材の画像データ15aのヒストグラム7d1と、小さな異物の画像データ10dにおけるヒストグラム7d2のデータとなる。
次に、図10に示した第4の工程は、第3の工程で得られた図12(b)に示したヒストグラム7d1及びヒストグラム7d2から平均値及び/又は分散値を算出した例である。図12(c)に、平均値及び分散値の一例を示す。
次に、図10に示した第5の工程は、検査判定手段によって、第4の工程で得られた平均値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値を比較し、及び/又は第4の工程で得られた分散値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定することを特徴する検査物の検査方法である。図12(c)で得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所に異物等が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。
(被検査物の検査方法3−3)
本発明の検査方法3−3について以下に示す。関心領域に異物が混入していない被検査物の関心領域の検査例であって、後述する基材の画像データが完全に除去されていない関心領域画像データ13cから平均値及び/又は分散値を算出し、良否を判定した例である。
基材除去検査画像作成手段によって、第1の工程で得られた関心領域画像データに対して、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データを比較し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。例えば、図13に正常である被検査物の関心領域の検査例を示す。図13(a)に、図10で示した第1の工程の入力手段によって入力された被検査物の関心領域画像データ6eと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データ12cを比較し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13cを示す。図13(a)に示すように、関心領域画像データ6eは、基材の画像データ11eを有している。次に、図10に示した第2の工程で得られる関心領域画像データ6eと基材データ12cを比較した場合の基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13cは、基材の画像データ11eの一部が除去され、残った基材の画像データ15bのデータとなる。ここで、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13cのうち除去された座標は、0で定義される。よって、除去された座標の0は、後述するヒストグラム上には現れることがない。
次に、図10に示した第3の工程の統計値演算手段によって、第2の工程で得られた基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データのヒストグラムを求める。図13(b)に、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13cのヒストグラム7eを示す。なお、ヒストグラムは、1〜255の画素値を対象とし、更に削除された座標が257と定義された場合、ヒストグラムは、0〜255の画素値を対象とする。図13(b)に示す点線のヒストグラムPは、図面では説明上記載しているが、実際には形成されるものではない。ヒストグラム7eは、残った基材の画像データ15bとなる。
次に、図10に示した第4の工程は、第3の工程で得られたヒストグラム7eから平均値及び/又は分散値を算出した例である。図13(c)に平均値及び分散値の一例を示す。
次に、図10に示した第5の工程は、検査判定手段によって第4の工程で得られた平均値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値を比較し、及び/又は第4の工程で得られた分散値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定するものである。図13(c)で得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準内のデータとなり、被検査物の関心領域は異物等が印刷されていないと判断され、正常品と判定される。
被検査物の検査方法3−1、3−2、3−3において、図11(a)、図12(a)及び図13(a)に示す基材データ12a、12b及び12cの基材70%とは、関心領域画像データ6c、6d及び6eの画素を100%とした内の70%のことであり、関心領域画像データ6c、6d及び6eにおける100%の画素のうち、濃度の明るい画素70%以下を除去したデータが、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13a、13a、13b及び13cとなる。前述の70%の数値は一例であり、特に限定されるものではない。
被検査物の検査方法3−1、3−2、3−3において、基材除去検査画像作成手段は、範囲の広い関心領域画像データを取り出したとしても、基材の画像データを除去することにより、異物の画像データのみの関心領域画像データを抽出したことと同等又は基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを抽出したことと同等となるため、高精度な位置補正を行う必要性がなくなる。基材除去検査画像作成手段を行う直前又は直後には、一般的な画像処理を行うことにより関心領域画像データを補正することができる。なお、基材データには割合等の相対的な数値を用いたが、それには限定されず、その他の相対値、閾値等の絶対値、配列データ等の基材データを用いることも可能である。
(被検査物の検査方法4−1)
本発明の検査方法4−1について以下に示す。関心領域に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例であって、後述する差分画像データ9bから平均値及び/又は分散値を算出し、良否を判定した例である。
図14に示すように、第1の工程は、入力手段によって被検査物の関心領域の関心領域画像データを入力する。図15(a)に示す関心領域画像データ6fの被検査物は、濃淡及び濃度むらを有する紙基材であり、紙基材上に印刷された濃淡(階調)を有する印刷絵柄が印刷されている。更に被検査物の関心領域には異物が形成されている。
図14に示す第2の工程は、基材除去検査画像作成手段によって、第1の工程で得られた関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データを比較し、関心領域画像データのうち基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標を1〜255の255階調で表し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。例えば、図15(a)に、入力手段によって入力された関心領域画像データ6fと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データ12dを比較し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dを示す。図15(a)に示すように、関心領域画像データ6fは、印刷絵柄の画像データ2f、基材の画像データ11f及び異物の画像データ10eを有している。関心領域画像データ6fと基材データ12dを比較した場合の基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dは、印刷絵柄の画像データ2f、異物の画像データ10e及び残った基材の画像データ15cのデータとなる。図15(a)に示す基材データ12dの基材閾値200とは、濃度1〜255のうち、200〜255を除去するための閾値である。よって、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dは、関心領域画像データ6fの濃度1〜255のうち、200〜255を除去した1〜199の画素値のデータとなる。ここで、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dは、例えば、1〜199の199階調で表現され、除去された座標は、0で定義される。よって、除去された座標の0は、後述するヒストグラム上には現れることがない。
図14に示す第3の工程は、差分画像算出手段によって、第2の工程で得られた基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データからの絶対値による差分画像データを生成する。あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データは、基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標を1〜199の199階調で表されている。この工程は、被検査物の検査方法2の第2の工程と同様である。例えば、図15(b)に、入力手段によって入力された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13d、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データ14aからの絶対値による差分画像データ9bを示す。差分画像データ9bは、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dの各座標の画素と、差分用基準画像データ14aの関心領域画像データ13dにおける各座標の画素と同一の座標の画素の濃度差を絶対値として取ったものである。図15(b)に示すように、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dは、印刷絵柄の画像データ2f、異物の画像データ10e及び残った基材の画像データ15cを有している。基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データ14aは、印刷絵柄の画像データ2g及び所定の基材の画像データ16aを有している。よって、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dと、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データ14aの差分画像データ9bは、残った基材の画像データ15cと所定の基材における画像データ16aの差である残った基材の画像データ17bと、印刷絵柄の画像データ2fと印刷絵柄の画像データ2gの差である差分により残った印刷絵柄の画像データ18b及び異物の画像データ10fのデータとなる。
図14に示す第4の工程は、統計値演算手段によって、第3の工程で得られた差分画像データ9bの1〜255の画素値を対象としたヒストグラムを求める。例えば、図15(c)に、差分画像データ9bのヒストグラムを示す。ヒストグラムは、異物の画像データ10fのヒストグラム7f1、7f1’と、差分により残った基材の画像データ17bと、差分により残った印刷絵柄の画像データ18bのヒストグラム7f2と7f3となる。ヒストグラム7f2は、1〜199の199階調で表現された差分により残った基材の画像データ17b及び/又は差分により残った印刷絵柄の画像データ18bのヒストグラムであって、ここでの差分により残った基材の画像データ17bは、残った基材の画像データ15cと、所定の基材における画像データ16aの差である。ヒストグラム7f3は、差分用基準画像データ14aにおける所定の基材の画像データ16aが除去された座標を0と定義した各座標の画素と、1〜199の199階調で表現された、残った基材における画像データ15cの各座標の画素の差又は基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dにおける残った基材の画像データ15cが除去された座標を0と定義した各座標の画素と、1〜199の199階調で表現された所定の基材の画像データ16aの各座標の画素の差である。
次に、図14に示す第5の工程は、第4の工程で得られたヒストグラム7f1、ヒストグラム7f1’、ヒストグラム7f2及びヒストグラム7f3から平均値及び/又は分散値を算出する。図21に平均値及び分散値の一例を示す。
次に、図14に示す第6の工程は、検査判定手段により第5の工程で得られた平均値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値を比較し、及び/又は第5の工程で得られた分散値と、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定する。図21で得られた平均値及び/又は分散値は、判定データの基準外のデータとなるため、被検査物の関心領域は、本来印刷されるべきでない箇所に異物等が印刷されてしまっている可能性があると判断され、不良品と判定される。
なお、図14に示す第4の工程の前に差分画像データに画像処理を施し、画像処理後の差分画像データを作成及び/又は第4の工程によりヒストグラムを作成した後にヒストグラム上で演算をし、特徴抽出を行っても良い。例として、図16(a)のように、第4の工程の前に差分画像データ9bに画像処理を行い、画像処理後の差分画像データ19aを作成し、画像処理後の差分画像データ19aから、図16(b)のような閾値によりヒストグラム7f2とヒストグラム7f3を除去し、ヒストグラム7f1、7f1’を抽出する方法や、差分画像データ9bのヒストグラムを求め、ヒストグラム上で演算を行い、図16(b)のような閾値によりヒストグラム7f2とヒストグラム7f3を除去し、ヒストグラム7f1、7f1’を抽出する方法がある。図16は、閾値によりヒストグラム7f2とヒストグラム7f3を除去し、ヒストグラム7f1、7f1’を抽出する方法を例として挙げたが、これに限定せず、濃度データを反転させ、図17(a)に示すように、ヒストグラム7f1、7f1’、7f2及び7f3を得て特徴抽出する方法や、図17(b)のように、ヒストグラム7f1’となる濃度データと、ヒストグラム7f3となる濃度データを反転させ、ヒストグラム7f2とヒストグラム7f3を合成させ、ヒストグラム7f1とヒストグラム7f1’を合成させ、得られたヒストグラムから特徴抽出する方法等を用いても良い。また、差分画像データの画像処理段階で濃度変換を行ってから前述のヒストグラムを作成しても良い。
(被検査物の検査方法4−2)
本発明の検査方法4−2について以下に示す。関心領域に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例であって、後述する差分画像データ9cから平均値及び/又は分散値を算出し、良否を判定した例である。図16(a)では、図14に示した第4の工程の前に画像処理を施す場合を述べたが、被検査物の検査方法4−2における画像処理は、図14に示す第2の工程の前段階で関心領域画像データに施して、特徴抽出を行う。図18に、1〜255の画素値について濃度反転の処理を行った例を示す。図18(a)に示す関心領域画像データ6gの被検査物は、濃淡及び濃度むらを有する紙基材であり、紙基材上に印刷された濃淡(階調)を有する印刷絵柄が印刷されている。さらに、被検査物の関心領域には、異物が形成されている。
図18(a)は、図14に示した第1の工程の入力手段によって入力された関心領域画像データ6gと、それを濃度反転させた場合の画像処理後の関心領域画像データ20を示す。図18(a)に示すように、関心領域画像データ6gは、印刷絵柄の画像データ2h、基材の画像データ11g及び異物の画像データ10gを有している。これに濃度反転の処理を施すことにより、画像処理後の関心領域画像データ20は、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21a、画像処理後の基材の画像データ23及び画像処理後の異物の画像データ22aを有することになる。
図18(a)で求めた画像処理後の関心領域画像データ20を用いて、図14に示した第2の工程を行う。第2の工程は、基材除去検査画像作成手段によって、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データを比較し、画像処理後の関心領域画像データにおける基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標を1〜255の255階調で表し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。
例えば、図18(b)に、画像処理後の関心領域画像データ20と、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データ12eを比較し、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aを示す。図18(b)に示すように、画像処理後の関心領域画像データ20は、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21a、画像処理後の基材の画像データ23及び画像処理後の異物の画像データ22aを有している。画像処理後の関心領域画像データ20と基材データ12eを比較した場合の基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aは、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21a、画像処理後の残った基材の画像データ25a及び画像処理後の異物の画像データ22aとなる。
図18(b)に示す基材データ12eの基材閾値56とは、濃度1〜255において、1〜56を除去するための閾値である。よって、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aは、画像処理後の関心領域画像データ20の濃度1〜255において、1〜56を除去した57〜255の画素値のデータとなる。ここで、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aは、例えば、57〜255の199階調で表現され、除去された座標は、0で定義される。よって、除去された座標の0は、後述するヒストグラム上には現れることがない。
図18(b)で求めた基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aを用いて、図14に示した第3の工程を行う。例えば、図18(c)に、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aと、あらかじめ記憶手段に記憶された画像処理によって濃度反転された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14bからの絶対値による差分画像データ9cを示す。あらかじめ記憶手段に記憶された画像処理によって濃度反転された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データ14bは、基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標が57〜255の199階調で表されている。画像処理後の差分画像データ9cは、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aにおける各座標の画素と、画像処理後の差分用基準画像データ14bの関心領域画像データ24aにおける各座標の画素と同一の座標の画素の濃度差を絶対値として取ったものである。
図18(c)に示すように、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aは、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21a、画像処理後の残った基材の画像データ25a及び画像処理後の異物の画像データ22aを有している。基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14bは、画像処理後の印刷絵柄の画像データ2i及び画像処理後における所定の基材の画像データ16bを有している。よって、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24aと、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14bの差分画像データ9cは、画像処理後の残った基材の画像データ25aと画像処理後における所定の基材の画像データ16bの差である、残った基材の画像データ17cと、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21aと画像処理後の印刷絵柄の画像データ2iの差である差分により残った印刷絵柄の画像データ18c及び画像処理後に差分画像に残った異物の画像データ26aのデータとなる。
次に、図14に示した第4の工程は、統計値演算手段によって、第3の工程で得られた差分画像データよりヒストグラムを求める工程である。例えば、図18(c)に、ある差分画像データ9cのヒストグラムを図20(a)に示す。なお、ヒストグラムは、1〜255の画素値を対象とする。図18は、図14に示す第2の工程の前段階で画像処理を行なうものであり、例として1〜255の画素値について濃度反転を画像処理として用いた。この場合、図20(a)のヒストグラムは、画像処理後に差分画像に残った異物の画像データ26aのヒストグラム7g1、7g1’と、差分により残った基材の画像データ17cと、差分により残った印刷絵柄の画像データ18cのヒストグラム7g2と7g3となる。ヒストグラム7g2は、57〜255の199階調で表現された差分により残った基材の画像データ17c及び/又は差分により残った印刷絵柄の画像データ18cのヒストグラムであって、ここでの差分により残った基材の画像データ17cは、画像処理後の残った基材の画像データ25aと、画像処理後の所定の基材の画像データ16bの差である。ヒストグラム7g3は、画像処理後の差分用基準画像データ14bの画像処理後における所定の基材の画像データ16bが除去された座標を0と定義した各座標の画素と、57〜255の199階調で表現された画像処理後における残った基材の画像データ25aの各座標の画素の差又は基材の画像データが除去された画像処理後における関心領域画像データ24aのうち、画像処理後の残った基材の画像データ25aが除去された座標を0と定義した各座標の画素と、57〜255の199階調で表現された画像処理後における所定の基材の画像データ16bの各座標の画素の差である。
図18及び図20(a)に示すように、関心領域画像データを画像処理によって濃度反転させ、画像処理後の関心領域画像データから基材データを除去し、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データからヒストグラムを求め、更に求めたヒストグラムを合成させることによって、前述の被検査物の検査方法1及び2で得られる平均値及び分散値の値に比べて、平均値及び分散値が大きくなり、異物の検出精度が向上する。
被検査物の検査方法4−2における第5の工程及び第6の工程は、被検査物の検査方法4−1と同様である。
(被検査物の検査方法4−3)
本発明の検査方法4−3について以下に示す。関心領域に異物が印刷されてしまった被検査物の関心領域の検査例であって、後述する差分画像データ9dから平均値及び/又は分散値を算出し、良否を判定した例である。被検査物の検査方法4−3での画像処理は、図14に示す第2の工程の後工程において、関心領域画像データに施して特徴抽出を行う。図19に、1〜255の画素値について濃度反転の処理を行った例を示す。図19(a)に示す関心領域画像データ6hの被検査物は、濃淡及び濃度むらを有する紙基材であり、紙基材上に印刷された濃淡(階調)を有する印刷絵柄が印刷されている。さらに、被検査物の関心領域には異物が形成されている。
図19(a)は、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eが生成される図である。図14に示した第2の工程で、第1の工程の入力手段により入力された、例えば、256階調の関心領域画像データ6hと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材データ12fを比較し、関心領域画像データ6hのうち基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標を1〜255の255階調で表し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eを生成する。図19(a)に示すように、関心領域画像データ6hは、印刷絵柄の画像データ2j、基材の画像データ11h及び異物の画像データ10hを有している。関心領域画像データ6hと基材データ12fを比較した場合の基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eは、印刷絵柄の画像データ2j、異物の画像データ10h及び残った基材の画像データ15dのデータとなる。
図19(a)に示す基材データ12fの基材閾値200とは、濃度1〜255のうち、200〜255を除去するための閾値である。よって、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eは、関心領域画像データ6hの濃度1〜255のうち、200〜255を除去した1〜199の画素値のデータとなる。ここで、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eは、例えば、1〜199の199階調で表現され、除去された座標は、0で定義される。よって、除去された座標の0は、後述するヒストグラム上には現れることがない。
次に、図19(a)で求めた、例えば、1〜199の199階調で表現された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eに対して画像処理を行う。例として、画像処理の内容を1〜199の199階調の画素値について濃度反転の処理を行った場合について図19(b)に示す。図19(b)は、入力手段によって入力された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eと、それを1〜199の画素値について濃度反転させた場合の基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bを示す。このときの削除された座標の0は、0のままである。図19(b)に示すように、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eは、印刷絵柄の画像データ2j、異物の画像データ10h及び残った基材の画像データ15dを有している。これに、1〜199の画素値について濃度反転の処理を施すことにより、57〜255の199階調の基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bは、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21b、画像処理後の残った基材の画像データ25b及び画像処理後の異物の画像データ22bを有することになる。
図19(b)で求めた基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bを用いて、図14に示した第3の工程を行う。例えば、図19(c)に基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bと、あらかじめ記憶手段に記憶された画像処理によって濃度反転された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14cからの絶対値による差分画像データ9dを示す。あらかじめ記憶手段に記憶された画像処理によって濃度反転された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14cは、基材の画像データが除去され、例えば、除去された座標を0と定義し、その他の座標を1〜199の199階調で表されている。画像処理後の差分画像データ9cは、基材の画像データが除去された画像処理後における関心領域画像データ24bの各座標の画素と、画像処理後における差分用基準画像データ14cの関心領域画像データ24bの各座標の画素と同一の座標の画素の濃度差を絶対値として取ったものである。
図19(c)に示すように、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bは、画像処理後の印刷絵柄の画像データ21b、画像処理後の残った基材の画像データ25b及び画像処理後の異物の画像データ22bを有している。基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14cは、画像処理後の印刷絵柄の画像データ2k及び画像処理後における所定の基材の画像データ16cを有している。よって、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bと、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14cの差分画像データ9dは、画像処理後の残った基材の画像データ25bと、画像処理後における所定の基材の画像データ16cとの差である残った基材の画像データ17dと、画像処理後における印刷絵柄の画像データ21bと画像処理後の印刷絵柄の画像データ2kの差である差分により残った印刷絵柄の画像データ18d及び画像処理後において差分画像に残った異物の画像データ26bのデータとなる。
次に、図14に示した第4の工程は、統計値演算手段によって、第3の工程で得られた差分画像データよりヒストグラムを求める工程である。例えば、図19(c)にある差分画像データ9dのヒストグラムを図20(b)に示す。なお、ヒストグラムは、1〜255の画素値を対象とし、更に削除された座標が257と定義された場合、ヒストグラムは、0〜255の画素値を対象とする。図19は、図14に示す第2の工程の後工程で画像処理を行うものであり、例として1〜255の画素値について濃度反転を画像処理として用いた。この場合、図20(b)のヒストグラムは、画像処理後に差分画像に残った異物の画像データ26bのヒストグラム7h1、7h1’と、差分により残った基材の画像データ17dと、差分により残った印刷絵柄の画像データ18dのヒストグラム7h2と7h3となる。ヒストグラム7h2は、1〜199の199階調で表現された差分により残った基材の画像データ17d及び/又は差分により残った印刷絵柄の画像データ18dのヒストグラムであって、ここでの差分により残った基材の画像データ17dは、画像処理後の残った基材の画像データ25bと、画像処理後における所定の基材の画像データ16cの差である。ヒストグラム7h3は、画像処理後の差分用基準画像データ14cのうち、画像処理後における所定の基材の画像データ16cにおいて基材の画像データが除去された座標を0と定義した各座標の画素と、1〜199の199階調で表現された画像処理後の残った基材の画像データ25bにおける各座標の画素の差又は基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24bのうち、画像処理後の残った基材の画像データ25bにおける基材の画像データが除去された座標を0と定義した各座標の画素と、1〜199の199階調で表現された画像処理後における所定の基材の画像データ16cの各座標の画素の差である。
図19及び図20(b)に示すように、関心領域画像データから基材データを除去し、基材データを除去した関心領域画像データを画像処理によって濃度反転させ、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データからヒストグラムを求め、更に求めたヒストグラムを合成させることによって、前述の被検査物の検査方法1及び2で得られる平均値及び分散値の値に比べて、数値が大きくなり、異物の検出精度が向上する。
被検査物の検査方法4−3における第5の工程及び第6の工程は、被検査物の検査方法4−1と同様である。
被検査物の検査方法4−1において、前述の説明では、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13dと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データ14aからの絶対値による差分画像データ9bとを生成しているが、本発明は、これに限定されることなく、正又は負によって差分画像データを生成しても良い。被検査物の検査方法4−2及び4−3において、前述の説明では、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ24a及び24bと、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された画像処理後の差分用基準画像データ14b及び14cからの絶対値による差分画像データ9c及び9dを生成しているが、本発明は、これに限定されることなく、正又は負によって差分画像データを生成しても良い。
被検査物の検査方法4−1、4−3において、基材閾値200の数値は一例であり、特に限定されるものではない。被検査物の検査方法4−2において、基材閾値56の数値は一例であり、特に限定されるものではない。また、基材データは、閾値等の絶対的な数値を用いたが、それには限定されず、その他の絶対値、割合等の相対値、配列データ等の基材データを用いることも可能である。
また、被検査物の検査方法4−1において、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データは、0〜255の256階調で表現し、除去された座標は、257で定義することも可能である。同様に、被検査物の検査方法4−3において、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データは、0〜199の200階調で表現し、除去された座標は257で定義することも可能である。
被検査物の検査方法4−1及び4−3において、基材の画像データが除去された関心領域画像データ、あらかじめ記憶手段に記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データ、基材の画像データが除去された画像処理後の関心領域画像データ、あらかじめ記憶手段に記憶された画像処理によって濃度反転された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データは、除去された座標が257で定義した場合、257で定義した座標の差分方法は、以下のとおりである。257で定義した座標と、0〜255で表された座標とで差分をとる場合は、257で定義した座標を0の座標に置き換えて、0に置き換えた座標と0〜255で表された座標で差分をとる。また、257で定義した座標と257で定義した座標で差分をとる場合は、差分処理をすることなく、その座標は、257と定義する。
被検査物の検査方法4−1、4−2及び4−3において、所定の基材の画像データ16a、画像処理後の所定の基材の画像データ16b及び16cは、関心領域画像データの生成と同等な方法で生成される。なお、差分用基準画像データ14a、画像処理後の差分用基準画像データ14b及び14cは、あらかじめ登録されている。
被検査物の検査方法4−2及び4−3において、図20(a)及び図20(b)のヒストグラムは、図17(b)に示したように、ヒストグラムを合成することができる。図20(a)のヒストグラム7g2とヒストグラム7g3を合成させ、ヒストグラム7g1とヒストグラム7g1’を合成させ、得られたヒストグラムから特徴抽出する方法等を用いても良い(図示せず)。同様に、図20(b)のヒストグラム7h2とヒストグラム7h3を合成させ、ヒストグラム7h1とヒストグラム7h1’を合成させ、得られたヒストグラムから特徴抽出する方法等を用いても良い(図示せず)。
今回の被検査物の検査方法4−2及び4−3においては、画像処理の方法として濃度反転を用いたが、画像処理の方法は、特に限定されるものではなく、前述例の他の手法を用いることも可能である。また、第2の工程の前工程又は第2の工程の後工程の例を挙げたが、前工程と後工程の双方を行って特徴抽出を行っても良い。
被検査物の検査方法3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3において、関心領域画像データ6c、6d、6e、6f、6g及び6hは、例えば、256階調で表現され、特に限定されるものではない。なお、入力手段で入力された0〜255画素値で表現された関心領域画像データに0の画素が存在する場合は、画像処理によって0以外の画素、例えば0〜255以外の画素値を新たに設けて置き換えることが好ましい。この処理は、第1の工程の入力手段後に画素変換手段によって処理される。
被検査物の検査方法3−1、3−2、3−3及び4−1において、前述の説明では、除去された座標を0で定義しているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13a及び13d、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13b及び13cは、0〜255の256階調で表現し、除去された座標は、257で定義することも可能である。また、被検査物の検査方法4−3において、前述の説明では、除去された座標を0で定義しているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13eは、0〜199の200階調で表現し、除去された座標は257で定義することも可能である。
被検査物の検査方法3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3において、基材データの生成は、図22に示すように、第1の工程で第1のヒストグラム生成手段によって、あらかじめ定められた基準画像データから所定の基材の画像データを抽出し、その画像データのヒストグラムを求める。ここでの所定の基材の画像データは、基準画像データ内におけるすべての基材の画像データ又は基準画像データ内における一部の基材の画像データのことをいう。
次に、図22に示す第2の工程は、基材データ算出手段によって、所定の基材における画像データのヒストグラムと、基準画像データのヒストグラムを演算により基材データを得る。
基材データを求める方法の例として、特に限定されるものではなく、基準画像データのヒストグラムの総データ数と、基準画像データ上における基材のヒストグラムの総データ数との割合や、基材のヒストグラムから求められる閾値等がある。
基材の画像データの生成方法は、所定の閾値を任意に決定し、印刷絵柄の画像データを除去する処理により作成される。なお、基準画像データ上に印刷絵柄の画像データが含まれないような特定領域を指定した場合は、印刷絵柄の画像データを除去する処理は行なわない。
被検査物の検査方法3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3において、基材除去検査画像作成手段によって得られる基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データは、図23に示すように、第1の工程で、第2のヒストグラム生成手段により、関心領域画像データからヒストグラムを求める。
次に、図23に示す第2の工程は、閾値算出手段によって、基材データと関心領域画像データのヒストグラムから閾値を算出する。
閾値を求める方法の例として、基材データが割合であれば、ヒストグラムにより、その割合が占める領域を算出し、算出された領域と残ったヒストグラムの境界の濃度を閾値とする方法や、又は基材データが閾値であれば、その基材データの閾値を求めて閾値とする方法がある。閾値を求める方法は、特に限定されるものではなく、前述の例の他に、その他の手法を用いて基材データを抽出することも可能である。
次に、図23に示す第3の工程は、基材除去検査画像生成手段によって、得られた閾値により関心領域画像データから基材の画像データを除去し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。
被検査物の検査方法1、2、3−1、3−2、3−3及び4−1において、平均値は、関心領域画像データ6a、差分画像データ9a、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13a、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13b、13c又は差分画像データ9bの全体の濃淡を数値化し、被検査物の関心領域の濃度値の判定が可能となる。分散値は、平均値を中心にどのように分布しているかを数値化するものである。平均値及び分散値を用いることで、関心領域画像データ6a、差分画像データ9a、基材の画像データが除去された関心領域画像データ13a、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データ13b、13c又は差分画像データ9bの濃度値によって平均値で表した濃淡と、ヒストグラムの分布状況を数値で表すことができるので、異物の濃度と面積を把握することができる。
本発明における被検査物の検査方法1、2、3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3では、得られた平均値及び/又は分散値が、あらかじめ記憶手段に記憶された判定データである平均値の上限値及び/又は下限値、及び/又は分散値の上限値及び/又は下限値と比較し、良否を判定し、判定結果を報知手段によって報知することを特徴とする。
被検査物の検査方法1、2、3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3において、報知手段は、液晶等の大型又は小型表示画面、バイブレーション、音声、印刷媒体、電子記録媒体等によって真偽を報知する。表示画面で表示する場合は、テキスト表示、イメージ画像表示、グラフ表示等が可能であり、エラー箇所は、正常の箇所とは色彩を異ならせて表示することが好ましい。グラフ表示は、頻度分布表示、濃度断面グラフ等が可能である。頻度分布表示は、関心領域画像データから指定範囲内に対する濃度の分布状態を数値的に解析する。濃度断面グラフ表示は、関心領域画像データから指定範囲内に対する濃度値を、数値的に解析する。表示は、表示専用ウインドウで濃度断面の折れ線グラフが表示できることが好ましい。なお、報知手段は、周囲に分かりやすく報知される手段であれば、媒体は限定されない。
被検査物の検査方法1、2、3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3において、関心領域画像データは、位置ずれ補正手段によって、位置ずれ補正されることが好ましい。入力手段で入力された関心領域画像データは、図24(a)に示すように、被検査物の搬送位置によっては若干ずれが生じる場合がある。位置ずれが起こった画像データでは、検査判定が出来なくなる。よって、この場合は、図24(b)に示すように、入力手段で入力された関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段に記憶された基準位置データとを比較し、関心領域画像データの位置情報を補正及び/又は特定範囲の位置情報を修正し、位置補正された関心領域画像データを生成した後、差分画像及びヒストグラムを生成することが好ましい。
被検査物の検査方法1、2、3−1、3−2、3−3、4−1、4−2及び4−3の統計値は、平均値又は/及び分散値を使用したが、それ以外の一般的な統計値での欠陥検出も可能である。
(被検査物の検査装置1)
図25に、本発明の被検査物の検査装置100Aのブロック図を示す。図25に示すように、被検査物の検査装置100Aは、入力手段101、記憶手段102A、統計値演算手段103A、検査判定手段104及び報知手段105を有する。
入力手段は、カメラ、レンズ、照明等を主な構成として画像入力を行なう。入力された関心領域画像データは、デジタル情報に変換される。静止された被検査物の関心領域画像データを取得する場合は、CCDエリアセンサカメラを用い、搬送中の被検査物の関心領域画像データを取得する場合は、CCDラインセンサカメラを用いることが好ましい。ただし、本発明の入力手段は、特に限定されるものではなく、ディジタルカメラ、ディジタルビデオカメラ、携帯電話のカメラ、コンピュータネットワーク等から関心領域画像データの取得が挙げられる。関心領域画像データの保存形式は、ビットマップ形式、JPEG形式等、特に限定されるものではない。なお、入力された関心領域画像データは、位置ずれ補正手段を設けることによって、位置ずれ補正された関心領域画像データを得ることが好ましい。
記憶手段102Aは、関心領域画像データ、判定データ等の目的を達成するために必要なデータを記憶する。
統計値演算手段103Aは、関心領域画像データのヒストグラムを求め、平均値及び/又は分散値を算出する。
検査判定手段104は、統計値演算手段103Aで得られた平均値と、あらかじめ記憶手段102に記憶された判定データの平均値の上限値及び/又は下限値を比較し、及び/又は統計値演算手段103Aで得られた分散値と、あらかじめ記憶手段102に記憶された判定データの分散値の上限値及び/又は下限値とを比較して判定する。
報知手段105は、液晶等の大型又は小型表示画面、バイブレーション、音声、印刷媒体、電子記録媒体等によって真偽結果を報知する。表示画面で表示する場合は、テキスト表示、イメージ画像表示、グラフ表示等が可能であり、エラー箇所は、正常の箇所とは色彩を異ならせて表示することが好ましい。グラフ表示は、頻度分布表示、濃度断面グラフ等が可能である。頻度分布表示は、関心領域画像データから指定範囲内に対する濃度の分布状態を数値的に解析する。濃度断面グラフ表示は、関心領域画像データから指定範囲内に対する濃度値を、数値的に解析する。表示は、表示専用ウインドウで濃度断面の折れ線グラフが表示できることが好ましい。なお、報知手段は、周囲に分かりやすく報知される手段であれば、媒体は限定されない。
(被検査物の検査装置2)
図26に、本発明の検査物の検査装置100Bのブロック図を示す。図26に示すように、被検査物の検査装置100Bは、入力手段101、記憶手段102B、差分画像算出手段106、統計値演算手段103B、検査判定手段104及び報知手段105を有する。
入力手段101、検査判定手段104及び報知手段105は、被検査物の検査装置1と同様であるため、説明は省略する。
記憶手段102Bは、関心領域画像データ、判定データ及び差分用基準画像データ等の目的を達成するために必要なデータを記憶する。
差分画像算出手段106は、入力手段101で入力された関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段102Bに記憶された差分用基準画像データからの絶対値による差分画像データを生成する。
統計値演算手段103Bは、差分画像算出手段106で得られた差分画像データのヒストグラムを求め、平均値及び/又は分散値を算出する。
(被検査物の検査装置3)
図27に、本発明の検査物の検査装置100Cのブロック図を示す。図27に示すように、検査物の検査装置100Cは、入力手段101、記憶手段102C、基材除去検査画像作成手段107、統計値演算手段103C、検査判定手段104及び報知手段105を有する。なお、基材データを作成するために、第1のヒストグラム生成手段108及び基材データ算出手段109を設けることができる。さらに、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを作成するための基材除去検査画像作成手段107は、第2のヒストグラム生成手段110、閾値算出手段111及び基材除去検査画像生成手段112から成る。
検査判定手段104、報知手段105は、被検査物の検査装置1と同様であるため、説明は省略する。
入力手段101は、入力手段で入力された0〜255画素値で表現された関心領域画像データに0の画素が存在する場合は、画像処理によって0以外の画素に置き換えることが好ましい。よって、入力手段101後に画素変換手段を設けることが好ましい(図示せず)。
記憶手段102Cは、関心領域画像データ、基材データ及び判定データ等の目的を達成するために必要なデータを記憶する。
基材除去検査画像作成手段107は、入力手段101によって入力された関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段102Cに記憶された基材データを比較し、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。
統計値演算手段103Cは、基材除去検査画像作成手段107で得られた基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データのヒストグラムを求め、平均値及び/又は分散値を算出する。
第1のヒストグラム生成手段108及び基材データ算出手段109は、基材データを作成するための手段であり、第1のヒストグラム生成手段108は、あらかじめ定められた基準画像データから所定の基材の画像データを抽出し、所定の基材における画像データのヒストグラムを求める。この画像データとは、基準画像データ内のすべての基材の画像データ又は基準画像データ内の一部の基材の画像データのことをいう。基材データ算出手段109は、第1のヒストグラム生成手段108で得られた基材のヒストグラムと、基準画像データのヒストグラムを演算し、基材データを得る。
基材除去検査画像作成手段107は、第2のヒストグラム生成手段110、閾値算出手段111及び基材除去検査画像生成手段112から成り、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを作成するための手段であり、第2のヒストグラム生成手段110は、関心領域画像データからヒストグラムを求める。閾値算出手段111は、基材データと関心領域画像データのヒストグラムから閾値を算出する。基材除去検査画像生成手段112は、閾値算出手段111によって得られた閾値によって関心領域画像データから基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。
(被検査物の検査装置4)
図28に、本発明の検査物の検査装置100Dのブロック図を示す。図28に示すように、検査物の検査装置100Dは、入力手段101、記憶手段102D、基材除去検査画像作成手段107、差分画像算出手段106、統計値演算手段103D、検査判定手段104及び報知手段105を有する。なお、基材データを作成するために、第1のヒストグラム生成手段108及び基材データ算出手段109を設けることができる。さらに、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを作成するための基材除去検査画像作成手段107は、第2のヒストグラム生成手段110、閾値算出手段111及び基材除去検査画像生成手段112から成る。
検査判定手段104及び報知手段105は、被検査物の検査装置1と同様であり、基材除去検査画像作成手段107は、被検査物の検査装置3と同様であるため、説明は省略する。
入力手段101においては、入力手段で入力された0〜255画素値で表現された関心領域画像データに0の画素が存在する場合は、画像処理によって0以外の画素に置き換えることが好ましい。よって、入力手段101後に画素変換手段を設けることが好ましい(図示せず)。
記憶手段102Dは、関心領域画像データ、基材データ、判定データ及び差分用基準画像データ等の目的を達成するため、必要なデータを記憶する。
差分画像算出手段106は、基材除去検査画像作成手段107で得られた基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データと、あらかじめ記憶手段102Dに記憶された基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された差分用基準画像データからの絶対値による差分画像データを生成する。
統計値演算手段103Dは、差分画像算出手段106で得られた差分画像データのヒストグラムを求め、平均値及び/又は分散値を算出する。
第1のヒストグラム生成手段108及び基材データ算出手段109は、基材データを作成するための手段であり、第1のヒストグラム生成手段108は、あらかじめ定められた基準画像データから所定の基材の画像データを抽出し、その画像データのヒストグラムを求める。この画像データとは、基準画像データ内のすべての基材の画像データ又は基準画像データ内の一部の基材の画像データのことをいう。基材データ算出手段109は、第1のヒストグラム生成手段108で得られた基材のヒストグラムと基準画像データのヒストグラムを演算により基材データを得る。
基材除去検査画像作成手段107は、第2のヒストグラム生成手段110、閾値算出手段111及び基材除去検査画像生成手段112を有して成り、基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを作成するための手段であり、第2のヒストグラム生成手段110は、関心領域画像データからヒストグラムを求める。閾値算出手段111は、基材データと関心領域画像データのヒストグラムから閾値を算出する。基材除去検査画像生成手段112は、閾値算出手段111によって得られた閾値によって関心領域画像データから基材の画像データが除去又はある程度除去(所定値又は所定量)された関心領域画像データを生成する。
なお、被検査物の検査方法及びその検査装置は、凹版印刷で形成された印刷物に、特に適する。凹版印刷は、断面から見ると凸部(画線)となる印刷色と、基材となる基材色の交互の繰り返しとなることから、基材色を除去する比率が高いため、このような印刷物にも正損判定ができる。また、セキュリティー印刷物の検査にも適応可能であり、例えば、同色の赤外線透過インキ及び赤外線吸収インキで印刷された印刷物において、赤外線吸収インキの領域及び/又は赤外線透過インキの領域の欠陥検査にも適応可能である。