JP4017148B2 - パターン検査装置、歩留管理システム、パターン検査方法、基板製造方法およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物上のパターンを検査する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板、カラーフィルタ、フォトマスク、プリント配線基板、リードフレーム等に形成されたパターンを外観検査する分野において、従来より主として多値画像による比較検査方式が用いられている。例えば、被検査画像と参照画像との画素値の差の絶対値を示す差分絶対値画像を求め、差分絶対値画像において所定のしきい値よりも大きな画素値を有する領域が欠陥として検出される。
【0003】
ところで、このような比較検査では鮮鋭度の変化による画像の粒状性の変化により、設定されるべきしきい値が変動するという問題があった。具体的には、粒状性が高い場合、粒状性が低い場合よりもしきい値を相対的に高く設定する必要が生じる。
【0004】
すなわち、差分絶対値画像に対して固定されたしきい値を用いて欠陥検出を行う手法は、被検査画像の粒状性が変動しないということが前提となる。固定しきい値が採用されているにも関わらず被検査画像の粒状性が一時的に高くなると、実際には欠陥でない疑似欠陥の検出が頻出することとなり、逆に、粒状性が一時的に低くなった場合には、欠陥の検出漏れが多く生じてしまう。
【0005】
そこで、特許文献1では、被検査画像と参照画像との画素値の符号付差分の標準偏差を算出し、標準偏差に基づいて差分絶対値画像のヒストグラムを正規化して画像の鮮鋭度の変動(すなわち、粒状性の変動)の影響を取り除く手法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−22421号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載された手法は、被検査画像の画質が変動しても符号付差分のヒストグラムの形状がほぼ相似である(すなわち、あるヒストグラムを差分値の軸に対して伸縮すると他のヒストグラムの形状とほぼ一致する)場合に特に有効であるが、画質の変動により被検査画像から得られる符号付差分のヒストグラムの形状が様々に変化する場合には、必ずしも正確な検査結果が得られない。
【0008】
なぜならば、ヒストグラムから求められる標準偏差は、画素値のばらつきを反映しているもののヒストグラムの形状の特徴までは反映しておらず、標準偏差を利用するのみでは、形状が大きく相違する複数のヒストグラムを適切に正規化することができないからである。その結果、特定の画質の場合には真の欠陥の検出ができるが、画質が変化してしまうと疑似欠陥が検出されやすくなったり、真の欠陥が見落とされるという問題が生じてしまう。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、パターンの検査をさらに精度よく行う技術を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、対象物上のパターンを検査するパターン検査装置であって、対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する撮像部と、参照画像のデータを記憶する記憶部と、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する手段と、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値が画素値0を含む所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める手段と、前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する手段とを備え、前記エラー確率を求める手段が、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である各差分絶対画素値に前記画素数を実質的に乗算する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、対象物上のパターンを検査するパターン検査装置であって、対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する撮像部と、参照画像のデータを記憶する記憶部と、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する手段と、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である差分絶対画素値が所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める手段と、前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する手段とを備え、前記エラー確率を求める手段が、各差分絶対画素値に前記画素数を実質的に乗算する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のパターン検査装置であって、前記エラー確率を求める手段が、乗算が行われた後の前記各差分絶対画素値を、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値の標準偏差で除算する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン検査装置であって、前記所定の画素値範囲が、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値の標準偏差に基づいて決定される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン検査装置であって、前記エラー確率を求める手段により複数の仮のエラー確率が求められ、前記複数の仮のエラー確率から前記エラー確率が求められる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、パターンが形成された対象物の製造歩留まりを管理する歩留管理システムであって、請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン検査装置と、前記比較する手段による比較結果を管理項目ごとに記憶する記憶部とを備える。
【0021】
請求項7に記載の発明は、対象物上のパターンを検査するパターン検査方法であって、参照画像のデータを準備する工程と、対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値が画素値0を含む所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程とを有し、前記エラー確率を求める工程において、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算される。
請求項8に記載の発明は、対象物上のパターンを検査するパターン検査方法であって、参照画像のデータを準備する工程と、対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である差分絶対画素値が所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程とを有し、前記エラー確率を求める工程において、各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算される。
【0022】
請求項9に記載の発明は、パターンが形成された基板を製造する基板製造方法であって、基板を搬入位置から取り出す工程と、前記基板にパターンを形成する工程と、前記基板に対して請求項7または8に記載のパターン検査方法を実行する工程と、前記基板を搬出位置へと搬送する工程とを有する。
【0024】
請求項10に記載の発明は、パターンの検査をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、参照画像のデータを準備する工程と、多階調の被検査画像のデータを準備する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値が画素値0を含む所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程とを実行させ、前記エラー確率を求める工程において、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算される。
請求項11に記載の発明は、パターンの検査をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、参照画像のデータを準備する工程と、多階調の被検査画像のデータを準備する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である差分絶対画素値が所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程とを実行させ、前記エラー確率を求める工程において、各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は半導体基板(以下、「基板」という。)を製造するプロセスの一部を担う基板製造システム7を示す図である。基板製造システム7は、基板に処理を施すことにより基板上にパターンを形成する処理装置71(複数の処理装置であってもよい。)、形成された基板上のパターンを撮像し、パターンの欠陥を検出する検査装置1、および、検査装置1に接続された管理装置72を備え、所定の搬入位置に載置された基板を処理装置71へと渡すローダ70a、および、検査装置1により欠陥の検出が行われた基板を受け取って所定の搬出位置に載置するアンローダ70bをさらに備える。
【0026】
管理装置72は、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成された管理部73、検査装置1から送信される情報を記憶する記憶部74、および、各種情報の表示を行うディスプレイ75を有する。管理部73は基板の歩留まりを管理する監視部731を有し、監視部731が、検査装置1から送信される欠陥を必要に応じて分類するとともに、検査項目、基板の種別、検査箇所、あるいは、製造プロセスの条件や製造を開始してからの期間(システムの立ち上げ期か否かを示す情報として利用される。)等の管理項目に検査や分類の結果を関連づけながら記憶部74に保存し、欠陥分類データベース741の更新を行う。
【0027】
監視部731はさらに、欠陥分類データベース741から導かれる統計的情報を監視し、例えば、立ち上げ期が終了した後に歩留まりが低下した場合に作業者にその旨を通知する。作業者はディスプレイ75を介して欠陥分類データベース741を参照し、歩留まり低下の原因となっている欠陥の種類を把握した上で対応を行う。以上のように、検査装置1は管理装置72とともに歩留管理システムを構成する。
【0028】
図2は基板製造システム7による基板製造プロセスの流れを示す図である。まず、基板が搬入位置に載置されると(ステップS11)、ローダ70aにより基板が搬入位置から取り出されて処理装置71へと搬送される(ステップS12)。処理装置71では基板に対する所定の処理が施され、基板上に配線パターンが形成される(ステップS13)。その後、基板は検査装置1へと搬送され、検査装置1により基板上の配線パターンが検査される(ステップS14)。なお、検査装置1の処理の詳細については後述する。検査結果は管理装置72へと送信され、必要に応じて欠陥の分類が行われて欠陥分類データベース741に追加される。基板はアンローダ70bへと搬送され、所定の搬出位置に載置される(ステップS15)。
【0029】
以上のように、基板製造システム7では、各種項目毎の欠陥の種類や各種欠陥の発生頻度等の製造歩留まりに係るデータを容易かつ迅速に作業者やシステム外の装置が取得可能とされ、例えば、後工程における生産計画の立案等に利用することができる。また、製造プロセスの迅速かつ正確な診断および是正が可能となり、基板製造歩留まりを向上することができる。
【0030】
図3は検査装置1の構成を示す図である。検査装置1は、基板9上の所定の領域を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部2、基板9を保持するステージ3、および、撮像部2に対してステージ3を相対的に移動するステージ駆動部31を有する。
【0031】
撮像部2は、照明光を出射する照明部21、基板9に照明光を導くとともに基板9からの光が入射する光学系22、および、光学系22により結像された基板9の像を電気信号に変換する撮像デバイス23を有する。ステージ駆動部31はステージ3を図2中のX方向に移動するX方向移動機構32、および、Y方向に移動するY方向移動機構33を有する。X方向移動機構32はモータ321にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ321が回転することにより、Y方向移動機構33がガイドレール322に沿って図2中のX方向に移動する。Y方向移動機構33もX方向移動機構32と同様の構成となっており、モータ331が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール332に沿ってY方向に移動する。
【0032】
検査装置1は、電気的回路やメモリにより構成される検査出力部4、および、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ5をさらに有する。検査出力部4は撮像部2から対象物画像を示すデータを取得して画素毎に欠陥の判定を行い、コンピュータ5は検査装置1の他の構成を制御する制御部としての役割を担う。
【0033】
図4は検査出力部4の構成を示す図である。検査出力部4は、撮像部2からの画像信号を受けて画像のデータを記憶する参照画像メモリ401および被検査画像メモリ402を有し、撮像部2の接続先はスイッチ41により切り替えられる。差分回路42は参照画像メモリ401および被検査画像メモリ402に記憶されている画像データの符号付差分および差分絶対値を求め、符号付差分がヒストグラム生成回路43へと送られ、差分絶対値が差分画像メモリ403に記憶される。
【0034】
ヒストグラム生成回路43は、符号付差分画像の画素値に関するヒストグラムを生成し、内部のヒストグラムメモリ404にヒストグラムデータとして一時的に保存する。特徴量算出回路44は、ヒストグラムから符号付差分画像の特徴を示す特徴量を算出する。特徴量の具体例については後述する。エラー確率変換回路45は差分絶対値画像の画素値から欠陥の度合いを示すエラー確率を求める。比較回路46は、しきい値メモリ405に記憶されている所定のしきい値とエラー確率とを比較する。これにより、被検査画像の各画素が欠陥を示すか否かが判定される。
【0035】
図5は検査装置1の動作の流れを示す図である。以下、図5の流れに沿って検査装置1の動作の詳細について説明する。
【0036】
検査装置1では、まず、コンピュータ5がステージ駆動部31を制御して撮像部2の撮像位置を基板9上の所定の位置へと相対的に移動し、撮像部2によって撮像された対象物画像のデータが検査出力部4の参照画像メモリ401に参照画像データとして記憶されて準備される(ステップS21)。なお、参照画像データが取得される際には、基板9上の予め欠陥が存在しないと想定される領域の撮像が行われる。
【0037】
次に、コンピュータ5がステージ駆動部31を制御して検査対象となる領域を撮像部2による撮像領域に合わせ、再度撮像を行う。このとき、スイッチ41は被検査画像メモリ402と撮像部2とを接続し、取得された対象物画像のデータが被検査画像メモリ402に被検査画像データとして記憶される(ステップS22)。
【0038】
被検査画像メモリ402および参照画像メモリ401からは互いに対応する画素の値が差分回路42に入力され、両画素値の符号付差分(以下、「符号付差分画素値」という。)がヒストグラム生成回路43へと順次出力され、両画素値の差分絶対値(以下、「差分絶対画素値」という。)が差分画像メモリ403へと順次出力される。換言すれば、差分回路42により被検査画像と参照画像との符号付差分画像と差分絶対値画像とが実質的に生成される(ステップS23)。差分画像メモリ403では差分絶対画素値が順次記憶される。
【0039】
一方、ヒストグラム生成回路43では、各符号付差分画素値を有する画素の数がカウントされ、図6に例示するように符号付差分画素値に対する画素数(度数)を示す符号付差分ヒストグラム61のデータがヒストグラムメモリ404に記憶される(ステップS24)。
【0040】
符号付差分ヒストグラム61のデータは特徴量算出回路44に入力され、特徴量算出回路44は、まず、符号付差分ヒストグラム61に基づいて符号付差分画素値のばらつきを示す標準偏差σを求める(ステップS25)。そして、符号付差分画像において(−σ)から(+σ)までの間の画素値を有する画素の数をカウントする。すなわち、図6において符号612,613,614,617,616にて示す点で囲まれる平行斜線を付す領域の面積を求める(ステップS26)。以下、求められた面積(画素数)を特徴量A1と呼ぶ。特徴量A1は、エラー確率変換回路45へと送られる。
【0041】
エラー確率変換回路45では、まず、特徴量A1に対して数1に示す演算を行い、調整用の重み係数W1を求める。数1において、値A0は符号付差分画像の全画素の数、すなわち、図6における点611から点613を経由して点615に至る符号付差分ヒストグラム61の面積である。
【0042】
【数1】
【0043】
次に、エラー確率変換回路45は、差分画像メモリ403から差分絶対画素値を取得し、差分絶対画素値Sに対して数2に示す演算を行い、エラー確率Eを求める(ステップS27)。数2において値nは定数であり、例えば、被検査画像が256階調の場合に255とされる。
【0044】
【数2】
【0045】
ただし、(E<0.0)の場合は(E=0.0)とされ、(E>1.0)の場合には(E=1.0)とされる。
【0046】
求められたエラー確率Eは比較回路46にて所定のしきい値と比較され、全ての画素に対する比較結果が検査結果としてコンピュータ5へと送られる(ステップS28)。検査結果は、コンピュータ5から図1に示す管理装置72へと送られ、歩留まりの管理に利用される。
【0047】
ここで、符号付差分ヒストグラムの形状が図6中に破線61aにて示す正規分布曲線と同様になるものと仮定した場合、(A1/A0)は、「0.6826」となることから、重み係数W1は「1」となる。したがって、欠陥である度合いを示すエラー確率Eは、差分絶対画素値を定数nで除算した値となり、実質的に差分絶対画素値がそのまま欠陥を示す度合いを反映することとなる。
【0048】
符号付差分ヒストグラム61が図6に示すように、画素値「0」の近傍において標準偏差σが同じ値となる正規分布曲線61aよりも度数が小さい場合、(A1/A0)は「0.6826」よりも小さくなり、重み係数W1は「1」よりも大きくなる。その結果、エラー確率Eは、符号付差分ヒストグラムが正規分布曲線であると仮定した場合よりも相対的に小さくなる。
【0049】
重み係数W1が「1」よりも大きい場合、一般的には符号付差分ヒストグラム61が、標準偏差σが同じ正規分布曲線に比べて広がっている(差分値が大きくてもある程度の度数が存在する)と予測される。したがって、符号付差分ヒストグラムが正規分布曲線に近い形状である場合よりも大きな差分絶対画素値(実質的にエラー確率Eに相当する。)が欠陥として取り扱われる(あるいは、大きなしきい値と比較することにより欠陥検出が行われる)ことが好ましい。そこで、検査装置1では、重み係数W1が「1」よりも大きければ大きいほどエラー確率Eが小さくなる数2を用いている。なお、重み係数W1を大きくすることは、しきい値を大きくすることと同等である。
【0050】
逆に、重み係数W1が「1」よりも小さい場合は数2により、符号付差分ヒストグラムが正規分布曲線の場合よりもエラー確率Eが大きくなり、しきい値を小さくすることと同等の作用が生じる。
【0051】
以上の処理により、符号付差分ヒストグラム61の標準偏差σが一定であったとしても、数1および数2により差分絶対画素値に実質的に特徴量A1を乗算することにより、符号付差分ヒストグラム61の形状(または、歪み)に応じてエラー確率Eが調整され、符号付差分ヒストグラム61の形状の影響を抑えつつ一定のしきい値にて精度よく検査を行うことが実現される。
【0052】
検査装置1の上記動作例では、符号付差分画像において特徴量A1が(−σ)〜(+σ)の範囲の画素値を有する画素数として求められるが、特徴量A1を求めるための画素値の範囲として他の範囲が利用されてもよい。なお、画素値「0」近傍における符号付差分ヒストグラムの形状に注目することにより符号付差分ヒストグラムの全体形状を適切に把握できる可能性が高い場合は、特徴量A1を求めるための画素値範囲は画素値「0」を含むことが好ましい。また、画素値範囲が標準偏差σに基づいて決定されることにより、符号付差分画素値のばらつきが特徴量A1に与える影響を抑えることができる。
【0053】
ヒストグラム生成回路43では符号付差分画素値のヒストグラムが生成されるが、上記動作において符号付差分ヒストグラムの全体を生成することは必須ではなく、所定の画素値範囲に含まれる画素値を有する画素の数のみをカウントすることにより、実質的に符号付差分画像の統計的な特徴量が得られてもよい。
【0054】
さらに、上記動作において利用する数2に代えて数3が用いられてもよい。数3はエラー確率Eを求める際に差分絶対画素値Sに特徴量A1を実質的に乗算した後に標準偏差σでさらに除算する式である。すなわち、数3では符号付差分画像の画素値から統計的な演算により得られる複数種類の統計特徴量(特徴量A1および標準偏差σ)が利用される。
【0055】
【数3】
【0056】
なお、数3における定数nとしては、例えば、4096が用いられる。また、(E<0.0)の場合は(E=0.0)とされ、(E>1.0)の場合には(E=1.0)とされる。
【0057】
数3を用いることにより、標準偏差σを用いて被検査画像毎のコントラストの相違の影響を抑えることができ、特徴量A1により正規分布曲線に対する符号付差分ヒストグラムの歪みを考慮したエラー確率Eの微調整を行うことが実現される。その結果、さらに精度よく検査を行うことができる。
【0058】
図7は、図5中のステップS25,S26の他の例を示す流れ図である。図7に示す動作では、ヒストグラム生成回路43において図8に例示するように差分絶対画素値に対する累積画素数を示す差分絶対値累積ヒストグラム62(図8において点621,622,623を経由する曲線)のデータも生成され、符号付差分ヒストグラムと共にヒストグラムメモリ404に記憶される(ステップS31)。
【0059】
特徴量算出回路44では、まず、符号付差分ヒストグラムに基づいて符号付差分画素値の標準偏差σが求められる(ステップS25)。そして、差分絶対値累積ヒストグラム62においてσから3σまでの間における累積度数yの変化量(y(3σ)−y(σ))、すなわち、図8において点625から点624までの画素値範囲における累積度数の変化量を特徴量B1として求める(ステップS32)。なお、特徴量B1を符号付差分ヒストグラムを基準に捉えた場合、画素値範囲(−3σ)〜(−σ)、および、(+σ)〜(+3σ)における面積の和と同等である。
【0060】
特徴量B1は、エラー確率変換回路45へと送られ、エラー確率変換回路45では、まず、特徴量B1に対して数4に示す演算を行い、調整用の重み係数W2が求められる。数4において、値A0は符号付差分画像の全画素の数、すなわち、差分絶対画素値の累積度数の最大値である。
【0061】
【数4】
【0062】
次に、エラー確率変換回路45は、差分画像メモリ403から差分絶対画素値を取得し、差分絶対画素値Sに対して数5に示す演算を行い、エラー確率Eを求める(図5:ステップS27)。数5において値nは定数であり、例えば、被検査画像が256階調の場合に255とされる。
【0063】
【数5】
【0064】
ただし、(E<0.0)の場合は(E=0.0)とされ、(E>1.0)の場合には(E=1.0)とされる。
【0065】
求められたエラー確率Eは比較回路46にて所定のしきい値と比較され、全ての画素に対する比較結果が検査結果としてコンピュータ5を経由して管理装置72へと送られる(ステップS28)。
【0066】
ここで、差分絶対値累積ヒストグラムの形状が図8中に破線62aにて示す正規分布に対応する絶対値の累積曲線(すなわち、符号付差分ヒストグラムが正規分布である場合の累積差分絶対値ヒストグラム)と同様になるものと仮定した場合、(B1/A0)は、「0.3124」(=0.9950−0.6826)となることから、重み係数W2は「1」となる。したがって、欠陥である度合いに相当するエラー確率Eは、差分絶対画素値を定数nで除算した値となり、実質的に差分絶対画素値がそのまま欠陥を示す度合いを反映することとなる。
【0067】
差分絶対値累積ヒストグラム62の画素値σから3σの間における変化量が、図8に示すように、標準偏差σが同じ値となる正規分布に対応する絶対値の累積曲線62aの変化量よりも小さい場合、(B1/A0)は「0.3124」よりも小さくなり、重み係数W2は「1」よりも大きくなる。その結果、エラー確率Eは、差分絶対値累積ヒストグラム62が曲線62aと一致する(すなわち、符号付差分ヒストグラムが正規分布曲線である)と仮定した場合よりも相対的に小さくなる。
【0068】
重み係数W2が「1」よりも大きい場合、一般的には符号付差分ヒストグラムが、標準偏差σが同じ正規分布曲線に比べて広がっている(差分値が大きくてもある程度の度数が存在する)と予想される。したがって、符号付差分ヒストグラムが正規分布曲線に近い形状である場合よりも大きな差分絶対画素値(実質的にエラー確率Eに相当する。)が欠陥として取り扱われる(あるいは、大きなしきい値と比較することにより欠陥検出が行われる)ことが好ましい。そこで、検査装置1では、重み係数W2が「1」よりも大きければ大きいほどエラー確率Eが小さくなる数5を用いている。なお、重み係数W2を大きくすることは、しきい値を大きくすることと同等である。
【0069】
逆に、重み係数W2が「1」よりも小さい場合は、数5によりエラー確率Eが正規分布曲線の場合に比べて大きくなり、しきい値を小さくすることと同等の作用が生じる。
【0070】
以上の処理により、符号付差分ヒストグラムの標準偏差σが一定であったとしても、数4および数5により差分絶対画素値に実質的に特徴量B1を乗算することにより、差分絶対値累積ヒストグラム62に基づいて符号付差分ヒストグラムの形状(または、歪み)に応じてエラー確率Eが調整され、符号付差分ヒストグラムの形状の影響を抑えつつ一定のしきい値にて精度よく検査を行うことが実現される。
【0071】
検査装置1の上記動作例では、特徴量B1が差分絶対値累積ヒストグラム62のσから3σの画素値範囲の累積度数の変化量として求められるが、特徴量B1を求めるための画素値の範囲として他の範囲が利用されてもよい。なお、画素値範囲が標準偏差σに基づいて決定されることにより、符号付差分画素値のばらつきが特徴量B1に与える影響を抑えることができる。
【0072】
また、ヒストグラム生成回路43では差分絶対値累積ヒストグラムが生成されるが、上記動作において差分絶対値累積ヒストグラムの全体を生成することは必須ではなく、所定の画素値範囲に含まれる画素値を有する画素の数をカウントすることにより、実質的に差分絶対値画像の統計的な特徴量が得られてもよい。
【0073】
さらに、上記動作において利用する数5に代えて数6が用いられてもよい。数6はエラー確率Eを求める際に差分絶対画素値Sに特徴量B1を実質的に乗算した後に標準偏差σでさらに除算する式である。すなわち、数6では複数種類の統計特徴量(特徴量B1および標準偏差σ)が利用される。
【0074】
【数6】
【0075】
なお、数6における定数nとしては、例えば、4096が用いられる。また、(E<0.0)の場合は(E=0.0)とされ、(E>1.0)の場合には(E=1.0)とされる。
【0076】
数6を用いることにより、標準偏差σを用いて被検査画像毎のコントラストの相違の影響を抑えることができ、特徴量B1により正規分布曲線に対する符号付差分ヒストグラムの歪みを考慮したエラー確率Eの微調整を行うことが実現される。その結果、さらに精度よく検査を行うことができる。
【0077】
さらに、統計特徴量として、標準偏差σ、符号付差分画像の画素値に関する特徴量A1、差分絶対値画像の画素値に関する特徴量B1の全てが用いられてもよく、他の統計特徴量(例えば、対象となる画素値範囲を変更して求められた特徴量A1、B1)がさらに利用されてもよい。統計特徴量としては符号付差分画像や差分絶対値画像の画素値に対する統計的演算により求められるものであればどのようなものが利用されてもよく、例えば、平均値、分散等が利用されてもよい。
【0078】
符号付差分画像または差分絶対値画像の画素値に基づく複数種類の統計特徴量が利用されることにより精度の高い欠陥検出が可能となる。また、特徴量A1または特徴量B1が利用されることにより、符号付差分ヒストグラムの歪みを考慮した精度の高い欠陥検出が実現される。
【0079】
図9は検査出力部4の他の例を示すブロック図である。図9に示す検査出力部4では、参照画像メモリ401、差分回路42、差分画像メモリ403、ヒストグラム生成回路43および特徴量算出回路44が2つずつ設けられる。また、エラー確率変換回路45に代えて、2つの仮エラー確率変換回路45aおよびエラー確率生成回路45bが設けられる。なお、各仮エラー確率変換回路45aは図4のエラー確率変換回路45と同様である。
【0080】
図10は図9に示す検査出力部4を有する検査装置1の動作の流れを示す図である。検査装置1では、図5に示すステップS21,S23〜S27が2組の構成により個別に行われ、2つの仮のエラー確率が求められる。図10では図示の便宜上、2つのエラー確率を求める動作を繰り返し動作(ステップS44)として図示している。
【0081】
検査装置1では、まず、基板9上の所定の2つの領域が撮像部2により撮像されて2つの参照画像のデータが2つの参照画像メモリ401にそれぞれ記憶される(ステップS41)。その後、検査対象となる領域が撮像されて被検査画像のデータが被検査画像メモリ402に記憶される(ステップS42)。そして、2組の差分回路42、差分画像メモリ403、ヒストグラム生成回路43、特徴量算出回路44および仮エラー確率変換回路45aにより被検査画像に対する2つの仮のエラー確率が図5中のステップS23〜S27と同様の手法により求められる(ステップS43,S44)。
【0082】
2つの仮のエラー確率はエラー確率生成回路45bに入力され、2つの仮のエラー確率の積の平方根が最終的なエラー確率Eとして求められる(ステップS45)。最終的なエラー確率は比較回路46によりしきい値メモリに記憶されているしきい値と比較され(ステップS46)、比較結果がコンピュータ5を経由して管理装置72へと送られる。
【0083】
以上のように、複数の仮のエラー確率から最終的なエラー確率を求めることにより、検査装置1では参照画像に含まれるノイズの影響を軽減することができる。なお、仮のエラー確率は3以上求められてもよく、最終的なエラー確率は仮のエラー確率の平均、最大値、最小値、多数決等として求められてもよい。
【0084】
また、差分絶対画素値から仮のエラー確率へと変換する条件(パラメータ、特徴量、演算式等)を変更して複数の仮のエラー確率が求められてもよい。例えば、数2、数3、数5、数6等に示した複数種類の手法により複数の仮のエラー確率を求め、これらの仮のエラー確率から最終的なエラー確率が求められてもよい。この場合、図9において仮エラー確率変換回路45aのみが複数設けられる、または、仮エラー確率変換回路45aにおいて複数通りの演算が順次行われることとなる。
【0085】
仮のエラー確率へと変換する条件を変更して複数のエラー確率を求めることにより、最適な変換条件が被検査画像の特性によって微妙に異なる場合であっても、精度よく検査を行うことが実現される。
【0086】
以上、検査装置1の構成および動作について説明を行ってきたが、検査装置1の検査出力部4の機能はコンピュータ5によりソフトウェア的に実現されてもよい。
【0087】
コンピュータ5は、図11に示すように、各種演算処理を行うCPU51、基本プログラムを記憶するROM52および各種情報を記憶するRAM53をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定ディスク54、画像等の各種情報の表示を行うディスプレイ55、作業者からの入力を受け付けるキーボード56aおよびマウス56b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8から情報の読み取りを行う読取装置57、並びに、検査装置1の他の構成との間で信号を送受信する通信部58が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
【0088】
コンピュータ5には、事前に読取装置57を介して記録媒体8からプログラム80が読み出され、固定ディスク54に記憶される。そして、プログラム80がRAM53にコピーされるとともにCPU51がRAM53内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ5が欠陥の検査を行う。
【0089】
図4および図9における各種画像メモリはコンピュータ5のRAM53の一部、または、コンピュータ5に追加された画像メモリに相当し、各種回路はCPU51等により実現される機能に相当する。ただし、これらの機能は部分的に専用の電気的回路が利用されてもよい。
【0090】
コンピュータ5が検査を行う場合の動作は、図5や図10と同様である。コンピュータ5における演算は容易に変更することが可能であるため、可能な範囲内で図5や図10に示す演算の順序が変更されてよい。コンピュータ5を利用することにより、エラー確率を求める演算手法を様々に変更することが可能となり、図10に示す仮のエラー確率の反復算出にも柔軟に対応することが可能となる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0092】
検査装置1は必ずしも図1に示すように基板製造システム7にいわゆるインライン状態にて組み込まれる必要はなく、製造システムにおいて画像の取得のみが行われ、撮像部2を有しない検査装置として別途設けられてもよい。
【0093】
上記実施の形態では符号付差分画像や差分絶対値画像が用いられるが、差分絶対値画像は符号付差分画像から生成可能であることから、差分絶対値画像に基づく演算は符号付差分画像に基づく演算であるといえる。すなわち、上記実施の形態における統計特徴量は(符号付きであるか否かを問わない)差分画像の画素値から求められる。
【0094】
上記実施の形態では画素を単位として欠陥検出が行われるが、画像中の物理的な画素と上記実施の形態における画素とが厳密に一致している必要はない。例えば、画像中の一塊りの画素群が上記実施の形態における1つの画素として取り扱われてもよい。
【0095】
上記実施の形態では、半導体の基板9に対して欠陥の検出が行われるが、検査装置1は、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等の平面表示装置用基板、リードフレーム等に形成されたパターンの欠陥検査にも利用することができ、特に基板上に形成された微細パターンの検査に適している。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、精度よく対象物上のパターンを検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板製造システムを示す図である。
【図2】基板製造プロセスの流れを示す図である。
【図3】検査装置の構成を示す図である。
【図4】検査出力部の構成を示す図である。
【図5】検査装置の動作の流れを示す図である。
【図6】符号付差分ヒストグラムを例示する図である。
【図7】特徴量を求める他の流れを示す図である。
【図8】差分絶対値累積ヒストグラムを例示する図である。
【図9】検査出力部の他の例を示す図である。
【図10】検査装置の動作の流れを示す図である。
【図11】コンピュータの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 検査装置
2 撮像部
5 コンピュータ
9 基板
42 差分回路
44 特徴量算出回路
45 エラー確率変換回路
45a 仮エラー確率変換回路
45b エラー確率生成回路
46 比較回路
73 管理部
74 記憶部
80 プログラム
401 参照画像メモリ
402 被検査画像メモリ
S11〜S15,S21〜S28,S31,S32,S41〜S46 ステップ
Claims (11)
- 対象物上のパターンを検査するパターン検査装置であって、
対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する撮像部と、
参照画像のデータを記憶する記憶部と、
前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する手段と、
前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値が画素値0を含む所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める手段と、
前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する手段と、
を備え、
前記エラー確率を求める手段が、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である各差分絶対画素値に前記画素数を実質的に乗算することを特徴とするパターン検査装置。 - 対象物上のパターンを検査するパターン検査装置であって、
対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する撮像部と、
参照画像のデータを記憶する記憶部と、
前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する手段と、
前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である差分絶対画素値が所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める手段と、
前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する手段と、
を備え、
前記エラー確率を求める手段が、各差分絶対画素値に前記画素数を実質的に乗算することを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項2に記載のパターン検査装置であって、
前記エラー確率を求める手段が、乗算が行われた後の前記各差分絶対画素値を、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値の標準偏差で除算することを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン検査装置であって、
前記所定の画素値範囲が、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値の標準偏差に基づいて決定されることを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン検査装置であって、
前記エラー確率を求める手段により複数の仮のエラー確率が求められ、前記複数の仮のエラー確率から前記エラー確率が求められることを特徴とするパターン検査装置。 - パターンが形成された対象物の製造歩留まりを管理する歩留管理システムであって、
請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン検査装置と、
前記比較する手段による比較結果を管理項目ごとに記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする歩留管理システム。 - 対象物上のパターンを検査するパターン検査方法であって、
参照画像のデータを準備する工程と、
対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値が画素値0を含む所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、
前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程と、
を有し、
前記エラー確率を求める工程において、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応 する画素の値の差分絶対値である各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算されることを特徴とするパターン検査方法。 - 対象物上のパターンを検査するパターン検査方法であって、
参照画像のデータを準備する工程と、
対象物を撮像して多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である差分絶対画素値が所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、
前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程と、
を有し、
前記エラー確率を求める工程において、各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算されることを特徴とするパターン検査方法。 - パターンが形成された基板を製造する基板製造方法であって、
基板を搬入位置から取り出す工程と、
前記基板にパターンを形成する工程と、
前記基板に対して請求項7または8に記載のパターン検査方法を実行する工程と、
前記基板を搬出位置へと搬送する工程と、
を有することを特徴とする基板製造方法。 - パターンの検査をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
参照画像のデータを準備する工程と、
多階調の被検査画像のデータを準備する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の符号付差分である符号付差分画素値が画素値0を含む所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、
前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程と、
を実行させ、
前記エラー確率を求める工程において、前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算されることを特徴とするプログラム。 - パターンの検査をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
参照画像のデータを準備する工程と、
多階調の被検査画像のデータを準備する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との差分画像を生成する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像との互いに対応する画素の値の差分絶対値である差分絶対画素値が所定の画素値範囲に属する画素数に基づいて、前記差分画像の各画素の画素値から欠陥の度合いに相当するエラー確率を求める工程と、
前記エラー確率と所定のしきい値とを比較する工程と、
を実行させ、
前記エラー確率を求める工程において、各差分絶対画素値に前記画素数が実質的に乗算されることを特徴とするプログラム。
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