JP4059429B2 - 分類装置、歩留管理システム、分類方法、基板製造方法およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板等(以下、「基板」という。)に形成されたパターンを検査する分野において、従来より主として多値画像による比較検査方式が用いられている。例えば、被検査画像と参照画像との画素値の差の絶対値を示す差分絶対値画像を求め、差分絶対値画像において所定のしきい値よりも大きな画素値を有する領域が欠陥として検出される。
【0003】
一方、各工程での歩留まりを低下させる要因となる製造プロセスの異常を是正するために、検出された欠陥に対して分類が行われる(すなわち、欠陥の種類やカテゴリが判定される)ことがある。分類処理の一手法としては、検査の際に利用された被検査画像中の欠陥近傍の明度、欠陥の面積等の欠陥全体から導かれる特徴量を算出し、特徴量に基づいてニューラルネットワークを用いて分類する手法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、比較検査方式にて検出された欠陥に対して欠陥全体から導かれる特徴量を用いた分類を行う場合、特定の種類の欠陥が分類不能となってしまう。例えば、図1(a)に示す参照画像91に対して、図1(b)に示す被検査画像921,922,923が取得された場合、被検査画像921〜923のそれぞれに対応する差分絶対値画像931,932,933が図1(c)に示すように取得される。なお、図1(a)および(b)において、符号9aを付した領域は基板上の配線領域であり、符号9bを付した領域は背景領域である。
【0005】
そして、図1(c)の差分絶対値画像932,933において、符号932a,933aを付した領域がそれぞれ欠陥を示す領域として検出され、領域932a,933aの全体から得られる特徴量(例えば、欠陥の面積や明度等)が欠陥の分類に利用される。このとき、欠陥の面積や明度等に基づく分類は可能であるが、配線領域9aや背景領域9bに対する欠陥の相対的な幾何学的関係(包含関係、接続関係等)に関する分類を行うことは困難である。
【0006】
例えば、差分絶対値画像932の領域932aに対応する被検査画像922の欠陥領域922aは、背景領域9bに包含される領域(いわゆる、孤立点(領域))であり、差分絶対値画像933の領域933aに対応する被検査画像923の欠陥領域923aは、背景領域9bを分断する領域(すなわち、配線領域9a間を短絡させる領域)であるが、従来の特徴量からは孤立点や短絡等の分類を行うことは困難であった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、特定種類の欠陥を容易に分類する技術を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類装置であって、対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータ、および、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを記憶する記憶部と、欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める評価値算出部と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う分類部とを備える。
請求項2に記載の発明は、対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類装置であって、対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータ、および、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを記憶する記憶部と、欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める評価値算出部と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う分類部とを備える。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の分類装置であって、被検査パターンを示す多階調の被検査画像と参照パターンを示す多階調の参照画像とを比較することにより欠陥領域画像を生成する欠陥領域画像生成部をさらに備える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の分類装置であって、対象物を撮像して被検査画像のデータを取得する撮像部をさらに備える。
【0011】
請求項5に記載の発明は、パターンが形成された対象物の製造歩留まりを管理する歩留管理システムであって、請求項4に記載の分類装置と、前記分類部による分類結果を検査項目、基板の種別、検査箇所、あるいは、製造プロセスの条件や製造を開始してからの期間の管理項目に関連づけて記憶する記憶部とを備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類方法であって、対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める工程と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程とを有する。
請求項7に記載の発明は、対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類方法であって、対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める工程と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程とを有する。
【0013】
請求項8に記載の発明は、パターンが形成された基板を製造する基板製造方法であって、基板を搬入位置から取り出す工程と、前記基板にパターンを形成する工程と、前記基板を撮像して被検査パターンを示す多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、前記被検査画像と参照パターンを示す多階調の参照画像とを比較して前記被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像を生成する工程と、前記参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像が準備され、欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める工程と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、前記基板を搬出位置へと搬送する工程とを有する。
請求項9に記載の発明は、パターンが形成された基板を製造する基板製造方法であって、基板を搬入位置から取り出す工程と、前記基板にパターンを形成する工程と、前記基板を撮像して被検査パターンを示す多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、前記被検査画像と参照パターンを示す多階調の参照画像とを比較して前記被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像を生成する工程と、前記参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像が準備されており、欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める工程と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、前記基板を搬出位置へと搬送する工程とを有する。
【0014】
請求項10に記載の発明は、パターンの欠陥の分類に利用されるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める工程と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程とを実行させる。
請求項11に記載の発明は、パターンの欠陥の分類に利用されるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める工程と、前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程とを実行させることを特徴とするプログラム。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載のプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記被検査パターンを示す多階調の被検査画像のデータを準備する工程と、前記参照パターンを示す多階調の参照画像のデータを準備する工程と、前記被検査画像と前記参照画像とを比較して前記欠陥領域画像を生成する工程とをさらに実行させる。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のプログラムであって、前記欠陥領域画像が、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像から生成される。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13に記載のプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記参照画像を2値化して前記分割領域画像を生成する工程をさらに実行させる。
【0021】
請求項15に記載の発明は、請求項12ないし14のいずれかに記載のプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記被検査画像、前記参照画像および前記欠陥領域画像のうち少なくとも1つに基づいて画像特徴量を求める工程をさらに実行させ、前記評価値および前記画像特徴量に基づいて欠陥の分類が行われる。
【0022】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載のプログラムであって、前記欠陥の分類を行う工程が、前記評価値に基づいて粗分類を行う工程と、前記粗分類の結果および前記画像特徴量に基づいて詳細分類を行う工程とを有する。
【0023】
請求項17に記載の発明は、請求項15に記載のプログラムであって、前記欠陥の分類を行う工程が、前記画像特徴量に基づいて欠陥または非欠陥を特定する工程と、欠陥が特定された場合に前記評価値に基づいて前記欠陥の分類を行う工程とを有する。
【0024】
請求項18に記載の発明は、請求項12または13に記載のプログラムであって、前記欠陥の分類を行う工程が、複数通りの分類を行って複数の分類結果を取得する工程と、前記複数の分類結果に基づいて最終分類結果を取得する工程とを有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
図2は半導体基板(以下、「基板」という。)を製造するプロセスの一部を担う基板製造システム7を示す図である。基板製造システム7は、基板に処理を施すことにより基板上にパターンを形成する処理装置71(複数の処理装置であってもよい。)、形成された基板上のパターンを撮像し、パターンの欠陥を検出するとともに欠陥を分類する分類装置1、および、分類装置1に接続された管理装置72を備え、所定の搬入位置に載置された基板を処理装置71へと渡すローダ70a、および、分類装置1により欠陥の分類が行われた基板を受け取って所定の搬出位置に載置するアンローダ70bをさらに備える。
【0026】
管理装置72は、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成された管理部73、分類装置1から送信される情報を記憶する記憶部74、および、各種情報の表示を行うディスプレイ75を有する。管理部73は基板の歩留まりを管理する監視部731を有し、監視部731が、分類装置1から送信される欠陥の分類結果を受け取って、検査項目、基板の種別、検査箇所、あるいは、製造プロセスの条件や製造を開始してからの期間(システムの立ち上げ期か否かを示す情報として利用される。)等の管理項目に関連づけながら記憶部74に保存し、欠陥分類データベース741の更新を行う。
【0027】
監視部731はさらに、欠陥分類データベース741から導かれる統計的情報を監視し、例えば、立ち上げ期が終了した後に歩留まりが低下した場合に作業者にその旨を通知する。作業者はディスプレイ75を介して欠陥分類データベース741を参照し、歩留まり低下の原因となっている欠陥の種類を把握した上で対応を行う。以上のように、分類装置1は管理装置72とともに歩留管理システムを構成する。
【0028】
図3は基板製造システム7による基板製造プロセスの流れを示す図である。まず、基板が搬入位置に載置されると(ステップS11)、ローダ70aにより基板が搬入位置から取り出されて処理装置71へと搬送される(ステップS12)。処理装置71では基板に対する所定の処理が施され、基板上に配線パターンが形成される(ステップS13)。その後、基板は分類装置1へと搬送され、分類装置1により基板上の配線パターンが検査され、検出された欠陥の分類が行われる(ステップS14)。なお、分類装置1の処理の詳細については後述する。欠陥の分類結果は管理装置72へと送信され、分類結果が欠陥分類データベース741に追加される。基板はアンローダ70bへと搬送され、所定の搬出位置に載置される(ステップS15)。
【0029】
以上のように、基板製造システム7では、基板上に形成されたパターンの欠陥の検出および分類が分類装置1により行われ、分類結果が管理装置72へと出力される。管理装置72では分類結果が欠陥分類データベース741に追加記憶され、これにより、各種項目毎の欠陥の種類や各種欠陥の発生頻度等の製造歩留まりに係るデータを容易かつ迅速に作業者やシステム外の装置が取得可能となり、例えば、後工程における生産計画の立案等に利用することができる。また、製造プロセスの迅速かつ正確な診断および是正が可能となり、基板製造歩留まりを向上することができる。
【0030】
図4は分類装置1の構成を示す図である。分類装置1は、基板9上の所定の領域を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部2、基板9を保持するステージ3、および、撮像部2に対してステージ3を相対的に移動するステージ駆動部31を有する。
【0031】
撮像部2は、照明光を出射する照明部21、基板9に照明光を導くとともに基板9からの光が入射する光学系22、および、光学系22により結像された基板9の像を電気信号に変換する撮像デバイス23を有する。ステージ駆動部31はステージ3を図4中のX方向に移動するX方向移動機構32、および、Y方向に移動するY方向移動機構33を有する。X方向移動機構32はモータ321にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ321が回転することにより、Y方向移動機構33がガイドレール322に沿って図4中のX方向に移動する。Y方向移動機構33もX方向移動機構32と同様の構成となっており、モータ331が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール332に沿ってY方向に移動する。
【0032】
分類装置1は、電気的回路により構成される演算部4、および、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ5をさらに有する。演算部4は、撮像部2から対象物画像の電気信号を取得して欠陥を検出するとともに欠陥の分類に利用される欠陥領域画像を生成し、コンピュータ5は、欠陥の分類を行うとともに、分類装置1の各構成を制御する制御部としての役割を担う。
【0033】
図4において、切替スイッチ40、被検査画像メモリ411、参照画像メモリ412、差分計算回路42、差分統計量計算回路43、正規化回路44、しきい値メモリ413、比較回路45および欠陥領域画像メモリ414が演算部4の構成を示しており、分割領域計算部501、分割領域画像メモリ531、欠陥特徴量抽出部502および分類器503がコンピュータ5の構成または機能を示している。
【0034】
分類装置1では、コンピュータ5がステージ駆動部31を制御して撮像部2の撮像位置を基板9上の所定の位置へと相対的に移動し、撮像部2にて取得された画像(の信号)が演算部4に入力される。演算部4では、まず、対象物画像の信号が切替スイッチ40を介して被検査画像メモリ411または参照画像メモリ412へと出力される。分類装置1における被検査画像は、例えば、基板9上に配列されているダイ(すなわち、1つのチップに対応する領域)のロジック領域上に形成されたパターンの画像とされる。
【0035】
分類装置1において、被検査画像が取得される際には、切替スイッチ40が被検査画像メモリ411側に接続されるとともに、ステージ駆動部31がステージ3を移動することにより撮像部2の撮像位置が基板9上のダイのロジック領域上へと移動する。そして、被検査画像メモリ411に対象物画像のデータが記憶され、さらに、対象物画像中の被検査画像の領域が特定される。
【0036】
参照画像が取得される際には、切替スイッチ40は参照画像メモリ412側に接続され、撮像部2の撮像位置がステージ駆動部31により他のダイの同じ位置(すなわち、ダイのパターンの周期の整数倍だけ離れた撮像領域)へと移動し、他のダイのロジック領域上の画像が取得される。そして、撮像部2により取得された対象物画像のデータが参照画像の領域が特定可能な状態で参照画像メモリ412に記憶される。
【0037】
なお、参照画像は被検査画像よりも先に取得されてもよく、既に取得されている複数の画像(例えば、検査済みの複数の被検査画像)の平均画像として参照画像が予め準備されてもよい。さらに、CADデータを元に生成されたゴールデン・テンプレート画像(すなわち、欠陥が存在しない、または、欠陥が存在しないと推定される画像)のデータが予め記憶されてもよい。
【0038】
被検査画像の各画素の値および参照画像の対応する画素の値は被検査画像メモリ411および参照画像メモリ412から差分計算回路42へと順次入力される。差分計算回路42では、被検査画像の画素値から参照画像の対応する画素値を減算した符号付差分および差分絶対値が算出され、符号付差分は差分統計量計算回路43に、差分絶対値は正規化回路44にそれぞれ出力される。これにより、実質的に符号付差分画像および差分絶対値画像が生成される。
【0039】
差分統計量計算回路43では、1つの被検査画像または参照画像に相当する画素数の符号付差分が蓄積され、蓄積された符号付差分についての標準偏差が求められる。標準偏差は正規化回路44へと出力され、差分計算回路42から入力された差分絶対値のそれぞれが標準偏差により正規化される。すなわち、正規化回路44において、各差分絶対値が標準偏差で除され、所定の係数が乗じられて正規化された差分絶対値が求められる。なお、正規化回路44に差分絶対値を記憶するバッファが設けられてもよく、差分統計量計算回路43から正規化回路44に符号付差分が入力されて差分絶対値が求められてもよい。
【0040】
正規化された差分絶対値は比較回路45へと順次出力され、しきい値メモリ413に予め記憶された所定のしきい値との比較が行われる。そして、正規化された差分絶対値がしきい値よりも大きい場合には欠陥を示す画素値「1」が、所定のしきい値よりも小さい場合には非欠陥(すなわち、正常な画素)を示す画素値「0」が欠陥領域画像メモリ414へと出力される。これにより、欠陥領域画像メモリ414には、被検査画像中の配線パターンの欠陥領域(すなわち、被検査パターンの欠陥領域)を示す2値画像が欠陥領域画像として記憶される。以上のように、欠陥領域画像は被検査画像と参照画像とを比較することにより生成され、記憶される。
【0041】
図5(a)は被検査画像611を例示する図であり、図5(b)は参照画像62を例示する図である。被検査画像611および参照画像62は背景領域6b上に配線パターン6aが形成された画像である。図6は、図5(a)の被検査画像611および図5(b)の参照画像62から生成された欠陥領域画像631を示す図である。図6では、符号631aを付す領域が欠陥を示す領域として特定されており、この領域631aが被検査画像611の欠陥領域611aに対応する様子を示している。
【0042】
以上のようにして欠陥領域画像631のデータが取得されると、次に、コンピュータ5により欠陥の分類に利用される評価値が生成され、欠陥の分類が行われる。
【0043】
コンピュータ5は、図7に示すように、各種演算処理を行うCPU51、基本プログラムを記憶するROM52および各種情報を記憶するRAM53をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定ディスク54、画像等の各種情報の表示を行うディスプレイ55、作業者からの入力を受け付けるキーボード56aおよびマウス56b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8から情報の読み取りを行う読取装置57、並びに、分類装置1の他の構成との間で信号を送受信する通信部58が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
【0044】
コンピュータ5には、事前に読取装置57を介して記録媒体8からプログラム80が読み出され、固定ディスク54に記憶される。そして、プログラム80がRAM53にコピーされるとともにCPU51がRAM53内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ5が評価値を生成しつつ、欠陥を分類する処理を行う。
【0045】
図4において分割領域画像メモリ531はコンピュータ5のRAM53の一部に相当し、分割領域計算部501、欠陥特徴量抽出部502および分類器503は、CPU51等により実現される機能に相当する。ただし、これらの機能は専用の電気的回路により実現されてもよく、部分的に電気的回路が用いられてもよい。
【0046】
図8はコンピュータ5が欠陥を分類する処理の流れを示す図である。以下、図5(a),(b)および図6に例示した画像を参照しながら説明行う。まず、欠陥領域画像メモリ414に記憶された欠陥領域画像631のデータがRAM53に記憶され準備される(ステップS21)。続いて、参照画像メモリ412に記憶されている参照画像62のデータが分割領域計算部501へと入力され、分割領域計算部501において配線パターン6a(すなわち、参照されるパターン)の存在領域を示す画像が生成される(ステップS22,S23)。
【0047】
具体的には、まず、参照画像62の各画素が属すべき領域の種類(すなわち、背景領域と配線領域)を特定するためのしきい値(以下、「領域判定しきい値」という。)が求められる(ステップS22)。領域判定しきい値を求める手法としては様々な手法が用いられてよいが、図9に示すように、参照画像62の画素値のヒストグラムが双峰性を有している場合には、両ピークの間の値(例えば、ピーク間において極小となる画素値)を領域判定しきい値とすることができる。
【0048】
また、図10のように、双峰性を有しない場合には、大津展之による「判別および最小2乗規準に基づく自動しきい値選定法」(電子通信学会論文誌 VOL.J63−D,NO.4,1980年4月, p.349−356)に開示された手法が用いられる。この手法では、しきい値の適切さを評価する値として、クラス(しきい値により分離される画素値群)内分散およびクラス間分散に基づくクラス分離度を採用し、クラス分離度が最大となるようにしきい値が求められる。この手法により、画像を2つの領域に分ける際に、画素値のヒストグラムが双峰性を有しない場合であってもノンパラメトリックに最適なしきい値を安定して求めることができる。
【0049】
以上のようにして領域判定しきい値が求められると、領域判定しきい値に従って、参照画像62の各画素値の領域種別が特定され、背景領域を示す画素値「0」または配線領域を示す画素値「1」のいずれかが分割領域画像メモリ531に出力される(ステップS23)。これにより、配線パターンの存在領域を示す分割領域を示す2値画像(以下、「分割領域画像」という。)のデータが分割領域画像メモリ531に記憶され準備される(ステップS24)。
【0050】
図11は、図5(b)の参照画像62から生成された分割領域画像64を示す図であり、参照画像62の配線パターン6aの領域が分割領域画像64中にて画素値が「1」の配線領域64aとして特定され、参照画像62の背景領域6bが分割領域画像64中にて画素値が「0」の背景領域64bとして特定された様子を示している。
【0051】
続いて、分割領域画像64のデータおよび欠陥領域画像631のデータが欠陥特徴量抽出部502へと入力され、分割領域画像64と欠陥領域画像631との画素毎の論理演算が行われ、後述するように配線領域と背景領域との幾何学的な相対的位置関係(他方の領域を分断したり包含する関係)が評価値として求められる(ステップS25)。ステップS25に係る処理の詳細については後述する。
【0052】
被検査画像611の欠陥領域611aに関する評価値が求められると、評価値は分類器503へと入力され、分類器503において欠陥領域611aの分類が行われる(ステップS26)。例えば、分類器503は、作業者により構築されたエキスパートシステムであり、次のように記述されたプログラムを実行することにより評価値に基づく欠陥の分類が実現される。
【0053】
if (背景分断確率>0.5) then 分類=ショート
else if (背景内包確率>0.5) then 分類=孤立点
else then 分類=その他
上記プログラムにおける背景分断確率および背景内包確率はステップS25において後述する手法により求められる評価値である。
【0054】
分類器503にて求められた分類結果は信号Rとして出力され、信号Rは図1に示す管理装置72に入力されて既述のように基板製造システム7の歩留まりの管理に利用される。
【0055】
なお、分類器503は、判別関数、関数木、決定木、あるいは、ニューラルネットワーク等の判定器であってもよく、その場合、コンピュータ5が教師データを作成しつつ学習することにより判定器に応じた欠陥判定条件を自動生成し、生成された欠陥判定条件が分類器503に入力されてもよい。これにより、自動構築された判別関数、関数木、決定木、あるいは、ニューラルネットワーク等による適切な欠陥の分類が実現される。
【0056】
次に、欠陥特徴量抽出部502において評価値が求められる処理についての説明を行う。図12は、評価値を求める処理の流れを示す図であり、図8のステップS25において行われる処理である。ステップS25では、複数種類の評価値を求めることが可能とされているが、そのうちの1種類の評価値である背景内包確率に注目して説明を行う。背景内包確率は、被検査画像中の欠陥領域が背景領域に内包されるか否か、あるいは、どの程度内包されているかを示す値である。
【0057】
まず、欠陥特徴量抽出部502において分割領域画像の各画素の値と欠陥領域画像の対応する画素の値との論理積が求められる(ステップS31)。これにより、例えば、図6に示す欠陥領域画像631において画素値が「1」の欠陥を示す領域631aと、図11に示す分割領域画像64において画素値が「1」の配線領域64aとの重なる領域のみが画素値「1」となる画像(以下、「AND画像」と呼ぶ。)が生成される。
【0058】
図13は、欠陥領域画像631と分割領域画像64とから生成されたAND画像651を例示する図である。AND画像651では、全ての画素の値が「0」となっており、欠陥領域画像631の領域631aと分割領域画像64の配線領域64aとが重なっていないことを示している。AND画像において画素値「1」が存在しない場合には、図5(a)に示す被検査画像611において、欠陥領域611aが背景領域6bに内包される(あるいは、欠陥領域611aがいずれの配線パターン6aにも接触していない孤立点である。)といえる。そこで、背景内包確率が1.0とされる(ステップS32,S35)。
【0059】
一方、欠陥領域画像の欠陥を示す領域が、検出条件によっては被検査画像の実際の欠陥領域よりもわずかに大きく特定される場合や、欠陥領域画像と分割領域画像との間の対応する画素に微小なずれが生じる場合もある。例えば、図14(a)に示す被検査画像612が取得された場合に、図14(b)に示すように欠陥を示す領域632aが被検査画像612の欠陥領域612aよりも大きく特定された欠陥領域画像632が生成されるときがある。この欠陥領域画像632が欠陥特徴量抽出部502へと入力されると、欠陥領域画像632と分割領域画像64(図11参照)とから図14(c)に示すAND画像652が生成される(ステップS31)。
【0060】
AND画像652において画素値が「1」の領域652aが存在することが確認されると(ステップS32)、欠陥特徴量抽出部502が欠陥領域画像632に対して画像処理を施す(ステップS34)。画像処理としては、欠陥を示す領域632aを収縮する処理が行われ、図14(d)に示す新たな欠陥領域画像633が生成される。そして、新たな欠陥領域画像633と分割領域画像64とから図14(e)に示すAND画像653が生成される(ステップS31)。
【0061】
収縮処理が1回施された後のAND画像653では画素値が「1」の領域が存在しないため(ステップS32)、続いて、背景内包確率を決定する処理が行われる(ステップS35)。このとき、背景内包確率は図15に示す換算曲線に基づいて収縮処理の回数に応じて決定される。例えば、AND画像653は1回の収縮処理により画素値が「1」の領域が存在しない状態とされたため、図15の換算曲線から背景内包確率は0.8とされる。
【0062】
収縮処理が4回繰り返された場合(すなわち、所定の繰返し回数に到達した場合)であっても画素値が「1」の領域が存在する場合には、5回目の収縮処理は行われず(ステップS33)、ステップS35において背景内包確率が0.0とされる。すなわち、被検査画像において欠陥領域が背景領域に明らかに内包されないと判定される。なお、図15に示す換算曲線は、ステップS34において欠陥領域を収縮する処理の程度に応じて適宜変更されてよい。
【0063】
以上の処理により、欠陥領域画像中の欠陥を示す領域が分割領域画像中の背景領域に明らかに内包される場合、すなわち、被検査画像において欠陥領域が背景領域に明らかに内包される場合は背景内包確率が1.0とされ、欠陥領域が背景領域に明らかに内包されない場合は背景内包確率が0.0とされ、欠陥領域が背景領域にほぼ内包される場合は、その程度に応じて背景内包確率が0.0と1.0との間の値とされる。
【0064】
なお、欠陥領域画像の欠陥を示す領域が分割領域画像の背景領域に内包されることは、欠陥領域画像と参照画像とを重ねたときに欠陥を示す領域と分割領域画像の配線領域とが重ならないことを示しており、背景内包確率は欠陥を示す領域が配線領域と重なるか否か(すなわち、被検査画像中の欠陥領域が配線領域と重なるか否か)、あるいは、どの程度実質的に重なっていると捉えることができるかという重なり状態を示す値であるといえる。
【0065】
以上、評価値の1つである背景内包確率を求める処理について説明を行ったが、より高速に背景内包確率を求めるためにAND画像が示す画素値が「1」の領域の面積(あるいは、画素数)に応じて、評価値が決定されてもよい。図16は、画素数に応じた評価値の決定に利用される換算曲線の一例を示す図である。図16の換算曲線により、欠陥領域と参照画像から分割された配線領域とが重なる領域の画素数に応じた評価値を迅速に決定することができる。
【0066】
次に、他の評価値として背景分断確率を求める例について、図12の評価値を求める処理の流れに沿って説明を行う(ただし、ステップS32の処理は図12の記載内容と異なったものとなる。)。背景分断確率は、被検査画像において欠陥領域が背景領域を分断するか否か、あるいは、どの程度実質的に分断していると捉えることができるかを示す値である。
【0067】
まず、撮像部2により図17(a)に示す被検査画像614が取得されたとすると、図17(b)に示す欠陥領域画像634が演算部4により生成され、準備される。そして、欠陥特徴量抽出部502において、欠陥領域画像634の各画素の値と分割領域画像64(図11参照)の対応する画素の値との論理和が求められ、2値画像(以下、「OR画像654」と呼ぶ。)が図17(c)に示すように生成される(ステップS31)。そして、OR画像654および分割領域画像64中の画素値が「1」の領域に対してラベリングを行い、画素値が「1」の領域の数(以下、「ラベル数」という。)を求める。
【0068】
OR画像654は、欠陥領域画像634の欠陥を示す領域634aと分割領域画像64の配線領域64aとの重なり状態を示す画像であり、OR画像654の画素値が「1」の領域654aのラベル数が分割領域画像64の配線領域64aのラベル数よりも少ない場合には、欠陥を示す領域634aが分割領域画像64と重ねたときに背景領域64bを分断する状態(あるいは、欠陥を示す領域634aが配線領域64a間を短絡させる領域)であるといえ、被検査画像614においても欠陥領域614aが背景領域6bを分断している(すなわち、配線パターン6a間が短絡している。)といえる。
【0069】
そこで、ステップS32において、OR画像654のラベル数と分割領域画像64のラベル数とが比較され(図12の記載内容と異なる処理である。)、図17(c)のように、OR画像654のラベル数が分割領域画像64のラベル数よりも少ない場合には、被検査画像614の欠陥領域614aに関する背景分断確率が1.0とされる(ステップS35)。
【0070】
一方、欠陥領域画像の欠陥を示す領域が被検査画像の欠陥領域よりもわずかに小さく検出される場合や、欠陥領域画像と分割領域画像との間に微小なずれが生じる場合もある。例えば、図18(a)に示す被検査画像615が取得され、図18(b)に示す欠陥領域画像635において欠陥を示す領域635aが被検査画像615の欠陥領域615aよりも小さく検出された場合、欠陥領域画像635と分割領域画像64(図11参照)とから図18(c)に示すOR画像655が生成される(ステップS31)。
【0071】
図18(c)のOR画像655に関してステップS32のラベル数の比較を行うと、OR画像655のラベル数と分割領域画像64のラベル数とが同じになる。この場合、欠陥領域画像635に対して画像処理が施される(ステップS34)。画像処理としては、欠陥領域画像635の欠陥を示す領域635aを膨張する処理が行われ、欠陥を示す領域636aを有する新たな欠陥領域画像636が図18(d)に示すように生成される。
【0072】
そして、新たな欠陥領域画像636と分割領域画像64とから図18(e)に示すOR画像656が生成される(ステップS31)。膨張処理が1回施された後のOR画像656のラベル数は、分割領域画像64のラベル数より少ないため(ステップS32)、続いて、背景分断確率が図19に示す換算曲線に基づいて決定される。例えば、図18(e)のOR画像656では1回の膨張処理によりラベル数が分割領域画像64のラベル数より少なくなったため、被検査画像615の欠陥領域615aの背景分断確率は0.75とされる。
【0073】
なお、膨張処理が3回繰り返された場合であっても欠陥領域画像のラベル数が分割領域画像64のラベル数よりも少なくならないときには、4回目の膨張処理は行われずに(ステップS33)、ステップS35において、背景分断確率が0.0とされる。すなわち、被検査画像において欠陥領域が背景領域を明らかに分断しないと判定される。図19に示す換算曲線に関しても、欠陥領域を膨張する処理の程度に応じて適宜変更されてよい。
【0074】
以上の処理により、欠陥領域画像中の欠陥を示す領域が分割領域画像中の背景領域を明らかに分断する場合、すなわち、被検査画像において欠陥領域が背景領域を明らかに分断する場合は背景分断確率が1.0とされ、欠陥領域が背景領域を明らかに分断しない場合には背景分断確率が0.0とされ、欠陥領域が背景領域をほぼ分断する場合は、その程度に応じて背景分断確率が0.0と1.0との間の値とされる。
【0075】
なお、欠陥領域画像の欠陥を示す領域が分割領域画像の背景領域を分断することは、欠陥領域画像と分割領域画像とを重ねたときに欠陥を示す1つの領域が分割領域画像の配線領域と複数箇所で重なることを示しており、背景分断確率は欠陥を示す領域が配線領域と複数箇所で重なるか否か(すなわち、被検査画像中の欠陥領域が配線領域と複数箇所で重なるか否か)、あるいは、どの程度実質的に重なっていると捉えることができるかという重なり状態を示す値であるといえる。
【0076】
以上、評価値として背景内包確率および背景分断確率を求める例について説明を行ったが、上述の分割領域画像において背景領域の画素値を「1」とし、配線領域の画素値を「0」とすることにより(換言すれば、背景領域を分割領域として取得することにより)、欠陥領域が配線領域に内包される(いわゆる、ホールとなる)程度を示す配線内包確率や、欠陥領域が配線領域を分断する(すなわち、配線が断線(いわゆる、オープン)となる)程度を示す配線分断確率が評価値として求めることができる。
【0077】
以上のように、分類装置1では、欠陥領域画像または欠陥を示す領域を膨張もしくは収縮させた新たな欠陥領域画像、すなわち、欠陥領域画像に基づく画像と分割領域画像との画素毎の論理演算を行って欠陥領域と分割領域との重なり状態を示す評価値が求められ、評価値に基づいて被検査画像の配線パターンに対する欠陥の分類が行われる。その結果、従来手法では容易には分類できなかった配線パターンの特定種類の欠陥の分類を容易に行うことができる。また、欠陥領域画像に対して膨張または収縮処理を施すことにより、欠陥の程度を求めることも実現される。
【0078】
なお、分割領域画像に対して膨張や収縮等の画像処理を行い、処理後の分割領域画像と欠陥領域画像との論理演算により評価値が求められてもよい。すなわち、論理演算に利用される画像は、分割領域画像に基づく画像(分割領域画像自体を含む。)であればよい。
【0079】
図20は分類装置1の構成の他の例を示す図である。図20に示す分類装置1は、第2欠陥特徴量抽出部502aを有し、第2欠陥特徴量抽出部502aは被検査画像メモリ411、参照画像メモリ412および欠陥領域画像メモリ414に接続される。図20中の第1欠陥特徴量抽出部502は図4中の欠陥特徴量抽出部502と同様であり、他の構成も図4と同様である。
【0080】
図21は分類装置1が欠陥の分類を行う動作の流れを示す図であり、図8のステップS26に相当する部分のみを示している。分類装置1では、ステップS25において評価値が求められると、被検査画像メモリ411、参照画像メモリ412および欠陥領域画像メモリ414から被検査画像のデータ、参照画像のデータ、および、欠陥領域画像のデータがそれぞれ第2欠陥特徴量抽出部502aへと出力される。
【0081】
第2欠陥特徴量抽出部502aでは、被検査画像、参照画像または欠陥領域画像から画素値の平均値や標準偏差等の画素値の統計量である特徴量、あるいは、欠陥領域の面積、高さ、幅、欠陥領域の中心線の角度やモーメント等の幾何的特徴量である画像特徴量が算出される(ステップS41)。なお、符号付差分画像や差分絶対値画像の画像特徴量が第2欠陥特徴量抽出部502aにおいて求められてもよい。また、画像特徴量は被検査画像、差分絶対値画像あるいは欠陥領域画像中の欠陥領域近傍に対して求められてもよい。すなわち、画像特徴量は被検査画像、参照画像または欠陥領域画像のうち少なくとも1つに基づいて求められれる。
【0082】
なお、第1欠陥特徴量抽出部502にて求められる評価値は、欠陥領域画像にて欠陥を示す領域と分割領域画像の分割領域との重なり状態、すなわち、被検査画像における欠陥領域と配線パターンとの重なり状態に基づいた画像特徴量の一種であると捉えることができるが、第2欠陥特徴量抽出部502aにて求められる画像特徴量は上述の重なり状態とは関連しないため、第1欠陥特徴量抽出部502にて求められる画像特徴量とは異質であるといえる。以下の説明における「画像特徴量」は第2欠陥特徴量抽出部502aにて求められる画像特徴量を指すものとする。
【0083】
第1欠陥特徴量抽出部502において求められた評価値と第2欠陥特徴量抽出部502aにおいて求められた画像特徴量とは分類器503に入力され、分類器503において、評価値と画像特徴量とに基づく分類が行われる(ステップS42)。
【0084】
以上のように、図20に示す分類装置1では、被検査画像、参照画像および欠陥領域画像のうち少なくとも1つに基づいて評価値とは異質な画像特徴量を求め、評価値および画像特徴量に基づいて欠陥の分類が行われる。したがって、評価値または画像特徴量のいずれかに基づいて分類を行う場合に比べてより適切な分類結果を取得することができる。
【0085】
図22は図20に示す分類装置1において分類に係る構成を変更した例を示す図であり、第1欠陥特徴量抽出部502に第1分類器503が接続され、第2欠陥特徴量抽出部502aに第2分類器503aが接続され、第2分類器503aには、第1分類器503における分類結果が入力されるようになっている。以下の説明にて言及される分類器は全て、図4に示す分類器503と同様に、エキスパートシステム、判別関数、関数木、決定木、ニューラルネットワーク等により構築される。
【0086】
図23は図22に示す構成が欠陥の分類を行う動作の流れを示す図であり、図21のステップS42において行われる処理に対応する。ステップS41において画像特徴量が求められると、評価値に基づく欠陥の分類が第1分類器503において行われる(ステップS51)。ステップS51において行われる分類は、欠陥領域と配線パターンとの重なり状態に関する分類(以下、「粗分類」という。)となっている。続いて、第2分類器503aにおいて、第1分類器503における粗分類の結果と第2欠陥特徴量抽出部502aからの画像特徴量とが入力され、欠陥の詳細な分類が行われる(ステップS52)。
【0087】
以上のように、図22に示す構成により評価値に基づく粗分類を行い、粗分類の結果および画像特徴量の基づいて詳細分類を行うことにより、欠陥の粗分類の情報と詳細分類の情報とを順次取得しつつ欠陥を適切かつ効率よく分類することが可能となる。また、粗分類の結果を別途利用することも可能となる。
【0088】
図24は図22に示す構成に第3分類器503bをさらに追加した構成を示す図である。第3分類器503bは第2欠陥特徴量抽出部502aに接続され、第1分類器503には、第3分類器503bにおける分類結果が入力されるようになっている。
【0089】
図25は図24に示す構成が欠陥の分類を行う動作の流れを示す図であり、図23のステップS41とステップS51との間の処理を示している。ステップS41において画像特徴量が算出されると、第2欠陥特徴量抽出部502aから第3分類器503bに画像特徴量が入力され、第3分類器503bにおいて、欠陥または非欠陥を特定する分類(欠陥検出と捉えることもできる。)が画像特徴量に基づいて行われる(ステップS61)。ここで、第3分類器503bでは、必ずしも厳密に欠陥または非欠陥を特定する処理が行われる必要はなく、例えば、欠陥領域の面積が小さいものや差分絶対値画像における差分絶対値が小さいもの等、画像特徴量のみからは欠陥であるか非欠陥であるかの区別が明確でないものが非欠陥として特定されてもよい。
【0090】
続いて、特定された結果が第1分類器503に入力され、入力された結果が欠陥を示す場合に(ステップS62)、第1分類器503において第1欠陥特徴量抽出部502からの評価値に基づく欠陥の粗分類が行われ(ステップS51)、さらに粗分類の結果および画像特徴量に基づいて第2分類器503aにより詳細分類が行われる(図23:ステップS52)。第3分類器503bにおける結果が非欠陥を示すものであるときは、欠陥の分類処理が終了する(ステップS62)。
【0091】
以上のように、図24に示す構成では画像特徴量に基づいて欠陥または非欠陥を特定し、欠陥が特定された場合に欠陥の分類が行われる。その結果、高度な分類を行う前に分類処理が必要であるか否かを判定することができ、下流の分類器の処理内容の簡素化、および、効率のよい分類が実現される。
【0092】
図26は図4に示す分類装置1において3つの分類器503d、503e、503fが設けられ、さらに多数決部504が追加された様子を示す図である。図27は図26に示す構成が欠陥の分類を行う動作の流れを示す図であり、図8のステップS26に対応する処理である。
【0093】
ステップS25において欠陥特徴量抽出部502により評価値が求められると、評価値が3つの分類器503d〜503fへと入力される。分類器503d〜503fにはそれぞれ異なる判定器が構築されており、分類器503d〜503fがそれぞれの分類条件に応じた出力を行う(ステップS71)。分類器503d〜503fは、例えば、それぞれが異なったパラメータを有するニューラルネットワークであったり、ニューラルネットワーク、判定木および関数木というように互いに異なった判定器であったりする。そして、各分類器503d〜503fの分類結果が多数決部504へと入力され、多数決部504において3つの分類結果のうち2以上のものが最終分類結果である信号Rとして出力される(ステップS72)。なお、複数通りのパラメータを用いて複数の分類結果を取得する場合には、1つの分類器に複数通りのパラメータが順次設定されてもよい。
【0094】
以上のように、複数通りの分類を行って得られる複数の分類結果に基づいて最終分類結果を取得することにより、不適切な分類用のパラメータが使用されていたり、特殊な評価値に起因していずれかの分類器が適切な分類を行うことができなくても、他の2つの分類器にて適切な分類が行われる限り欠陥の分類を適切に行うことが実現され、欠陥の分類精度が向上される。
【0095】
以上、分類装置1の構成および動作について説明を行ってきたが、分類装置1の演算部4の機能はコンピュータ5によりソフトウェア的に実現されてもよい。以下、コンピュータ5が演算部4と同様の欠陥判定・欠陥領域画像生成の処理を行う様子について説明を行う。
【0096】
図28は、コンピュータ5が欠陥判定・欠陥領域画像生成を行う処理の流れを示す図である。コンピュータ5は、まず、撮像部2およびステージ3の移動を制御しつつ撮像部2からの信号を受け、対象物画像のデータが固定ディスク54に記憶され(予め記憶されてもよい。)、対象物画像中の被検査画像がCPU51により特定されてアクセスが可能な状態で準備される(ステップS81)。また、参照画像のデータも固定ディスク54に準備される(ステップS82)。
【0097】
例えば、参照画像が撮像部2から直接取得される場合は、コンピュータ5がステージ3を適宜、ダイのパターンの周期の整数倍だけ移動して被検査画像および参照画像の撮像が行われたり、あるいは、ゴールデン・テンプレート画像が参照画像として準備される。なお、対象物画像の一部が被検査画像として特定され、パターンの周期の整数倍だけ被検査画像から離れた領域が参照画像として特定されてもよい。
【0098】
被検査画像および参照画像が準備されると、CPU51により被検査画像と参照画像との符号付差分画像が求められ(ステップS83)、続いて、符号付差分画像の画素値の標準偏差により正規化された差分絶対値画像が生成される(ステップS84)。そして、正規化された差分絶対値画像の1つの画素が特定され(ステップS85)、所定のしきい値との比較が行われることにより欠陥または非欠陥を示す画素値に2値化される(ステップS86)。
【0099】
ステップS85,S86が正規化された差分絶対値画像の各画素について繰り返されることにより、欠陥領域画像が生成されて固定ディスク54に保存され、欠陥判定・欠陥領域画像生成の処理が完了する(ステップS87)。以上の処理により、コンピュータ5により演算部4の処理が実現され、適切な欠陥領域画像が生成される。
【0100】
なお、コンピュータ5では正規化された差分絶対値画像が生成されるものとして説明したが、図4に示す演算部4と同様に、1つの画素について正規化が行われる毎に、欠陥、非欠陥の判定が行われてもよい。コンピュータ5にて欠陥領域画像の生成を行う場合には、柔軟に処理工程を変更することができる。演算部4の動作は実質的には図28と同様であり、コンピュータ5が演算部4と同様の動作を行う場合の機能構成は図4に示す演算部4と実質的に同様である。
【0101】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0102】
分類装置1は必ずしも図2に示すように基板製造システム7にいわゆるインライン状態にて組み込まれる必要はなく、製造システムにおいて画像の取得のみが行われ、撮像部2を有しない分類装置として別途設けられてもよい。
【0103】
欠陥領域画像は符号付差分画像から直接(例えば、2つのしきい値を用いて直接)求められてもよい。すなわち、欠陥領域画像は被検査画像と参照画像との差分画像に基づいて生成される。また、被検査画像および参照画像がともに2値画像であってもよい。その場合、欠陥領域画像は被検査画像と参照画像との差分絶対値画像(または、符号付差分画像)として求められる。
【0104】
分割領域画像は必ずしも2種類の領域を示す画像である必要はなく、3種類以上の領域を示す画像であってもよい。その場合、少なくとも1種類の領域と欠陥領域との重なり状態により評価値が求められる。分類領域画像は外部から作業者により与えられてもよい。
【0105】
上記実施の形態では、半導体の基板9に対して欠陥の分類が行われるが、分類装置1は、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板等に形成されたパターンの欠陥の分類にも利用することができ、特に基板上に形成された微細パターンの欠陥分類に適している。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、配線パターンの特定種類の欠陥の分類を容易に行うことができる。
【0108】
また、請求項15ないし18の発明では、欠陥を適切に分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)は参照画像を示す図であり、(c)は差分絶対値画像を示す図である。
【図2】基板製造システムを示す図である。
【図3】基板製造プロセスの流れを示す図である。
【図4】分類装置の概略構成を示す図である。
【図5】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)は参照画像を示す図である。
【図6】欠陥領域画像を示す図である。
【図7】コンピュータの構成を示す図である。
【図8】欠陥を分類する処理の流れを示す図である。
【図9】参照画像のヒストグラムの一例を示す図である。
【図10】参照画像のヒストグラムの他の例を示す図である。
【図11】分割領域画像を示す図である。
【図12】評価値を求める処理の流れを示す図である。
【図13】AND画像を示す図である。
【図14】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)および(d)は欠陥領域画像を示す図であり、(c)および(e)はAND画像を示す図である。
【図15】背景内包確率の換算曲線の一例を示す図である。
【図16】背景内包確率の換算曲線の他の例を示す図である。
【図17】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)は欠陥領域画像を示す図であり、(c)はOR画像を示す図である。
【図18】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)および(d)は欠陥領域画像を示す図であり、(c)および(e)はOR画像を示す図である。
【図19】背景分断確率の換算曲線の一例を示す図である。
【図20】分類装置の他の例を示す図である。
【図21】欠陥を分類する処理の流れを示す図である。
【図22】欠陥の分類に係る構成を示す図である。
【図23】欠陥を分類する処理の流れを示す図である。
【図24】欠陥の分類に係る構成を示す図である。
【図25】欠陥を分類する処理の流れを示す図である。
【図26】欠陥の分類に係る構成を示す図である。
【図27】欠陥を分類する処理の流れを示す図である。
【図28】欠陥判定・欠陥領域画像生成の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 分類装置
2 撮像部
4 演算部
5 コンピュータ
6a 配線パターン
6b 背景領域
9 基板
62 参照画像
64 分割領域画像
64a 配線領域
64b 背景領域
72 管理装置
74 記憶部
80 プログラム
414 欠陥領域画像メモリ
502,502a 欠陥特徴量抽出部
503,503a〜503f 分類器
531 分割領域画像メモリ
611,612,614,615 被検査画像
611a,612a,614a,615a 欠陥領域
631〜636 欠陥領域画像
631a,632a,634a〜636a,652a,654a 領域
S11〜S15,S21〜S26,S31〜S35,S41,S42,S51,S52,S61,S62,S71,S72,S81〜S87 ステップ
Claims (18)
- 対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類装置であって、
対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータ、および、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを記憶する記憶部と、
欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める評価値算出部と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う分類部と、
を備えることを特徴とする分類装置。 - 対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類装置であって、
対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータ、および、参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを記憶する記憶部と、
欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める評価値算出部と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う分類部と、
を備えることを特徴とする分類装置。 - 請求項1または2に記載の分類装置であって、
被検査パターンを示す多階調の被検査画像と参照パターンを示す多階調の参照画像とを比較することにより欠陥領域画像を生成する欠陥領域画像生成部をさらに備えることを特徴とする分類装置。 - 請求項3に記載の分類装置であって、
対象物を撮像して被検査画像のデータを取得する撮像部をさらに備えることを特徴とする分類装置。 - パターンが形成された対象物の製造歩留まりを管理する歩留管理システムであって、
請求項4に記載の分類装置と、
前記分類部による分類結果を検査項目、基板の種別、検査箇所、あるいは、製造プロセスの条件や製造を開始してからの期間の管理項目に関連づけて記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする歩留管理システム。 - 対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類方法であって、
対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、
参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、
欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める工程と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、
を有することを特徴とする分類方法。 - 対象物上の被検査パターンの欠陥を分類する分類方法であって、
対象物上の被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、
参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデー タを準備する工程と、
欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める工程と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、
を有することを特徴とする分類方法。 - パターンが形成された基板を製造する基板製造方法であって、
基板を搬入位置から取り出す工程と、
前記基板にパターンを形成する工程と、
前記基板を撮像して被検査パターンを示す多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、
前記被検査画像と参照パターンを示す多階調の参照画像とを比較して前記被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像を生成する工程と、
前記参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像が準備され、欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める工程と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、
前記基板を搬出位置へと搬送する工程と、
を有することを特徴とする基板製造方法。 - パターンが形成された基板を製造する基板製造方法であって、
基板を搬入位置から取り出す工程と、
前記基板にパターンを形成する工程と、
前記基板を撮像して被検査パターンを示す多階調の被検査画像のデータを取得する工程と、
前記被検査画像と参照パターンを示す多階調の参照画像とを比較して前記被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像を生成する工程と、
前記参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像が準備されており、欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める工程と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、
前記基板を搬出位置へと搬送する工程と、
を有することを特徴とする基板製造方法。 - パターンの欠陥の分類に利用されるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、
参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、
欠陥領域または分割領域の収縮と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理積を求めることによるAND画像の生成とを、前記AND画像において画素値が1の領域が存在しなくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との重なりの程度を示す評価値を前記収縮の回数に応じて求める工程と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - パターンの欠陥の分類に利用されるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
被検査パターンの欠陥領域を画素値が1の領域として示す2値の欠陥領域画像のデータを準備する工程と、
参照パターンの存在領域を画素値が1の分割領域として示す2値の分割領域画像のデータを準備する工程と、
欠陥領域または分割領域の膨張と、欠陥領域画像と分割領域画像との画素毎の論理和を求めることによるOR画像の生成とを、前記OR画像におけるラベル数が分割領域画像におけるラベル数よりも少なくなるまで繰り返すことにより、前記欠陥領域と前記分割領域との複数箇所での重なりの程度を示す評価値を前記膨張の回数に応じて求める工程と、
前記評価値に基づいて前記被検査パターンに対する欠陥の分類を行う工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項10または11に記載のプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記被検査パターンを示す多階調の被検査画像のデータを準備する工程と、
前記参照パターンを示す多階調の参照画像のデータを準備する工程と、
前記被検査画像と前記参照画像とを比較して前記欠陥領域画像を生成する工程と、
をさらに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項12に記載のプログラムであって、
前記欠陥領域画像が、前記被検査画像と前記参照画像との差分画像から生成されることを特徴とするプログラム。 - 請求項12または13に記載のプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記参照画像を2値化して前記分割領域画像を生成する工程をさらに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項12ないし14のいずれかに記載のプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記被検査画像、前記参照画像および前記欠陥領域画像のうち少なくとも1つに基づいて画像特徴量を求める工程をさらに実行させ、
前記評価値および前記画像特徴量に基づいて欠陥の分類が行われることを特徴とするプログラム。 - 請求項15に記載のプログラムであって、
前記欠陥の分類を行う工程が、
前記評価値に基づいて粗分類を行う工程と、
前記粗分類の結果および前記画像特徴量に基づいて詳細分類を行う工程と、
を有することを特徴とするプログラム。 - 請求項15に記載のプログラムであって、
前記欠陥の分類を行う工程が、
前記画像特徴量に基づいて欠陥または非欠陥を特定する工程と、
欠陥が特定された場合に前記評価値に基づいて前記欠陥の分類を行う工程と、
を有することを特徴とするプログラム。 - 請求項12または13に記載のプログラムであって、
前記欠陥の分類を行う工程が、
複数通りの分類を行って複数の分類結果を取得する工程と、
前記複数の分類結果に基づいて最終分類結果を取得する工程と、
を有することを特徴とするプログラム。
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