JP5188852B2 - ばねの表面処理方法 - Google Patents

ばねの表面処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5188852B2
JP5188852B2 JP2008073674A JP2008073674A JP5188852B2 JP 5188852 B2 JP5188852 B2 JP 5188852B2 JP 2008073674 A JP2008073674 A JP 2008073674A JP 2008073674 A JP2008073674 A JP 2008073674A JP 5188852 B2 JP5188852 B2 JP 5188852B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shot peening
projection
spring
speed
treatment method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008073674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009226523A (ja
Inventor
竜二 岸原
圭一郎 寺床
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANCALL CORPORATION
Original Assignee
SANCALL CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SANCALL CORPORATION filed Critical SANCALL CORPORATION
Priority to JP2008073674A priority Critical patent/JP5188852B2/ja
Publication of JP2009226523A publication Critical patent/JP2009226523A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5188852B2 publication Critical patent/JP5188852B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Springs (AREA)

Description

本発明は、特に弁ばねやクラッチばね等の表面処理方法に関するものである。
内燃機関の弁ばね、内燃機関の動力伝達用クラッチに使用するクラッチばね等のコイルばねには、極めて高い信頼性(高疲労強度化)が要求される。コイルばねの表面強化法としては、化学的表面硬化法である窒化処理と、物理的表面硬化法であるショットピーニングの併用が一般的である。特に、ショットピーニングはコイルばねの表面付近に圧縮残留応力を与えることで疲労強度を向上させることができるため、コイルばねの耐疲労性の向上に有効である。
ショットピーニングは、遠心(インペラー)式、又は空気(エアー)式の投射装置により、粒径が数十μmから数mm程度の投射材をコイルばねの外表面に均一に投射し、コイルばねの表面を冷間(温間)加工するものである。すなわち、投射材をコイルばねに投射することにより、全表面に均一に投射材の投射エネルギーを付加する。これにより、表面層の延展により微小な凹凸が均一に設けられて、表面層に加工硬化を起こさせたり、圧縮残留応力を付与させたりして、コイルばねの疲労強度を向上することができる。
前記のようなショットピーニングにおいて、コイルばねの疲労強度を一層向上させるために、複数段でショットピーニングを行う、いわゆる多段ショットピーニングが知られている(特許文献1)。特許文献1に記載の方法は、まず、所定粒径の投射材を所定速度でコイルばねに投射して第1ショットピーニングを行い、内部の深い位置にまで圧縮残留応力を付与する。その後、第1ショットピーニングで使用した投射材の粒径よりも小さな粒径の投射材を、所定速度でコイルばねに投射して第2ショットピーニングを行い、表面部に圧縮残留応力を付与する。このように、異なる粒径の投射材を使用してショットピーニングを2回以上実施することにより、表面の圧縮残留応力を高くすることができ、しかも内部の深い位置にまで圧縮残留応力を付与できて、コイルばねの疲労強度を向上させることができる。
特開平5−177544号公報
ところで、多段ショットピーニングを行う場合、一種類の投射材につき1つの投射装置を使用するのが一般的であり、各段階で投射装置を変える必要がある。仮に、同一の投射装置にて異なる粒径の投射材を使用して連続的に多段ショットピーニングを行う場合、直前のショットピーニングで使用した投射材を投射装置から全て抜いて、この投射装置に別の投射材を投入する必要がある。しかしながら、投射材は非常に微細なものであるため、一旦投入した投射材を全て抜くには手間がかかり、時間的なロスとなる。
このため、前記特許文献1に記載された方法のように、異なる粒径の投射材を使用して多段ショットピーニングを行う方法では、第1ショットピーニングを行った後、被処理材を別の投射装置に移動させて第2ショットピーニングを行う必要がある。このように、各段階で投射装置を変えることにより、被処理材を移動させる工程が増えて手間を要し、処理時間のロスに繋がっていた。特に、弁ばねやクラッチばねはバッチ処理を行うため、ショットピーニングの段階毎に投射装置を変えることは被処理材の大掛かりな移動となり、作業効率が悪いものとなる。また、複数の装置を使用する必要があるため、設置スペースが大となったり、設備投資が増えたりするという問題もあった。
本発明は、上記課題に鑑みて、従来の多段ショットピーニングと同様の良好な圧縮残留応力及び表面粗さを確保しつつ、処理時間の短縮化を図ることができて効率良く処理が行えるばねの表面処理方法を提供する。
本発明のばねの表面処理方法は、第1ショットピーニング工程及び第2ショットピーニング工程を含む複数段のショットピーニング工程により、鋼線からなるばねに圧縮残留応力を付与するばねの表面処理方法において、第1ショットピーニング工程及び第2ショットピーニング工程で同一種類、同一粒径の投射材を用いるとともに、第2ショットピーニング工程における前記投射材の投射速度を第1ショットピーニング工程における前記投射材の投射速度よりも減速させて圧縮残留応力を付与する範囲を変更可能にし、第1ショットピーニング工程及び第2ショットピーニング工程におけるショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーの比の設定値を設けて、この設定値に近似するように、投射材の投射速度を設定し、第1ショットピーニング工程において、終了時のばねの温度が40℃〜70℃となるように制御しつつ処理を行い、その後、ばねの温度を40℃〜70℃に維持しながら、後続の第2ショットピーニング工程を行うものである。ここで、「同一種類、同一粒径の投射材を用いる」とは、全工程を通して使用する投射剤を変更しないことを意味する。すなわち、使用する全ての投射材の材質及び粒径を同じものとして、1種類の投射材を使用することができる。また、各投射材において粒径が相違したり、材質が相違したりして、2種類、3種類等の異なる種類の投射材を混在させてもよい。
本発明のばねの表面処理方法によれば、全工程で同一の投射材を使用しているため、全工程で同一の投射装置を使用することができる。これにより、途中段階において被処理材を移動させることなくショットピーニングを行うことができる。しかも、投射材の投射速度を変更することにより、被処理材の所定位置に所望の圧縮残留応力を付与することができる。
投射材の投射速度を所定間隔毎に断続ないしは連続的に減速することができる。すなわち、複数の段階でショットピーニングを行う、いわゆる多段ショットピーニングにおいて、投射材の投射速度を、直前の段階におけるショットピーニングの投射材の投射速度よりも低速で投射することができる。これにより、従来と同様、後続のショットピーニングで発生する単位面積当たりの投射エネルギーを、直前のショットピーニングで発生した単位面積当たりの投射エネルギーよりも小とすることができる。ここで、所定間隔とは任意の所定時間毎であって、ある投射速度で投射材を投射することにより所定の部位に圧縮残留応力が付与できる時間である。
上記のばねの表面処理方法では、投射速度変更前後におけるショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーの比の設定値を設けて、この設定値に近似するように、投射材の投射速度を設定する。
上記のばねの表面処理方法では、第1ショットピーニング工程によって、被処理材を40℃〜70℃にまで上昇させて、この温度を維持しつつ後続の第2ショットピーニング工程を行う。これにより、各段階において、いわゆる温間ショットピーニングを行うことができる。温間ショットピーニングとは、被処理材を室温以上の温度に上昇させた状態でショットピーニングを施すことをいう。
粒径が0.2mm以上の投射材を用いることができる。インペラー式の投射装置では、粒径0.2mmより小さな投射材を投射すると失速することがある。このため、インペラー式の投射装置を使用して、投射材の粒径を徐々に小さくする従来の多段ショットピーニングを行う場合、粒径が0.2mmの投射材を用いると、それより小さな粒径とすることができず、次の段階のショットピーニングを行うことができなかった。本発明では全工程において0.2mm以上の投射材を用いているので、インペラー式の装置装置を使用しても、投射材が失速するのを防止することができる。
前記本発明に係るばねの表面処理方法は、バッチ処理にて製造される弁ばね又はクラッチばねに特に最適となる。
本発明のばねの表面処理方法は、被処理材を移動させる工程を省略することができるため、処理時間の短縮化を図ることができて効率良く処理を行うことができる。しかも、既存の投射装置を使用することができて、コストの低減を図ることができる。さらには、良好な圧縮残留応力及び表面粗さを確保することができる。
従来の多段ショットピーニングと同様の投射エネルギーとすることができ、従来の多段ショットピーニングと同様の良好な圧縮残留応力を確保することができる。しかも、従来の多段ショットピーニングと同様の投射エネルギーとした場合、本発明に係る方法にて処理した被処理材の表面粗さは、従来の多段ショットピーニングにて処理した被処理材の表面粗さよりも良好となる。これにより、従来の多段ショットピーニングと同様又はそれ以上の疲労強度を得ることができる。
単位面積当たりの投射エネルギーに基づいて設定値を設け、設定値に近似するように投射材の投射速度を設定すると、所望の圧縮残留応力を得ることができる。
各段階において温間ショットピーニングを行うことができるため、より大きな圧縮残留応力を効果的に付与することができる。
インペラー式の投射装置を用いても失速することがないため、確実に多段ショットピーニングを施すことができる。
前記本発明に係るばねの表面処理方法を用いると、疲労強度に優れた弁ばね又はクラッチばねを効率良く低コストで製造することができる。
以下本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
本発明のばねの表面処理方法を用いて製造されるばねは、例えば、弁ばねやクラッチばね等の線状の素材を螺旋形状に成形したコイルばねである。
本発明に係るばねの表面処理方法を用いて製造したコイルばねの製造方法を説明する。まず、ばね素材(オイルテンパー線)をコイリングして被処理材としてのコイルばねを成形した後、所定時間・所定温度で加熱して応力除去焼鈍を行う。次いで、研削により座面を形成し、窒化処理を行う。その後、図2に示すように、本発明に係るばねの表面処理方法にて、被処理材1の表面へ投射材2を複数段で投射する多段ショットピーニングを行う。なお、本実施形態では、先に行われる第1ショットピーニング、及び後続の第2ショットピーニングの2段階を有する場合について説明する。
まず、インペラー式投射装置を使用して、投射材2を被処理材1に所定時間(例えば、20分)投射して第1ショットピーニングを行う。この場合、投射材2として粒径が0.2mm以上の球形粒子(スチールショット)を使用している。インペラー式の投射装置では、粒径0.2mmより小さな投射材を投射すると失速することがあるが、本発明では全工程において0.2mm以上の投射材を用いているので、インペラー式の装置装置を使用しても投射材が失速するのを防止することができる。第1ショットピーニングは、終了時の被処理材の温度が40℃〜70℃の範囲となるように制御しつつ処理を行う。
その後、この温度を維持したまま、連続的に投射材2を被処理材1に所定時間(例えば、20分)投射して第2ショットピーニングを行う。これにより、第2ショットピーニングは40℃〜70℃の温間ショットピーニングとすることができる。温間ショットピーニングとは、被処理材を室温以上の温度に上昇させた状態でショットピーニングを施すことをいう。
第2ショットピーニングでは、第1ショットピーニングで使用した投射材2と同一の投射材2を使用する。すなわち、先に行われる第1ショットピーニングと、後続の第2ショットピーニングの全工程において同一の投射材2を用いている。これにより、第1ショットピーニングで使用した投射装置を、第2ショットピーニングでそのまま使用することができる。また、第2ショットピーニングでの投射材2の投射速度を、第1ショットピーニングでの投射材2の投射速度から断続的に減速させている。これにより、第2ショットピーニングで発生する単位面積当たりの投射エネルギーは、第1ショットピーニングで発生した単位面積当たりの投射エネルギーよりも小となる。そして、圧縮残留応力を付与する範囲を第1ショットピーニングよりも表面側に変更することができる。
なお、第1ショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーと、第2ショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーとの比の設定値を設けて、この設定値に近似するように、第1ショットピーニングの投射材2の投射速度と第2ショットピーニングの投射材2の投射速度とを設定している。投射エネルギーは、1/2mvにて表される。従来の2段ショットピーニングにおいて、第1ショットピーニングと第2ショットピーニングとの投射材2の投射速度が一定であるとして、第2ショットピーニングで使用する投射材2の粒径rを、第1ショットピーニングで使用する投射材2の粒径Rよりも小としている。この場合、第1ショットピーニングの投射エネルギーと第2ショットピーニングの投射エネルギーとの比は、(r/R)となる。この(r/R)を設定値とする。なお、R及びrは、従来の2段ショットピーニングを行って得られたデータの中から、理想的な圧縮残留応力が得られた2段ショットピーニングを選択して、その際に使用した投射材2の粒径である。
本実施形態では、第1ショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーと第2ショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーの比が(r/R)に近似するように、第1ショットピーニングの投射材2の投射速度と第2ショットピーニングの投射材2の投射速度とを設定する。すなわち、第2ショットピーニングの投射材2の投射速度をvとし、第1ショットピーニングの投射材2の投射速度をVとすると(V>v)、第1ショットピーニングの投射エネルギーと第2ショットピーニングの投射エネルギーとの比は、(v/V)である。この(v/V)が設定値(r/R)に近似するように、第1ショットピーニングの投射材2の投射速度Vと、第2ショットピーニングの投射材2の投射速度vとを設定する。
本発明では、全工程で同一の投射材2を使用しているため、全工程で同一の投射装置を使用することができる。これにより、途中段階において、被処理材1を移動させることなくショットピーニングを行うことができるため、処理時間の短縮化を図ることができて効率良く処理を行うことができる。しかも、既存の投射装置を使用することができて、コストの低減を図ることができる。
複数の段階でショットピーニングを行う、いわゆる多段ショットピーニングにおいて、投射材2の投射速度を、直前の段階におけるショットピーニングの投射材2の投射速度よりも低速で投射することができる。これにより、多段ショットピーニングを行う場合、従来と同様、後続のショットピーニングで発生する単位面積当たりの投射エネルギーを、直前のショットピーニングで発生した単位面積当たりの投射エネルギーよりも小とすることができる。従って、従来の多段ショットピーニングと同様の良好な圧縮残留応力を確保することができる。しかも、被処理材1の表面粗さは、従来の多段ショットピーニングにて処理した被処理材の表面粗さよりも良好となる。これにより、従来の多段ショットピーニングと同様又はそれ以上の疲労強度を得ることができる。
単位面積当たりの投射エネルギーに基づいて設定値を設け、設定値に近似するように投射材2の投射速度を設定すると、所望の圧縮残留応力を得ることができる。
各段階において温間ショットピーニングを行うことができるため、より大きな圧縮残留応力を効果的に付与することができる。
インペラー式の投射装置を用いても失速することがないため、確実に多段ショットピーニングを施すことができる。
前記本発明に係るばねの表面処理方法を用いると、疲労強度に優れた弁ばね又はクラッチばねを効率良く低コストで製造することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、多段ショットピーニングは2段ピーニングに限られず、3段以上で行ってもよい。また、投射材2の材質としては、鉄系、非鉄系等種々のものを採用でき、金属系に限らず、ガラス系、セラミック系、樹脂系等種々のものを採用することができる。投射材2の形状は、球状でなくカットワイヤであってもよい。投射材2の硬さや粒径、投射速度は、被処理材の材質や大きさに応じて適宜変更することができる。実施形態では、使用する全ての投射材2の材質及び粒径を同じものとして、1種類の投射材2を使用したが、異なる種類の投射材2を混在させてもよく、要は全工程を通して投射材2を変更しなければよい。例えば、粒径が0.4mmの投射材と0.6mmの投射材とを同じ割合で混ぜ合わせたり、材質が異なる2種類の投射材2を同じ割合で混ぜ合わせたりすることができる。投射材2の種類としては、2種類に限られず3種類、4種類、多種類とすることができる。この場合、各種の投射材2を必ずしも同じ割合で混ぜ合わせる必要はなく、特定の種類の投射材2を少数としたり、多数としたりして適宜変更することができる。また、投射エネルギーの比の設定値は、理想とする圧縮残留応力に応じて任意に設定することができる。投射装置としては、インペラー式に限られず、エアーの圧力にて投射材2を投射するエアー式のものであってもよい。この場合、エアー圧力を変えることにより、投射材2の投射速度を変更することができる。
また、実施形態では、ショットピーニングを所定時間毎に複数の段階として、各段階で投射材2の投射速度を断続的に減速するものであったが、複数段に分けることなく、連続的に投射速度を減少させてもよい。また、各段階で一定の投射速度としたが、1つの段階で必ずしも一定速度にする必要はなく、1つの段階で徐々に速度を減速したり、1つの段階の終期において投射速度を減少させたりしてもよい。
本実施例で使用したばねの線材は、弁ばね用シリコンクロム鋼線であり、これは、JIS規格のG3561をベースとした鋼材を伸線加工後オイルテンパー処理したものである。
この弁ばね用シリコンクロム鋼線を冷間でコイリングし、線径φ3.2mm、コイル中心径φ21.2mm、有効巻数4.5巻、総巻数6.5巻、自由長53mm、ばね定数23.4N/mmのコイルばねに成形した。その後、435℃×20分の応力除去焼鈍を行い、次いで、座面を研削して被処理材を作製した。その後、被処理材に窒化処理前のデスケール処理を目的にショットピーニングを実施した。続いて窒化処理を行った後に2段ショットピーニングを施した。第1ショットピーニングは、投射材としてφ0.6、Hv550の球形粒子(スチールショット)を使用し、投射速度72m/s、処理時間20分でインペラー投射によるショットピーニングを実施した。次いで、第2段のショットピーニングを実施した。第2ショットピーニングは、第1ショットピーニングで使用した投射材と同一の投射材を使用し、投射速度60m/s、処理時間20分でインペラー投射によるショットピーニングを実施して実施品を作製した。
また、実施品と同様の線材を用いて、実施品と同様の方法にて被処理材を作製した。その後、この被処理材に2段ショットピーニングを施した。第1ショットピーニングは、投射材としてφ0.6、Hv550の球形粒子(スチールショット)を使用し、投射速度72m/s、処理時間40分でインペラー投射によるショットピーニングを実施した。次いで、第2ショットピーニングを実施した。第2段ショットピーニングは、投射材としてφ0.4、Hv550の球形粒子(スチールショット)を使用し、投射速度72m/s、処理時間40分でインペラー投射によるショットピーニングを実施して比較品を作製した。
このようにして作製した実施品と比較品との表面粗さを測定した結果を表1に表す。表1より、実施品の方が比較品よりもRa、Ramax、Rz、Rzmaxの全てにおいて小さい値を示している。これにより、実施品は比較品よりも表面粗さが小さい。すなわち、本発明に係る方法にて処理した被処理材の表面粗さは、従来の多段ショットピーニングにて処理した被処理材の表面粗さよりも良好であることがわかった。
Figure 0005188852
また、図1に実施品と比較品との圧縮残留応力を測定した結果を示す。図1より、実施品と比較品との圧縮残留応力はほぼ一致することがわかった。これにより、本発明のばねの表面処理方法は、従来の多段ショットピーニングと同様の良好な圧縮残留応力が得られることがわかった。
本発明のばねの表面処理方法により製造した実施品と、従来のばねの表面処理方法により製造した比較品との圧縮残留応力を示すグラフ図である。 ショットピーニングの原理を示す概念図である。
符号の説明
1 被処理材
2 投射材

Claims (3)

  1. 第1ショットピーニング工程及び第2ショットピーニング工程を含む複数段のショットピーニング工程により、鋼線からなるばねに圧縮残留応力を付与するばねの表面処理方法において、
    第1ショットピーニング工程及び第2ショットピーニング工程で同一種類、同一粒径の投射材を用いるとともに、第2ショットピーニング工程における前記投射材の投射速度を第1ショットピーニング工程における前記投射材の投射速度よりも減速させて圧縮残留応力を付与する範囲を変更可能にし、
    第1ショットピーニング工程及び第2ショットピーニング工程におけるショットピーニングの単位面積当たりの投射エネルギーの比の設定値を設けて、この設定値に近似するように、投射材の投射速度を設定し、
    第1ショットピーニング工程において、終了時のばねの温度が40℃〜70℃となるように制御しつつ処理を行い、その後、ばねの温度を40℃〜70℃に維持しながら、後続の第2ショットピーニング工程を行うことを特徴とするばねの表面処理方法。
  2. 粒径が0.2mm以上の投射材を用いる請求項1記載のばねの表面処理方法。
  3. 弁ばね又はクラッチばねに圧縮残留応力を付与する請求項1又は2に記載のばねの表面処理方法。
JP2008073674A 2008-03-21 2008-03-21 ばねの表面処理方法 Active JP5188852B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073674A JP5188852B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 ばねの表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073674A JP5188852B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 ばねの表面処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009226523A JP2009226523A (ja) 2009-10-08
JP5188852B2 true JP5188852B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=41242552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008073674A Active JP5188852B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 ばねの表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5188852B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5393281B2 (ja) 2009-06-17 2014-01-22 日本発條株式会社 コイルばねの製造方法
JP5511067B2 (ja) * 2010-05-21 2014-06-04 日本発條株式会社 コイルばねの製造方法
CN102985223A (zh) * 2010-07-27 2013-03-20 新东工业株式会社 喷丸硬化方法以及喷丸硬化装置
JP5064590B1 (ja) 2011-08-11 2012-10-31 日本発條株式会社 圧縮コイルばねおよびその製造方法
DE112012006404T5 (de) 2012-05-24 2015-02-19 Sintokogio, Ltd. Kugelstrahlverfahren
JP5361098B1 (ja) 2012-09-14 2013-12-04 日本発條株式会社 圧縮コイルばねおよびその製造方法
JP6251830B1 (ja) 2017-04-11 2017-12-20 日本発條株式会社 圧縮コイルばね

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH029584A (ja) * 1988-06-27 1990-01-12 Sintokogio Ltd 投射材の回収方法およびその装置
JPH02185369A (ja) * 1989-01-06 1990-07-19 Toyota Motor Corp ショットピーニング法
JPH0578798A (ja) * 1991-09-24 1993-03-30 Mazda Motor Corp アルミニウム合金製部材の表面改質方法
JP3257647B2 (ja) * 1993-04-09 2002-02-18 新東工業株式会社 ショットピーニング設備
JPH09279229A (ja) * 1996-04-15 1997-10-28 Suncall Corp 鋼製ワークの表面処理方法
US6022427A (en) * 1997-02-08 2000-02-08 Fried Krupp Method for producing helical springs
JP4370550B2 (ja) * 2001-06-06 2009-11-25 新東工業株式会社 多段ショットピ−ニング加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009226523A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5188852B2 (ja) ばねの表面処理方法
JP2000345238A (ja) 自動車用懸架ばねの製造方法
CN102481681B (zh) 车辆悬架用螺旋弹簧及其制造方法
JP5393281B2 (ja) コイルばねの製造方法
US8308150B2 (en) Coil spring for vehicle suspension and method for manufacturing the same
JPWO2004085685A1 (ja) 高強度ばねの製造方法
AU715907B2 (en) Method of manufacturing helical springs
JPH02205661A (ja) β型チタン合金製スプリングの製造方法
JP5511067B2 (ja) コイルばねの製造方法
CN107075604A (zh) 不锈钢弹簧和不锈钢弹簧的制造方法
JP3227492B2 (ja) ばねのショットピ−ニング方法及びばね製品
JP2004346424A (ja) コイルばねの製造方法及びコイルばね
JP3555814B2 (ja) コイルばね製造方法
JP2009270150A (ja) コイルばねの製造方法
JPH05156351A (ja) オイルテンパー線によるコイルばねの製造方法
JP2010255742A (ja) コイルばねの製造方法、及び、コイルばね
JPH0881752A (ja) 窒化特性に優れたばね及びその製造方法
JPH0847272A (ja) 超音波モータ用ステータとその製造方法
JPH06158158A (ja) コイルばねの製造方法
CN102873242A (zh) 制造涡轮叶片的方法
JPH06100942A (ja) ピストンピンの製造方法
JP2004122332A (ja) ショットピーニング方法
JPS62104642A (ja) 大形鍛鋼品の製造方法
JPH04272524A (ja) 高強度コイルばねの疲労強度向上方法
JPH0586418A (ja) 耐疲れ性に優れたコイルばね

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5188852

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250