JP5188364B2 - レーザ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工方法に係り、さらに詳しくは、主に、レーザ加工用のマスク配置の改良技術に関するものである。
リチウム二次電池は、高容量および高エネルギ密度を有し、小型化および軽量化が容易なことから、例えば、携帯電話,携帯情報端末(PDA),ノート型パーソナルコンピュータ,ビデオカメラ,携帯ゲーム機などの携帯用小型電子機器の電源として汎用されている。
代表的なリチウム二次電池では、正極活物質としてリチウムコバルト化合物を含有する正極が使用され、負極活物質として炭素材料を含有する負極およびポリオレフィン製多孔質膜であるセパレータがそれぞれ使用されている。このリチウム二次電池は、電池容量および出力が高く、充放電サイクル特性が良好で、耐用寿命も比較的長い。
しかしながら、携帯用小型電子機器の多機能化が進められ、連続使用可能時間の延長が求められている現状では、リチウム二次電池のさらなる高容量化が必要になっている。
リチウム二次電池のさらなる高容量化のために、例えば、高容量の負極活物質の開発が進められている。高容量の負極活物質としては、リチウムとの合金化が可能な合金系負極活物質が注目を集めている。合金系負極活物質を含む負極は、リチウムイオンを吸蔵および放出することにより充放電を行う。
合金系負極活物質としては、例えば、珪素,錫,これらの酸化物,これらの窒化物,これらを含有する化合物,合金などが知られている。合金系負極活物質は高い放電容量を有している。例えば、珪素の理論放電容量は約4199mAh/gであり、従来から負極活物質として用いられる黒鉛の理論放電容量の約11倍である(例えば、特許文献1参照)。
合金系負極活物質は、リチウム二次電池の高容量化を図る上では有効である。しかしながら、合金系負極活物質を含有するリチウム二次電池を実用化するには、いくつかの解決すべき課題がある。例えば、合金系負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出する度に、膨張および収縮を繰り返し、それに伴って比較的大きな応力を発生する。この応力によって、負極活物質層の割れや、負極活物質層の負極集電体からの剥離、あるいは負極集電体や負極全体の変形などが生じ、リチウム二次電池の充放電サイクル特性を低下させることがある。
このような問題に鑑み、合金系負極活物質を含有する負極活物質層を備えるリチウム二次電池において、負極集電体の表面に凸部(突起部)を設けることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2によれば、負極集電体表面に凸部を設けることによって、負極集電体と負極活物質層との接合強度を高め、合金系負極活物質の膨張および収縮に伴う負極活物質層の剥離を防止しようとしている。しかしながら、特許文献2の技術では、電解析出法、すなわち電気めっき法によって凸部が形成されるので、負極集電体と凸部との接合強度が十分高くない。このため、合金系負極活物質の膨張および収縮に伴う応力によって、凸部の負極集電体からの剥離が生じ易くなり、負極活物質層の剥離を十分に防止することができない。
一方、金属などからなる基板表面に凹凸を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3では、表面に凹凸が形成されたロールが利用される。このロールを2つ用い、それぞれの軸線が平行になるように圧接させ、この圧接部分に基板を通過させ、基板に圧力を加えて基板を構成する材料を塑性変形させることによって、基板表面に凹凸を形成する。また、特許文献3では、樹脂フィルムの表面にレーザ加工により凹凸を形成し、凹凸が形成された表面を内側にして樹脂フィルムを円筒状に丸め、電気鋳造法により凹凸が形成された表面に金属を析出させることでロールを作製している。
しかしながら、このロール作製方法では、樹脂フィルムが変形し易いため、樹脂フィルム表面に形成された凹凸をロール表面に精確に転写できないことが多い。凹凸が数μmオーダーの寸法を有する場合は、その傾向はさらに顕著になる。したがって、この作製方法で得られるロールを用いる場合、基板表面に、高さおよび径が数μm程度である微小な凸部が規則正しく配列された凹凸パターンを形成することは困難である。
本発明者らは、負極活物質として合金系負極活物質を含有するリチウム二次電池において、負極活物質層の割れ,負極活物質層の剥離,負極の変形などを防止するための研究を重ねてきた。
その研究過程で、負極集電体表面に、塑性変形により、高さおよび径が数μmオーダーである微小な凸部を規則的なパターンで形成し、かつ該凸部の表面に負極活物質層を形成する場合には、従来技術の課題をほぼ解決できることを見出した。さらに、ロール表面に凸部パターンに対応する凹部パターンを形成し、このロールを2つ圧接させて圧接部を形成して、この圧接部に負極集電体を通過させる場合には、塑性変形により、負極集電体表面に微小な凸部を精確に形成し得ることを見出した。
本発明者らは、上記の知見に基づいて、ロール表面に凹部パターンを形成する方法についてさらなる研究を重ねた。それによれば、凸部パターンに対応する凹部パターンをロール表面に精確に再現するには、レーザ加工を利用することが工業的に有利である。
一般的なレーザ加工方法では、主に被加工物とレーザ光源との間にマスクを配置する。マスクには、所定の形状の開口を有する複数の開口が形成される。このマスクを介してレーザ光を照射、結像光学系を用いて被加工物の表面にマスクの像を投影することによって、被加工物表面に凹部パターンが形成される。さらに、同一箇所に複数回レーザを照射することによって、凹部パターンを所定の深さにすることができる。
また、レーザ光を分岐してマスクに照射、あるいはマスクを透過したレーザ光を分岐してワークに照射することにより、レーザ光をより有効に利用し、加工を高速に行う方法(特許文献4参照)が提案されている。
図5にマスクとレーザ光分岐を用いた従来のレーザ加工装置について説明する。
図5において、レーザ発振器1から出射したレーザ光2は、開口3を有するマスク4に入射し、ビーム分岐光学系5で偏光されて分岐・合成された後、結像光学系6を介して被加工物7上に結像され、これにより被加工物7の表面部分に凹部8を形成する構成になっている。
特開2002−83594号公報 特開2007−103197号公報 特開2007−27252号公報 特開2008−145605号公報
ところが、前記従来のレーザ加工装置,加工方法では、ロール表面に加工する凹部の寸法が微小であり、かつ寸法に対し深さが大きい場合には、加工する凹部の深さに対して焦点深度が浅くなり、凹部の深い箇所ではマスク形状を精度良く結像することができなくなり、マスクの形状を再現することが困難となる。
また、加工位置に合わせて結像面を自動で調整する機構を用いても、凹部の寸法が微小である場合には焦点の検出そのものが困難である。さらに、加工中に自動で焦点位置を移動させるように加工機の動作をプログラムしても、その動作速度は数〜数10Hzであり、レーザを数〜数10kHzの高い繰り返し周波数で駆動させる場合には追従させることができない。
また、マスクを透過したレーザ光を分岐させることによる高速化の方法においては、特に焦点深度が数μm程度の加工を行う際に、光軸の傾きが異なる複数のレーザ光を同一の光学系で結像させる必要が生じ、結像光学系の収差の影響を大きく受ける結果となる。
また、特許文献4に記載の技術のように、分岐した複数のレーザ光を平行光に再度合成して加工しても、その際に2本のレーザ光に意図せぬ光路長の差を生じ、その結果、結像した像はそれぞれ不作為に焦点位置がずれることとなる。さらに、複数の箇所を加工する高い出力のレーザ光を1箇所のマスクの開口から透過させるため、マスクに損傷を生じやすく、このことは、特に短パルスのレーザを用いて、被加工物として金属材料を加工するような場合に顕著となる。
また、レーザ光を分岐させて複数の開口を有するマスクに照射する方法においては、前記マスクの損傷を低減させることはできるが、複数の開口の間隔がマスクにより決定してしまうため、被加工物上に同時に複数形成される凹部のピッチを自由に変更することができない。また、レーザ光の分岐を行わない場合と同様に、加工の進展に伴う焦点の調整が困難であり、寸法に対して深さが大きい凹部を高精度に加工することが困難である。
本発明の目的は、金属材料などからなる被加工物の表面に、数μmオーダーの微小な寸法を有する未貫通の凹凸パターンを、高精度かつ高速かつ容易に形成するのに有効なレーザ加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、回転する被加工物にレーザ光学系を介してレーザ光を投影し、前記被加工物を所定の形状に加工するレーザ加工方法であって、前記被加工物を回転させながら、前記レーザ光の光軸方向の異なる位置に配設された複数のマスクに設けた開口に対し、レーザ発振源から出射されて複数に分岐したレーザ光をそれぞれ入射させ、前記複数のマスクの前記各開口を通過した複数のレーザ光を、前記被加工物の複数の箇所に断続的に照射して複数の未貫通の凹部を形成し、前記複数の未貫通の凹部を形成して少なくとも前記被加工物を1回転以上させた後に、前記被加工物と前記レーザ光学系との相対位置を前記被加工物の回転軸方向に移動させて、前記複数の未貫通の凹部のうちの所定の未貫通の凹部に、その所定の未貫通の凹部を形成したマスクとは異なるマスクの開口を通過したレーザ光を照射する方法である。
本構成により、被加工物を回転させながら断続的に未貫通の凹部を形成することができて高速加工をすることができると同時に、マスクの複数の開口を介して被加工物表面および内部の複数の箇所にレーザ光を結像させることができるため、凹部の底部を高精度に加工することができ、また、複数のレーザ光を照射するため、マスクの損傷を低減することができる。
また、本構成により、被加工物とレーザ光学系の相対位置を変更し、レーザを重ねて照射することによって、被加工物表面に結像させたレーザ光により表層部を加工した後に、被加工物内部の位置に結像させたレーザ光で加工した凹部の底部を高精度に加工することができる。また、複数のマスクにレーザ光を照射するため、マスクの損傷を低減することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のレーザ加工方法において、前記所定の未貫通の凹部を形成するマスクを通過するレーザ光前記被加工物の表面近傍に集光させ、前記複数の未貫通の凹部を形成して少なくとも前記被加工物を1回転以上させた後に、前記所定の未貫通の凹部を形成したマスクとは異なるマスクの開口を通過して、前記所定の未貫通の凹部に照射されるレーザ光を、前記被加工物の表面より内側に集光させる方法である。
本構成により、被加工物表面に集光させたレーザ光により表層部を加工して未貫通の凹部を形成した後に、被加工物内部の位置に集光させたレーザ光により凹部の底部を高精度・高速かつ容易に加工することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載のレーザ加工方法において、被加工物がロール形状または軸対称の回転体である方法である。
本構成により、被加工物を回転させながら断続的に未貫通の凹部を形成することができるため、高速加工を行うことができる。
本発明に係るレーザ加工方法によれば、マスクの複数の開口の相対位置を自由に変更できるようになると共に、被加工物表面および内部の複数の箇所にレーザ光を結像させることができるため、被加工物とレーザ光学系の相対位置を変更し、レーザを重ねて照射することによって、被加工物表面に結像させたレーザ光により表層部を加工した後に、被加工物内部の位置に結像させたレーザ光で加工した凹部の底部を高精度に加工することができる。また、それぞれ分割したマスクにレーザ光を照射するため、マスクの損傷を低減することができる。
具体的には、ロールなどの被加工物の表面に、数μmオーダーの微細な凹凸パターンを高精度にかつ高速かつ容易に形成できる。特に、凹凸パターンの形状,寸法(径,凹部の深さおよび凸部の高さ)などをほぼ精確に再現できる。すなわち、本発明に係る方法を用いれば、数μmオーダーの凸部にほぼ対応する形状および寸法を有する凹部が表面に形成されたロールが得られる。このロールを用いて集電体の塑性変形加工を行えば、集電体表面に、寸法が数μmオーダーで、ほぼ設計通りの形状を有する凸部を工業的に有利に形成できる。
例えば、開口部の最小寸法に対する深さの比が1以上の未貫通の凹部が表面に複数設けられ、その凹部の底部の平面度が2μm以下であるロールの加工も実現可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態であるレーザ加工装置の概略構成図、図2は図1のレーザ加工装置に設けられたマスク部の構造図、図3は図1のレーザ加工装置における被加工物に対する凹部の加工過程の初期段階を示す図であって、図3(a)は被加工物全体の概要を示す斜視図、図3(b)は図3(a)における加工部分の拡大断面図、図4は図1のレーザ加工装置における被加工物に対する凹部の加工過程の終了段階を示す図であって、図4(a)は被加工物全体の概要を示す斜視図、図4(b)は図4(a)における加工部分の拡大断面図である。
図1において、レーザ加工装置1は、少なくとも1つのレーザ発振器10,ビーム整形光学系20,ビーム分岐光学系30,マスク部40,結像光学系50によって構成される。レーザ発振器10から出射されたレーザ光11は、ビーム整形光学系20,ビーム分岐光学系30により所定のビームエネルギ分布および本数(本例では2本)に分割されてマスク部40に導入される。マスク部40を透過したレーザ光11は、結像光学系50により、回転駆動部70によって回転自在に保持されたローラ状あるいは軸対称の回転体である被加工物60の表面近傍に結像され、被加工物60の表面に複数の凹部を形成する。
なお、図1における80は、レーザ加工装置1を被加工物60の軸線方向へ移動させる移動駆動部であり、90はレーザ加工装置1における前記構成部材の各部をコントロールするCPU(中央演算処理ユニット)などからなる制御部である。
図2において、マスク部40には、第1マスク41aと、第1マスク41aよりも図1における結像光学系50との光路長が短くなるように、第1マスク41aとの間にスペーサ43を介して配置された第2マスク41bが設けられており、第1マスク41aと第2マスク41bとに、第1開口42a,第2開口42bがそれぞれ少なくとも1箇所の形成されている。両マスク41a,41bは、それぞれスペーサ43にマスクホルダ44を介して固定され保持されている。またスペーサ43には放熱板45が設けられている。
レーザ光11は、ビーム分岐手段30で分岐され、後述するように分割された光ビーム11a,11bが各マスク41a,41bの開口42a,42bをそれぞれ透過し、図1における結像光学系50へと入射する。
図3,図4において、分岐された一方の第1レーザ光11aは、図2における第1開口42aを通過したレーザ光であり、他方の第2レーザ光11bは、図2における第2開口42bを通過したレーザ光である。第1レーザ光11aは被加工物60の表面近傍に結像するように設定されており、第2開口42bを通過した第2レーザ光11bは被加工物60表面より内側の所定の位置に結像するように設定されている。第1凹部61aおよび第2凹部61bは、第1レーザ光11aと第2レーザ光11bを被加工物60に照射することによって、それぞれ形成された凹部である。
図3(a),図4(a)において、被加工物60上の同一箇所に少なくとも1回以上のレーザ照射を行い、各レーザ光11a,11bにより凹部61a,61bをそれぞれ形成する。このとき、第1レーザ光11aは、第1マスク42aの像を被加工物60の表面近傍に結像するため、第1凹部61aにおいて精度良く第1マスク42aの形状を縮小または拡大投影されている。
その後、制御部90は、図3(b),図4(b)に示すように、被加工物60とレーザ加工装置1との相対位置を変更するように回転駆動部70,移動駆動部80などを駆動し、第1凹部61aに重なるように第2レーザ光11bを照射し、深く加工された第3凹部61cを形成する。このとき、第2レーザ光11bは、第1凹部61aの底部付近に第2マスク42bの像を結像するため、形成目標の凹部である第3凹部61cを精度良く形成することができる。
この工程を複数回繰返し、複数の第3凹部61cが形成された被加工物60を用いて、図示しない金属シート状物である集電体を加圧下に塑性変形加工することにより、集電体表面に凹部パターンに対応する凸部パターンが形成される。この凸部の表面には、例えば、柱状の活物質層が形成される。
被加工物60の第3凹部61cが形成された領域を、塑性変形加工を施す集電体シートの幅より大きくすることにより、被加工物60の端部に形成される第1凹部61aおよび第2凹部61bの影響をなくすことができるが、加工の始端および終端において、第1レーザ光11aのみ、あるいは第2レーザ光11bのみを遮蔽する遮断機構を設けることによって第1凹部61aと第2凹部61bを形成しないようにしてもよい。
図2において、両マスク41a,41bは、例えば、銅、ステンレス鋼などからなるシート状の基板に切削加工,放電加工,フォトリソグラフィー法およびエッチング法を利用して、複数かつ所定の形状の開口42a,42bを形成することにより作製することができる。
また、必ずしも必要ではないが、レーザ光11a,11bによるマスク41a,41bの損傷を低減させるため、マスク41a,41bの表面はレーザに対し反射率が大きい材質で構成されていることが好ましい。例えば、波長が532nmのレーザ光に対しては、金,銀,アルミなどの金属層や、誘電体多層膜による高反射率層などがコーティングされていることが好ましい。
マスク部40は、本例では第1マスク41aと第2マスク42bに分割しており、各マスク41a,42bは、それぞれレーザ光11a,11bの光軸に対して略直交するように配置する。この場合、0.05〜5°の入射角となるように配置することが好ましく、マスク40部によるレーザ光11の反射光が発振器へ戻ることを抑制することができ、レーザ光11の出力が安定する。両マスク41a,41bは、レーザ光11a,11bの光軸方向にスペーサ43を介して段差を設けて配置している。
本実施形態では、前記光軸方向の段差を設ける手段として、両マスク41a,41bの間にスペーサ43を設けているが、段差を設ける手段はこれに限らず、それぞれのマスクを独立して保持してあってもよい。
また、本実施形態では、マスク部40は第1マスク41aと第2マスク42bとの2つに分割されているが、それ以上の数に分割されていてもよく、その場合に各マスク間に設ける段差は一定でなくてもよい。
図1において、レーザ発振器10には、公知のレーザ発振器を使用することができ、例えば、Nd+:YLFやNd+:YAGやNd+:YVO4レーザなどの固体レーザ発振器、あるいはファイバーにレーザ媒質をドーピングしたファイバーレーザなどが挙げられる。また、レーザ発振器10から出力されるレーザ光11の波長は、好ましくは100nm以上,600nm未満、さらに好ましくは266nm以上,600nm未満である。波長が266nm未満では、レーザ光11のパワーが不十分になり、各凹部61a〜61cの形成に長時間を要するおそれがある。一方、波長が600nm以上では、回折限界が大きくなるため精度が悪化するおそれがある。
前記範囲の波長を有するレーザ光11を出力するには、例えば、Nd+:YLF、またはNd+:YAG、またはNd+:YVO4、またはファイバーレーザなどの高調波を用いるのが好ましい。例えば、Nd+:YAGレーザの高調波を用いれば、波長532nmあるいは355nmなどの波長のレーザ光を出力することができる。
ビーム整形系20は、レーザ光11のエネルギ分布を所定の値に調整する手段であり、複数のレンズによるビームコリメータ,シリンドリカルレンズ,ビームホモジナイザ、あるいは回折素子などを用いることができる。また、アッテネータなどの出力調整手段を併設してもよい。
ビーム分岐光学系30は、レーザ光11を複数に分岐する手段である。ビーム分岐光学系30は、無偏光あるいは偏光ビームスプリッタ、または回折素子によって構成されている。ビーム分岐光学系30としては、偏光ビームスプリッタを含む構成が好ましく、複数のレーザ光をビーム径近傍に近接して伝送する際に、隣接するレーザ光の偏光方向を直交するように配置させることにより、干渉によるレーザ光11のエネルギ分布の変動を抑制させることができる。
結像光学系50は、マスク部40を透過したレーザ光11を集光して、被加工物60の表面に照射する部材である。結像光学系50は、集光レンズまたは回折素子、またはこれらの組み合わせにより構成されている。結像光学系50の焦点距離は、好ましくは20〜200mm、さらに好ましくは40mm程度がよい。焦点距離が20mm未満では、被加工物60を加工する際に発生するダストが結像光学系50に付着し、レーザ光11の被加工物60への伝播を阻害し結像ができなくなるおそれがある。一方、焦点距離が200mmを超えると、結像光学系50のNA(開口数)が低下することから、高精度の結像ができなくなるおそれがある。また、加工ヘッド46の結像倍率は、好ましくは5〜40倍、さらに好ましくは16倍程度がよい。
図1において、レーザ光11の照射時間は特に制限されないが、好ましくは、一回当たり10ps〜200nsがよい。照射時間が10ps未満では、熱伝導による照射部周囲への加熱が発生せずに加工が終了するため、原子1層分しか取り除くことができず、凹部61の形成を高速に行うことができない。一方、照射時間が200nsを超えると、ロールなどの被加工物60の回転により、レーザ光11が被加工物60の表面をスイープするおそれがある。例えば、被加工物60表面が周速500mm/sで回転しているときに200nsのパルスを照射した場合、0.1μmのスイープが生じる。
図1において、レーザ加工装置1は、図示しないブロー装置を含んで構成することができる。ブロー装置は、回転駆動部70により支持される被加工物60の近傍に設けられ、被加工物60表面、好ましくは被加工物60表面の凹部61形成箇所に気体または液体を吹き付ける。ブロー装置による吹き付け時期は、特に制限されないが、例えば、レーザ光11の照射前、レーザ光11を被加工物60表面に照射してから次に同一箇所にレーザ光11を照射するまでの間、レーザ光11照射の終了後などが挙げられる。この吹き付けによって、被加工物60表面における凹部61の形成箇所から塵などを除去することができる。また、被加工物60の冷却効果を高め得るので、レーザ光11の照射による被加工物60表面の膨張が低減化され、形成される凹部61の寸法精度および形状精度が一層向上する。
図1において、被加工物60は金属材料を含有する材質であり、金属材料としては特に制限されず、例えば、ステンレス鋼などの鉄系材料が挙げられるが、超硬合金,サーメット,ハイス鋼,ダイス鋼,鍛鋼などの高融点金属材料が好ましい。これらの中でも、超硬合金,ハイス鋼,鍛鋼などがさらに好ましく、特に鍛鋼が好ましい。
前記高融点金属材料は、レーザ加工が可能であり、かつステンレス鋼などの鉄系材料に比べて融点および沸点が高く、溶融状態に留まる時間が短いので、形状および寸法の再現性が非常に優れている。また、これらの高融点材料は、高融点であるばかりでなく、高い機械的強度を有している。したがって、集電体の塑性変形加工を繰返し実施しても、凹部の形状が非常に損なわれ難く、長期耐用性が高い。被加工物60は1種または2種以上の金属材料を含有してもよい。
図1において、高融点材料を含有する被加工物60の形状は、ロール状であることが好ましい。金属材料を含有するロール状の被加工物は、好ましくは、芯用ロールと、金属材料層とを含む表面被覆ロールがよい。芯用ロールには、例えば、ステンレス鋼,鉄などの一般的なロール用金属材料を使用することができる。金属材料層は芯材表面に形成され、前記金属材料の少なくとも1種を含有する。金属材料層の膜厚は特に制限されないが、金属材料が、例えば高融点金属材料である場合は、好ましくは5〜50mm程度がよい。また、芯用ロールおよび金属材料層が共にステンレス鋼である場合は、金属材料層に含有されるステンレス鋼を、芯用ロールに含有されるステンレス鋼よりも硬度の高いものにすることが好ましい。
表面被覆ロールは、金属材料がステンレス鋼などである場合は、一般的な方法により作製することができる。また、金属材料が高融点金属材料である場合は、例えば、高融点材料を円筒状に成形し、得られる高融点材料製円筒を芯用ロールに焼き嵌め、または冷やし嵌めすることによって作製することができる。
焼き嵌めとは、高融点材料製円筒の内径が芯用ロールの外径よりも僅かに小さくなるように高融点材料製円筒を作製し、この高融点材料製円筒を暖めて膨張させ、芯用ロールに嵌め込むことである。また、冷やし嵌めとは、高融点材料製円筒の内径が芯用ロールの外径よりも僅かに小さくなるように作製した高融点材料製円筒に、冷却により収縮させた芯用ロールを嵌め込むことである。
この表面被覆ロールに対し、レーザ加工装置1を用いてレーザ加工を行って凹部を形成すると、凸部形成用ロールが得られる。この凸部形成用ロールを用いて集電体に凸部を形成すれば、精巧に作製された金型と同様に、極めて高い寸法精度を長期にわたって維持することができる。
超硬合金としては公知のものを使用することができ、例えば、元素周期律表4A,5A,6A族の金属の炭化物粒子をFe,Co,Niなどの金属バインダーを用いて焼結した超硬合金などが挙げられる。超硬合金の具体例としては、例えば、WC−Co系,WC−Cr3C2−Co系,WC−TaC−Co系,WC−TiC−Co系,WC−NbC−Co系,WC−TaC−NbC−Co系,WC−TiC−TaC−NbC−Co系,WC−TiC−TaC−Co系,WC−ZrC−Co系,WC−TiC−ZrC−Co系,WC−TaC−VC−Co系,WC−TiC−Cr−Co系,WC−TiC−TaC系,WC−Ni系,WC−Co−Ni系,WC−Cr−MoC−Ni系,WC−Ti(C,N)−TaC系,WC−Ti(C,N)系などの炭化タングステン基超硬合金,Cr−Ni系などが挙げられる。
サーメットとしては公知のものを使用でき、例えば、TiC−Ni系,TiC−Mo−Ni系,TiC−Co系,TiC−MoC−Ni系,TiC−MoC−ZrC−Ni系,TiC−MoC−Co系,MoC−Ni系,Ti(C,N)−MoC−Ni系,TiC−TiN−MoC−Ni系,TiC−TiN−MoC−Co系,TiC−TiN−MoC−TaC−Ni系,TiC−TiN−MoC−WC−TaC−Ni系,TiC−WC−Ni系,Ti(C,N)−WC−Ni系,TiC−Mo系,Ti(C,N)−Mo系,ホウ化物系(MoB−Ni系,BC/(W,Mo)B系など)などが挙げられる。これらの中でも,Ti(C,N)−MoC−Ni系,TiC−TiN−MoC−Ni系,TiC−TiN−MoC−Co系,TiC−TiN−MoC−TaC−Ni系,TiC−TiN−MoC−WC−TaC−Ni系,Ti(C,N)−WC−Ni系,Ti(C,N)−Mo系などの炭窒化チタン基サーメットが好ましい。
ハイス鋼は、鉄にモリブデン,タングステン,バナジウムなどの金属を添加し、さらに熱処理を施して硬度を高めた材料である。ハイス鋼としても公知のものを使用でき、例えば、鉄を主成分としかつ炭素,タングステン,バナジウム,モリブデンおよびクロムを含有するハイス鋼、あるいは鉄を主成分とし、かつ炭素,タングステン,バナジウム,モリブデン,コバルトおよびクロムを含有するハイス鋼、あるいは鉄を主成分としかつ炭素,バナジウム,モリブデンおよびクロムを含有するハイス鋼、あるいは鉄を主成分としかつ珪素,マンガン,クロム,モリブデンおよびバナジウムを含有するハイス鋼、あるいは鉄を主成分としかつ炭素,珪素,マンガン,クロム,モリブデンおよびバナジウムを含有するハイス鋼、あるいは鉄を主成分としかつ炭素,珪素,マンガン,クロム,モリブデン,タングステン,コバルトおよびバナジウムを含有するハイス鋼などが挙げられる。
ダイス鋼としては公知のものを使用でき、例えば、鉄,炭素,タングステン,バナジウム,モリブデンおよびクロムを含有するダイス鋼、あるいは鉄,炭素,バナジウム,モリブデンおよびクロムを含有するダイス鋼、あるいは鉄,炭素,珪素,マンガン,硫黄,クロム,モリブデンおよび/またはタングステン,バナジウム,ニッケル,銅ならびにアルミニウムを含有するダイス鋼などが挙げられる。
鍛鋼は、溶鋼を鋳型に鋳込んで造られた鋼塊またはその鋼塊から製造される鋼片を加熱し、プレスおよびハンマーで鍛造または圧延および鍛造することにより鍛錬成形し、これを熱処理することによって製造された材料である。鍛鋼としても公知のものを使用でき、例えば、鉄を主成分としかつ炭素ねクロムおよびニッケルを含有する鍛鋼、あるいは鉄を主成分としかつケイ素,クロムおよびニッケルを含有する鍛鋼、あるいはニッケル,クロムおよびモリブデンを含有する鍛鋼、あるいは鉄を主成分としかつ炭素,珪素,マンガン,ニッケル,クロム,モリブデンおよびバナジウムを含有する鍛鋼、あるいは鉄を主成分としかつ炭素,珪素,マンガン,ニッケル,クロムおよびモリブデンを含有する鍛鋼などが挙げられる。
かかる構成のレーザ加工装置1によって、被加工物60の表面に、数μm〜十数μm程度の微細な寸法を有する凹部61を、任意のピッチで高速かつ非常に高い寸法精度で形成することができる。
以下に本発明に係る実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
レーザ発振器10として、スペクトラ・フィジックス社製のQスイッチNd+:YVO4レーザを用い、発振波長が532nm、照射時間が約35nsの直線偏光のレーザ光11を出射させた。
ビーム整形光学系20として、1/2波長板と偏光ビームスプリッタからなる透過光出力調整用のアッテネータを構成し、丸レンズおよびシリンドリカルレンズを用いてビーム形状をピークパワーの13.5%(1/e)で規定されるビーム直径を1.2×0.5mmの楕円形状とした。
ビーム分岐光学系30は、1/2波長板および偏光ビームスプリッタを用いて2本の偏光方向の異なる等出力のレーザ光に分岐し、再度、偏光ビームスプリッタを用いて平行に近接させてマスク部40にレーザ光を入射させる構成とした。
マスク41a,41bの基板には、厚みが0.3mmのステンレス板(SUS304)2枚を使用した。この基板に放電加工で開口42a,42bをそれぞれに1カ所形成し、表面に誘電体多層膜による波長532nm用の高反射コーティングを施した。両開口42a,42bのサイズは、長辺寸法を0.38mm、短辺寸法を0.05mmとする長丸形状とし、端部の曲率半径を0.25mmとした。
結像光学系50は、焦点距離40mmのアクロマティックレンズを用い、倍率が1:17倍となるようにマスク41a,レンズ,被加工物60の位置を設定した。つまり、マスク,レンズ主面間の距離を720mm、レンズ主面,被加工物表面間の距離を約42.35mmとした。すなわち、被加工物表面へのレーザ光の結像サイズを、開口部寸法の1/17倍となる長辺22μm,短辺約3μmの長丸形状とした。
分割した2枚のマスク41a,41bは、それぞれがマスク開口位置に相当する切り欠きを有する1mm厚の銅板で挟みこんだ構成とし、2つのマスクを、2mmの段差を設けて配置した。このときマスクに対するレーザ光の入射角が約0.5°となるようにマスクを配置した。さらに銅板の側面に凹凸形状を有する銅板を重ね合わせてマスクを保持した。マスクの開口は、それぞれの開口の中心位置間の距離が平面方向に約0.75mmとなるように配置した。すなわち、被加工物側では、加工点間の距離が44μm、焦点位置が約7μm異なるようにマスクを配置した。
凸部形成用の被加工物60として、大同マシナリー社製の鍛鋼ロールを用いた。材料成分は鉄を主成分とし、炭素,珪素,マンガン,クロムを含む鍛鋼材料を用いた。ロール幅は100mm,ロール直径は50mmとした。このロールをレーザ加工装置1の回転駆動部70に設置した。
結像光学系50から出力されるレーザ光11の強度を、マスクの開口部1箇所当たり20μJに設定し、被加工物60にそれぞれのマスク41a,41bを通して1カ所につき3回、凹部を形成した。凹部の加工ピッチは回転方向に29.1μmに設定し、ロール1回転で5400個の凹部を形成した。次に、凹部が千鳥配置となるように、回転方向に14μm、ロールの幅方向へ22μm移動した位置を新たな原点として、回転方向に29.1μmピッチでロールの外周面に凹部を形成した。さらに、回転方向に−14μm,ロール幅方向へ22μm移動し、ロール表面に結像するマスクで加工した凹部に、7μm内側に結像するマスクを通したレーザ光で重ねて照射した。これを繰り返し周波数10kHzで繰返し、ロール幅方向に90mm加工した。また、加工中に加工点近傍に除湿した0.15MPaの圧縮空気をブローした。
その結果、加工時間は約2.5時間で、開口部の寸法が長辺約22μm,短辺6μm、最深部の深さが約10μm,側面の傾斜角が約80°の長円形の未貫通の凹部をロールに形成することができ、また凹部の底部に生じている凹凸は2μm以下となっていた。
(実施例2)
第1マスク41aに長辺方向0.38mm,短辺方向0.05mmの長丸形状の第1開口42aを形成し、また、第2マスク41bに長辺方向0.34mm、短辺方向0.05mmの長丸形状の開口42bを形成し、第1マスク41aを結像光学系50に対する光路長が長くなるように、光軸方向に2mmの段差を設けて配置した。すなわち第1開口42aの像が被加工物60の表面に結像され、第2開口42bの像が被加工物60の表面から約7μmとした。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
その結果、開口部の寸法が長辺約22μm、短辺6μm、最深部の深さが約10μmの長円形の未貫通の凹部をロールに形成することができ、また凹部の底部に生じている凹凸は2μm以下となっていた。さらに、凹部側面の傾斜角は約70°となっており、凹部側面へのダストの付着量の低減が認められた。
(比較例1)
比較例1としての従来のレーザ加工装置の概略構成を図5に示す。図6に当該加工装置により加工した凹部の断面模式図を示す。マスク4は分割せず1枚とし、長辺0.38mm,短辺0.05mmの長丸形状の開口3を1箇所に設けた。レーザ発振器1から出射されたレーザ光2はマスク4を透過した後に、ビーム分岐光学系5である偏光ビームスプリッタにより分岐し、平行光となるように再度合成し、結像光学系6に導入した。光ビーム2を被加工物7に照射させることにより、被加工物7に凹部8を形成させた。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
その結果、比較例1において、開口部の寸法が長辺約22μm,短辺6μm、かつ最深部の深さが12μmの長円形の未貫通の凹部8を被加工物7であるロールに形成することができたが、凹部8の底部の深さ方向に最大4μmの凹凸形状が形成されており、中心部が特に深くなっていた。さらに、20時間の照射を行った後に凹部8の形状を確認したところ、凹部8は楕円形となっており、またマスク開口部の端部が焼き切れて、開口形状は楕円形となっていた。
本発明によるレーザ加工方法は、金属部材を押圧して外周面の凹凸を金属表面に転写するロールの外周面に、所望形状の微細な未貫通のを所望ピッチで形成することができるという特徴を有し、主に電池の集電体を製造するためのロールの加工に実施して有効である。
本発明の実施形態であるレーザ加工装置の概略構成図 図1のレーザ加工装置に設けられたマスク部の構造図 図1のレーザ加工装置における被加工物に対する凹部の加工過程の初期段階を示す図であって、(a)は被加工物全体の概要を示す斜視図、(b)は(a)における加工部分の拡大断面図 図1のレーザ加工装置における被加工物に対する凹部の加工過程の終了段階を示す図であって、(a)は被加工物全体の概要を示す斜視図、(b)は(a)における加工部分の拡大断面図 従来のレーザ加工装置の概略構成図 図5の加工装置により加工した加工部分の拡大断面図
符号の説明
1 レーザ加工装置
10 レーザ発振器
11 レーザ光
11a 第1レーザ光
11b 第2レーザ光
20 ビーム整形光学系
30 ビーム分岐光学系
40 マスク部
41a 第1マスク
41b 第2マスク
42a 第1開口
42b 第2開口
43 スペーサ
44 マスクホルダ
45 放熱板
50 結像光学系
60 被加工物
61 凹部
61a 第1凹部
61b 第2凹部
61c 第3凹部
70 回転駆動部
80 移動駆動部
90 制御部

Claims (3)

  1. 回転する被加工物にレーザ光学系を介してレーザ光を投影し、前記被加工物を所定の形状に加工するレーザ加工方法であって、
    前記被加工物を回転させながら、前記レーザ光の光軸方向の異なる位置に配設された複数のマスクに設けた開口に対し、レーザ発振源から出射されて複数に分岐したレーザ光をそれぞれ入射させ、前記複数のマスクの前記各開口を通過した複数のレーザ光を、前記被加工物の複数の箇所に断続的に照射して複数の未貫通の凹部を形成し、
    前記複数の未貫通の凹部を形成して少なくとも前記被加工物を1回転以上させた後に、前記被加工物と前記レーザ光学系との相対位置を前記被加工物の回転軸方向に移動させて、前記複数の未貫通の凹部のうちの所定の未貫通の凹部に、その所定の未貫通の凹部を形成したマスクとは異なるマスクの開口を通過したレーザ光を照射する
    ことを特徴とするレーザ加工方法
  2. 前記所定の未貫通の凹部を形成するマスクを通過するレーザ光を前記被加工物の表面近傍に集光させ、
    前記複数の未貫通の凹部を形成して少なくとも前記被加工物を1回転以上させた後に、前記所定の未貫通の凹部を形成したマスクとは異なるマスクの開口を通過して、前記所定の未貫通の凹部に照射されるレーザ光を、前記被加工物の表面より内側に集光させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法
  3. 前記被加工物がロール形状または軸対称の回転体であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工方法
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