JP5188280B2 - 血球除去モジュール - Google Patents

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本発明は、血液に含まれる白血球および血小板を除去するための血球除去モジュールに関する。
近年、白血球吸着器が炎症性腸疾患(IBD)や関節リウマチ(RA)の治療デバイスとして普及し始めている。白血球吸着器では、吸着・濾過の原理を用いて、炎症の原因となる白血球を血液中から直接取り除くことにより、治療効果が発揮される。白血球吸着器による治療では、薬物による治療と異なり、副作用が少ないことが最大の特徴である。実用化されている白血球吸着器では、ある一定の表面粗さを持った担体を用いた方法や極細高分子繊維のフィルタを用いた方法が提案されている。
たとえば、特許文献1には、中心線平均粗さRa値が0.2μm〜100μmであり、でこぼこ平均間隔Sm値が5μm〜200μmの範囲にある凹凸表面を有する顆粒球吸着用担体が開示されている。
また、特許文献2には、平均直径が0.3μm以上、3.0μm未満の繊維からなる不織布フィルタからなる白血球除去フィルタ装置が提案されている。
さらに、特許文献3には、有機ポリマーによる繊維を、高度に規則的に配列させる、つまり実質的に平行に配置し、その間に血液を流通させることにより、不織布等のフィルタでは防ぐことが困難であった血球の破壊や血液の凝固などの問題を克服しながら繊維表面に白血球を捕捉する技術が開示されている。
これらの方法は、がん患者や免疫系に異常をきたした患者の血液から主に顆粒球、リンパ球などの白血球を除去するために考案された。ところが、最近の研究では、特に自己免疫疾患などの炎症性疾患において、白血球だけでなく血液中の血小板が炎症性細胞として関与していることが明らかになってきている。
たとえば、潰瘍性大腸炎やクローン病といったIBDでは、患者の血液中の血小板が炎症性細胞として関与していること(非特許文献1)や、その他の自己免疫疾患である、喘息、アトピー、関節リウマチなどにも血小板の関与が見られることが報告されている(非特許文献2)。
また、このような病態に対応する治療方法として、たとえばクローン病患者より、遠心分離法により血小板のみを除去することにより治療効果が得られるとの報告もある(非特許文献3)。しかし、遠心分離法は装置が複雑で、操作が煩雑であるという問題点がある。
このように、自己免疫疾患の患者より炎症性細胞である血小板を除去することは、炎症状態の軽減への効果が期待できる。
血小板を遠心分離法以外の方法で、血液から直接除去する方法については、特許文献4や特許文献5に記載がある。これらは、いずれも繊維や三次元網目状連続多孔体からなるフィルタを用いて血小板を除去する方法である。
特開平5−168706号公報 特開昭62−243561号公報 国際公開番号WO2007/057065A1 特開平1−121061号公報 特開平7−124255号公報 Silvio Danese, et al.,Platelet in Inflammatory Bowel Disease:Clinical,Pathogenic, and Therapeutic Implications,Am. J. Gastroenterol,2004;938-945 SC Pitchford,Novel uses for anti-platelet agents as anti-inflammatory drugs,British Journal of Pharmacology (2007) 152,987-1002 K. Fukunaga, et al.,Selective Platelet Removal as a Novel Therapy for Refractory Crohn's Disease,Jpn. J. Apheresis,2007;26(2):266-271 三浦伸一、伊藤嘉延、小山悟、他:吸着型血液浄化器アダカラムとセルソーバEXにおける有害事象の比較、日本臨床工学技士会誌、19:30-31,2003
特許文献1乃至3に記載の方法においては、白血球を吸着除去すると同時に血小板の吸着も起こっている。特に、特許文献2に記載の方法では、特許文献4、5と同様の繊維不織布フィルタが用いられているため、血液凝固の問題が未解決である。
また、特許文献4および特許文献5に記載の方法では、血小板の除去はある程度効率よく行うことができるものの、同時に凝固系を活性化してしまう、という課題が生じる。このため、実際には血液を通過させている途中で凝固が起こってしまい、治療を中断せざるを得なくなることが多い(非特許文献4)。
また、特許文献1乃至3に記載の方法においても、白血球を吸着除去すると同時に血小板の吸着も起こっている。特に、特許文献2に記載の方法では、特許文献4、5と同様の繊維不織布フィルタが用いられているため、血液凝固の問題が未解決である。
また、特許文献1に記載の方法では、粒子やビーズ状の担体を用いるため、フィルタ状の吸着材を用いるよりは、凝固の問題は起こらないものの、血小板の吸着量が低く、上述のような、血小板除去による抗炎症効果を得ることが困難である。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用前のエア抜け、血液流通時の回路内凝固などの問題が少なく、かつ、白血球、血小板を効率よく除去できる血球除去モジュールの提供にある。
本発明のある態様は、血球除去モジュールである。当該血球除去モジュールは、血球除去前の血流が流入する入口部と血球除去後の血流が排出される出口部が設けられたケースと、ケースに収容された短繊維状の血球除去用吸着体と、入口部および出口部の内側にそれぞれ設けられ、血球除去用吸着体をケース内に保持するメッシュと、ケースに収容された短繊維状の血球除去用吸着体と、を備え、血球除去用吸着体の長さがケースの内径の1〜60%であることを特徴とする。
この態様によれば、使用前のエア抜け、血液流通時の回路内凝固などを問題を抑制しつつ、白血球、血小板を効率よく除去することができる。なお、血球除去用吸着体の長さがケースの内径の18〜56%であることがより好ましい。これによれば、上記効果をさらに高めることができる。
上記態様において、ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率が20〜60%であってもよい。
また、上記態様において、血球除去用吸着体は、中空糸状または中実糸状の繊維であってもよい。なお、血球除去用吸着体を中空糸状とした場合には、中実糸と比較して材料の使用量を低減することができる。また、内表面側への血球吸着も期待できるという利点を有する。
また、上記態様において、血球除去用吸着体は、疎水性高分子樹脂からなっていてもよい。この場合において、疎水性高分子樹脂が下記化学式(1)で表わされる繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂であってもよい。
Figure 0005188280
また、疎水性高分子樹脂が下記化学式(2)または化学式(3)で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルスルホン樹脂を含んでもよい。
Figure 0005188280
化学式(2)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
Figure 0005188280
上記態様において、疎水性高分子樹脂が上記化学式(1)で表わされる繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂と、上記化学式(2)または化学式(3)で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルスルホン樹脂とを含んでいてもよい。
上記態様の血球除去モジュールは、血液中の白血球および血小板の除去に用いられてもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、使用前のエア抜け、血液流通時の回路内凝固などを問題を抑制しつつ、白血球、血小板を効率よく除去することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1(A)は、実施の形態に係る血球除去モジュールの構造の斜視図である。図1(B)は、実施の形態に係る血球除去モジュールの構造の分解斜視図である。血球除去モジュール10は、ケース20および血球除去用吸着体50を備える。
ケース20は、ケース本体21、一対のメッシュ30a、30b、および一対のヘッダ40a、40bを有する。ケース本体21は、ポリカーボネート製の円筒状の部材である。なお、ケース本体21の材料は、ポリカーボネートに限定されず、周知の樹脂材料、金属材料、または複合材料を用いてもよい。
ケース本体21の両端開口部には、ポリエステル製の一対のメッシュ30a、30bがそれぞれ取り付けられている。メッシュ30a、30bは、後述する血球除去用吸着体50の外径より小さい目を有し、このメッシュによって血球除去用吸着体50がケース内に保持される。なお、メッシュ30の材料は、ポリエステルに限定されず、周知の樹脂材料、金属材料、または複合材料を用いてもよい。
ケース本体21の一方の開口部には、上述したメッシュ30aを挟み、ヘッダ40aが取り付けられている。ヘッダ40aには、血液の導入路となる入口部22が設けられている。また、ケース本体21の他方の開口部にはには、上述したメッシュ30bを挟み、ヘッダ40bが取り付けられている。ヘッダ40bには、血球除去後の血液の排出路となる出口部24が設けられている。ヘッダ40aおよびヘッダ40bによりケース本体21の両端開口部が封止されている。封止をより確実とするために、ヘッダ40aとケース本体21およびヘッダ40bとケース本体21との間にOリングなどの封止部材を設けてもよい。
一対のメッシュ30a、30bで挟まれたケース本体21の内部には、血球除去用吸着体50が収容されている。血球除去用吸着体50は、ケース本体21の内部にランダム、言い換えると、不規則かつ固定されない状態で配置されている。血球除去用吸着体50は中空糸状または中実糸状の短繊維であり、その長さはケース本体21の内径の1〜60%が好ましく、18〜56%がより好ましい。血球除去用吸着体50の長さをケース本体21の内径の1%未満にすることは、生産性の低下を招く。一方、血球除去用吸着体50の長さがケース本体21の内径の60%より長くなると、ケース本体21内で繊維状の血球除去用吸着体50同士が干渉するため、個々の血球除去用吸着体50が自由に動くことが制限されるため、エアが繊維内に一旦取り込まれると、ケース外に抜けにくくなる。つまり、エア抜けが悪くなるために、残存したエアが血液中の血液凝固を起こしやすくなる。また、血球除去用吸着体と血液との接触面積が減少するため、吸着性能の低下を招く可能性がある。
ケース本体21の容積に対する血球除去用吸着体50の充填率は20〜60%であることが好ましい。血球除去用吸着体50の充填率を20%以上とすることにより、血液浄化に必要な血液量が低減されるため、患者の負担を軽減することができる。一方、血球除去用吸着体50の充填率が60%より大きくなると、充填しにくくなるため、作業効率の低下を招く。
また、血球除去用吸着体50は疎水性高分子樹脂からなることが好ましい。これにより、血球除去用吸着体50の表面が疎水性となるため、疎水性相互作用によって炎症性細胞である顆粒球だけでなく、血小板も効率よく除去することができる。さらに、副作用を抑えつつ、自己免疫疾患由来の炎症症状を抑制することができる。
疎水性高分子樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリスルホン酸樹脂(PES)またはこれらの樹脂のポリマーアロイが好適である。
ポリアリレート樹脂は、下記化学式(4)で表わされる繰り返し単位を有する樹脂である。ポリアリレート樹脂の数平均分子量は、20,000〜30,000であることが好ましい。ポリアリレート樹脂の数平均分子量が30,000より大きいと、表面凹凸が大きくなり過ぎるため、適正な表面凹凸を形成することが困難になる。一方、ポリアリレート樹脂の数平均分子量が20,000より小さいと、血球除去用吸着体の強度が低くなり、血球除去用吸着体の製造歩留まりが悪くなる。
Figure 0005188280
化学式(4)において、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R1およびR2はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。R1およびR2としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。好ましいR1およびR2は、メチル基である。
なお、ポリアリレート樹脂は、化学式(4)で表わされる繰り返し単位を主たる繰り返し単位とする限り特に制限がなく、本発明の目的を阻害しない限り他の繰り返し単位を含有していてもよい。
ポリエーテルスルホン樹脂は、下記化学式(5)または化学式(6)で表わされる繰り返し単位を有する樹脂である。ポリエーテルスルホン樹脂の数平均分子量は、15,000〜30,000であることが好ましい。ポリエーテルスルホン樹脂の数平均分子量が30,000より大きいと、表面凹凸が大きくなり過ぎるため、適正な表面凹凸を形成することが困難になる。一方、ポリエーテルスルホン樹脂の数平均分子量が15,000より小さいと、血球除去用吸着体の強度が低くなり、血球除去用吸着体の製造歩留まりが悪くなる。
Figure 0005188280
化学式(5)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。R3およびR4としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。好ましいR1およびR2は、メチル基である。
Figure 0005188280
血球除去用吸着体の表面のRaを5〜100nmとすることにより、白血球および血小板の吸着性をより向上させることができる。なお、血球除去用吸着体の表面のRaを5より小さくすることは製造上困難である。一方、血球除去用吸着体の表面のRaが100nmより大きいと、血小板(大きさ2〜4μm)の吸着への寄与が減少する。血球除去用吸着体の表面のRaは、AFM(原子間力顕微鏡)により測定することができる。AFMによる測定領域は、10μm×10μmである。
以上説明した血球除去モジュールによれば、凝固系への刺激が少なく、血液浄化カラムとして治療に用いた場合に治療中の血液凝固が起こりにくくなる。また、プライミング(血液充填)時のエア抜けを良好にすることができる。
また、連続成形可能な中空糸状または中実糸状の繊維を切断するだけで、高い生産効率にて血球除去用吸着体を製造することができるため、血球除去モジュールのコストを低減することができる。
(実施例1)
ポリアリレート樹脂(以下PAR、数平均分子量25,000、ユニチカ製、商品名:Uポリマー)とポリエーテルスルホン樹脂(以下PES、グレード4800P、数平均分子量21,000、住友化学工業製、商品名:スミカエクセルPES)と、N−メチルピロリドン(NMP)とを用いてポリマー原液を調整した。PARとPESとNMPとの重量混合比は7.5:7.5:85.0とした。N−メチルピロリドン水溶液(水にNMPを60%混合したもの)を凝固液および芯液とした。前述したポリマー原液を、二重管紡糸口金を用いて芯液と共に凝固液中へ吐出して中空糸膜を作製、連続的に切断し、外径0.3mm、内径0.2mm、長さ5mmの中空糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。なお、中空糸膜を短繊維に切断する手段は、特に限定されないが、工業的な見地からカッターロールを用いた周知の繊維切断装置(実開平5−96033号公報、特開平9−277190号公報、実開平6−27092号公報などを参照)が好適である。
本実施例の血球除去用吸着体の表面粗さを、AFM(10μm×10μm、セイコーインスツルメンツ社製SPA400、探針:DFM SZDF20AL(セイコーインスツルメンツ社製))を用いて測定したところ、Ra=6.2nmであった。また、平均細孔径は、25.4nmであった。なお、平均細孔径は、ユアサアイオニクス株式会社製のポロシメータ(PoreMaster-60)を用いて計測した。
白血球・血小板吸着試験として、吸着材を内径27mm、長さ70mmのポリカーボネイト製のケース(カラム)に充填し、外表面積換算で約0.1mの短繊維を充填した。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、5mm/27mm×100=18.5%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、48%である。
健常者より250mLの血液を血液バック採血し、ヘパリン化後、7mL/minで30分循環した際の、顆粒球(好中球)数、血小板数、リンパ球数の変化より、実施例1に係る血球除去用吸着体への吸着率を算出した。この結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、54%、2%、61%であった。
実施例1に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(実施例2)
実施例1と同様な手法にて中空糸膜を作製し、得られた中空糸膜を長さ10mm(外径0.3mm、内径0.2mm)に切断し、中空糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、10mm/27mm×100=37.0%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、36%である。
実施例2に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、55%、3%、58%であった。
実施例2に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(実施例3)
実施例1と同様な手法にて中空糸膜を作製し、得られた中空糸膜を長さ15mm(外径0.3mm、内径0.2mm)に切断し、中空糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、15mm/27mm×100=55.6%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、21%である。
実施例3に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、51%、3%、55%であった。
実施例3に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(比較例1)
実施例1と同様な手法にて中空糸膜を作製し、得られた中空糸膜を長さ20mm(外径0.3mm、内径0.2mm)に切断し、中空糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、20mm/27mm×100=74.1%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、15%である。
比較例1に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、53%、2%、57%であった。
比較例1に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。しかし、ケース内での繊維の動きが制限されているため、繊維に気泡が引っかかり、プライミング時のエアー抜きが困難で、循環終了後、血球除去用吸着体に血液凝固が見られた。
(実施例4)
PAR(数平均分子量25,000、ユニチカ製、商品名:Uポリマー)とNMPとを用いてポリマー原液を調整した。PARとNMPとの重量混合比は15:85とした。N−メチルピロリドン水溶液(水にNMPを60%混合したもの)を凝固液とした。前述したポリマー原液を、紡糸口金を用いて凝固液中へ吐出して中実糸膜を作製、連続的に切断し、外径0.25mm、長さ5mmの中実糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、5mm/27mm×100=18.5%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、42%である。
本実施例の血球除去用吸着体の表面粗さを、AFM(10μm×10μm、セイコーインスツルメンツ社製SPA400、探針:DFM SZDF20AL(セイコーインスツルメンツ社製))を用いて測定したところ、Ra=3.4nmであった。また、平均細孔径は、16.7nmであった。なお、平均細孔径は、ユアサアイオニクス株式会社製のポロシメータ(PoreMaster-60)を用いて計測した。
実施例4に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、65%、6%、62%であった。
実施例4に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(実施例5)
実施例4と同様な手法にて中実糸膜を作製し、得られた中実糸膜を長さ10mm(外径0.25mm)に切断し、中実糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、10mm/27mm×100=37.0%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、31%である。
実施例5に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、66%、7%、60%であった。
実施例5に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(実施例6)
実施例4と同様な手法にて中実糸膜を作製し、得られた中実糸膜を長さ15mm(外径0.25mm)に切断し、中実糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、15mm/27mm×100=55.6%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、20%である。
実施例6に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、64%、5%、58%であった。
実施例6に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(実施例7)
PES(グレード4800P、数平均分子量21,000、住友化学工業製、商品名:スミカエクセルPES)と、NMPとを用いてポリマー原液を調整した。PESとNMPとの重量混合比は15:85とした。N−メチルピロリドン水溶液(水にNMPを60%混合したもの)を凝固液とした。前述したポリマー原液を、紡糸口金を用いて凝固液中へ吐出して中実糸膜を作製、連続的に切断し、外径0.25mm、長さ10mmの中実糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの内径に対する血球除去用吸着体の長さの比率は、10mm/27mm×100=37%である。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、28%である。
本実施例の血球除去用吸着体の表面粗さを、AFM(10μm×10μm、セイコーインスツルメンツ社製SPA400、探針:DFM SZDF20AL(セイコーインスツルメンツ社製))を用いて測定したところ、Ra=5.2nmであった。また、平均細孔径は、12.4nmであった。なお、平均細孔径は、ユアサアイオニクス株式会社製のポロシメータ(PoreMaster-60)を用いて計測した。
実施例7に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、53%、0%、48%であった。
実施例7に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球、血小板に対する十分な吸着能を示し、メモリー細胞として体内に残しておきたいリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
(実施例8)
セルロースアセテート製の中空糸膜を使用したニプロ社製ダイアライザーFB−150Fから、中空糸膜を取り出し(内径200μm、外径230μm)、これを10mm長に切断し、中空糸状短繊維の血球除去用吸着体を得た。ケースの容積に対する血球除去用吸着体の充填率は、31%である。
実施例8に係る血球除去用吸着体について、実施例1と同様に血球吸着試験を実施した。その結果、顆粒球数、血小板数、リンパ球数の吸着率は、ぞれぞれ、55%、1%、15%であった。
実施例8に係る血球除去用吸着体は、炎症細胞としての顆粒球に対する吸着能を示した。一方、血小板及びリンパ球の吸着能は低かった。またプライミング時のエアー抜きも容易で、血液の凝固は見られなかった。
下記表1に実施例1乃至8および比較例1についての、血球除去用吸着体に関する諸情報および血球吸着試験を示す。
Figure 0005188280
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
図1(A)は、実施の形態に係る血球除去モジュールの構造の斜視図である。図1(B)は、実施の形態に係る血球除去モジュールの構造の分解斜視図である。
符号の説明
1 血球除去モジュール、20 ケース、30a,30b メッシュ、40a,40b ヘッダ、50 血球除去用吸着体

Claims (9)

  1. 血球除去前の血流が流入する入口部と血球除去後の血流が排出される出口部が設けられたケースと、
    前記ケースに収容された短繊維状の血球除去用吸着体と、
    前記入口部および前記出口部の内側にそれぞれ設けられ、前記血球除去用吸着体を前記ケース内に保持するメッシュと、
    を備え、
    前記血球除去用吸着体の長さが前記ケースの内径の1〜60%であることを特徴とする血球除去モジュール。
  2. 前記血球除去用吸着体の長さが前記ケースの内径の18〜56%であることを特徴とする請求項1に記載の血球除去モジュール。
  3. 前記ケースの容積に対する前記血球除去用吸着体の充填率が20〜60%であることを特徴とする請求項1または2に記載の血球除去モジュール。
  4. 前記血球除去用吸着体は、中空糸状または中実糸状の繊維であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の血球除去モジュール。
  5. 前記血球除去用吸着体は、疎水性高分子樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の血球除去モジュール。
  6. 前記疎水性高分子樹脂が下記化学式(1)で表わされる繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の血球除去モジュール。
    Figure 0005188280
  7. 前記疎水性高分子樹脂が下記化学式(2)または化学式(3)で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルスルホン樹脂を含むことを特徴とする請求項5に記載の血球除去モジュール。
    Figure 0005188280
    化学式(2)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
    Figure 0005188280
  8. 前記疎水性高分子樹脂が下記化学式(4)で表わされる繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂と、下記化学式(5)または化学式(6)で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルスルホン樹脂とを含むことを特徴とする請求項5に記載の血球除去モジュール。
    Figure 0005188280
    化学式(4)において、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R1およびR2はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
    Figure 0005188280
    化学式(5)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
    Figure 0005188280
  9. 血液中の白血球および血小板の除去に用いられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の血球除去モジュール。
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