JP5187494B2 - 光分離プリズム - Google Patents

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Description

本発明は、基本形状が三角柱状をなす二個のプリズム構成体を、それぞれの底面同士を貼り合わせて固着し、その貼り合わせ面で光が波長成分に応じて透過及び反射するように構成した光分離プリズムに関する。
周知のように、例えば光ファイバを用いて光通信を行う際には、その光伝送径路の途中に、一の方向への光(所定波長成分の光)を直進させるべく透過させる一方で、その逆方向への光(他の所定波長成分の光)を直角に屈曲させるべく反射させるための光分離プリズムを介在させることが広汎に亘って行われている。この種の光分離プリズムは、特許文献1、2に開示されているように、二個の直角二等辺三角柱状のプリズム構成体(プリズム片)を、それぞれの底面同士を波長分離膜を介して貼り合わせることにより、全ての隣接する面のなす角度が90度とされた断面が正方形の直方体または立方体として構成されるのが通例である。
詳述すると、図7に示すように、光分離プリズム11は、一方の第一プリズム構成体21における底面と向かい合う角部(直角部)を境界として隣接する第一の外面21a及び第二の外面21bと、他方の第二プリズム構成体31における底面と向かい合う角部(直角部)を境界として隣接する第三の外面31c及び第四の外面31dとを有し、第一の外面21aと第四の外面31dとが貼り合わせ面41を境界として隣接すると共に、第二の外面21bと第三の外面31cとが貼り合わせ面41を境界として隣接するように形成されている。
この光分離プリズムを使用した光通信システムの一例としては、同図に示すように、光ファイバ51が挿通固定されたフェルール61の端面61aに、光分離プリズム11の第四の外面31dを貼り付けると共に、光ファイバ51の光軸に対して光分離プリズム11の貼り合わせ面41が45度の角度で傾斜するように且つ第二の外面21bが光ファイバ51の光軸と直交するように配置することが行われる。そして、この光通信システムによる光伝送は、レーザーダイオード等の発光素子71から光分離プリズム11の第二の外面21bに向かって照射した光X1の所定波長成分を、その貼り合わせ面41を直進させながら透過させて光ファイバ51に入射させる一方で、光ファイバ51の先端から出射した光Y1の他の所定波長成分を、光分離プリズム11の貼り合わせ面41で直角に屈曲するように反射させて第三の外面31cを透過させた後に、フォトダイオード等の受光素子81により受光させるようになっている。なお、光分離プリズム11の屈折率は、SiO2ガラスからなる光ファイバ51の屈折率よりも通常高い。
しかしながら、このような構成の光分離プリズム11によれば、発光素子71から投光した光X1が、光分離プリズム11の第二の外面21bに直交するように照射されて反射することによる光の逆戻り現象を招くばかりでなく、特に、光分離プリズム11とフェルール61との貼り付け面(第四の外面)31dが、光ファイバ51の光軸と直交していることから、光ファイバ51の先端からの光が、当該貼り付け面31dで反射することにより逆行して戻り光y1となり、ノイズの原因になるという通信特性上の問題を招く。
特開2000−162413号公報 特開2000−180671号公報
このような問題に対処することを目的として、本発明者等は、図8に示すように、底面と向かい合う角部が鈍角α1とされた二個の三角柱状のプリズム構成体21、31を、底面同士を貼り合わせることにより断面が菱形または平行四辺形をなす光分離プリズム11を提案するに至った。そして、光ファイバ51が挿通固定されたフェルール61の先端を傾斜面61aとした上で、この光分離プリズム11を、貼り合わせ面41が光ファイバ51の光軸と45度の角度で傾斜するようにフェルール61の傾斜面61aに貼り付けるという構成を採用した。
このような構成によると、発光素子71からの光X1が、光分離プリズム11の第二の外面21bに傾斜状に照射されて反射光y2となるため、光の逆戻り現象が生じなくなるという利点が得られるばかりでなく、特に、光ファイバ51の先端からの光が、光分離プリズム11との貼り付け面31dで反射した場合には、傾斜状の反射光y1となるため、戻り光の問題が生じなくなるという利点が得られる。
しかしながら、このような断面が菱形または平行四辺形の光分離プリズム11によれば、発光素子71からの光X1が、光分離プリズム11の第二の外面21bで屈折して光ファイバ51の先端に至る屈折光X2となり、この屈折光X2は光ファイバ51の光軸と同一直線上を指向するものではないために所謂0度入射にはならず、その結果、結合効率が著しく低下して、光伝送に不当な損失が生じるという致命的な欠陥を招く。
本発明は、上記事情に鑑み、二個のプリズム構成体の底面同士を貼り合せてなる光分離プリズムの断面形状が正方形である場合における光ファイバの先端における戻り光の発生を抑止した上で、その断面形状が菱形または平行四辺形である場合における光ファイバへの光の傾斜入射及びこれに起因する結合効率の低下を抑止することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明は、基本形状が三角柱状をなし且つ屈折率が同一もしくは略同一の第一プリズム構成体及び第二プリズム構成体を、それぞれの底面同士を貼り合わせて固着することにより、第一プリズム構成体の底面と向かい合う角部を境界として隣接する第一の外面及び第二の外面と、第二プリズム構成体の底面と向かい合う角部を境界として隣接する第三の外面及び第四の外面とを有する四角柱状に形成され、第一の外面と第四の外面とが貼り合わせ面を境界として隣接するように且つ第二の外面と第三の外面とが貼り合わせ面を境界として隣接するように形成されると共に、前記貼り合わせ面で光が波長成分に応じて透過及び反射するように構成された光分離プリズムにおいて、前記第一プリズム構成体の底面と第一の外面とのなす角度が45度に形成され、前記第一プリズム構成体の底面と第二の外面とのなす角度が45度に形成され、前記第二プリズム構成体の底面と第三の外面とのなす角度が45度に形成され、前記第二プリズム構成体の第三の外面と第四の外面とのなす角度が90度超で且つ100度以下の鈍角に形成され、光ファイバが挿通固定されたフェルールの傾斜状端面に、前記第二プリズム構成体の第四の外面が貼り合わされて固着され、前記第一プリズム構成体の第二の外面が、前記光ファイバの光軸に直交するように配置されることに特徴づけられる。ここで、「基本形状が三角柱状をなすプリズム構成体」とは、プリズム構成体の形状が完全な三角柱状である場合のみならず、例えば後述するように、三角柱状のプリズム構成体の一または複数の角部に面取りを施すことにより厳密には多角形状となったプリズム構成体をも含む意味である。また、「屈折率が同一もしくは略同一」とは、第一プリズム構成体の屈折率と、第二プリズム構成体の屈折率とが、完全に同一である場合のみならず、多少相違していても以下に述べる作用効果が得られるように実質的に同一である場合をも含むことを意味する。更に、「貼り合わせ面で光が波長成分に応じて透過及び反射するように構成」するためには、二個のプリズム構成体の何れか一方の底面にフィルタ膜を形成すればよい。
このような構成によれば、第一プリズム構成体の第二の外面を、例えば、既述のレーザーダイオード等の発光素子からの光が直交するように照射され且つ光ファイバの光軸と直交するように配置される面とすると共に、第二プリズム構成体の第三の外面を、貼り合わせ面で反射した光ファイバからの光がフォトダイオード等の受光素子側に直交して抜け出る面とした上で、第二プリズム構成体における第四の外面を、光ファイバが挿入固定されたフェルールの傾斜状端面に貼り付けられる面とし、且つ、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面を、光ファイバの光軸と45度の傾斜角を持つ面とすることができる。なお、第一、第二プリズム構成体の屈折率は、光ファイバの屈折率よりも高くなっている。このようにすれば、光ファイバの光軸と光分離プリズムの第四の外面とが直交せずに傾斜した状態となるため、光ファイバの先端からの光は、光分離プリズムの第四の外面(フェルールの傾斜状端面との合わせ面)で傾斜状に反射し、光ファイバの光軸に沿って逆行する戻り光の発生が抑止される。そして、この光ファイバの先端からの光は、ノイズの発生を誘引することなく、光分離プリズム内を進行して、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面で所定波長成分が直角に屈曲するように反射した後、光分離プリズムの第三の外面を透過して、外部のフォトダイオード等の受光素子により受光される。また、発光素子からの光(その光軸)は、光分離プリズムの第二の外面と直交し且つ光ファイバの光軸と同一直線上に沿う方向を指向するために、光分離プリズムの第二の外面を透過してその内部に侵入する際には、光の屈折が生じないことになる。更に、発光素子からの光は、光分離プリズム内を進行して、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面を所定波長成分が透過するが、二個のプリズム構成体の屈折率が同一もしくは略同一であるため、その光は直進して、光ファイバの光軸と同一直線上に沿って所謂0度で光ファイバ(コア)に入射され、これにより結合効率の低下が適切に抑止されて、光伝送の損失が著しく減少する。以上の結果、戻り光が発生せず且つ結合効率の低下が抑止されてなる適正な特性を備えた光分離プリズムを得ることができる。
また、本発明は、既述のように、前記第一プリズム構成体の底面と第一の外面とのなす角度を45度に形成している
このようにすれば、第一プリズム構成体における底面の両側に存する角部が、何れも45度になって、断面が直角二等辺三角形の三角柱状を呈することになるため、製作作業の容易化が図られる。
また、本発明は、既述のように、前記第二プリズム構成体の第三の外面と第四の外面とのなす角度が90度超で且つ100度以下の鈍角に形成されている
このようにすれば、第二プリズム構成体が、光分離プリズムの構成部品として良好な品位を有することになる。すなわち、当該角度が100度を超える鈍角であると、光ファイバの先端から出射して貼り合わせ面で直角に屈曲するように反射した光の光路が、第二プリズム構成体の第四の外面の傾斜に倣って傾斜しているフェルールの端面により遮られ、フォトダイオード等の受光素子に受光させることができなくなるおそれがあるが、当該角度が100度以下の鈍角であれば、このような不具合は生じ難くなる。
この場合、前記第二プリズム構成体における第三の外面には、フィルタ膜が形成されていることが好ましい。
このようにすれば、光ファイバの先端からの光は、光分離プリズム内を進行して、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面で反射して直角に屈曲した後、第二プリズム構成体における第三の外面を透過する際に、フィルタ膜の作用により二回目の波長領域選択がなされ、その後、外部の受光素子により受光される。これにより、光ファイバの先端から光分離プリズムを通過して受光素子に至る光は、受光用途に的確に合致した波長領域となる。
また、前記第一プリズム構成体の第一の外面と第二の外面とには、反射防止膜が形成されていることが好ましい。
このようにすれば、発光素子から光分離プリズムの第二の外面に直交するように照射された光が反射して受光素子側に逆行するという事態が防止されると共に、発光素子からの光が光分離プリズム内の貼り合わせ面で反射した後に第一の外面で更に反射して受光素子側に向かうという事態を回避する必要がある場合にも対処可能となる。しかも、第一プリズム構成体の隣接する二つの外面に反射防止膜が形成されていることから、一度のバッチ処理で膜形成作業が完了すると共に、この第一プリズム構成体の上記二つの外面が相互に入れ代わった状態で第二プリズム構成体に貼り合わせられた場合であっても、上述の反射防止効果を適切に得ることができるため、貼り合わせ作業の簡略化を図ることが可能となる。
更に、前記二個のプリズム構成体におけるそれぞれの底面の両側に存する角部には、面取りを施すことが好ましい。
このようにすれば、第一、第二プリズム構成体の鋭角の角部にそれぞれ面取りが施されることになるので、角部が鋭利であることによる割れや欠けの発生を防止する上で有利となる。
また、前記二個のプリズム構成体の底面同士が紫外線硬化型接着剤または熱硬化型接着剤により固着されていることが好ましい。
このようにすれば、二個のプリズム構成体を貼り合わせて固着する作業を、簡単且つ効率良く行うことが可能になると共に、貼り合わせ面に存在する接着層の材質としても光学特性等において適切化が図られる。
更に、本発明は、既述のように、光ファイバが挿通固定されたフェルールの傾斜状端面に、前記第二プリズム構成体の第四の外面が貼り合わされて固着され、前記第一プリズム構成体の第二の外面が、前記光ファイバの光軸に直交するように配置される
このようにすれば、既に述べた光分離プリズムの構成に対する作用効果を十分且つ確実に得ることが可能となる。
更に、以上の構成を備えた光分離プリズムについて、前記第一プリズム構成体の第二の外面は、発光素子からの光が直交するように照射される面であると共に、前記第二プリズム構成体の第三の外面は、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面で反射した光ファイバからの光が受光素子側に直交して抜け出る面であり、且つ、前記貼り合わせ面は、光ファイバの光軸と45度の傾斜角を持つ面であることが好ましい。
このようにすれば、既に述べた光分離プリズムの構成に対する例示として記載した作用効果を更に十分且つ確実に得ることが可能となる。
なお、以上の構成を備えた光分離プリズムの製造方法としては、次に示すような方法を使用することが好ましい。すなわち、柱軸方向に長尺で且つ基本形状が三角柱状をなす第一、第二プリズム構成体に対応する二本の元プリズム構成体を製作する製作工程と、前記二本の元プリズム構成体における所要の面にフィルタ膜または反射防止膜を形成する成膜工程と、前記二本の元プリズム構成体の底面同士を接着剤により貼り合わせて四つの外面を有する元角柱プリズムを作製する貼着工程と、前記元角柱プリズムを柱軸方向の複数箇所で切断する切断工程とを有する製造方法である。
このような構成によれば、先ず、柱軸方向に長尺な二本の元プリズム構成体を製作すると共に、これらの所要の面にフィルタ膜または反射防止膜を成膜した後、これらの底面同士を貼り合わせて(貼着して)元角柱プリズムを作製し、然る後、元角柱プリズムを柱軸方向の複数箇所で切断することにより、複数個の光分離プリズムを得ることができる。これにより、光分離プリズムを一個ずつ個別の作業によって作製する場合と比較して、作業の簡単化や迅速化が図られ、効果的な量産化が実現することになる。特に、光分離プリズムが一辺の長さ2mm以下或いは数mmの小型である場合に、その効果が十分に発揮される。そして、このような方法によっても、戻り光が発生せず且つ結合効率の低下が抑止されてなる適正な特性を備えた光分離プリズムを得ることができる。
以上のように本発明によれば、第一プリズム構成体の第二の外面が、発光素子からの光が直交するように照射され且つ光ファイバの光軸と直交するように配置される面になり、第二プリズム構成体の第三の外面が、貼り合わせ面で反射した光ファイバからの光がフォトダイオード等の受光素子側に直交して抜け出る面となり、第二プリズム構成体の第四の外面が、光ファイバを挿入固定してなるフェルールの傾斜状端面に貼り合わせられる面になり、且つ、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面が、光ファイバの光軸と45度の傾斜角を持つ面になるようにすれば、光ファイバの先端からの光が逆行することによる戻り光及びこれに起因するノイズの発生が回避されると共に、発光素子からの光が屈折することなく光分離プリズムの第二の外面を透過して所謂0度で光ファイバに入射されるため、結合効率の低下が適切に抑止される。
以下、本発明の実施形態に係る光分離プリズムを図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る光分離プリズム1を示す単体斜視図であり、図2は、その光分離プリズム1を使用して構成された光通信システムの要部を示す概略側面図である。
図1及び図2に示すように、この光分離プリズム1は、三角柱状をなし且つ屈折率が同一もしくは略同一の第一プリズム構成体2及び第二プリズム構成体3を、それぞれの底面同士を貼り合わせて固着することにより、四つの外面2a、2b、3c、3dを有する四角柱状に形成されている。詳述すると、光分離プリズム1は、第一プリズム構成体2の底面と向かい合う角部2xを境界として隣接する第一の外面2a及び第二の外面2bと、第二プリズム構成体3の底面と向かい合う角部3yを境界として隣接する第三の外面3c及び第四の外面3dとを有する。そして、第一の外面2aと第四の外面3dとは、貼り合わせ面4を境界として隣接するように形成されると共に、第二の外面2bと第三の外面3cとは、貼り合わせ面4を境界として隣接するように形成され、且つ、貼り合わせ面4で光が波長成分に応じて透過及び反射するように構成されている。なお、この光分離プリズム1における第一プリズム構成体2及び第二プリズム構成体3の材質は、BK−7もしくはBK−7に相当するガラスである。
更に、この光分離プリズム1は、第一プリズム構成体2における底面(貼り合わせ面4)と向かい合う角部2xの角度が90度に形成されると共に、この第一プリズム構成体2における底面と第一の外面2aとのなす角度、及び底面と第二の外面2bとのなす角度が何れも45度に形成されている。また、第二プリズム構成体3における底面(貼り合わせ面4)と第三の外面3cとのなす角度が45度に形成され、且つ、この第二プリズム構成体3における第三の外面3cと第四の外面3dとのなす角度αが90度超で且つ100度以下の鈍角に形成されている。したがって、第二プリズム構成体3における底面と第四の外面3dとのなす角度βは45度未満で35度以上とされている。
また、この光分離プリズム1における二個のプリズム構成体2、3の何れか一方の底面には、所定波長領域の光を透過させるフィルタ膜が形成され、これにより両プリズム構成体2、3の貼り合わせ面4で波長成分に応じて光の透過と反射とが行われると共に、第二プリズム構成体3の第三の外面3cには、上記と異なる波長領域の光を透過させるフィルタ膜が形成されている。更に、第一プリズム構成体2の第一の外面2a及び第二の外面2bには、反射防止膜が形成されている。なお、二個のプリズム構成体2、3は、紫外線硬化型接着剤または熱硬化型接着剤により底面同士が固着されている。
そして、図2に示すように、この光分離プリズム1の第四の外面3dは、第一、第二プリズム構成体2、3よりも屈折率の低い光ファイバ5が挿通固定されたフェルール6の傾斜状端面6aに、紫外線硬化型接着剤または熱硬化型接着剤を用いて貼り付けられると共に、第二の外面2bは、レーザーダイオード等の発光素子7から投光された光Xが直交するように照射され、且つ光ファイバ5の光軸と直交するように配置される面とされている。また、二個のプリズム構成体2、3の貼り合わせ面4は、光ファイバ5の光軸及び発光素子7からの光Xに対して45度の角度で傾斜すると共に、第三の外面3cは、光ファイバ5から出射されて貼り合わせ面4で反射して直角に屈曲した光Yが直交して通過する面とされ、その光Yはフォトダイオード等の受光素子8により受光されるようになっている。
このような構成によれば、光ファイバ5の光軸と光分離プリズム1の第四の外面3dとが傾斜した状態となるため、光ファイバ5の先端からの光の一部は、第四の外面3dもしくはフェルール6の傾斜状端面6aとの合わせ面で傾斜状に反射する光yとなり、光ファイバ5の光軸上を逆行する戻り光が発生しなくなるため、ノイズを誘引するおそれが低減されて光伝送上の機能障害を除去することができる。また、発光素子7からの光X(その光軸)は、光分離プリズム1の第二の外面2bと直交し且つ光ファイバ5の光軸と同一直線上に沿う方向を指向していることから、この第二の外面2bを透過してその内部に侵入する際には、光の屈折が生じないことになる。更に、発光素子7からの光Xは、光分離プリズム1内を進行して、二個のプリズム構成体2、3の貼り合わせ面4を透過した後、光ファイバ5の光軸(コア)に対して所謂0度で入射されるため、結合効率の低下が適切に抑止されて、光伝送の損失が著しく減少する。
なお、光分離プリズム1の第三の外面3cには、反射防止膜が形成されていることから、発光素子7からの光Xが第三の外面3cに直交して照射されるにも拘わらず、その光Xが発光素子7に向かって逆行するという不具合が回避される。また、光分離プリズム1の第一の外面2aにも、反射防止膜が形成されていることから、発光素子7からからの光Xが光分離プリズム1の貼り合わせ面4で反射した後に更に第一の外面2aで反射して受光素子8側に向かうという不具合をも回避することができる。
次に、上記の構成とされた光分離プリズム1の製造方法を説明する。先ず、図3(a)に示すように、第一、第二プリズム構成体2、3とそれぞれ断面形状が同一の三角柱状をなし且つ柱軸方向に長尺な二本の元プリズム構成体2X、3Xを製作する。そして、これら二本の元プリズム構成体2X、3Xにおける何れか一方の底面に相当する面の全域と、第三の外面3cに相当する面の全域とにそれぞれフィルタ膜を形成すると共に、第一の外面2aと第二の外面2bとに相当する面の全域にそれぞれ反射防止膜を形成する。これらの膜の形成は、専用の成膜ジグに元プリズム構成体2X、3Xをそれぞれ複数本セットした状態で、スパッタもしくは蒸着により行なわれる。その後、同図(b)に示すように、二本の元プリズム構成体2X、3Xの底面同士を接着剤により貼り合わせて四つの外面を有する元角柱プリズム1Xを作製する。更にその後、同図(c)に示すように、元角柱プリズム1Xを柱軸方向の複数箇所で切断することにより、複数個の光分離プリズム1を得る。
図4は、本発明の第二実施形態に係る光分離プリズム1を例示している。この第二実施形態に係る光分離プリズム1が、上述の第一実施形態に係る光分離プリズム1と相違しているところは、第一プリズム構成体2における底面の両側、つまり底面と第一の外面2aとの角部及び底面と第二の外面2bとの角部に面取り2ax、2bxを施すと共に、第二プリズム構成体3における底面の両側、つまり底面と第三の外面3cとの角部及び底面と第四の外面3dとの角部に面取り3cx、3dxを施した点である。その他の構成は、上述の第一実施形態と同一であるので、両者に共通の構成要件については同一符号を付し、その説明を省略する。そして、この第二実施形態によれば、上述の第一実施形態と同様の作用効果が得られることに加えて、製作段階での取り扱い時などに両プリズム構成体2、3に鋭利な部分が存在することによる割れや欠けの発生等を有効に回避することができる。
図5は、本発明の第三実施形態に係る光分離プリズム1を例示している。この第三実施形態に係る光分離プリズム1が、上述の第一実施形態と相違しているところは、第一プリズム構成体2における底面と第二の外面2bとのなす角度が45度とされた上で、底面と向かい合う角部2xの角度が90度ではなく鋭角になっている点である。その他の構成は、上述の第一実施形態と同一であるので、両者に共通の構成要件については同一符号を付し、その説明を省略する。そして、この第三実施形態によれば、上述の第一実施形態と同様の作用効果が得られることに加えて、発光素子からの光が貼り合わせ面4で反射した後に更に第一の外面2aで反射した場合には、第三の外面3cを直交して通過せず、受光素子に向かわなくなるため、第一の外面2aに反射防止膜を形成することが不要になるという利点をも得ることができる。尚、この第三実施形態に係る光分離プリズム1についても、上述の第二実施形態の場合と同様に、面取りを施すようにしてもよい。
図6は、本発明の第四実施形態に係る光分離プリズム1を例示している。この第四実施形態に係る光分離プリズム1が、上述の第一実施形態と相違しているところは、第一プリズム構成体2における底面と第二の外面2bとのなす角度が45度とされた上で、底面と向かい合う角部2xの角度が90度ではなく鈍角になっている点である。その他の構成は、上述の第一実施形態と同一であるので、両者に共通の構成要件については同一符号を付し、その説明を省略する。そして、この第四実施形態によれば、上述の第一実施形態と同様の作用効果が得られることに加えて、上述の第三実施形態と同様に、発光素子からの光が貼り合わせ面4で反射した後に更に第一の外面2aで反射した場合には、第三の外面3cを直交して通過せず、受光素子に向かわなくなるため、第一の外面2aに反射防止膜を形成することが不要になるという利点をも得ることができる。尚、この第四実施形態に係る光分離プリズム1についても、上述の第二実施形態の場合と同様に、面取りを施すようにしてもよい。
本発明の第一実施形態に係る光分離プリズムを示す単体斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る光分離プリズムを使用して構成された光通信システムの要部を示す概略側面図である。 図3(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明の第一実施形態に係る光分離プリズムの製造手順を示す概略斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る光分離プリズムを示す単体斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る光分離プリズムを使用して構成された光通信システムの要部を示す概略側面図である。 本発明の第四実施形態に係る光分離プリズムを使用して構成された光通信システムの要部を示す概略側面図である。 従来の光分離プリズムを使用して構成された光通信システムの要部を示す概略側面図である。 本発明者等が試作した光分離プリズムを使用して構成された光通信システムの要部を示す概略側面図である。
符号の説明
1 光分離プリズム
2 第一プリズム構成体
2a 第一の外面
2ax 面取り
2b 第二の外面
2bx 面取り
3 第二プリズム構成体
3c 第三の外面
3cx 面取り
3d 第四の外面
3dx 面取り
4 貼り合わせ面(底面)
5 光ファイバ
6 フェルール
6a フェルールの傾斜状端面
7 発光素子
8 受光素子
X 発光素子からの光
Y 光ファイバからの光
y 戻り光

Claims (6)

  1. 基本形状が三角柱状をなし且つ屈折率が同一もしくは略同一の第一プリズム構成体及び第二プリズム構成体を、それぞれの底面同士を貼り合わせて固着することにより、第一プリズム構成体の底面と向かい合う角部を境界として隣接する第一の外面及び第二の外面と、第二プリズム構成体の底面と向かい合う角部を境界として隣接する第三の外面及び第四の外面とを有する四角柱状に形成され、第一の外面と第四の外面とが貼り合わせ面を境界として隣接するように且つ第二の外面と第三の外面とが貼り合わせ面を境界として隣接するように形成されると共に、前記貼り合わせ面で光が波長成分に応じて透過及び反射するように構成された光分離プリズムにおいて、
    前記第一プリズム構成体の底面と第一の外面とのなす角度が45度に形成され、
    前記第一プリズム構成体の底面と第二の外面とのなす角度が45度に形成され
    前記第二プリズム構成体の底面と第三の外面とのなす角度が45度に形成され、
    前記第二プリズム構成体の第三の外面と第四の外面とのなす角度が90度超で且つ100度以下の鈍角に形成され
    光ファイバが挿通固定されたフェルールの傾斜状端面に、前記第二プリズム構成体の第四の外面が貼り合わされて固着され、前記第一プリズム構成体の第二の外面が、前記光ファイバの光軸に直交するように配置されることを特徴とする光分離プリズム。
  2. 前記第二プリズム構成体の第三の外面にフィルタ膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光分離プリズム。
  3. 前記第一プリズム構成体の第一の外面と第二の外面とに反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光分離プリズム。
  4. 前記二個のプリズム構成体におけるそれぞれの底面の両側に存する角部に、面取りを施したことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の光分離プリズム。
  5. 前記二個のプリズム構成体の底面同士が紫外線硬化型接着剤または熱硬化型接着剤により固着されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の光分離プリズム。
  6. 前記第一プリズム構成体の第二の外面は、発光素子からの光が直交するように照射される面であると共に、前記第二プリズム構成体の第三の外面は、二個のプリズム構成体の貼り合わせ面で反射した光ファイバからの光が受光素子側に直交して抜け出る面であり、且つ、前記貼り合わせ面は、光ファイバの光軸と45度の傾斜角を持つ面であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の光分離プリズム。
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