JP2018036635A - 光部品、ファイバアレイモジュール及び受光モジュール並びに光部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示は、ファイバアレイから射出されたビームをレンズアレイでコリメートして送受信するモジュールにおいて、隣接する光学系の間でのクロストークを低下させることを目的とする。【解決手段】本開示は、予め定められた波長の光(例えば、光通信に用いられる赤外波長の光)を吸収する組成を有し、直線状の複数の貫通孔71が所定平面PC内に所定間隔dhで平行に形成され、複数の貫通孔71の長手方向は、複数の貫通孔71の一端71Aが配置されている面に対して傾斜していることを特徴とする光部品及びこれを備えるファイバアレイモジュール及び受光モジュールである。【選択図】図2
Description
本開示は、光部品及びこれを備えるファイバアレイモジュール及び受光モジュールに関する。
WDM伝送用の受光モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の受光モジュールは、ファイバアレイから射出されたビームをレンズアレイでコリメートし、伝送路中の光をモニタするため、ビームの一部をフォトダイオードアレイで受光する。また、特許文献1の受光モジュールは、レンズアレイでコリメートされたビームの大部分をビームスプリッタバーでレンズアレイに反射し、光ファイバアレイへ戻す。
特許文献1のビームスプリッタバーは、所定の反射率を持ち、反射光と透過光に分岐し、透過光をフォトダイオードアレイに導く。
受光モジュールや送信モジュールなどのWDM伝送用の各種モジュールにおいては、小型化、集積化が求められている。モジュールを小型化及び集積化しようとすると、隣接する光学系の間でクロストークが生じやすくなる。一方で、アレイ化された各チャンネルに要求される伝送容量はますます増加するため、高いS/N比を確保するためにも隣接する光学系の間でのクロストークは避けなければならない。
そこで、本開示は、ファイバアレイから射出されたビームをレンズアレイでコリメートして送受信するモジュールにおいて、隣接する光学系の間でのクロストークを低下させることを目的とする。
本開示に係る光部品は、
長手方向の中心軸が予め定められた所定平面内に並列に配置され、前記長手方向の一端から他端へ光を導波する複数の透明体と、
前記透明体の側面を覆うことによって前記複数の透明体を保持し、前記一端から入射された入射光が前記透明体の前記側面から漏洩した漏洩光を吸収する吸収体と、
を備える。
長手方向の中心軸が予め定められた所定平面内に並列に配置され、前記長手方向の一端から他端へ光を導波する複数の透明体と、
前記透明体の側面を覆うことによって前記複数の透明体を保持し、前記一端から入射された入射光が前記透明体の前記側面から漏洩した漏洩光を吸収する吸収体と、
を備える。
本開示に係るファイバアレイモジュールは、
本開示に係る光部品と、
1つの前記貫通孔に対して2本の光ファイバを有し、各光ファイバの長手方向の中心軸が前記所定平面内に並列に配置されているファイバアレイと、
前記2本の光ファイバごとに1つのレンズを有し、各々の前記レンズが前記2本の光ファイバからの光を前記レンズごとに定められた反射面の一点に集光する第1レンズアレイと、
各々の前記レンズの前記反射面を形成し、前記レンズアレイを透過した透過光の一部を透過し、前記透過光の一部を反射する反射部と、
前記複数の貫通孔の前記他端から出射された各光を前記貫通孔ごとに定められた点に集光する第2レンズアレイと、
を備える。
ここで、前記貫通孔にマルチモードGI(Graded Index)ファイバを配置し、前記第2レンズアレイを省略してもよい。この場合、前記光部品は、マルチモードGIファイバで定められた集光点に集光する。
本開示に係る光部品と、
1つの前記貫通孔に対して2本の光ファイバを有し、各光ファイバの長手方向の中心軸が前記所定平面内に並列に配置されているファイバアレイと、
前記2本の光ファイバごとに1つのレンズを有し、各々の前記レンズが前記2本の光ファイバからの光を前記レンズごとに定められた反射面の一点に集光する第1レンズアレイと、
各々の前記レンズの前記反射面を形成し、前記レンズアレイを透過した透過光の一部を透過し、前記透過光の一部を反射する反射部と、
前記複数の貫通孔の前記他端から出射された各光を前記貫通孔ごとに定められた点に集光する第2レンズアレイと、
を備える。
ここで、前記貫通孔にマルチモードGI(Graded Index)ファイバを配置し、前記第2レンズアレイを省略してもよい。この場合、前記光部品は、マルチモードGIファイバで定められた集光点に集光する。
本開示の受光モジュールは、本開示に係るファイバアレイモジュールと、受光素子アレイと、を備える。
本開示に係る光部品の製造方法は、
赤外光を吸収する組成を有する平板状の第1の部材の平坦面に、直線状の複数の溝を所定間隔で平行に形成する工程と、
前記複数の溝を覆う前記第1の部材と同じ組成を有する平板状の第2の部材を、前記平坦面上に塗布した紫外線硬化性樹脂を用いて固着する工程と、
前記第2の部材が固着された前記第1の部材を、前記複数の溝を横断するように切断して光部品を切り出す工程と、
を順に有する。
赤外光を吸収する組成を有する平板状の第1の部材の平坦面に、直線状の複数の溝を所定間隔で平行に形成する工程と、
前記複数の溝を覆う前記第1の部材と同じ組成を有する平板状の第2の部材を、前記平坦面上に塗布した紫外線硬化性樹脂を用いて固着する工程と、
前記第2の部材が固着された前記第1の部材を、前記複数の溝を横断するように切断して光部品を切り出す工程と、
を順に有する。
なお、上記各開示は、可能な限り組み合わせることができる。
本開示によれば、ファイバアレイから射出されたビームをレンズアレイでコリメートして送受信するモジュールにおいて、隣接する光学系の間でのクロストークを低下させることができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
まず、本開示の特徴であり、基礎となる光部品の材料について述べる。本開示では、材料として、赤外線吸収ガラスと呼ばれているものを用いる。本開示に係る赤外線吸収ガラスは、光通信に用いられる赤外波長を吸収する。光通信に用いられる赤外波長としては、例えば、1260nm〜1625nmが例示できる。
図1は、Schott社製品赤外線吸収ガラス、品名KG−15の分光透過率曲線である(厚さ3mm)。同様の特性を示すものとして、五鈴精工ガラス製、ISK167、HOYA製、HA15も同様の特性である。
図1に明らかなように、900nm以上の波長で高い吸収性を示す。光通信波長帯では、100%光は吸収される。この赤外吸収特性は、本開示の着眼点の一つであるが、もう一つ重要で有用な特性が観られる。それは、紫外域にわたる可視光領域で透明なことである。そのため、部材として使用したときに、UV硬化樹脂が使えることである。このことより、ファイバアレイのV溝板及び上板として用いれば、材質的には同じ酸化物ガラスであり、従来とほぼ同様の工程で作製できる。熱膨張係数も従来の良く使用されている材料であるテンパックスガラスの3.3×10−6/kに対して、赤外線吸収ガラスのそれは、5.4×10−6/kであり、極めて近い値であることもこの材料を適用しやすくしている。
次に、材料の成分について述べる。本開示において挙げたガラスは、材料の視点からは、リン酸塩ガラスと呼ばれるものである。そのガラス成分および組成は、P2O565wt%〜75wt%、Al2O35wt%〜15wet%、B2O35wt%〜10wt%に、アルカリ土類酸化物と、吸収特性の主因である鉄、コバルト、ニッケルイオンをもたらす微量のこれらの酸化物から成る。
(第1の実施形態)
図2に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品に相当する遮光板7は、光通信に用いられる赤外波長の光を吸収する組成を有し、直線状の複数の貫通孔71が所定の平面PC内に所定間隔dhで平行に形成されている。これにより、遮光板7が、間隔dhのアレイ光を複数の貫通孔71に通過させ、貫通孔71の内壁面に入射する散乱光を吸収する。貫通孔71の内壁面に入射する光はクロストークの原因となる散乱光であるため、本実施形態に係る遮光板7は、クロストークの原因となる散乱光を除去することができる。
図2に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品に相当する遮光板7は、光通信に用いられる赤外波長の光を吸収する組成を有し、直線状の複数の貫通孔71が所定の平面PC内に所定間隔dhで平行に形成されている。これにより、遮光板7が、間隔dhのアレイ光を複数の貫通孔71に通過させ、貫通孔71の内壁面に入射する散乱光を吸収する。貫通孔71の内壁面に入射する光はクロストークの原因となる散乱光であるため、本実施形態に係る遮光板7は、クロストークの原因となる散乱光を除去することができる。
ここで、複数の貫通孔71の長手方向は、複数の貫通孔71の一端71Aが配置されている面の法線に対し、角度φで傾斜していることが好ましい。角度φは、後述するレンズアレイを透過した透過光の部分透過膜4における反射角であるとともに、透過光の出射角である。
次に、図3及び図4を参照しながら、本実施形態の製造方法について述べる。本実施形態の製造方法は、溝形成工程と、固着行程と、分離工程と、を順に有する。
溝形成工程では、第1の部材として機能する溝板72を用意する。溝板72は、赤外光を吸収する組成を有する平板上のものであり、例えば、厚さ1.15mmの赤外線吸収ガラス板である。溝板72は通常よく使用されるボロシリケートガラスと何ら変わりない工程を適用できる部材が好ましい。
溝形成工程では、第1の部材として機能する溝板72を用意する。溝板72は、赤外光を吸収する組成を有する平板上のものであり、例えば、厚さ1.15mmの赤外線吸収ガラス板である。溝板72は通常よく使用されるボロシリケートガラスと何ら変わりない工程を適用できる部材が好ましい。
溝形成工程では、溝板72の平坦面72bに、直線状の複数の溝72aを所定間隔dhで平行に形成する。所定間隔dhは、例えば、500μmピッチである。溝72aの形成は、例えば、±20μm程度の寸法精度で加工の可能なガラス加工ダイシングが例示できる。この場合、溝板72を加工台にワックス固定して、刃厚み300μm、粗さ800番のSiCブレードで幅×深さ該300μm×300μmの溝72aを500μmピッチで形成する。
固着行程では、平坦面72b上に紫外線硬化樹脂であるUV接着剤76を塗布し、その上部に上板73を載せ、溝板72と上板73をUV接着剤76で硬化固定する。これにより、直線状の複数の貫通孔71が所定平面PC内に所定間隔dhで平行に形成される。ここで、上板73は、例えば、厚さ0.85mmの平板である。上板73は、光通信に用いられる赤外波長の光を吸収する組成を有し、溝板72と同じ組成を持つことが好ましい。
分離工程では、図4に示すように、上板73が固着された溝板72を、複数の溝すなわち貫通孔71を横断するように切断して遮光板7を切り出す。このとき、貫通孔71の一端71Aが配置されている面の法線に対し、貫通孔71の長手方向が角度φで傾斜するように、各遮光板7を切り出す。これにより、本実施形態に係る製造方法は、溝板72と上板73の部材を、複数の溝72aを横断するように切断することで、図2上図のような300μm角の貫通孔71が500μmピッチで並んだ外形厚み2mmの遮光板7を作製することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光部品は、間隔dhのアレイ光を複数の貫通孔71に通過させ、クロストークの原因となる散乱光を除去することができる。このため、後述するファイバアレイ1から射出されたビームをレンズアレイ2でコリメートして送受信するモジュールにおいて、隣接する光学系の間でのクロストークを低下させることができる。
(第2の実施形態)
図5に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品に相当する遮光板7は、貫通孔71に透明ガラスロッド74が配置されている。透明ガラスロッド74は、光通信に用いられる赤外波長を透過する透明体である。
図5に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品に相当する遮光板7は、貫通孔71に透明ガラスロッド74が配置されている。透明ガラスロッド74は、光通信に用いられる赤外波長を透過する透明体である。
貫通孔71が中空状態である場合、貫通孔71の中に塵埃が入り込む可能性がある。本実施形態では、貫通孔71を透明ガラスロッド74で埋めることで、貫通孔71への塵埃混入のおそれを無くすことができる。透明ガラスロッド74としては、第1の実施形態で述べた300μm角の矩形の貫通孔71の場合には、300μmφのダミーファイバ(コア無し)等を使用すればよい。
図6に、本実施形態の製造方法の一例を示す。本実施形態では、固着工程において、図6に示すように、UV接着剤76を溝72aに塗布した後、溝72aに透明ガラスロッド74を配置し、その上から溝72aがUV接着剤76で満たされるようにUV接着剤76をさらに塗布する。その後、上板73を載せ、溝板72と上板73をUV接着剤76で硬化固定する。分離工程及びその他の製造工程については、第1の実施形態と同様である。
本実施形態に係る光部品は、間隔dhのアレイ光を複数の透明ガラスロッド74に通過させ、クロストークの原因となる散乱光を除去することができる。このため、後述するファイバアレイ1から射出されたビームをレンズアレイ2でコリメートして送受信するモジュールにおいて、隣接する光学系の間でのクロストークを低下させることができる。また、貫通孔71を透明ガラスロッド74で埋めることで、貫通孔71への塵埃混入を防ぐことができる。
(第3の実施形態)
図7に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品に相当する遮光板7は、貫通孔71に埋め込み光ファイバ75が配置されている。本実施形態では、貫通孔71を埋め込み光ファイバ75で埋めることで、吸収材で挟まれたマイクロレンズアレイが構成できる。これをアレイ型素子に適用すれば、光の伝搬中にクロストークの原因となる散乱光を吸収することが可能であり、クロストークの抑制に有効である。
図7に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品に相当する遮光板7は、貫通孔71に埋め込み光ファイバ75が配置されている。本実施形態では、貫通孔71を埋め込み光ファイバ75で埋めることで、吸収材で挟まれたマイクロレンズアレイが構成できる。これをアレイ型素子に適用すれば、光の伝搬中にクロストークの原因となる散乱光を吸収することが可能であり、クロストークの抑制に有効である。
本実施形態に用いる埋め込み光ファイバ75としては、グレーデットインデックスファイバ(以下GIファイバ)が有用である。このとき、埋め込み光ファイバ75の蛇行ピッチLpは、
(数1)
Lp=πDn/NA (1)
であらわされる。ここで、Dは埋め込み光ファイバ75のコア径、nはコア中心屈折率、NAは埋め込み光ファイバ75の開口数である。
(数1)
Lp=πDn/NA (1)
であらわされる。ここで、Dは埋め込み光ファイバ75のコア径、nはコア中心屈折率、NAは埋め込み光ファイバ75の開口数である。
例えば、市販の62.5GIファイバを用いる場合、コア径Dは62.5μm、コア中心屈折率nは該1.45、NAは0.28であるから、蛇行ピッチLpは1016μmとなり、これの1/4の長さ以下が屈折率分布型レンズとして機能することになる。焦点距離は長さで調整でき、ファイバ長さが短いほど、焦点距離は長くなる。
図4及び図8に本実施形態の製造方法の一例を示す。本実施形態では、溝形成工程において、図8に示すように溝板72の平坦面72bに、複数のV溝である溝72aを所定間隔dhで平行に形成する。溝72aの形成は、例えば、±1μm程度以下の寸法精度で加工の可能な60度V溝スライサーもしくはダイシングソーが例示できる。
その際溝72aの幅Wは、埋め込み光ファイバ75の溝板72からの背出し量をd7として
(数2)
W=2(R√3−d7/√3) (2)
となるようにすればよい。
(数2)
W=2(R√3−d7/√3) (2)
となるようにすればよい。
固着工程において、溝72aに埋め込み光ファイバ75を配置し、その上から上板73をかぶせて治具で固定し、端部から表面張力でUV接着剤を吸い込ませて塗布する。その後、溝板72と上板73をUV接着剤76で硬化固定する。
分離工程において、図4に示すように、上板73が固着された溝板72を所定の長さL7に切り出す。これにより、赤外線吸収ガラスで保持されたファイバアレイを作製することができる。このとき、所定の長さL7は埋め込み光ファイバ75の蛇行ピッチLp以下であることが好ましい。例えば、62.5GIファイバを埋め込み光ファイバ75として用いた場合は、所定の長さL7を62.5GIファイバの蛇行ピッチLpの1016μm以下として切り出すことが好ましい。
実施形態1及び2と同様に、本実施形態に係る光部品は、間隔dhのアレイ光を複数の埋め込み光ファイバ75に通過させ、クロストークの原因となる散乱光を除去することができる。このため、ファイバアレイから射出されたビームをレンズアレイでコリメートして送受信するモジュールにおいて、隣接する光学系の間でのクロストークを低下させることができる。
(第4の実施形態)
図9に、本実施形態に係るファイバアレイモジュールの一例を示す。図9に示すファイバアレイモジュールは、ファイバアレイ1と、レンズアレイ2と、部分透過膜4と、第1の実施形態〜第2の実施形態で説明した遮光板7と、レンズアレイ9と、を備える。レンズアレイ2は第1レンズアレイとして機能し、レンズアレイ9は第2レンズアレイとして機能する。
図9に、本実施形態に係るファイバアレイモジュールの一例を示す。図9に示すファイバアレイモジュールは、ファイバアレイ1と、レンズアレイ2と、部分透過膜4と、第1の実施形態〜第2の実施形態で説明した遮光板7と、レンズアレイ9と、を備える。レンズアレイ2は第1レンズアレイとして機能し、レンズアレイ9は第2レンズアレイとして機能する。
図10に、本実施形態に係る受光モジュールの一例を示す。図10に示す受光モジュールは、図9に示すファイバアレイモジュールと、受光素子アレイ8と、を備える。
本実施形態の適用領域は、例えば、波長1.55μm帯光通信システムである。同モジュールは、図の左側から、ファイバアレイ1、レンズアレイ2、部分透過膜4、本開示による遮光板7、レンズアレイ9、および受光素子アレイ8を備える。図10に示す受光モジュールは、4アレイ光タップモニタモジュールとして用いることができる。
図9及び図10に示したファイバ間隔dfをはじめとする諸パラメータは、ファイバアレイ間隔df:250μm、レンズアレイ2、9のガラス屈折率:1.501、反射角φ:5度、等である。
まずモジュールの動作、機能について説明する。ファイバアレイ1は、1つの貫通孔71に対して2本の光ファイバ11A及び11Bを有し、各光ファイバ11A及び11Bの長手方向の中心軸が所定平面PC内に並列に配置されている。レンズアレイ2は、2本の光ファイバ11A及び11Bごとに1つのレンズを有し、各々のレンズが2本の光ファイバ11A及び11Bからの光をレンズごとに定められた部分透過膜4の反射面の一部に集光する。部分透過膜4は、各々のレンズの反射面を形成し、レンズアレイ2に入射した入射光の一部を透過し、残る大部分を反射する。
第1の光ファイバ11Aからレンズアレイ2に入射した光線は、その95%が部分透過膜4で反射角φ(5度)で反射して第2の光ファイバ11Bに入射し、入射光強度の5%をタップされて本線に戻る。5%強度のタップ光は、後段はレンズと同じ屈折率のガラスロッドになっており、上記反射角φと同じ出射角φ(5度)で出射していく。部分透過膜4の後段には、タップ光同士の混合によるクロストーク低下を防止するため、前述した図5、図6に示すような透明ガラスロッド74が埋め込まれたタイプの遮光板7が設置されている。
遮光板7は第1レンズ゛アレイ2と外形を合わせた寸法になっており、タップ光の光路に対応して配置されたアレイ状の透明ガラスロッド74を持つ。遮光板7では、部分透過膜4を透過したアレイ光は、透明ガラスロッド74が埋設された複数の貫通孔71の一端71Aに入射し、透明ガラスロッド74中を伝搬して複数の貫通孔71の他端71Bから出射する。
遮光板7の後段には、第1レンズ゛アレイ2と同じものであるレンズアレイ9がレンズアレイ2とは向きを逆にして設置されている。レンズアレイ9は、複数の貫通孔71の他端71Bから射出された各光を貫通孔71ごとに定められた点に集光する。この点に、光機能素子を設置すればよい。レンズアレイ9は、後段の受光素子アレイ8の受光面に貫通孔71中に埋設された透明ガラスロッド74を伝搬してきて回折効果で広がったタップ光ビームを受光素子81の受光面に集光させることができる。受光素子アレイ8に備わる各受光素子81は、レンズアレイ9で集光された各光を受光する。
以下に上記の各構成要素について述べる。
ファイバアレイ1:ファイバアレイ1は、250μm間隔8アレイの波長1.3/1.55μmシングルモードテープファイバをファイバ部材として用いた。これをテンパックスガラスで1mm厚の60度のV溝を有する溝板72に整列させて1mm厚の上蓋をかぶせ、UV接着剤で固定、端面研磨して接続用ファイバアレイ1を作製した。アレイ間隔は用いたテープファイバと同じ250μmである。ファイバ光軸は図9及び図10にてz方向であり、他素子との接続端面は、x軸に平行で、端面反射による戻り光を低減させるため、y軸方向とは8度斜めになるように設定されている。なお、光ファイバ光軸に対するコア端面の角度は、8度に限定されるものではない。8度斜め端面表面は波長1.55μmにたいするARコートが施されている。全幅は4mmである。
ファイバアレイ1:ファイバアレイ1は、250μm間隔8アレイの波長1.3/1.55μmシングルモードテープファイバをファイバ部材として用いた。これをテンパックスガラスで1mm厚の60度のV溝を有する溝板72に整列させて1mm厚の上蓋をかぶせ、UV接着剤で固定、端面研磨して接続用ファイバアレイ1を作製した。アレイ間隔は用いたテープファイバと同じ250μmである。ファイバ光軸は図9及び図10にてz方向であり、他素子との接続端面は、x軸に平行で、端面反射による戻り光を低減させるため、y軸方向とは8度斜めになるように設定されている。なお、光ファイバ光軸に対するコア端面の角度は、8度に限定されるものではない。8度斜め端面表面は波長1.55μmにたいするARコートが施されている。全幅は4mmである。
レンズアレイ2:屈折率は波長1.55μmで1.501のボロシリケート系ガラスから成っており、厚み1358μm(z方向)の平板状ガラス上面、4000×2000μm(x×y)の中央部にアレイ間隔500μmで非球面の凸面23が形成されている。隣接凸面23の間は1μmの平坦部が設けられており、平坦部からの凸量であるサグ量は、69μmである。
レンズアレイ2のx方向両端部には、レンズモールド加工時に一体で成形されたスペーサ22が設置されている。スペーサ22は台形の凸部であり、その表面はファイバアレイ1の8度斜め端面に合わせた角度となっており、その面積は例えば片側該1×1.5mm(x×y)である。スペーサ22の高さは光軸位置で所定の凸側焦点距離(ここでは947.3μm)になるように設定されていることが好ましい。
ここで、図15を参照しながら、スペーサ22の角度について説明する。光ファイバ11の光軸でもあるz軸に対する光ファイバ11のコア端面の法線Lnの角度をθ1、光ファイバ11のコア端面から空気層3に出射する光の中心光のコア端面法線Lnに対する角度をθ2とした場合、角度θ1と角度θ2は、スネルの法則より、以下の関係を満たす。
(数51)
θ2=sin−1(sin(θ1)nf/nv) (51)
(数51)
θ2=sin−1(sin(θ1)nf/nv) (51)
ここでnfは光ファイバ11の伝搬光の透過屈折率である。このため、nfが1.445、空気層3の屈折率nvが1であり、角度θ1が8度に設定されている場合、角度θ2は11.6度となる。光ファイバとレンズ系間の光結合が最も高い効率となるのは、光ファイバ11からの出射光がレンズ面と垂直になる場合である。この場合、図15に明らかなように、スペーサ22のレンズ側平坦面22Bとファイバアレイ側の斜め端面22Aの角度、すなわちスペーサ22の傾斜角度もまたθ2に等しく11.6度となる。見方を変えれば、スペーサ22の角度θ2は、光ファイバ11の端面の角度θ1(8度)に加え、空気層3での光ファイバ光軸(z軸)からの屈折角度(3.6度)を合算した角度となる。
レンズアレイ2の平坦面21には、入射角φを5度に設定した部分透過膜4が付着されている。その反射/透過割合は、95%/5%であることが好ましく、その材質としては、例えば、イオンビームアシスト蒸着法によるSiO2−TiO2多層膜が例示できる。
遮光板7:遮光板7は、外形4000×2000×1000μmの方形の赤外線吸収ガラスから成っている。その中央部には、図9及び図10に示すように、タップ光の光路に合わせて、xz面に平行で、z軸方向と反射角φと同じ5度の角度をなす300μm角の貫通孔71があけられていて、そこに該300μm径のレンズアレイと同じガラスから成る透明ガラスロッド74が埋め込まれている。x方向アレイピッチはレンズアレイ2と同じ500μmである。タップ光のビーム径が230μmである場合、遮光板7の貫通孔71の壁に接触することなく伝搬するが、前段のレンズアレイ2や部分透過膜4での反射透過で発生した構造不整による乱反射成分は、この遮光板7で阻止されて、受光素子アレイ8に達してクロストークになるのを防止する。
レンズアレイ9:ここでは、レンズアレイ9はレンズアレイ2と同じものを使用している。通常、受光素子81の受光面はパッケージ表面から1mm程度離れているため、レンズアレイ9と受光素子アレイ8の間に焦点距離調整樹脂91を挿入してレンズアレイ2より長焦点化し、受光素子アレイ8中の受光素子81の受光面内に集光されるようにしている。レンズアレイ9がレンズアレイ2と向きが反対であるのは、焦点距離調整樹脂91でレンズアレイ9と受光素子アレイ8の間を満たすためである。
受光素子アレイ8:受光素子81は、例えば、受光径80μm、500μmピッチ4アレイのInGaAsホトダイオードアレイである。ダイオードアレイは封止されており、パケージ表面から受光素子81の受光部までの距離は該1mmである。図10に示す側面図から判るように、受光素子アレイ8は、z軸方向である光軸より傾けてレンズアレイ9に接続されている。
図9及び図10の側面図に示すように、ファイバアレイ1から受光素子アレイ8まで接続界面は全て斜めに保たれており、反射戻り光を防ぐ構造となっている。
組み立て工程:工程は3工程から成る。
第1の工程は、ファイバアレイ1とレンズアレイ2との接続である。これは、光ファイバ導波路接続装置にて、ファイバアレイ1の両端である光ファイバ11A−1及び光ファイバ11A−4から調芯光を入射し、光ファイバ11B−1、光ファイバ11B−4からの光をモニタしながら2軸調芯固定するという通常のファイバ導波路接続と同様の工程で接続した。接続箇所はスペーサ22とファイバアレイ1間である。
第2の工程は、遮光板7、レンズアレイ9、および受光素子アレイ8の接続である。これらの接続は、顕微鏡下に受光素子アレイ8、レンズアレイ9、遮光板7の順に置き、遮光板7の貫通孔71から受光素子81の受光面が見えるように、ビジュアルアラインメント法で調芯し、接着剤固定する。
第3の工程は、ファイバアレイ1の付いたレンズアレイ2と受光素子アレイ8とレンズアレイ9の付いた遮光板7とを、光ファイバ11A−1と、光ファイバ11A−4に調芯光を入射させ、受光素子アレイ8の出力をモニタしながら接続固定する。
第1の工程は、ファイバアレイ1とレンズアレイ2との接続である。これは、光ファイバ導波路接続装置にて、ファイバアレイ1の両端である光ファイバ11A−1及び光ファイバ11A−4から調芯光を入射し、光ファイバ11B−1、光ファイバ11B−4からの光をモニタしながら2軸調芯固定するという通常のファイバ導波路接続と同様の工程で接続した。接続箇所はスペーサ22とファイバアレイ1間である。
第2の工程は、遮光板7、レンズアレイ9、および受光素子アレイ8の接続である。これらの接続は、顕微鏡下に受光素子アレイ8、レンズアレイ9、遮光板7の順に置き、遮光板7の貫通孔71から受光素子81の受光面が見えるように、ビジュアルアラインメント法で調芯し、接着剤固定する。
第3の工程は、ファイバアレイ1の付いたレンズアレイ2と受光素子アレイ8とレンズアレイ9の付いた遮光板7とを、光ファイバ11A−1と、光ファイバ11A−4に調芯光を入射させ、受光素子アレイ8の出力をモニタしながら接続固定する。
特性:作製した4chタップモニタモジュールの波長1.55μmでの特性は、挿入損失0.4〜0.5dB、反射減衰量46dB以上、受光感度50〜60mA/Wであった。隣接クロストークも45dB以上であった。
図16に、本実施形態に係るファイバアレイモジュールの別形態を示す。図16に示すファイバアレイモジュールは、ファイバアレイ1の端面にAR板101が貼り付けられており、また図9に示す遮光板7及びレンズアレイ9に代えて、第3の実施形態で説明した遮光板7を備える。
AR板101は、光ファイバの等価屈折率にほぼ等しい屈折率の透明薄板の片側にAR膜を付着せしめたものである。ファイバアレイ1の端面に直接AR膜を形成することが困難な場合に、ファイバアレイ1の端面に、AR板101のAR膜の形成されていない面を接着面として両者と屈折率のほぼ等しい透明接着剤で貼り付けて用い、直接的ARコートと同等の効果を得るものである。
図17に、本実施形態に係る受光モジュールの別形態を示す。図17に示す受光モジュールは、図16に示すファイバアレイモジュールと、受光素子アレイ8と、を備える。受光素子アレイ8に備わる各受光素子81は、遮光部品7で集光された各光を受光する。
遮光部品7は、埋め込み光ファイバとして複数のGIファイバ174−1〜174−4を有する。遮光部品7はレンズアレイ2と外形を合わせた寸法になっており、その中央部にタップ光路に合わせてGIファイバ174−1〜174−4が配置されている。GIファイバ174は、2枚のV溝板で挟持することによって固定されていることが好ましい。部分透過膜41から透過された各々の平行光が異なるGIファイバ174−1〜174−4の一端に入射される。そして、GIファイバ174−1〜174−4の他端から出射する各光をGIファイバ174−1〜174−4ごとに定められた点P9−1〜9−4に集光する。この点に、受光素子81の受光面が配置される。
GIファイバ174−1〜174−4の長さ及び屈折率分布は任意である。例えば、図16及び図17に示すように、部分透過膜4から等しい距離に受光素子81が配置される場合、屈折率分布及び長さの等しいGIファイバ174−1〜174−4を用いる。また、GIファイバ174−1〜174−4の長さによっては、レンズ厚が厚い方が近くに焦点を結び、レンズ厚が薄い方が遠くに焦点を結ぶ。このため、図18に示すようにGIファイバ174−1〜174−4の長さを変えることにより、部分透過膜4から点P9−1〜9−4までの距離を変え、受光素子81の間隔dpを調整することができる。なお、GIファイバ174−1〜174−4の長さを変えることに代えて、またはこれと組み合わせて、GIファイバ174−1〜174−4の屈折率分布を変えてもよい。
(第5の実施形態)
図11に、本実施形態に係るファイバアレイモジュールの一例を示す。図11に示すファイバアレイモジュールは、ファイバアレイ1と、レンズアレイ2と、部分透過膜4と、第1の実施形態〜第2の実施形態で説明した遮光板7と、レンズアレイ9と、を備える。レンズアレイ2は第1レンズアレイとして機能し、レンズアレイ9は第2レンズアレイとして機能する。
図11に、本実施形態に係るファイバアレイモジュールの一例を示す。図11に示すファイバアレイモジュールは、ファイバアレイ1と、レンズアレイ2と、部分透過膜4と、第1の実施形態〜第2の実施形態で説明した遮光板7と、レンズアレイ9と、を備える。レンズアレイ2は第1レンズアレイとして機能し、レンズアレイ9は第2レンズアレイとして機能する。
図12に、本実施形態に係る受光モジュールの一例を示す。図12に示す受光モジュールは、図11に示すファイバアレイモジュールと、受光素子アレイ8と、を備える。
本実施形態の適用領域は、例えば、波長1.55μm帯光通信システムである。同モジュールは、図の左側から、ファイバアレイ1、レンズアレイ2、部分透過膜4及びガラス基板42、本開示による遮光板7、レンズアレイ9、および受光素子アレイ8を備える。図12に示す受光モジュールは、4アレイ光タップモニタモジュールとして用いることができる。
図11及び図12に示したファイバ間隔dfをはじめとする諸パラメータは、ファイバアレイ間隔df:250μm、レンズアレイ2、9のガラス屈折率:1.501、反射角φ:8度、等である。
まずモジュールの動作、機能について説明する。ファイバアレイ1は、1つの貫通孔71に対して2本の光ファイバ11A及び11Bを有し、各光ファイバ11A及び11Bの長手方向の中心軸が所定平面PC内に並列に配置されている。レンズアレイ2は、2本の光ファイバ11A及び11Bごとに1つのレンズを有し、各々のレンズが2本の光ファイバ11A及び11Bからの光をレンズごとに定められた部分透過膜4の反射面の一点に集光する。部分透過膜4は、各々のレンズの反射面を形成し、レンズアレイ2を通過した透過光の一部を透過し、残る大部分を反射する。
第1の光ファイバ11Aからレンズアレイ2に入射した光線は、その95%が部分透過膜4で反射角φ(8度)で反射して第2の光ファイバ11Bに入射し、入射光強度の5%をタップされて本線に戻る。5%強度のタップ光は、後段はガラス基板42を経た後、空気層になっており、上記反射角φと同じ出射角φ(8度)で出射していくわけであるが、ガラス基板42の後段には、空間を伝わるタップ光同士の混合によるクロストーク低下を防止するため、前述した図2、図3に示すような貫通孔71の空いた遮光板7が設置されている。
遮光板7はレンズアレイ2と外形を合わせた寸法になっており、その中央部にタップ光の光路に合わせて該ビーム径の貫通孔71があけられている。遮光板7では、部分透過膜4を透過したアレイ光が複数の貫通孔71の一端71Aに入射し、貫通孔71中を通過して、複数の貫通孔71の他端71Bから出射する。
遮光板7の後段には、レンズアレイ2と同じものであるレンズアレイ9がレンズアレイ2とは向きを同じにして設置されている。レンズアレイ9は、複数の貫通孔71の他端71Bから出射された各光を貫通孔71ごとに定められた点に集光する。レンズアレイ9は、後段の受光素子アレイ8の受光面に貫通孔71中を伝搬してきて回折効果で広がったタップ光ビームを受光素子81の受光面に集光させることができる。受光素子アレイ8に備わる各受光素子81は、レンズアレイ9で集光された各光を受光する。
以下に上記の各構成要素について第4の実施形態に重複しないところを述べる。
ファイバアレイ1:第4の実施形態とは異なり、8度斜め端面表面にARコートは施されていない。なお、光ファイバ光軸に対するコア端面の角度が8度に限定されないのは第4の実施形態と同様である。
レンズアレイ2:屈折率は波長1.55μmで1.501のボロシリケート系ガラスから成っており、xy面に平行なレンズ保持面上の中央部に、アレイ間隔500μmで凸面23が前記第4の実施形態とは逆にz軸のプラス方向を向いて形成されている。凸面23の間は1μmの平坦部が設けられており、平坦部からの凸量であるサグ量は例えば75μmである。
ファイバアレイ1:第4の実施形態とは異なり、8度斜め端面表面にARコートは施されていない。なお、光ファイバ光軸に対するコア端面の角度が8度に限定されないのは第4の実施形態と同様である。
レンズアレイ2:屈折率は波長1.55μmで1.501のボロシリケート系ガラスから成っており、xy面に平行なレンズ保持面上の中央部に、アレイ間隔500μmで凸面23が前記第4の実施形態とは逆にz軸のプラス方向を向いて形成されている。凸面23の間は1μmの平坦部が設けられており、平坦部からの凸量であるサグ量は例えば75μmである。
レンズアレイ2のx方向両端部には、レンズモールド加工時に一体で成形されたスペーサ22が設置されている。スペーサ22は台形の凸部であり、台形凸部の表面はレンズ保持面と平行になっており、その面積は片側該1×1.5mm(x×y)である。スペーサ22の高さは光軸位置で所定の凸側焦点距離(ここでは889.4μm)になるように設定されている。
レンズアレイ2の平坦面21は、ファイバアレイ1の端面に平行で、y軸に対して斜めとなっており、この斜め平坦面21のレンズ凸面23頂点からのz方向距離が凹側焦点距離fc=1342μmとなるように設定されている。
部分透過膜4及びガラス基板42:本構成では、部分透過膜4はレンズアレイ2とは別個の透明なガラス基板42で但し同一屈折率を持つものに付着せしめられている。両面が平行で透明なガラス基板42上には、入射角φを8度に設定した部分透過膜4が付着せしめられている。その反射/透過割合は、95%/5%であることが好ましく、その材質としては、例えば、イオンビームアシスト蒸着法によるSiO2−TiO2多層膜が例示できる。
遮光板7:遮光板7は、外形4000×2000×1000μmの方形の赤外線吸収ガラスから成っている。その中央部には、図11及び図12に示すように、タップ光の光路に合わせて、xz面に平行で、z軸方向と反射角φと同じ8度の角度をなす300μm角の貫通孔71があけられている。x方向アレイピッチはレンズアレイ2と同じ500μmである。タップ光のビーム径が214.6μmである場合、遮光板7の貫通孔71の壁に接触することなく伝搬するが、前段のレンズアレイ2や部分透過膜4での反射透過で発生した構造不整による乱反射成分は、この遮光板7で阻止されて、受光素子アレイ8に達してクロストークになるのを防止する。
図11及び図12の側面図に示すように、ファイバアレイ1から受光素子アレイ8まで接続界面が全て斜めに保たれており、反射戻り光を防ぐ構造となっている。
組み立て工程:前記した第4の実施形態と異なる点は、第1の工程にてまずレンズアレイ2とガラス基板42上に付着せしめられた部分透過膜4を接続しておくことである。これは、部分透過膜4及びそのガラス基板42はただの一様な平板であるので調芯作業は不要で、型合わせ作業のみで接続できる。他は前記した第4の実施形態と同様である。
特性:作製した4chタップモニタモジュールの波長1.55μmでの特性は、挿入損失0.4〜0.5dB、反射減衰量46dB以上、受光感度50〜60mA/Wであった。隣接クロストークも45dB以上であった。第4の実施形態と同様であった。
(第6の実施形態)
前述の実施形態では1次元配列のアレイであったが、2次元アレイも可能である。その場合、ファイバアレイモジュールがy方向に並列に配列される。
前述の実施形態では1次元配列のアレイであったが、2次元アレイも可能である。その場合、ファイバアレイモジュールがy方向に並列に配列される。
その際に一番問題となるのが、ファイバアレイであるが、ファイバアレイ1は、特許文献2の特開平3−131803によってできる。そのz方向からみた接続面を図13に示す。図13に示すファイバアレイ1は、ファイバアレイ用の60度のV溝14を施したV溝板13−2〜13−5を備える。V溝板13−2〜13−5には、V溝14のアレイの両脇に、位置合わせ溝15−1、15−2が設けられている。そして、このV溝板13−2〜13−5の裏面にも表面側と同じx方向位置に位置合わせ溝15−3、15−4が形成されている。位置合わせ用光ファイバ12は、図に示す光ファイバ11A,11Bと同じものを使用すればよい。
その場合、V溝14の開口幅は前述した式(2)で与えられるWとなり、位置合わせ溝15の開口幅W15は
(数3)
W15=(2R−d7)/√3 (3)
と設定すればよい。そうすれば、位置合わせ溝15に丁度位置合わせ用光ファイバ12が勘合したときに、上板によって導波用光ファイバ11が上板で押さえられることになる。ここで、Rは光ファイバの半径、d7は図8における説明で前述したファイバ背出し量である。本実施形態では、d7を20μmとしたので、式(2)、(3)に従ってW=193μm、W15=61μmとした。
(数3)
W15=(2R−d7)/√3 (3)
と設定すればよい。そうすれば、位置合わせ溝15に丁度位置合わせ用光ファイバ12が勘合したときに、上板によって導波用光ファイバ11が上板で押さえられることになる。ここで、Rは光ファイバの半径、d7は図8における説明で前述したファイバ背出し量である。本実施形態では、d7を20μmとしたので、式(2)、(3)に従ってW=193μm、W15=61μmとした。
位置合わせ溝15−1,15−2,15−3,15−4は、V溝板の表裏でx方向位置が一致している必要があるが、表裏の位置合わせは、スライサーやダイシングソーなどの溝加工装置において、溝形成位置観察鏡筒の上下ピント合わせ軸の加工面に対する垂直度を事前に調整しておけばよい。かくしてテンパックスガラスで作製した8×4ファイバアレイのx方向ピッチは250μm、y方向ピッチは1mmである。これにより、x方向500μmピッチ、y方向1mmピッチの4×4アレイのファイバアレイモジュール及び受光モジュールを作製することができる。
ここで、ファイバアレイ1は、図14の側面図に示すように、ファイバコア付近だけの部分斜め加工を施すことが好ましい。もし、アレイの端面全面にわたって斜めにすると、レンズアレイ2以下後段のすべての部品の2次元アレイ化が格段に困難になるためである。加工にはデュアルヘッドダイシングソーを用いることができる。これは、ダイシングヘッドを縦列に二機備えているものであり、1回の工程で異なる2種のブレードを用いて連続加工できる装置である。
ファイバアレイ1以外のレンズアレイ2,9や遮光板7、および受光素子アレイ8の2Dアレイ化も行い、いずれもx方向500μmピッチ、y方向1mmピッチで4×4アレイである。作製した4×4タップモニタモジュールの側面図を図14に示す。外観は、上面図は図10と全く同様であり、側面図では、y方向に積み重ねられたような形態となっている。
以上述べた実施形態から本開示の光部品には以下の利点があることが判る。
1)吸収性の材料を用いるので、光部品内の散乱光を単に遮蔽するだけでは防ぎきれない迷光によるクロストークの劣化を防止できる。
2) 熱膨張係数(−30〜70℃)が5.4×10−6/kと小さいので、光ファイバやシリコン、テンパックスガラスなど光通信用部品に多用される部材との整合性もよい。
3)化学的にも安定で耐候性もある。また、通常の水冷却によるガラス加工工程が適用できる。
4)350nm付近のUV光に対してよい透過性を示すので、接着等にUV硬化樹脂が使える。
これらのことから、アレイ化された光通信用デバイスの高性能化、ひいては経済化に資すること大であるのは明らかである。
1)吸収性の材料を用いるので、光部品内の散乱光を単に遮蔽するだけでは防ぎきれない迷光によるクロストークの劣化を防止できる。
2) 熱膨張係数(−30〜70℃)が5.4×10−6/kと小さいので、光ファイバやシリコン、テンパックスガラスなど光通信用部品に多用される部材との整合性もよい。
3)化学的にも安定で耐候性もある。また、通常の水冷却によるガラス加工工程が適用できる。
4)350nm付近のUV光に対してよい透過性を示すので、接着等にUV硬化樹脂が使える。
これらのことから、アレイ化された光通信用デバイスの高性能化、ひいては経済化に資すること大であるのは明らかである。
本開示は情報通信産業に適用することができる。
1:ファイバアレイ
11、11A、11A−1、11A−11、11A−12、11A−13、11A−14、11A−21、11A−31、11A−4、11A−41、11B、11B−1、11B−11、11B−12、11B−13、11B−14、11B−21、11B−31、11B−4、11B−41:光ファイバ
12−1、12−2:位置合わせ用光ファイバ
13−1、13−2、13−3、13−4、13−5:V溝板
14:V溝
15−1、15−2、15−3、15−4:位置合わせ溝
2、9:レンズアレイ
21:平坦面
22:スペーサ
23:凸面
4:部分透過膜
42:ガラス基板
7:遮光板
71、71−1、71−2、71−3、71−4:貫通孔
72:溝板
72a:溝
72b:平坦面
73:上板
74:透明ガラスロッド
75−1、75−2、75−3、75−4:埋め込み光ファイバ
76:UV接着剤
8:受光素子アレイ
81:受光素子
91:焦点距離調整樹脂
101:ARコート板
174:GIファイバ
11、11A、11A−1、11A−11、11A−12、11A−13、11A−14、11A−21、11A−31、11A−4、11A−41、11B、11B−1、11B−11、11B−12、11B−13、11B−14、11B−21、11B−31、11B−4、11B−41:光ファイバ
12−1、12−2:位置合わせ用光ファイバ
13−1、13−2、13−3、13−4、13−5:V溝板
14:V溝
15−1、15−2、15−3、15−4:位置合わせ溝
2、9:レンズアレイ
21:平坦面
22:スペーサ
23:凸面
4:部分透過膜
42:ガラス基板
7:遮光板
71、71−1、71−2、71−3、71−4:貫通孔
72:溝板
72a:溝
72b:平坦面
73:上板
74:透明ガラスロッド
75−1、75−2、75−3、75−4:埋め込み光ファイバ
76:UV接着剤
8:受光素子アレイ
81:受光素子
91:焦点距離調整樹脂
101:ARコート板
174:GIファイバ
Claims (11)
- 予め定められた波長の光を吸収する組成を有し、
直線状の複数の貫通孔が所定平面内に所定間隔で平行に形成されている、
ことを特徴とする光部品。 - 前記組成は、赤外線を吸収し、紫外線を透過する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光部品。 - 前記組成は、ニッケル、コバルト又は鉄を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の光部品。 - 前記複数の貫通孔の長手方向は、前記複数の貫通孔の一端が配置されている面に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光部品。 - 前記貫通孔に、前記予め定められた波長を透過する透明体が配置されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光部品。 - 前記透明体は、マルチモードGI(Graded Index)ファイバである、
ことを特徴とする請求項5に記載の光部品。 - 入射光の一部を反射する反射部から透過された光が前記複数の貫通孔に配置された複数のマルチモードGIファイバの一端に入射され、入射された光を前記複数のマルチモードGIファイバの他端から出射し、前記他端から出射された各光を前記マルチモードGIファイバごとに定められた点に集光する請求項6に記載の光部品と、
1つの前記マルチモードGIファイバに対して2本の光ファイバを有し、各光ファイバの長手方向の中心軸が前記所定平面内に並列に配置されているファイバアレイと、
前記2本の光ファイバごとに1つのレンズを有し、各々の前記レンズが前記2本の光ファイバからの光を前記レンズごとに定められた反射面の一点に集光する第1レンズアレイと、
各々の前記レンズの前記反射面を形成し、前記レンズアレイを透過した透過光の一部を透過し、前記透過光の一部を反射する反射部と、
を備えるファイバアレイモジュール。 - 請求項7に記載のファイバアレイモジュールと、
前記光部品で集光された各光を受光する受光素子アレイと、
を備える受光モジュール。 - 入射光の一部を反射する反射部から透過された光が前記複数の貫通孔の一端に入射され、入射された光を前記複数の貫通孔の他端から出射する、請求項1から6のいずれかに記載の光部品と、
1つの前記貫通孔に対して2本の光ファイバを有し、各光ファイバの長手方向の中心軸が前記所定平面内に並列に配置されているファイバアレイと、
前記2本の光ファイバごとに1つのレンズを有し、各々の前記レンズが前記2本の光ファイバからの光を前記レンズごとに定められた反射面の一点に集光する第1レンズアレイと、
各々の前記レンズの前記反射面を形成し、前記レンズアレイを透過した透過光の一部を透過し、前記透過光の一部を反射する反射部と、
前記複数の貫通孔の前記他端から出射された各光を前記貫通孔ごとに定められた点に集光する第2レンズアレイと、
を備えるファイバアレイモジュール。 - 請求項9に記載のファイバアレイモジュールと、
前記第2レンズアレイで集光された各光を受光する受光素子アレイと、
を備える受光モジュール。 - 赤外光を吸収する組成を有する平板状の第1の部材の平坦面に、直線状の複数の溝を所定間隔で平行に形成する溝形成工程と、
前記複数の溝を覆う前記第1の部材と同じ組成を有する平板状の第2の部材を、前記平坦面上に塗布した紫外線硬化性樹脂を用いて固着する固着工程と、
前記第2の部材が固着された前記第1の部材を、前記複数の溝を横断するように切断して光部品を切り出す分離工程と、
を順に有する光部品の製造方法。
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2017
- 2017-08-23 JP JP2017160136A patent/JP2018036635A/ja active Pending
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