JP5187018B2 - 感光性着色組成物及びカラーフィルタ基板及び半透過型液晶表示装置 - Google Patents

感光性着色組成物及びカラーフィルタ基板及び半透過型液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ基板に使用する感光性着色組成物に関するものである。特に、微細なスルーホールを形成することができ、かつ高感度であっても現像プロセスマージンに優れ、オーバーコート層との密着性も優れる感光性着色組成物に関する。
カラー液晶表示装置は、一般に、図1に示すように、カラーフィルタ基板310とアレイ基板320との間に液晶181を封入して構成されるものである。カラーフィルタ基板310は、透明基板111を構造上の支持体として、その画面観察者側の表面には偏光膜171が積層され、裏面側には多数の画素領域に区分されたカラーフィルタが形成されている。カラーフィルタは、画素領域と画素領域の境界となる画素間部位には遮光パターン121が敷設され、各々の画素領域には透明な着色層131R、131G、131Bが規則的に配設されたものである。この透明着色画素131R、131G、131B は、画素ごとに透過光を着色するもので、一般には、光の三原色に相当する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三色が配置されている。なお、前記遮光パターン121は、隣接する着色画素を斜めに透過する着色光が混色するのを防止するものである。
そして、カラーフィルタ基板310には、透明着色画素131R、131G、131B間の高さの差、すなわち段差を低減するためさらに該着色画素をオーバーコート層141で被覆した後、透明電極151と、配向制御層(図示せず)が設けられる。
他方、アレイ基板320には、透明基板112の一方の面(液晶側)に電極161と配向膜(図示せず)が、他方の面に偏光膜171が設けられている。
そして、カラーフィルタ側の透明電極151とアレイ基板側の電極161との間で画素ごとに電圧を印加して光の透過・不透過を制御して、その透過光を表示光として画面表示する。
カラーフィルタ基板310の透明着色画素131R、131G、131Bの形成方法として数種類の方法が知られているが、もっとも一般的に使用されているのは、ネガ型感光性着色組成物を用い、この感光性着色組成物をプロキシミティーアライナーによる近接露光方式で露光・現像して形成するフォトリソグラフィ法である。すなわち、遮光パターン121を形成した透明基板111に感光性着色組成物を塗布して着色感光層を形成し、近接露光装置にてパターン露光、現像等のパターニング処理を着色に必要な回数だけ繰り返すことにより、透明基板111上の遮光パターン121間に透明着色画素を形成する方法である。
一方、液晶表示装置には、表示光としてアレイ基板320の背面に配置したバックライトなどの光源からの放出光を利用するタイプと、屋外光などの外光を反射させて表示光として利用するタイプとに大別される。前者は透過型液晶表示装置と呼ばれ、明るい画面表示が可能である反面、装置内部に光源を内蔵する必要がある。他方、後者は反射型液晶表示装置と呼ばれ、消費電力は透過型表示装置に較べると少ないが、外光の少ない屋内などにおいては明るい表示画面を得ることが困難である。
そこで、屋内では内蔵光源の光を表示光として画面表示を行うと共に、屋外では外光を利用して電力消費を抑える液晶表示装置が開発されており、このような装置は半透過型液
晶表示装置と呼ばれている。この半透過型液晶表示装置は、携帯電話やデジタルスチルカメラなどのモバイル機器の表示装置として既に実用化されている。
しかしながら、光源の光を表示光として使用する場合には、この表示光は透明着色画素131R、131G、131Bを1度だけ透過するのに対し、外光を反射させて表示光として画面表示する場合、この表示光は透明着色画素131R、131G、131Bを往復2回透過する。このため、外光を反射させて表示光として画面表示する場合には、透明着色画素131R、131G、131Bによる光損失が多くなり、その分表示画面が暗くなるというマイナス面がある。
図2に半透過型液晶表示装置のカラーフィルタ基板310の構造の一例を示した。これは画素領域を透過部aと反射部bの2つの区域に区分し、透過光を表示光として画面表示する場合には透過部aを利用し、反射光を表示光として画面表示する場合には反射部bを利用するものである。すなわち、反射部に選択的に反射膜(図示せず)を設けて、この部位に入射した外光を表示光として利用し、また、透過部aにおいては背面からの光源光を透過させて表示光として利用するのである。
この構造においては、表示画面の明るさを確保するために、透明着色画素、ここでは例として緑色画素131Gとし、この反射部bにスルーホール131xが設けられている。このため、スルーホール131xを透過する表示光には透明緑色画素131Gに基づく光損失がなく、明るい表示画面を構成することが可能となる。しかしながら、その分着色濃度が減少するので着色材料の濃度を増加するなどの対策が必要となることもある。このスルーホール131xは、着色感光層をパターン露光、現像等のパターニング処理にて透明着色画素を形成する際に同時に形成する。
特開2002−014468号公報 石川ら:テック出版「最新高分子材料・技術総覧」、37(1988) 谷口ら:サイエンスフォーラム「有機エレクトロニクス材料」、15(1986)
ところで、上記モバイル機器に使用する半透過型液晶表示装置のカラーフィルタ基板についてはいくつかの問題がある。
その一つはカラーフィルタの高精細化に係わる問題である。すなわち、着色画素領域に形成されるスルーホール131xの高精細化も必要となってきているということである。例えば2.4インチ型の携帯電話で従来の画素数がQVGA(320×240画素)であったものが、VGA(640×480画素)の画素数になった場合、カラーフィルタを構成する各透明着色画素の画素幅が約75μmから約25μmにまで細くなることになる。従って25μm幅の画素内に形成されるスルーホールもより小さいものが要求され、例えば、10μm径あるいはそれ以下のスルーホールが必要となる。
しかしながら、このような微細なホールパターンを形成しようとすると、ネガ型着色感光層を用いた場合、パターン露光の際のフォトマスクマスクエッジでの回折現象のため、所望のスルーホール径を正確に転写して再現することが難しいという問題がある。
この対策として、一般に回折光の強度は直進透過光(0次回折光)の光強度より弱いから、この強度差を利用して前記スルーホール径を正確に制御する方法が考えられる。
すなわち、直進透過光(0次回折光)に感光し、これより強度の弱い回折光には感光しない特性を有するネガ型感光性着色組成物を使用することである。そうすれば、直進透過光
により露光された部分の周辺部が回折光により感光することがないから、これを現像すれば、微細な径のスルーホールを正確に形成することが可能になると一般には考えられている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2)。
しかしながら、本発明者の検討によれば、以上のような感光特性だけの制御では、10μm径あるいはそれ以下の大きさのスルーホールを正確に形成することは極めて困難であった。
カラーフィルタに係わる別の問題は着色材料に関する。近年では、例えばカラーフィルタにスルーホールを設ける場合には、その分色濃度が低下するため、カラーフィルタ自体の色濃度をより高くすることや光学濃度の高いブラックマトリクスの要求が高まっており、感光性着色組成物における着色材濃度が高くなる傾向にある。しかし、着色材濃度が上昇すると、着色材自身の光吸収の増加により露光部の十分な硬化が得られにくくなる問題、極端な場合には露光部の表面近傍だけ硬化が進み露光部下層の硬化が不十分となるため、現像時に溶出しパターンエッジがオーバーハングもしくは逆テーパー形状になり易いという問題がある。これは現像プロセスの観点からすると、現像時間及び現像液濃度に対して得られる硬化パターンの形状が安定しない、すなわち現像プロセスマージンが狭いという問題になる。
また、着色材濃度が高くなると、感光性着色組成物表面の反応性有機物の割合が低下するため、該組成物の上に塗布されるオーバーコート層との反応点が減少し密着性が悪くなるという問題もある。密着性が低下すると、オーバーコート層にシワがよったり、浮き剥がれクラックが生じ、後加工での耐薬品性・耐久性の低下、着色組成物の液晶中への溶出、動作不良、パネル化不良など致命的な欠陥を招来することになる。
このように、着色材濃度の上昇と、感光性、現像性を始めとする感光性樹脂組成物に期待される特性の保持とは、トレードオフの関係にある。
上記の問題に対しては、感光性を高めるために側鎖にエチレン性不飽和二重結合を、現像液に対する溶解性を高めるためカルボキシル基をそれぞれ導入した感光性透明樹脂を用いたカラーフィルタ製造技術が開示されている(特許文献1)。これを感光性樹脂組成物として使いこなすためには、感光性透明樹脂組成物を構成する単量体の種類や比率を調整して、安定性、溶解性、及び耐薬品性などの多くの特性を満たす設計が必要となる。しかしながら、上記の材料技術だけでは、感光性着色組成物として、着色材の分散安定性を維持しつつ、高濃度化に伴う感光性着色組成物の高感度化、良好なパターニング性(未露光部分の溶解性、光硬化部分のオーバーハング形状の回避など)、微細なスルーホールの形成、及び良好なオーバーコート層との密着性を両立させて達成することは困難であった。
そこで、本発明は、径10μmあるいはそれ以下の微細なスルーホールを再現することができ、かつ高感度であってもパターンの寸法及び形状の制御性に優れ、またオーバーコート層との密着性に優れる感光性着色組成物を提供し、あわせて該感光性着色組成物を使用したカラーフィルタ基板及び半透過型液晶表示装置とを提供することを目的とした。
上記の目的を達成する請求項1に記載の発明は、少なくとも、(a)感光性透明樹脂、(b)非感光性透明樹脂、(c)3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー、(d)重合開始剤、(e)着色材、(f)重合禁止剤、及び(g)溶剤を含有する感光性着色組成物であって、前記着色材(e)は青色、シアン色、紫色のいずれかであり、前記3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)の分子量が1000以上であり、前記重合禁止剤(f)が下記化学式(1)で表される化合物であり、前記感光性着色組成物中の
エチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が、感光性透明樹脂と非感光性透明樹脂、及び多官能モノマーの合計重量を基準として4.1×10-3mol/g〜5.5×10-3mol/gの範囲であることを特徴とする感光性着色組成物である。
Figure 0005187018
上記構成の感光性着色組成物中、3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)の分子量が1000以上で、着色組成物中のエチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が4.1×10-3mol/g〜5.5×10-3mol/gの範囲にあるとの条件は、エチレン性不飽和2重結合が光・熱硬化した透明着色画素表面近傍に未反応状態で存在する量が、オーバーコート層と結合するのに好適な条件である。同時に、この条件は被露光部が深さ方向を含め全域で均一に光・熱硬化反応が進む条件でもある。さらに、化学式(1)で示される重合禁止剤を含有することは、低露光量側での光硬化反応の進行が急峻に立ち上がる(必要な露光量を増大する)ようにして、回折光による不要な硬化反応が生じないようにするためである。
また、請求項2に記載の発明は、前記感光性着色組成物中のエチレン性不飽和二重結合のモル数が4.0×10-2mol〜5.5×10-2molの範囲であり、前記3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)の分子量が1000以上であり、前記重合禁止剤(f)が上記化学式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性着色組成物である。
かかる条件は、3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)の重量モル濃度を(mol/g)、単純なモル数(mol)に置き換えたものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記感光性透明樹脂(a)又は前記非感光性透明樹脂(b)が、共重合成分として、下記化学式(2)で示されるエチレン性不飽和単量体を含む請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の感光性着色組成物である。
Figure 0005187018
((式2)において、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4 は、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R5は、水素原子又はベンゼン環を含むこともある炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す)。
上記化合物を用いると、樹脂成分に対する着色材の分散性が向上するため、感光性透明着色組成物の経時安定性が向上する。また、塗工膜質の均一性が向上する。
また、請求項4に記載の発明は、横軸を露光量の常用対数、縦軸を現像後残膜率としてプロットした露光感度曲線において、この露光感度曲線の立ち上がりの角度をθとした時、このθの正接で定義されるγ(コントラスト)が1.33以上であり、且つ、現像後残膜率が85% 以上となる最小露光量の23% 以下の露光量で、現像後残膜率が0%であることを特徴とする請求項2から請求項3のいずれか1項に記載の感光性着色組成物である。
かかる露光感度特性であると、感光性着色組成物が一次以上の回折光に感光しにくくなる。
請求項5に記載の発明は、少なくとも、透過部と反射部とに区分された複数の透明着色画素及び前記透明着色画素の上部にオーバーコート層を有するカラーフィルタ基板において、前記透明着色画素が請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感光性着色組成物
を用いて形成され、且つ、前記オーバーコート層が、JIS−K5400に準拠した100マス碁盤目テープ法による密着性評価で、前記オーバーコート層の剥離欠陥の面積が全面積の15%未満であることを特徴とするカラーフィルタ基板である。
透明着色画素とオーバーコート層が化学的に結合していることを碁盤目テストにおける、剥離欠陥の面積で定量的に規定したものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカラーフィルタ基板を用いて製造されたことを特徴とする半透過型液晶表示装置である。
本発明にあっては、着色材濃度の高い感光性着色組成物において、該着色組成物中の3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーの重量が、2つの異なる反応にとって最適な範囲にある。まず、光・熱硬化した後の青色、シアン色、または紫色の透明着色画素表面近傍に未反応状態で残存する多官能モノマーの量が、オーバーコート層との結合反応に好適な量であるため、透明着色画素とオーバーコート層が強く結合する。そのため、オーバーコート層にシワ、クラック、浮き剥がれが生じることがない。
次に、その量が、感光性着色組成物の被露光部が深さ方向を含めた全域で均一に光・熱硬化反応を進めるものとなっている。その結果、硬化した着色組成物は、現像後の透明着色画素の形状が矩形もしくは順テーパであって、画素基部が抉られて逆テ―パもしくはオーバーハング形状になるということがない。
さらに、化学式(1)で表される重合禁止剤を含有させることで、感光性着色組成物が、露光光がフォトマスクを透過する際に発生する回折光に反応しないように組成されているため、フォトマスクパターンに忠実に露光され、露光境界で中途半端に硬化が進むことが少ない。加えて、感光性着色組成物自体の分散性が良好で塗工性・安定性がよく、深さ方向も含め均一に硬化反応か進むため、現像にあたって形状崩れがなく寸法精度のよい、径が10μmあるいはそれ以下の微細なスルーホールを形成できる。
すなわち、本発明になる感光性樹脂組成物は露光感度特性と現像プロセスマージンに優れるため微細なスルーホール及び形状特性のよい透明着色画素形成が可能である。また、この透明着色画素は、該画素上に形成されるオーバーコート層に対して強い密着力を呈する。
以下、まず本発明を要約し、次いで材料面の詳細、感光性着色組成物の一般的製法、カラーフィルタ基板の製造方法、実施例の順に詳述する。
本発明に係る感光性着色組成物(以下、簡単のため着色組成物とも記す)は、その必須成分として、(a)感光性透明樹脂、(b)非感光性透明樹脂、(c)3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー、(d)重合開始剤、(e)着色材、(f)重合禁止剤、及び(g)溶剤を含有するものである。着色材(e)は青色、シアン色、紫色のいずれかであり、重合禁止剤(f)は化学式(1)で表される化合物である。また、分散剤、光増感剤、連鎖移動剤などの添加剤を含有するものであっても良い。
そして、着色組成物中の3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)のエチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が、(a)感光性透明樹脂と(b)非感光性透明樹脂、及び(c)多官能モノマーの合計重量を基準として4.1×10-3mol/g〜5.5×10-3mol/gの範囲である。ここで、(a)感光性透明樹脂、(b)
非感光性透明樹脂、及び(c)多官能モノマーからなる組成物を簡単のため感光性樹脂組成物と記すと、
[エチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度]=
[感光性透明樹脂の重量/感光性透明樹脂の重量の二重結合当量 + 多官能モノマーの重量/多官能モノマーの二重結合当量]/[感光性樹脂組成物の重量]、である。なお、二重結合当量は、分子中に含まれる二重結合の数の尺度となるパラメータで、同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が小さいほど二重結合の導入量が大きくなる。
[二重結合当量]=[繰り返し構成単位の分子量]/[繰り返し構成単位中の二重結合の数]である。
そして、着色組成物中のエチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が4.1×10-3mol/gより低い場合には、感光性が低下するため、透明着色画素を形成した後十分な硬化性が得られない。さらにオーバーコート層との密着性に寄与する透明着色画素表面の反応点が減少するのでオーバーコート層との密着性が低下し、オーバーコート層が透明着色画素との界面で剥がれることになる(実施例のクロスカットピール試験参照のこと)。また、着色組成物中のエチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が5.5×10-3mol/gよりも高い場合には、感度は高いが、分散安定性が低下して均一な着色組成物及び着色塗膜が得られなくなることや、現像性が低下すること、またスルーホールの解像度が低下すること、等の不具合を生じパターニング性が低下する(実施例のパターニング試験参照のこと)。
また、本発明に係る標準的な感光性着色組成物に対しプロキシミティーアライナーによる近接露光及び現像処理を行い、横軸を露光量の常用対数、縦軸を現像後残膜率とする露光感度曲線を求めた。この露光感度曲線から現像後残膜率が85%以上となる最小露光量を求め、これを基準としてその23%以下の露光量で現像後の残膜がないことが分かった。また、露光感度曲線の立ち上がり角度をθとすると、θの正接で定義されるγ(コントラスト)が1.33以上が必要であることが分かった。
そこで、着色組成物に添加するハイドロキノン又はメトキノンから成る重合禁止剤の量を調整することによって、前記γが1.33 以上で、現像後残膜率が85%以上である最小露光量の23%以下の露光量で、現像後残膜率が0%となるようにして所望の微細なスルーホールを形成した。この点は、実施例の解像性テストで検証した。
次に、本発明に係る感光性着色組成物を構成する各成分について説明する。
(多官能モノマー)
多官能モノマーとしての光重合性モノマーは、露光光線の照射によって重合し、感光性着色組成物を用いて作製した着色感光層を現像液不溶性に変化させるものである。一般には、ラジカルにより重合が誘起されるモノマーである。
このような光重合性モノマーとしては、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートを用いることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ) アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロカラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2−ヒドロキシ− 3−アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
なお、本発明の感光性着色組成物の経時安定性及び現像性と、形成された着色透明層のタック性を考慮すると、光重合性モノマーの含有量は、感光性着色組成物の総量100重量%に対して20重量% 以下であることが好ましい。また、露光感度、パターンの解像性及び耐溶剤性の観点から、1重量%以上であることが好ましい。
(非感光性透明樹脂)
非感光性透明樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有しない樹脂であり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂がある。熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル− 酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。但し、これらの樹脂はアルカリ可溶性を示さない。
現在、現像液としては、環境に対する影響の少ないアルカリ現像液が多く使用されている。このため、樹脂バインダーとしてアルカリ可溶型の樹脂を使用することが望ましい。アルカリ可溶型の非感光性透明樹脂とは、アルカリ水溶液に溶解する性質を持つ、エチレン性不飽和二重結合を有しない透明樹脂であり、例えば、カルボキシル基、スルホン基などの酸性官能基を有する重量平均分子量1000〜500000、好ましくは5000〜
10000 の非感光性透明樹脂が挙げられる。酸性官能基の中では、カルボキシル基が好ましい。カラーフィルタ用着色組成物の分散安定化と現像性能向上を図るためには、非感光性透明樹脂の酸価が感光性透明樹脂の酸価より高いことが好ましく、このバランスにおいて、カラーフィルタ用着色組成物からなる透明着色塗膜のパターニング性が良好となり、安定した形状の透明着色画素が得られる。
このようなアルカリ可溶型の非感光性樹脂として具体的には、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。なかでも、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/(無水)マレイン酸共重合体およびスチレン スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1 種の樹脂が好適に用いられる。これらの中でも特に、酸性官能基を有するアクリル樹脂は耐熱性、透明性が高いことから、好適に用いられる。また、重量平均分子量が1000〜50万、好ましくは5000〜10万の樹脂が好ましく使用できる。
(感光性透明樹脂)
感光性樹脂としては、反応性官能基を有する線状高分子に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させて、エチレン不飽和二
重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。また、反応性官能基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する線状高分子を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が例示でき、この反応性官能基と反応可能な置換基としては、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等が例示できる。
また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも、感光性樹脂として使用できる。
光硬化の生じやすさを示す、感光性透明樹脂中に水酸基などを介して導入されるエチレン性不飽和二重結合の量は、得られる感光性透明樹脂の「二重結合当量」により示される。
本発明における感光性透明樹脂の二重結合当量は200〜1200であることが好ましく、300〜900であることがより好ましい。感光性透明樹脂の二重結合当量が200未満の場合は、エチレン性不飽和二重結合を導入させる反応性の置換基を有するエチレン性不飽和単量体の比率が高くなり、諸特性を維持するのに十分な量の他のエチレン性不飽和単量体を共重合させることができない。1200を越える場合は、エチレン性不飽和二重結合の数が少ないため十分な感度を得ることができない。また、感光性透明樹脂の重量平均分子量(Mw)は、青色着色材の分散性が良好な点から、好ましくは2000〜200000、より好ましくは5000〜50000である。
着色材として顔料を用いる場合は、感光性透明樹脂または非感光性透明樹脂中に重合成分として下記化学式(2)で示されるエチレン性不飽和単量体(a)を含めることが、顔料の分散安定性向上という面から好ましい。
Figure 0005187018
(式(2)において、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R5は、水素原子またはベンゼン環を含むこともある炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す)。
上記化学式(2)において、R3のアルキレン基の炭素数は、2〜3であることが好ましい。また、R4のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、R5のアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。R5のアルキル基の炭素数が1〜10のときはアルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し、顔料への吸着/配向を促進するが、炭素数が10を超えると、アルキル基の立体障害効果が高くなり、ベンゼン環の顔料への吸着/配向までをも妨げる傾向を示す。この傾向は、R5のアルキル基の炭素鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を超えると、ベンゼン環の吸着/配向が極端に低下する。R5 で表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
エチレン性不飽和単量体(a)としては、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEOまたはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら化合物のうち、パラクミルフェノールのEOまたはPO変性(メタ)アクリレートは、上記ベンゼン環のπ電子の効果ばかりでなく、その立体的な効果も加わり、顔料などの着色材に対してより
良好な吸着/配向面を形成することができるので、より分散効果が高い。
エチレン性不飽和単量体(a)を、感光性透明樹脂または非感光性透明樹脂として使用するには、他のエチレン性不飽和単量体(b)と共重合させてポリマー化する必要がある。エチレン性不飽和単量体(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(b)としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ) ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。
上記式化学式(2)で示されるエチレン性不飽和単量体(a)と他のエチレン性不飽和単量体(b)とを共重合してなる感光性または非感光性透明樹脂中の単量体(a)の共重合比率は、(a)および(b)を合わせた単量体の全量を基準として0.1〜50重量%が好ましく、より好ましくは10〜35重量%である。単量体(a)の共重合比率が0.1重量%より少ないと、顔料の分散効果が低下する。また、50重量%より多いと疎水性が大きくなり、青色着色組成物の現像性が低下したり、残渣の原因になったりすることがある。
また、感光性透明樹脂および非感光性透明樹脂は、下記着色材100重量部に対して、好ましくは合計して20〜400重量部、より好ましくは合計して50〜250重量部の量で用いることができる。感光性着色組成物においては、感光性透明樹脂と非感光性透明樹脂を併用するが、十分に感度を高めるためには、感光性透明樹脂の含有量が、感光性透明樹脂と非感光性透明樹脂の合計重量を基準として15〜80重量%を占めることが好ましく、より好ましくは45〜80重量%である。感光性透明樹脂の含有量が15重量%より少ない場合には、感光性着色組成物の感光性が低下し、透明着色塗膜を形成する場合に十分な硬化性が得られない場合があり、多官能モノマーで硬化性を補っても、透明着色塗膜の溶剤耐性が十分でない場合がある。また、感光性透明樹脂の含有量が80重量%よりも多い場合には、感光性着色組成物の感度は高くなるが、分散安定性が低下して均一な透明着色塗膜が得られなくなったり、現像性が低下し、パターニング性が低下したりする場合がある。本発明で好ましく用いられる感光性透明樹脂および非感光性透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。
(感光性・非感光性透明樹脂中の他の構成成分)
(着色材)
着色剤は、透明着色画素を着色して、液晶表示装置の表示光を着色するものである。
顔料や染料を利用することができるが、耐久性に優れている点で、顔料を使用することが望ましい。顔料としては、有機顔料と無機顔料のいずれであっても良いが、有機顔料が好ましく使用できる。また、その配合量は特に限定されるものではないが、感光性着色組成物の総量100重量%に対して、1〜20重量%程度であることが好ましい。
なお、着色剤の色彩は任意であって良いが、透明着色画素の色彩が青色、シアン色、紫色である場合、本発明の利点を十分に生かすことができる。例えば、Blue 又はVioletの顔料をメインとし、Red、Orange、Green、Yellowは補色として含む顔料である。
次に、着色層用の有機顔料の具体例をカラーインデックス( C.I.)ナンバーで示す。
・Pigment Blue : < C.I > 1,1:2,1:x,9:x,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,22,24,24:x, 56,60,61,62,64,80
・Pigment Violet : < C.I > 1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50
・Pigment Green : < C.I > 1,1:x,2,2:x,4,7,10,36,37
・Pigment Orange : < C.I > 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73
・Pigment Red : < C.I > 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,81:4,81:x,83,88,90,97,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,180,184,185,187,188,190,192,200,202,206,207,208,209,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,270,272,279
・Pigment Yellow : < C.I > 1,2,3,4,5,6,10,12 ,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,144,146,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214
またシアン色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Blue 15:1 、15:2、15:3、15:4、15:6、16、81 等の青色顔料が用いられる。
また、マゼンタ色着色画素を形成する場合には、例えば、Pigment Violet
: < C.I > 1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,29,30 ,32,37,40,42,50、Pigment Red : < C.I > 1 ,2 ,3 ,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,81:4,81:x,83,88,90,97,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,180,184,185,187,188,190,192,200,202,206,207,208,209,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,270,272,279等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。
また、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、無機顔料を組み合わせて用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を添加することもできる。
本発明の青色着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
(分散剤)
着色材として顔料を用いる場合には、適宜、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体、界面活性剤等の分散剤を用いることができる。分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散剤を用いて顔料を感光性樹脂組成物中に分散してなる赤色着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、着色材100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜10重量部の量で用いることができる。
(樹脂型顔料分散剤)
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、感光性透明樹脂および非感光性透明樹脂と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の感光性樹脂組成物への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ プロピレンオキサイド付加物等も用いられる。これらは、単独でまたは2 種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WS またはBykumen等、アビシア社製のSOLSPERS E−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095 等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素
と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤; ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤; アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤; アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
(貯蔵安定剤)
本発明の赤色着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色材100 重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部の量で用いることができる。
(重合開始剤)
重合開始剤としてはオキシムエステル系重合開始剤が好適に使用できる。例えば、1 ,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4 ’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミンである。
また、このオキシムエステル系重合開始剤に加えて、他の重合開始剤を併用することもできる。このような重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、4 − フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が例示できる。また、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4 ’−メチルジフェニルサルファイド等が例示できる。チオキサンソン系化合物としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が例示できる。トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス( トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス( トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−( ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4 ,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4 ’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が例示できる。ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。また、キノン系化合物としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等を例示できる。
重合開始剤の使用量は、感光性着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50重量% が好ましく、より好ましくは3〜30重量%である。
(光増感剤)
本発明に係る感光性着色組成物には、重合開始剤に加えて光増感剤を添加することが好ましい。光増感剤としては、アミン系化合物を例示することができる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4 ’−ビス(ジメチルアミノ) ベンゾフェノン、4,4 ’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4 ’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等である。
また、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9 ,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4 ’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3 ’,4,4 ’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等を増感剤として使用することもできる。これら増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0 .5〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。
(重合禁止剤)
本発明は、感光性着色組成物に、下記化学式(1)で表される重合禁止剤を含有していることを特徴としている。化学式(1)で表される重合禁止剤を添加することにより、前記γ(コントラスト)と現像後残膜率とを露光量との関係で制御できるようになり、その添加は重要である。重合禁止剤としては、化学式(1)で表される化合物が好ましく使用できる。例えば、ハイドロキノン、メトキノン等である。また、これに加えて、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2 ,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等を併用することもできる。重合禁止剤の使用量としては、感光性着色組成物の全固形分量を基準として0.001〜0.050重量%が好ましい。0.001重量%以下では重合禁止剤の添加効果が不十分であり、0.050重量%を越えると感度の低下が生じ、逆効果である。
Figure 0005187018
(連鎖移動剤)
また、本発明に係る感光性着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1 , 4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
多官能チオールの使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
(溶剤)
本発明の青色着色組成物には、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、感光性着色組成物の粘度を適正化すると共に、着色剤を十分に感光性樹脂組成物中に均一に分散させるために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、水、有機溶剤等が利用できる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル− n −アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色材100重量部に対して、好ましくは800〜4000重量部、より好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
(オーバーコート材)
オーバーコート層の材料は、カラーフィルタ上に形成でき、かつ、可視域で透明、配向膜形成工程や液晶パネル化工程に適用可能な材料であれば良く、市販の有機材料が適用できる。このオーバーコート層は平滑で強靭であること、透明性を有すること、耐熱性および耐光性が高く、長期間にわたって黄変、白化等の変質を起こさないこと、耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れていることが必要である。このような樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素含有ポリイミド、ポリイミドシロキサン膜等があげられる。なかでも、ポリイミド樹脂、ケイ素含有ポリイミド、ポリイミドシロキサン等のポリイミド系樹脂が耐薬品性の点から好ましい。一方、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂は平坦性、光硬化性の点から好ましい。なお、オーバーコート層を組成する材料は感光性でも非感光性であっても構わない。
次に、本発明になる感光性着色組成物の調製方法について説明する。
本発明になる感光性着色組成物は、例えば、光重合性モノマー、樹脂バインダー(主と
して感光性透明樹脂と非感光性透明樹脂)、顔料、分散剤及び溶剤とから下記(1)〜(4)のいずれかの方法により調製することができる。
(1): 光重合性モノマー又は樹脂バインダー、あるいはその両者を溶剤に溶解した溶液に、顔料と分散剤を予め混合して調製した顔料組成物を添加して分散させ、残りの成分を添加する。
(2): 光重合性モノマー又は樹脂バインダー、あるいはその両者を溶剤に溶解した溶液に、顔料と分散剤を別々に添加して分散させた後、残りの成分を添加する。
(3): 光重合性モノマー又は樹脂バインダー、あるいはその両者を溶剤に溶解した溶液に、顔料を分散させた後、顔料分散剤を添加した後、残りの成分を添加する。
(4): 光重合性モノマー又は樹脂バインダー、あるいはその両者を溶剤に溶解した溶液を2種類調製し、顔料と分散剤を予め別々に分散させてから、これらを混合し、残りの成分を添加する。なお、顔料と分散剤のうち一方は溶剤にのみ分散させても良い。
ここで、顔料や分散剤の分散は、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、アトライター、ペイントコンディショナー等の各種分散装置を用いて行うことができる。
また、顔料と分散剤を予め混合して顔料組成物を調製する場合、粉末の顔料と粉末の分散剤を単に混合するだけでも良いが、(a)ニーダー、ロール、アトライター、スーパーミル等の各種粉砕機により機械的に混合するか、(b)顔料を溶剤に分散させた後、分散剤を含む溶液を添加し、顔料表面に分散剤を吸着させるか、(c)硫酸等の強い溶解力を持つ溶媒に顔料と分散剤を共溶解した後、水等の貧溶媒を用いて共沈させるなどの混合方法を採用することが好ましい。
次に、本発明になるカラーフィルタ基板の製造方法について説明する。
図3は、カラーフィルタ基板の模式構成図の一例である。図4は半透過型液晶装置の模式構成図の一例である。図5(a)〜(f)は、カラーフィルタ基板の製造工程の一例を説明する断面視図である。
まず、透明基板11上に感光性樹脂に黒色顔料(例えば、カーボンブラック)を分散した感光性黒色組成物をロールコート法等にて塗布し、黒色感光層を形成し、パターン露光、現像等のパターニング処理を行なって、透明基板11の所定位置にブラックマトリクス21を形成する(図5(a)参照)。
ここで、透明基板11としては、ガラス基板が好適に利用でき、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンフタレート等の樹脂基板を使用することもできる。ブラックマトリクス21はクロム等の金属薄膜パターンであっても良い。
次に、アクリル系の感光性樹脂に赤色顔料(例えば、ジアントラキノン系顔料)と、重合開始剤(例えば、オキシムエステル系重合開始剤)と、分散剤と、光増感剤(例えば、アミン系化合物)と、重合禁止剤(例えば、ハイドロキノン)と、溶剤とを所定量混合分散して、感光性赤色組成物を作製する。
次に、ブラックマトリクス21が形成された透明基板11上に上記感光性赤色組成物をロールコート法等にて塗布し、プリベークして赤色感光層31rを形成する(図5(b)参照)。ここで、塗布方法としては、スプレーコート法、スピンコート法等が利用できる。
次に、フォトマスクを用いて赤色感光層31rをパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、ブラックマトリクス21間にスルーホール31xが形成された赤色反射部31Rbと赤色透過部31Raとからなる透明赤色画素31Rを形成する(図5(c)参
照)。
パターン露光は、プロキシミティーアライナーによる近接露光方式が好適で、現像後残膜率が85%以上となる露光量で行う。この場合、フォトマスクの遮光パターンに対応する部位、すなわち、非露光部位はまったく硬化せず、現像によって完全に除去されるようにした。
なお、パターン露光に先立ち、前記塗布膜上に水溶性樹脂あるいはアルカリ水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等)の溶液を塗布しても良い。これら樹脂の塗布によって、雰囲気中の酸素による重合阻害を抑制することができ、赤色感光層の感度を向上させることができる。
次に、現像処理の現像液としては、アルカリ水溶液又は有機アルカリ溶液等のアルカリ現像液が使用できる。アルカリ水溶液としては、炭酸ソーダ、苛性ソーダ等が例示でき、有機アルカリ溶液としては、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等が例示できる。また、必要に応じて消泡剤や界面活性剤が添加された現像液を使用しても良い。
次に、上記透明赤色画素31Rとほぼ同じ工程で、アクリル系の感光性樹脂に緑色顔料(例えば、フタロシアニングリーン系顔料)と、重合開始剤(例えば、オキシムエステル系重合開始剤)と、分散剤と、光増感剤(例えば、アミン系化合物)と、重合禁止剤(例えば、ハイドロキノン)と、溶剤とを所定量混合分散して、感光性緑色組成物を作製する。
次に、ブラックマトリクス21及び透明赤色画素31Rが形成された透明基板11上に上記感光性緑色組成物をロールコート法等にて塗布し、プリベークして緑色感光層を形成し、フォトマスクを用いて緑色感光層をパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、ブラックマトリクス21間にスルーホール31xが形成された緑色反射部31Gbと緑色透過部31Gaとからなる透明緑色画素31Gを形成する(図5(d)参照)。
次に、上記透明赤色画素31Rとほぼ同じ工程で、アクリル系の感光性樹脂に青色顔料(例えば、フタロシアニンブルー系顔料)と、重合開始剤(例えば、オキシムエステル系重合開始剤)と、分散剤と、光増感剤(例えば、アミン系化合物)と、重合禁止剤(例えば、ハイドロキノン)と、溶剤とを所定量混合分散して、感光性青色組成物を作製する。
次に、ブラックマトリクス21、透明赤色画素31R及び透明緑色画素31Gが形成された透明基板11上に上記感光性青色組成物をロールコート法等にて塗布し、プリベークして青色感光層を形成し、フォトマスクを用いて青色感光層をパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、ブラックマトリクス21間にスルーホール31xが形成された青色反射部31Bbと青色透過部31Baとからなる透明青色画素31Bを形成する(図5(e)参照)。
次に、作成したカラーフィルタ上に、熱硬化性または光硬化性のアクリル樹脂、またはポリイミド系樹脂組成物を塗布した後、焼成または紫外線により硬化させ、オーバーコート層41を形成する。オーバーコート層の厚みは、特に制限はないが、クラック、シワ、割れ等の発生を低減するためには、0.01〜5μm、好ましくは0.03〜4μm、さらに好ましくは0.04〜3μmであった。
さらに、オーバーコート層41の上部に、透明電極51及び配向膜(図示せず)を形成して、本発明のカラーフィルタ基板100を得る(図5(f)参照) 。
上記カラーフィルタ基板100と透明基板12の所定位置に電極61が形成されたアレイ基板110とを貼り合わせてセル化し、液晶81を封入して偏光膜71を設けることにより、請求項6に係る本発明の半透過型液晶表示装置200を得ることができる(図2参照)。
<実施例1>
次に、本発明の感光性着色組成物に係る合成例、これらを用いた課題の実験的検証につき実施例及び比較例に基づいて具体的に説明する。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を表す。
[樹脂の調整]
(感光性透明樹脂の合成例1)
反応容器にシクロヘキサノン570部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80 ℃ に加熱して、同温度でメタクリル酸23.0部、メチルメタクリレート23.0部、ベンジルメタクリレート35.0部、単量体(a)としてパラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成株式会社製「アロニックスM110 」)22.0部、グリセロールモノメタクリレート48.0部、2,2 ’−アゾビスイソブチロニトリル3.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80 ℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80 ℃で1時間反応を続けて、透明樹脂共重合体溶液を得た。次に、得られた透明樹脂共重合体溶液336部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネート33.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン130.0部の混合物を70 ℃で3時間かけて滴下しして感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180 ℃ 、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して感光性樹脂溶液を調製した。得られた感光性透明樹脂1の重量平均分子量Mwは21000、二重結合当量は470であった。
(感光性透明樹脂の合成例2)
反応容器にシクロヘキサノン560部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80 ℃ に加熱して、同温度でメタクリル酸34.0部、メチルメタクリレート23.0部、n−ブチルメタクリレート、23.0部、単量体(a)としてパラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート( 東亜合成株式会社製「アロニックスM110 」)22.0
部、グリセロールモノメタクリレート47.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80 ℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン55部に溶解させたものを添加し、さらに80 ℃ で1時間反応を続けて、透明樹脂共重合体溶液を得た。次に、得られた透明樹脂共重合体溶液338 部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネート32.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン120.0部の混合物を70 ℃で3時間かけて滴下して感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180 ℃ 、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して感光性樹脂溶液を調製した。得られた感光性透明樹脂2の重量平均分子量Mwは21000、二重結合当量は470であった。
(感光性透明樹脂の合成例3)
反応容器にシクロヘキサノン560部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80 ℃ に加熱して、同温度でメタクリル酸22.0部、n−ブチルメタクリレート22.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート104.0部、2,2 ’−アゾビスイソブチロニト
リル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80 ℃ で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80 ℃で1時間反応を続けて、透明樹脂共重合体溶液を得た。次に、得られた透明樹脂共重合体溶液338部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネート33.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン130.0部の混合物を70 ℃で3時間かけて滴下して感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180 ℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して感光性樹脂溶液を調製した。得られた感光性透明樹脂3の重量平均分子量Mwは35000、二重結合当量は770であった。
(非感光性透明樹脂の合成例4)
反応容器にシクロヘキサノン70部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80 ℃ に加熱して、同温度でベンジルメタクリレート12.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸5.3部、単量体(a)としてパラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成株式会社製「アロニックスM110 」)7.4 部、2,2 ’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80 ℃ で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル0.2部をシクロヘキサノン10部に溶解させたものを添加し、さらに80 ℃で1時間反応を続けて、非感光性透明樹脂共重合体溶液を得た。室温まで冷却した後、非感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180 ℃ 、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した非感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して非感光性樹脂溶液を調製した。得られた非感光性透明樹脂4の重量平均分子量Mwは20000であった。
(非感光性透明樹脂の合成例5)
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80 ℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2 ’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80 ℃で1時間反応を続けて、非感光性透明樹脂共重合体溶液を得た。室温まで冷却した後、非感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180 ℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した非感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して非感光性樹脂溶液を調製した。得られた非感光性透明樹脂5の重量平均分子量Mwは46000であった。
感光性透明樹脂の合成例1〜3で得られた感光性透明樹脂1〜3 、および非感光性透明樹脂の合成例4〜5で得られた非感光性透明樹脂4〜5の重量平均分子量Mw、二重結合当量および酸価を表1に示す。なお、酸価はJIS−K−0070に準拠して測定、算出した。
Figure 0005187018
[着色組成物の調製]
下記の要領でカラーフィルタ作製に用いる感光性青色組成物を調製した。
ε型銅二ロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue 15:6) 11.0部
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F 」)
下記化学式(3)で表されるフタロシアニン系顔料誘導体 1.0部
Figure 0005187018
感光性透明樹脂溶液1 9.9部非感光性透明樹脂溶液4 30.1部シクロヘキサノン 48.0部上記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mm のジルコニアビーズを用いて、アイガーミル( アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体(1)を調整した。
次に、
紫系顔料1(C.I. Pigment Violet23) 11.0部
(東洋インキ製造社製「LIONOGEN VIOLET RL」)
下記化学式(4)で表されるフタロシアニン系顔料誘導体 1.0部
Figure 0005187018
感光性透明樹脂溶液1 9.9部非感光性透明樹脂溶液4 30.1部シクロヘキサノン 48.0部上記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mm のジルコニアビーズを用いて、アイガーミル( アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体(2)を調整した。
次に、
顔料分散体(1) 28.6部顔料分散体(2) 7.2部感光性透明樹脂溶液1 6.5部多官能モノマー(DPPAH:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート) 7.8部オキシムエステル系光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「IrgOXE01」) 0.6部光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irg379」) 0.9部増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.8部シクロヘキサノン 31.0部プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 14.5部ハイドロキノン(HQ)1%アノン溶液 1.0部上記組成の混合物を均一になるように攪拌混合し、1μmのフィルタで濾過して、本発明の感光性青色組成物(1)を得た。
<実施例2〜10、比較例1〜9>
まず、実施例及び比較例で使用した多官能モノマーの一覧を表3に示す。
次に、表3に示す感光性透明樹脂溶液、非感光性透明樹脂溶液および多官能モノマーを、表3に示す割合(固形分の重量比)となるように配合し、実施例1と同様にして感光性を有する青色着色組成物(青色レジスト材)(2)〜(19)を得た。感光性透明樹脂及び非感光性透明樹脂については、多官能モノマーとともに表3に示す割合となるよう、感光性透明樹脂溶液、非感光性透明樹脂溶液を調整した。得られた青色着色組成物100重量部中に占めるこれら3成分を合わせた割合は、実施例1〜8及び比較例1〜9については全て同じである。使用した多官能モノマーの一覧は表2に示した。
Figure 0005187018
Figure 0005187018
ここで、MHQはメトキノン、HQはハイドロキノンを示す。
(粘度安定性評価)
青色着色組成物を調製した翌日の初期粘度と、40 ℃で1週間、経時促進させた経時粘度をE型粘度計(東機産業社製「ELD 型粘度計」)を用いて、25 ℃において回転数20rpmという条件で測定した。この初期粘度から経時粘度への変化率を算出した結果を表4に示す。
レジスト経時粘度変化率=|[(初期粘度]−[経時粘度])/[初期粘度]×100|
(感度評価)
上記各実施例及び比較例で調製した各感光性青色組成物について、その感度を、以下のようにして評価を行った。
まず、ガラス基板上に、上記実施例及び比較例で得られた感光性青色組成物(1)〜(19)をスピンコート法により塗布した後乾燥させ、2.0μm厚の青色感光層を形成した。次に、70 ℃で20分間のプリベークを行なった後、プロキシミティーアライナーによる近接露光方式で、50μmの細線パターンを備えたフォトマスクを介して紫外線露光を行なった。露光量は10、20、30、40、50、60、80、100、130、150、200mJ/cm2 の11水準とした。
次に、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗して、パターニングを完了した。得られたフィルタセグメントの膜厚を未露光・未現像部分の膜厚(2.0μm)で割ってその残膜率を算出した。そして、横軸を露光量の常用対数、縦軸を現像後残膜率として露光感度曲線をプロットした。得られた露光感度曲線から、露光感度曲線の立ち上がり始めの露光量を立ち上がり露光量、残膜率が85%以上に達する最小露光量を飽和露光量として、次の式から、コントラスト:γ)および感度カット率を算出した。
γ = 0.85/( Log10 ( 飽和露光量)−Log10(立ち上がり露光量))
感度カット率= 立ち上がり露光量/ 飽和露光量
(オーバーコート密着性評価)
まず、上記実施例及び比較例で得られた感光性青色組成物(1)〜(19)をスピンコート法により塗布した後乾燥させ、2.0μm 厚の青色感光層を形成した。次に、70 ℃
で20分間のプリベークを行なった後、それぞれの感光性青色着色組成物の飽和露光量の紫外線露光を行ない、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗し、パターニングを完了した。現像時間は、それぞれ、未露光の塗布膜を洗い流すのに適正な時間とした。次に、230 ℃ で60分間加熱処理をして評価用基板とした。この基板上にオーバーコート材(JSR製「NN901」)をスピンコート法により塗布した後乾燥させ、2.0μm厚の透明保護層を形成した。次に、70 ℃で20分間のプリベークを行なった後、それぞれの感光性青色着色組成物の飽和露光量の紫外線露光を行ない、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗し、パターニングを完了した。現像時間は、それぞれ、未露光の塗布膜を洗い流すのに適正な時間とした。次に、230 ℃ で40分間加熱処理をしてオーバーコート層を形成した。
得られた基板に、JIS−Z−1522に準拠したセロハンテープを貼り付け、JIS−
S−6050に準拠した消しゴムで貼り付け部分をこすりつけた。オーバーコート密着性評価はJIS−K−5400に準拠した碁盤目試験方法によるクロスカットピール試験で行った。
なお、後述の表4には、欠陥面積が全面積の15%未満を○、15%以上40%未満を△、40%以上である場合を×として記述した。
(パターニング性評価)
まず、上記実施例及び比較例で得られた感光性青色組成物(1)〜(19)をスピンコート法により塗布した後乾燥させ、2.0μm厚の青色感光層を形成した。次に、70 ℃で20分間のプリベークを行なった後、プロキシミティーアライナーによる近接露光方式で、幅 6、8、10〜20μmの2μmごとに大きさの異なる8角形のホールパターンを備えたフォトマスクを介して、紫外線露光を行なった。露光量はそれぞれの感光性青色着色組成物の飽和露光量を照射した。なお、後述の表4 には、径の小さな6〜10μmのスルーホール形状についてのみ記述した。
次に、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗して、パターニングを完了した。現像時間は、それぞれ、未露光の塗布膜を洗い流すのに適正な時間とした。次に、230 ℃で60分間加熱処理をして評価用基板とした。
そして、得られた透明青色画素のスルーホールの幅について、
(1): フォトマスクのホール幅に対する透明青色画素のスルーホールの幅、
(2): 透明青色画素スルーホールの断面形状により評価した。
(1)については、光学顕微鏡を用いて行なった。評価のランクは、フォトマスクのスルーホールの幅以上の幅のスルーホールが得られ、且つ、スルーホール部位の内部に色残りがない場合を○とし、それ以外を×とした。
また、(2)については、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて評価を行なった。
評価のランクは、図6(a)に示すようなパターン端部が斜面(スロープ)になっている順テーパー形状もしくは図6(b)に示すようなパターン端部が垂直に切り立ているノンテーパー形状を○、図6(c)に示すような逆テーパー形状を×とした。
得られた結果を表4に一括して示した。
Figure 0005187018
(まとめ)
まず、クロスカットピール試験の結果から、オーバーコート層との密着性については、比較例3〜9、実施例6,7の結果が他に比べて劣る。これはエチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が、4.4×10-3mol/g以下もしくは概ね5.5×10-3mol/g以上の場合であった。この範囲以外では概ね良好な密着力を示した。
次に、パターンの形状に関しては、比較例1,4,6〜9が相対的に悪い。比較例5以外の比較例はすべて重合禁止剤を含まず、エチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度で見ると、4.4×10-3mol/g以下もしくは概ね5.5×10-3mol/g以上であった。重合禁止剤が含まれると、パターニング性が向上するがオーバーコート層との密着力が低下した。多官能モノマーが過剰であると密着力が向上するが、露光光とのマッチングが悪くなるのでパターンニング性及び解像性が低下し、感光性着色組成物としての安定性が極端に低下するという結果である。
次に、解像性についてであるが、実施例と比較例の対比から重合禁止剤としてハイドロキノンもしくはメトキノンの1%アノン溶液を添加すれば、径が10μm以下のホールが形成できることは明らかである。
実施例1〜8の感光性青色組成物における立ち上がり露光量、飽和露光量、γ値を分析
すると、現像後の残膜率が85%となる露光量を基準として、この露光量の23%以下の露光量では、残膜がまったく見出されなかった。この23〜85%の範囲に露光感度曲線が収まるのは、感度カット率が23%以上でγが1.33以上の場合である。そして、この条件を満たす場合、パターニング形状が良好で、精度良く径10μm以下のスルーホールを形成できた。実施例3,5,8では6μm径まで解像し、感度カット率が38%でγが大きかった。さらにオーバーコート層との密着性、パタニング形状にも優れ、感光性着色樹脂の経時安定性も良好であった。
解像性を向上させるためには、もっぱらγ特性を急峻にするだけでは、不十分であって、また好ましい透明着色画素形状を得るために、もっぱら感光性樹脂を組成する特定の素材の設計変更だけでも不十分である。本発明は、両者が相互に関係することに着目するとともに新たにオーバーコート層との密着性の確保という課題に対応するために、露光用光源に適合する、高濃度の着色剤を含有しても分散安定性に優れた感光性着色組成物を開発したものである。この組成物は、露光部分の深さ方向に対する均一な光反応の誘導、未露光部の良好な現像溶解性、オーバーハングのない着色画素形成、着色画素中の微細なスルーホール形成、オーバーコート層との強い密着性という要請すべてに答えることが確認された。
半透過型液晶装置の一例を示す模式構成図である。 カラーフィルタの構成例を示す説明図である。 本発明のカラーフィルタ基板の一実施例を示す模式断面図である。 本発明の半透過型液晶装置の一実施例を示す模式断面図である。 (a)〜(f)は、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一例を工程順に示す模式断面図である。 パターン形状評価の一例を示す説明図である。
符号の説明
11、12、111、112 … … 透明基板
21 … … ブラックマトリクス
31r … … 赤色感光層
31R、131R … … 赤色画素
31Ra … … 赤色透過部
31Rb … … 赤色反射部
31G、131G … … 緑色画素
31Ga … … 緑色透過部
31Gb … … 緑色反射部
31B、131B … … 青色画素
31Ba … … 青色透過部
31Bb … … 青色反射部
31x、131x … … スルーホール
41、141 … … オーバーコート層
51、151 … … 透明電極
61、161 … … 電極
71、171 … … 偏光膜
81、181 … … 液晶
100、310 … … カラーフィルタ基板
110、320 … … アレイ基板
121 … … 遮光パターン
a … … 透過部
b … … 反射部

Claims (6)

  1. 少なくとも、(a)感光性透明樹脂、(b)非感光性透明樹脂、(c)3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー、(d)重合開始剤、(e)着色材、(f)重合禁止剤、及び(g)溶剤を含有する感光性着色組成物であって、前記着色材(e)は青色、シアン色、紫色のいずれかであり、前記3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)の分子量が1000以上であり、前記重合禁止剤(f)が下記化学式(1)で表される化合物であり、前記感光性着色組成物中のエチレン性不飽和二重結合の重量モル濃度が、感光性透明樹脂と非感光性透明樹脂、及び多官能モノマーの合計重量を基準として4.1×10-3mol/g〜5.5×10-3mol/gの範囲である、ことを特徴とする感光性着色組成物。
    Figure 0005187018
  2. 前記感光性着色組成物中のエチレン性不飽和二重結合のモル数が4.0×10-2mol〜5.5×10-2molの範囲であり、前記3つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー(c)の分子量が1000以上であり、前記重合禁止剤(f)が上記化学式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性着色組成物。
  3. 感光性透明樹脂(a)又は非感光性透明樹脂(b)が、共重合成分として、下記化学式(2)で示されるエチレン性不飽和単量体を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性着色組成物。
    Figure 0005187018
    ( 式(2)において、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4 は、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R5は、水素原子又はベンゼン環を含むこともある炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。)
  4. 横軸を露光量の常用対数、縦軸を現像後残膜率としてプロットした露光感度曲線において、この露光感度曲線の立ち上がりの角度をθとした時、このθの正接で定義されるγ (コントラスト)が1.33以上であり、且つ、現像後残膜率が85%以上となる最小露光量の23%以下の露光量で、現像後残膜率が0%であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
  5. 少なくとも、透過部と反射部とに区分された複数の透明着色画素及び前記透明着色画素の上部にオーバーコート層を有するカラーフィルタ基板において、前記透明着色画素が請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感光性着色組成物を用いて形成され、且つ、前記オーバーコート層が、JIS−K5400に準拠した100マス碁盤目テープ法による密着性評価で、前記オーバーコート層の剥離欠陥の面積が全面積の15%未満であることを特徴とするカラーフィルタ基板。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタ基板を用いて製造したことを特徴とする半透過型液晶表示装置。
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