JP5186967B2 - 塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッドを用い、塗布液を連続して移動する基材に吐出して塗布を行う場合に、前記塗布液を安定して吐出することのできる塗布方法に関する。
従来、被塗布物である基材の表面に塗布液を塗布する塗布方法には様々な塗布方式が存在し、その塗布方式は大きく2つに大別される。1つは必要な塗布液膜を形成する量だけ塗布液を吐出させて基材表面に塗布液を塗布する前計量型塗布方式であり、代表的なものとしてエクストルージョン塗布方式、スライド塗布方式、カーテン塗布方式などが挙げられる。もう一つは予め必要な塗布液膜形成量よりも余剰な塗布液を吐出させて、その後何らかの手段により余剰塗布液を掻き落とす後計量型塗布方式であり、代表的なものとしてロール塗布方式、エアーナイフ塗布方式、ワイヤーバー塗布方式などが挙げられる。
一般的には、前計量型塗布方式では装置構成等は複雑であるが高精度な塗布液膜が得られ、後計量型塗布方式では装置構成等は簡便で加工速度は高速であるが前者に比較して塗布液膜の精度は落ちる。ここで、前記高精度とは基材の移動方向及び移動方向と直交する方向での塗布液膜の厚みの均一性を指す。また、前計量型塗布方式と後計量型塗布方式を塗布液の消費量という観点で比較した場合には当然ながら前計量型塗布方式の方が少なく、生産効率上有利である。
しかし、これらの従来の塗布方式では、高精度かつ薄膜な塗布液膜を得ることが困難という問題がある。即ち、後計量塗布方式では比較的薄膜を得ることは可能なものの、前述のとおり塗布液膜の精度が悪い。一方、前計量塗布方式では塗布液膜の精度は比較的良いが、薄膜を得ることが難しい。
一方、機能性塗布液膜を基材上に形成してなる塗布物に対して、従来の写真感光材料等と比較してより薄膜でより高精度な塗布液膜のニーズが非常な高まりを見せている。こうした状況の中で、近年需要の増えている民生用の印刷機器等に使用されている、インクジェットプリンタ技術を塗布液の高精度薄膜形成に摘要する研究が進んでいる。例えばインクジェットヘッド(以下、ヘッドとも略す)から圧電振動子による可撓板の変形により塗布液をノズルから液滴として吐出し、基材上に塗布液膜を形成すること及び一定の被覆率で塗布液膜が配置されたパターニングを形成することが知られている。
ここで、被塗布物とは塗布液膜が形成される基材をいい、塗布物とは前記基材上に塗布液膜が形成されたものをいう。
インクジェットヘッドを使用した塗布液膜の形成は、様々な製品の加工方法への適用が検討されている。例えば電気光学パネル(液晶表示装置や有機ELパネル)の製造に必要な液晶、フォトレジスト膜、オーバーコート膜、配向膜、カラーフィルタ、有機EL材料等の各種膜等である。またこれらに限らず広く工業用に適用されつつある。
このインクジェットヘッドを利用して塗布液膜を得る方法(以下インクジェット塗布法ともいう)は、これまでに数々の発明がなされている。例えば、インクジェットヘッドを基材の移動方向と直交する方向に複数並べて配置し、ノズルからの吐出液滴を基材上に基材の移動速度に対応した周波数で吐出することにより塗布液膜を得る方法が代表的である(例えば、特許文献1参照)。インクジェット塗布法は液滴量や基材上での配置ピッチを任意に決めることができるため、前述した塗布方式の分類では前計量塗布方式となる。
しかしながら、前記インクジェットヘッドを用いた塗布方法においては、問題点も存在する。前記問題点として、圧電振動子による可撓板の変形、即ちチャネル(塗布液圧力室)の伸縮により塗布液をノズルから液滴として吐出する剪断モード型(ピエゾ方式)のヘッドでは、次のものがある。
前記塗布液に容存する容存空気が多い場合に、吐出過程において、チャネルの伸縮によりチャネル内部の前記塗布液の流速に差が生じ、これにより負圧が生じることで、塗布液中の飽和溶解度が低下する。このように、塗布液中の飽和溶解度が低下すると、溶解しきれなくなった容存空気が気泡に成長する。前記気泡がチャネル内部に溜まると、吐出量低下やノズル詰まり等の吐出不良を引き起こすことが知られている。
前記吐出不良を防ぎ、前記塗布液を安定に吐出するためには、前記塗布液に容存する容存空気を減少させることが重要になる。そこで、従来から、吐出量変動を抑えるために、脱気した塗布液を用いる方法がとられてきた。塗布液の脱気には、例えば減圧脱気、超音波脱気等が挙げられる。このように、様々な脱気方法が考案され、インクジェットヘッドからの塗布液の吐出安定性を向上させるための工夫がなされてきた。
また、発熱素子を有し、この発熱素子からの熱エネルギーにより生じる塗布液の膜沸騰による急激な体積変化により、ノズルから塗布液を吐出させるサーマルタイプのインクジェットヘッドでも、前記脱気が効果的であることが知られている。即ち、脱気した塗布液をヘッドに供給することにより、吐出不良の原因となる空気をヘッドに、塗布液とともに送り込むことを減少させることができる。
また、前記インクジェットヘッドは、どのような手法で塗布液を吐出させる場合であっても、吐出を行うことによりヘッドの温度が上昇する。前記温度の上昇により、ヘッドの特性の変動及び塗布液の粘度の低下が生じ、その結果、吐出特性が変化する。ここで、塗布液は、ヘッドを通過するときに、結果的にヘッドを冷却することになる。即ち、塗布液は、ヘッドの温度を一定範囲に保持する役割も有している。したがって、ヘッドの吐出特性を安定化させるべくヘッドの温度を一定範囲に保持するためには、塗布液の温度を所定の温度に保つことが好ましい。
ここで、前記所定の温度とは、前記ヘッドの温度を一定範囲に保持することができる塗布液の一定範囲の温度であり、予め実験等により設定される。
上記脱気及び吐出特性の安定化に対し、気体透過性膜を用いた脱気で、塗布液(インクともいう)を加熱し脱気するとともに、脱気後の塗布液を冷却する脱気装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、気体透過性膜を用いた脱気で、気体透過性膜を介してインクと対向する空間が水の飽和水蒸気圧以下の真空度の時に、単位時間あたりの水分の透過量が、所定量以下である脱気装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−75683号公報 特開2003−341083号公報 特開平11−42771号公報
特許文献1及び2は、気体透過性膜を用いた脱気に際し、塗布液を加熱し脱気することにより脱気効率を向上させるとともに、脱気後の塗布液を冷却することによりヘッドの吐出特性を安定化させるものである。
特許文献2は、気体透過性膜を用いた脱気に際し、脱気装置で塗布液中の溶存気体と一緒に塗布液成分中の水分、有機溶媒等が蒸気として抜け出し、脱気装置内で塗布液の濃度が変化してしまうことを最小限に抑えるものである。
しかしながら、脱気後の塗布液をヘッドに送液し充填する際に、脱気装置からヘッドの送液管内部に残留空気があると、前記残留空気が前記塗布液に溶解し脱気後の塗布液の容存空気が再び増加することがある。これにより、塗布開始直後は前記塗布液の容存空気量が多い状態が続き、吐出不良を生じる恐れがあった。前記特許文献1〜3では、前記残留空気に対しての対策には言及されておらず、前記残留空気に起因する吐出不良を減少させることは困難であった。
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、塗布液の充填時に送液管内の残留空気を効果的に除去でき、且つ十分に脱気された塗布液をインクジェットヘッドへ供給し、安定的に液滴を前記ヘッドより吐出して、安定的に塗布を行うことのできる塗布方法を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の方法により達成される。
1.有機溶媒を含有する塗布液の液滴をノズルから吐出するインクジェットヘッドを備えた塗布装置を用い、連続的に移動する基材に前記インクジェットヘッドより前記液滴を吐出して塗布液膜を形成する塗布方法において、機溶媒に溶存する溶存空気を脱気するステップと、前記溶存空気が脱気された前記有機溶媒を前記塗布液が送液される送液ラインに充填するステップと、前記塗布液を前記送液ラインに送液し前記送液ラインに充填された前記有機溶媒と置換するとともに、気体透過性膜を介して前記塗布液と対向する空間を減圧して前記塗布液の溶存空気を脱気する脱気装置に送液するステップと、前記脱気装置から前記インクジェットヘッドに前記脱気された塗布液を送液するステップと、前記インクジェットヘッドの側面の温度を検出し、前記検出の結果に基づき、前記塗布液の温度を前記塗布液の溶存空気量が一定に保たれる所定の温度に制御しながら、前記インクジェットヘッドから前記基材に前記塗布液の液滴を吐出するステップと、を有することを特徴とする塗布方法。
2.前記塗布液が複数の有機溶媒を含有し、前記塗布液の脱気では前記複数の有機溶媒の構成比率が変化しないことを特徴とする1に記載の塗布方法。
3.前記気体透過性膜は、フッ素樹脂を主成分として構成された中空糸からなることを特徴とする1又は2に記載の塗布方法。
4.前記気体透過性膜は、ポリエチレンを主成分として構成された中空糸からなることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の塗布方法。
上記により、塗布液の充填に際し、脱気した有機溶媒を送液管に満たした後、気体透過性膜を用いて脱気した塗布液を前記送液管に充填し、液滴の吐出を開始することで、脱気された塗布液の状態を保ちながら、効果的に送液管の残留空気を除去することができる。これにより、吐出不良の減少を図ることができ、安定した塗布を開始することができる。
更に、脱気した塗布液の温度を所定の温度に制御することで、塗布液の容存空気量を一定に保つことができ、吐出量低下やノズル詰まり等の吐出不良を減少させることができる。これにより、塗布時のスジ等の塗布不良を減少させることができる。
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る塗布方法が適用可能な塗布装置の一例を示す概略模式図である。
ロール状に巻かれた長尺状の基材12は、駆動手段(不図示)により巻き出しロールから矢印A方向に繰り出され搬送される。
基材12はバックアップロール13に支持されながら搬送される。基材12がバックアップロール13を通過する際に、インクジェットヘッド2より基材12上に塗布液が吐出され、塗布液が基材12に塗布されて塗布液膜12aが形成される。塗布液が塗布された基材12は、乾燥ゾーン(不図示)を経由して巻き取りロール(不図示)に巻き取られる。
本実施の形態では、インクジェットヘッド2は、基材12を挟みバックアップロール13の上方の対向する位置に、基材12の幅方向に塗布幅に対応して配置される。塗布液は、インクジェットヘッド2のノズルよりバックアップロール13のほぼ回転中心方向に射出される。
インクジェットヘッド2の配置は図1に示す位置に限定されるものではなく、インクジェットヘッド2をバックアップロール13と対向しない位置、例えばバックアップロール13を通過する前後の位置に配置することもできる。この場合は、基材12とインクジェットヘッド2との間隙を安定に維持するために、インクジェットヘッド2の近傍に、基材12の塗布面の反対側に基材12を支持する支持部材を設けることが好ましい。
塗布装置は、基材2の幅方向に塗布幅に対応して配置されたインクジェットヘッド2、塗布液を供給する塗布液供給機構20を含み構成される。
インクジェットヘッド2の側面には、インクジェットヘッド2の温度を検出する温度センサー14が配設される。
塗布液供給機構20は、塗布液をインクジェットヘッド2に供給するとともに、インクジェットヘッド2内の塗布液圧力を一定に保つ。
塗布液供給機構20は、塗布液タンク7、有機溶媒タンク1、送液ポンプ3、バルブ4、5、6送液管21a、21b、21cを有する。送液管21aと送液管21cの間には、塗布液の脱気を行う脱気装置8が配設される。送液管21cの途中でインクジェットヘッド2の近傍には、送液管21cを介し塗布液と熱交換する熱交換器9が配設される。バルブ4、5、6は電気駆動される電磁バルブ等を用いることができる。
塗布液タンク7は、塗布液を貯留し、インクジェットヘッド2に塗布液を供給する。また、インクジェットヘッド2内の塗布液圧力を一定に保つ機構(不図示)を合わせ持つ。バルブ5は塗布液の供給を制御する。
有機溶媒タンク1は、塗布液に含有する少なくとも1種の有機溶媒を貯留し、インクジェットヘッドに塗布液を充填する際に、有機溶媒を供給する。送液ポンプ3は、前記充填時に有機溶媒をインクジェットヘッド2及び全送液管に強制的に送液する。バルブ4は、有機溶媒の送液を制御する。また、バルブ6は、塗布液及び有機溶媒の送液を制御する。
脱気装置8は、気体透過性膜を介して塗布液と対向する空間を大気圧以下に減圧しながら塗布液を送液し、塗布液の脱気を行う。前記気体透過性膜は、非多孔質で気体透過性に優れ、塗布液に対して対薬品性を有する材質から形成されるものであることが好ましい。具体的には、前記材質としては、フッ素樹脂、ポリエチレン等を主成分としたものが、好ましく用いられる。
また、前記気体透過性膜としては、前記材質で形成される非多孔質の中空糸からなる中空糸膜が挙げられる。前記中空糸は、フッ素樹脂又はポリエチレンを主成分として構成されたものが好ましく用いられる。また、前記中空糸膜は、多層構造としてもよい。
図3は、中空糸膜を用いた脱気装置9の例を示す図である。脱気モジュール91は、内部に中空糸膜92を有する。塗布液は図の矢印に示すように、送液管21aより脱気モジュール91内に送られ、中空糸膜92内を通り送液管21cに送り出される。中空糸膜92を介して塗布液と対向する空間93は減圧ポンプVPにより減圧される。
上記により、塗布液の組成、濃度、塗布液に含まれる複数の有機溶媒の構成比率等、の変化を最小限に抑えながら、塗布液に容存する気体を効率よく減少させることができる。
インクジェットヘッド2としては特に限定はなく、例えば発熱素子を有し、この発熱素子からの熱エネルギーにより塗布液の膜沸騰による急激な体積変化によりノズルから塗布液を吐出させるサーマルタイプのヘッドでもよいし、インク圧力室に圧電素子を備えた振動板を有しており、この振動板によるインク圧力室の圧力変化で塗布液を吐出させる剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドであってもよい。
図2に、インクジェットヘッド201の一例を示す。図3は、ヘッドの一例を示す一部を破断面とした概略斜視図であり、剪断モード型(ピエゾ型)インクジェットヘッドの場合を示している。
図1に示す例は、剪断モード型(ピエゾ型)インクジェットヘッドを用いており、図1に示すように、インクジェットヘッド2には圧電性基盤を駆動させるためのヘッド制御部30がコネクタ(不図示)を介して接続されている。ヘッド制御部30により、塗布液射出時の圧電性基盤の動作強度や周波数の選択等が行われる。
インクジェットヘッド2は、上層圧電性基盤201b1と下層圧電性基盤201b2とを接合して形成された圧電性基盤201bと、天板201cと、ノズル板201dとを有している。
圧電性基盤201bには、研削加工を施すことによりノズル板201d側が開口し、反対側が閉塞している互いに平行な所定の長さを有する複数のノズル201b3と、ノズル201b3の閉塞した側につながる平坦な面201b4と、ノズル(インク圧力室)201b3の両側に側壁201b5とを有している。複数のノズルは交互に塗布液圧力室用のノズルと空気圧力室用のノズルとして使用する場合もある。図2は塗布液圧力室用として使用した場合を示している。201c2は圧電性基盤201bの上面を覆う第1天板を示し、201c1は第1天板の上面を覆う第2天板を示す。
201eは塗布液の塗布液供給管を示す。塗布液供給管201eより供給された塗布液はノズル吐出口201d1より吐出するようになっている。201c3は塗布液供給管201eから供給された塗布液の貯留部を示し、各ノズル201b3に連通した各塗布液供給口201c4より各塗布液圧力室用のノズル201b3に供給されるようになっている。各ノズル201b3は第1天板201c2とノズル板201dとにより覆われることで複数の密閉されたチャネル(塗布液圧力室)が形成されるようになっている。
201d1は各側壁の剪断変形に伴い、塗布液圧力室の圧力変化で塗布液を液滴の状態で吐出させるノズル吐出口を示す。ノズル吐出口の間隔は、0.02〜0.3mmが好ましい。201fは塗布液のエアー抜きなどに使用される配管を示す。201fは塗布液射出時にはバルブ等により密閉される構造となっている。
第1天板及び第2天板の材料は特に限定されず、例えば有機材料からなってもよいが、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が挙げられる。
ノズル板201dを構成する基材としては、金属や樹脂が使用される。例えばステンレス、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等が好ましく採用できる。特に好ましくはポリイミド樹脂で、Dupont社製:カプトンや宇部興産(株)製:ユーピレックス等が寸法安定性、耐インク性、耐熱性等に優れているので好ましい。
次に、インクジェットヘッド2に塗布液を充填し、塗布するまでの手順について説明する。
先ず、塗布液に含有されている有機溶媒の少なくとも1種を用い、前記有機溶媒に容存する溶存空気を予め脱気処理する。前記脱気処理は、一般的に知られている有機溶媒系に使用可能な脱気装置を用いて行うことができる。
次に、脱気した前記有機溶媒を有機溶媒タンク1に充填する。更に、バルブ4、5、6を開放した状態で、送液ポンプ3で前記有機溶媒を全送液管及びインクジェットヘッド2に送液し、充填する。これにより、全送液管及びインクジェットヘッド2の内部の残留空気を強制的に排除することができる。
次に、塗布液を塗布液タンク7に充填し、バルブ4を閉鎖、バルブ5、6を開放状態とし、インクジェットヘッド2から吐出を開始する。吐出開始直後は、全送液管及びインクジェットヘッド2の内部に、前述の有機溶媒が残留しているため、しばらく連続吐出して前記有機溶媒を吐出し、前記塗布液との置換を行う。
前記塗布液は、脱気装置8で脱気処理され、送液管21cを経由してインクジェットヘッド2に送液、供給される。
インクジェットヘッド2の側面には、インクジェットヘッド2の温度を検出する温度センサー14が配設され、インクジェットヘッド2の温度を検出する。また、送液管21cの途中で、インクジェットヘッド2の塗布液の貯留部201c3(図2参照)の近傍には熱交換器9が配設され、送液管21cを介し塗布液と熱交換する。熱交換器9は、一般的に知られている既存の熱交換器を用いることができる。
温度センサー14での温度の検出結果は、温度制御部10に送られ、温度制御部10は、前記検出結果に基づき、熱交換器9を制御し、塗布液の温度を所定の温度に制御する。このように、塗布液の温度を所定の温度に維持することは、即ちインクジェットヘッド2の温度を一定に維持することになり、インクジェットヘッド2の温度上昇によるヘッド2の特性の変動及び塗布液の粘度の低下を防止でき、吐出特性の安定化を図ることができる。
上記により、塗布液の充填に際し、脱気した有機溶媒を送液管に満たした後、気体透過性膜を用いて脱気した塗布液を前記送液管に充填し、液滴の吐出を開始することで、脱気された塗布液の状態を保ちながら、効果的に送液管の残留空気を除去することができる。これにより、吐出不良の減少を図ることができ、安定した塗布を開始することができる。
更に、脱気した塗布液の温度を所定の温度に制御することで、塗布液の容存空気量を一定に保つことができ、吐出量低下やノズル詰まり等の吐出不良を減少させることができる。これにより、塗布時のスジ等の塗布不良を減少させることができる。
<実施例>
図1に示す塗布装置を用い、塗布条件を変えて基材に塗布を行い、形成された塗布液膜の評価を行った。
(塗布条件)
1.脱気装置での、塗布液の脱気の有無
2.塗布液温度を所定の温度とする制御の有無
3.脱気処理した有機溶媒の送液ラインへの充填の有無
(塗布仕様)
基材材質:ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
基材搬送速度:10m/min
ヘッドノズル面と基材間距離:2mm
ヘッド仕様:ノズル数;500、ノズル間距離;100μm、ノズル径;40μm
ヘッドからの塗布液の吐出速度:5m/s
液滴吐出量:1液滴当たり40pl
塗布液温度:24℃
(評価方法)
形成された塗布液膜に発生したスジの本数を目視で観察し、測定して評価した。
評価レベル
◎:スジ本数0〜3本
○:スジ本数4〜10本
△:スジ本数11〜20本
×:スジ本数21本以上
〔実施例1〕
塗布液は、先ず有機溶媒のエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを80%、顔料及び分散剤の固形分を20%の比率で混合し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで攪拌し、ミルベースを生成した。次に、前記ミルベースを、横型エンドミルで約1時間分散させ、有機溶媒系の塗布液とした。
塗布開始前に、前述の、塗布するまでの手順に基づき、脱気処理した前記有機溶媒を有機溶媒タンク1に充填し、更に送液ラインに充填した。次に、前記塗布液を塗布液タンク7に充填し、脱気装置8で前記塗布液の脱気をしながら吐出を開始し、前記有機溶媒を吐出して前記塗布液との置換を行い、塗布を行った。
脱気装置8は、気体透過性膜にポリエチレンを主成分とする中空糸を用いた有機溶媒薬液系脱気モジュールMHF398PFDE(三菱レイヨン社製)を用いた。前記塗布液と前記中空糸を介して対向する空間の圧力を5.33kPaとし、前記塗布液の容存空気を脱気した。
塗布に際し、脱気装置8での脱気後の前記塗布液を、熱交換器9とヘッド2の側面に配設した温度センサー14及び温度制御部10により、ヘッド2から吐出される塗布液の温度が一定になるように温度制御を行った。熱交換器9は、チタン製二重管コイル式小型熱交換器TDC−220−16(山一製作所製)を用いた。
〔実施例2〕
実施例1に対して、有機溶媒のエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを60%、同じく有機溶媒のプロピレングリコールを20%、顔料及び分散剤の固形分を20%の比率で混合しハイスピードミキサー等で均一になるまで攪拌し、ミルベースを生成した。次に、前記ミルベースを、横型エンドミルで約1時間分散させ、有機溶媒系の塗布液とした例である。これ以外は、実施例1に準ずる。
〔比較例1〕
実施例1に対して、脱気処理した有機溶媒の送液ラインへの充填を行わない例である。これ以外は実施例1に準ずる。
〔比較例2〕
実施例1において、塗布液温度を所定の温度とする制御を行わない例である。これ以外は実施例1に準ずる。
〔比較例3〕
実施例1に対して、脱気処理した有機溶媒の送液ラインへの充填と、塗布液温度を一定にする制御と、を行わない例である。これ以外は実施例1に準ずる。
〔比較例4〕
実施例1に対して、脱気装置での塗布液の脱気を行わない例である。これ以外は実施例1に準ずる。
〔比較例5〕
実施例1に対して、脱気装置での塗布液の脱気と、脱気処理した有機溶媒の送液ラインへの充填と、を行わない例である。これ以外は実施例1に準ずる。
〔比較例6〕
実施例1に対して、脱気装置での塗布液の脱気と、塗布液温度を一定にする制御と、を行わない例である。これ以外は実施例1に準ずる。
〔比較例7〕
実施例1に対して、脱気装置での塗布液の脱気、塗布液温度一定の制御、脱気処理した有機溶媒の送液ラインへの充填、の何れも行わない例である。これ以外は、実施例1に準ずる。
上記評価結果を表1に示す。
Figure 0005186967
表1に示すように本発明の効果が確認された。
本発明に係る塗布方法を用いた塗布装置の例を示す概略模式図である。 インクジェットヘッドの一例を示す図である。 中空糸膜を用いた脱気装置の例を示す図である。
符号の説明
1 有機溶媒タンク
2 インクジェットヘッド
3 送液ポンプ
4、5、6 バルブ
7 塗布液タンク
8 脱気装置
9 熱交換器
91 脱気モジュール
92 中空糸膜
10 温度制御部
12 基材
12a 塗布液膜
13 バックアップロール
14 温度センサー
20 塗布液供給機構
21a、21b、21c 送液管
30 ヘッド制御部
VP 減圧ポンプ

Claims (4)

  1. 有機溶媒を含有する塗布液の液滴をノズルから吐出するインクジェットヘッドを備えた塗布装置を用い、連続的に移動する基材に前記インクジェットヘッドより前記液滴を吐出して塗布液膜を形成する塗布方法において、
    機溶媒に溶存する溶存空気を脱気するステップと、
    前記溶存空気が脱気された前記有機溶媒を前記塗布液が送液される送液ラインに充填するステップと、
    前記塗布液を前記送液ラインに送液し前記送液ラインに充填された前記有機溶媒と置換するとともに、気体透過性膜を介して前記塗布液と対向する空間を減圧して前記塗布液の溶存空気を脱気する脱気装置に送液するステップと、
    前記脱気装置から前記インクジェットヘッドに前記脱気された塗布液を送液するステップと、
    前記インクジェットヘッドの側面の温度を検出し、前記検出の結果に基づき、前記塗布液の温度を前記塗布液の溶存空気量が一定に保たれる所定の温度に制御しながら、前記インクジェットヘッドから前記基材に前記塗布液の液滴を吐出するステップと、
    を有することを特徴とする塗布方法。
  2. 前記塗布液が複数の有機溶媒を含有し、前記塗布液の脱気では前記複数の有機溶媒の構成比率が変化しないことを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記気体透過性膜は、フッ素樹脂を主成分として構成された中空糸からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記気体透過性膜は、ポリエチレンを主成分として構成された中空糸からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の塗布方法。
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