JP5186626B2 - 焼酎製造廃液を利用した家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法 - Google Patents

焼酎製造廃液を利用した家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼酎製造廃液を利用した家畜舎からの汚水(以下、家畜舎汚水と呼ぶ)の生物学的浄化処理方法に関し、特に、豚舎等からの窒素分を多く含有する家畜舎汚水に最適な、有機物処理及び脱窒素処理を生物学的方法で行う生物学的浄化処理方法に関する。
従来より、家畜ふん尿の一部は、有機肥料や土壌改良を目的とした資材等として利用されているものの、大部分は廃棄されており、国内最大の有機性産業廃棄物という側面がある。家畜ふん尿の処理は、自家処理施設や共同処理施設で行われている。そして、固形分の多くは堆肥化されて利用されているが、尿については、一部は散布に使用されているものの、浄化処理して廃棄されているのが現状である。より具体的には、家畜尿汚水中に懸濁及び溶解している物質(肥料成分を含む)を汚水中から除去した後、その水域の放流基準にあった処理水に浄化することが行われている。このような現状下、家畜舎汚水の浄化処理技術で特に課題となっているのは、閉鎖水域の富栄養化や、地下水の硝酸汚染を招くおそれのある窒素・りんを高能率・低コストで除去する技術である。家畜舎汚水の中でも最も処理技術の確立が望まれる状況にあると考えられるのは、BODに対する全窒素の割合が高い豚舎汚水である。一般的に生物処理に適したBOD:全窒素の割合は100:5程度であるのに対して、豚舎汚水は、著しく窒素過剰の汚水であり、その生物学的な浄化処理は非常に難しい。
硝酸性窒素を多く含む排水の浄化方法としては、脱窒素汚泥で処理して脱窒素する浮遊型活性汚泥法が一般的である。しかしながら、浮遊型活性汚泥法では、多量の排水を処理できる利点はあるものの、大きな設置面積が必要であるため、敷地に余裕のない所では設置が困難である。又、脱窒素処理により発生する窒素ガス等によって脱窒素汚泥が浮上し、処理済水(以下、処理水という)に随伴して流出し、処理負荷が低下するという問題がある。
硝酸性窒素を含む排水処理方法の他の方法としては、流動床型水処理装置を用いる方法がある。本出願人は、脱窒素汚泥の浮上や流出の問題のない硝酸性窒素の高負荷処理が可能な排水の生物学的脱窒素処理法を提案している(特許文献1参照)。かかる方法によれば、脱窒素汚泥は高密度の造粒物となるため、硝酸性窒素含有排水の脱窒素反応に伴う脱窒素汚泥の浮上流出を防止できる。又、従来の浮遊型活性汚泥法に比べて硝酸性窒素の高負荷処理が可能であるため、設置面積も少なくて済み、装置のコンパクト化が可能となる。
近年、畜産業における家畜排泄物処理の、更なる適正化を求めた「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(平成16年11月より本施行)によって、小規模な家畜舎等からの排水処理についても処理が義務付けられている。このため、小規模事業所においても設置することが可能な、従来のものよりも更に設備の小型化・簡易化、そして低価格化・低ランニングコスト化が達成された簡易且つ効率のよい処理方法の開発が切望されている。特に、従来より処理が難しいとの指摘のある窒素分の多い豚舎等からの汚水について、簡易且つ効率のよい、よりコンパクトな設備で生物学的な処理ができる方法が開発されれば非常に有用である。
一方、近年の焼酎ブームの影響から焼酎粕の排出量が増大しており、その処理が問題となっている。焼酎粕は、アルコール発酵した「もろみ」を蒸留し製品を取り出した残渣物であるが、製品の約2倍量の排出がある。焼酎粕の処理方法としては、従来は、畑地散布、海洋投入処分がされていたが、近年、陸上処理へと移行しつつある。陸上処理方法としては、焼酎粕の栄養が豊富なことから、メタン発酵と飼料化との併用や、乾燥飼料化等もなされているが、焼却等の処理も多く行われている。しかしながら、焼酎粕は、液状で水分が多く、脱水ケーキとしても70%の水分を含み、利用するにあたっても、焼却等の処理をするにあたっても大量の化石燃料を必要とするため、化石燃料消費量を低減した処理方法の開発が課題となっている。従って、焼酎粕の生物学的な処理技術が確立できれば、非常に有用である。
特開平8−167175号公報
従って、本発明の目的は、豚舎等からの窒素分を多く含有する家畜舎汚水を、簡易且つ効率よく生物学的に処理できる浄化方法を提供することである。更に、本発明の別の目的は、焼酎粕を、従来の処理方法のように多大な化石燃料を消費することなく、簡易に処理することができる生物学的処理方法を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、有機物及び窒素分を多く含有する家畜舎汚水を被処理水とする汚水の生物学的浄化処理方法であって、被処理水の生物酸化処理を行う膜分離活性汚泥工程と、その後に行う硝酸性窒素を処理する流動床型嫌気性水処理装置を用いての脱窒工程とを有し、上記膜分離活性汚泥工程で有機物処理及び窒素酸化処理をした後、処理した被処理水に焼酎粕の凝縮液を加えて有機物を補充して上記装置内の脱窒素菌を増殖させ、上記脱窒工程で、有機物、硝酸性窒素を含む被処理水を流動床型嫌気性水処理装置の下部より供給して上向流とし、該装置内の脱窒素菌を含む脱窒素汚泥と被処理水とを攪拌下に接触せしめて硝酸性窒素を処理することを特徴とする焼酎製造廃液を利用した家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法である。
上記した家畜舎汚水の生物学的浄化処理方法の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。上記において、家畜舎汚水が、豚舎からの汚水である家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法、或いは、膜分離活性汚泥工程で処理した後の被処理水100に対して、BOD値が6,000〜20,000mg/Lの焼酎粕の凝縮液を、容積基準で2〜30の範囲で加える家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法が挙げられる。
本発明では、膜分離活性汚泥工程で、好気性微生物による原水中の有機物処理及び窒素酸化(硝化)処理をした後、更に、流動床型嫌気性水処理装置を用いて脱窒工程で硝酸性窒素を処理するが、膜分離活性汚泥工程で処理した被処理水に焼酎粕の凝縮液を加えて脱窒処理を行うことで上記処理装置内の脱窒素菌を増殖させ、これによって、より高い脱窒の処理効率を実現した家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法を提供する。本発明では、これと同時に、近年、大量に排出され、その処理が問題となっているBOD値の高い焼酎粕に対する簡易な生物学的処理を実現できる家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法を提供する。
次に、好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明の家畜舎からの汚水の浄化処理方法では、有機物及び窒素分を多く含有する家畜舎汚水を原水とする。本発明の方法を適用する特に好適な処理対象は、家畜舎、特に豚舎からの尿含有汚水が挙げられる。先に述べたように、豚舎汚水は、BODに対して著しく窒素分が過剰の汚水であり、処理が難しいことが知られている。本発明の汚水の生物学的浄化処理方法によれば、このような処理が困難な豚舎汚水についても、簡易且つ効率のよい処理を行うことができる。
豚舎からでる「ふん尿中の汚濁物濃度及び負荷量」についての一般的なデータとして、下記のような調査報告がなされている。尚、下記のデータは、成畜1頭あたりのふん尿量のデータである。
Figure 0005186626
表2に、上記における混合ふん尿を除ふんした場合の性状を示す。本発明の方法では、下記に示したような、固形分を除去した後の汚水を処理の対象とするが、表2に示したように、対象とする汚水は、BODに対して極めて窒素分が高いものである。
Figure 0005186626
本発明の家畜舎からの汚水の浄化処理方法は、有機物処理及び窒素酸化処理を行う膜分離活性汚泥工程と、その後に行う流動床型嫌気性水処理装置を用いて硝酸性窒素を処理する脱窒工程とを有するが、上記膜分離活性汚泥工程で処理をした後、処理した被処理水に焼酎粕の凝縮液を加えて脱窒工程の効率向上に資する有機物を添加することを特徴とする。焼酎粕の凝縮液とは、蒸留後に残る固形分を含む液体である焼酎粕を再蒸留し、得られる留出液のことを言う。本発明では、膜分離活性汚泥工程で処理した後、流動床型嫌気性水処理装置で脱窒処理するが、この際装置内の脱窒素活性汚泥をある程度、造粒させることができる。この結果、活性汚泥の浮上流出が抑制され、効率のよい処理が可能となる。
表3に、焼酎製造過程より副産物として排出される焼酎粕の凝縮液の分析結果を示した。表3からも明らかなように、焼酎粕の凝縮液の窒素分は極めて低く、その一方で、生物分解可能な有機物濃度の指標となるBOD値が極めて高く、被処理水に添加することで、装置内の脱窒素菌を増殖させる目的には最適である。
Figure 0005186626
以下、本発明を構成する第1段目の膜分離活性汚泥工程と、第2段目の脱窒工程と、第1段目から第2段目の処理へ移行する際に行う焼酎粕の凝縮液の添加についてそれぞれ説明する。
(1)膜分離活性汚泥工程
本発明の第1段目の工程で行う膜分離活性汚泥処理とは、活性汚泥を用いた有機物除去手法の一種で、通常の活性汚泥法で行われている最終沈澱池での固液分離を、好気タンク(曝気槽)内に浸漬した膜ユニットで行う方法である。この膜ユニットによる直接ろ過で処理水を得る構成であるため、曝気槽内の活性汚泥を高濃度に保持することができる。これと同時に、沈澱池での固液分離を行わないため短時間での処理が可能である。また、沈澱槽が必要なくなるため、従来の活性汚泥方法よりも省スペースであるという利点もある。本発明の第1段目の工程で行う膜分離活性汚泥処理工程では、原水中の溶解性有機物の処理、及び窒素分の酸化(硝化)処理が行われる。本発明で使用する膜分離活性汚泥方法は、上記したようなメリットがあるが、基本的には、下記に述べるように、曝気槽を使用しての好気性微生物処理を行う通常の活性汚泥方法と同様である。即ち、原水中の有機物は細菌の増殖に用いられてSS化し、SSの一部は、活性汚泥中の原生動物に摂食除去され、他は活性汚泥フロックによって吸着或いは吸収され、その後、固液分離される。この結果、原水中の有機物の一部は生物のエネルギー源として消費され、他の一部は生物体又は貯蔵物質となって固液分離されて除去される。原水中の窒素分は、活性汚泥処理の間に酸化(アンモニア→亜硝酸→硝酸)される。
(2)焼酎粕の凝縮液の添加
本発明の方法では、前記した膜分離活性汚泥工程で処理した後、更に、これに続く脱窒工程で、流動床型嫌気性水処理装置で処理して脱窒するが、本発明では、この第2段目の脱窒工程に移行する際に、被処理水中に焼酎粕の凝縮液を添加する。焼酎粕は、窒素分が低く且つBODが高いため、上記装置内の脱窒素活性汚泥を構成する脱窒素菌の増殖を活発化できる。又、先に述べたように、本発明では、装置内の脱窒素活性汚泥が造粒化して、脱窒素活性汚泥の浮上・流出が抑制される。この結果、効率のよい処理が可能となる。本発明で行う焼酎粕の凝縮液の添加量は、凝縮液のBOD値によっても異なり、特に限定されるものではないが、膜分離活性汚泥工程で処理した後の被処理水100に対して、例えば、BOD値が6,000〜20,000mg/Lの通常の焼酎粕の凝縮液であれば、容積基準で、2〜30の範囲で添加すればよい。
本発明で行う脱窒工程では、後述する流動床型嫌気性水処理装置を用いて処理するが、該装置では後述するようにして被処理水中の脱窒処理が行われる。装置内の脱窒素活性汚泥は、脱窒素菌を含む種汚泥と、被処理水中の有機物等を栄養源として増殖した脱窒素菌を包含する。本発明で使用する焼酎粕の凝縮液は、表3に示したように、窒素分は低い一方で極めて高いBOD値を示し、細菌の増殖に寄与する大量の有機物を有する。このため、装置内における脱窒素菌(脱窒素活性汚泥)の増殖が促進され、脱窒素菌の生命活動を非常に活発化させることができる。この結果、家畜汚水のような硝酸性窒素分の極めて多い被処理水であっても、脱窒処理が効率よく行われ、これと同時に、極めて高いBOD値を示す焼酎粕についての生物学的な浄化処理も効率よく行われる。又、本発明では、脱窒素活性汚泥を造粒化でき、脱窒素活性汚泥の浮上・流出が抑制されるという効果も得られ、この点からも効率のよい処理が可能となる。
本発明においては、被処理水にCa2+を含むものを用いることも好ましい。下記に述べるように、Ca2+の存在によっても脱窒素汚泥を造粒化できるので、上記したと同様に脱窒素活性汚泥の浮上・流出が抑制され、効率のよい処理が可能となる。この場合に処理機構は、下記のようであると考えられる。先ず、Ca2+を含む被処理水を流動床型嫌気性水処理装置の下部より供給して上向流とし、該装置内の脱窒素菌を含む脱窒素汚泥と被処理水とを攪拌下に接触せしめて、被処理水中のCa2+と溶存炭酸ガスとを反応させてCaCO3を生成させる。装置内の脱窒素活性汚泥は、この生成したCaCO3を核として造粒化され、該造粒した脱窒素汚泥によって被処理水中の硝酸性窒素は脱窒素化されて窒素ガスを生じる。次に、脱窒工程について詳述する。
(3)脱窒工程
本発明で行う脱窒工程では、上記したようにして脱窒素汚泥を造粒化し、この造粒された脱窒素汚泥で硝酸性窒素を処理する。造粒した脱窒素汚泥は、通常の汚泥よりも高密度であるため、硝酸性窒素の脱窒素化によって生じた窒素ガスによる汚泥の脱窒素槽の上部への浮上は防止され、汚泥は脱窒素槽内に留まるので、効率のよい硝酸性窒素の脱窒素化が可能となる。
本発明で使用することのできる流動床型嫌気性水処理装置の一例を図2に示す。1は脱窒素槽である。被処理水は、原水流入管2より原水受入部3に送られ、攪拌機軸兼原水流下管4を経て脱窒素槽内に供給される。攪拌機軸4の下部には被処理水及び脱窒素槽内の沈降してくる汚泥を上向流として脱窒素槽内を上昇させるタービン羽根5が、更にその上部には汚泥攪拌用パドル翼6が取り付けられている。この攪拌機軸4は可変攪拌機7によって回転する。処理された汚水は、処理水集水部8に上昇し、処理水出口9から排出される。10はサンプリング管、11は汚泥排泥口、12はドレン用出口及び13は脱窒素槽1を固定する架台である。
豚舎等の家畜舎汚水を膜分離活性汚泥工程で処理した後の被処理水は、硝酸性窒素を多く含むので、流動床型嫌気性水処理方法の適用が可能である。上記した流動床型嫌気性水処理装置において、被処理水は下記のようにして処理される。先ず、焼酎粕の凝縮液が添加された被処理水は、原水流下管4を経て脱窒素槽1の下部に供給され、タービン羽根5の回転によって上向流となって脱窒素槽1内を上昇し、該槽内の脱窒素活性汚泥と接触する。被処理水中の硝酸性窒素は、この脱窒素汚泥によって脱窒素化され、窒素ガスが生じる。しかし、脱窒素槽1内の脱窒素活性汚泥はこの窒素ガスによって生じることのあった汚泥の脱窒素槽1の上部への浮上が防止され、汚泥は脱窒素槽内に留まる。本発明で使用する脱窒素活性汚泥は、脱窒素菌を含む種汚泥と、被処理水中の有機物等を栄養源として増殖した脱窒素活性汚泥とを包含する。先に述べたように、本発明の方法では、焼酎粕の凝縮液を添加し、処理槽内に脱窒素菌の増殖を助ける有機物が十分にある状態としているので、増殖した脱窒素菌によって脱窒が効率よく行われ、硝酸性窒素を多く含む豚舎等の家畜舎汚水に対しても良好な処理を行うことができる。
脱窒素槽内の脱窒素汚泥は、攪拌下に被処理水と接触するが、攪拌は、攪拌機軸4に取り付けた攪拌用パドル翼6により行われる。脱窒素汚泥の造粒化を促進する好ましい攪拌は、攪拌翼の先端の周速度が3〜30cm/secの範囲となる攪拌である。
図2に示す装置は本発明で使用する装置の一例であり、被処理水は装置の下部に直接供給してもよく、被処理水を上向流とする手段もタービン羽根の回転以外の方法、例えば、ポンプによる被処理水の供給等の手段であってもよい。被処理水は、0.4〜3.0m/hrの上向流となるように流入速度を調整して供給し、脱窒素汚泥と接触させることが好ましい。又、脱窒素汚泥の攪拌も、攪拌翼の先端の周速度が前記の範囲となることを除けば、攪拌翼の形状、形式や枚数等は特に制限されない。
脱窒素槽内における初期の脱窒素菌を含有する種汚泥濃度(MLSS)は、通常5,000〜15,000mg/Lとすることが好ましい。汚泥は、該槽底部に一部は沈降するが、被処理水の上向流と共に上昇する。そして、攪拌下の汚泥と被処理水は、両者の接触によって被処理水は脱窒素化等の処理を受ける。更に、処理された被処理水は、該槽上部の処理水集水部に上昇し、処理水出口から硝酸性窒素等が除去された処理済水として放流される。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示した処理システム(装置)を用い、実際の家畜舎汚水についての浄化処理試験を行った。
(原水)
原水には豚舎汚水を除糞したものを使用し、約5ケ月に渡って連続処理試験をした。表4は、処理した原水についての水質分析結果であるが、一般的な除糞後の水質に比べて低い数値ではあったが、BOD:Nは100:29と窒素過多であった。尚、表中のK−Nは、湿式分析のケルダール法によって測定した窒素量の意味であるが、この場合に測定されるのは有機性窒素とアンモニア性窒素との合量である。豚舎汚水の場合、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が含有されるとは考えにくいため、ケルダール窒素=全窒素とみなすことができる。
Figure 0005186626
(試験方法)
浄化処理試験は、20L/日規模の装置を用いて行った。先ず、図1の装置の膜分離活性汚泥槽に、原水を導入して処理して、有機物処理と窒素酸化(硝化)を行った。次に、上記の処理を行った後の被処理水を、流動床型嫌気性水処理装置の循環ラインに混入させて処理を行った。図1に示したように、本実施例では、この循環ラインに焼酎粕凝縮液を混入させて処理を行った。この結果、膜分離活性汚泥槽で硝化された窒素は、流動床型嫌気性水処理装置内で、脱窒素汚泥の脱窒作用によって処理される。図1の装置における試験条件を表5にまとめて示した。
Figure 0005186626
(膜分離活性汚泥方法による処理結果)
上記のようにして行った膜分離活性汚泥槽で処理した後の、膜分離活性汚泥法処理水の水質分析結果を表6に示した。表6に示したように、膜分離活性汚泥槽で処理した後の被処理水は、BODは<5mg/L、CODは約60mg/Lであった。このことは、豚舎汚水中の有機物は、膜分離活性汚泥方法によって十分に処理されたことを示しており、この点においては、良好な水質の処理水が得られることが確認された。一方、窒素分は、酸化処理されていることが確認できた。
Figure 0005186626
(流動床型嫌気性水処理装置による処理結果)
試験に使用した流動床型嫌気性水処理装置のガラス製円筒反応器(図2参照)は、直径8cm、直胴部の長さ77cm(有効容積は約4リットル)、沈澱部の長さは26cm(容積は約2.5リットル)である。又、この反応器内の回転軸には2枚のメッシュ状攪拌翼を4段に設置し、攪拌翼の先端周速度が10cm/secとなるようにモーター(M)で回転させた。循環ラインから導入される被処理水は、反応器の下部にポンプ(P)で0.6m/hrの上向流となるように2.5m/hrのレートで供給される。処理され、沈澱部に上昇した処理済水はオーバーフローして処理水槽に送られる。
流動床型嫌気性水処理装置への導入水及び処理水の分析結果を図3に示した。尚、上記した膜分離活性汚泥処理水のNOx−Nは平均230mg/Lであったため、更に窒素負荷を大きくすることを目的として、更に、硝酸ソーダを添加して窒素濃度530mg/L、窒素容積負荷で3kg/m3/日の、硝酸性窒素の濃度がより高い汚水についての検討も実施した。図3に示したように窒素濃度を高くした場合も良好な処理性が確保された。尚、この時の焼酎粕の凝縮液の必要量は膜分離活性汚泥法処理水の硝酸性窒素1kgあたり、300〜350kgであった。又、処理後のBOD、CODについては、前記した膜分離活性汚泥処理水とほぼ同等の値であった。このことは、有機物の多い焼酎粕の凝縮液を添加しているにもかかわらず、これらの有機物は、脱窒素菌の増殖に使用されるため、処理水のBOD値及びCOD値には影響がないことを示している。更に、処理開始直後は、汚泥の一部が浮上したが、処理が進むに従って汚泥の造粒化も進み(目視により確認された)、汚泥の浮上は認められなくなることを確認した。
[比較例1]
図1に示した処理システム(装置)を用い、流動床型嫌気性水処理装置への循環ラインに焼酎粕の凝縮液を添加しないこと以外は実施例1と同様の処理試験を行った。その結果、処理水のNOx−Nの濃度は、装置への流入濃度とほぼ同様であり、十分な脱窒が行われないことがわかった。
実施例で使用した装置の一例を示す図である。 本発明で使用する流動床型嫌気性水処理装置を説明するための模式図である。 実施例1で処理した結果を示す図である。
符号の説明
1:脱窒素槽
2:原水流入管
3:原水受入部
4:攪拌機軸兼原水流下管
5:タービン羽根
6:汚泥攪拌用パドル翼
7:可変攪拌機
8:処理水集水部
9:処理水出口
10:サンプリング管
11:汚泥排泥口
12:ドレン用出口
13:架台
M:モーター
P:ポンプ
B:曝気装置

Claims (3)

  1. 有機物及び窒素分を多く含有する家畜舎汚水を被処理水とする汚水の生物学的浄化処理方法であって、被処理水の生物酸化処理を行う膜分離活性汚泥工程と、その後に行う硝酸性窒素を処理する流動床型嫌気性水処理装置を用いての脱窒工程とを有し、
    上記膜分離活性汚泥工程で有機物処理及び窒素酸化処理をした後、処理した被処理水に焼酎粕の凝縮液を加えて有機物を補充して上記装置内の脱窒素菌を増殖させ、
    上記脱窒工程で、有機物、硝酸性窒素を含む被処理水を流動床型嫌気性水処理装置の下部より供給して上向流とし、該装置内の脱窒素菌を含む脱窒素汚泥と被処理水とを攪拌下に接触せしめて硝酸性窒素を処理することを特徴とする焼酎製造廃液を利用した家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法。
  2. 家畜舎汚水が、豚舎からの汚水である請求項1に記載の家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法。
  3. 膜分離活性汚泥工程で処理した後の被処理水100に対して、BOD値が6,000〜20,000mg/Lの焼酎粕の凝縮液を、容積基準で2〜30の範囲で加える請求項1又は2に記載の家畜舎からの汚水の生物学的浄化処理方法。
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