JP4027217B2 - 畜産排水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畜産排水を硝化および脱窒により処理する畜産排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、畜産の糞尿は、畜舎内で固液分離されたり、糞尿混合の状態で排水として排出されている。そして、固液分離後の糞は、発酵させることにより堆肥にできるが、例えば養豚の場合では一日に発生する糞の約二倍量に相当する尿が発生するので、畜産からの尿を液肥として土地還元する農地を所有していない場合や、還元する液肥の量が多すぎることにより土壌汚染となってしまい、処理に困っている。
【0003】
ここで、具体的に養豚排水を例にとると、豚舎の構造や、おがくずを混合することにより排水濃度が変化するが、一般的には、生化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand:BOD)および浮遊物質量(Suspended Solids:SS)のそれぞれが10000mg/l以上となってしまう。特に、BODにおいては、生活系排水(BOD=200mg/l程度)の50倍以上の濃度となってしまい、活性汚泥などの生物処理に係る負荷が非常に大きい。
【0004】
このため、従来の畜産排水処理装置においては、BOD負荷を低くして、大規模な排水処理施設で対応したり、また施設スペースがない場合には、BOD負荷を高くし、施設の小型化を目的として、担体流動法や膜分離活性汚泥などの生物処理方式を用いる必要がある。このとき、BODおよびSSのそれぞれを効率良く浄化しても、処理水中には高濃度の化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand:COD)や窒素、およびリンが残存しており、これらが規制値である地域では、これらCOD、窒素およびリンを除去することも合わせて要求される。
【0005】
さらに、この種の畜産排水処理装置に用いられる畜産排水処理技術としては、活性汚泥法や、ラグーン法、オキシデーションディッチ法(OD法)などが一般的に利用されている。
【0006】
ところが、このような方法では、季節変動や、使用水量の相違、原水濃度の変動によって、バルキングによる汚泥沈降性の悪化や汚泥の浮上などにて処理水の水質が安定しにくい。
【0007】
また、畜産排水は、他の事業系排水に比べて汚濁濃度が高く、排水処理施設の維持管理が容易ではないから、汚泥流出などせず、安定した処理水を得ることのできる畜産排水処理装置が切望されている。
【0008】
一方、窒素(N)およびリン(P)に対する規制がなく、放流規制値が穏やかな地域において、BODの処理のみを行っても、畜産排水中には高濃度の全窒素(T-N=2000〜5000mg/l)が残存しており、この畜産排水中の栄養バランスであるBODやT-Nなどが極端に偏ってしまい、微生物活性に悪影響を及ぼす可能性が高い。したがって、このような畜産排水を処理するにあたって窒素除去をすることが必要不可欠となる。
【0009】
また、環境関連法規の水質汚染防止法に基づいた各県の上乗せ条例では、総量規制であるCODや、窒素およびリンの規制が追加されており、窒素除去のみならず、CODおよびリン除去まで考慮した排水処理装置の設置が義務付けられるようになったが、家畜を飼育する畜産農家が負担する排水処理設備費が膨大となり、法規制に追従することが容易ではないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の活性汚泥法、ラグーン法およびオキシデーションディッチ法では、季節変動や、使用水量の相違、原水濃度の変動によって、処理水の水質が安定しにくく、特に、畜産排水は、汚濁濃度が高いので、維持管理が容易ではないとともに、安定した処理水を得ることが容易ではないという問題を有している。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、維持管理が容易で安定した処理水を得ることのできる畜産排水処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の畜産排水処理装置は、畜産排水を脱窒処理する第1の脱窒槽と、この第1の脱窒槽にて脱窒処理された排水の生化学的酸素要求量を低下させる処理槽としてのバイオリアクタと、このバイオリアクタにて生化学的酸素要求量を低下させた排水を硝化処理する硝化槽と、この硝化槽内の汚泥を前記第1の脱窒槽へと返送させる第1の汚泥返送手段と、前記硝化槽にて硝化処理された排水を脱窒処理する第2の脱窒槽と、この第2の脱窒槽にて脱窒処理された排水を膜分離処理する膜分離槽と、この膜分離槽内の汚泥を前記第1の脱窒槽へと返送させる第2の汚泥返送手段と、前記膜分離槽にて膜分離処理された排水を脱窒処理する第3の脱窒槽と、この第3の脱窒槽にて脱窒処理された排水が流入され、この排水を凝集沈殿させて、この排水から無機物および高分子物質を除去する凝集沈殿槽とを具備したものである。
【0013】
そして、第1の脱窒槽で畜産排水を脱窒処理した後、バイオリアクタ生化学的酸素要求量を低下した排水を硝化処理する硝化槽内の汚泥を第1の汚泥返送手段にて第1の脱窒槽へと返送させる。また、硝化槽で硝化処理した後、第2の脱窒槽で脱窒処理した排水を膜分離槽で膜分離処理する。このとき、この膜分離槽の汚泥を第2の汚泥返送手段にて第1の脱窒槽へと返送させる。さらに、この膜分離槽で膜分離処理した排水を第3の脱窒槽にて脱窒処理し、この第3の脱窒槽にて脱窒処理した排水を凝集沈殿槽に流入させて凝集沈殿させて、この排水から無機物および高分子物質を除去して処理水とする。この結果、これら第1の脱窒槽、バイオリアクタ、硝化槽、第2の脱窒槽、膜分離槽、第3の脱窒槽および凝集沈殿槽のそれぞれの容積を比較的小さくして高負荷にしても、試験的に、処理水の生化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、浮遊性物質、窒素およびリンなどのそれぞれが効率良く低下されるので、維持管理が容易であるとともに、安定した処理水が容易に得られる。
【0014】
さらに、第3の脱窒槽にて脱窒処理した排水を凝集沈殿槽に流入させることにより、膜分離槽内で排水中の有機性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素となっても、この亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を第3の脱窒槽による排水の脱窒処理により窒素ガスとして除去できるから、排水の脱窒処理がより確実になる。
【0015】
請求項記載の畜産排水処理装置は、請求項1記載の畜産排水処理装置において、第1の脱窒槽、バイオリアクタおよび硝化槽には、互いに異なる担体が充填されているものである。
【0016】
そして、第1の脱窒槽、バイオリアクタおよび硝化槽に適した互いに異なる担体を充填することにより、これら第1の脱窒槽による排水の脱窒処理、バイオリアクタによる排水の生化学的酸素要求量の低下、および硝化槽による排水の硝化処理のそれぞれがより効率良くなるので、畜産排水の適切の処理がより効率良くなる
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の畜産排水処理装置の一実施の形態の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0018】
図1および図2において、1は畜産排水処理装置としての畜産排水高度処理システムであり、この畜産排水高度処理システム1は、生化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand:BOD)処理工程と脱窒処理工程とを複合したシステムである。
【0019】
そして、この畜産排水高度処理システム1は、前処理槽としての調整槽2を備えており、この調整槽2には、0.5mmの微細目スクリーンを通過した、処理前の畜産排水Dが希釈されずに貯留されている。この調整槽2は、処理前の畜産排水Dの濃度や流入量を調整する。
【0020】
ここで、この処理前の無希釈である原水としての畜産排水Dは、平均すると、BODが8500〜19000mg/l程度であり、化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand:COD)が4200〜12500mg/l程度であり、浮遊物質量(Suspended Solids:SS)が9100〜15000mg/l程度であり、全窒素(T-N)が2500〜6600mg/l程度であり、全リン(T-P)が250〜1000mg/l程度である。
【0021】
さらに、この調整槽2は、内部に畜産排水Dが貯留される有底の槽本体3を備えており、この槽本体3の内部には、散気手段としてのディフューザが取り付けられている。このディフューザは、槽本体3内に貯留された畜産排水Dを散気して、この畜産排水Dの曝気により空気、特に酸素を供給するとともに循環させて濃度などを均一化させるとともに、この畜産排水Dの腐敗を防止する。
【0022】
また、この調整槽2の下流側には、この調整槽2にて前処理された畜産排水Dが所定の流量で越流にて流入される第1の脱窒槽11が設置されている。この第1の脱窒槽11は、この第1の脱窒槽11内の畜産排水D中の亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を、嫌気性細菌の働きにより窒素ガスとして除去、すなわち脱窒処理する。さらに、この第1の脱窒槽11は、調整槽2にて前処理された後の畜産排水Dが貯留される槽本体12を備えており、この槽本体12内には、この槽本体12内の畜産排水Dを攪拌させて均一化させる攪拌機13が取り付けられている。
【0023】
そして、この攪拌機13は、槽本体12の上方に設置された駆動手段としてのモータ14を備えており、このモータ14には、軸体としてのシャフト15を介してファン16が回転可能に取り付けられている。このファン16は、槽本体12内における下方中央部に設置されている。さらに、この槽本体12内には、親水性ポリエチレンにて成形された多孔質な発泡体である複数の脱窒用の第1の担体17が槽本体12の容積の30%となるように充填されており、この第1の担体17には、畜産廃水D中の亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を脱窒させて窒素ガスとする脱窒菌が固定される。この第1の担体17は、畜産排水Dの脱窒処理に適した脱窒用の担体であり、槽本体12内において嫌気条件下にて流動接触させて脱窒素反応を促進させる。
【0024】
さらに、この槽本体12の下流側には、この槽本体12内に貯留されて脱窒処理された排水が越流する越流部18が形成されている。この越流部18には、槽本体12内の第1の担体17や、比較的大きな浮遊物質などの越流を防止する格子状である網状のスクリーン19が取り付けられている。また、このスクリーン19の下方である槽本体12の内部には、このスクリーン19への浮遊物質の付着などを曝気により防止する散気手段としての洗浄装置20が取り付けられている。そして、この洗浄装置20には、空気を吐出して供給する第2の曝気ブロワ21の吐出口に接続された第2の空気管22の先端部に接続されている。さらに、この第2の空気管22の基端部は、第1の曝気ブロワ5の吐出口に接続されている。
【0025】
次いで、第1の脱窒槽11の下流側には、この第1の脱窒槽11にて脱窒処理された排水D中の有機性窒素を生物処理して、この排水Dの特にBODを低下させる処理槽としてのバイオリアクタ26が設置されている。また、このバイオリアクタ26は、第1の脱窒槽11の越流部18から越流した排水Dが流入されて貯留される有底の槽本体27を備えており、この槽本体27の内部には、ディフューザ4が取り付けられている。このディフューザ4は、槽本体27内の排水Dを散気して、この排水D中に空気、特に酸素を供給して、好気性細菌による排水の生物分解を活発化させて、この排水DのBODを低減させるとともに、この排水Dを槽本体27内で循環させる。
【0026】
また、この槽本体27の内部には、バイオキャリアプラスチック、例えばポリプロピレンと活性炭とにて成形された多孔質な発泡体である複数の第2の担体28が槽本体27の容積の20%となるように充填されており、この第2の担体28には、排水DのBODを低下させる生物処理をするBOD酸化菌などが固定される。この第2の担体28は、第1の担体17とは異なる生物処理に適したBOD処理用の担体であり、槽本体27内において好気条件下にて流動接触させてBOD酸化反応を促進させる。また、この槽本体27の下流側には、スクリーン19および洗浄装置20が取り付けられた越流部18が設けられている。
【0027】
さらに、バイオリアクタ26の下流側には、このバイオリアクタ26にて生物処理された排水D中の特にアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素に硝化処理する硝化槽31が設置されている。また、この硝化槽31は、バイオリアクタ26の越流部18から越流した排水Dが流入されて貯留される有底の槽本体32を備えており、この槽本体32の内部には、この槽本体32内に貯留された排水Dを散気して、この排水D中に空気、特に酸素を供給して、好気性細菌による排水の硝化を活発化させるとともに、この排水Dを槽本体32内で循環させるディフューザ4が取り付けられている。
【0028】
また、この槽本体32の内部には、親水性ポリウレタンにて成形された多孔質な発泡体としての複数の第3の担体33が槽本体32の容積の20%となるように充填されており、この第3の担体33には、排水D中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素に硝化処理する硝化菌などが固定される。この第3の担体33は、第1の担体17および第2の担体28とは異なる硝化処理に適した硝化用の担体であり、槽本体32内において好気条件下にて流動接触させてアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素にする。また、この槽本体32の下流側には、スクリーン19および洗浄装置20が取り付けられた越流部18が設けられている。
【0029】
さらに、この硝化槽31の槽本体32の内部には、この槽本体32内の図示しない活性汚泥を第1の脱窒槽11の槽本体12内へと返送させる第1の汚泥返送手段としての第1の循環ポンプ34が設置されている。この第1の循環ポンプ34は、槽本体32内におけるスクリーン19の下方に設置されている。また、この第1の循環ポンプ34の吐出口には汚泥返送ラインとしての汚泥返送管35の基端部が接続されており、この汚泥返送管35の先端部は、第1の脱窒槽11の槽本体12の上方に位置している。
【0030】
次いで、この硝化槽31の下流側には、この硝化槽31にて硝化処理された排水Dを脱窒処理する第2の脱窒槽37が設置されている。この第2の脱窒槽37は、第1の脱窒槽11と同様に構成されている。
【0031】
さらに、この第2の脱窒槽37の下流側には、この第2の脱窒槽37にて脱窒処理した排水Dを膜分離処理して処理水とする膜分離槽であるマイクロフィルタ(MF)膜槽41が設置されている。このMF膜槽41は、第2の脱窒槽37の越流部18から越流した排水Dが流入されて貯留される有底の槽本体42を備えており、この槽本体42の内部には、この槽本体42内に貯留した排水Dを曝気する散気装置43が取り付けられており、この散気装置43は、第2の空気管22に接続されている。
【0032】
また、この槽本体42の内部には、この槽本体42内の排水Dから排水である膜分離水としての1次処理水Wを精密濾過膜としての図示しないマイクロフィルタ膜にて膜分離させる膜分離手段としての液中膜ユニット44が設置されている。この液中膜ユニット44は、槽本体42内の下流側に設置されている。ここで、この液中膜ユニット44のマイクロフィルタ膜は、塩素化ポリエチレン製であり、0.45μm以上の粒子、特に有機性窒素の成分粒子を固液分離するように設定されており、この有機性窒素の1次処理水Wへの流出を確実かつ効率良く防止して、この1次処理水Wから生成される放流水WのT-Nを効率良く低減させる。
【0033】
さらに、この液中膜ユニット44の内部には、この液中膜ユニット44にて膜分離する排水Dを曝気する散気装置45が取り付けられている。そして、この散気装置45は、膜用ブロワ46の吐出口に接続された第3の空気管47に接続されている。ここで、膜用ブロワ46の吐出口は、第1の曝気ブロワ5および第2の曝気ブロワ21それぞれの吐出口に接続されている。
【0034】
また、MF膜槽41の槽本体42の内部には、この槽本体42内を上流側と下流側とに仕切る仕切体としてのバッフル48が取り付けられている。このバッフル48は、槽本体42内に貯留される排水Dの上側のみを仕切って、この槽本体42内における排水Dの上側の流れを規制する。そして、このバッフル48よりも槽本体42内の上流側には、この槽本体42内の液中膜ユニット44による膜分離にて分離された図示しない活性汚泥を第1の脱窒槽11の槽本体12内へと返送させる第2の汚泥返送手段としての第2の循環ポンプ51が設置されている。この第2の循環ポンプ51は、汚泥返送管35の基端部に接続されている。また、バッフル48よりも槽本体42内の上流側には、この槽本体42内の活性汚泥を引き抜いて図示しない汚泥貯留槽へと移送させる引抜ポンプ52が設置されている。
【0035】
ここで、液中膜ユニット44の上側部には、この液中膜ユニット44にて膜分離した後の1次処理水Wを外部へと排出させる排水管53が接続されている。ここで、この1次処理水Wは、平均すると、BODが2〜12mg/l程度であり、CODが98〜400mg/l程度であり、SSが5〜10mg/l程度であり、T-Nが27〜45mg/l程度であり、T-Pが6〜10mg/l程度である。
【0036】
さらに、排水管53には、この排水管53中の1次処理水Wの圧力を測定する負圧計54が取り付けられている。また、この負圧計54よりも排水管53の下流側には、液中膜ユニット44にて膜分離した1次処理水Wを引き抜く1次処理水排出ポンプ55が取り付けられている。さらに、この1次処理水排出ポンプ55の下流側の排水管53には、定流量弁56および流量計57が取り付けられている。
【0037】
そして、これら定流量弁56および流量計57が取り付けられた排水管53の下流側には、MF膜槽41にて膜分離された1次処理水Wを脱窒処理して2次処理水Wとする第3の脱窒槽61が設置されている。この第3の脱窒槽61は、第1の脱窒槽11と同様に構成されており、MF膜槽41内に貯留された排水D中の有機性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素となってしまった場合に、この亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を脱窒処理して窒素ガスとして除去させる。
【0038】
さらに、この第3の脱窒槽61の槽本体12には、この槽本体12内の1次処理水Wに薬液を注入させる薬液注入手段62が取り付けられている。この薬液注入手段62は、メタノールなどの薬液が内部に貯留された薬液タンク63を備えており、この薬液タンク63には、この薬液タンク63内の薬液を第3の脱窒槽61の槽本体12内の亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素の2.5倍程度、この槽本体12内へと注入させる薬液注入ポンプ64が取り付けられている。
【0039】
一方、この第3の脱窒槽61の下流側には、この第3の脱窒槽61にて脱窒処理された2次処理水W中のリン(P)などの無機物を凝集反応させる第1の凝集反応槽71が設置されている。この第1の凝集反応槽71は、第3の脱窒槽61の越流部18から越流した2次処理水Wが流入されて貯留される槽本体72を備えており、この槽本体72には、攪拌機13が取り付けられている。
【0040】
また、この槽本体72には、この槽本体72内の2次処理水Wに、好ましくは塩鉄などの無機凝集剤を注入させる第1の凝集剤注入手段73が取り付けられている。この第1の凝集剤注入手段73は、内部に凝集剤が貯留される凝集剤タンク74を備えており、この凝集剤タンク74には、この凝集剤タンク74内の凝集剤を槽本体72内へと、例えば400mg/lの流量で注入させる薬液注入ポンプ64が取り付けられている。
【0041】
さらに、この第1の凝集反応槽71の下流側には、この第1の凝集反応槽71にて無機物が凝集反応された2次処理水W中の蛋白質などの高分子物質を凝集反応させて、この2次処理水WのCODを低下させる第2の凝集反応槽76が設置されている。この第2の凝集反応槽76は、第1の凝集反応槽71から越流した2次処理水Wが流入されて貯留される槽本体77を備えており、この槽本体77には、攪拌機13が取り付けられている。
【0042】
また、この槽本体77には、この槽本体77内の2次処理水Wに、好ましくは両性カチオン系高分子物質凝集剤、より好ましくはT-766(商品名)などのカチオン系の凝集剤を注入させる第2の凝集剤注入手段78が取り付けられている。この第2の凝集剤注入手段78は、内部にカチオン系の凝集剤が貯留される凝集剤タンク74を備えており、この凝集剤タンク74には、この凝集剤タンク74内のカチオン系の凝集剤を槽本体77内へと注入させる薬液注入ポンプ64が取り付けられている。
【0043】
さらに、第2の凝集反応槽76の下流側には、この第2の凝集反応槽76にて高分子物質が凝集反応されて脱色された2次処理水W中の無機物や高分子物質などを凝集沈殿させて放流水Wとする凝集沈殿槽81が設置されている。この凝集沈殿槽81は、第2の凝集反応槽76から越流した2次処理水Wが流入されて貯留される有底の槽本体82を備えており、この槽本体82の内部には、この槽本体82内の2次処理水W中の凝集反応させて凝集沈殿させた無機物や高分子物質などの汚物を揚水させるエアリフトポンプ83が取り付けられている。このエアリフトポンプ83は、第2の空気管22に接続されている。
【0044】
また、この槽本体82の内部には、エアリフトポンプ83の曝気による攪拌により発生したスカムを除去するスカムスキマ84が取り付けられている。ここで、エアリフトポンプ83による曝気にて生じるスカムは、2次処理水W中の凝集反応した無機物や高分子物質などが凝集沈殿することにより生じたものである。さらに、このスカムスキマ84もまた、第2の空気管22に接続されている。また、このスカムスキマ84にて除去されたスカムは、図示しない汚泥貯留槽へと移送される。
【0045】
さらに、凝集沈殿槽81の槽本体82内における下流側には、この槽本体82内で無機物や高分子物質などが凝集沈殿された後の放流水Wを外部へと越流させる越流堰85が設けられている。そして、この越流堰85の下流側には、この越流堰85から越流した放流水Wを貯留させて消毒する消毒槽91が設置されている。この消毒槽91は、放流水Wが貯留される有底の槽本体92を備えており、この槽本体92内には、この槽本体92内に貯留させた放流水Wを消毒する消毒器93が取り付けられている。
【0046】
また、この消毒槽91の下流側には、この消毒槽91にて消毒された放流水Wが貯留される放流ポンプ槽94が隣接されて設置されている。この放流ポンプ槽94は、消毒槽91にて消毒された放流水Wが内部に貯留される槽本体95を備えている。この槽本体95の内部には、この槽本体95内に貯留された放流水Wを、図示しない河川などに放流させる放流ポンプ96が設置されている。
【0047】
次に、上記一実施の形態の畜産排水処理方法について説明する。
【0048】
まず、0.5mmの微細目スクリーンを通過し、調整槽2の槽本体3内に無希釈の状態で貯留された畜産排水Dは、この槽本体3内のディフューザ4による散気により攪拌されつつ曝気されて、この槽本体3内の畜産排水Dの濃度や流出量が調整されて畜産排水Dとされる。
【0049】
次いで、この畜産排水Dは、この調整槽2の槽本体3から越流して第1の脱窒槽11の槽本体12内に貯留される。このとき、この畜産排水Dは、槽本体12内において攪拌機13によって攪拌されるとともに、この槽本体12内の複数の第1の担体17に固定した脱窒菌の作用により脱窒処理されて排水Dとなる。
【0050】
そして、この排水Dは、この第1の脱窒槽11のスクリーン19を通過しつつ越流部18から越流してバイオリアクタ26の槽本体27内に貯留される。このとき、この排水Dは、槽本体27内においてディフューザ4にて曝気されるとともに、この槽本体27内の第2の担体28に固定したBOD酸化菌の作用により生物処理されてBODが低下して排水Dとなる。
【0051】
さらに、この排水Dは、このバイオリアクタ26のスクリーン19を通過しつつ越流部18から越流して硝化槽31の槽本体32内に貯留される。このとき、この排水Dは、槽本体32内においてディフューザ4にて曝気されるとともに、この槽本体32内の第3の担体33に固定した硝化菌の作用により、この排水D中のアンモニア性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素へと硝化処理されて排水Dとなる。
【0052】
なお、この硝化槽31内の活性汚泥は、第1の循環ポンプ34により汚泥返送管35を介して第1の脱窒槽11へと返送される。
【0053】
さらに、この硝化槽31にて硝化処理された排水Dは、この硝化槽31のスクリーン19を通過しつつ越流部18から越流して第2の脱窒槽37の槽本体12内に貯留される。このとき、この排水Dは、槽本体12内において攪拌機13により攪拌されるとともに、この槽本体12内の複数の第1の担体17に固定した脱窒菌の作用により脱窒処理されて排水Dとなる。
【0054】
また、この排水Dは、この第2の脱窒槽37のスクリーン19を通過しつつ越流部18から越流してMF膜槽41の槽本体42内に貯留される。そして、この排水Dは、槽本体42内において散気装置43により曝気されるとともに、この槽本体42内の液中膜ユニット44による膜分離により1次処理水Wと活性汚泥とに固液分離される。
【0055】
なお、この液中膜ユニット44による膜分離により生じた活性汚泥は、槽本体42内に沈殿して堆積する。そして、この活性汚泥は、第2の循環ポンプ51により汚泥返送管35を介して第1の脱窒槽11へと返送されるとともに、引抜ポンプ52にて汚泥貯留槽へと引き抜かれて貯留される。
【0056】
さらに、この液中膜ユニット44にて膜分離された1次処理水Wは、1次処理水排水ポンプ55により排水管53を介して第3の脱窒槽61の槽本体12内へと排出されて貯留される。このとき、この1次処理水Wは、槽本体12内おいて攪拌機13にて攪拌されるとともに、この槽本体12内の複数の第1の担体17に固定した脱窒菌の作用により、この1次処理水W中の亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素が脱窒処理されて2次処理水Wとなる。
【0057】
そして、この2次処理水Wは、第3の脱窒槽61のスクリーン19を通過しつつ越流部18から越流して第1の凝集反応槽71の槽本体72内に貯留されて、この2次処理水W中のリンなどの無機物を凝集反応させた後、第2の凝集反応槽76の槽本体77内に貯留されて、この2次処理水W中の蛋白質などの高分子物質を凝集反応させる。
【0058】
この後、第2の凝集反応槽76にて高分子物質が凝集反応された2次処理水Wは、凝集沈殿槽81の槽本体82内に貯留されて、エアリフトポンプ83による曝気にて攪拌されて、この2次処理水W中の凝集反応した無機物や高分子物質などが凝集沈殿してスカムとなり、このスカムがスカムスキマ84により除去されて放流水Wとなる。
【0059】
そして、この放流水Wは、凝集沈殿槽81の越流堰85から越流して消毒槽91の槽本体92内に貯留されて消毒器93により消毒された後、放流ポンプ槽94の槽本体95内に貯留されて放流ポンプ96により河川などへと放流される。
【0060】
上述したように、上記一実施の形態によれば、前処理した畜産排水Dを無希釈な状態で第1の脱窒槽11にて脱窒処理した後、バイオリアクタ26にて生物処理して硝化槽31にて硝化処理する。このとき、この硝化槽31内の活性汚泥を第1の循環ポンプ34にて汚泥返送管35を介して第1の脱窒槽11へと返送させるとともに、この硝化槽31にて硝化処理された排水Dを、第2の脱窒槽37にて脱窒処理した後、MF膜槽41の液中膜ユニット44にて1次処理水Wと活性汚泥とに膜分離させる。
【0061】
さらに、このMF膜槽41での膜分離にて生成された活性汚泥を第2の循環ポンプ51にて汚泥返送管35を介して第1の脱窒槽11へと返送させるとともに、このMF膜槽41での膜分離による1次処理水Wを、第3の脱窒槽61にて脱窒処理して2次処理水Wとした後、第1の凝集反応槽71にてリンなどの無機物を凝集反応させるとともに、第2の凝集反応槽76にて蛋白質などの高分子物質を凝集反応させる。
【0062】
この後、これら無機物および高分子物質が凝集反応した2次処理水Wを凝集沈殿槽81にて凝集沈殿させて、この2次処理水WのCODを低下させるとともに脱リンして放流水Wとする。
【0063】
この結果、従来では、バイオリアクタ、脱窒槽および硝化槽にて構成された畜産排水処理装置のバイオリアクタでのBOD容積負荷が0.3〜0.5kg/m3・day程度に設定され、脱窒槽での負荷が0.12〜0.3kg/m3・day程度に設定され、さらに硝化槽での負荷が0.06〜0.25kg/m3・day程度に設定されていた。
【0064】
これに対し、上記一実施の形態において、33l/日の排水量の畜産排水高度処理システム1の第1の脱窒槽11のNO-N負荷を0.5〜1.5kg/m3・day程度に設定し、バイオリアクタ26および硝化槽31でのBOD容積負荷を1.5〜2.3kg/m3・day程度に設定し、この硝化槽31のNH-N負荷を0.3〜0.7kg/m3・day程度に設定し、さらにこの硝化槽31から第1の脱窒槽11への汚泥返送比としての硝化液循環比を3〜7程度に設定するとともに、第2の脱窒槽37のNO-N負荷を0.3〜1.5kg/m3・day程度に設定し、MF膜槽41でのBOD容積負荷を1〜2kg/m3・day程度に設定し、このMF膜槽41から第1の脱窒槽11への汚泥返送比を2〜5程度に設定し、第3の脱窒槽61のNO-N負荷を0.2〜1.5kg/m3・day程度に設定する。
【0065】
この結果、このように第1の脱窒槽11、バイオリアクタ26、硝化槽31、第2の脱窒槽37、MF膜槽41、第3の脱窒槽61のそれぞれを高負荷な状態に設定しても、試験的な結果として、温度が17〜20℃程度の畜産排水高度処理システム1にて処理された放流水WのBOD、COD、SS、T-NおよびT-Pのそれぞれが効率良く低下する。
【0066】
ここで、NO-Nとは、亜硝酸性窒素(NO-N)および硝酸性窒素(NO-N)のそれぞれを含む。さらに、NH-Nとは、アンモニア性窒素である。また、このときの硝化槽31中の排水Dは、pHが7.3〜8.8程度で、混合液中の浮遊物質量(Mixed Liquor Suspended Solids:MLSS)が7900〜28000mg/l程度で、溶存酸素量(Dissolved Oxygen:DO)が2〜3mg/lである。さらに、このときの第1の脱窒槽11中の畜産排水Dおよび第2の脱窒槽37中の排水Dのそれぞれは、pHが7〜9程度で、DOが0〜0.3mg/l程度である。
【0067】
したがって、これら第1の脱窒槽11、バイオリアクタ26、硝化槽31、第2の脱窒槽37、MF膜槽41、第3の脱窒槽61、第1の凝集反応槽71、第2の凝集反応槽76および凝集沈殿槽81のそれぞれの容積を比較的小さくして高負荷な状態としても、試験的に、畜産排水Dを処理した後の放流水WのBOD、COD、SS、T-NおよびT-Pのそれぞれを効率良く低下できる。よって、畜産排水高度処理システム1の維持管理を容易にできるとともに、この畜産排水高度処理システム1により安定した放流水Wを容易に得ることができる。
【0068】
また、これら第1の脱窒槽11、バイオリアクタ26、硝化槽31、第2の脱窒槽37、MF膜槽41、第3の脱窒槽61、第1の凝集反応槽71、第2の凝集反応槽76および凝集沈殿槽81のそれぞれの容積を比較的小さくしてコンパクト化することにより、各ディフューザ4および各洗浄装置20へと空気を送る第1の曝気ブロワ5および第2の曝気ブロワ21や、各攪拌機13を駆動させるモータ14、液中膜ユニット44へと空気を送る膜用ブロワ46などのそれぞれを小型化できる。よって、これら第1の曝気ブロワ5や、モータ14、第2の曝気ブロワ21、膜用ブロワ46などの機器施設のランニングコストを低減できるから、畜産排水高度処理システム1の維持管理をより容易にできる。
【0069】
さらに、MF膜槽41で膜分離した1次処理水Wを第3の脱窒槽61にて脱窒処理して2次処理水Wとしてから、この2次処理水Wを第1の凝集反応槽71および第2の凝集反応槽76にて無機物および高分子物質を凝集反応させて、これら無機物および高分子物質を凝集沈殿槽81にて凝集沈殿させて放流水Wとするので、MF膜槽41内で排水D中の有機性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素となってしまった場合であっても、この排水D中の亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を第3の脱窒槽61による脱窒処理によって窒素ガスとして除去できるから、畜産排水Dの脱窒処理をより確実にできる。
【0070】
また、脱窒処理に適した第1の担体17を第1の脱窒槽11、第2の脱窒槽37および第3の脱窒槽61のそれぞれに充填し、この第1の担体17とは異なる生物処理に適した第2の担体28をバイオリアクタ26に充填し、さらに、これら第1の担体17および第2の担体28のそれぞれとは異なる硝化処理に適した第3の担体33を硝化槽31に充填したので、これら第1の脱窒槽11、第2の脱窒槽37および第3の脱窒槽61での脱窒処理、バイオリアクタ26での生物処理、および硝化槽31での硝化処理のそれぞれを互いにより効率良くできるので、畜産排水Dの適切の処理を確実かつより効率良くできる。
【0071】
さらに、一般的に畜産排水Dに含まれる有機性窒素の成分粒子は殆どが0.45μmを超えるものであるから、MF膜槽41の液中膜ユニット44のマイクロフィルタ膜を、0.45μmとすることにより、MF膜槽41内の排水Dから的確かつ効率良く有機性窒素を膜分離して1次処理水Wにできる。このため、この1次処理水W1への有機性窒素の流出を防止できるとともに、この1次処理水Wからの放流水Wの窒素量を効率良く低減させてT-Nを抑制できる。
【0072】
なお、上記一実施の形態では、MF膜槽41と第1の凝集反応槽71との間に第3の脱窒槽61を設けて、MF膜槽41内で排水D中の有機性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素となってしまった場合に、この排水D中の亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を第3の脱窒槽61による脱窒処理によって窒素ガスとして除去させたが、このMF膜槽41内で排水D中の有機性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素となるおそれがない場合には、この第3の脱窒槽61を設けなくてもよい。
【0073】
【実施例】
以下、上記一実施の形態における畜産排水高度処理システム1の一実施例を説明する。
【0074】
まず、調整槽2の槽本体3内に貯留された処理前の無希釈の畜産排水Dを測定したところ、BODが8567mg/lであり、CODが4200mg/lであり、SSが9100mg/lであり、T-Nが2533mg/lであり、T-Pが257mg/lであった。
【0075】
そして、排水量が33l/日である畜産排水高度処理システム1の第1の脱窒槽11のNO-N負荷を1.48kg/m3・dayに設定し、バイオリアクタ26および硝化槽31でのBOD容積負荷を1.69kg/m3・dayに設定し、この硝化槽31のNH-N負荷を0.58kg/m3・dayに設定するとともに、この硝化槽31から第1の脱窒槽11への硝化液循環比を3.22に設定する。
【0076】
また、第2の脱窒槽37のNO-N負荷を1.25kg/m3・day程度に設定し、MF膜槽41でのBOD容積負荷を2.00kg/m3・dayに設定し、このMF膜槽41から第1の脱窒槽11への汚泥返送比を4.36に設定し、第3の脱窒槽61のNO-N負荷を1.00kg/m3・dayに設定する。
【0077】
この状態で、この畜産排水高度処理システム1を運転した結果、第1の脱窒槽11の入口での畜産排水DのBODは、計算値で1400mg/lであった。
【0078】
このとき、第2の脱窒槽37の入口での排水Dは、分析値でBODが453mg/lであり、CODが2200mg/lであり、SSが4687mg/lであり、T-Nが643mg/lであり、T-Pが240mg/lであった。
【0079】
また、MF膜槽41にて膜分離処理された後の1次処理水Wは、分析値でBODが2.3mg/lであり、CODが160mg/lであり、SSが5mg/lであり、T-Nが268mg/lであり、T-Pが128mg/lであった。
【0080】
さらに、凝集沈殿槽81にて無機物および高分子物質が凝集沈殿にて除去された後の放流水Wは、分析値でBODが2.0mg/lであり、CODが98mg/lであり、SSが5mg/lであり、T-Nが27mg/lであり、T-Pが6.4mg/lであった。
【0081】
したがって、上述のように、第1の脱窒槽11、バイオリアクタ26、硝化槽31、第2の脱窒槽37、MF膜槽41、第3の脱窒槽61のそれぞれの容積を比較的小さくしつつ高負荷な状態に設定しても、試験的な結果として、この畜産排水高度処理システム1にて処理された放流水WのBOD、COD、SS、T-NおよびT-Pのそれぞれを効力良く低下できる。
【0082】
【発明の効果】
請求項1記載の畜産排水処理装置によれば、第1の脱窒槽、バイオリアクタ、硝化槽、第2の脱窒槽、膜分離槽、第3の脱窒槽および凝集沈殿槽のそれぞれの容積を比較的小さくして高負荷にしても、試験的に、処理水の生化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、浮遊性物質、窒素およびリンなどのそれぞれを効力良く低下できるので、維持管理を容易にでき、安定した処理水を容易に得ることができる。
【0083】
さらに、膜分離槽内で排水中の有機性窒素が亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素となっても、この亜硝酸性窒素並びに硝酸性窒素を第3の脱窒槽による排水の脱窒処理により窒素ガスとして除去できるから、排水の脱窒処理をより確実にできる。
【0084】
請求項記載の畜産排水処理装置によれば、請求項1記載の畜産排水処置装置の効果に加え、第1の脱窒槽、バイオリアクタおよび硝化槽に適した互いに異なる担体の充填により、これら第1の脱窒槽による排水の脱窒処理、バイオリアクタによる排水の生化学的酸素要求量の低下、および硝化槽による排水の硝化処理のそれぞれをより効率良くできるので、畜産排水の適切な処理をより効率良くできる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の畜産排水処理装置の一実施の形態の一部を示す説明図である。
【図2】 同上畜産排水処理装置の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 畜産排水処理装置としての畜産排水高度処理システム
11 第1の脱窒槽
17 担体としての第1の担体
26 処理槽としてのバイオリアクタ
28 担体としての第2の担体
31 硝化槽
33 担体としての第3の担体
34 第1の汚泥返送手段としての第1の循環ポンプ
37 第2の脱窒槽
41 膜分離槽としてのMF膜槽
51 第2の汚泥返送手段としての第2の循環ポンプ
61 第3の脱窒槽
81 凝集沈殿槽

Claims (2)

  1. 畜産排水を脱窒処理する第1の脱窒槽と、
    この第1の脱窒槽にて脱窒処理された排水の生化学的酸素要求量を低下させる処理槽としてのバイオリアクタと、
    このバイオリアクタにて生化学的酸素要求量を低下させた排水を硝化処理する硝化槽と、
    この硝化槽内の汚泥を前記第1の脱窒槽へと返送させる第1の汚泥返送手段と、
    前記硝化槽にて硝化処理された排水を脱窒処理する第2の脱窒槽と、
    この第2の脱窒槽にて脱窒処理された排水を膜分離処理する膜分離槽と、
    この膜分離槽内の汚泥を前記第1の脱窒槽へと返送させる第2の汚泥返送手段と、
    前記膜分離槽にて膜分離処理された排水を脱窒処理する第3の脱窒槽と、
    この第3の脱窒槽にて脱窒処理された排水が流入され、この排水を凝集沈殿させて、この排水から無機物および高分子物質を除去する凝集沈殿槽と
    を具備したことを特徴とした畜産排水処理装置。
  2. 第1の脱窒槽、バイオリアクタおよび硝化槽には、互いに異なる担体が充填されている
    ことを特徴とした請求項1記載の畜産排水処理装置
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