JP2000325992A - 汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置 - Google Patents

汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置

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JP2000325992A
JP2000325992A JP11138435A JP13843599A JP2000325992A JP 2000325992 A JP2000325992 A JP 2000325992A JP 11138435 A JP11138435 A JP 11138435A JP 13843599 A JP13843599 A JP 13843599A JP 2000325992 A JP2000325992 A JP 2000325992A
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tank
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Junichi Yaguchi
淳一 矢口
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Nishihara Environment Co Ltd
Original Assignee
Nishihara Environmental Sanitation Research Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のBNR法を見直し、既存の標準活性汚
泥廃水処理施設以外に処理施設を増設することなく、B
ODのみならず、窒素、リンをも併せて効率よく除去で
きる廃水処理装置を提供する。 【解決手段】 廃水処理装置は、廃水を分離水と分離汚
泥とに分離する最初沈殿池1と、この最初沈殿池1で分
離された分離水を無酸素下で攪拌する無酸素槽4と、こ
の無酸素槽4からの混合液を曝気する好気槽5と、この
好気槽5の混合液を無酸素槽4に循環する循環手段10
と、好気槽5からの流出液を処理水と沈殿汚泥とに分離
する最終沈殿池9とを備えている。重力濃縮槽22は、
最初沈殿池1で分離された分離汚泥および最終沈殿池9
で分離された沈殿汚泥を濃縮する。この重力濃縮槽22
で濃縮された濃縮汚泥は濃縮汚泥返送管路24を介して
無酸素槽4に返送される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、下水等の廃水中
に含まれる有機物、窒素およびリンを同時に生物学的に
処理する汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の廃水処理装置の構成を示す
フローシートである。図4において、1は流入する廃水
に対し、本処理に先立ち、予め固液分離する最初沈殿池
であり、2は最初沈殿池1から分離液を導入し、該分離
液中のBODを利用して脱窒・脱リンを同時に行うため
の浮遊汚泥方式の反応槽である。この反応槽2は、嫌気
槽3と無酸素槽4と好気槽5とに3分割されている。6
は嫌気槽3内に配置された攪拌機であり、7は無酸素槽
4内に配置された攪拌機、8は好気槽5内に配置され攪
拌機能とエアレーション機能を併せ持つ散気装置であ
り、9は好気槽5からの流出水を受け入れて固液分離す
る最終沈殿池である。
【0003】10は好気槽5内の混合液を無酸素槽4に
循環させるための循環手段であり、11は最初沈殿池1
から初沈汚泥を汚泥処理工程へ引き出すための初沈汚泥
管路であり、12aは最終沈殿池9で固液分離された汚
泥の一部を嫌気槽3に返送するための返送汚泥管路であ
り、12bは最終沈殿池9で固液分離された汚泥の一部
を余剰汚泥として最初沈殿池1へ引き抜くための余剰汚
泥管路である。
【0004】次に動作について説明する。流入廃水は、
まず最初沈殿池1で固液分離され、その分離液は嫌気槽
3に導入される。この嫌気槽3内では、上記分離液が最
終沈殿池9から返送汚泥管路12aを介して返送される
返送汚泥と接触させられるが、その際に、返送汚泥中に
含まれるリン蓄積菌が廃水中の溶解性BOD(主として
揮発性有機酸)を取り込むと同時に、菌体内のリンを放
出する。嫌気槽3からの流出水は無酸素槽4に導入され
る。ここでは、好気槽5から返送された酸化態窒素が脱
窒細菌によって窒素ガスに還元されて除去される。無酸
素槽4からの流出水は好気槽5に導入され、好気条件下
で廃水中のBODが酸化分解され、硝化細菌によってア
ンモニア態窒素や有機態窒素が硝化されると共に、リン
はリン蓄積菌により過剰に再摂取され液相中から除去さ
れる。好気槽5からの流出水は最終沈殿池9で固液分離
され、処理水は消毒後に放流され、汚泥の一部は嫌気槽
3に返送される。また、汚泥の一部は余剰汚泥として余
剰汚泥管路12bを介して汚泥処理工程へ送られ、処理
される。
【0005】このような廃水処理方法は、嫌気・無酸素
・好気の各槽を必要とする生物学的窒素リン同時除去法
(以下、BNR法という)と呼ばれ、近年、国内外を問
わず多く実用化されている。なお、BNRとはBiologic
al Nutrient Removal 、即ち生物学的栄養塩除去の意で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のBNR法では、嫌気槽3でリンの放出、無酸素槽
4で脱窒、好気槽5でBOD酸化と硝化を主に行い、い
ずれの槽が欠けても成り立たなかったため、全体で約1
5時間前後の長い滞留時間を要するという課題があっ
た。また、反応槽の容積はそれ以前の標準活性汚泥法の
約2〜3倍も必要であり、サイズが大きいため、施設建
設費も嵩むという課題もあった。
【0007】さらに、従来のBNR法では、窒素除去を
比較的安定に効率よく達成できるものの、リンの除去を
安定に行えず、負荷が低下した場合に嫌気槽3における
リン蓄積菌からのリン放出が十分ではなく、好気槽5に
おける安定したリン除去が得られないという課題もあっ
た。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、従来のBNR法を見直し、既存の
標準活性汚泥廃水処理施設以外に処理施設を増設するこ
となく、BODのみならず、窒素、リンをも併せて効率
よく除去できる廃水処理装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る汚泥濃縮
手段を備えた廃水処理装置は、廃水を分離水と分離汚泥
とに分離する固液分離手段と、分離水を無酸素下で攪拌
する無酸素槽と、無酸素槽から流出する混合液を曝気す
る好気槽と、好気槽の混合液を無酸素槽に循環する循環
手段と、好気槽から流出する混合液を処理水と沈殿汚泥
とに分離する沈殿分離手段と、沈殿分離手段で分離され
た沈殿汚泥および固液分離手段で分離された分離汚泥を
濃縮する汚泥濃縮手段と、汚泥濃縮手段で濃縮された濃
縮汚泥を前記無酸素槽に返送する汚泥返送手段とからな
ることを特徴とするものである。
【0010】この発明に係る汚泥濃縮手段を備えた廃水
処理装置は、廃水を分離水と分離汚泥とに分離する固液
分離手段と、分離水を無酸素下で攪拌する無酸素槽と、
無酸素槽から流出する混合液を曝気する好気槽と、好気
槽の混合液を無酸素槽に循環する循環手段と、好気槽の
混合液から処理水を分離して排出する膜分離手段と、好
気槽の混合液および前記固液分離手段で分離された分離
汚泥を濃縮する汚泥濃縮手段と、汚泥濃縮手段で濃縮さ
れた濃縮汚泥を前記無酸素槽に返送する汚泥返送手段と
からなることを特徴とするものである。
【0011】この発明に係る汚泥濃縮手段を備えた廃水
処理装置は、無酸素槽および/または好気槽には、微生
物を担持した担体が投入されていることを特徴とするも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による
汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置を示すフローシート
であり、従来の廃水処理装置を示した図4と共通する要
素については同一符号を付し、その部分の説明を必要に
応じて省略する。図1において1は最初沈殿池(固液分
離手段)であり、沈殿池の他に膜を利用した分離装置や
ろ材を利用したろ過装置を採用してもよい。21は浮遊
汚泥式の反応槽であり、この反応槽21は無酸素槽4と
好気槽5とに2分割されている。22は初沈汚泥管路1
1を介して供給される最初沈殿池1で分離された分離汚
泥と、沈殿汚泥管路23を介して供給される最終沈殿池
(沈殿分離手段)9で分離された沈殿汚泥を混合して濃
縮する汚泥濃縮手段としての重力濃縮槽である。この汚
泥濃縮手段としては重力濃縮槽22のような重力沈殿手
段に代えて、分離膜で分離液を排出する膜分離方式の汚
泥濃縮槽、あるいは遠心濃縮手段または遠心分離手段等
の使用も可能である。24は重力濃縮槽22で濃縮され
た汚泥を無酸素槽4に返送するための濃縮汚泥返送管路
である。なお、好気槽5からの流出液を無酸素槽4に循
環返送する循環手段10は主としてエアリフトポンプや
水中ポンプ等の移送装置と移送管路とから構成されてい
る。
【0013】次に動作を説明する。流入廃水は、まず最
初沈殿池1で固液分離され、その分離水が無酸素槽4に
導入される。一方、最初沈殿池1で分離された初沈汚泥
の一部または全部は初沈汚泥管路11を介して重力濃縮
槽22に導入され、最終沈殿池9で分離された沈殿汚泥
の一部または全部と共に重力沈殿され、得られた濃縮汚
泥は濃縮汚泥返送管路24を介して無酸素槽4に返送さ
れる。無酸素槽4内では最初沈殿池1からの分離水と重
力濃縮槽22からの濃縮汚泥とが無酸素条件下で攪拌機
(図示せず)によって攪拌されることから、汚泥中に含
まれる脱窒細菌が廃水中のBODを利用して、好気槽5
から循環手段10によって循環される硝化液中の酸化態
窒素を還元し、窒素ガスとして除去する。また、無酸素
槽4内では汚泥中に含まれるリン蓄積菌が最初沈殿池1
からの分離水からリンの一部を菌体内に取り込む。
【0014】なお、この無酸素槽4の運転のケースで
は、当該無酸素槽4内に混合液中の酸化還元電位ORP
を測定するORPセンサを設置し、この値(ORPの範
囲は概ね±0〜−300mV)に基いてORP計、コン
ピュータによって循環手段10による循環水量を制御
し、無酸素槽4内を無酸素状態に保持することが望まし
い。無酸素槽4内の攪拌機(図示せず)としては主に攪
拌羽根を備えた機械攪拌装置を用いるが、酸素供給を抑
えて水流を発生させるものであればよく、特に限定され
ない。
【0015】次に、無酸素槽4から流出する混合液は好
気槽5に導入される。この際、混合液の移流方法は、好
気槽5内の混合液が無酸素槽4へ逆流しないようにオー
バーフロー(越流)の形態をとることが望ましい。この
好気槽5の運転も、当該槽内にDOセンサ(溶存酸素濃
度計)を設置し、この測定値(DO値の範囲は概ね0.
5〜5mg/L)に基いてDO計、コンピュータによっ
て曝気ブロアの回転数を自動的に制御し、送風量を調整
することが望ましい。この場合、DO濃度が低い場合は
送風量を増加させ、高い場合は送風量を減少させる。ま
た、この指標はORPまたはpHでも行うことができ
る。ORPの場合は概ね+30〜+300mVの範囲
で、DOと同様に低い場合は送風量を増加させ、高い場
合は送風量を減少させる。pHの場合は概ね6.3〜
7.5の範囲で、DO,ORPとは逆に低い場合は送付
量を減少させ、高い場合は送風量を増加させる。このよ
うな操作を行うことにより、好気槽5内で安定した効率
的な残存BODの酸化分解、窒素成分の硝化およびリン
の過剰摂取除去を行うことができる。なお、送風量は曝
気ブロアの回転数に限らず、電動弁の操作やブロアの運
転台数で調整してもよい。
【0016】次に、好気槽5から流出する混合液の一部
は、上述したように無酸素槽4に戻され、当該混合液中
の酸化態窒素は還元され窒素ガスとして除去される。ま
た、好気槽5から流出する混合液の残部は最終沈殿池9
で沈殿分離され、分離水は処理水として消毒後に放流さ
れる。沈殿汚泥(終沈汚泥)は沈殿汚泥管路23を介し
て重力濃縮槽22に導入され、重力沈殿により濃縮され
る。この重力濃縮槽22には上述したように最初沈殿池
1から分離汚泥(初沈汚泥)の一部が導入されている。
この初沈汚泥には易分解性基質が多く含まれており、こ
の初沈汚泥の重力濃縮槽22内への導入により終沈汚泥
中に含まれるリン蓄積菌が溶解性BOD成分を取り込む
と共に、自らの菌体内に蓄積していたリンを放出する。
このようにリンを液相に放出した濃縮汚泥の一部は濃縮
汚泥返送管路24を介して無酸素槽4へ返送され、残り
は適宜汚泥処理工程で処理される。リンを多く含む分離
液は主に晶析反応によるリン酸マグネシウムアンモニウ
ム(MAP)除去装置に送られ、リンを除去することが
望ましい。
【0017】この実施の形態1では、重力濃縮槽22で
濃縮汚泥から分離液にリンが放出され、分離液中に高濃
度のリンが移流し、リン飢餓状態の濃縮汚泥が無酸素槽
4へ返送される。このため、好気槽5内の混合液中のリ
ン濃度は最初沈殿池1からの流出水(分離水)のリン濃
度とほぼ同程度に抑制される。即ち、重力濃縮槽22で
汚泥から分離液にリンが放出され、この放出されたリン
は無酸素槽4へ返送されないため、好気槽5に流入する
混合液中のリン濃度は低く、好気槽5内のリン蓄積菌に
よるリン摂取により最終的に得られる処理水中のリン濃
度は十分に低減でき、高いリン除去率を達成できる。
【0018】なお、図4に示した従来のBNR法による
廃水処理装置では、反応槽2内の活性汚泥濃度を、余剰
汚泥の一部を嫌気槽3へ返送させることによって維持し
てきた。返送汚泥量は通常最初沈殿池1からの流出水の
0.3〜0.5倍であるが、1.0倍以上に達すること
もあり、反応槽2内の実際の汚泥滞留時間は短くなり、
十分な反応時間が得られない場合もあった。これに対
し、この発明では、濃縮汚泥の一部を反応槽21の無酸
素槽4に返送するため、余剰汚泥よりMLSS濃度が2
〜3倍以上高く、返送量は従来の1/2〜1/3倍以下
でも十分である。このため、反応槽21内の汚泥滞留時
間を従来よりも長くなるため、十分な反応時間を確保で
き、処理能力を向上させることができる。また、最終沈
殿池9でも汚泥沈降時間を長くすることができ、汚泥の
沈降分離性を改善することができる。
【0019】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2による汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置を示す
フローシートである。この実施の形態2の特徴は、先の
実施の形態1における沈殿分離手段としての最終沈殿池
9に代えて、好気槽5に膜分離手段25を設け、最終沈
殿池9から重力濃縮槽22に引き抜かれていた沈殿汚泥
に代えて、好気槽5からの流出液を重力濃縮槽22に供
給するようにした点にある。ここで、最初沈殿池1で分
離された分離汚泥の一部または全部は重力濃縮槽22に
導入されると共に、好気槽5からの流出水は適宜引き抜
いて重力濃縮槽22に導入される。この際、流出水の量
は重力濃縮槽22での滞留時間がリンの溶出に必要な時
間として1時間以上は確保できる量でなければならな
い。
【0020】膜分離手段25は好気槽5内の混合液を処
理水と汚泥とに固液分離する分離膜を備えており、この
分離膜としては精密ろ過膜等の種々の分離膜は勿論、好
気槽5内の混合液中の浮遊微生物やSSなどを分離ろ過
できるものであればいずれも使用可能である。具体的に
は、例えば有機系高分子をベースとした中空糸膜を用い
たゼノン膜プロセス「マックバイオ」(株式会社西原環
境衛生研究所)等が好適である。この膜分離手段25は
浸漬型膜分離装置で好気槽5内に配置されることで、好
気槽5内の散気装置により膜の表面に付着する汚泥を効
率よく剥離することができ、また時には逆洗操作を行う
ことで長期間にわたって安定した分離性能を維持するこ
とができる。なお、膜分離手段25としては、上述のよ
うに浸漬型膜分離装置を用いるが、場合によっては槽外
に設置する膜分離装置を用いてもよい。
【0021】この実施の形態2では、好気槽5内の混合
液はポンプ(図示せず)により膜分離手段25の分離膜
を通過して吸引ろ過され、清澄な処理水となって系外に
流出する。このように膜分離手段25を用いても清澄な
処理水を得ることができるので、最終沈殿池9を設ける
必要がなく、最終沈殿池9の設置面積を削減でき、省ス
ペース化、コンパクト化を図ることができる。また、重
力沈殿方式による最終沈殿池9に比べて無酸素槽4や好
気槽5の汚泥濃度(MLSS)を高濃度に維持しても確
実に固液分離できることから、処理効率を向上させるこ
ともできる。さらに、無酸素槽4や好気槽5内のMLS
Sを高濃度に維持できるため、無酸素槽4や好気槽5の
容積を縮小でき、処理施設の設置面積の省スペース化を
図ることもできる。
【0022】この実施の形態2では、好気槽5に膜分離
手段25を設けたことにより、好気槽5内の活性汚泥が
濃縮され、好気槽5内での汚泥滞留時間を長く保てるの
で、BOD分解活性、硝化活性をさらに向上させること
ができる。また、好気槽5内の混合液は混合液管路26
を介して重力濃縮槽22に送られ、初沈汚泥と混合され
る。このとき、混合液中のリン蓄積菌は初沈汚泥に多く
含まれる溶解性BOD成分を取り込むと共に、菌体内に
蓄積していたリンを放出する。リンを放出した汚泥は、
重力濃縮槽22内で濃縮され、濃縮汚泥の一部は無酸素
槽4へ返送され、残りは汚泥処理工程で適宜処理され
る。
【0023】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3による汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置の要部
を示すフローシートである。この実施の形態3の特徴
は、先の実施の形態1における無酸素槽4と好気槽5に
汚泥中の脱窒細菌および硝化細菌等の微生物を高濃度に
保持した担体27を浮遊させている点にある。この担体
27は主に一辺もしくは直径が5〜30mmの立体形状
のポリウレタン製のものを用いるが、曝気や攪拌により
槽内を流動し微生物を保持できる機能を有するものであ
れば、上記形状に限定されない。また、微生物の保持形
態も、微生物を担体の表面や内部に付着固定させてもよ
いし、担体材料で包み込む包括固定でもよい。さらに、
担体27の材質は無機性物質または有機性物質のいずれ
も適用可能である。勿論、担体27は循環手段10によ
って好気槽5から無酸素槽4に戻され、循環されるよう
になっている。
【0024】図3において28は好気槽5に設けられた
担体分離手段である。この担体分離手段28は好気槽5
から最終沈殿池9に向かう流出水に含まれた担体27が
最終沈殿池9に流出しないように分離するもので、主と
して3〜20mmφのパンチングプレートを用いるが、
これに限らず、担体27を分離できるものであれば、い
かなるものであってもよい。なお、好気槽5と無酸素槽
4とがそれぞれ個別の担体27を利用する場合や無酸素
槽4では担体27を利用しない場合には、好気槽5の担
体27を無酸素槽4に循環させないように、循環手段1
0に担体分離手段28を介在させてもよい。
【0025】この実施の形態3では、脱窒細菌および硝
化細菌等の微生物を高濃度に保持した担体27を浮遊さ
せたので、汚泥滞留時間(SRT)を十分に確保でき、
脱窒反応、硝化反応の効率化を図ることができる。
【0026】実施の形態4.先の実施の形態3では、実
施の形態1における無酸素槽4および好気槽5内に担体
27を浮遊させる構成を採用したが、実施の形態2にお
ける無酸素槽4および好気槽5内に担体27と同様の担
体(図示せず)を浮遊させる構成を採用してもよい。
【0027】この実施の形態4では、先の実施の形態3
と同様に好気槽5に担体分離手段(図示せず)を設ける
必要があるが、これと同様の手段を混合液管路26の取
水口(図示せず)に設けることにより、担体27の重力
濃縮槽22側への流出を防止し、好気槽5および無酸素
槽4内の担持微生物濃度を一定に維持し、脱窒反応、硝
化反応の安定化を図ることができる。
【0028】実験例 下水を対象に処理規模24m3 /日のパイロットプラン
トを用いて、図1に示すフローシートで浄化処理を行っ
た。この際の運転条件を表1に示し、原水として最初沈
殿池1からの流出水(分離水)および最終沈殿池9から
の流出水(処理水)の水質結果を表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果から明らかなように、この発明
に係る汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置を用いた場
合、分離水からT−Nを70%以上、NH4 +−Nを75
%以上、T−Pを90%以上除去することができた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、汚泥濃縮手段を設け、リンを十分に放出した濃縮汚
泥を無酸素槽に返送することにより、無酸素槽および好
気槽への返送汚泥に含まれるリンの流入を防止できるの
で、処理水中のリン濃度を低減することができるという
優れた効果を奏することができる。また、窒素に関して
は従来のBNR法と同様に酸化態窒素を含む混合液を好
気槽から循環手段を介して無酸素層に返送することによ
り無酸素槽内の活性汚泥中の脱窒細菌によって酸化態窒
素を窒素ガスに還元して効率よく除去できるという優れ
た効果を奏することができる。さらに、従来のBNR法
と異なり、嫌気槽を必要としないことから、従来と比べ
て短い反応槽滞留時間で窒素、リンを効率よく安定的に
除去できるという優れた効果を奏することができる。
【0033】また、この発明によれば、好気槽に膜分離
手段を設けたことにより、より清澄な処理水を得ること
ができると共に、好気槽内の微生物濃度を高い状態で処
理することが可能で、反応槽容積の更なる縮小化と安定
した廃水処理を行うことができる。さらに、最終沈殿池
を設置する必要がなくなることから、廃水処理装置の設
置面積を大幅に縮小することができる。
【0034】さらに、この発明によれば、脱窒細菌等の
微生物を担持した担体を好気槽および無酸素槽内に浮遊
させたことにより、実質的な汚泥濃度を高め、汚泥滞留
時間を十分に確保できるため、窒素除去等の効率化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による汚泥濃縮手段を
備えた廃水処理装置を示すフローシートである。
【図2】この発明の実施の形態2による汚泥濃縮手段を
備えた廃水処理装置を示すフローシートである。
【図3】この発明の実施の形態3による汚泥濃縮手段を
備えた廃水処理装置の要部を示すフローシートである。
【図4】従来の廃水処理装置を示すフローシートであ
る。
【符号の説明】
1 最初沈殿池(固液分離手段) 2 浮遊汚泥式の反応槽 3 嫌気槽 4 無酸素槽 5 好気槽 6,7 攪拌機 8 散気装置 9 最終沈殿池(沈殿分離手段) 10 循環手段 11 初沈汚泥管路 12a 返送汚泥管路 12b 余剰汚泥管路 21 浮遊汚泥式の反応槽 22 重力濃縮槽(汚泥濃縮手段) 23 沈殿汚泥管路 24 濃縮汚泥返送管路(濃縮汚泥返送手段) 25 膜分離手段 26 混合液管路 27 担体 28 担体分離手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃水を分離水と分離汚泥とに分離する固
    液分離手段と、分離水を無酸素下で攪拌する無酸素槽
    と、無酸素槽から流出する混合液を曝気する好気槽と、
    好気槽の混合液を無酸素槽に循環する循環手段と、好気
    槽から流出する混合液を処理水と沈殿汚泥とに分離する
    沈殿分離手段と、沈殿分離手段で分離された沈殿汚泥お
    よび固液分離手段で分離された分離汚泥を濃縮する汚泥
    濃縮手段と、汚泥濃縮手段で濃縮された濃縮汚泥を前記
    無酸素槽に返送する汚泥返送手段とからなることを特徴
    とする汚泥濃縮手段を備えた廃水処理装置。
  2. 【請求項2】 廃水を分離水と分離汚泥とに分離する固
    液分離手段と、分離水を無酸素下で攪拌する無酸素槽
    と、無酸素槽から流出する混合液を曝気する好気槽と、
    好気槽の混合液を無酸素槽に循環する循環手段と、好気
    槽の混合液から処理水を分離して排出する膜分離手段
    と、好気槽の混合液および前記固液分離手段で分離され
    た分離汚泥を濃縮する汚泥濃縮手段と、汚泥濃縮手段で
    濃縮された濃縮汚泥を前記無酸素槽に返送する汚泥返送
    手段とからなることを特徴とする汚泥濃縮手段を備えた
    廃水処理装置。
  3. 【請求項3】 無酸素槽および/または好気槽には、微
    生物を担持した担体が投入されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の汚泥濃縮手段を備えた
    廃水処理装置。
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