JP5186257B2 - 畳表及びその製造方法 - Google Patents

畳表及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5186257B2
JP5186257B2 JP2008076290A JP2008076290A JP5186257B2 JP 5186257 B2 JP5186257 B2 JP 5186257B2 JP 2008076290 A JP2008076290 A JP 2008076290A JP 2008076290 A JP2008076290 A JP 2008076290A JP 5186257 B2 JP5186257 B2 JP 5186257B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
yarn
coating layer
allergen
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008076290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009228340A (ja
Inventor
裕樹 宮崎
楽 鶴石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2008076290A priority Critical patent/JP5186257B2/ja
Publication of JP2009228340A publication Critical patent/JP2009228340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5186257B2 publication Critical patent/JP5186257B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)

Description

本発明は、畳表及びその製造方法に関し、特に、紙製筒状抄繊糸を用いた畳表に関する。
従来、室内空間においてアレルゲンを除去する方法としては、例えば特許文献1に示されるように、畳や床、壁等の表面を、室温硬化型接着剤を含有するアレルゲン除去剤で刷毛塗り等により被覆する方法が一般に知られている。尚、アレルゲンにはダニ、花粉、ペット皮膚、カビ類等が挙げられる。
一方、特許文献2に示されるように、芳香族ヒドロキシ化合物等のアレルゲン低減化剤を縦糸に固着させてアレルゲンを低減化する畳表が提案されている。
特開平9−25439号公報 特開2007−132147号公報
上記特許文献1に示される方法では、室温硬化型接着剤を含有するアレルゲン除去剤とアレルゲンを接触させることができるので、そのアレルゲンの除去効果を期待することができる。しかし、その反面、長期使用により、被覆した室温硬化型接着剤を含有するアレルゲン除去剤が剥がれ落ちてしまうことがあり、アレルゲン低減効果が薄れる虞れがあった。
これに対し、特許文献2に示される方法では、アレルゲン低減化剤が縦糸だけに固着されており、アレルゲンと接触する横糸には固着されていないので、通常使用においては芳香族ヒドロキシ化合物等のアレルゲン低減化剤が剥がれ落ち難いものの、アレルゲン低減効果が有効に発揮されない可能性がある。
また、フェノール基を有するアレルゲン低減化剤を使用する場合には、縦糸が繊維質材料であると着色されてしまう虞れがあるとともに、耐光性にやや難点があり、特に畳として緑色が長期間望まれる場所での使用においては不適になることがあった。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、長期間使用してもアレルゲン低減効果が持続して変色や耐光性にも優れた畳表が得られるとともに、そのような畳表を生産性よく製造できるようにすることにある。
上記の目的を達成すべく、この発明では、表面に樹脂からなるコーティング層が形成された紙製筒状抄繊糸に着目し、その外側のコーティング層を形成する樹脂に吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有させて、その紙製筒状抄繊糸を畳表に編織するようにした。
具体的には、請求項1の発明の畳表は、筒外側表面に樹脂からなる第1コーティング層と、該第1コーティング層の表面に位置する第2コーティング層とが形成された紙製筒状抄繊糸を用いて編織してなるものであり、上記紙製筒状抄繊糸の外側の第2コーティング層の樹脂に吸着変性型の抗アレルゲン剤が含有されていることを特徴とする。
尚、上記吸着変性型の抗アレルゲン剤でアレルゲンを不活性化する機構は、アレルゲンの蛋白質が持つプラスの電荷に対して、アニオン性官能基(マイナス電荷)が反応することで、その蛋白質の構造を変性させると考えられている。
また、上記請求項1の畳表において、第1及び第2コーティング層の樹脂が同じものであってもよい。
請求項の発明の畳表の製造方法は、紙を中空筒状に巻いた紙製筒状抄繊原糸の筒外側表面に、樹脂を含有する第1コーティング層を形成した後、その第1コーティング層の表面に、吸着変性型の抗アレルゲン剤と樹脂とを含有する第2コーティング層を形成して抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸を得、この抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸を用いて畳表を編織することを特徴とする。
また、上記請求項3の畳表において、第1及び第2コーティング層の樹脂が同じものであってもよい。
請求項1の発明によると、以下の効果が得られる。すなわち、紙製筒状抄繊糸の少なくとも最も外側のコーティング層を形成する樹脂に吸着変性型の抗アレルゲン剤が含有されているので、このコーティング層の抗アレルゲン剤はアレルゲンと接触し易くなり、抗アレルゲン効果を有効に得ることができる。
また、吸着変性型の抗アレルゲン剤が樹脂に含有されて紙製筒状抄繊糸の表面に塗布含浸されているので、使用時に抗アレルゲン剤が剥がれ落ちる虞れがなく、抗アレルゲン効果が持続する。
さらに、吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有させた樹脂を紙製筒状抄繊糸の表面に塗布含浸するので、紙製筒状抄繊糸が長期間に亘って変色しない。
また、吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有する樹脂が紙製筒状抄繊糸の表面に塗布含浸されてコーティング層を形成しているので、紙製筒状抄繊糸を畳表に形成した後の使用時において抗アレルゲン剤と人肌が直接触れることがあっても、安全性が高い。
また、微細な吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有する樹脂が紙製筒状抄繊糸の表面に塗布含浸されてコーティング層を形成しているので、紙製筒状抄繊糸表面のざらつきは殆どなく、畳表に形成した後の使用時において違和感が生じない。
吸着変性型の抗アレルゲン剤を主に構成する吸着剤は吸放湿性能を有し、この吸放湿性能により畳表の含水率が安定し、このことでアレルゲンを不活性化する環境を維持して、その不活性化効率を高めるとともに、不活性化率の変動をより少なくすることができる。
請求項の発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、紙製筒状抄繊原糸表面の第1のコーティング層の外側に、吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有する樹脂が塗布含浸されて第2のコーティング層が形成されているので、この第2のコーティング層の抗アレルゲン剤がアレルゲンと接触し易く、効果的に抗アレルゲン効果を得ることができる。
また、樹脂を紙製筒状抄繊原糸の表面全体に満遍なく含浸させて第1コーティング層を形成するので、紙製筒状抄繊糸の強度を向上させることができる。
さらに、第1コーティング層の上に第2コーティング層を形成するので、撥水性等の機能を付与することができる。
また、第1コーティング層の樹脂を塗布することで紙製筒状抄繊糸の強度を向上させること、及び第2コーティング層の樹脂で撥水性等の機能と共に抗アレルゲン性能を持たせることが同時に達成できるので、生産性がよい。
さらにまた、吸着変性型の抗アレルゲン剤を樹脂に含有させて紙製筒状抄繊原糸にコーティングするので、溶剤を使用することなく吸着変性型の抗アレルゲン剤を紙製筒状抄繊原糸に付着させることができ、溶剤が揮発することもなく、環境に優しい。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
本発明の実施形態に係る畳表は紙製筒状抄繊糸Aを編織してなるものである。この紙製筒状抄繊糸Aは、図1に示すように、木質繊維等からなる帯状(テープ状)の抄造紙1を公知のように螺旋筒状に巻くことにより構成されたものである。
図2に拡大して示すように、上記紙製筒状抄繊糸Aの筒外側及び筒内側の両表面には、樹脂からなる第1コーティング層3と、この第1コーティング層3の表面に位置する樹脂からなる第2コーティング層4とがそれぞれ樹脂の含浸塗布によって形成されている。これら第1及び第2コーティング層3,4のうち、紙製筒状抄繊糸Aの最も外側にある第2コーティング層4の樹脂に、吸着変性型の抗アレルゲン剤が含有されている。そして、この筒状抄繊糸Aを編織して畳表が構成されている。
(紙製筒状抄繊糸)
上記紙製筒状抄繊糸Aとなる抄造紙1の種類は特に限定されないが、引張強度が優れる点で、針葉樹を主体とした木材パルプを用いることが望ましい。例えば松のパルプを坪量15〜35g/m程度で抄造した、幅15〜40mm程度のテープ状抄造紙1が用いられる。
筒状抄繊糸Aの巻数は例えば4〜15巻程度に設定される。筒状抄繊糸Aの外径は例えば0.7〜2.0mm程度、中心部に生じる空洞の口径は例えば0.2〜0.8mm程度であるが、いずれも特に限定されるものではない。
(コーティング層)
紙製筒状抄繊糸Aの表面に塗布含浸されている樹脂は、抄造紙1(紙製筒状抄繊糸A)の引張強度を向上させるとともに、コーティングによって汚染性や撥水性を向上させるためのものであり、例えばフッ素樹脂、アクリル樹脂、EVA、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。第1コーティング層3の樹脂と第2コーティング層4の樹脂とは同じものでもよいし、異なっていてもよい。
上記樹脂には機能性を付加させることもできる。例えば樹脂に撥水剤を添加することで、抄造紙1(紙製筒状抄繊糸A)の撥水性能をさらに向上させることができる。他にもホルムアルデヒド吸着物質や吸放湿物質等の機能性物質を添加して、ホルムアルデヒド吸着性能や吸放湿性を向上させることもできる。上記機能性物質は、1種類を選択するようにしてもよいし、2種以上の組み合わせとしてもよく、目的に応じて適宜選択することが可能である。
(吸着変性型の抗アレルゲン剤)
最も外側となる第2コーティング層4の樹脂に添加されている吸着変性型の抗アレルゲン剤とは、例えばアクリル系微粒子、シリカゲル、ゼオライト等の多孔質な吸着剤にアニオン系官能基が付着してなるものをいう。
吸着変性型の抗アレルゲン剤は、自然素材由来のものではないので、ポリフェノール系の抗アレルゲン剤に比べて耐光性が高く、抄造紙1(紙製筒状抄繊糸A)に塗布しても長期に亘って変色が目立たない。
抗アレルゲン剤は大きさが1μm以下の微細なものがよい。特に望ましい粒径は100nm以下である。この大きさが1μmを超えると、筒状抄繊糸Aの表面にざらつきが生じて表面平滑性を維持できず、また、付着させた抗アレルゲン剤が使用により剥がれ落ち易くなるからである。
抗アレルゲン剤の添加量は、樹脂に対して5〜30重量%(5重量%以上でかつ30重量%以下)がよい。5重量%よりも低いと、抗アレルゲンの効果を得難くなり、30重量%よりも高いと、樹脂の使用量が相対的に少なくなり、必要な撥水性等の機能が得られなくなるからである。
(畳表の製造方法)
次に、上記畳表を製造するための、本発明の実施形態に係る畳表の製造方法について説明する。この方法では、抄造紙1を中空筒状に巻いた紙製筒状抄繊原糸A′(図3参照)の表面に、樹脂を含有する第1コーティング層3を形成した後、その第1コーティング層3の表面に、吸着変性型の抗アレルゲン剤と樹脂とを含有する第2コーティング層4を形成して、抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸としての上記紙製筒状抄繊糸Aを得、その紙製筒状抄繊糸A(抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸)を用いて畳表を編織する。
上記筒状抄繊原糸A′を製造する方法は公知であり、木質繊維等を用いて紙を抄造した後、その抄造紙1を所定幅の帯状に切断し、螺旋筒状に巻いて筒状抄繊原糸A′を形成する。
次に、このようにして製造された上記筒状抄繊原糸A′の表面(抄造紙1の内外表面)に樹脂を塗布含浸して乾燥させることで、第1及び第2コーティング層3,4を形成する。
これらコーティング層3,4を筒状抄繊原糸A′の表面に形成する際には、例えば図3に示すような膜加工装置10が用いられる。この膜加工装置10について説明すると、11はコーティング前の筒状抄繊糸原A′が巻回されている供給装置であり、この供給装置11の上方に第1ガイドローラ12が配設され、この第1ガイドローラ12の側方位置に第2ガイドローラ13が配設されている。この第2ガイドローラ13の下側には第1浸漬槽14が設置され、この第1浸漬槽14内に上記第1コーティング層3を形成するための第1樹脂液15が貯留されている。第1浸漬槽14内には第3ガイドローラ16と、この第3ガイドローラ16の側方に位置する第4ガイドローラ17と、第1樹脂液15を撹拌するための攪拌機18とがそれぞれ第1樹脂液15に漬かった状態で設けられている。第4ガイドローラ17の上方には第5ガイドローラ19が配設され、この第5ガイドローラ19の側方位置に第6ガイドローラ20が配設されている。これら第5及び第6ガイドローラ19,20間の側方には1次加熱装置21が設置されている。
第6ガイドローラ20の下側には第2浸漬槽23が設置され、この第2浸漬槽23内に上記第2コーティング層4を形成するための第2樹脂液24が貯留されている。第2浸漬槽23内には第7ガイドローラ25と、この第7ガイドローラ25の側方に位置する第8ガイドローラ26と、第2樹脂液24を撹拌するための攪拌機27とがそれぞれ第2樹脂液24に漬かった状態で設けられている。第8ガイドローラ26の上方には第9ガイドローラ28が配設され、この第9ガイドローラ28の側方位置に第10ガイドローラ29が配設されている。これら第9及び第10ガイドローラ28,29間の側方には2次加熱装置30が設置されている。第10ガイドローラ29の下側には、コーティング後の筒状抄繊糸Aを巻き取るための巻取り装置32が設置されている。
そして、供給装置11から第1ないし第10ガイドローラ12,13,16,…,28,29を順に経て巻取り装置32に至る経路により筒状抄繊原糸A′(筒状抄繊糸A)を搬送するための搬送路34が形成されており、筒状抄繊原糸A′(筒状抄繊糸A)は、この搬送路34に沿って搬送される。すなわち、供給装置11から筒状抄繊原糸A′が繰り出されて搬送路34に供給されると、この紙製の原糸A′は上方の第1及び第2ガイドローラ12,13を経由した後に下方に移動して第1浸漬槽14に浸漬され、この第1浸漬槽14において、第3及び第4ガイドローラ16,17を通る間に原糸A′の表面に第1樹脂液15が付着する。
その後、原糸A′は第1浸漬槽14から出て第5及び第6ガイドローラ19,20を経由し、これらガイドローラ19,20を通る間に1次加熱装置21で1次加熱されて、表面に上記第1樹脂液15により第1コーティング層3が形成される。
この第1コーティング層3が形成された紙製原糸A′は第6ガイドローラ20を経由した後に下方に移動して第2浸漬槽23に浸漬され、この第2浸漬槽23において、第7及び第8ガイドローラ25,26を通る間に紙製原糸A′の表面に第2樹脂液24が付着する。その後、紙製原糸A′は第2浸漬槽23から出て第9及び第10ガイドローラ28,29を経由し、これらガイドローラ28,29を通る間に2次加熱装置30で2次加熱されて、上記第1コーティング層3の表面に第2樹脂液24により第2コーティング層4が形成され、このことで抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸としての紙製筒状抄繊糸Aが得られる。この後、紙製筒状抄繊糸Aは巻取り装置32に巻き取られる。
上記各樹脂液15,24を筒状抄繊原糸A′(抄造紙1)の表面に塗布含浸する方法は、上記のような浸漬方法に限らず、スプレー噴霧やロールコーターを利用してもよい。また、各樹脂は複数回に分けて塗布することもできる。また、塗布する樹脂量は特に定めるものではないが、0.5〜1kg/m程度がよい。
以上のようにして第1及び第2コーティング層3,4が表面に形成された筒状抄繊糸A(抗アレルゲン紙糸)を編織することで、畳表を得る。編織する際には、通常と同様に、レピア式自動畳表織機等を用いて、織り込み密度0.5〜1.2kg/mで編織する。その緯糸と経糸との両方に上記筒状抄繊糸Aを用いてもよいし、緯糸のみに筒状抄繊糸Aを用い、経糸にはビニロン等の紡績糸を用いるようにしてもよい。
尚、このようにして得られた畳表を用いて畳を製造する際には、その畳表を畳床の上面に接着もしくは縫付又はそれらの両方により固着する。
(実施形態の効果)
したがって、この実施形態においては、畳表に編織される紙製筒状抄繊糸Aの第1コーティング層3の外側に、吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有する樹脂が塗布含浸されて第2コーティング層4が形成されているので、この第2コーティング層4の抗アレルゲン剤がアレルゲンと接触し易くなり、効果的な抗アレルゲン効果を得ることができる。しかも、吸着変性型の抗アレルゲン剤が樹脂に含有されて紙製筒状抄繊糸Aの表面に塗布含浸されているので、使用時に抗アレルゲン剤が剥がれ落ちる虞れがなく、上記抗アレルゲン効果が持続する。
また、吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有させた樹脂を紙製筒状抄繊糸Aの表面に塗布含浸するので、紙製筒状抄繊糸Aが長期間に亘って変色することはない。
さらに、吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有する樹脂が紙製筒状抄繊糸Aの表面に塗布含浸されて第2コーティング層4を形成しているので、紙製筒状抄繊糸Aを畳表に形成した後の使用時において抗アレルゲン剤と人肌が直接触れることがあっても、安全性は高い。
また、微細な吸着変性型の抗アレルゲン剤を含有する樹脂が紙製筒状抄繊糸Aの表面に塗布含浸されて第2コーティング層4を形成しているので、紙製筒状抄繊糸A表面のざらつきが殆どなく、畳表に形成した後の使用時に違和感が生じることはない。
加えて、吸着変性型の抗アレルゲン剤を主に構成する吸着剤が吸放湿性能を有し、この吸放湿性能により畳表等の含水率が安定するようになり、アレルゲンを不活性化する環境を維持して、その不活性化効率を高めるとともに、不活性化率の変動をより少なくできる。
また、樹脂を紙製筒状抄繊原糸A′の表面全体に満遍なく含浸させて第1コーティング層3を形成するので、紙製筒状抄繊糸A自体の強度を向上させることができる。また、この第1コーティング層3の上に第2コーティング層4を形成するので、撥水性等の機能を付与することができる。そして、第1コーティング層3の樹脂を塗布することで、紙製筒状抄繊糸Aの強度を向上させるとともに、第2コーティング層4の樹脂で撥水性等の機能と共に抗アレルゲン性能を持たせることが達成でき、生産性がよくなる。
さらにまた、吸着変性型の抗アレルゲン剤を樹脂に含有させて紙製筒状抄繊原糸A′にコーティングするので、この吸着変性型の抗アレルゲン剤を溶剤を使用することなく紙製筒状抄繊糸Aに付着させることができ、溶剤が揮発することもなく、環境に優しい。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、紙製筒状抄繊糸Aの表面に第1及び第2の2層のコーティング層3,4を形成しているが、3層以上のコーティング層を形成するようにしてもよく、少なくとも最も外側のコーティング層を形成する樹脂に吸着変性型の抗アレルゲン剤が含有されるようにすればよい。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
松パルプよりなる抄造紙を帯状にカットしてそれを螺旋筒状に巻くことにより、筒状抄繊原糸を得た。この筒状抄繊原糸をアクリル樹脂を貯留した第1浸漬槽に浸漬して筒状抄繊原糸の表面にアクリル樹脂を塗布含浸させた。アクリル樹脂の塗布量は0.4g/mであった。このようにして表面にアクリル樹脂が塗布された筒状抄繊原糸を180℃で加熱乾燥して第1のコーティング層を形成した。
さらに、こうして表面に第1コーティング層が形成された筒状抄繊原糸を第2浸漬槽に浸漬した。この第2浸漬槽には、吸着変性型の抗アレルゲン剤であるアクリル系微粒子にアニオン性官能基を固着した粒子(粒径50μm)を分散させたエマルジョンが30重量%添加されているたフッ素樹脂が貯留されており、このフッ素樹脂を筒状抄繊原糸の表面に塗布させた。吸着変性型の抗アレルゲン剤の塗布量は0.1g/mであった。このようにして表面にフッ素樹脂が塗布された筒状抄繊原糸を175℃で加熱乾燥して第2のコーティング層を形成した。
こうして得られた筒状抄繊糸を畳表に編織した。その織込み密度は0.85kg/mであった。
(比較例1)
吸着変性型の抗アレルゲン剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして畳表を得た。
(比較例2)
吸着変性型の抗アレルゲン剤の代わりに、ポリフェノール系アレルゲン不活性化剤を10重量%添加したフッ素樹脂槽に浸漬して形成した。
(抗アレルゲン性能測定)
実施例1及び比較例1に係る畳表片100mgを、コナヒョウヒダニ精製アレルゲン溶液(Der f2)に入れて、20℃で24時間処理した後、ELISA法(イライザ法)で溶液の抗アレルゲン性能を測定した。その結果を図4に示す。尚、実施例1の不活性率は比較例1の不活性率を0とした場合の相対比較である。
この図4の結果から、実施例1は比較例1に比べて、抗アレルゲン性能が得られていることが判る。
(耐光性試験)
別途に得られた実施例1及び比較例2に係る畳表を耐光性試験としてフェードメーターにて48時間処理を行った。その結果を図5に示す。この図5の結果から、実施例1における耐光性としてのΔEは比較例2に比べて小さく、変化が少ないことが判る。
本発明は、長期間使用してもアレルゲン低減効果が持続する畳表が得られるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明の実施形態に係る畳表となる紙製筒状抄繊糸の拡大斜視図である。 図2は、紙製筒状抄繊糸の要部拡大断面図である。 図3は、筒状抄繊原糸の表面にコーティング層を形成する際に用いられる膜加工装置の概略図である。 図4は、畳表の抗アレルゲン性能の測定結果を示す図である。 図5は、畳表の耐光性試験の結果を示す図である。
A 紙製筒状抄繊糸(抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸)
A′ 紙製筒状抄繊原糸
1 抄造紙
3 第1コーティング層
4 第2コーティング層

Claims (4)

  1. 筒外側表面に樹脂からなる第1コーティング層と、該第1コーティング層の表面に位置する第2コーティング層とが形成された紙製筒状抄繊糸を用いて編織してなる畳表であって、
    上記紙製筒状抄繊糸の外側の第2コーティング層の樹脂に吸着変性型の抗アレルゲン剤が含有されていることを特徴とする畳表。
  2. 請求項1において、
    第1及び第2コーティング層の樹脂が同じであることを特徴とする畳表。
  3. 紙を中空筒状に巻いた紙製筒状抄繊原糸の筒外側表面に、樹脂を含有する第1コーティング層を形成した後、
    上記第1コーティング層の表面に、吸着変性型の抗アレルゲン剤と樹脂とを含有する第2コーティング層を形成して抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸を得、
    上記抗アレルゲン紙製筒状抄繊糸を用いて畳表を編織することを特徴とする畳表の製造方法。
  4. 請求項3において、
    第1及び第2コーティング層の樹脂が同じであることを特徴とする畳表の製造方法。
JP2008076290A 2008-03-24 2008-03-24 畳表及びその製造方法 Active JP5186257B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008076290A JP5186257B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 畳表及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008076290A JP5186257B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 畳表及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009228340A JP2009228340A (ja) 2009-10-08
JP5186257B2 true JP5186257B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=41244038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008076290A Active JP5186257B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 畳表及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5186257B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345629A (ja) * 1999-06-08 2000-12-12 Kiesel F Kk 床構造
JP3096907U (ja) * 2003-03-25 2004-01-08 信濃建設株式会社 消臭調湿畳
JP2004308092A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Yamanaka Sangyo Kk 織編物及び畳表
JP2005282152A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Daiken Trade & Ind Co Ltd 機能性を有する畳表の製造方法と該方法により製造された畳表
JP4917772B2 (ja) * 2005-07-28 2012-04-18 ダイワボウホールディングス株式会社 アレルゲン処理能を有するセルロース繊維

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009228340A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016143809A1 (ja) 防虫繊維及びそれを用いた防虫網
WO2006042375A1 (en) A fabric and a method of making the fabric
CN103361919B (zh) 一种防水面料的制备方法
JP2010514592A5 (ja)
JP6138245B2 (ja) ウーブン床装飾材
KR101234044B1 (ko) 투습성이 뛰어난 자외선 경화형 투습방수 원단 및 이의 제조방법
JP5186257B2 (ja) 畳表及びその製造方法
JP7001998B2 (ja) 部分分繊繊維束の製造方法と部分分繊繊維束、および部分分繊繊維束を用いた繊維強化樹脂成形材料とその製造方法
JP5209519B2 (ja) 耐摩擦性に優れた畳表の製造方法
JP2010180513A (ja) 粘着テープ用基材
JPH10245790A (ja) 嵩高紙製造用開孔パターンネット及び嵩高紙製造装置
JP6655291B2 (ja) 筒撚り撚糸、筒撚り撚糸の製造方法、畳表、及び畳表の製造方法
JP2002317399A (ja) 壁 紙
CN115867421A (zh) 通过长丝缠绕制造成形物体的工艺
US7332203B2 (en) Glass forming tube, and glass cake and method incorporating same
CN211771048U (zh) 一种多功能环保墙布
JP7349476B2 (ja) 抗菌性撚糸の製造方法
JPH10245789A (ja) 嵩高紙の製造方法
WO2021054084A1 (ja) 液体塗布用クロス、液体塗布キット、液体塗布シート、および液体塗布用具
JP6212977B2 (ja) 表面処理剤塗布装置、及びガラスロービングの製造方法
JP2005155168A (ja) 畳表および畳表の製造方法
JPH0317868B2 (ja)
JPH0544162A (ja) 黄変性の小さい樹脂・繊維布帛構造体及びその製造法
CN216933009U (zh) 洗地用滚刷及洗地装置
KR100705487B1 (ko) 기능성 지사 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121204

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5186257

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250