JP6212977B2 - 表面処理剤塗布装置、及びガラスロービングの製造方法 - Google Patents

表面処理剤塗布装置、及びガラスロービングの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、走行する複数のストランドに表面処理剤を塗布する表面処理剤塗布装置及び表面処理剤塗布方法、並びにガラスロービングに関する。
プリント配線板、ガラス繊維強化プラスチック(FRP、FRTP)等の工業製品の原材料として使用されるガラス繊維は、紡糸工程において、溶融ガラスを紡糸することによって得られる直径が数μm〜数十μmのガラス繊維モノフィラメントを、集束剤等の表面処理剤を塗布して数十本から数千本のガラス繊維束(ストランド)として集束し、これを一旦ドラムに巻き取って乾燥し、ケーキと呼ばれる状態に加工する。その後、例えば、ケーキからストランドを巻き戻し、このストランドに撚りをかけたガラスヤーンの形態や、ストランドを所定の長さに切断したガラスチョップドストランドの形態や、ガラスチョップドストランドをマット状にしたガラスチョップドストランドマットの形態や、ストランドをさらに複数本引揃えて合糸したガラスロービングの形態等に加工して製品として出荷される。
ストランドを巻き戻し、撚糸、切断、引揃え等の加工処理を行う場合、上述した集束剤だけでは静電気が発生し、ストランドを加工して製品を製造する際の障害となることがある。例えば、ガラス繊維束を所定の長さに切断してガラスチョップドストランドを製造する場合、カッターでストランドを切断する際の摩擦により静電気が発生し、カッターに切断物が付着して短時間で切断性能が低下したり、ガラスチョップドストランドマットを製造する際に、ガラスチョップドストランドの均一分散や、ガラスチョップドストランドの所定容量が得られない等の欠陥となることがある。また、ガラスロービングの形態等に二次加工して製品として出荷した場合には、顧客先等において切断等の加工処理が行われるときに、上記と同様に静電気の発生が問題となる。そのため、ケーキからストランドを巻き戻し、ストランドの二次加工処理を行うまでの間に、表面処理剤を再度塗布することが行われている。
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、箱型含浸槽中の複数の含浸ローラ間に上方より下方に向けて長繊維束を交互に通し、最下部の折り返しローラにより折り返して、再び含浸ローラに下方より上方に向けて通すようにして長繊維束に液体状の処理剤を含浸させる液体含浸装置が開示されている。
また、従来技術としては開示されていないが、ストランドに対して表面処理剤を塗布する技術として、例えば、噴霧器等を用いてストランドに表面処理剤を噴霧する技術や、ローラ等を用いて表面処理剤を容器等からすくい上げながらストランドに表面処理剤を塗布する技術も開発され始めている。
特開昭61−6364号公報
上述したストランドの加工処理を行う場合、所定のケーキや製品の製造が完了すると、作業を一時的に中断してケーキや製品を回収した後、再度作業を再開して新たなケーキや製品を製造する。ストランドの加工処理ではこの作業を繰り返すため、ストランドは走行及び停止を繰り返すことになる。このようにストランドが走行及び停止を繰り返すと、上述した特許文献1に記載の技術やローラ等を用いて表面処理剤を塗布する技術では、ローラが慣性により回転する等して、ストランドがローラに巻き込まれることがあり、巻き込まれたストランドを元の状態に復旧させる作業等が新たに生じて、ストランドの加工処理における作業効率が低下するという問題があった。
また、上述した噴霧器等を用いてストランドに対して表面処理剤を噴霧する技術や、ローラ等を用いて表面処理剤を塗布する技術では、噴霧する表面処理剤の量の調整やローラによりすくい上げる表面処理剤の量の調整が難しく、塗布対象のストランドに所定量の表面処理剤を均一に塗布することが困難であるといった問題があった。また、上述した表面処理剤の量の調整を行うための機器を整備したり、噴霧された表面処理剤やローラによりすくい上げた表面処理剤が周囲の機器に飛散しないように装置設計を行ったりの対応をとる等の必要があり、装置自体の構造が複雑なものとなり、ひいてはコストアップにもつながるといった問題があった。
さらに、ストランドに表面処理剤が必要以上に塗布されると、表面処理剤の乾燥に時間を要するだけでなく、ストランドをFRP成形体に加工した場合に過剰量の表面処理剤がストランド表面でダマ状となり、FRP成形体の表面に欠点を生じさせたり、耐煮沸性等の特性を低下させる虞もある。従って、ストランド本来の特性が損なわれないガラスロービングを得るためには、ストランドに対する表面処理剤の使用量を適量にする(好ましくは、できる限り少なくする)ことが望まれる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、ストランドのローラ等への巻き込みによる作業効率の低下を防止することができ、ストランドに所定量の表面処理剤を均一に塗布することができ、FRP成形体等に加工した場合に品質の低下を招くことのないストランドの表面処理剤塗布装置及び表面処理剤塗布方法を提供することを目的とする。さらに、表面処理剤が適量に塗布されたストランドを用いたガラスロービングを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る表面処理剤塗布装置の特徴構成は、
走行する複数のストランドに表面処理剤を塗布する表面処理剤塗布装置であって、
前記表面処理剤が浸み込んだ吸水性部材と少なくとも一部のストランドとを接触させ、前記吸水性部材と接触したストランドの表面の少なくとも一部に前記表面処理剤を塗布することにある。
本構成の表面処理剤塗布装置では、ストランド加工時においてストランドが走行及び停止を繰り返したとしても、表面処理剤を浸み込ませた吸水性部材にストランドを接触させるという構成であるため、ストランドがローラ等に巻き込まれることがない。ここで、ストランドは複数束ねた状態で表面処理剤が塗布されるが、表面処理剤が過剰に塗布されないことが重要となる。吸水性部材は、表面処理剤をその内部に一定量保持することができるため、吸水性部材からストランドの表面に過剰な表面処理剤を塗布することはなく、所定量の表面処理剤をストランドの表面又は表面の少なくとも一部に均一に塗布することができる。表面処理剤が適量塗布されたストランド(ガラスロービング)は、FRP成形体等の加工に適したものとなる。さらに、上述した利点を有する表面処理剤塗布装置は、吸水性部材と少なくとも一部のストランドとを接触させるという簡単な構成で実現することができ、表面処理剤塗布装置自体の製造コスト削減及び当該塗布装置を用いた製品の製造コスト削減を図ることができる。
したがって、本構成の表面処理剤塗布装置は、簡単な構成で、ストランドのローラ等への巻き込みによる作業効率の低下を防止することができ、ストランドに所定量の表面処理剤を均一に塗布することができる。
本発明に係る表面処理剤塗布装置において、
前記ストランドの走行方向に直交する方向視で前記吸水性部材における前記ストランドとの接触面が、前記ストランド側に凸となる湾曲面又は屈曲面に形成されていることが好ましい。
本構成の表面処理剤塗布装置は、ストランドの走行方向に直交する方向視で吸水性部材におけるストランドとの接触面が、当該ストランド側に凸となる湾曲面又は屈曲面に形成されていることから、吸水性部材とストランドとが接触する接触面積を小さくすることができ、余分な表面処理剤のストランドへの塗布をさらに効果的に防ぐことができる。
本発明に係る表面処理剤塗布装置において、
水平方向視で前記吸水性部材が逆U字状又は逆V字状に形成され、前記吸水性部材の頂部と前記ストランドとを接触させ、前記吸水性部材の両脚部に前記表面処理剤を浸み込ませてあることが好ましい。
本構成の表面処理剤塗布装置は、吸水性部材が逆U字状又は逆V字状に形成され、吸水性部材の両脚部に表面処理剤を浸み込ませてあることから、例えば吸水性部材の両脚部のうちの一方の脚部が液面から離れたり損傷したりする等して、吸水性部材の一方の脚部に表面処理剤が供給されなくなったとしても、吸水性部材の他方の脚部から表面処理剤を吸水性部材の頂部に供給することができる。これにより、ストランドの表面に確実に表面処理剤を塗布することができる。
本発明に係る表面処理剤塗布装置において、
前記吸水性部材及び前記ストランドの一方を前記吸水性部材及び前記ストランドの他方に押し付ける押し付け手段を備えてあることが好ましい。
本構成の表面処理剤塗布装置は、吸水性部材とストランドとが押し付け手段により押し付けられていることから、吸水性部材及びストランドの一方を他方に押し付けながら、ストランドの表面に表面処理剤を確実に塗布することができる。
本発明に係る表面処理剤塗布装置において、
前記表面処理剤を入れた容器の液面から所定距離離れた上方箇所を走行する前記ストランドに対して、前記容器の液面に下部を浸した前記吸水性部材の上部を前記ストランドに接触させることが好ましい。
本構成の表面処理剤塗布装置は、容器の液面に下部を浸した吸水性部材の上部をストランドに接触させることから、容器の液面とストランドとの高低差及び吸水性部材の性質を有効に活用して、吸水性部材の下部から上部に適度な量の表面処理剤を吸い上げてストランドに適度な量の表面処理剤を塗布することができる。
本発明に係る表面処理剤塗布装置において、
前記吸水性部材はフェルトであることが好ましい。
本構成の表面処理剤塗布装置は、吸水性部材がフェルトであることから、表面処理剤を十分に吸収することができ、さらに、フェルトの柔軟性により吸水性部材とストランドの表面とを密着させることができるため、ストランドの表面に表面処理剤を確実に且つ均一に塗布することができる。
本発明に係る表面処理剤塗布装置において、
前記フェルトが、厚みが5〜30mmの帯状に形成されていることが好ましい。
本構成の表面処理剤塗布装置は、フェルトの厚みが5〜30mmの帯状に形成されており、フェルトの厚みが大き過ぎないことから適切な量の表面処理剤をフェルト全体に保持させることができるため、所定量の表面処理剤をストランドに塗布することができる。さらに、フェルトの厚みが小さ過ぎないことからフェルトの柔軟性が十分に保たれるため、フェルトとストランドの表面とを十分に密着させることができ、ストランドの表面に表面処理剤を均一に塗布することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る表面処理剤塗布方法の特徴構成は、
走行する複数のストランドに表面処理剤を塗布する表面処理剤塗布方法であって、
前記表面処理剤が浸み込んだ吸水性部材と少なくとも一部のストランドとを接触させ、前記吸水性部材と接触したストランドの表面の少なくとも一部に前記表面処理剤を塗布することにある。
本構成の表面処理剤塗布方法では、ストランド加工時においてストランドが走行及び停止を繰り返したとしても、表面処理剤を浸み込ませた吸水性部材にストランドを接触させるという工程を行うため、ストランドがローラ等に巻き込まれることがない。ここで、ストランドは複数束ねた状態で表面処理剤が塗布されるが、表面処理剤が過剰に塗布されないことが重要となる。吸水性部材は、表面処理剤をその内部に一定量保持することができるため、吸水性部材からストランドの表面に過剰な表面処理剤を塗布することはなく、所定量の表面処理剤をストランドの表面又は表面の少なくとも一部に均一に塗布することができる。表面処理剤が適量塗布されたストランド(ガラスロービング)は、FRP成形体等の加工に適したものとなる。さらに、上述した利点を有する表面処理剤塗布方法は、吸水性部材と少なくとも一部のストランドとを接触させるという簡単な工程で実現することができ、表面処理剤塗布方法を実施する際のコスト削減及び当該塗布方法を用いた製品の製造コスト削減を図ることができる。
したがって、本構成の表面処理剤塗布方法は、簡単な工程で、ストランドのローラ等への巻き込みによる作業効率の低下を防止することができ、ストランドに所定量の表面処理剤を均一に塗布することができる。
上記課題を解決するための本発明に係るガラスロービングの特徴構成は、
少なくとも一部の表面に前記表面処理剤を塗布した複数のストランドを合糸してなることにある。
本構成のガラスロービングによれば、当該ガラスロービングを構成する複数のストランドは、ストランドの表面の少なくとも一部に所定量の表面処理剤が均一に塗布されたものとなる。従って、過剰の表面処理剤が塗布されることがないので、ストランド本来の特性が生かされたガラスロービングを実現することができる。表面処理剤が適量塗布されたガラスロービングは、FRP成形体等の加工に適したものとなる。
上記課題を解決するための本発明に係るガラスロービングの特徴構成は、
少なくとも一部の表面に前記表面処理剤を塗布したストランドと、
前記表面処理剤を塗布していないストランドと、
を合糸してなることにある。
本構成のガラスロービングによれば、当該ガラスロービングを構成する複数のストランドは、少なくとも一部の表面に表面処理剤を塗布したストランドと、表面処理剤を塗布していないストランドとを合糸したものであるため、表面処理剤の塗布量(使用量)を適量に調整することができる。従って、過剰の表面処理剤が塗布されることがないので、ストランド本来の特性が生かされたガラスロービングを実現することができる。表面処理剤が適量塗布されたガラスロービングは、FRP成形体等の加工に適したものとなる。
本発明に係るガラスロービングにおいて、
前記表面処理剤を塗布したストランドを5〜50%含有することが好ましい。
本構成のガラスロービングによれば、表面処理剤を塗布したストランドを5〜50%含有することにより、ストランド本来の特性が生かされ、低コストで且つ高品質なFRP成形体等の加工に適したガラスロービングを実現することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置を備えたロービング製造装置の全体の概略構成図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置の概略斜視図である。 図3は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置の断面図であり、(a)は糸条走行方向に直交する方向視における断面図(図2のA−A位置)であり、(b)は糸条走行方向視における断面図(図2のB−B位置)である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置の吸水性部材の糸条に対する位置をずらした場合の断面図であり、(a)は糸条走行方向に直交する方向視における吸水性部材の位置をずらした図(図2のA−A位置)であり、(b)は糸条走行方向視における吸水性部材の位置をずらした図(図2のB−B位置)である。 図5は、本発明の第二実施形態に係る表面処理剤塗布装置を備えたロービング製造装置の全体の概略構成図である。 図6は、ロービング製造装置で製造した本発明のガラスロービングの断面図である。 図7は、別実施形態に係る表面処理剤塗布装置を示す概略図である。
図1〜図7に基づいて本発明に係る表面処理剤塗布装置及び表面処理剤塗布方法、並びにガラスロービングに関する実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。なお、本明細書中に記載される「ストランド」とは、ガラス繊維モノフィラメントを数十本から数千本集束して形成したガラス繊維束であり、本明細書中に記載される「糸条」とは、複数本のガラス繊維束を束ねて合糸したものであり、当該糸条はストランドに含まれるものとする。また、糸条をガラスロービングと同一視する場合がある。
本発明に係る表面処理剤塗布装置は、紡糸工程においてケーキを作製後、当該ケーキから巻き戻したガラス繊維束(以下、「ストランド」と称する。)に撚糸、切断、引揃え等の加工を行う前に表面処理剤を塗布して、ストランドの加工の際に発生する静電気を防ぐための装置である。ここで、以下に複数のケーキから引き出されたストランドが合糸された糸条からなるガラスロービングを製造する装置を例に挙げ、本発明に係る表面処理剤塗布装置について説明する。ガラスロービングに巻き取られた糸条は、顧客先等において切断等の加工処理がおこなわれる場合が多く、ガラスロービングの加工時に静電気が発生しないように表面処理剤を塗布する必要がある。
<ロービング製造装置>
図1は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置100を備えたロービング製造装置200の全体の概略構成図である。図1に示すように、ロービング製造装置200は、複数のストランドを合糸してなる糸条Gを巻き取ってガラスロービングを製造する装置であり、ケーキ支持装置10に支持された4つのケーキ11、12、13、及び14からストランド11a、12a、13a、及び14aを夫々引き出して赤外線センサー21、22、23、及び24によってストランドの糸切れの検査が行われた後、それらを合流部Xで束ねて合糸した糸条Gが作製される。ストランド11a、12a、13a、及び14aが合糸された糸条Gは、表面処理剤塗布装置100にて表面処理剤が塗布され、巻取装置30によって回転コレット31に巻き取るように構成されている。表面処理剤塗布装置100の詳細を以下に記す。
<表面処理剤塗布装置>
図2は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置100の概略斜視図である。図2では、補助タンク5は省略してある。図2に示されるように、表面処理剤塗布装置100は、表面処理剤Sを入れる容器1と、容器1に入れられた表面処理剤Sに浸される吸水性部材2と、吸水性部材2を支える円筒状又は棒状の支持部材3とを備えている。支持部材3は、その軸心が糸条Gの走行方向と直交するように容器1の内部の上部に配設されている。吸水性部材2は、糸条Gの走行方向に直交する方向視で逆U字状となるように支持部材3に被せられる。吸水性部材2は、支持部材3を中心に下方に垂れ下るように一対の脚部2aを有し、両脚部2aが容器1内の表面処理剤Sに浸漬される。これにより、表面処理剤Sは、吸水性部材2の両脚部2aから毛細管現象により吸い上げられ逆U字状の頂部2bに供給される。糸条Gは、吸水性部材2の頂部2bと接触し、吸水性部材2から浸み出した表面処理剤Sが糸条Gの表面に塗布される。また、例えば吸水性部材2の両脚部2aのうちの一方の脚部2aが液面から離れたり損傷したりする等して、吸水性部材2の一方の脚部2aに表面処理剤Sが供給されなくなったとしても、吸水性部材2の他方の脚部2aから表面処理剤Sを吸水性部材2の頂部2bに確実に供給することができる。なお、本発明でいう「塗布」とは、糸条Gを構成するストランドの表面を濡らすことであり、糸条Gの表面に表面処理剤Sが塗られることの他、糸条Gの表面に塗られた表面処理剤Sが糸条Gの表面部に浸み込むことや、糸条Gの表面に塗られた表面処理剤Sが糸条Gの中心部に浸み込むことなど、広義に含むものである。
図2に示されるように、第一実施形態では、糸条Gを吸水性部材2に押し付けるための一対の押し付け手段4が設けられている。一対の押し付け手段4は、容器1の糸条Gの走行方向の両端に対向するように取り付けられている。糸条Gは、一方の押し付け手段4の上方のリング状部分に通され、次いで吸水性部材2の頂部2bに形成された上向きに凸の湾曲面2Aに接触し、他方の押し付け手段4の上方のリング状部分に通されるように構成されている。一対の押し付け手段4は、吸水性部材2の頂部2bの上端部より下方となるように配置されている。これにより、糸条Gに張力が作用すると、その張力により糸条Gが吸水性部材2の頂部2bに押し付けられ、糸条Gが吸水性部材2と確実に接触することになる。また、押し付け手段4はストランドを吸水性部材2にガイドするためのガイド手段としても機能している。これにより、ストランドの走行方向がずれて、ストランドが吸水部材2と接触しなくなることを防ぐことができる。
図3は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置100の断面図であり、(a)は糸条走行方向に直交する方向視における断面図(図2のA−A位置)であり、(b)は糸条走行方向視における断面図(図2のB−B位置)である。表面処理剤塗布装置100は、図3に示されるように、容器1内に表面処理剤Sを補給するとともに容器1内の表面処理剤Sを一定量に維持するための補助タンク5が設けられている。これにより、容器1内の表面処理剤Sの液面を一定にすることができるため、表面処理剤Sに浸漬している吸水性部材2の両脚部2aの長さ及び表面積を一定にすることができ、糸条Gと接触する吸水性部材2の頂部2bに供給される表面処理剤Sの量を一定にすることができる。吸水性部材2を支える支持部材3は、糸条Gの走行方向に直交するように軸心3aが設けられている。例えば物干し竿に布団を掛けるように帯状の吸水性部材2が支持部材3に上方から被せられて、糸条Gの走行方向に直交する方向視で吸水性部材2が逆U字状となる。支持部材3を中心に容器1内に垂れ下った吸水性部材2の両脚部2aは、容器1の表面処理剤Sの液面に浸されている。糸条Gは、吸水性部材2の上方箇所を走行し、吸水性部材2の頂部2bと接触している。糸条Gは、押し付け手段4により吸水性部材2の頂部2bに押し付けられているため、吸水性部材2の湾曲面2Aと密着した状態となっている。
吸水性部材2と糸条Gとの接触面の形状は、支持部材3の形状及び太さを変えることなどにより、適宜選択可能である。例えば、支持部材3を三角柱の形状にすることにより、水平方向視で吸水性部材2を逆V字状に形成して、接触面を上向きに凸の屈曲面に形成することができる。吸水性部材2の逆V字状の頂部2bと糸条Gとを接触させることにより、吸水性部材2と糸条Gとの接触面を更に小さくすることができる。吸水性部材2と糸条Gとの接触面は、吸水性部材2の形状が糸条G側に凸となる形状であれば、何れの形状でもよく、糸条Gの形状や太さにより適宜選択可能であるが、好ましくは湾曲面及び屈曲面である。
図4は、本発明の第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置100の吸水性部材2の糸条Gに対する位置をずらした場合の断面図であり、(a)は糸条走行方向に直交する方向視における吸水性部材2の位置をずらした図(図2のA−A位置)であり、(b)は糸条走行方向視における吸水性部材2の位置をずらした図(図2のB−B位置)である。糸条Gは、吸水性部材2と接触しながら走行する。このため、吸水性部材2と糸条Gとの間に摩擦が生じ、吸水性部材2の糸条Gとの接触面に摩耗が発生する。この摩耗が生じた場合、吸水性部材2から糸条Gに所定量の表面処理剤Sを確実に塗布することが難しくなる。この場合、吸水性部材2の摩耗部分を糸条Gとの接触面から移動させるために、図4(a)に示されるように、支持部材3の軸心3aに被せられた吸水性部材2を、軸心3aを中心に回転させたり、図4(b)に示されるように、支持部材3に被せた吸水性部材2を、糸条Gの走行方向と直交する方向に支持部材3に沿って平行移動させて、吸水性部材2の摩耗部分を糸条Gと接触しないようにすることができる。この際、吸水性部材2の両脚部2aが表面処理剤Sに浸されるよう構成する。すなわち、吸水性部材2は、支持部材3の周方向及び支持部材3の軸心3a方向に位置変更自在に構成されている。これにより、吸水性部材2に摩耗部分が生じた場合であっても、吸水性部材2を位置変更することで、吸水性部材2を交換せずに長期に亘って使用することが可能となる。なお、吸水性部材2を、支持部材3の周方向のみに位置変更自在に構成してもよく、支持部材3の軸心3a方向のみに位置変更自在に構成してもよい。
使用する吸水性部材2としては、表面処理剤Sを吸収し、一定量保持できるものであれば、何れの部材を用いてもよいが、好ましくはフェルトである。フェルトは、柔軟性を有するため、走行する糸条Gとの接触面において糸条Gと密着するように接触することができる。これにより、フェルトは、太さの異なる糸条Gであっても、糸条Gの表面に均一に表面処理剤Sを塗布することができる。
使用するフェルトとしては、プレスフェルト、ニードルフェルト、成型フェルト、織フェルトの何れであってもよいが、好ましくは、織フェルトである。織フェルトは、比較的空隙が多いため、表面処理剤Sの吸収性がよく、特に一重織り、又は二重織りの織フェルトが好適に用いられる。フェルトの厚みは、5〜30mmに形成されることが好ましく、さらに好ましくは10〜15mmである。フェルトの厚みが5mmより薄いと、フェルトの柔軟性に乏しくなるとともに、糸条Gとの接触面における摩耗により早期に破損する虞がある。フェルトの厚みが30mmより厚いと、フェルトの含水量が増え、糸条Gの太さによっては、過剰な表面処理剤Sを糸条Gの表面に塗布することがあり、さらにコストアップにもつながる。
表面処理剤Sは、静電気を防止するための帯電防止剤を含み、必要に応じて集束剤、結束剤、カップリング剤、潤滑剤、乳化剤、乳化安定剤、pH調整剤、消泡剤、着色剤、酸化防止剤、防黴剤、あるいは安定剤等を任意に組み合わせて使用することができる。ストランドに対する帯電防止剤の付着量は、0.1〜1.0重量%となるのが好ましい。帯電防止剤の付着量が0.1重量%より少なくなると、帯電防止効果が少なくなり、ストランド加工時に静電気が発生する場合がある。また、表面処理剤Sの付着量が1.0重量%より多くなっても、ストランド加工時の帯電防止効果に変わりはなく、さらにコストアップにもつながる。帯電防止剤の種類には、静電気の発生を十分防止できる帯電防止剤であれば何れの帯電防止剤を用いてもよく、特に帯電防止剤の種類に限定されないが、好ましくは、4級アンモニウム塩であり、さらに好ましくはジエチルサルフェート系の4級アンモニウム塩である。
第一実施形態では、4つのケーキ11、12、13、及び14の全てのストランド11a、12a、13a、及び14aに本発明の表面処理剤塗布装置100を用いて表面処理剤Sの塗布を行った例を示したが、一部のケーキのストランドを表面処理剤塗布装置100の下流側で合糸し、残りのストランドについて表面処理剤Sを塗布するようにしてもよい。この場合、塗布対象となる残りのストランドに表面処理剤Sが均一に塗布されていれば、一部のケーキのストランドに表面処理剤Sが塗布されていなくとも、ガラスロービングの加工時の静電気の発生を防止することができる。ガラスロービングを構成する複数のストランドのうち、一部のストランドに表面処理剤Sを塗布する表面処理剤塗布装置100の構成例を、第二実施形態として以下に説明する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る表面処理剤塗布装置100を備えたロービング製造装置200の全体の概略構成図である。図5に示すように、ロービング製造装置200は、複数のストランドを合糸してなる糸条G´を巻き取ってガラスロービングを製造する装置である。ケーキ支持装置10に支持された4つのケーキ11、12、13、及び14のうち、3つのケーキ12、13、及び14からストランド12a、13a、及び14aを夫々引き出して赤外線センサー22、23、及び24によってストランドの糸切れの検査が行われた後、それらを表面処理剤塗布装置100の下流側の合流部X´で束ねて合糸される。ストランド12a、13a、及び14aには、表面処理剤Sは塗布されていない。一方、ケーキ11から引き出されたストランド11aは、赤外線センサー21によってストランドの糸切れの検査が行われた後、表面処理剤塗布装置100に通されて表面処理剤Sが塗布され、合流部X´でストランド12a、13a、及び14aと合糸される。ストランド11a、12a、13a、及び14aを合糸してなる糸条G´は、巻取装置30によって回転コレット31に巻き取られる。
第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置100を備えたロービング製造装置200、及び第二実施形態に係る表面処理剤塗布装置100を備えたロービング製造装置200を使用してガラスロービングを製造すると、当該ガラスロービング(糸条)に対する表面処理剤Sの塗布量(使用量)を適量に調整することができる。図6は、ロービング製造装置200で製造した本発明のガラスロービング(糸条)の断面図である。図6(a)〜(d)は、第一実施形態に係る表面処理剤塗布装置100を備えたロービング製造装置200によって製造したガラスロービング(糸条G)の断面図である。図6(e)〜(h)は、第二実施形態に係る表面処理剤塗布装置100を備えたロービング製造装置200によって製造したガラスロービング(糸条G´)の断面図である。これらの図において、ガラスロービングG又はG´を構成するストランド11a〜14aのうち、ハッチングを付した部分は、表面処理剤Sを表している。従って、全体にハッチングが付されているストランドは、ストランドの表面全体に表面処理剤Sが塗布されたものであり、一部にハッチングが付されているストランドは、ストランドの表面の一部に表面処理剤Sが塗布されたものである。
第一実施形態では、ケーキ支持装置10に支持する4つのケーキ11〜14から引き出したストランド11a〜14aのすべてを表面処理剤塗布装置100に通しているため、すべてのストランド11a〜14aの表面に表面処理剤Sを塗布することが可能である。ガラスロービングGと吸水性部材2との接触圧を十分に大きくすると、ガラスロービングGを構成するすべてのストランド11a〜14aの表面全体に表面処理剤Sが行き渡り、その結果、図6(a)のように、ガラスロービングGの表面全体に表面処置剤Sが塗布される。第一実施形態においては、ガラスロービングGと吸水性部材2との接触圧を調整することで、ストランドの表面への表面処理剤Sの塗布量を調整することができる。ガラスロービングGと吸水性部材2との接触圧は、図2に示した一対の押し付け手段4において、リング状部分の位置を変更することにより調整可能である。例えば、押し付け手段4のリング状部分を上方に突出させると、ガラスロービングGに作用する張力が弱まるため、ガラスロービングGと吸水性部材2との接触圧が小さくなる。図6(b)〜(d)は、その記載順に、ガラスロービングGと吸水性部材2との接触圧を徐々に小さくしたものであり、その結果、ストランド表面への表面処理剤Sの塗布量が低減されたものとなっている。ガラスロービングGを構成するストランド11a〜14aのうち、一部のストランドの表面への表面処理剤Sの塗布量が低減されても、ガラスロービングG全体として適量の表面処理剤Sが塗布されていれば、表面処理剤Sの効果を得ることは十分に可能である。
第二実施形態では、ケーキ支持装置10に支持する4つのケーキ11〜14のうち、ケーキ11から引き出したストランド11aのみを表面処理剤塗布装置100に通しているため、ストランド11aの表面に表面処理剤Sを塗布することが可能である。ストランド11aと吸水性部材2との接触圧を十分に大きくすると、ストランド11aの表面全体に表面処理剤Sが塗布され、その結果、図6(e)のように、表面処理剤Sが塗布されたストランド11aと、表面処理剤Sが塗布されていないストランド12a〜14aとが合糸されたガラスロービングG´が得られる。第二実施形態においても、ストランド11aと吸水性部材2との接触圧を調整することで、ストランド11aの表面への表面処理剤Sの塗布量を調整することができる。図6(f)は、ストランド11aと吸水性部材2との接触圧を小さくしたものであり、その結果、ストランド11aの表面への表面処理剤Sの塗布量が低減されたものとなっている。ストランドの表面への表面処理剤Sの塗布量が低減されても、ガラスロービングG´全体として適量の表面処理剤Sが塗布されていれば、表面処理剤Sの効果を得ることは十分に可能である。
また、第二実施形態では、ガラスロービングG´中の表面処置剤Sが塗布されたストランド11aの位置を任意に設定することが可能となる。例えば、図6(g)及び(h)に示すガラスロービングG´は、図6(e)及び(f)に示すガラスロービングG´と表面処理剤Sの塗布量は夫々略同等であるが、図6(g)及び(h)では、表面処置剤Sが塗布されたストランド11aがガラスロービングG´の上部に配置されたものとなる。このようなガラスロービングG´は、図5に示したロービング製造装置200の合流部X´において、表面処理剤塗布装置100を通して表面処理剤Sが塗布されたストランド11aと、表面処理剤Sが塗布されていないストランド12a〜14aとを合糸するとき、表面処理剤Sが塗布されたストランド11aがガラスロービングG´の上部に位置し、表面処理剤Sが塗布されていないストランド12a〜14aがガラスロービングG´の側部及び下部に位置するように、各ストランド11a〜14aの進行経路を設定することによって達成される。ガラスロービングG´中における各ストランド11a〜14aの位置を最適化することで、表面処理剤Sが良好な状態で適量に塗布されたガラスロービングG´を得ることが可能となる。
ガラスロービングG又はG´は、使用目的や用途によって使い分けることができる。例えば、FRP成形体等の原料としてガラスロービングを使用する場合、表面処理剤Sを塗布したストランドを5〜50%含有するガラスロービングが好適に使用される。この場合、ガラスロービングは、表面処理剤Sの効果を得ながら、ガラスロービングを構成するストランド本来の特性が生かされるため、FRP成形体等の加工品の性能に影響することなく、安定した製品を製造することができる。また、一部のストランドのみに表面処理剤Sを塗布することで、ガラスロービングの製造時における表面処理剤Sの使用量を低減できるため、最終製品のコスト低減にも寄与し得るものとなる。
ガラスロービングG´中の表面処理剤Sを塗布したストランドの割合は、表面処理剤塗布装置100を通すストランドと、表面処理剤塗布装置100を通さないストランドとの比率を変更することによって調整可能である。例えば、上記第二実施形態で説明したロービング製造装置200では、ケーキ支持装置10に支持する4つのケーキのうち、1つのケーキから引き出したストランドを表面処理剤塗布装置100に通し、他の3つのケーキから引き出したストランドについては表面処理剤塗布装置100を通さないように、ストランドの進行経路を設定しているが、この場合、ガラスロービング中の表面処理剤Sを塗布したストランドの割合は計算上25%となる。ケーキ支持装置10に支持するケーキの数は変更可能である。例えば、ケーキ支持装置10に20個のケーキを配置し、そのうち1つのケーキから引き出されるストランドを表面処理剤塗布装置100に通し、他の19個のケーキから引き出されるストランドについては表面処理剤塗布装置100を通さないように、ストランドの進行経路を設定すると、ガラスロービング中の表面処理剤Sを塗布したストランドの割合は計算上5%となる。
上記の第一実施形態及び第二実施形態では、ストランド作製後でストランド加工前に本発明の表面処理剤塗布装置100を用いて表面処理剤Sの塗布を行った例を示したが、上述した紡糸工程において直径数μm〜数十μmのガラス繊維モノフィラメントに集束剤として水系の表面処理剤Sを塗布して数十本から数千本のガラス繊維束(ストランド)として集束したものをケーキとして加工する際に本発明に係る表面処理剤塗布装置100を用いてもよい。
<別実施形態>
(1)上記実施形態では、吸水性部材2を支持部材3に被せて支持させ、その両脚部2aを表面処理剤Sに浸すよう構成しているが、吸水性部材2の形状や構造並びに吸水性部材2を容器1側に支持させる構造として異なる構造を採用してもよい。具体的には、例えば、図7(a)に示すように、水平方向視でI字状の吸水性部材2を支持部材3に被せず一対の支持部材3で挟みこんで容器1に固定するように構成し、吸水性部材2の下部を表面処理剤Sに浸し、吸水性部材2の上部の湾曲面2Aを糸条Gと接触させるように構成してもよい。この場合、吸水性部材2を一対の支持部材3に対して上下方向に位置変更可能に構成することで、糸条Gへの表面処理剤Sの塗布量を変更することが可能となる。
(2)上記実施形態では、糸条Gに対して下側に吸水性部材2や容器1等を配置しているが、糸条Gに対して異なる位置に吸水性部材2や容器1等を配置してもよい。具体的には、例えば、図7(b)に示すように、表面処理剤Sを入れた容器1を糸条Gの上方に配置し、吸水性部材2の上部の両脚部2aに容器1の下部から表面処理剤Sを供給するように構成し、吸水性部材2の下部に形成される下向きに凸の湾曲面2Aに糸条Gを接触させるように構成してもよい。尚、図示しないが、糸条走行方向視で糸条Gの左又は右に吸水性部材2を配置してもよく、この場合、糸条Gの左又は右から吸水性部材2の湾曲面2Aを接触させればよい。
(3)上記実施形態では、糸条走行方向に直交する方向視において吸水性部材2が逆U字状となるように形成されているが、図7(c)に示すように、糸条走行方向視において吸水性部材2が逆U字状となるように形成し、糸条Gが吸水性部材2の頂部2bに沿って接触するように構成してもよい。この場合、帯状の吸水性部材2が糸条走行方向視で逆U字状となるように支持部材3に被せられる。なお、図7(d)は図7(c)の側面図であり、図7(d)に示すように、吸水性部材2の上部に糸条走行方向に湾曲する湾曲面2A´を形成してもよい。このように、糸条走行方向視において吸水性部材2が逆U字状となるように形成した場合であっても、上記実施形態と同様に、表面処理剤Sを吸水性部材2の頂部2bに確実に供給することができる。
(4)上記実施形態では、糸条Gを吸水性部材2に押し付けるように押し付け手段4を構成した例を示したが、これとは逆に吸水性部材2を糸条Gに押し付けるように押し付け手段4を構成してもよい。具体的には、例えばバネ等の弾性部材やアクチュエータ等を介して支持部材3を容器1に支持し、弾性部材の弾性力やアクチュエータの作動力によって支持部材3に被せられた吸水性部材2を糸条Gに押し付けるように押し付け手段4を構成してもよい。
本発明に係る表面処理剤塗布装置及び表面処理剤塗布方法は、プリント配線板、ガラス繊維強化プラスチック(FRP、FRTP)等の工業製品の原材料として使用されるガラス繊維をガラスロービング等の形態に加工する製造工程において、利用可能である。また、本発明に係るガラスロービングは、上記工業製品の原材料として利用可能である。
1 容器
2 吸水性部材
2a 脚部
2b 頂部
4 押し付け手段
100 表面処理剤塗布装置
G 糸条(ガラスロービング)
G´ 糸条(ガラスロービング)
S 表面処理剤

Claims (9)

  1. 走行する複数のストランドに表面処理剤を塗布する表面処理剤塗布装置であって、
    前記表面処理剤が浸み込んだ吸水性部材と少なくとも一部のストランドとを接触させ、前記吸水性部材と接触したストランドの表面の少なくとも一部に前記表面処理剤を塗布するものであり、
    水平方向視で前記吸水性部材が逆U字状又は逆V字状に形成され、前記吸水性部材の頂部と前記ストランドとを接触させ、前記吸水性部材の両脚部に前記表面処理剤を浸み込ませる表面処理剤塗布装置。
  2. 前記ストランドの走行方向に直交する方向視で前記吸水性部材における前記ストランドとの接触面が、前記ストランド側に凸となる湾曲面又は屈曲面に形成されている請求項1に記載の表面処理剤塗布装置。
  3. 前記吸水性部材及び前記ストランドの一方を前記吸水性部材及び前記ストランドの他方に押し付ける押し付け手段を備えてある請求項1又は2に記載の表面処理剤塗布装置。
  4. 前記表面処理剤を入れた容器の液面から所定距離離れた上方箇所を走行する前記ストランドに対して、前記容器の液面に下部を浸した前記吸水性部材の上部を前記ストランドに接触させる請求項1〜3の何れか一項に記載の表面処理剤塗布装置。
  5. 前記吸水性部材はフェルトである請求項1〜4の何れか一項に記載の表面処理剤塗布装置。
  6. 前記フェルトが、厚みが5〜30mmの帯状に形成されている請求項5に記載の表面処理剤塗布装置。
  7. 複数のケーキから引き出された複数のストランドを合糸してなるガラスロービングの製造方法であって、
    前記複数のケーキから引き出された前記複数のストランドのうちの一部のストランドと、表面処理剤が浸み込んだ吸水性部材とを接触させ、前記吸水性部材と接触したストランドの表面の少なくとも一部に前記表面処理剤を塗布する工程と、
    前記複数のストランドを合糸する工程と、
    を包含し、
    前記表面処理剤が塗布されていない残りのストランドは、前記ケーキから引き出され以降、表面処理剤が塗布されていない状態で合糸されるガラスロービングの製造方法。
  8. 前記表面処理剤は帯電防止剤を含む請求項7に記載のガラスロービングの製造方法。
  9. 前記表面処理剤を塗布したストランドを5〜50%含有する請求項7又は8に記載のガラスロービングの製造方法
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