JP7001998B2 - 部分分繊繊維束の製造方法と部分分繊繊維束、および部分分繊繊維束を用いた繊維強化樹脂成形材料とその製造方法 - Google Patents

部分分繊繊維束の製造方法と部分分繊繊維束、および部分分繊繊維束を用いた繊維強化樹脂成形材料とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部分分繊繊維束の製造方法、およびそれによって得られる部分分繊繊維束に関し、さらに詳しくは、分繊することを想定していない、単糸数の多い安価なラージトウからなる繊維束に、複合材料成形に用いられる成形材料作製のために最適な形態の部分分繊繊維束に形成可能な特定の部分分繊処理を施すに際し、適切なタイミングでサイジング剤付与(元の繊維束にサイジング剤が付与されている場合には追加のサイジング剤付与となる。)を行うようにした部分分繊繊維束の製造方法とそれによって得られる部分分繊繊維束、並びに該部分分繊繊維束をマット化し樹脂を含浸させた繊維強化樹脂成形材料と、それを作製するまでの一連の工程を備えた製造方法に関する。
不連続の強化繊維(例えば、炭素繊維)の束状集合体(以下、繊維束ということもある。)とマトリックス樹脂からなる成形材料を用いて、加熱、加圧成形により、所望形状の成形品を製造する技術は広く知られている。このような成形材料において、単糸数が多い繊維束からなる成形材料では成形の際の流動性には優れるが、成形品の力学特性は劣る傾向がある。これに対し、成形時の流動性と成形品の力学特性の両立を狙い、成形材料内の繊維束として、任意の単糸数に調整した繊維束が使用されている。
繊維束の単糸数を調整する方法として、例えば特許文献1、2には、複数の繊維束を事前に巻き取った複数繊維束巻取体を用いて、分繊処理を行う方法が開示されている。しかし、これらの方法は、事前処理の繊維束の単糸数の制約を受けるため、調整範囲が限定され、所望の単糸数へ調整しづらいものであった。
また、例えば特許文献3~5には、円盤状の回転刃を用いて繊維束を所望の単糸数に縦スリットする方法が開示されている。これらの方法は、回転刃のピッチを変更することで単糸数の調整が可能ではあるものの、長手方向全長に渡って縦スリットされた繊維束は収束性がないため、縦スリット後の糸をボビンに巻き取ったり、巻き取ったボビンから繊維束を巻き出すことといった取扱いが困難になりやすい。また、縦スリット後の繊維束を搬送する際には、縦スリットによって発生した枝毛状の繊維束が、ガイドロールや送りロールなどに巻きつき、搬送が容易でなくなるおそれがある。
また、特許文献6には、繊維方向に平行な縦スリット機能のある縦刃に加え、繊維方向に垂直な横刃を有した分繊カッターによって、縦スリットと同時に繊維を所定長に切断する方法が開示されている。この方法であれば、縦スリット後の繊維束を一旦ボビンに巻き取って搬送することが不要となり、取り扱い性は改善される。しかし、分繊カッターは、縦刃と横刃を備えるため、一方の刃が先に切断寿命に達すると、刃全体を交換せざるを得なくなる弊害が生じるものであった。
また、例えば特許文献7、8には、外周面に複数の突起を有するロールを備え、ロールの突起を繊維束に押し込んで部分的に分繊させるようにした手法が記載されている。しかしこの手法では、基本的にロールの周速と繊維束の搬送速度が同期した同じ速度であるため、分繊処理区間と未分繊処理区間の長さ等の制御ができず、最適な形態の部分分繊繊維束を得ることは困難である。
さらに、特許文献9には、繊維束と直交する方向に延びるモノフィラメントにより、繊維束中に、樹脂含浸容易化のための断続的に伸びる流路を形成する特殊な手法が記載されている。しかしこの手法は、繊維束中に樹脂含浸容易化のための流路を形成する技術に関するものであり、ラージトウ等の繊維束の分繊とは基本的に異なる技術である。
特開2002-255448号公報 特開2004-100132号公報 特開2013-49208号公報 特開2014-30913号公報 特許第5512908号公報 国際公開2012/105080号公報 特開2011―241494号公報 米国特許公開2012/0213997A1号公報 欧州特許公開2687356A1号公報
上述の如く、成形時の流動性と成形品の力学特性を両立させるためには、任意の最適な単糸数に調整された繊維束が必要である。また、ラージトウからなる繊維束をたとえ最適な単糸数の細束の繊維束に分繊できたとしても、何らかの原因で分繊された繊維束が再凝集することがあり、再凝集すると、最適な単糸数に調整された繊維束の形態を保持することが困難になる。最適な単糸数に調整された繊維束の形態に保持できないと、該分繊繊維束を切断/散布し、樹脂を含浸することによって得られる繊維強化樹脂成形材料とする際に、最適な形態の成形材料にすることが困難となり、成形の際の流動性と成形品の力学特性をバランスよく発現させることが困難となる。
さらに、上記のように、繊維束の分繊が適切に行われていないと、該分繊繊維束を切断/散布し、樹脂を含浸することによって得られる繊維強化樹脂成形材料とする際に、切断のために該分繊繊維束をボビン等から巻き出す際に安定した巻き出しが困難になったり、搬送ローラーや切断刃への巻き付きが生じたりする等の不具合が発生するおそれがある。
そこで、本発明の課題は、複合材料成形に用いられる成形材料作製のために最適な単糸数の繊維束を形成可能な特定の部分分繊処理を施すとともに、作製される部分分繊繊維束に不適切な再凝集等が発生することを防止し得る、さらに部分分繊繊維束を切断等の処理に供する場合にも優れた工程安定性が得られ、生産性の向上が可能な部分分繊繊維束の製造方法を提供することにある。
また、本発明のもう一つの課題は、上記製造方法によって得られる部分分繊繊維束をマット化し樹脂を含浸させた繊維強化樹脂成形材料と、それを作製するまでの一連の工程を備えた繊維強化樹脂成形材料の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)複数の単糸からなる繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れる、複数の束に分割された分繊処理区間と未分繊処理区間とを交互に形成する部分分繊処理工程を有する部分分繊繊維束の製造方法であって、部分分繊繊維束の製造工程中におけるいずれかのタイミングで、サイジング剤を付与することを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。なお、元の繊維束にサイジング剤が付与されている場合には追加のサイジング剤付与となる。以下の方法においても、同様である。
(2)複数の単糸からなる繊維束に複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ、前記分繊手段を前記繊維束の長手方向に沿って走行させながら分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過する位置まで前記分繊手段を走行させた後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れる、複数の束に分割された分繊処理区間と未分繊処理区間とを交互に形成する部分分繊処理工程を有する部分分繊繊維束の製造方法であって、部分分繊繊維束の製造工程中におけるいずれかのタイミングで、サイジング剤を付与することを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
(3)前記繊維束の幅を拡幅してから該繊維束を前記部分分繊処理工程へと供給することを特徴とする、(1)または(2)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(4)前記幅を拡幅した繊維束にサイジング剤を付与してから、該繊維束を前記部分分繊処理工程へと供給することを特徴とする、(3)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(5)前記サイジング剤の付与処理が少なくとも下記工程[1]、[2]を有し、それぞれの工程を個別に任意のタイミングで行うことを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
[1]サイジング剤の塗布工程
[2]乾燥工程
(6)前記工程[1]を経て乾燥前の繊維束の幅を拡幅し、拡幅された繊維束を前記工程[2]に供し、サイジング剤の付与処理および拡幅処理済みの繊維束を、前記部分分繊処理工程へと供給することを特徴とする、(5)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載の製造方法によって得られる部分分繊繊維束。
(8)(7)に記載の部分分繊繊維束を切断・散布して得られる強化繊維マットと、マトリックス樹脂を含む繊維強化樹脂成形材料。
(9)前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする、(8)に記載の繊維強化樹脂成形材料。
(10)前記繊維強化樹脂成形材料がシートモールディングコンパウンドであることを特徴とする、(8)または(9)に記載の繊維強化樹脂成形材料。
(11)(8)~(10)のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形材料の製造方法であって、少なくとも下記工程[A]~[C]を有することを特徴とする、繊維強化樹脂成形材料の製造方法。
[A]複数の単糸からなる強化繊維束の長手方向に沿って、複数の束に分繊された分繊処理部と未分繊処理部とを交互に形成してなる部分分繊繊維束を得る工程であって、前記部分分繊繊維束の製造工程におけるいずれかのタイミングでサイジング剤を付与する部分分繊工程。
[B]前記部分分繊繊維束を切断して散布し、強化繊維マットを得るマット化工程。
[C]前記強化繊維マットにマトリックス樹脂を含浸させる樹脂含浸工程。
(12)少なくとも前記工程[A]~[C]を1つのプロセス内で連続的に行うことを特徴とする、(11)に記載の繊維強化樹脂成形材料の製造方法。
(13)前記工程[B]においては、部分分繊繊維束をその長手方向に対して、角度θ(0<θ<90°)で切断することを特徴とする、(11)または(12)に記載の繊維強化樹脂成形材料の製造方法。
本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法によれば、繊維束を走行させながら分繊する、あるいは分繊手段を走行させながら分繊する、特定の最適な部分分繊処理を施す、特定の部分分繊繊維束の製造において、部分分繊繊維束の製造工程中におけるいずれかのタイミングで、サイジング剤を付与するようにしたので、最適な部分分繊処理が施された部分分繊繊維束に再凝集が起こらないようにすることができ、最適な部分分繊処理状態を保持することが可能になる。その結果、最適な部分分繊処理状態に保持された部分分繊繊維束を切断/散布し、樹脂を含浸することによって得られる繊維強化樹脂成形材料とした際に、細束の繊維束と太束の繊維束を最適な比率の範囲内で混在させることが可能になり、それによって成形の際の流動性と成形品の力学特性をバランスよく発現させることができる。
また、上記部分分繊繊維束を例えばカッターで切断する際に、ボビンからの巻き出し性の向上、ニップローラー、カッター刃への巻きつき低減といった効果が得られ、生産性の向上をはかることができる。さらに、切断された繊維束が割れたり単糸分散することを抑制でき、所定の束形態への保持性が向上する。これによって、切断された繊維束が散布されたマット内で繊維束が面配向するため、さらに力学特性の向上をはかることができる。
なお、本発明において採用する特定の最適な部分分繊処理によれば、繊維束を連続して安定的にスリット可能で、最適な形態の部分分繊繊維束を容易に効率よく製造することができる。特に、撚りが含まれる繊維束や、ラージトウの単糸数の多い繊維束であっても、回転刃の交換寿命を気にすることなく、連続したスリット処理を可能とする、部分分繊繊維束の製造方法を提供することができる。さらに、安価なラージトウの連続スリット処理が可能となり、成形品の材料コスト、製造コストの低減をはかることも可能になる。
また、本発明に係る繊維強化樹脂成形材料によれば、上記のような成形の際の流動性と成形品の力学特性をバランスよく発現し得る部分分繊繊維束を切断・散布して得られる強化繊維マットと、マトリックス樹脂を含むので、成形の際にも細束の繊維束と太束の繊維束を最適な範囲内の比率や最適な分布状態で混在させることができ、確実に、成形の際の流動性と成形品の力学特性をバランスよく発現させることができる。
また、本発明に係る繊維強化樹脂成形材料の製造方法によれば、一連の工程[A]~[C]を一つのプロセスで連続的に行うことが可能になり、効率よく円滑にしかも優れた生産性をもって所望の繊維強化樹脂成形材料を製造できるようになる。
本発明における部分分繊処理を繊維束に施した部分分繊繊維束の一例を示す概略平面図である。 走行する繊維束に分繊手段を突き入れる一例を示す(A)概略平面図と(B)概略側面図である。 繊維束に移動する分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す(A)概略平面図と(B)概略側面図である。 繊維束に移動する分繊手段を突き入れる移動サイクルの他の例を示す概要説明図である。 回転分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す説明図である。 本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法におけるサイジング剤付与工程のタイミング例を示す工程図である。 本発明に係る繊維束拡幅工程を含む部分分繊繊維束の製造方法におけるサイジング剤付与工程のタイミング例を示す工程図である。 本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程のタイミング例を示す工程図である。 本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程の別のタイミング例を示す工程図である。 本発明に係る繊維束拡幅工程を含む部分分繊繊維束の製造方法における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程のタイミング例を示す工程図である。 本発明に係る繊維束拡幅工程を含む部分分繊繊維束の製造方法における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程の別のタイミング例を示す工程図である。 本発明の一実施態様に係る繊維強化樹脂成形材料の製造方法を示す概略構成図である。 本発明における部分分繊繊維束をその長手方向に対して斜めに切断する場合の一例を示す概略斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は当該図面の態様に何ら限定されるものではない。
まず、本発明における部分分繊繊維束の製造方法について説明する。図1は、本発明における繊維束に分繊処理を施した部分分繊繊維束の一例を示しており、図2は、その分繊処理の一例を示している。本発明における部分分繊繊維束の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、走行する繊維束に分繊手段を突き入れた一例を示す(A)概略平面図、(B)概略側面図である。図中の繊維束走行方向A(矢印)が繊維束100の長手方向であり、図示されない繊維束供給装置から連続的に繊維束100が供給されていることを表す。
分繊手段200は、繊維束100に突き入れ易い突出形状を有する突出部210を具備しており、走行する繊維束100に突き入れ、繊維束100の長手方向に略平行な分繊処理部150を生成する。ここで、分繊手段200は、繊維束100の側面に沿う方向に突き入れることが好ましい。繊維束の側面とは、繊維束の断面が、横長の楕円もしくは横長の長方形のような扁平形状であるとした場合の断面端部における垂直方向の面(例えば、図2に示す繊維束100の側表面に相当する)である。また、具備する突出部210は、1つの分繊手段200につき1つでもよく、また複数であってもよい。1つの分繊手段200で突出部210が複数ある場合、突出部210の磨耗頻度が減ることから、交換頻度を減らすことも可能となる。さらに、分繊する繊維束数に応じて、複数の分繊手段200を同時に用いることも可能である。複数の分繊手段200を、並列、互い違い、位相をずらす等して、複数の突出部210を任意に配置することができる。
複数の単糸からなる繊維束100を、分繊手段200により本数のより少ない分繊束に分けていく場合、複数の単糸は、実質的に繊維束100内で、引き揃った状態ではなく、単糸レベルでは交絡している部分が多いため、分繊処理中に接触部211付近に単糸が交絡する絡合部160を形成する場合がある。
ここで、絡合部160を形成するとは、例えば、分繊処理区間内に予め存在していた単糸同士の交絡を分繊手段200により接触部211に形成(移動)させる場合や、分繊手段200によって新たに単糸が交絡した集合体を形成(製造)させる場合等が挙げられる。
任意の範囲に分繊処理部150を生成した後、分繊手段200を繊維束100から抜き取る。この抜き取りによって分繊処理が施された分繊処理区間110が生成し、それと同時に上記のように生成された絡合部160が分繊処理区間110の端部部位に蓄積され、絡合部160が蓄積した絡合蓄積部120が生成する。また、分繊処理中に繊維束から発生した毛羽は毛羽溜まり140として分繊処理時に絡合蓄積部120付近に生成する。
その後再度分繊手段200を繊維束100に突き入れることで、未分繊処理区間130が生成し、繊維束100の長手方向に沿って、分繊処理区間110と未分繊処理区間130とが交互に配置されてなる部分分繊繊維束180が形成される。本発明における部分分繊繊維束180では、未分繊処理区間130の含有率が3%以上50%以下であることが好ましい。ここで、未分繊処理区間130の含有率とは、繊維束100の単位長さにおける未分繊処理区間130の合計生成長の割合として定義する。未分繊処理区間130の含有率が3%未満だと、部分分繊繊維束180を切断/散布し、不連続繊維の繊維束の中間基材として成形に用いる際の流動性が乏しくなり、50%を超えるとそれを用いて成形した成形品の力学特性が低下する。
また、個々の区間の長さとしては、上記分繊処理区間110の長さが、30mm以上1500mm以下であることが好ましく、上記未分繊処理区間130の長さが、1mm以上150mm以下であることが好ましい。
繊維束100の走行速度は変動の少ない安定した速度が好ましく、一定の速度がより好ましい。
分繊手段200は、本発明の目的が達成できる範囲であれば特に制限がなく、金属製の針や薄いプレート等の鋭利な形状のような形状を備えたものが好ましい。分繊手段200は、分繊処理を行う繊維束100の幅方向に対して、複数の分繊手段200を設けることが好ましく、分繊手段200の数は、分繊処理を行う繊維束100の構成単糸本数F(本)によって任意に選択できる。分繊手段200の数は、繊維束100の幅方向に対して、(F/10000-1)個以上(F/50-1)個未満とすることが好ましい。(F/10000-1)個未満であると、後工程で強化繊維複合材料にした際に力学特性の向上が発現しにくく、(F/50-1)個以上であると分繊処理時に糸切れや毛羽立ちのおそれがある。
本発明において使用する繊維束100は、複数の単糸からなる繊維束であれば繊維種類は特に限定されるものではない。このうち、強化繊維を用いることが好ましく、中でも、炭素繊維、アラミド繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらは単独で使用してもよく2種類以上を併用することもできる。中でも炭素繊維は、軽量でかつ強度に優れた複合材料を提供することが可能となるので、特に好適である。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系のいずれでもよく、その平均繊維径は3~12μmが好ましく、6~9μmがより好ましい。
炭素繊維の場合は、通常、連続繊維からなる単糸が3000~60000本程度集束した繊維束を、ボビンに巻き取った巻糸体(パッケージ)として供給される。繊維束は無撚りが好ましいものの、撚りが入っているストランドでも使用可能であり、搬送中に撚りが入っても、本発明には適用可能である。単糸数にも制約はなく、単糸数が多い、いわゆるラージトウを用いる場合は、繊維束の単位重量あたりの価格は安価であるため、単糸数が多いほど、最終製品のコストを減らすことができて好ましい。また、ラージトウとして、繊維束同士を1つの束にまとめて巻き取った、いわゆる合糸した形態を使用してもよい。
強化繊維を用いる際は、強化繊維複合材料とする際のマトリックス樹脂との接着性を向上する等の目的で表面処理されていることが好ましい。表面処理の方法としては,電解処理、オゾン処理、紫外線処理等がある。また、強化繊維の毛羽立ちを防止したり、強化繊維ストランドの収束性を向上させたり、マトリックス樹脂との接着性を向上する等の目的でサイジング剤が付与されていても構わない。ただし、このサイジング剤の付与は、後述する、本発明における部分分繊繊維束の製造工程中におけるいずれかのタイミングで行われるサイジング剤の付与とは異なる工程で行われるものである。サイジング剤としては、特に限定されないが、エポキシ基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基を有する化合物が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。後述する本発明における部分分繊繊維束の製造工程中におけるいずれかのタイミングで付与されるサイジング剤に関しても、同等のものを使用できる。
本発明において使用する繊維束は、予め集束された状態であることが好ましい。ここで予め集束された状態とは、例えば、繊維束を構成する単糸同士の交絡による集束した状態や、繊維束に付与されたサイジング剤による集束した状態、繊維束の製造工程で含有されてなる撚りによる集束した状態を指す。
本発明では、繊維束が走行する場合に限らず、図3に示すように、静止状態の繊維束100に対して、分繊手段200を突き入れ(矢印(1))、その後、分繊手段200を繊維束100に沿って走行(矢印(2))させながら分繊処理部150を生成し、その後、分繊手段200を抜き取る(矢印(3))方法でもよい。その後は、図4(A)に示すように、静止していた繊維束100を矢印(3)、(4)で示すタイミングにて一定距離移動させた後に、分繊手段200を元の位置(矢印(4))に戻してもよいし、図4(B)に示すように、繊維束100は移動させず、分繊手段200が絡合蓄積部120を経過するまで移動(矢印(4))させてもよい。
繊維束100を一定距離移動させつつ分繊処理を行う場合には、図3(B)または図4(A)に示すように、分繊手段200を突き入れている分繊処理時間(矢印(2)で示す動作の時間)と、分繊手段200を抜き取り、再度繊維束に突き入れるまでの時間(矢印(3)、(4)、(1)で示す動作の時間)が、制御されることが好ましい。この場合、分繊手段200の移動方向は図の(1)~(4)の繰り返しとなる。
また、繊維束100は移動させず、分繊手段200が絡合蓄積部120を経過するまで分繊手段200を移動させつつ分繊処理を行う場合には、図4(B)に示すように、分繊手段を突き入れている分繊処理時間(矢印(2)または矢印(6)で示す動作の時間)と、分繊手段200を抜き取り、再度繊維束に突き入れるまでの時間(矢印(3)、(4)、(5)または矢印(3)、(4)、(1)で示す動作の時間)が、制御されることが好ましい。この場合にも、分繊手段200の移動方向は図の(1)~(4)の繰り返しとなる。
このように、分繊手段200によって、分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成され、未分繊処理区間が繊維束の単位長さに対して所定範囲内の比率になるように部分分繊繊維束が製造される。
なお、繊維束100を構成する単糸の交絡状態によっては、任意長さの未分繊処理区間を確保する(例えば図2において、分繊処理区間110を処理後、一定長さの未分繊処理区間130を確保した上で次の分繊処理部150を処理する)ことなく、分繊処理区間の終端部近傍から、引き続き分繊処理を再開することもできる。例えば、図4(A)に示すように、繊維束100を間欠的に移動させながら分繊処理を行う場合は、分繊手段200が分繊処理を行った(矢印(2))後、繊維束100の移動長さを、直前で分繊処理した長さより短くすることで、再度分繊手段200を突き入れる位置(矢印(1))が、直前に分繊処理した分繊処理区間に重ねることができる。一方、図4(B)に示すように分繊手段200自身を移動させながら分繊処理を行う場合は、一旦、分繊手段200を抜き取った後(矢印(3))、一定長さを移動させる(矢印(4))ことなく、再び分繊手段200を繊維束に突き入れる(矢印(5))ことができる。
このような分繊処理は、繊維束100を構成する複数の単糸同士が交絡している場合、繊維束内で単糸が実質的に引き揃った状態にはないため、繊維束100の幅方向に対して、既に分繊処理された位置や、分繊手段200を抜き取った箇所と同じ位置に再度分繊手段200を突き入れても、単糸レベルで突き入れる位置がずれやすく、直前に形成された分繊処理区間とは、分繊された状態(空隙)が連続することなく、別々の分繊処理区間として存在させることができる。
分繊処理1回あたり分繊する分繊処理区間の長さ(分繊距離170)は、分繊処理を行う繊維束の単糸交絡状態にもよるが、30mm以上1500mm未満が好ましい。30mm未満であると分繊処理の効果が不十分であり、1500mm以上になると強化繊維束によっては糸切れや毛羽立ちのおそれがある。
さらに、分繊手段200が複数設けられる場合には、交互に形成される分繊処理区間と未分繊処理区間とを、繊維束の幅方向に対して、略平行に複数設けることもできる。この際、前述したように、複数の分繊手段200を、並列、互い違い、位相をずらす等して、複数の突出部210を任意に配置することができる。
また更に、複数の突出部210を、独立して制御することもできる。詳細は後述するが、分繊処理に要する時間や、突出部210が検知する押圧力により、個々の突出部210が独立して分繊処理することも好ましい。
いずれの場合であっても、繊維束走行方向上流側に配置した、繊維束を巻き出す巻き出し装置(図示せず)などから繊維束を巻き出す。繊維束の巻き出し方向は、ボビンの回転軸と垂直に交わる方向に引き出す横出し方式や、ボビン(紙管)の回転軸と同一方向に引き出す縦出し方式が考えられるが、解除撚りが少ないことを勘案すると横出し方式が好ましい。
また、巻き出し時のボビンの設置姿勢については、任意の方向に設置することができる。中でも、クリールにボビンを突き刺した状態において、クリール回転軸固定面でない側のボビンの端面が水平方向以外の方向を向いた状態で設置する場合は、繊維束に一定の張力がかかった状態で保持されることが好ましい。繊維束に一定の張力が無い場合は、繊維束がパッケージ(ボビンに繊維束が巻き取られた巻体)からズレ落ちパッケージから離れる、もしくは、パッケージから離れた繊維束がクリール回転軸に巻きつくことで、巻き出しが困難になることが考えられる。
また、巻き出しパッケージの回転軸固定方法としては、クリールを使う方法の他に、平行に並べた2本のローラーの上に、ローラーと平行にパッケージを載せ、並べたローラーの上でパッケージを転がすようにして、繊維束を巻き出す、サーフェス巻き出し方式も適用可能である。
また、クリールを使った巻き出しの場合、クリールにベルトをかけ、その一方を固定し、もう一方に錘を吊るす、バネで引っ張るなどして、クリールにブレーキをかけることで、巻き出し繊維束に張力を付与する方法が考えられる。この場合、巻き径に応じて、ブレーキ力を可変することが、張力を安定させる手段として有効である。
また、分繊後の単糸本数の調整には、繊維束を拡幅する方法と、繊維束の幅方向に並べて配置した複数の分繊手段のピッチによって調整が可能である。分繊手段のピッチを小さくし、繊維束幅方向により多くの分繊手段を設けることで、より単糸本数の少ない、いわゆる細束に分繊処理が可能となる。また、分繊手段のピッチを狭めずとも、分繊処理を行う前に繊維束を拡幅し、拡幅した繊維束をより多くの分繊手段で分繊することでも、単糸本数の調整が可能である。
ここで拡幅とは、繊維束100の幅を拡げる処理を意味する。拡幅処理方法としては特に制限がなく、振動ロールを通過させる振動拡幅法、圧縮した空気を吹き付けるエア拡幅法などが好ましい。
本発明では分繊手段200の突き入れと抜き取りを繰り返して分繊処理部150を形成する。その際、再度突き入れるタイミングは、分繊手段200を抜き取った後の経過時間で設定することが好ましい。また、再度抜き取るタイミングも、分繊手段200を突き入れた後の経過時間で設定することが好ましい。突き入れ、および/または抜き取りのタイミングを時間で設定することで、所定距離間隔の分繊処理区間110および、未分繊処理区間130を生成することが可能となり、分繊処理区間110と未分繊処理区間130の比率も任意に決定することが可能となる。また、所定時間間隔は、常時同じでもよいが、分繊処理を進めた距離に応じて長くしていくもしくは短くしていくことや、その時々の繊維束の状態に応じて、例えば繊維束が元々もっている毛羽や単糸の交絡が少ない場合には、所定時間間隔を短くするなど、状況に応じて変化させてもよい。
繊維束100に分繊手段200を突き入れると、分繊処理の経過にしたがって、生成する絡合部160が突出部210を押し続けるため、分繊手段200は絡合部160から押圧力を受ける。
前述の通り、複数の単糸は実質的に繊維束100内で引き揃った状態ではなく、単糸レベルで交絡している部分が多く、さらに繊維束100の長手方向においては、交絡が多い箇所と少ない箇所が存在する場合がある。単糸交絡の多い箇所は分繊処理時の押圧力の上昇が早くなり、逆に、単糸交絡の少ない箇所は押圧力の上昇が遅くなる。したがって、本発明の分繊手段200には、繊維束100からの押圧力を検知する押圧力検知手段を備えることが好ましい。
また、分繊手段200の前後で繊維束100の張力が変化することがあるため、分繊手段200の近辺には繊維束100の張力を検知する張力検知手段を少なくとも1つ備えてもよく、複数備えて張力差を演算してもよい。これら押圧力、張力、張力差の検知手段は、個別に備えることもでき、いずれかを組み合わせて設けることもできる。ここで、張力を検知する張力検知手段は、分繊手段200から繊維束100の長手方向に沿って前後の少なくとも一方10~1000mm離れた範囲に配置することが好ましい。
これら押圧力、張力、張力差は、検出した値に応じて分繊手段200の抜き出しを制御することが好ましい。検出した値の上昇に伴って、任意に設定した上限値を超えた場合に分繊手段200を抜き出すよう制御することが更に好ましい。上限値は、押圧力、張力の場合は0.01~1N/mmの範囲、張力差は0.01~0.8N/mmの範囲で上限値を設定することが好ましい。なお、上限値は、繊維束の状態に応じて、±10%の幅で変動させてもよい。ここで、押圧力、張力、張力差の単位(N/mm)は、繊維束100の幅あたりに作用する力を示す。
押圧力、張力、張力差の上限値の範囲を下回ると、分繊手段200を突き入れてすぐに、分繊手段200を抜き取る押圧力や張力、張力差に到達するため、十分な分繊距離が取れず、分繊処理区間110が短くなりすぎ、本発明で得ようとする分繊処理が施された繊維束が得られなくなる。一方、上限値の範囲を上回ると、分繊手段200を突き入れた後、分繊手段200を抜き取る押圧力や張力、張力差に到達する前に繊維束100に単糸の切断が増えるため、分繊処理が施された繊維束が枝毛状に飛び出すことや、発生する毛羽が増えるなどの不具合が発生しやすくなる。飛び出した枝毛は、搬送中のロールに巻きついたり、毛羽は駆動ロールに堆積し繊維束に滑りを発生させたりする等、搬送不良を発生させやすくする。
分繊手段200の抜き取りタイミングを時間で制御する場合とは異なり、押圧力、張力、張力差を検知する場合には、分繊処理時に繊維束100を切断するほどの力がかかる前に分繊手段200を抜き取るため、繊維束100に無理な力がかからなくなり、連続した分繊処理が可能になる。
更に、繊維束100が部分的に切断されたような枝切れや毛羽立ちの発生を抑えつつ、分繊処理区間110が長く、かつ、絡合蓄積部120の形状が長手方向に安定的な繊維束100を得るためには、押圧力は、0.04~0.4N/mm、張力は0.02~0.2N/mm範囲、張力差は0.05~0.5N/mmの範囲とすることが好ましい。
繊維束100に突き入れた分繊手段200から繊維束100の長手方向に沿った前後の少なくとも一方10~1000mm離れた範囲において、繊維束100の撚りの有無を検知する撮像手段を具備することも好ましい。この撮像により、撚りの位置をあらかじめ特定し、撚りに分繊手段200を突き入れないように制御することで、突き入れミスを防止することができる。また、突き入れた分繊手段200に撚りが接近した際に、分繊手段200を抜き出すこと、つまり撚りを分繊処理しないことで、繊維束100の狭幅化を防ぐことが出来る。ここで、突き入れミスとは、撚りに分繊手段200を突き入れてしまい、繊維束100を分繊手段200の突き入れ方向に押し動かすのみで、分繊処理されないことをいう。
分繊手段200が繊維束100の幅方向に複数存在し、かつ、等間隔に配置される構成では、繊維束100の幅が変化すると、分繊された単糸本数も変化するため、安定した単糸本数の分繊処理が行えなくなることがある。また、撚りを無理やり分繊処理すると、繊維束100を単糸レベルで切断し毛羽を多く発生させるため、絡合部160が集積されてなる絡合蓄積部120の形状が大きくなる。大きな絡合蓄積部120を残しておくと、巻体から解舒される繊維束100に引っかかりやすくなる。
繊維束100の撚りを検知した場合、前述の撚りに分繊手段200を突き入れないように制御する以外にも、繊維束100の走行速度を変化させてもよい。具体的には、撚りを検知した後、分繊手段200が繊維束100から抜き出ているタイミングで、撚りが分繊手段200を経過するまでの間、繊維束100の走行速度を早くすることで、効率よく撚りを回避することができる。
また、撮像手段で得られた画像を演算する画像演算処理手段を更に備え、画像演算処理手段の演算結果に基づき、分繊手段200の押圧力を制御する押圧力制御手段を更に備えてもよい。例えば、画像演算処理手段が撚りを検知した場合、分繊手段が撚りを経過する際の撚りの通過性をよくすることが出来る。具体的には、撮像手段により撚りを検知し、突出部210が検知した撚りに接触する直前から通過するまで、押圧力が低減するように分繊手段200を制御することが好ましい。撚りを検知した際、押圧力の上限値の0.01~0.8倍の範囲に低減させることが好ましい。この範囲を下回る場合、実質的に押圧力を検知できなくなり、押圧力の制御が困難になったり、制御機器自体の検出精度を高める必要が生じる。また、この範囲を上回る場合には、撚りを分繊処理する頻度が多くなり、繊維束が細くなる。
突出部210を備えた分繊手段200を単純に繊維束100に突き入れる以外にも、分繊手段として回転可能な回転分繊手段220を用いることも好ましい態様である。図5は、回転分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す説明図である。回転分繊手段220は繊維束100の長手方向に直交する回転軸240を備えた回転機構を有しており、回転軸240の表面には突出部210が設けられている。図中の繊維束走行方向B(矢印)に沿って繊維束100が走行するのに合わせ、回転分繊手段220に設けられた突出部210が繊維束100に突き入れられ、分繊処理が始まる。ここで、図示は省略するが、回転分繊手段220は、押圧力検知機構と回転停止位置保持機構を有していることが好ましい。双方機構によって、所定の押圧力が回転分繊手段220に作用するまでは、図5(A)の位置で回転停止位置を保持し分繊を続ける。突出部210に絡合部160が生じる等、所定の押圧力を超えると、図5(B)のように、回転分繊手段220が回転を始める。その後、図5(C)のように、突出部210(黒丸印)が繊維束100から抜け、次の突出部210(白丸印)が繊維束100に突き入る動作を行う。図5(A)~図5(C)の動作が短ければ短いほど、未分繊処理区間は短くなるため、繊維束の分繊処理区間の割合を多くしたい場合には図5(A)~図5(C)の動作を短くすることが好ましい。
回転分繊手段220に突出部210を多く配置することで、分繊処理割合の多い繊維束100を得られたり、回転分繊手段220の寿命を長くしたりすることができる。分繊処理割合の多い繊維束とは、繊維束内における分繊処理された長さを長くした繊維束もしくは、分繊処理された区間と未分繊処理の区間との発生頻度を高めた繊維束のことである。また、1つの回転分繊手段に設けられた突出部210の数が多いほど、繊維束100と接触して突出部210が磨耗する頻度を減らすことにより、寿命を長くすることができる。突出部210を設ける数としては、円盤状の外縁に等間隔に3~12個配置することが好ましく、より好ましくは4~8個である。
このように、分繊処理割合と突出部の寿命とを優先させつつ、繊維束幅が安定した繊維束100を得ようとする場合、回転分繊手段220には、撚りを検知する撮像手段を有していることが好ましい。具体的には、撮像手段が撚りを検知するまでの通常時は、回転分繊手段220は回転および停止を間欠的に繰り返すことで分繊処理を行い、撚りを検知した場合には、回転分繊手段220の回転速度を通常時より上げる、および/または停止時間を短くすることで、繊維束幅を安定させることができる。
前記停止時間をゼロに、つまり、停止せず連続して回転し続けることもできる。
また、回転分繊手段220の間欠的な回転と停止を繰り返す方法以外にも、常に回転分繊手段220を回転し続けてもよい。その際、繊維束100の走行速度と回転分繊手段220の回転速度とを、相対的にいずれか一方を早くする、もしくは遅くすることが好ましい。速度が同じ場合には、突出部210を繊維束100に突き刺す/抜き出す、の動作が行われるため、分繊処理区間は形成できるものの、繊維束100に対する分繊作用が弱いため、分繊処理が十分に行われない場合がある。またいずれか一方の速度が相対的に早過ぎる、もしくは遅すぎる場合には、繊維束100と突出部210とが接触する回数が多くなり、擦過によって糸切れするおそれがあり、連続生産性に劣ることがある。
本発明では、分繊手段200、回転分繊手段220の突き入れと抜き取りを、分繊手段200、回転分繊手段220の往復移動によって行う往復移動機構を更に有してもよい。また、分繊手段200、回転分繊手段220を繊維束100の繰り出し方向に沿って往復移動させるための往復移動機構を更に有することも好ましい態様である。往復移動機構には、圧空や電動のシリンダやスライダなどの直動アクチュエータを用いることができる。
繊維束に強化繊維を用いる場合の分繊処理区間の数は、ある幅方向の領域において少なくとも(F/10000-1)箇所以上(F/50-1)箇所未満の分繊処理区間数を有することが好ましい。ここで、Fは分繊処理を行う繊維束を構成する総単糸本数(本)である。分繊処理区間の数は、ある幅方向の領域において少なくとも(F/10000-1)箇所以上分繊処理区間を有することで、部分分繊繊維束を所定の長さにカットし不連続繊維強化複合材料にした際に、不連続繊維強化複合材料中の強化繊維束端部が細かく分割されるため、力学特性に優れた不連続繊維強化複合材料を得ることができる。また、部分分繊繊維束をカットせず連続繊維として用いる際は、後工程で樹脂等を含浸し強化繊維複合材料とする際に、分繊処理区間が多く含まれる領域から、強化繊維束内に樹脂が含浸する起点となり、成形時間が短縮できるとともに、強化繊維複合材料中のボイド等を低減させることができる。分繊処理区間数を(F/50-1)箇所未満とすることで、得られる部分分繊繊維束が糸切れを起こしにくく、繊維強化複合材料とした際の力学特性の低下を抑制できる。
分繊処理区間を、繊維束100の長手方向に周期性や規則性を持たせて設けると、後工程で部分分繊繊維束を所定の長さにカットした不連続繊維とする場合、所定の分繊繊維束本数へ制御しやすくすることができる。
次に、上述したような特定の最適な部分分繊処理を施す、特定の部分分繊繊維束の製造において、該部分分繊繊維束の製造工程中のいずれかのタイミングで行われるサイジング剤の付与について説明する。
本発明において、サイジング剤の付与手段としては特に限定されるものではなく、公知の手段を用いることができる。例えば、サイジング剤を溶媒(分散させる場合の分散媒含む)中に溶解(分散も含む)したサイジング処理液を調製し、該サイジング処理液を繊維束に塗布した後に、溶媒を乾燥・気化させ、除去することにより、サイジング剤を繊維束に付与することが一般的に行われる。ここで、後に詳しく述べる通り、この塗布工程と乾燥工程の間に部分分繊処理や、繊維束の拡幅処理を行ってもよい。
サイジング処理液を繊維束に付与する方法としては、例えば、ローラーを介して繊維束をサイジング処理液に浸漬する方法、サイジング処理液の付着したローラーに繊維束を接する方法、サイジング処理液を霧状にして繊維束に吹き付ける方法などがある。この際、繊維束に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング処理液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に繊維束を超音波で加振させることはより好ましい。
ここで、サイジング剤の付着量は特に限定しないが、サイジング剤付与後の繊維束100重量%中に、サイジング剤0.01~10重量%が好ましい。元の繊維束にサイジング剤が付与されている場合は、サイジング剤の総付着量が前記範囲内であるのが好ましい。
また、乾燥温度と乾燥時間はサイジング剤の成分と付着量によって調整すべきであるが、サイジング剤の付与に用いる溶媒の完全な除去、乾燥に要する時間を短くし、一方、サイジング剤の熱劣化を防止する観点から、乾燥温度は、150℃以上350℃以下であることが好ましく、180℃以上250℃以下であることがより好ましい。
次に本発明におけるサイジング剤付与のタイミングについて、詳細にに説明する。
図6は、本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法において、部分分繊繊維束の製造工程中におけるサイジング剤付与工程のタイミング例を示している。図6には、繊維束100が部分分繊処理工程300を経て部分分繊繊維束180に形成される工程中において、サイジング剤付与工程400が、部分分繊処理工程300よりも前に行われるパターンAと、部分分繊処理工程300よりも後に行われるパターンBとが示されている。パターンA、パターンBのいずれのタイミングも可能である。
図7は、本発明に係る繊維束拡幅工程301を含む部分分繊繊維束の製造方法において、部分分繊繊維束の製造工程中におけるサイジング剤付与工程400のタイミング例を示している。図7には、繊維束100が繊維束拡幅工程301と部分分繊処理工程300とをこの順に経て部分分繊繊維束180に形成される工程中において、サイジング剤付与工程400が、繊維束拡幅工程301よりも前に行われるパターンCと、繊維束拡幅工程301と部分分繊処理工程300との間で行われるパターンDと、部分分繊処理工程300よりも後に行われるパターンEとが示されている。パターンC、パターンD、パターンEのいずれのタイミングも可能であるが、最適な部分分繊処理を達成できる観点から、パターンDのタイミングが最も好ましい。
図8は、本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法において、部分分繊繊維束の製造工程中における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程のタイミング例を示している。サイジング剤付与工程400は、サイジング剤塗布工程401と乾燥工程402を含むが、図8には、これらサイジング剤塗布工程401と乾燥工程402を含むサイジング剤付与工程400が、繊維束100が部分分繊処理工程300を経て部分分繊繊維束180に形成される工程中において、部分分繊処理工程300よりも前に行われるパターンFと、部分分繊処理工程300よりも後に行われるパターンGとが示されている。パターンF、パターンGのいずれのタイミングも可能である。パターンFは、図6におけるパターンAと、パターンGは、図6におけるパターンBと実質的に同一である。
図9は、本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法において、部分分繊繊維束の製造工程中における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程の別のタイミング例を示している。図9に示すタイミング例におけるパターンHでは、サイジング剤付与工程400におけるサイジング剤塗布工程401と乾燥工程402とが分離されてそれぞれ別のタイミングで行われる。サイジング剤塗布工程401は、部分分繊処理工程300よりも前に行われ、乾燥工程402は、部分分繊処理工程300よりも後に行われる。
図10は、本発明に係る繊維束拡幅工程を含む部分分繊繊維束の製造方法における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程のタイミング例を示しており、繊維束100が繊維束拡幅工程301と部分分繊処理工程300とをこの順に経て部分分繊繊維束180に形成される工程中において、サイジング剤付与工程のサイジング剤塗布工程401が、繊維束拡幅工程301よりも前に行われ、乾燥工程402については、繊維束拡幅工程301と部分分繊処理工程300との間で行われるパターンIと、部分分繊処理工程300よりも後に行われるパターンJとが示されている。
図11は、本発明に係る繊維束拡幅工程を含む部分分繊繊維束の製造方法における、サイジング剤塗布工程と乾燥工程を含むサイジング剤付与工程の別のタイミング例を示しており、繊維束100が繊維束拡幅工程301と部分分繊処理工程300とをこの順に経て部分分繊繊維束180に形成される工程中において、サイジング剤付与工程のサイジング剤塗布工程401が、繊維束拡幅工程301と部分分繊処理工程300との間で行われ、乾燥工程402が、部分分繊処理工程300よりも後に行われるパターンKが示されている。
このように、本発明に係る部分分繊繊維束の製造方法においては、各種のタイミングでサイジング剤を付与することが可能である。
次に、本発明に係る繊維強化樹脂成形材料について説明する。
本発明における繊維強化樹脂成形材料は、上述の部分分繊繊維束を切断・散布して得られる強化繊維マットと、マトリックス樹脂を含むものである。
ここで、本発明に係る切断された前記部分分繊繊維束の平均繊維長としては、5~100mmの範囲にあることが好ましく、10~80mmの範囲にあることがより好ましい。また、繊維長の分布としては、単一の繊維長の分布であっても構わないし、2種類以上の混合であっても構わない。
また、マトリックス樹脂としては特に制限はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能であり、成形品としての機械特性を大きく低下させない範囲で適宜選択することができる。例示するなら、熱硬化性樹脂であれば、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノシキ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂などを用いることができる。中でも、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂のいずれか、もしくはこれらの混合物からなることが好ましい。また、熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン6,6樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂等の樹脂を用いることができる。中でも、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれかからなることが好ましい。本発明においては、マトリックス樹脂の含浸性や、含浸工程への適用性の観点から、熱硬化性樹脂がより好ましく用いることができる。
図12は、本発明の一実施態様に係る繊維強化樹脂成形材料の製造方法を示している。図12において、1は本発明における、少なくとも強化繊維マットとマトリックス樹脂を含む繊維強化樹脂成形材料の製造工程の全体を示しており、該製造工程1は、少なくとも、複数の単糸からなる強化繊維束の長手方向に沿って、複数の束に分繊された分繊処理部と未分繊処理部とを交互に形成してなる部分分繊繊維束7を得る工程であって、上述の通り、その工程のいずれかのタイミングにおいてサイジング剤を付与する部分分繊工程[A]2と、部分分繊繊維束7を切断して散布し、強化繊維マット10を得るマット化工程[B]3と、強化繊維マット10にマトリックス樹脂(本実施態様では、熱硬化性樹脂11)を含浸させる樹脂含浸工程[C]4を有している。
複数のクリール5から繰り出された複数の単糸の強化繊維6aからなる強化繊維束6が部分分繊工程[A]2に供給され、その工程2にて前述の如く部分分繊処理が行われ、部分分繊繊維束7が作製される。作製された部分分繊繊維束7は、続いて(連続して)、マット化工程[B]3に供給され、その工程3にて、カッターユニット8で不連続の繊維束に切断された後、散布機構9を通して、例えば周回されるベルト13上に、強化繊維マット10が形成されるように散布される。この強化繊維マット10にマトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂11が含浸されるが、本実施態様では、強化繊維マット10と供給された含浸されるべき熱硬化性樹脂11とが、強化繊維マット10の上下両側に順次供給されてくるフィルム12に挟まれ、挟まれた状態で例えば複数の樹脂含浸ローラー14間で加圧されることによって、樹脂含浸工程[C]4における樹脂含浸が促進されている。マトリックス樹脂が含浸された強化繊維マット10は、連続したシート状の繊維強化樹脂成形材料15として、図に示すように折り重ねられたり、巻き取られたりして、一連の連続した繊維強化樹脂成形材料の製造工程1が終了する。繊維強化樹脂成形材料15は、例えば、シートモールディングコンパウンド(SMC)として製造される。
このように、先ず部分分繊繊維束7を作製し、該部分分繊繊維束7を切断、散布して部分分繊繊維束由来の強化繊維マット10を作製し、それにマトリックス樹脂11を含浸させて繊維強化樹脂成形材料15を得るようにしたので、部分分繊繊維束7を切断/散布して不連続繊維の繊維束の中間基材としての強化繊維マット10とした際に、細束の繊維束と太束の繊維束を最適な比率の範囲内で混在させることが可能になり、それにマトリックス樹脂11を含浸させた繊維強化樹脂成形材料15では、成形の際の流動性と成形品の力学特性をバランスよく発現させることが可能になる。特に、部分分繊繊維束7の作製工程では、前述の如く、繊維束を連続して安定的にスリット可能で、最適な形態の部分分繊繊維束7を容易に効率よく製造することができる。特に、撚りが含まれる繊維束や、ラージトウの単糸数の多い繊維束であっても、回転刃の交換寿命を気にすることなく、連続したスリット処理を可能とすることができる。さらに、安価なラージトウの連続スリット処理が可能となり、それによって最終的な成形品の材料コスト、製造コストの低減をはかることが可能になる。
ここで、上述の繊維強化樹脂成形材料の製造工程1では、効率よく円滑にしかも優れた生産性をもって所望の繊維強化樹脂成形材料15を製造することができるという観点から、好ましい例として一連の工程[A]~[C]を一つのプロセスで連続的に行う態様を示しているが、必ずしも一連の工程[A]~[C]を一つのプロセスで連続的に行う必要はなく、例えば工程[A]を経て得られた部分分繊繊維束を一旦巻き取った後に、工程[B]に供してもよい
また、本発明においては、図12に示したようなマット化工程[B]3において部分分繊繊維束7を切断する場合、部分分繊繊維束7をその長手方向に対して、角度θ(0<θ<90°)で切断することも好ましい。例えば、図13に示すように、部分分繊繊維束7の長手方向(図における繊維束の走行方向)に対して、角度θ(0<θ<90°)に傾けた切断刃8aにより部分分繊繊維束7を切断する。このようにすれば、切断刃8aによる切断線が分繊処理部150と未分繊処理部181とにわたって延びる機会が多くなり、部分分繊繊維束7を切断して不連続繊維の繊維束とする際に、該不連続繊維束が未分繊処理部181のみから形成される機会が減少するので、より細束の不連続繊維束からなるマットの形成が可能になる。このようなマットを用いた繊維強化樹脂成型材料では、とくに成形品の力学特性の向上をはかることが可能になる。
次に、本発明の実施例、比較例について説明する。なお、本発明は本実施例や比較例によって何ら制限されるものではない。
[使用原料]
繊維束[A-1]:
繊維径7.2μm、引張弾性率240GPa、単糸数50,000本の連続した炭素繊維束(ZOLTEK社製、“PANEX(登録商標)35”)を用いた。
サイジング剤[S-1]:
反応性ウレタン樹脂エマルジョン(第一工業製薬(株)製、“スーパーフレックス(登録商標)R5000”)を用いた。
マトリックス樹脂[M-1]:
ビニルエステル樹脂(ダウ・ケミカル(株)製、“デラケン(登録商標)790”)を100重量部、硬化剤としてtert-ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、“パーブチル(登録商標)Z”)を1重両部、増粘剤として酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、MgO#40)を4重量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製、SZ-2000)を2重量部を、十分に混合・攪拌して得られた樹脂コンパウンドを用いた。
[サイジング剤付着量の測定方法]
サイジング剤付与した繊維束を長さ1mに切断し、450℃で灰化処理を行った。得られた灰化処理後の繊維束の重量を測定し、灰化処理前後の重量減量率からサイジング剤の付着量を算出した。測定は10本の繊維束について行い、その平均値を算出した。
[力学特性の評価方法]
繊維強化樹脂成形材料を平板金型の中央部に配置(チャージ率にして50%)した後、加圧型プレス機により10MPaの加圧のもと、約140℃×5分間の条件により硬化させ、300×400mmの平板を得た。平板長手方向を0°とし、得られた平板より0°と90°方向から、それぞれ100×25×1.6mmの試験片を5片(合計10片)を切り出し、JIS K7074(1988年)に準拠し測定を実施した。力学特性としては、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ弾性率のCV値(%)を求めた(CV:変動係数)。
(実施例1)
繊維束[A-1]を、ワインダーを用いて一定速度10m/minで巻出し、10Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに通し、拡幅処理を施した後に、60mm幅の幅規制ロールを通すことで60mmへ拡幅した拡幅繊維束を得た。
得られた拡幅繊維束を、サイジング剤[S-1]を精製水で希釈したサイジング処理液に連続的に浸漬させて、拡幅繊維束にサイジング剤を塗布し、次いで150℃のホットローラと200℃の乾燥炉にサイジング剤を塗布した前記拡幅繊維束を供し、乾燥して水分を除去した。得られたサイジング剤付与済み拡幅繊維束を前述のサイジング剤付着量の測定方法に基づき算出したところ、3.2%であった。なお、これは元の繊維束に付与されていたサイジング剤を含む総付着量である。また、サイジング処理液に浸漬した際に、拡幅繊維束の繊維束幅が表面張力によって縮まらないように、繊維束にかかる張力を調整しながら実施した。
得られたサイジング剤付与済み拡幅繊維束に対して、厚み0.2mm、幅3mm、高さ20mmの突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを、強化繊維束の幅方向に対して3.5mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を準備した。この分繊処理手段を拡幅繊維束に対して、間欠式に抜き挿しし、ボビンに巻き取ることによって部分分繊繊維束を得た。
この時、分繊処理手段は一定速度10m/minで走行する拡幅繊維束に対して、3sec間分繊処理手段を突き刺し分繊処理区間を生成し、0.2sec間で分繊処理手段を抜き、再度突き刺す動作を繰り返し行なった。
得られた部分分繊繊維束は、分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して17分割に分繊されており、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していた。部分分繊繊維束を1500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。
続いて、得られた部分分繊繊維束を、ロータリーカッターへ連続的に挿入して繊維束を繊維長25mmに切断、均一分散するように散布することにより、繊維配向が等方的である不連続繊維不織布を得た。得られた不連続繊維不織布の目付は1kg/mであった。
マトリックス樹脂[M-1]をドクターブレードを用いて均一にポリプロピレン製の離型フィルム2枚それぞれに塗布し、2枚の樹脂シートを作製した。これら2枚の樹脂シートで上記の得られた不連続繊維不織布を上下から挟み込み、ローラーで樹脂を不織布中に含浸させることにより、シート状の繊維強化樹脂成形材料を得た。この時、繊維強化樹脂成形材料の強化繊維重量含有率が47%になるように、樹脂シート作製の段階で樹脂の塗布量を調整した。得られた繊維強化樹脂成形材料について、前述の力学特性の評価方法に基づき、繊維強化樹脂成形材料を成形し、力学特性を評価した。その結果、曲げ強度440MPa、曲げ弾性率28GPa、曲げ弾性率のCV6%であった。
(実施例2)
繊維束[A-1]を、ワインダーを用いて一定速度10m/minで巻出し、10Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに通し、拡幅処理を施した後に、60mm幅の幅規制ロールを通すことで60mmへ拡幅した拡幅繊維束を得、該拡幅繊維束に分繊処理を施して部分分繊繊維束を得た後に、サイジング剤付与を行った以外は実施例1と同様にして評価を行った。その結果、サイジング剤付着量3.3%、曲げ強度430MPa、曲げ弾性率27GPa、曲げ弾性率のCV8%であった。
(実施例3)
繊維束[A-1]を、ワインダーを用いて一定速度10m/minで巻出し、サイジング剤処理液に浸漬した後に、5Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに通し、サイジング剤塗布済み拡幅繊維束を得、該サイジング剤塗布済み拡幅繊維束に分繊処理を施し、サイジング剤塗布済み部分分繊繊維束としたものを乾燥工程に供し、部分分繊繊維束を得た以外は実施例1と同様にして評価を行った。その結果、サイジング剤付着量3.2%、曲げ強度435MPa、曲げ弾性率28GPa、曲げ弾性率のCV7%であった。
上記の通り、実施例1~3においていずれも優れた力学特性(曲げ強度、弾性率)、低ばらつきを両立して発現することが確認できた。また、いずれも部分分繊繊維束を巻きだし、カッターへ挿入する際に、ボビンへ巻きつくことなく、安定して巻きだすことができた。さらに、不連続繊維不織布において、切断された繊維束が束としての収束性を保ち、単糸毛羽の発生が抑制されていた。
また、実施例1においては、サイジング剤を付与してから部分分繊処理を施したため、分繊処理手段へ毛羽の堆積がほとんど見られず、安定して分繊処理を施すことができた。実施例2においては、部分分繊処理を施した後にサイジング剤を付与したため、分繊処理によって分割された分繊処理区間の繊維束の収束性が高く、不連続繊維不織布を得た際の単糸毛羽の発生が最も抑制されていた。実施例3においては、サイジング剤塗布し、乾燥前のいわゆる濡れ糸の状態で拡幅処理を行ったため、繊維束内の単糸間摩擦が緩和され、さらにサイジング剤が潤滑剤の役割を果たし、低振動数でも狙いの拡幅幅に拡幅することができた。
本発明は、複数の単糸からなる繊維束を2つ以上の細い束に分繊することが望まれるあらゆる繊維束に適用でき、サイジング剤を適切なタイミングで付与することにより、適切な部分分繊形態に保つことができる。特に強化繊維を用いる際は、得られた部分分繊繊維束はマトリックス樹脂を含浸し、あらゆる強化繊維複合材料に用いることができる。
1 繊維強化樹脂成形材料の製造工程
2 部分分繊工程[A]
3 マット化工程[B]
4 樹脂含浸工程[C]
5 クリール
6 強化繊維束
6a 強化繊維
7 部分分繊繊維束
8 カッターユニット
8a 切断刃
9 散布機構
10 強化繊維マット
11 熱硬化性樹脂
12 フィルム
13 ベルト
14 樹脂含浸ローラー
15 繊維強化樹脂成形材料100 繊維束
110 分繊処理区間
120 絡合蓄積部
130 未分繊処理区間
140 毛羽溜まり
150 分繊処理部
160 絡合部
170 分繊距離
180 部分分繊繊維束
181 未分繊処理部
200 分繊手段
210 突出部
211 接触部
220 回転分繊手段
240 回転軸
300 部分分繊処理工程
301 繊維束拡幅工程
400 サイジング剤付与工程
401 サイジング剤塗布工程
402 乾燥工程

Claims (9)

  1. 複数の単糸からなり、サイジング剤が付与されている繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れる、複数の束に分割された分繊処理区間と未分繊処理区間とを交互に形成する部分分繊処理工程を有する部分分繊繊維束の製造方法であって、部分分繊繊維束の製造工程中において、前記繊維束の幅を拡幅し、幅を拡幅した繊維束に追加のサイジング剤を付与してから、該繊維束を前記部分分繊処理工程へと供給することを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
  2. 複数の単糸からなり、サイジング剤が付与されている繊維束に複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ、前記分繊手段を前記繊維束の長手方向に沿って走行させながら分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過する位置まで前記分繊手段を走行させた後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れる、複数の束に分割された分繊処理区間と未分繊処理区間とを交互に形成する部分分繊処理工程を有する部分分繊繊維束の製造方法であって、部分分繊繊維束の製造工程中において、前記繊維束の幅を拡幅し、幅を拡幅した繊維束に追加のサイジング剤を付与してから、該繊維束を前記部分分繊処理工程へと供給することを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
  3. 前記追加のサイジング剤の付与処理が少なくとも下記工程[1]、[2]を有し、それぞれの工程を個別に任意のタイミングで行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
    [1]サイジング剤の塗布工程
    [2]乾燥工程
  4. 請求項1~のいずれかに記載の製造方法によって得られる部分分繊繊維束。
  5. 請求項に記載の部分分繊繊維束を切断・散布して得られる強化繊維マットと、マトリックス樹脂を含む繊維強化樹脂成形材料。
  6. 前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする、請求項に記載の繊維強化樹脂成形材料。
  7. 前記繊維強化樹脂成形材料がシートモールディングコンパウンドであることを特徴とする、請求項またはに記載の繊維強化樹脂成形材料。
  8. 請求項5~7のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形材料の製造方法であって、少なくとも下記工程[A]~[C]を有することを特徴とする、繊維強化樹脂成形材料の製造方法。
    [A]複数の単糸からなり、サイジング剤が付与されている強化繊維束の長手方向に沿って、複数の束に分繊された分繊処理部と未分繊処理部とを交互に形成してなる部分分繊繊維束を得る工程であって、前記部分分繊繊維束の製造工程において、前記繊維束の幅を拡幅し、幅を拡幅した繊維束に追加のサイジング剤を付与してから、該繊維束を前記部分分繊処理工程へと供給する部分分繊工程。
    [B]前記部分分繊繊維束をその長手方向に対して、角度θ(0<θ<90°)で切断して散布し、強化繊維マットを得るマット化工程。
    [C]前記強化繊維マットにマトリックス樹脂を含浸させる樹脂含浸工程。
  9. 少なくとも前記工程[A]~[C]を1つのプロセス内で連続的に行うことを特徴とする、請求項に記載の繊維強化樹脂成形材料の製造方法。
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