JP5185583B2 - 脱ぷ装置 - Google Patents
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しかしながら、前記一対の脱ぷロールの脱ぷ圧力を上げると、被処理物の損傷割合が上昇するとともに、前記一対の脱ぷロールが摩耗し易い状態となり該脱ぷロールの寿命が短くなってしまう。
さらに、前記前処理手段と前記一対の脱ぷロールとの間に設けられた前記風選機構によって、前記前処理手段で生じた籾かすや埃等の不純物が前記一対の脱ぷロールへ供給されることを防止又は低減させることができる。従って、前記一対の脱ぷロールによる脱ぷ処理能力を向上させることができる。
また、前記スリット領域における風選作用によって、被処理物を前記流下板の幅方向(脱ぷロールの駆動軸に平行な方向)に拡散させることができる。従って、被処理物を前記一対の脱ぷロールに対して該脱ぷロールの駆動軸方向全域に略均等量で供給することができる。
このように、最終流下板より1つ上流側に位置する上流側流下板にて風選機構による風選別を行うことにより、前記風選機構の選別風が最終的な脱ぷ処理を行う前記一対の脱ぷロール間に作用することを防止しつつ、不純物の風選処理を行うことができる。
加えて、選別風経路を変更することなく、前記一対の脱ぷロールの摩耗に応じて前記最終流下板の傾斜角度を変更させることができる。
また、風選別を行うことにより、被処理物が前記上流側流下板から落下して前記最終流下板へ衝突する際の衝撃を選別風によって緩和させることができる。従って、前記最終流下板の上下長さを可及的に短縮化しつつ、前記最終流下板から前記一対の脱ぷロールへ供給される際の被処理物の姿勢を安定化させることできる。
従って、切り起こし部を設けることにより、風選別作用を確保しつつ、被処理物が前記流下板を流下する際の抵抗を可及的に抑えることができる。
このように、一対の第1及び第2脱ぷロールを用いて脱ぷ処理が2段階で行われる。従って、前記一対の第1及び第2脱ぷロールのそれぞれの脱ぷ圧力を上昇させることなく、脱ぷ処理の高能率化及び被処理物の高品質化を図ることができ、さらに、脱ぷロールの長寿命化も図ることができる。
一方、一対の第2脱ぷロールは、所定圧力で互いに押圧される。従って、摩耗の有無に拘わらず脱ぷ処理能力は一定に保持される。これにより、第2脱ぷロールの摩耗の有無に拘わらず、最終的な脱ぷ率を高水準に保持することができる。
さらに、前記一対の前処理手段と前記一対の脱ぷロールとの間に設けられた前記風選機構によって、前記前処理手段で生じた籾かすや埃等の不純物が前記一対の脱ぷロールへ供給されることを防止又は低減させることができる。従って、前記一対の脱ぷロールによる脱ぷ処理能力を向上させることができる。
また、上流側流下板に形成されたスリット領域における風選作用によって、被処理物を上流側流下板の幅方向(脱ぷロールの駆動軸に平行な方向)に拡散させることができる。従って、被処理物を前記一対の脱ぷロールに対して該脱ぷロールの駆動軸方向全域に略均等量で供給することができる。
加えて、選別風経路を変更することなく、前記一対の脱ぷロールの摩耗に応じて前記最終流下板の傾斜角度を変更させることができる。
また、風選別を行うことにより、被処理物が前記上流側流下板から落下して前記最終流下板へ衝突する際の衝撃を選別風によって緩和させることができる。従って、前記最終流下板の上下長さを可及的に短縮化しつつ、前記最終流下板から前記一対の脱ぷロールへ供給される際の被処理物の姿勢を安定化させることできる。
また、前記スリット領域のスリット孔の被処理物落下方向上流側に隣接された切り起こし部が、前記上流側流下板が位置する平面を基準にして被処理物落下方向下流側へ行くに従って前記平面から前記上流側流下板の上面側へ離間されているので、風選別作用を確保しつつ、被処理物が前記上流側流下板を流下する際の抵抗を可及的に抑えることができる。
本発明の一実施形態における脱ぷ装置1は、図1に示すように、脱ぷユニット5と前記脱ぷユニット5の上方に配置され、穀物等の被処理物を貯留する原料タンク4とを備え、前記原料タンク4から供給される被処理物を前記脱ぷユニット5によって籾摺り処理するものである。
前記脱ぷ装置1は、被処理物に対して所定の圧力を加える前処理手段である一対の第1脱ぷロール201と、前記一対の第1脱ぷロール201より下方に配置された一対の第2脱ぷロール(一対の脱ぷロールに相当する)202とを備えている。
上部機枠3aには、前記上部機枠3aの内部且つ前記原料タンク4の下方に設けられ、前記第1機枠2a内の一対の第1脱ぷロール201に被処理物を導入するための受入口31と、前記原料タンク4から前記一対の第1脱ぷロール201への被処理物の移動経路を選択的に開放又は遮断するシャッタ機構50と、前記上部機枠3aの内部に支持され、前記受入口31から導入された被処理物を整列させる案内板34とが設けられている。
本実施形態においては、開閉駆動部33の駆動源として電動モータを用い、開閉駆動部33と前記開閉弁32とを作動連結するシャフトをモータ軸回転により水平移動させて、開閉弁31を水平移動させることにより、受入口31が開放される開放状態と受入口31が遮断される遮断状態とが切り替えられる。
なお、シャッタ機構50は、本実施形態のように脱ぷユニット5に設けられてもよいが、原料タンク4に設けられることとしてもよい。
前記可動ロール241は、前記可動軸231を軸支する可動部材261であって、前記可動軸231から前記可動ロール241の径方向に延出された一端部261aに前記回動軸251が軸支された可動部材261と、前記可動部材261の前記一端部261aとは前記可動軸231に対して前記可動ロール241の径方向反対側に延出された他端部261bに自由端部が作動連結され、前記可動部材261を前記回動軸251回り前記固定ロール221に近接する方向に付勢するエアシリンダ等の付勢部材271とを有している。
前記回動軸251には、前記付勢部材271による前記回動軸251回り前記固定ロール221に近接する方向の付勢力に抗した回転駆動力を生じさせる後述する制御モータ131(図4参照)の駆動軸が作動連結されており、前記制御モータ131の前記回転駆動力を調整することにより、前記付勢力が調整(制動)される。
なお、本実施形態における前記一対の第2脱ぷロール202の駆動軸212,232方向長さは、図3に示すように、前記一対の第1脱ぷロール201の駆動軸211,231方向長さよりも長いように構成されている。
前記可動ロール242は、前記可動軸232を軸支する可動部材262であって、前記可動軸232から前記可動ロール242の径方向に延出された一端部262aに前記回動軸252が軸支された可動部材262と、前記可動部材262の前記一端部262aとは前記可動軸232に対して前記可動ロール242の径方向反対側に延出された他端部262bに自由端部が作動連結され、前記可動部材262を前記回動軸252回り前記固定ロール222に近接する方向に付勢するエアシリンダ等の付勢部材272とを有している。
なお、前記一対の第2脱ぷロール202は、駆動源を第1脱ぷロール201と共用することとしてもよい。
前記最終流下板27は、可動ロール242が固定ロール222に圧接した状態で、最終流下板27の先端部が両ロール222,242の圧接領域に向かうように位置されている。
また、前記中間機枠3bには、前記上流側流下板29に対して漏斗状に対向配置された状態で固定された案内板28を有している。
なお、前記最終流下板27及び上流側流下板29における前記一対の第1及び第2脱ぷロール201,202の駆動軸方向長さは、図3に示すように、前記一対の第2脱ぷロール202と略同等とされている。
まず、駆動部を作動させて固定ロール221,222、可動ロール241,242及び繰り込みロール35を回転させた状態で、開閉駆動部33により開閉弁32を開放することにより、原料タンク4に貯留されている被処理物が受入口31から下方へ落下する。落下した被処理物は、その下方にある案内板34と調整板36とにより形成された流路を滑落し、繰り込みロール35に供給される。
繰り込みロール35に供給された被処理物は、繰り込みロール35の回転により、繰り込みロール35及び調整板36の間隙の大きさに応じて、順次定量の被処理物を上方開口2a1を通じて第1機枠2a内の一対の第1脱ぷロール201へ供給する。一対の第1脱ぷロール201への供給量を変更する場合には、調整ねじ(図示せず)を用いて回動支点37回りに調整板36を回動させることにより調整板36の傾斜角を変更して、繰り込みロール35及び調整板36の間隙の大きさを変更する。
この場合、前記一対の第2脱ぷロール202は、残りの50%の被処理物を脱ぷ処理することになるが、この際、残りの50%の被処理物の少なくとも一部には前記第1脱ぷロール201によって易脱ぷ部(被処理物の籾殻に形成された切れ目や裂け目等)が形成されている。
従って、前記第2脱ぷロール202の脱ぷ圧力を上昇させることなく、脱ぷ処理の高能率化及び被処理物の高品質化を図ることができる。
一方、一対の第2脱ぷロール202は、所定圧力で互いに押圧される。従って、摩耗の有無に拘わらず脱ぷ処理能力は一定に保持される。これにより、第2脱ぷロール202の摩耗の有無に拘わらず、最終的な脱ぷ率を高水準に保持することができる。
本実施形態における前記一対の第1脱ぷロール201の位置制御は、前記一対の第1脱ぷロール201を回転駆動する駆動源(ここでは、三相交流の電動モータ111)の負荷電流値に基づいて行われる。
前記電流センサ121は、例えば、三相交流の電動モータ111の負荷電流を検出する変流計等である。前記弁開度センサ141は、例えば、開閉弁32の開閉駆動部33としてサーボモータを使用した場合、当該サーボモータの回転角を検出するエンコーダ等である。また、開閉駆動部33としてステッピングモータを使用して当該ステッピングモータの回転角を検出することにより開閉弁32の弁開度を検出することとしてもよい。
そこで、本実施形態においては、制御部101において、電流センサ121で検出された負荷電流値に基づいた制御モータ131の制御量を前記電圧センサ151により検出される電動モータ111の電源電圧値に基づいて補正することにより、電動モータ111の電源電圧値に左右されることなく適正なロール間距離を保持するように制御することができる。
これにより、固定ロール222及び可動ロール242が互いに押圧する圧力を一定にすることができる。
本実施形態において、前記流下板のうち、前記上流側流下板29には、図1に示すように、通気性のスリット領域が設けられており、前記脱ぷ装置1は、前記スリット領域29sを通過する被処理物に対して風選処理を行う風選機構60を有している。
前記風選機構60は、前記中間機枠3b内に選別風が前記上流側流下板29に対して略直交する方向を向いた状態で該上流側流下板29の下面から上面へ抜けるように前記選別風を案内する選別風経路61を有している。
本実施形態において、前記風選機構60は、前記中間機枠3bにおける前記選別風経路61の上流側(前記上流側流下板29の下面側)の外壁に設けられた吸気口65に配設された圧送ファン62を備えており、選別風経路61内を圧送することにより搬送風を生じさせている。
また、前記スリット領域29sにおける風選作用によって、被処理物を前記流下板の幅方向(脱ぷロールの駆動軸に平行な方向)に拡散させることができる。従って、被処理物を前記一対の第2脱ぷロール202に対して該第2脱ぷロール202の駆動軸方向全域に略均等量で供給することができる。
加えて、選別風経路61を変更することなく、前記一対の第2脱ぷロール202の摩耗に応じて前記最終流下板27の傾斜角度を変更させることができる。
また、風選別を行うことにより、被処理物が前記上流側流下板29から落下して前記最終流下板27へ衝突する際の衝撃を選別風によって緩和させることができる。従って、前記最終流下板27の上下長さを可及的に短縮化しつつ、前記最終流下板27から前記一対の第2脱ぷロール202へ供給される際の被処理物の姿勢を安定化させることできる。
また、圧送ファン62等により風選機構60に専用の選別風を発生させる代わりに、前記一対の第2脱ぷロール202の下流側に配置され得るメイン風選機構(図示せず)のファンによる選別風を利用することも可能である。
本実施形態における前記スリット領域29sは、図5〜図7に示すように、複数のスリット孔63と、前記スリット孔63の被処理物落下方向上流側に隣接された切り起こし部64とを有し、前記切り起こし部64は、前記上流側流下板29が位置する平面を基準にして被処理物落下方向下流側へ行くに従って前記平面から前記上流側流下板29の上面側へ離間されている。
従って、前記切り起こし部64を設けることにより、風選別作用を確保しつつ、被処理物が前記上流側流下板29を流下する際の抵抗を可及的に抑えることができる。
27 最終流下板
29 上流側流下板
29s スリット領域
60 風選機構
61 選別風経路
63 スリット孔
64 切り起こし部
101 制御部
201 一対の第1脱ぷロール(前処理手段)
202 一対の第2脱ぷロール(一対の脱ぷロール)
Claims (3)
- 被処理物に対して所定の衝撃若しくは圧力を加える前処理手段と、前記前処理手段より下方に配置された一対の脱ぷロールと、前記前処理手段から前記脱ぷロールへ向けて被処理物を案内する流下板であって、少なくとも一部に通気性のスリット領域が設けられた流下板と、前記スリット領域を通過する被処理物に対して前記流下板の下面から上方へ抜ける選別風によって風選処理を行う風選機構とを備え、
前記流下板は、被処理物を前記一対の脱ぷロール間に案内する最終流下板と、前記最終流下板より被処理物の落下方向に関し一つ上流側に位置し且つ被処理物を前記最終流下板へ案内する上流側流下板とを含み、
前記スリット領域は、前記上流側流下板に形成されており、
前記風選機構は、前記選別風が前記上流側流下板に対して略直交する方向を向いた状態で該上流側流下板の下面から上面へ抜けるように前記選別風を案内する選別風経路を有しており、
前記スリット領域は、複数のスリット孔と、前記スリット孔の被処理物落下方向上流側に隣接された切り起こし部とを有し、
前記切り起こし部は、前記上流側流下板が位置する平面を基準にして被処理物落下方向下流側へ行くに従って前記平面から前記上流側流下板の上面側へ離間されていることを特徴とする脱ぷ装置。 - 前記前処理手段は、被処理物に対して一次脱ぷ処理を行う一対の第1脱ぷロールであり、前記一対の脱ぷロールは、前記一次脱ぷ処理後の被処理物に対して脱ぷ処理を行う一対の第2脱ぷロールであることを特徴とする請求項1に記載の脱ぷ装置。
- 前記一対の第1脱ぷロールは、互いの間に設けられた隙間が一定となるように位置制御され、
前記一対の第2脱ぷロールは、所定圧力で互いに押圧されていることを特徴とする請求項2に記載の脱ぷ装置。
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