JP2009072674A - 脱ぷ装置 - Google Patents

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明徳 坂本
Isamu Miyawaki
勇 宮脇
Tomoyoshi Mitsuhata
友啓 光畑
Tadakame Matsushita
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Abstract

【課題】一対の脱ぷロールへの被処理物の供給を安定して行うことができ、且つ、一対の脱ぷロール間の圧接力を上げ過ぎることなく脱ぷ率を向上させることができる脱ぷ装置を提供する。
【解決手段】一対の脱ぷロール20を有する脱ぷユニット5と前記脱ぷユニット5の上方に配置された原料タンク4とを備え、前記原料タンク4から供給される被処理物を前記一対の脱ぷロール20によって籾摺り処理する脱ぷ装置1であって、前記原料タンク4は、貯留される被処理物を攪拌する攪拌棒41を有する攪拌機構40を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、脱穀した穀物を籾摺りするための脱ぷ装置に関する。
従来から、互いに圧接された一対の脱ぷロールの上方に原料タンク及びホッパを設け、原料タンクに収容された被処理物(籾原料)をホッパによって一対の脱ぷロール間に供給し、ロールの回転によって脱ぷロール間に挟まれた穀物の籾摺りを行う脱ぷ装置が公知である。
このような脱ぷ装置においては、原料タンクから一対の脱ぷロールへ被処理物の供給量を該一対の脱ぷロールの脱ぷ能力に一致させ得るように、供給量調整機構が備えられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、供給量調整機構が備えられていても、原料タンク内において被処理物が何れかに偏り、均一に吐出されないブリッジ現象が生じると、一対の脱ぷロールへの被処理物の供給量が変動し、脱ぷ率が悪化する。
また、一対の脱ぷロール間の圧接力は、該一対の脱ぷロールへの被処理物の供給量に応じて調整される。例えば、被処理物の供給量を増加させるとともに、前記一対の脱ぷロール間の圧接力を上昇させることにより、一対の脱ぷロールによる脱ぷ率を向上させることができる。
しかしながら、一対の脱ぷロール間の圧接力を上昇させ過ぎると、脱ぷ率が向上する反面、籾摺りの際に穀粒を損傷させてしまい歩留まりが悪化する。
特開平11−319589号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、一対の脱ぷロールへの被処理物の供給を安定して行うことができ、且つ、一対の脱ぷロール間の圧接力を上げ過ぎることなく脱ぷ率を向上させることができる脱ぷ装置の提供を、一の目的とする。
本発明に係る脱ぷ装置は、上記課題を解決するためになされたものであり、一対の脱ぷロールを有する脱ぷユニットと前記脱ぷユニットの上方に配置された原料タンクとを備え、前記原料タンクから供給される被処理物を前記一対の脱ぷロールによって籾摺り処理する脱ぷ装置であって、前記原料タンクは、貯留される被処理物を攪拌する攪拌棒を有する攪拌機構を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の脱ぷ装置によれば、一対の脱ぷロールを有する脱ぷユニットの上方に配置された原料タンクにおいて、貯留される被処理物が攪拌機構の攪拌棒により攪拌される。
このように、攪拌棒によって原料タンク内を攪拌することにより、原料タンク内における被処理物のブリッジ現象を防止し、一対の脱ぷロールへの被処理物の供給を安定して行うことができる。加えて、前記攪拌棒が被処理物に接触したり、攪拌棒によって攪拌される被処理物同士が接触することにより、被処理物の籾殻表面に切れ目や裂け目等の易脱ぷ部を形成する易脱ぷ処理を行うことができる。従って、原料タンクに後続する脱ぷユニットの一対の脱ぷロールにおいて一対の脱ぷロール間の圧接力を上げ過ぎることなく被処理物をより高い脱ぷ率で脱ぷ処理することができる。
好ましくは、前記攪拌機構は、駆動源に作動連結された状態で略上下方向に延びる回転軸と、前記回転軸に連結された第1攪拌棒と、前記第1攪拌棒より下方において前記回転軸に連結された第2攪拌棒とを備え、前記第2攪拌棒は、前記回転軸に連結される基端部から自由端部へ向かうに従って上方且つ前記回転軸の回転方向下流側へ延びる傾斜領域を有している。
この場合、被処理物は、第1攪拌棒及び第2攪拌棒が略上下方向に延びる回転軸回りに回転することにより、攪拌される。第1攪拌棒より下方の第2攪拌棒は、回転軸に連結される基端部から自由端部に向かうに従って上方且つ回転軸の回転方向下流側へ延びる傾斜領域を有しているため、攪拌作用及び易脱ぷ処理作用に加えて、被処理物を排出口へ送る移送作用を奏することになる。
従って、原料タンクから脱ぷユニットへの被処理物の供給をより効率的に行うことができる。
より好ましくは、前記原料タンクは、上部が略円筒形状とされ且つ下部が下方へ行くに従って縮径された逆円錐形状とされており、前記第1攪拌棒は、前記原料タンクの上部内に配置され、前記第2攪拌棒は、前記原料タンクの下部内に配置されている。
この場合、第1攪拌棒が略円筒形状の原料タンク上部内に配置され、第2攪拌棒が下方に行くに従って縮径された逆円錐形状の原料タンク下部内に配置される。
従って、前記原料タンクの下部を逆円錐形状とすることにより、前記原料タンクの排出口から前記脱ぷユニットの受入口への被処理物の供給を容易に行いつつ、前記原料タンクの下部が下方へ行くに従って縮径されることによる搬送抵抗の増加を前記第2攪拌棒による移送作用によって補填することができる。よって、原料タンクから脱ぷユニットへの被処理物の供給を安定的に行うことができる。
より好ましくは、前記原料タンクから前記一対の脱ぷロールへの被処理物の移動経路を選択的に開放又は遮断するシャッタ機構をさらに備え、前記攪拌機構は、前記シャッタ機構の開放状態から遮断状態への移行に応じて駆動停止するように構成されている。
この場合、原料タンクから一対の脱ぷロールへの被処理物の移動経路を選択的に開放又は遮断するシャッタ機構が開放状態から遮断状態へ移行すると、これに応じて攪拌機構の駆動が停止される。
ここで、シャッタ機構が遮断状態となると、原料タンク内の被処理物は一対の脱ぷロールへは移送されないため、原料タンク内に滞留することとなる。この状態で、被処理物が攪拌機構によって攪拌され続けられると、攪拌棒との過接触及び/又は被処理物同士の擦れ合い過多により摩擦熱が生じ、被処理物が損傷してしまう場合がある。
これに対し、シャッタ機構が遮断状態となるに応じて攪拌機構の駆動が停止されることにより、被処理物が前記攪拌棒との過接触、及び/又は、被処理物同士の擦れ合いによる摩擦熱によって損傷するという不都合が生じることを有効に防止でき、結果物の品質をより高くすることができる。
本発明に係る脱ぷ装置によれば、攪拌棒によって原料タンク内を攪拌することにより、原料タンク内における被処理物のブリッジ現象を防止し、一対の脱ぷロールへの被処理物の供給を安定して行うことができる。加えて、前記攪拌棒が被処理物に接触したり、攪拌棒によって攪拌される被処理物同士が接触することにより、被処理物の籾殻表面に切れ目や裂け目等の易脱ぷ部を形成する易脱ぷ処理を行うことができる。従って、原料タンクに後続する脱ぷユニットの一対の脱ぷロールにおいて一対の脱ぷロール間の圧接力を上げ過ぎることなく被処理物をより高い脱ぷ率で脱ぷ処理することができる。
以下、本発明に係る脱ぷ装置の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態における脱ぷ装置の正面断面図であり、図2は、図1の脱ぷ装置における脱ぷユニット近傍の拡大図であり、図3は、図1の脱ぷ装置における原料タンク内部の攪拌機構の斜視図である。
本発明の一実施形態における脱ぷ装置1は、図1に示すように、一対の脱ぷロール20を有する脱ぷユニット5と前記脱ぷユニット5の上方に配置され、穀物等の被処理物を貯留する原料タンク4とを備え、前記原料タンク4から供給される被処理物を前記一対の脱ぷロール20によって籾摺り処理するものである。
本実施形態の脱ぷ装置1は、図1及び図2に示すように、上部に前記原料タンク4から供給される被処理物を受け入れる受入口31が設けられた脱ぷケース10として、上方及び下方が開口(上方開口2a及び下方開口2b)された機枠2と、前記上方開口2aに設けられた上部機枠3とを有し、前記上部機枠3の上方に前記原料タンク4が設けられている。
上部機枠3には、前記上部機枠3の内部且つ前記原料タンク4の下方に設けられ、前記機枠2内の一対の脱ぷロール20に被処理物を導入するための受入口31と、前記原料タンク4から前記一対の脱ぷロール20への被処理物の移動経路を選択的に開放又は遮断するシャッタ機構50と、前記上部機枠3の内部に支持され、前記受入口31から導入された被処理物を整列させる案内板34とが設けられている。
前記シャッタ機構50は、前記受入口31に設けられた開閉弁32と、前記上部機枠3の外部に設けられ、前記開閉弁32を開閉駆動させる開閉駆動部33とを有している。
本実施形態においては、開閉駆動部33の駆動源として電動モータを用い、開閉駆動部33と前記開閉弁32とを作動連結するシャフトをモータ軸回転により水平移動させて、開閉弁31を水平移動させることにより、受入口31が開放される開放状態と受入口31が遮断される遮断状態とが切り替えられる。
なお、シャッタ機構50は、本実施形態のように脱ぷユニット5に設けられてもよいが、原料タンク4に設けられることとしてもよい。
また、上部機枠3には、前記シャッタ機構50の下方に受入口31の直下に配設された定量供給機構30を備えている。前記定量供給機構30は、前記上部機枠3の内部且つ前記案内板34の下方に前記案内板34の傾斜に沿った方向に回転可能に支持され、前記一対の脱ぷロール20に被処理物を順次定量的に導入する羽根車状の繰り込みロール35と、前記案内板34に前記繰り込みロール35を挟んで漏斗状に対向配置された状態で上端が回動支点37回り回動可能に支持され、当該回動支点37回りに回動させることにより繰り込みロール35との間隙を調整可能な調整板36とが設けられている。
また、前記一対の脱ぷロール20は、固定軸21が機枠2に軸支されることにより、固定軸21回りに回転可能に支持された固定ロール22と、固定軸21と略平行な可動軸23が機枠2に軸支されることにより、可動軸23回りに回転可能に支持され、前記可動軸23を移動させて当該可動軸23及び固定軸21間の距離を調整可能な可動ロール24とを有する。
前記固定ロール22及び可動ロール24は、機枠2外に設けられた駆動源(図示せず)の駆動力が駆動源との間で掛け回された駆動ベルト(図示せず)を介して伝達されることにより、互いに逆方向に異なる周速度で回転される。なお、前記繰り込みロール35も駆動ベルトを介して同じ駆動源からの駆動力により被処理物を一対の脱ぷロール20に導入させる方向に回転される。
前記機枠2には、前記上部機枠3に設けられた案内板34から被処理物を前記脱ぷロール20へと案内する流下板が設けられている。前記流下板は、被処理物を前記一対の脱ぷロール間に案内する最終流下板27であって、基端部が前記一対の脱ぷロール20の上方且つ当該一対の脱ぷロール20と略平行に設けられた枢支軸26に相対回転不能に支持された最終流下板27と、前記最終流下板27より被処理物の落下方向に関し1つ上流側に位置し且つ被処理物を前記最終流下板27へ案内する上流側流下板29とを含んでいる。
前記最終流下板27は、可動ロール24が固定ロール22に圧接した状態で、最終流下板27の先端部が両ロール22,24の圧接領域に向かうように位置されている。
ここで、上記構成の脱ぷ装置1における籾摺り作業の流れを説明する。
まず、駆動部を作動させて固定ロール22、可動ロール24及び繰り込みロール35を回転させた状態で、開閉駆動部33により開閉弁32を開放することにより、原料タンク4に貯留されている被処理物が受入口31から下方へ落下する。落下した被処理物は、その下方にある案内板34と調整板36とにより形成された流路を滑落し、繰り込みロール35に供給される。
繰り込みロール35に供給された被処理物は、繰り込みロール35の回転により、繰り込みロール35及び調整板36の間隙の大きさに応じて、順次定量の被処理物を上方開口2aを通じて機枠2内の一対の脱ぷロール20へ供給する。一対の脱ぷロール20への供給量を変更する場合には、調整ねじ(図示せず)を用いて回動視点37回りに調整板36を回動させることにより調整板36の傾斜角を変更して、繰り込みロール35及び調整板36の間隙の大きさを変更する。
定量供給機構30から供給された被処理物は、上流側流下板29及び最終流下板27の表面を滑落して、機枠2の上方開口2aから最終流下板27の先端部が向けられた一対の脱ぷロール20の間の圧接領域に供給される。このとき、上流側流下板29では、被処理物に対して後述する風選別が行われ、最終流下板27を滑落することにより、被処理物が加速されるとともに、被処理物が幅方向に均質に(薄く)整列した状態で一対の脱ぷロール20へ供給される。そして、供給された被処理物は、前記一対の脱ぷロール20間の圧接領域において籾摺り処理され、下方開口2bから排出される。下方開口2bには、風選別装置等(図示せず)が配置され、籾摺りされた穀粒と籾殻とが選別される。
ここで、本実施形態の脱ぷ装置1における原料タンク4の構成について説明する。
本実施形態における前記原料タンク4は、図1及び図3に示すように、貯留される被処理物を攪拌する複数の攪拌棒41を有する攪拌機構40を備えている。
より具体的には、前記攪拌機構40は、前記原料タンク4の上面に設けられた駆動源(電動モータ)43に作動連結された状態で略上下方向に延びる回転軸42と、前記回転軸42に連結された複数の第1攪拌棒41aと、前記第1攪拌棒41aより下方において前記回転軸42に連結された複数の第2攪拌棒41bとを備えている。
前記回転軸42は、基端部が前記駆動源43と作動連結された状態で支持され、回転軸42の中間部が支持アーム44により軸線回り回転可能に支持されている。前記支持アーム44は、前記原料タンク4の上部4aにおける下端近傍の内壁に固定される。好ましくは、前記支持アーム44は、前記原料タンク4の内壁の円周方向に等間隔で複数の固定端を有している。
前記第1攪拌棒41aは、図3に示すように、前記回転軸42から略直交する方向へ延びている。また、前記第2攪拌棒41bは、前記回転軸42に連結される基端部から自由端部へ向かうに従って上方且つ前記回転軸42の回転方向下流側へ延びる傾斜領域を有している。
本実施形態において、前記原料タンク4は、上部4aが略円筒形状とされ且つ下部4bが下方へ行くに従って縮径された逆円錐形状とされており、前記第1攪拌棒41aは、前記原料タンク4の上部4a内に配置され、前記第2攪拌棒41bは、前記原料タンク4の下部4b内に配置されている。
本実施形態において、前記原料タンク4の上面には、被処理物を投入する投入口45が設けられている。前記原料タンク4の上部4aには、原料タンク4内の被処理物の量が所定値以上か否かを検知するレベル計46が設けられており、原料タンク4内の被処理物の量が所定値以上となった場合、脱ぷ装置1の作動を停止したり、作業者に報知することにより、所定値以上被処理物の入れ過ぎや目詰まりによって、攪拌能力が低下したり、攪拌機構40が故障することを未然に防止することとしている。
上記構成の脱ぷ装置1によれば、一対の脱ぷロール20を有する脱ぷユニット5の上方に配置された原料タンク4において、貯留される被処理物が攪拌機構40により攪拌される。より具体的には、駆動源43の駆動力により回転軸42が軸線回りに回転することにより、前記回転軸42に固定された第1攪拌棒41a及び第2攪拌棒41bが略上下方向に延びる回転軸42の軸線回りに回転することにより、原料タンク4内の被処理物を攪拌させる。
このように、攪拌棒41によって原料タンク4内を攪拌することにより、原料タンク4内における被処理物のブリッジ現象を防止し、一対の脱ぷロール20への被処理物の供給を安定して行うことができる。加えて、前記攪拌棒41が被処理物に接触したり、攪拌棒41によって攪拌される被処理物同士が接触することにより、被処理物の籾殻表面に切れ目や裂け目等の易脱ぷ部を形成する易脱ぷ処理を行うことができる。従って、原料タンク4に後続する脱ぷユニット5の一対の脱ぷロール20において一対の脱ぷロール20間の圧接力を上げ過ぎることなく被処理物をより高い脱ぷ率で脱ぷ処理することができる。
加えて、第1攪拌棒41aより下方の第2攪拌棒41bは、回転軸42に連結される基端部から自由端部に向かうに従って上方且つ回転軸の回転方向下流側へ延びる傾斜領域41bsを有しているため、攪拌作用及び易脱ぷ処理作用に加えて、被処理物を排出口(上部機枠3の受入口31)へ送る移送作用を奏することになる。
従って、原料タンク4から脱ぷユニット5への被処理物の供給をより効率的に行うことができる。
さらに、第1攪拌棒41aが略円筒形状の原料タンク上部4a内に配置され、第2攪拌棒41bが下方に行くに従って縮径された逆円錐形状の原料タンク下部4b内に配置される。
従って、前記原料タンク4の下部4bを逆円錐形状とすることにより、前記原料タンク4の排出口から前記脱ぷユニット5の受入口31への被処理物の供給を容易に行いつつ、前記原料タンク4の下部4bが下方へ行くに従って縮径されることによる搬送抵抗の増加を前記第2攪拌棒41bによる移送作用によって補填することができる。よって、原料タンク4から脱ぷユニット5への被処理物の供給をより安定的に行うことができる。
なお、本実施形態においては、複数の第1攪拌棒41a及び複数の第2攪拌棒41bを用いた構成について説明したが、必ずしも複数でなくてもよく、1本でもよい。
本実施形態において、前記攪拌機構40は、前記シャッタ機構50の開放状態から遮断状態への移行に応じて駆動停止するように構成されている。
この場合、原料タンク4から一対の脱ぷロール20への被処理物の移動経路を選択的に開放又は遮断するシャッタ機構50が開放状態から遮断状態へ移行すると、これに応じて攪拌機構40の駆動が停止される。
ここで、シャッタ機構50が遮断状態となると、原料タンク4内の被処理物は一対の脱ぷロール20へは移送されないため、原料タンク4内に滞留することとなる。この状態で、被処理物が攪拌機構40によって攪拌され続けられると、攪拌棒41との過接触及び/又は被処理物同士の擦れ合い過多により摩擦熱が生じ、被処理物が焦げる等の損傷を生じてしまう場合がある。
これに対し、シャッタ機構50が遮断状態となるに応じて攪拌機構40の駆動が停止されることにより、被処理物が前記攪拌棒41との過接触、及び/又は、被処理物同士の擦れ合いによる摩擦熱によって損傷するという不都合が生じることを有効に防止でき、結果物の品質をより高くすることができる。
上記構成を実現するために、前記脱ぷ装置1は、前記シャッタ機構50の状態を検出するセンサ(図示せず)及び当該センサからの信号に基づいて前記攪拌機構40の駆動源43を作動制御する制御部(図示せず)とを備えている。
なお、前記攪拌機構40が前記シャッタ機構50の開放状態から遮断状態への移行に応じて駆動停止する構成には、前記シャッタ機構50の遮断状態への移行と略同時に駆動が停止される構成に加えて、前記シャッタ機構50が遮断状態へ移行してから所定時間経過後に駆動が停止される構成が含まれる。
次に、本実施形態の脱ぷ装置1における前記流下板27,29について説明する。
本実施の形態において、前記流下板のうち、前記上流側流下板29には、図2に示すように、通気性のスリット領域が設けられており、前記脱ぷ装置1は、前記スリット領域29sを通過する被処理物に対して風選処理を行う風選機構60を有している。
前記風選機構60は、前記上部機枠3内に選別風が前記上流側流下板29に対して略直交する方向を向いた状態で該上流側流下板29の下面から上面へ抜けるように前記選別風を案内する選別風経路61を有している。
本実施形態において、前記風選機構60は、前記上部機枠3における前記選別風経路61の上流側(前記上流側流下板29の下面側)の外壁に設けられた吸気口65に配設された圧送ファン62を備えており、選別風経路61内を圧送することにより搬送風を生じさせている。
上記構成によれば、被処理物が上流側流下板29により案内される際、当該上流側流下板29に設けられた通気性のスリット領域29sに対し、風選機構60の圧送ファン62からの選別風が当該上流側流下板29に対して略直交する方向を向いた状態で上流側流下板29の下面から上面へ抜けるように案内されることにより風選処理が行われる。これにより、上流側流下板29を通過する被処理物のうち、比重の軽い不純物は、選別風経路61を通じて当該選別風経路61の下流側(前記上流側流下板29の上面側)の外壁に設けられた排出口66から脱ぷ装置1の外部に送られるため、前記不純物が一対の脱ぷロール20へ供給されることが防止される。
これにより、前記攪拌機構40によって生じた籾カスや埃等の不純物が被処理物とともに前記一対の脱ぷロール20へ供給されることを有効に防止又は低減することができる。従って、前記一対の脱ぷロール20による脱ぷ処理の効率化を図ることができる。
また、風選機構60からの選別風により、前記スリット領域29sにおいて被処理物を前記上流側流下板29の幅方向(一対の脱ぷロール20の駆動軸21,23に平行な方向)に拡散させることができる。従って、被処理物を前記一対の脱ぷロール20に対して該脱ぷロール20の駆動軸方向全域に略均等量で供給することができる。
さらに、最終流下板27より1つ上流側に位置する上流側流下板29にて風選機構60による風選別を行うことにより、前記風選機構60の圧送ファン62からの選別風が前記一対の脱ぷロール20間に作用することを防止しつつ、不純物の風選処理を行うことができる。
加えて、前記上流側流下板29に前記スリット領域29sを設けることにより、前記最終流下板27を枢支軸26回りに回動させても前記スリット領域29sの位置が変わることがないため、選別風経路61を変更することなく、前記一対の脱ぷロール20の摩耗に応じて前記最終流下板27の傾斜角度を変更させることができる。
また、風選別を行うことにより、被処理物が前記上流側流下板29から落下して前記最終流下板27へ衝突する際の衝撃を選別風によって緩和させることができる。従って、前記最終流下板27の上下長さを可及的に短縮化しつつ、前記最終流下板27から前記一対の脱ぷロール20へ供給される際の被処理物の姿勢を安定化させることできる。
なお、本実施形態の風選機構60は、圧送式の圧送ファン62を用いたが、前記上部機枠3における前記選別風経路61の下流側(前記上流側流下板29の上面側)の外壁に設けられた排出口66に吸引ファンを配設し、選別風経路61内を吸引することにより搬送風を生じさせることとしてもよい。
また、圧送ファン62等により風選機構60に専用の選別風を発生させる代わりに、前記一対の脱ぷロール20の下流側に配置され得るメイン風選機構(図示せず)のファンによる選別風を利用することも可能である。
ここで、本実施形態における前記スリット領域29sについてより詳しく説明する。図4に、本実施形態における上流側流下板29の上面図を示す。また、図5に、図4のV−V断面図を示し、図6に、図4のVI−VI断面図(被処理物の搬送方向上流側から見た断面図)を示す。
本実施形態における前記スリット領域29sは、図4〜図6に示すように、複数のスリット孔63と、前記スリット孔63の被処理物落下方向上流側に隣接された切り起こし部64とを有し、前記切り起こし部64は、前記上流側流下板29が位置する平面を基準にして被処理物落下方向下流側へ行くに従って前記平面から前記上流側流下板29の上面側へ離間されている。
この場合、上流側流下板29のスリット領域29sに案内された被処理物は、複数のスリット孔63の被処理物落下方向上流側に隣接された切り起こし部64において、当該切り起こし部64の形状に応じて前記上流側流下板29が位置する平面を基準にして被処理物落下方向下流側へ行くに従って前記平面から前記上流側流下板29の上面側へ離間される(前記平面に対して浮き上がる)ように案内される。この状態で、前記切り起こし部64の被処理物落下方向下流側にある前記複数のスリット孔63から選別風が抜けることにより、被処理物に対して風選別が行われる。
従って、前記切り起こし部64を設けることにより、風選別作用を確保しつつ、被処理物が前記上流側流下板29を流下する際の抵抗を可及的に抑えることができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、本実施形態における一対の脱ぷロール20は、固定ロール22及び可動ロール24を1つずつ用いた構成であるが、図7に示すように、当該一対の脱ぷロール20の駆動軸21,23方向にそれぞれ複数(2つ)の固定ロール22及び可動ロール24を直列に並べて配設された一対の脱ぷロール200を適用することとしてもよい。
これにより、脱ぷ処理面積を容易に拡大することができる。脱ぷ処理面積を拡大することにより、単位時間あたりに脱ぷ処理する被処理物の量が同じでも単位面積あたりの被処理物の供給量を少なくすることができるため、より低い脱ぷ圧で良好な脱ぷ率を得ることができる。従って、被処理物の品質を高く保持しながら、より高い脱ぷ率を得ることができ、しかも、一対の脱ぷロール200の寿命をより長くすることができる。
図1は、本発明の一実施形態における脱ぷ装置の正面断面図である。 図2は、図1の脱ぷ装置における脱ぷユニット近傍の拡大図である。 図3は、図1の脱ぷ装置における原料タンク内部の攪拌機構の斜視図である。 図4は、本実施形態における上流側流下板の上面図である。 図5は、図4のV−V断面図である。 図6は、図4のVI−VI断面図である。 図7は、本発明に係る他の実施形態の脱ぷ装置における一対の脱ぷロール近傍の斜視図である。
符号の説明
1 脱ぷ装置
4 原料タンク
4a 原料タンク上部
4b 原料タンク下部
5 脱ぷユニット
10 脱ぷケース
20 一対の脱ぷロール
27 最終流下板
29 上流側流下板
29s スリット領域
31 受入口
40 攪拌機構
41 攪拌棒
41a 第1攪拌棒
41b 第2攪拌棒
41bs 傾斜領域
42 回転軸
43 駆動源
50 シャッタ機構
60 風選機構
61 選別風経路
63 スリット孔
64 切り起こし部

Claims (4)

  1. 一対の脱ぷロールを有する脱ぷユニットと前記脱ぷユニットの上方に配置された原料タンクとを備え、前記原料タンクから供給される被処理物を前記一対の脱ぷロールによって籾摺り処理する脱ぷ装置であって、
    前記原料タンクは、貯留される被処理物を攪拌する攪拌棒を有する攪拌機構を備えていることを特徴とする脱ぷ装置。
  2. 前記攪拌機構は、駆動源に作動連結された状態で略上下方向に延びる回転軸と、前記回転軸に連結された第1攪拌棒と、前記第1攪拌棒より下方において前記回転軸に連結された第2攪拌棒とを備え、
    前記第2攪拌棒は、前記回転軸に連結される基端部から自由端部へ向かうに従って上方且つ前記回転軸の回転方向下流側へ延びる傾斜領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の脱ぷ装置。
  3. 前記原料タンクは、上部が略円筒形状とされ且つ下部が下方へ行くに従って縮径された逆円錐形状とされており、
    前記第1攪拌棒は、前記原料タンクの上部内に配置され、前記第2攪拌棒は、前記原料タンクの下部内に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の脱ぷ装置。
  4. 前記原料タンクから前記一対の脱ぷロールへの被処理物の移動経路を選択的に開放又は遮断するシャッタ機構をさらに備え、
    前記攪拌機構は、前記シャッタ機構の開放状態から遮断状態への移行に応じて駆動停止するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の脱ぷ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013064036A1 (zh) * 2011-10-31 2013-05-10 Wang Hongfu 搅拌剥除谷物和油料作物籽粒皮层的方法

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