JP5184033B2 - 免疫調節剤 - Google Patents
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Description
βグルカンの場合、このような作用は、分子量に依存しており、ある一定範囲の分子量が必要であると考えられてきた。
また、β−1,3−グリコシド結合とβ−1,6−グリコシド結合を主体とする、β−1,3-1,6−D−グルカンは、これよりもさらに大きい分子量数十万以上のものが免疫調節作用があり、健康食品として利用されている。(たとえば特許文献2参照)
しかし、これらのβグルカンは水溶性が低いため飲食品や医薬品へ広く適用することができず、また、強い免疫調節作用が得られないという問題があった。
すなわち、本発明は、質量平均分子量が500〜3000であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを有効成分とする免疫調節剤であって、
上記質量平均分子量が500〜3000であるβ−1,3−1,4−D−グルカンが、グルコース重合度が3〜12の範囲内であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを70質量%以上含有し、且つグルコース重合度が4〜6の範囲内であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを20質量%以上含有することを特徴とする免疫調節剤を提供するものである。
また、本発明は、上記免疫調節剤を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
本発明の免疫調節剤は質量平均分子量が500〜9000であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを有効成分とするものである。
以下、本発明の免疫調節剤の有効成分である、質量平均分子量が500〜9000であるβ−1,3−1,4−D−グルカン(以下、低分子βグルカンともいう)について詳細に述べる。
500未満や9000を超えると、高い免疫調節活性が得られず、また、9000を超えると高い水溶性が得られない問題もある。
20質量%未満であると、高い免疫調節活性を示す免疫調節剤が得られないおそれがある。なお、上限については、100質量%である。
なお、上限については、特に制限はないが、10種である。
該濃縮処理としては、上記穀類やその加工品から、温水、冷水、あるいは有機溶媒等を用いた抽出処理や、上記穀類やその加工品を粉砕後分級した分画処理が挙げられる。
従って、高い免疫調節機能を有する上記低分子βグルカンを得るためには、β−1,3−1,4−D−グルカンを重合度2以下まで加水分解しない酵素を使用することが好ましい。
なお、リケナーゼは、β−1,3−1,4−D−グルカンのβ−1,3−グリコシド結合を認識して、β−1,3−グリコシド結合のグルコピラノシルをその還元末端側に存在するβ−1,4−グリコシド結合を加水分解する酵素である。
従って、リケナーゼ活性を持つ酵素による加水分解処理は、大麦やオーツ麦由来のβグルカンをその分子内のβ−1,3−グリコシド結合を認識して、その還元末端側に存在するβ−1,4−グリコシド結合を加水分解するので、グルコースや2糖であるセロビオースを生成させることなく、上記低分子βグルカンを製造するために最も適している。そして得られた低分子βグルカンは、β−1、3−D−結合を還元末端側に1個だけ有し、その他は全てβ−1、4−D−結合であり、直鎖状のβ−1、3−1、4−グルカンとなり、この低分子βグルカンは、本発明の免疫調節剤の主要構成成分となる。
βグルカンの分子量範囲と質量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィーを使用し測定した。その詳細な測定方法としては、以下の通りとした。
なお、ゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量範囲が180以上3000未満であり、質量平均分子量が180以上2000以下と測定された低分子βグルカンの各重合度のβグルカン毎の含有量、及び、上記低分子βグルカンをゲル濾過クロマトグラフィーにて分画して得たサンプルの分子量については、ゲルろ過クロマトグラフィーに代えて、TOF−MSを用いて分子量確認を行った。その詳細な測定方法としては、以下の通りとした。
βグルカンの5mgをチューブに取り、1mlの蒸留水を加えて、沸騰水中で溶解させた。0.22μmのフィルターを通してHPLC用のサンプルとした。分離カラムは、HPLCゲル濾過カラムであるShodexのパックドカラムSUGAR KS−804+SUGAR KS−802(連結カラム、昭和電工社製)を用い、流速0.5ml/min.、温度50℃、検出にはRI検出器、分離溶媒は水で実施した。
βグルカンの10mgをチューブに取り、1mlの水/メタノール(1:1)混合溶液を加えて溶解させ、測定試料とした。Matrixは10mgの2,5−DihydroxybenzoicAcidを1mlメタノールに溶解させて使用した。TOF−MSシステムはVoyager-DETM STR (PerSeptive Biosystems社製)を用いた。測定は、測定試料2μl、Matrix 20μlとし、測定モードはAngiotensin Reflector (Psitive)、測定分子量範囲を 3000以下とした。さらに、検出されたピーク面積値から各分子量のβグルカン含量を求めた。
〔βグルカンの確認〕
βグルカンであることの確認は、FT−IRを用いて行なった。すなわち、粉末状のサンプルを減圧乾燥機を用いて十分に乾燥させた。乾燥サンプル1mgに赤外スペクトル用KBr(キシダ化学)100mgを添加して、乳鉢で混合および微粒子化した。φ2mmの錠剤を形成し、SP1700(日本電子データム社製)を用いて測定し、解析ソフトWinspec50を用いて解析を行った。β結合の確認は898cm−1に特性吸収帯を持つことで確認し、同時にα結合(850〜860cm−1)が検出されないことを確認した。β結合を含有し、α結合が検出されないことをもって、測定したサンプルがβグルカンであること、とした。
β−1,3−1,4−D−βグルカンの純度検定は、メガザイム社のβグルカン測定キットを用いて、McCleary法(酵素法)により行った。
まず、500μm(30メッシュ)のふるいにかけた各分画物の水分含量を測定し、その10mgを17mlチューブに取り、50%エタノール溶液を200μl加え、分散させた。次に4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5) を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温した。よく混合し、さらに2分間、湯浴中で加熱した。50℃に冷却後、5分間放置してから、各チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、1時間、50℃にて反応させた。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、5ml加えて、静かに混合した。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得た。100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシターゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間、反応させた。3mlのグルコースオキシターゼ/ペルオキシターゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定した。β−1,3-1,4−D−グルカン含有量は、次式により求めた。
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度)
W=算出された無水物質量(mg)
ガスクロマトグラフィーを用いて結合様式解析を行った。すなわち、十分に乾燥させた低分子βグルカンを含有するサンプル3mgに蒸留水1mlを加えて撹拌し、1Nアンモニア水を添加してアルカリ雰囲気下にした後、水素化ホウ素ナトリウムを2mg加えて室温で2時間放置した。イオン交換樹脂を用いて中和したあと濃縮・乾固させた。乾固したサンプルにDMSO 0.5mlを加えた。サンプルを溶解させた後、NaOH 60mgを加えてN2充填して密封し、室温で1時間撹拌した。ヨウ化メチル0.1mlを加えて室温で1時間、40℃で0.5時間、50℃で0.5時間、60℃で1時間撹拌した。N2を吹き付けてヨウ化メチルを除去したあと、メチル化糖をクロロホルム抽出して、濃縮した。
氷冷下で72%硫酸 0.1mlを加えて1時間放置した。蒸留水0.8mlを加えて硫酸を希釈し、100℃で4時間加熱した。炭酸バリウムを適量加えて中和し、上清はイオン交換樹脂を用いて脱塩した。濃縮したものに蒸留水1mlを加えて撹拌し、1Nアンモニア水を添加してアルカリ雰囲気下にしたあと、水素化ホウ素ナトリウムを2mg加えて室温で2時間放置した。イオン交換樹脂を用いて中和したあと濃縮・乾固させた。無水酢酸0.1mlとピリジン0.1mlを加えて100℃で2時間加熱した。蒸留水1mlを加えてよく撹拌し、濃縮した。
クロロホルム100μlを加えて溶解し、そのうち1μlをガスクロマトグラフィー分析用サンプルとした。
ガスクロマトグラフィーは、キャピラリーカラム(CP-SIL 13CB 50m×0.25mm I.D.0.25μm VARIAN社製)を用いて、キャリアガスはHe、カラム温度185℃、注入口温度250℃、検出器は水素炎イオン化検出器を用いた。
非還元末端Glcは、1位及び5位がアセチル化、2位、3位、4位及び6位がメチル化した部分メチル化グルシトール(保持時間13.5min.)、β−1,4−グリコシド結合由来Glcは、1位、4位及び5位がアセチル化、2位、3位及び6位がメチル化した部分メチルグルシトール(保持時間19.7min.)、β−1,3−グリコシド結合由来Glcは、1位、3位及び5位がアセチル化、2位、4位及び6位がメチル化した部分メチルグルシトール(保持時間18.9min.)、β−1,3−グリコシド結合還元末端Glcは、3位のみがアセチル化、1位、2位、4位、5位及び6位がメチル化した部分メチルグルシトール(19.1min.)、β−1,4−グリコシド結合還元末端Glcは、4位のみがアセチル化、した部分メチルグルシトール(20.0min.)として検出された。
市販の大麦βグルカン(大麦から抽出したβ−1,3−1,4−D−グルカン70質量%含有、製品名:大麦ベータグルカンE70-S、ADEKA社製)の1gを、4mMクエン酸緩衝液(pH6.0)100mlに添加して、70℃で15分間加温して十分に溶解させた。室温まで冷却した後、遠心分離(8000rpm、10分間)して上清を回収し、上清を凍結、融解させて再度、遠心分離(8000rpm、10分間)を行い、沈殿を回収した。この沈殿を乾燥させ粉末とし、分析例2に従ってβ−1,3−1,4−D−グルカン純度を測定したところ、90.1%であった。この粉末を4mMクエン酸緩衝液(pH6.0)100mlに溶解させた。リケナーゼ1000U/ml(Megazyme社製)の10倍希釈液を10μl添加して、40℃で24時間インキュベートした。沸騰水浴中で10分間加熱した後、室温まで冷却して凍結乾燥してサンプル1を得た。
サンプル1を分析例2に従って測定したところ、サンプル1はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン含量(純度)は89%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は500〜2500の範囲に検出され、質量平均分子量は880と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、単糖および2糖は検出されず、3糖は68質量%、4糖は25質量%、5糖は3質量%、6糖は1質量%、7〜12糖は3質量%であった。
市販の大麦βグルカン(大麦から抽出したβ−1,3−1,4−D−グルカン65質量%含有、製品名:大麦ベータグルカンC60-P、ADEKA社製)の10gを、100mlの蒸留水に添加し、70℃にて加熱しながら溶解させた。溶液を室温に戻した後、遠心分離(8000rpm、10分間)にて上清を得た。上清に2倍量のエタノールを加え、一昼夜、4℃に放置後、沈殿を遠心分離(8000rpm、10分間)にて回収し、凍結乾燥させ4.8gの乾燥物―1を得た。この乾燥物のβグルカン量を分析例2に従って測定したところ、純度は88.5%であった。この乾燥物−1を用いて実施例1と同様の操作を行ない、サンプル2を得た。
サンプル2を分析例2に従って測定したところ、サンプル2はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン含量(純度)は94%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は500〜2000の範囲に検出され、質量平均分子量は950と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、単糖および2糖は検出されず、3糖は65質量%、4糖は27質量%、5糖は4質量%、6糖は2質量%、7〜12糖は2質量%であった。
BarleyBetaGlucan(Megazyme社製)を用いて実施例1と同様の操作を行ない、サンプル3を得た。
サンプル3を分析例2に従って測定したところ、サンプル3はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン含量(純度)は96%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は500〜2000の範囲に検出され、質量平均分子量は720と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、単糖および2糖は検出されず、3糖は60質量%、4糖は33質量%、5糖は3質量%、6糖は1質量%、7〜12糖は1質量%であった。
OatBetaGlucan(Megazyme社製)を用いて実施例1と同様の操作を行ない、サンプル4を得た。
サンプル4を分析例2に従って測定したところ、サンプル4はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン含量(純度)は98%であった。また、分析例1に従って分析の結果、分子量は500〜2000の範囲に検出され、質量平均分子量は900と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、3糖は55質量%、4糖は34質量%、5糖は5質量%、6糖は4質量%、7〜12糖は2質量%であった。
市販の大麦βグルカン(大麦から抽出したβ−1,3−1,4−D−グルカン70質量%含有、製品名:大麦ベータグルカンE70-S、ADEKA社製)の1gを、4mMクエン酸緩衝液(pH6.0)100mlに添加して、70℃で15分間加温して十分に溶解させた。これにセレミックス2XL 300BGU/ml(Novozymes社製)を100μl添加して50℃で24時間インキュベートした。沸騰水浴中で10分間加熱した後室温まで冷却して凍結乾燥して、サンプル5を得た。
サンプル5を分析例2に従って測定したところ、サンプル5はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン含量(純度)は75%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は180〜2000の範囲に検出され、質量平均分子量は800と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、単糖は7.2質量%、2糖は8.3質量%、3糖は44質量%、4糖は21質量%、5糖は5質量%、6糖は2質量%、7〜12糖は4質量%であった。
実施例2で得た乾燥物―1を用いて、実施例5と同様の操作を行ない、サンプル6を得た。
サンプル6を分析例2に従って測定したところ、サンプル6はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン量(純度)を分析例2に従って測定したところ、88%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は180〜2500の範囲に検出され、質量平均分子量は1000と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、単糖は9質量%、2糖は5質量%、3糖は49質量%、4糖は20質量%、5糖は6質量%、6糖は3質量%、7〜12糖は5質量%であった。
BarleyBetaGlucan(Megazyme社製)を用いて実施例5と同様の操作を行ない、サンプル7を得た。
サンプル7を分析例2に従って測定したところ、サンプル7はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン量(純度)を分析例2に従って測定したところ、98%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は500〜2000の範囲に検出され、質量平均分子量は930と算出された。
さらに分析例1に従い、TOF−MSにて分子量を測定した結果、単糖は0質量%、2糖は0質量%、3糖は61質量%、4糖は32質量%、5糖は3質量%、6糖は2質量%、7〜12糖は2質量%であった。
サンプル5の1gを蒸留水10mlに溶解させた。0.22μmのフィルターを通したものを分取サンプルとした。分取条件は以下の通りとした。カラムはHPLC分取用ゲル濾過カラムであるTSK‐GEL OLIGO‐PW21.5*300(東ソー社製)を用い、分離溶媒は水を用い、流量2.0ml/min.、カラム温度40℃とし、検出にはRI検出機を用いた。フラクションコレクター(型番FC205 GILSON社製)を用いて、3糖(サンプル8)、4糖(サンプル9)、5糖(サンプル10)、6糖(サンプル11)、7糖〜12糖(サンプル12)の検出ピークを分取した。
分取サンプル700μlすなわち酵素分解生成物70mgから、3糖を22.1mg、4糖を5.7mg、5糖を1.8mg、6糖を1.1mg、7〜12糖を5.4mg回収した。上記と同様の作業を繰り返して、3糖、4糖、5糖、6糖、7糖〜12糖の分収を行い、分子量の確認と純度検定をTOF−MSにて実施した。
また、サンプル8〜12を分析例2に従って分析したところ、サンプル8〜12はβグルカンであることが確認された。
サンプル8〜12に含まれる単糖(分子量180)、2糖(分子量342)、3糖(分子量504)、4糖(分子量666)、5糖(分子量828)、6糖(分子量990)、7糖〜12糖(分子量1152〜1962)の含有量を表2にまとめて示した。
BarleyBetaGlucan(Megazyme社製)1gに4mMクエン酸Buffer(pH6.0)100mlを添加して70℃で15分間加温して十分に溶解させた。室温まで冷却した後、セレミックス2XL 300BGU/ml(Novozymes社製)を2μl添加して50℃で4時間インキュベートした。沸騰水浴中で10分間加熱した後室温まで冷却して凍結乾燥して、サンプル13を得た。
サンプル13を分析例2に従って測定したところ、サンプル13はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン量(純度)を分析例2に従って測定したところ、95%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は500〜4500の範囲に検出され、質量平均分子量は3200と算出された。
また、ゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、単糖は0質量%、2糖は0質量%、3糖は4.5質量%、4糖は2質量%、5糖は4質量%、6糖は5質量%、7〜12糖は12質量%であった。
BarleyBetaGlucan(Megazyme社製)1gに4mMクエン酸Buffer(pH6.0)100mlを添加して70℃で15分間加温して十分に溶解させた。室温まで冷却した後、セレミックス2XL 300BGU/ml(Novozymes社製)を1μL添加して50℃で6時間インキュベートした。沸騰水浴中で10分間加熱した後室温まで冷却して凍結乾燥して、サンプル14を得た。
サンプル14を分析例2に従って測定したところ、サンプル14はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン量(純度)を分析例2に従って測定したところ、94%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は500〜3500の範囲に検出され、質量平均分子量は2000と算出された。
また、ゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、単糖は0質量%、2糖は0質量%、3糖は10.0質量%、4糖は4.3質量%、5糖は5質量%、6糖は6質量%、7〜12糖は24.1質量%であった。
BarleyBetaGlucan(Megazyme社製)を比較サンプル1とした。比較サンプル1を分析例2に従って測定したところ、比較サンプル1はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン量(純度)を分析例2に従って測定したところ、96%であった。また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は、6万〜8万の範囲に単一のピークが認められ、質量平均分子量7万と算出された。
また、ゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、単糖、2糖、3糖、4糖、5糖、6糖、7〜12糖は0質量%、7万のピークは100質量%であった。
BarleyBetaGlucan(Megazyme社製)1gに4mMクエン酸Buffer(pH6.0)100mlを添加して70℃で15分間加温して十分に溶解させた。室温まで冷却した後、セレミックス2XL 300BGU/ml(Novozymes社製)を1μl添加して50℃で2時間インキュベートした。沸騰水浴中で10分間加熱した後室温まで冷却して凍結乾燥して、比較サンプル2を得た。
比較サンプル2を分析例2に従って測定したところ、比較サンプル2はβグルカンであることが確認され、また、そのβ−1,3−1,4−D−グルカン量(純度)を分析例2に従って測定したところ、94%であった。
また、分析例1に従ってゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、分子量は3000〜3万の範囲に検出され、質量平均分子量は1万と算出された。
また、ゲル濾過クロマトグラフィーにて分子量測定の結果、単糖、2糖、3糖、4糖、5糖、6糖は0質量%、7〜12糖は3.2質量%であった。
表4からわかるとおり、サンプル8は、非還元末端グルコース、3位にグルコシド結合を有する還元末端グルコース、及び、1位と4位にグルコシド結合を有するグルコースを含有するが、1位と3位にグルコシド結合を有するグルコース、及び、4位にグルコシド結合を有する還元末端グルコースを含有しないことから、β−1、3−D−結合を還元末端側に、β−1、4−D−結合を非還元末端側に有し、直鎖状のβ−1、3−1、4−グルカンであることが確認された。
C57−B6マウス(オス、6週齢)を頸椎脱臼させた後、下腹部から足首まで切開して膝関節を切断、筋を除去して骨を取り出した。2%FBSを含むRPMI培地で洗浄後、両端を切断して、シリンジを用いて骨髄腔から細胞を採取した。細胞は2%FBSを含むRPMI培地で洗浄後、溶血バッファーで処理し、遠心分離で回収して、さらに新たな10%FBSを含むRPMI培地に懸濁させBD-Falconセルストレーナー(40μm)に通した。最終的に10mlの骨髄細胞浮遊液を得た。細胞数を10%FBS含有RPMI培地にて5x105cells/mlに調整し、これにGM−CSF(PEPROTECH社製)を最終濃度で20ng/mlとなるよう添加し、96ウェルプレートへ200μ分注した。37℃で7日間培養した後、各サンプルをRPMI培地に溶解し、最終濃度で50μg/mlとなるように添加して3日間培養を続けた。
なお、陽性コントロールであるLPSは、1μg/mlとなるように添加し、3日間培養を続けた。陰性コントロールは、生理食塩水、グルコース、シュークロース、マルトース、セロビオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、ラミナリビオース、ラミナリトリオース、ラミナリテトラオースを用いた。
また、β−1,3-1,6−D−グルカンとしてアウレオバシジウム培養液から抽出したものをサンプルとして用いた。高分子β−1,3−1,4−D−グルカンとして大麦βグルカンMWスタンダード(Megazyme社製、純度97%以上、分子量35.9万)を用いた。
培養上清中に産生されたインターロイキン6(IL-6)の産生量をELISAキット(BDバイオサイエンス社製)を用いて測定した。
以上のように、実施例1〜10で得られたサンプル1〜14はIL-6の産生促進作用を有しており、樹状細胞の活性化、抗体産生やリンパ球の活性化に寄与するものと考えられ、低分子βグルカンの免疫調節作用が確認された。
次に、サンプルをICRマウスに経口投与し、脾臓細胞からのインターロイキン12(IL-12)産生を評価した。
実施例で得られたサンプル6、比較サンプル1、比較サンプル2を5%となるようにMF飼料に添加混合し、試験飼料A(サンプル6)、B(比較サンプル1)、C(比較サンプル2)を作成した。無添加のMF飼料(オリエンタル酵母工業社製)をコントロールとした。
これら飼料を2週間、ICRマウスに自由摂取させ、各マウスより脾臓を摘出、ホモジナイザーで破砕し、RPMI培地にて洗浄、ストレーナーを通して細胞懸濁液を得た。細胞を1×106cells/mlとなるよう、10%FBSを添加したRPMI培地にて調整し、培養プレート(96ウェル)の各ウェルに200μl添加した。RPMI培地にて乳酸球菌(Enterococcus facaris)死菌体の1mg/ml溶液を調製し、その20μlを各ウェルに添加し、24時間37℃にて培養した。培養上清のインターロイキン12(IL-12)濃度をELISA測定キット(BDバイオサイエンス社製)を用いて測定した。その結果を表6にまとめて示した。
IL-12は、マクロファージの活性化によって誘導され細胞性免疫の増強に作用するサイトカインである。実施例6で得られたサンプル6をICRマウスに経口投与することによってIL-12が産生促進されることから、NK細胞の活性化やインターロイキン4(IL-4)の産生抑制に働き、その結果、感染防御能の亢進やアレルギー反応の抑制などに寄与するものと考えられ、低分子βグルカンの免疫調節作用が確認された。
Claims (4)
- 質量平均分子量が500〜3000であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを有効成分とする免疫調節剤であって、
上記質量平均分子量が500〜3000であるβ−1,3−1,4−D−グルカンが、グルコース重合度が3〜12の範囲内であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを70質量%以上含有し、且つグルコース重合度が4〜6の範囲内であるβ−1,3−1,4−D−グルカンを20質量%以上含有することを特徴とする免疫調節剤。 - 上記質量平均分子量が500〜3000であるβ−1,3−1,4−D−グルカンが、β−1,3−1,4−D−グルカンを加水分解して得られたものであることを特徴とする請求項1記載の免疫調節剤。
- 請求項1又は2に記載の免疫調節剤を含有する飲食品。
- 請求項1又は2に記載の免疫調節剤を含有する皮膚外用剤。
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