JP5182931B2 - タービン用翼 - Google Patents
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Description
また、通路の入口部におけるメタルの温度を設計限界である設計メタル温度以下に保つためには、多量の冷却媒体を供給しなければならず、冷却媒体の流量(消費量:使用量)が多くなり過ぎてしまうといった問題点もあった。
本発明に係るタービン用翼の第1の態様は、翼本体の後縁部内に形成された通路を冷却媒体が通過し、前記翼本体の後縁に形成された出口から前記冷却媒体が吹き出されることにより、前記翼本体の後縁部が冷却されるタービン用翼であって、前記通路内に、断面視形状が円形または多角形状とされた複数のピンフィンが、前記冷却媒体の流れ方向に直交する方向に突設されており、前縁側から後縁側にかけてピンピッチが徐々に大きくなるように、前記ピンフィンが配置されている。
図1は本実施形態に係るタービン用翼の断面図、図2は本実施形態に係るタービン用翼の内側シュラウドを底面側から見た斜視図、図3は本実施形態に係るタービン用翼の外側シュラウドを上面側から見た斜視図、図4は本実施形態に係るタービン用翼の翼後縁部を示す図であって、上段はタービン用翼の立設方向軸線に対して略直交する面で切った断面図、下段はタービン用翼の立設方向軸線に対して略平行となる面で切った断面図、図5(a)から図5(c)は本実施形態に係るタービン用翼の冷却効果を説明するためのグラフである。
なお、図5中の各グラフの横軸はピンフィン入口からの距離を示し、縦軸はそれぞれ冷却空気流速、冷却側熱伝達率、および翼後縁部のメタル温度を示している。ここで、ピンフィン入口とは、図4に示す最も上流側(第1の領域34)の第1列目のピンフィンの中心線と一致する位置のことをいう。
また、図面を簡略化するため、図4の上段にはピンフィンおよびペデスタルを示していない。
翼本体11は、その内部に、リブ40によって前縁通路42および後縁通路44が形成されており、これら前縁通路42および後縁通路44には、周面および底面に複数の冷却空気穴70,71,72,73が形成された有底筒状のインサート46,47が外側シュラウド27側から挿入されている。
翼本体11は、その後縁側に複数のピンフィン26が設けられた通路16cからなるピンフィン冷却部を備えている。
そして、これらインサート46,47にマニホールド(図示せず)から冷却空気が送り込まれると、この冷却空気は、冷却空気穴70,71から噴出し、前縁通路42および後縁通路44の内壁に衝突し、いわゆるインピンジメント冷却が行われ、また、翼本体11の後縁側のピンフィン26間の流路16cからなるピンフィン冷却部を流れ、ピンフィン冷却が行われるようになっている。
シール支持部66には、前方側に流路85が形成されており、この流路85を介してキャビティ45から前段の動翼18側およびシール14の隙間を通って後段の動翼19側へ空気が送り込まれ、内部を高温燃焼ガスの通路よりも高圧に保持して高温燃焼ガスの内部への浸入が防止されるようになっている。
内側シュラウド12の底面には、複数の小穴101を有する衝突板84が底面に対して間隔をあけて設けられており、これら衝突板84によって内側シュラウド12の底面側に、チャンバ83(図1参照)が形成されている。
また、内側シュラウド12の後縁側には、一端が側部流路93に連通し、他端で燃焼ガス中へ排出する複数の後縁流路92が形成されている。
また、外側シュラウド13には、前縁流路105が形成され、両側部に、前方側の前縁流路105と連通しかつ外側シュラウド13の後縁にて開口した側部流路106が形成されており、前縁流路105が一方のチャンバ104と連通されている。
また、チャンバ104内に流入した冷却空気は、前縁流路105にも流入し、この前縁流路105および側部流路106を通過することにより、外側シュラウド13の前縁および両側部を冷却し、その後、外側シュラウド13の後縁から放出されるようになっている。
また、図4の上段および下段に示すように、通路16cは、上流側(図4において左側)から下流側(図4において右側)に向かって、例えば、3つの領域(第1の領域34、第2の領域35、および第3の領域36)に分けられている。そして、図4の下段に示すように、ピンフィン26は、第1の領域34におけるピンピッチ(翼本体11の立設方向軸線に対して略平行となる方向の配列ピッチ、すなわち、ピンフィン26の立設方向におけるピンフィンの中心間距離および翼本体11の立設方向軸線に対して略直交する方向の配列ピッチ、すなわち、ピンフィン列の列間距離)P1が、第2の領域35におけるピンピッチP2よりも小さく、第2の領域35におけるピンピッチP2が、第3の領域36におけるピンピッチP3よりも小さくなるように形成されている。すなわち、ピンフィン26は、第1の領域(最も上流側に位置する領域)34でピンピッチが最も小さくなり(密になり)、第3の領域(最も下流側に位置する領域)36でピンピッチが最も大きくなる(疎になる)ように形成されている。
なお、同じ領域内のピンフィン26のピンピッチは、翼本体11の立設方向軸線に対して略平行となる方向の配列ピッチと翼本体11の立設方向軸線に対して略直交する方向の配列ピッチを同じピッチ(第1の領域であればP1)としたが、略平行となる方向と略直交する方向の配列ピッチが同一ではなく、異なっていても構わない。ただし、各領域間で比較した配列ピッチの変化の割合は、立設方向軸線に対して略平行となる方向の配列ピッチと立設方向軸線に対して略直交する方向の配列ピッチが同じ割合で変化するのが好ましい。
また、本実施形態におけるピンフィン26の外径(直径)は、いずれもd(同一の直径)に設定されている。また、図4の下段中の符号37は、ペデスタルを示している。
なお、図5(a)に示す冷却空気流速とは、冷却空気が翼本体11の立設方向軸線と平行な方向のピンフィン列の中心線を通過する際の冷却空気の流速をいう。
これにより、図5(c)に示すように、翼後縁部を形成するメタルの温度を、上流側から下流側にかけて設計限界である設計メタル温度以下で略均一に保つことができるとともに、通路16c内における圧力損失を低減させることができて、冷却媒体の流量(消費量:使用量)を削減することができる。
また、図4に示す例は、3つの領域(領域34〜36)に区分けした場合を示しているが、この例に限らない。最低2つの領域が必要であるが、4つ以上の領域に区分けしてもよい。区分け数が多ければ、より一層翼後縁部のメタル温度を設計メタル温度に近い温度に選定することができ、一層の熱効率の向上が期待できる。
例えば、上述した実施形態では、全てのピンフィン26の外径をdとし、ピンピッチを変化させているが、ピンピッチを一定とし、ピンフィン26の外径を変化させてもよい。すなわち、ピンピッチは一定とし、第1の領域(最も上流側に位置する領域)34におけるピンフィン26の外径を最も大きくし、第3の領域(最も下流側に位置する領域)36におけるピンフィン26の外径を最も小さくすることもできる。
また、これらを組み合わせて、すなわち、ピンフィンの外径およびピンピッチの双方を変化させて実施することもできる。
11 翼本体
16c 流路
26 ピンフィン
32 出口
34 第1の領域
35 第2の領域
36 第3の領域
P1 ピンピッチ
P2 ピンピッチ
P3 ピンピッチ
Claims (3)
- 翼本体の後縁部内に形成された通路を冷却媒体が通過し、前記翼本体の後縁に形成された出口から前記冷却媒体が吹き出されることにより、前記翼本体の後縁部が冷却されるタービン用翼であって、
前記通路内に、断面視形状が円形または多角形状とされた複数のピンフィンが、前記冷却媒体の流れ方向に直交する方向に突設されており、
前縁側から後縁側にかけてピンピッチが徐々に大きくなるように、前記ピンフィンが配置されていることを特徴とするタービン用翼。 - 翼本体の後縁部内に形成された流路を冷却媒体が通過し、前記翼本体の後縁に形成された出口から前記冷却媒体が吹き出されることにより、前記翼本体の後縁部が冷却されるタービン用翼であって、
前記通路が、前縁側から後縁側に向かって少なくとも2つの領域に分けられており、
前記通路内に、断面視形状が円形または多角形状とされた複数のピンフィンが、前記冷却媒体の流れ方向に直交する方向に突設されており、
最も上流側に位置する前記領域内に突設されたピンフィンのピンピッチが最も小さく、下流側にいくにしたがって、その領域内に突設されたピンフィンのピンピッチが徐々に大きくなるように、前記ピンフィンが配置されていることを特徴とするタービン用翼。 - 請求項1または2に記載のタービン用翼を備えてなることを特徴とするガスタービン。
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