JP5182528B2 - 可変動弁装置付エンジン - Google Patents
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Description
こうしたエンジンの動弁装置に用いられるカムシャフトは、シャフト部材に別体のカム山部を回動可能に嵌め合わせて組み立てられている。カム位相可変機構は、例えばベーン式アクチュエータのような油圧機器が用いられ、カムシャフトの端部に配置されている。
そして、カム位相可変機構は、シャフト部材とカム山部との位相を可変させ、カム山部により駆動されるバルブの開閉時期を可変可能としている(特許文献1)。
また、請求項4の発明は、請求項2または3において、カム位相可変機構は1つの気筒の複数の排気バルブのうち第2の排気バルブのみ第2の駆動用カムで駆動させ位相を進角可能とし、第1の排気バルブの第1の駆動用カムの位相は固定されていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項2〜5の何れかにおいて、可変動弁装置付エンジンはカム位相可変機構に最も近接した気筒の排気バルブの駆動用カムの位相を可変可能に構成したことを特徴とする。
また、カム位相可変機構により開弁時期を進角させた第2の排気バルブからタービンまでの排気経路を比較的短くすることができる。よって、開弁時期を進角させた第2の排気バルブからの排気を迅速にかつ圧力低下を抑えてタービンに流入させることができ、開弁時期を進角させた気筒数が少なくとも効率的に過給圧を上昇させることができる。
本発明の請求項6の可変動弁装置付エンジンによれば、カム位相可変機構に最も近接した気筒の排気バルブの駆動用カムの位相を可変可能にしたので、カム位相可変機構に駆動される部位の構成をコンパクトにすることができる。
図1は本実施形態の可変動弁装置付エンジン(以下、単にエンジン1という)の吸排気系の概略構成図、図2はエンジン1のシリンダヘッド2内の構造を示す上面図である。図3は、エンジン1の排気カムシャフト3の構造を示す断面図である。
図1に示すように、エンジン1は、直列4気筒のエンジンであり、各気筒4a〜4dに吸気バルブ5及び排気バルブ6、7を2つずつ備えている。吸気バルブ5は各気筒4a〜4dの右側に前後に並び、排気バルブ6、7は左側に前後に並んで配置されている。エンジン1の右側には吸気マニホールド8が、左側には排気マニホールド9が設けられている。また、エンジン1にはターボチャージャ10が備えられている。ターボチャージャ10は排気通路11に介装されたタービン12と、吸気通路13に介装されたコンプレッサ14とにより構成されており、排気によって駆動されたタービン12の回転力によりコンプレッサ14を回転駆動して、吸気を過給する機能を有する。本実施形態のエンジン1では、タービン12は、エンジン1の前後方向中央部に配置されており、このタービン12に向かって各気筒4a〜4dの排気バルブ6、7から排気通路が集合するように排気マニホールド9が形成されている。
図3に示すように、排気カムシャフト3は、中空状のアウタカムシャフト30とアウタカムシャフト30に挿入されたインナカムシャフト31とを備えた2重構造となっている。アウタカムシャフト30及びインナカムシャフト31は、若干の隙間を有しつつ同心上に配置されている。
特に、本実施形態では、第2の排気カム26が4つの気筒4a〜4dのうち中央の2つの気筒4bと4cとの間に1つ設けられ、その両端の2つのカム山部26bで、中央の気筒4b、4cの夫々中央側の排気バルブ7のみ駆動する。その他の排気バルブ6は、アウタカムシャフト30に固定された第1の排気カム25により駆動される。したがって、直列に4つ並ぶ気筒4a〜4dのうち、中央の2つの気筒4b、4cのみカム位相可変機構40による排気バルブ7の開閉時期を可変させる可変機能を有しており、外側の2つの気筒4a、4dは開閉時期の可変機能を有していない。
特に、本実施形態では、4つの気筒4a〜4d全ての排気バルブ6、7の開閉時期を可変させるのではなく、一部の気筒4b、4cの排気バルブ7の開閉時期を可変させる構造としたので、第1の排気カム25より比較的大きくかつ複雑な構造の第2の排気カム26を全ての気筒4a〜4dに設ける必要がなく、動弁装置の構造を簡素化し、重量及びコストを低減させるとともに、動弁装置の設計自由度を向上させることができる。
加えて、一部の気筒4b、4cの排気バルブ7の開閉時期をカム位相可変機構40にて可変させる構造なので、可変するための負荷が小さく、可変応答性が高められ、素早く過給圧を上昇させることができる。排気カムシャフト3の重量を低減させることができ、動弁装置の重量をより低減させることができる。さらにはインナカムシャフト31をアウタカムシャフト30の約半分の長さに短くすることができるので、捩れによる剛性低下も避けられるため、バルブの正確な駆動が高回転まで保障され、信頼性が高められる。
また、本実施形態では、カム位相可変機構40として油圧式ベーンアクチュエータを用いているが、このかわりに電磁弁により一部の気筒の排気バルブ7を直接開閉させる構造が考えられる。このようにすれば、吸気カムシャフト3の構造を簡素化するとともにカム位相可変機構40への油圧回路を不要とするといった利点を有する。しかしながら、膨張行程時における筒内圧が比較的高い状態での開弁作動を確実に実行させるために、電磁弁の能力を比較的高いものとしなければならず、電磁弁のコストや外形が大幅に増大するといった問題点があるので、このような問題点と上述の利点とを全体的に考慮して適宜選択して採用してもよい。
3 排気カムシャフト
4a〜4d 気筒
6、7 排気バルブ
10 ターボチャージャ
12 タービン
25 第1の排気カム
26 第2の排気カム
40 カム位相可変機構
Claims (6)
- 排気バルブの駆動用カムの位相を可変するカム位相可変機構と、タービンを有するターボチャージャとを備える多気筒の可変動弁装置付エンジンにおいて、
前記エンジンは少なくとも前記ターボチャージャに近接する気筒に第1の排気バルブと前記タービンに近い側に配置される第2の排気バルブが備えられ、
前記カム位相可変機構は、パイプ部材で形成されたアウタカムシャフト内にインナカムシャフトを回動可能に収めて構成される排気シャフト部材を有し、前記アウタカムシャフトの外周部に第1の駆動用カムが設けられるとともに、前記アウタカムシャフトの軸心周りに回動可能に第2の駆動用カムが設けられ、前記第1の駆動用カムで前記第1の排気バルブを駆動し、前記第2の駆動用カムにて前記第2の排気バルブを駆動し、前記アウタカムシャフトに対し前記インナカムシャフトを変位させて、前記第2の駆動用カムの位相を第1の駆動用カムに対して可変するよう構成することで、前記第2の排気バルブの位相を前記第1の排気バルブに対して可変するものであり、少なくとも前記ターボチャージャの過給圧上昇が必要なとき前記第2の駆動用カムを前記第1の駆動用カムに対して進角させるカム位相制御手段を備えたことを特徴とする可変動弁装置付エンジン。 - 前記可変動弁装置付エンジンは、気筒が直列に配置されたエンジンであるとともに、いずれかの気筒に近接して前記ターボチャージャのタービンが備えられ、
前記カム位相可変機構は、前記ターボチャージャのタービンに近接する一部の気筒の前記第2の排気バルブを前記第2の駆動用カムで駆動させ位相を可変可能に構成したことを特徴とする請求項1の可変動弁装置付エンジン。 - 前記可変動弁装置付エンジンは、直列4気筒のエンジンであるとともに、前記ターボチャージャのタービンが中央の2つの気筒に近接して備えられ、
前記カム位相可変機構は、4つの気筒のうち前記中央の2つの気筒のみ前記第2の駆動用カムで駆動させ位相を可変可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載の可変動弁装置付エンジン。 - 前記カム位相可変機構は1つの気筒の複数の排気バルブのうち前記第2の排気バルブのみ第2の駆動用カムで駆動させ位相を進角可能とし、前記第1の排気バルブの第1の駆動用カムの位相は固定されていることを特徴とする請求項2または3に記載の可変動弁装置付エンジン。
- 前記カム位相制御手段は、少なくとも前記エンジンの低回転で負荷を上昇させる運転時の膨張行程で前記第2の駆動用カムを進角させるよう前記カム位相可変機構を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の可変動弁装置付エンジン。
- 前記可変動弁装置付エンジンは前記カム位相可変機構に最も近接した気筒の排気バルブの駆動用カムの位相を可変可能に構成したことを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の可変動弁装置付エンジン。
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