JP5182200B2 - 触媒劣化判定装置及び触媒劣化判定方法 - Google Patents
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Description
定値と実測値との差が所定値よりも大きいときに該NOx触媒が劣化したと判定する技術
が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。しかし、アンモニア濃度を検知するセンサに誤差があると、劣化判定を正確に行うことが困難となる。
該選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率を算出することができる。このNOx浄化率
が低下したことを以て選択還元型NOx触媒が劣化したと判定することができる。しかし
、NOx濃度を検知するセンサに誤差があると、NOx浄化率を正確に求めることが困難となるため、劣化判定を正確に行うことが困難となる。
正確に求めることができない場合であっても、選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを正
確に求めることができる技術の提供を目的とする。
内燃機関の排気通路に設けられ還元剤により選択的にNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流側のNOx濃度を検知する上流側検知手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも下流側のNOx濃度を検知する下流側検知手段と、
を備えた触媒劣化判定装置において、
前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率を推定する推定手段と、
前記還元剤供給手段により還元剤が供給されたときの前記上流側検知手段及び前記下流側検知手段により検知されるNOx濃度に基づいて前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率を少なくとも極大値が得られるまで複数回算出する算出手段と、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率が極大値となるときの前記推定手段により推定されるNO2の比率と、該比率の基準値と、を比較することにより前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
れていても良い。上流側検知手段はNOx濃度を、例えば内燃機関の運転状態に基づいて
推定しても良く、センサにより測定しても良い。下流側検知手段は、選択還元型NOx触
媒によりNOxが浄化された後のNOx濃度を例えばセンサにより測定する。なお、NOx
にはNO及びNO2が含まれる。このNOx濃度に基づいて、還元剤を供給しても良い。
。センサ等を用いてNOx中のNO2の比率を検知しても良い。このNOx中のNO2の比率は、選択還元型NOx触媒にてNOがNO2に酸化される前の値である。そして、選択
還元型NOx触媒におけるNOx浄化率と、該選択還元型NOx触媒へ流入するNOx中のNO2の比率と、の関係を求める。
度及びNOx中のNO2の比率によって変わる。そして、選択還元型NOx触媒の温度を例えば規定の範囲とした場合には、NOとNO2とが略同じ量ずつ浄化されるため、NO2の比率が特定の値(例えば50%近傍)のときにNOxの浄化率が最大となる。なお、本
発明における基準値は、この特定の値であり、選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率が極大値となるNO2の比率である。このNO2の比率は、選択還元型NOx触媒にてN
OがNO2に酸化された後の値である。この基準値は例えば50%またはこの近傍であるが、触媒の状態や種類によって異なることがあるため、実験等により求めても良い。
、該NOxの浄化率の極大値を求めている。つまり、NO2の比率によってNOxの浄化率が変わるため、NOxの浄化率とNO2の比率との関係を複数回算出することで極大値を
得ている。このときのNO2の比率は、推定手段により得られる値である。
Ox触媒におけるNOxの浄化率は、NOx中のNO2の比率によって変わるため、NOxの浄化率が選択還元型NOx触媒の酸化能力に応じて変わる。つまり、選択還元型NOx触媒の酸化能力が高いと、選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率であってNOx浄化率が極大値となるNO2の比率が基準値からずれる。このずれは、選択還元型N
Ox触媒の酸化能力が高いほど大きくなる。そして、酸化能力が低くなるほど、つまり、
選択還元型NOx触媒の劣化の度合いが高いほど、選択還元型NOx触媒に流入するNOx
中のNO2の比率であってNOx浄化率が極大値となるNO2の比率が基準値に近づく。
元型NOx触媒の劣化の度合いと、には相関があるため、このずれに基づいて該選択還元
型NOx触媒の劣化の度合いを判定することができる。この場合、NOx浄化率が極大値となるNO2の比率が基準値より小さくなるほど、劣化度合いが小さいと判定しても良い。このように、選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率の極大値を用いることにより、該選択還元型NOx触媒に流入するNOx濃度の絶対値に誤差が生じていたとしても、選択還元型NOx触媒の劣化度合いの判定を正確に行うことができる。つまり、上流側検知手段
及び下流側検知手段による検知されるNOx濃度の絶対値の誤差に影響を受けることなく
、選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定することができる。
浄化率が極大値となるときの推定手段により推定されるNO2の比率と、該比率の基準値と、を比較することにより判定されるが、この場合、これらの差から判定しても良く、こ
れらの比から判定しても良い。
うこともできる。つまり、NOxがNOとNO2とからなるとすれば、NOx中のNO2の比率が大きくなるほど、その分NOの比率は小さくなる。この関係を用いれば、NOx中
のNOの比率を用いて劣化度合いの判定を行うことができる。
することができる。
定されるNO2の比率が基準値に近づく。
備え、
前記判定手段は、前記温度検知手段により検知される温度が所定の範囲内のときに前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定することができる。
O2の夫々が還元される量は、選択還元型NOx触媒の温度に応じて変わる。そして、N
OとNO2とが同じ量だけ反応する温度の範囲内においてNOx浄化率とNO2の比率と
の関係を求めると、NOx浄化率の極大値を容易に得ることができる。すなわち、所定の
範囲内の温度のときにNOxの浄化率を算出することにより、該NOx浄化率の極大値を容易に求めることができるため、選択還元型NOx触媒の劣化度合いを容易に判定すること
ができる。
定値となるときにNOx浄化率が前記極大値になるとして前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定することができる。
、NOx浄化率の極大値を求めることが困難となる。つまり、所定の高温範囲とは、NOxの浄化率の極大値を得ることが困難な範囲とすることができる。これに対し、NOx浄化
率の変化率が所定の高温範囲内で設定されている規定値となるときのNOx浄化率を極大
値として扱うことができる。規定値とは、NOx中のNO2の比率とNOx浄化率との関係において特異となる点におけるNOx浄化率の変化率である。このようにして、NOx浄化率の極大値を特定し難い場合であっても、それに代わる特異点を求めることにより選択還元型NOx触媒の劣化度合いの判定を容易に行なうことができる。
定の範囲よりも低い温度である所定の低温範囲内の場合には、NOx浄化率の変化率が2
つの規定値の何れかとなるときの前記推定手段により推定されるNO2の比率を夫々求め、該NO2の比率の平均値においてNOxの浄化率が極大値になるとして前記選択還元型
NOx触媒の劣化の度合いを判定することができる。
NOx浄化率の低下の度合いが大きい。つまり、選択還元型NOx触媒の温度が所定の範囲のときにNOxの浄化率が極大値となる付近では、温度が所定の範囲よりも低くなるとN
O2比率の変化に対するNOx浄化率の変化が小さくなる。このため、NOx浄化率の極大値を特定し難くなる。ただし、NOxの浄化率が比較的低いNO2比率では、NOx浄化率の低下の度合いが小さいため、NO2比率の変化に対するNOx浄化率の変化が大きい。
そうすると、NOx浄化率の極大値の付近とその前後とで、NOx浄化率の変化率が大きく変化する特異な点ができる。この特異な点は、NOx浄化率の極大値の付近よりNO2比
率が高いときと低いときとの2点存在する。そして、NOx浄化率の極大値となるNO2
比率よりもNO2比率が高くなるほど又は低くなるほど同じ傾向でNOx浄化率が変化す
ると仮定すれば、2つの特異な点に対応するNO2比率の中間のNO2比率においてNOx浄化率が極大値になると扱うことができる。このようにして、NOx浄化率の極大値となるNO2比率を特定し難い場合であっても、2点の特異な点のNO2比率の平均値を求めることにより選択還元型NOx触媒の劣化度合いの判定を容易に行なうことができる。
度合いに応じて、前記内燃機関から排出されるNOx中のNO2比率を調節することがで
きる。
浄化率との関係が変わるため、NOx浄化率がより高くなるようにNO2比率を調節すれ
ば、NOx浄化率をより高くできる。
選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率を推定する第1の工程と、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率を少なくとも極大値が得られるまで複数回算出する第2の工程と、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率が極大値となるときの前記第1の工程で得られるNO2の比率と、該比率の基準値と、を比較することにより前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定する第3の工程と、
を含んで構成されることを特徴とする。
選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを正確に求めることができる。
が取り付けられている。噴射弁5は、後述するECU10からの信号により開弁して排気中へ尿素水を噴射する。なお、本実施例においては噴射弁5が、本発明における還元剤供給手段に相当する。
Ox濃度を測定する第2NOxセンサ8及び排気の温度を測定する温度センサ9が取り付けられている。なお、本実施例においては第1NOxセンサ7が、本発明における上流側検
知手段に相当する。また、本実施例においては第2NOxセンサ8が、本発明における下
流側検知手段に相当する。さらに、本実施例においては温度センサ9が、本発明における温度検知手段に相当する。また、第1NOxセンサ7によりNOx濃度を測定することに代えて、内燃機関1の運転状態に基づいてNOx濃度を推定しても良い。
ンサの出力信号がECU10に入力されるようになっている。
考えられる。
6NO2+8NH3→7N2+12H2O・・・式(1)
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O・・・式(2)
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O・・・式(3)
の比率に対するNOx浄化率が極大値となるときのNO2の比率に基づいて該NOx触媒4の劣化の度合いを求める。
と、の関係を示した図である。実線は、式(3)の反応のみによる浄化率である。一点鎖線は、式(2)の反応のみによる浄化率である。二点鎖線は、式(1)の反応のみによる浄化率である。
媒4の温度が図2に示すT1からT2までの範囲では、式(1)及び式(2)の反応によるNOxの浄化は殆ど行なわれず、主に式(3)の反応によりNOxが浄化される。
が、これらの酸化能力によりNOがNO2に酸化される。そして、NOx触媒4内でNO
がNO2に酸化された後のNOx中のNO2の比率が基準値のときにNOx触媒4の浄化率が最高となる。
NOx触媒4内でNO2が生成されることによりNO2の比率が基準値以上となるため、
NOxの浄化率が最高とならない場合がある。一方、NOx触媒4に流入するNOx中のN
O2の比率が基準値より低くても、NOx触媒4内でNO2の比率が基準値となればNOxの浄化率は最高となり得る。NOx触媒4の劣化度合いが低いほど、つまり新品に近いほ
ど、該NOx触媒4の酸化能力は高い。そのため、NOx触媒4の劣化度合いが低いほど、NOx触媒4に流入するNOx中のNO2の比率が低いときにNOx触媒4におけるNOxの浄化率が極大値となる。
るNOxの浄化率と、の関係をNOx触媒4の劣化度合いに応じて示した図である。実線は新品の場合、二点鎖線は劣化度合いが比較的大きな場合、一点鎖線は劣化度合いが中程度の場合を示している。
化率の極大値となるNOx中のNO2の比率が基準値に近づく。本実施例では、この関係
を利用してNOx触媒4の劣化の度合いを求める。つまり、NOx触媒4の劣化の度合いに応じてNOx浄化率の極大値となるNOx中のNO2の比率が基準値に近づくため、NOx
浄化率の極大値に基づいてNOx触媒4の劣化度合いを判定することができる。
O2の比率を推定する。そのために、内燃機関1から排出されるNOx中のNO2の比率
を求める。前述のように、内燃機関1から排出されるNOx中のNO2の比率は、機関回
転数、燃料量(機関負荷としても良い)、燃焼温度等に応じて変化するため、これらの関係を予め実験等により求めてマップ化しておく。
を求める。
媒4の温度によってNOxの浄化率は変化するため、NOx触媒4の温度毎にマップを作成する。この場合、式(3)の反応が支配的な温度範囲内で例えば摂氏10度毎に分けてマップを作成しても良い。
るNOxの浄化率と、の関係の一例を示したマップである。NO2の比率と、NOxの浄化率と、の関係を複数回求め、夫々の点を図4に記入している。内燃機関1の運転状態等が変化することによりNOx中のNO2の比率が変化するため、図4のマップには複数の点
が記入されていく。このマップの作成は、NOxの浄化率の極大値が判定できるまで続け
る。
2の比率が基準値に近づくほど、NOx触媒4の劣化度合いが大きいことになる。なお、
NOx触媒4の劣化度合いが小さい場合には、図4に示される極大値となるときのNO2
の比率が基準値よりも小さくなる。
10に記憶しておき、その後、NOx浄化率が極大値となるときのNO2の比率が初期値
から基準値にどれだけ近づいたかによりNOx触媒4の劣化度合いを求めることができる
。また、基準値と、NOx浄化率が極大値となるときのNO2の比率と、の差からNOx触媒4の劣化度合いを求めることもできる。
Ox浄化率が極大値となるときのNO2の比率が規定値以下のときに、NOx触媒4は正常であると判定できる。また、極大値となるときのNO2の比率が規定値よりも大きいときに、NOx触媒4は劣化していると判定できる。ここで、正常とは、劣化の度合いが許容
できる限度を超えていないことを意味する。また、劣化しているとは、劣化の度合いが許容できる限度を超えていることを意味する。
る。本ルーチンはECU10により所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンは、第1NOxセンサ7又は第2NOxセンサ8により測定されるNOx濃度に基づいて
噴射弁5から適量の還元剤がNOx触媒4へ供給されているときに実行される。
なる条件である。例えば、NOx触媒4の温度が所定の範囲(図2に示すT1からT2ま
で範囲)内となっているか否か判定される。また、NOx触媒4に吸着しているNH3量
が十分であるか否か判定される。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、否定判定がなされた場合にはNOx触媒4の劣化判定を行うことがで
きない状態であるため本ルーチンを終了させる。
より算出できる。
NOx浄化率=(上流NOx濃度−下流NOx濃度)/(上流NOx濃度)
過するNOx量を算出し、該NOx量を用いてNOx浄化率を算出しても良い。
浄化率によって定まる点を記入する。
る。例えば極大値を得るために必要となる点の数を所定値として予め求めておき、所定値以上の数がマップ上に記入されているか否か判定する。ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
図4に示したマップ上に所定の比率以下の間隔でNO2比率が記入されており且つNO2比率が高くなるに従ってNOx浄化率が高くなる場合と低くなる場合との両方の場合が記
入されているときにNOx浄化率の極大値を得ることができる。
、図4に示したマップからNOx浄化率の極大値を読み取り、さらに、この極大値に対応
するNO2の比率を読み取る。なお、本実施例においてはステップS103から107を処理するECU10が、本発明における算出手段に相当する。また、本実施例においてはステップS103から107が、本発明における第2の工程に相当する。
ば50%)とを比較する。つまり、NOxの浄化率が極大値となるNO2の比率が基準値
からどれだけずれているのかを求める。例えば、基準値とNOxの浄化率が極大値となる
NO2の比率との差または比を算出する。
品時と比較してどれだけ劣化しているのかを表す値である。ステップS108で求めた差または比と、NOx触媒4の劣化度合いとの関係は予め求めておく。なお、本実施例にお
いてはステップS109を処理するECU10が、本発明における判定手段に相当する。また、本実施例においてはステップS109が、本発明における第3の工程に相当する。
る。ここでいう規定値は、NOx触媒4の劣化度合いが許容できる限度の値である。この
規定値は予め実験等により求めておく。ステップS110で肯定判定がなされた場合にはステップS111へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS112へ進む。
NOxセンサ7または第2NOxセンサ8から得られるNOx濃度に誤差がある場合には、
この誤差の影響によりNOx浄化率の算出値に誤差が生じる。このため、NOx浄化率そのものを用いてNOx触媒4の劣化度合いを判定すると、センサの誤差の影響によりNOx触媒4の劣化度合いを正確に求めることができなくなる虞がある。一方、NOx浄化率が極
大値となるときのNOx中のNO2比率を求める場合には、センサの誤差の影響が小さい
。つまり、NOx浄化率そのものではなく、NOx浄化率が極大値となるときのNOx中の
NO2比率に基づいてNOx触媒4の劣化度合いを判定すれば、より精度の高い判定が可
能となる。
、図2に示したT1からT2までの温度よりも低いか、または高い場合について説明する
。さらに、NOx触媒4の劣化の度合いを判定した後の内燃機関1の制御について説明す
る。その他の装置については実施例1と同じため説明を省略する。
係を示した図である。実線、一点鎖線、二点鎖線については図2と同じ意味を持つ。
の反応によるNOx浄化率が変化する。
けるNOxの浄化率と、の関係を示した図である。実線はNOx触媒4の温度が図2におけるT1からT2の範囲内の場合を示し、一点鎖線はNOx触媒4の温度が図6におけるT
3以上の場合を示している。
)を検知することができる。この変化点は、実施例1の極大値に相当する。つまり、NOx触媒4の劣化が進行するほど、変化点が基準値に近づく。従って、この変化点と基準値
とを比較することでNOx触媒4の劣化の度合いを判定することができる。変化点は、N
Ox触媒4に流入するNOx中のNO2比率の変化量に対するNOx浄化率の変化量が規定
値となる箇所として求めることができる。つまり、NO2比率とNOx浄化率の関係を図
7で示す曲線で表したときに、該曲線の接線の傾きが規定値となる箇所を変化点とすることができる。
係を示した図である。実線、一点鎖線、二点鎖線については図2と同じ意味を持つ。
応によるNOx浄化率はほとんど変化しない。さらに、全体的にNOx浄化率が低い。つまり、完全活性状態にはない。
けるNOxの浄化率と、の関係を示した図である。実線はNOx触媒4の温度が図2におけるT1からT2の範囲内の場合を示し、一点鎖線、二点鎖線の順に温度が低くなり、二点鎖線はNOx触媒4の温度が図8におけるT4以下の場合を示している。
ときにNOx浄化率が高くなるNO2比率ほど、NOx浄化率の低下度合いが大きい。このため、温度がT1からT2の範囲内のときにNOx浄化率が極大値となっていたNO2の
比率付近では、NOx浄化率が殆ど変化しない。つまり、NOx浄化率の極大値を得ることが困難となる。
所検知することができる。この2箇所の変化点の中間点のNO2比率は、温度がT1からT2の範囲内のときにNOx浄化率が極大値となっていたNO2の比率に相当する。つま
り、NOx触媒4の劣化が進行するほど、2箇所の変化点の中間点が基準値に近づく。従
って、この2箇所の変化点の中間点と基準値とを比較することでNOx触媒4の劣化の度
合いを判定することができる。変化点は、NOx触媒4に流入するNOx中のNO2比率の変化量に対するNOx浄化率の変化量が規定値となる箇所として求めることができる。こ
の規定値は2つある。つまり、NO2比率とNOx浄化率の関係を図9で示す曲線で表し
たときに、該曲線の接線の傾きが規定値となる2箇所を変化点とすることができる。
の比率を調節しても良い。前述のように、NOx触媒4の劣化度合いが小さいほど、NOx触媒4に流入するNOx中のNO2比率がより低いときにNOx浄化率が最高となる。このNOx浄化率が最高となるNO2比率となるように、NOx触媒4に流入するNOx中のN
O2の比率を調節する。この調節は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数、燃料量、燃焼温度等)を変更することにより行なう。つまり、内燃機関1から排出されるNOx
中のNO2の比率は、内燃機関1の運転状態に応じて変化するので、NOx浄化率が最高
となるNO2比率となるように内燃機関1の運転状態を変化させる。NO2比率と内燃機関1の運転状態との関係は予め実験等により求めておいても良い。
ある。本ルーチンはECU10により所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンは、第1NOxセンサ7又は第2NOxセンサ8により測定されるNOx濃度に基づい
て噴射弁5から適量の還元剤がNOx触媒4へ供給されているときに実行される。
例えば図9に示したマップ上でNOx触媒4に流入するNOx中のNO2比率の変化量に対するNOx浄化率の変化量が規定値となる箇所が2箇所存在するか否かにより判定される
。規定値は2種類設定される。この規定値は、変化点を示す値として予め実験等により求めておく。本ステップでは、NOx触媒4の温度がT4以下の場合であるか否か判定して
いる。
4のNOx浄化率が極大値となるNO2比率とされる。その後ステップS108へ進む。
例えば図7に示したマップ上でNOx触媒4に流入するNOx中のNO2比率の変化量に対するNOx浄化率の変化量が規定値となる箇所が1箇所存在するか否かにより判定される
。この規定値は、変化点を示す値として予め実験等により求めておく。本ステップでは、NOx触媒4の温度がT3以上の場合であるか否か判定している。
なされた場合には本ルーチンを終了させる。
108へ進む。
NOx中のNO2の比率を制御する。つまり、NOx浄化率が極大値となるNO2比率となるように、例えば内燃機関1の運転状態を変更する。なお、NOx浄化率が極大値となる
NO2比率は、NOx触媒4の温度領域によって変わるため、それぞれの温度領域で算出
されるNO2比率の極大値となるように制御する。
度領域であっても、NOx中のNO2の比率に基づいてNOx触媒4の劣化度合いを判定することができる。つまり、より広い温度領域でNOx触媒4の劣化度合いを判定すること
ができる。ここで、第1NOxセンサ7または第2NOxセンサ8から得られるNOx濃度
に誤差がある場合には、この誤差の影響によりNOx浄化率の算出値に誤差が生じる。こ
のため、NOx浄化率そのものを用いてNOx触媒4の劣化度合いを判定すると、センサの誤差の影響によりNOx触媒4の劣化度合いを正確に求めることができなくなる虞がある
。一方、NOx浄化率の変化点に基づいてNOx触媒4の劣化度合いを判定する場合には、センサの誤差の影響が小さい。つまり、NOx浄化率そのものではなく、NOx浄化率の変化点となるNO2比率または2箇所の変化点の中間となるNO2比率に基づいてNOx触
媒4の劣化度合いを判定すれば、より精度の高い判定が可能となる。
2 排気通路
4 選択還元型NOx触媒
5 噴射弁
7 第1NOxセンサ
8 第2NOxセンサ
9 温度センサ
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ
13 クランクポジションセンサ
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路に設けられ還元剤により選択的にNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流側のNOx濃度を検知する上流側検知手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも下流側のNOx濃度を検知する下流側検知手段と、
を備えた触媒劣化判定装置において、
前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率を推定する推定手段と、
前記還元剤供給手段により還元剤が供給されたときの前記上流側検知手段及び前記下流側検知手段により検知されるNOx濃度に基づいて前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率を少なくとも極大値が得られるまで複数回算出する算出手段と、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率が極大値となるときの前記推定手段により推定されるNO2の比率と、該比率の基準値と、を比較することにより前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定する判定手段と、
を備え、
前記基準値を50%または50%近傍の値とすることを特徴とする触媒劣化判定装置。 - 前記判定手段は、前記比率の基準値と、前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率が極大値となるときの前記推定手段により推定されるNO2の比率と、の差が小さいほど、前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いが大きいと判定することを特徴とする請求項1に記載の触媒劣化判定装置。
- 前記選択還元型NOx触媒の温度を検知する温度検知手段を備え、
前記判定手段は、前記温度検知手段により検知される温度が所定の範囲内のときに前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の触媒劣化判定装置。 - 前記判定手段は、前記温度検知手段により検知される温度が前記所定の範囲よりも低い温度である所定の低温範囲内の場合には、前記NO 2 の比率が変化してもNOx浄化率が変化しない範囲と、前記NO 2 の比率が変化するとNOx浄化率が変化する範囲と、の境である2点のNO2の比率を夫々求め、該NO2の比率の平均値においてNOxの浄化率
が極大値になるとして前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定することを特徴とする請求項3に記載の触媒劣化判定装置。 - 前記判定手段により判定される前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いに応じて、前記内燃機関から排出されるNOx中のNO2比率を調節することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の触媒劣化判定装置。
- 内燃機関の排気通路に設けられ還元剤により選択的にNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流側のNOx濃度を検知する上流側検知手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも下流側のNOx濃度を検知する下流側検知手段と、
を備えた内燃機関における触媒劣化判定方法において、
前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率を推定する第1の工程と、
前記還元剤供給手段により還元剤が供給されたときの前記上流側検知手段及び前記下流側検知手段により検知されるNOx濃度に基づいて前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率を少なくとも極大値が得られるまで複数回算出する第2の工程と、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率が極大値となるときの前記第1の工程で得られるNO2の比率と、該比率の基準値である50%または50%近傍の値と、を比較することにより前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いを判定する第3の工程と、
を含んで構成されることを特徴とする触媒劣化判定方法。
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