JP2018178734A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】NH3スリップの検出に基づきSCRの劣化判定を行うシステムにおいて、判定精度の向上を図りつつ、NH3スリップの検出機会を確保して劣化判定を継続的に行う。【解決手段】SCRと、NOxセンサと、還元剤供給装置と、NOxセンサによるNH3スリップの検出に基づいてSCRの劣化を判定するECUと、を備える内燃機関の排気浄化システムである。ECUは、正常なSCRの特性に基づいて、正常なSCRにおける最大NH3吸着量と計算NH3吸着量との差であるスリップ余裕量を算出し(S2)、且つ、劣化したSCRの特性に基づいて必要NH3量を算出する(S3)とともに、スリップ余裕量が必要NH3量を超える場合には、尿素の添加量を増加させる(S4、S5)一方、スリップ余裕量が必要NH3量以下の場合には、尿素の添加量の増加を停止し(S4、S6)、エンジン2からのNOxの排出量を増加させる(S7)。【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関し、特に選択還元触媒の劣化を判定する機能を有する内燃機関の排気浄化システムに関するものである。
従来から、ディーゼルエンジンにおいては、選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction:以下、SCRともいう。)を排気通路に設け、当該SCRの上流側に設けた還元剤供給装置から還元剤である尿素水を添加し、尿素水が分解されることで生成し当該SCRに吸着するNH3と、エンジンから排出されるNOxとを化学反応させることにより、排気中のNOxを浄化する排気浄化システムが知られている。
このような排気浄化システムでは、SCRの故障に起因するNOxの排出を抑えるべく、SCRが劣化していないか否かを監視する必要があるところ、従来から様々な劣化(異常)検出方法が提案されている。
例えば特許文献1には、NOx浄化率の低下を検出した際に、SCRの出口側(下流側)に配設したNOxセンサによってNH3のスリップの有無を判断し、NH3のスリップがあった場合にはSCRに劣化があると判定し、NH3のスリップがない場合には還元剤タンク内に低濃度の還元剤または/および還元剤以外のものが補給されたと判定する還元剤の異常検出方法が開示されている。
特開2010−261327号公報
ところで、NOxセンサには製造公差があるため、SCRの下流側に設けられたNOxセンサによってNH3のスリップ(以下、NH3スリップともいう。)の有無を検出するには、NOxを浄化(NOxと化学反応)させるのに必要なNH3に加え、検出に必要な量のNH3を生成させる必要が、換言すると、尿素水の添加量を浄化に必要な量よりも増量させる必要がある。
しかしながら、尿素水の添加量を増量させながら検出を継続すると、たとえSCRが正常であっても、SCRに吸着するNH3の量が、SCRの最大NH3吸着量を超えてしまい、正常なSCRであるにも拘わらずNH3スリップが検出されるため、SCRが劣化していないか否かを判定することが困難になるという問題がある。
そこで、SCRが正常であってもNH3スリップが検出されるという事態を避けるべく、SCRに吸着するNH3の量がSCRの最大NH3吸着量を超えた場合には、尿素水の添加量の増加を停止することが考えられる。しかしながら、これでは、検出に必要なNH3の量が確保されないため、NH3スリップの有無を検出する機会が減ってしまうという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、NOxセンサによるNH3スリップの検出に基づいてSCRの劣化を判定する内燃機関の排気浄化システムにおいて、判定精度の向上を図りつつ、NH3スリップの検出機会を確保して、SCRの劣化判定を継続的に行う技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムでは、SCRに吸着するNH3の量がSCRの最大NH3吸着量を超えた場合には、尿素水の添加量の増加を停止するのみならず、SCRに入るNOxを増加させることで、速やかにSCRにおけるNH3の収支を合せるようにしている。
具体的には、本発明は、内燃機関の排気通路に設けられる選択還元触媒と、当該選択還元触媒の下流側に設けられるNOxセンサと、当該選択還元触媒に上流側から尿素を添加する還元剤供給装置と、当該NOxセンサによるNH3のスリップの検出に基づいて当該選択還元触媒の劣化を判定する制御装置と、を備える内燃機関の排気浄化システムを対象としている。
そして、上記制御装置は、正常な選択還元触媒の特性に基づいて、正常な選択還元触媒におけるNH3の最大吸着量と計算吸着量との差であるスリップ余裕量を算出し、且つ、劣化した選択還元触媒の特性に基づいて、上記NOxセンサによるNH3のスリップの検出に必要なNH3の量である必要NH3量を算出するとともに、上記スリップ余裕量が上記必要NH3量を超える場合には、還元剤供給装置による尿素の添加量を増加させる一方、上記スリップ余裕量が上記必要NH3量以下の場合には、還元剤供給装置による尿素の添加量の増加を停止し、上記内燃機関からのNOxの排出量を増加させるように構成されていることを特徴とするものである。
この構成では、正常な選択還元触媒の特性に基づいて算出されるスリップ余裕量が、劣化した選択還元触媒の特性に基づいて算出される必要NH3量を超える場合には、還元剤供給装置による尿素の添加量を増加させる。それ故、選択還元触媒の下流側に設けられるNOxセンサによってNH3スリップの検出が可能になるとともに、実際にNH3スリップが検出された場合には、必要NH3量を超える正常なスリップ余裕量が確保されていないことが、換言すると、選択還元触媒が正常でないことが明らかになるので、選択還元触媒の劣化を確実に判定することができる。
一方、スリップ余裕量が必要NH3量以下の場合には、還元剤供給装置による尿素の添加量の増加を停止することから、選択還元触媒が正常であるにもかかわらず、NOxセンサによってNH3スリップが検出されるのを抑えることができる。
これらにより、NOxセンサによるNH3スリップの検出に基づいて選択還元触媒の劣化を判定する際の判定精度を向上させることができる。
ここで、正常な選択還元触媒ではNOx浄化率が高いところ、本発明では、スリップ余裕量が必要NH3量以下の場合には、尿素の添加量の増加を停止するとともに、内燃機関からのNOxの排出量を増加させることから、増量されたNOxとの還元反応によって、選択還元触媒に余分に吸着したNH3を速やかに減らすことができる。これにより、速やかに選択還元触媒におけるNH3の収支を合せて、スリップ余裕量を回復させることができる。そうして、回復したスリップ余裕量が必要NH3量を超えると、再び尿素の添加量を増加させるので、NH3スリップの検出機会を確保することができる。しかも、速やかにスリップ余裕量を回復させることが可能であることから、選択還元触媒が劣化しているか否かの判定をほぼ切れ目なく継続することができる。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムによれば、判定精度の向上を図りつつ、NH3スリップの検出機会を確保して判定を継続的に行うことができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の排気浄化システムを模式的に示す図である。 SCRにおける計算NH3吸着量の算出方法を模式的に説明する図である。 正常なSCRの特性を模式的に示す図であり、同図(a)はNOx浄化率特性を示し、同図(b)はNH3吸着特性を示している。 劣化したSCRの特性を模式的に示す図であり、同図(a)はNOx浄化率特性を示し、同図(b)はNH3吸着特性を示している。 SCRのNH3吸着特性を模式的に示す図であり、同図(a)は正常なSCRを示し、同図(b)は劣化したSCRを示している。 SCRのNH3吸着特性を模式的に示す図であり、同図(a)は正常なSCRを示し、同図(b)は劣化したSCRを示している。 SCR劣化判定制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
−全体構成−
図1は、本実施形態に係る内燃機関の排気浄化システム1を模式的に示す図である。この排気浄化システム1が適用される内燃機関は、例えば、ディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2ともいう。)である。エンジン2は、図1に示すように、各気筒からの排気ガスEGを外部へ排出するための排気通路21と、各気筒へ吸気を導入するための吸気通路22と、排気ガスEGの一部を吸気通路22へ環流させるためのEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路23と、このEGR通路23をバイパスするためのバイパス通路24と、を有している。
吸気通路22には、上流側から順に、エアーフローメータ20、スロットルバルブ25、EGRバルブ26、サージタンク27が設けられている。エアーフローメータ20はエンジン2が吸入する吸入空気量を計測し、その計測結果を表す信号をECU10に送信する。スロットルバルブ25は、ECU10からの制御指令に応じて、エンジン2に供給される空気量を調整可能に構成されている。EGRバルブ26は、ECU10からの制御指令に応じて、EGR通路23またはバイパス通路24を通じて吸気通路22へ環流される排気ガスEGであるEGRガスの量を調整可能に構成されている。
EGR通路23には、EGRクーラ28と、開閉バルブ29とが設けられている。EGRクーラ28は、EGR通路23を通過するEGRガスを冷却する。開閉バルブ29は、ECU10からの制御指令に応じて、EGR通路23を開閉するように構成されている。
バイパス通路24は、EGR通路23に対して、EGRクーラ28をバイパスするように設けられている。バイパス通路24には、ECU10からの制御指令に応じて、バイパス通路24を開閉する開閉バルブ30が設けられている。開閉バルブ30を開き、開閉バルブ29を閉じることにより、EGRガスがバイパス通路24を流通するようになっている。
排気浄化システム1は、図1に示すように、排気通路21に設けられる酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst)3と、排気通路21における酸化触媒3の下流側に設けられる選択還元触媒(以下、SCRともいう。)5と、排気通路21における酸化触媒3とSCR5との間に設けられる温度センサ4と、排気通路21におけるSCR5の上流側に設けられるNOxセンサ11と、排気通路21におけるSCR5の下流側に設けられるNOxセンサ13と、SCR5に上流側から尿素水を添加する還元剤供給装置6と、ECU(制御装置)10と、を備えている。
酸化触媒3は、排気ガスEG中の未燃燃料等を酸化する触媒金属等からなり、酸化触媒3における酸化反応により、排気ガスEGの温度が昇温されるようになっている。
還元剤供給装置6は、所定濃度の尿素水が収容される尿素水タンク7と、排気通路21におけるSCR5の上流側に設けられた尿素水添加弁8と、を有している。尿素水タンク7と尿素水添加弁8とは、管路9により接続されていて、尿素水タンク7に収容された尿素水はポンプ(図示せず)により尿素水添加弁8に供給されるようになっている。尿素水添加弁8は、ECU10からの制御指令に応じた量の尿素水をSCR5に向けて排気通路21へ供給可能に構成されている。排気通路21に供給された尿素水が、排気ガスEGの熱によって加水分解されることでNH3(アンモニア)が生成される。
SCR5は、ゼオライト系触媒やバナジウム系触媒などから成り、いわゆる尿素選択還元法により窒素酸化物を還元する周知の選択還元触媒である。尿素水添加弁8から添加された尿素水が加水分解されることで生成されるNH3は、SCR5に吸着される。SCR5は、NH3を還元剤として、排気ガスEGに含まれるNOxを選択的に還元してH2(窒素ガス)とH2O(水)にする。
SCR5に、そのNH3吸着能力を超えて過剰なNH3が供給されると、NH3がSCR5をスリップしてSCR5の下流に排出される。このため、SCR5に供給するNH3量(尿素水量)は、通常、NOxの還元が最も効率的に実行され、かつ、NH3のスリップ(以下、NH3スリップともいう。)が発生しない量に調整されている。
温度センサ4は、SCR5に流入する排気ガスEGの温度を検出する。上流側のNOxセンサ11は、SCR5に流入する排気ガスEG中のNOx濃度を検出する。一方、下流側のNOxセンサ13は、SCR5から流出する排気中のNOx濃度を検出する。また、NOxセンサ13はNH3にも反応するので、NH3がSCR5をスリップしてSCR5の下流に排出されると、NH3スリップを検出する。
ECU(Electric Control Unit)10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するプログラムおよびマップ等を予め記憶したROM(Read Only Memory)、CPUが必要に応じてデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)、電源が遮断されている間もデータを保持するバックアップRAM、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されている。CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン2の各種制御を実行する。
ECU10には、SCR5の上流側に設けられたNOxセンサ11、SCR5の下流側に設けられたNOxセンサ13、SCR5に流入する排気ガスEGの温度を検出する温度センサ4、および、吸気通路22に設けられたエアーフローメータ20の検出信号が入力される。また、ECU10には、エンジン回転速度を表す信号や、アクセル開度を表す信号や、スロットルバルブ25の開度を表す信号などが入力される。
一方、ECU10からは、これら各種センサからの入力信号に基づいて、スロットルバルブ25の開閉を制御するためのスロットル信号や燃料噴射量および噴射時期を制御するための信号といったエンジン出力制御指令信号や、開閉バルブ29および開閉バルブ30の開閉を制御するための信号などが出力され、これらを通じて、ECU10は、エンジン2の出力制御などを実行する。
さらに、本実施形態のECU10は、以下に説明するように、NOxセンサ13によるNH3スリップの検出に基づいてSCR5の劣化を判定するように構成されている。
−SCR劣化判定制御−
ECU10は、NOxセンサ13によるNH3スリップの検出に基づいてSCR5の劣化を判定するが、上述の如く、SCR5のNH3吸着能力を超える過剰なNH3がSCR5に供給されなければ、NH3スリップは発生しない。
また、NOxセンサ13には製造公差があるため、SCR5の下流側に設けられたNOxセンサ13によってNH3スリップの有無を検出するには、NOxを浄化させるのに必要なNH3に加え、NH3スリップの検出に必要な量(以下、必要NH3量ともいう。)のNH3を生成させる必要がある。換言すると、NOxセンサ13の製造公差によらずNH3スリップの有無を検出するには、尿素水の添加量を浄化に必要な量よりも増量させる必要がある。
しかしながら、尿素水の添加量を増量させながらNH3スリップの検出を継続すると、たとえSCR5が正常であっても、SCR5に吸着するNH3の量が、SCR5におけるNH3の最大吸着量(以下、最大NH3吸着量ともいう。)を超えてしまい、正常なSCR5であるにも拘わらずNH3スリップが検出されるため、SCR5が劣化していないか否かを判定することが困難になる場合がある。
そこで、SCR5が正常であってもNH3スリップが検出されるという事態を避けるべく、SCR5に吸着するNH3の量がSCR5の最大NH3吸着量を超えた場合には、尿素水の増量を停止することが考えられるが、これでは、必要NH3量が確保されないため、NH3スリップの有無を検出する機会が減ってしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、SCR5に吸着するNH3量がSCR5の最大NH3吸着量を超えた場合には、尿素水の添加量の増加を停止するのみならず、SCR5に入るNOxを増加させることで、速やかにSCR5におけるNH3の収支を合せるようにしている。
具体的には、本実施形態の排気浄化システム1では、正常なSCRの特性に基づいて、正常なSCRにおける最大NH3吸着量と計算NH3吸着量(I)との差であるスリップ余裕量を算出し、且つ、劣化したSCRの特性に基づいて必要NH3量を算出するとともに、スリップ余裕量が必要NH3量を超える場合には、還元剤供給装置6による尿素水の添加量を増加させる一方、スリップ余裕量が必要NH3量以下の場合には、還元剤供給装置6による尿素水の添加量の増加を停止し、エンジン2からのNOxの排出量を増加させるSCR劣化判定制御を実行するようにECU10を構成している。以下、かかるSCR劣化判定制御について詳細に説明する。
図2は、SCRにおける計算NH3吸着量の算出方法を模式的に説明する図である。また、図3は、正常なSCRの特性を模式的に示す図であり、同図(a)はNOx浄化率特性を示し、同図(b)はNH3吸着特性を示している。さらに、図4は、劣化したSCRの特性を模式的に示す図であり、同図(a)はNOx浄化率特性を示し、同図(b)はNH3吸着特性を示している。図3に示す正常なSCRの特性(NOx浄化率特性およびNH3吸着特性)並びに図4に示す正常なSCRの特性(NOx浄化率特性およびNH3吸着特性)は、それぞれマップ化されてROMに記憶されている。なお、図3(a)および図4(a)に示すNOx浄化率特性は、SCRにおけるNH3吸着量毎にマップ化されている。
図3(b)および図4(b)から、SCRにおけるNH3吸着量は、SCR床温が高温になるほど低下するとともに、正常なSCRよりも劣化したSCRの方が低下することが分かる。また、図3(a)および図4(a)から、SCRにおけるNOx浄化率は、SCR床温が高温になるほど良化するとともに、劣化したSCRよりも正常なSCRの方が大量の排気ガスEGを浄化可能であることが分かる。
そうして、ECU10は、正常なSCRの計算NH3吸着量(I)を算出する際には、正常なSCRのNOx浄化率特性およびNH3吸着特性をROMから取得するとともに、SCR床温、排気ガス量、NH3添加量、および、SCR5に入るNOx量(以下、SCR入りNOx量ともいう。)を取得する。
具体的には、ECU10は、温度センサ4によって検出される、SCR5に流入する排気ガスEGの温度に基づいてSCR床温を取得する。また、ECU10は、例えば、エアーフローメータ20によって計測される吸入空気量に基づいて排気ガス量を算出する。さらに、ECU10は、還元剤供給装置6による尿素水の添加量に基づいてSCR5へのNH3添加量を取得する。また、ECU10は、NOxセンサ11によって検出されるNOx濃度およびSCR5に流入する排気ガス量に基づいて、SCR入りNOx量を取得する。
そうして、ECU10は、図2に示すように、正常なSCRのNH3吸着特性を用いて、SCR床温に基づきNH3スリップ量を算出する。具体的には、SCR床温が決まれば、NH3吸着特性から正常なSCRに吸着可能なNH3量(NH3吸着量)が決まるので、それを超えるNH3量をNH3スリップ量として算出する。
また、ECU10は、得られたNH3吸着量に基づいて、NH3吸着量毎にマップ化された複数のNOx浄化率特性の中から、当該NH3吸着量に対応する正常なSCRのNOx浄化率特性を取得する。ECU10は、取得した正常なSCRのNOx浄化率特性を用いて、SCR床温および排気ガス量に基づきNOx浄化率を算出し、SCR入りNOx量を浄化するのに必要なNH3の量を、NH3消費量として算出する。
そうして、ECU10は、NH3添加量(+)からNH3スリップ量(−)を減算し、残ったNH3量から更にNH3消費量(−)を減算することで、正常なSCRにおける計算NH3吸着量(I)を算出する。
同様に、ECU10は、劣化したSCRのNOx浄化率特性およびNH3吸着特性を、図2に示す算出方法に当てはめることで、劣化したSCRにおける計算NH3吸着量(II)を算出する。
図5および図6は、SCRのNH3吸着特性を模式的に示す図であり、同図(a)は正常なSCRを示し、同図(b)は劣化したSCRを示している。なお、図5(b)および図6(b)における検出目標NH3吸着量は、図4(b)に示す劣化したSCRのNH3吸着特性に、NOxセンサ13の製造公差を加味して設定されたものであり、NH3吸着量が検出目標NH3吸着量以上(図5(b)および図6(b)の斜線部)でなければ、NOxセンサ13によってNH3スリップが検出されないことを示すものである。なお、図5(b)および図6(b)に示すNH3吸着特性もマップ化されてROMに記憶されている。
ECU10は、図5(a)に示すように、正常なSCRの最大NH3吸着量と、正常なSCRの計算NH3吸着量(I)との差から、SCR5が正常であると仮定した場合におけるスリップ余裕量を算出する。また、ECU10は、図5(b)に示すように、劣化したSCRの検出目標NH3吸着量と、劣化したSCRの計算NH3吸着量(II)との差から、SCR5が劣化していると仮定した場合における必要NH3量を算出する。
そうして、ECU10は、スリップ余裕量>必要NH3量の場合には、還元剤供給装置6による尿素水の添加量を増加させる(以下、検出用尿素添加ともいう。)。このように、検出用尿素添加を実行することで、SCR5に必要NH3量が添加されるので、SCR5の下流側に設けられるNOxセンサ13によってNH3スリップの検出が可能になる。ここで、SCR5が正常であるという仮定が正しければ、SCR5に必要NH3量が添加されても、かかる必要NH3量はスリップ余裕量に吸収されるので、NOxセンサ13によってNH3スリップが検出されることはない。仮に、NOxセンサ13によってNH3スリップが検出された場合には、SCR5が正常であるという仮定が正しくないことが、換言すると、SCR5が劣化していることが明らかになるので、SCR5の劣化を確実に判定することができる。
もっとも、検出用尿素添加を行いながらNH3スリップの検出を継続すると、たとえSCR5が正常であっても、図6(a)に示すように、計算NH3吸着量(I)が増加するため、スリップ余裕量が相対的に小さくなる。これに対し、SCR床温等に変化が無ければ、図6(b)に示すように、必要NH3量はほとんど変化しない。そうして、必要NH3量がスリップ余裕量を超えると、正常なSCR5であるにも拘わらずNH3スリップが検出されることになる。
そこで、ECU10は、スリップ余裕量≦必要NH3量の場合には、還元剤供給装置6による検出用尿素添加を停止する。これにより、SCR5が正常であるにもかかわらず、NOxセンサ13によってNH3スリップが検出されるのを抑えることができる。
これらにより、NOxセンサ13によるNH3スリップの検出に基づいてSCR5の劣化を判定する際の判定精度を向上させることができる。
さらに、ECU10は、スリップ余裕量≦必要NH3量の場合には、還元剤供給装置6による検出用尿素添加を停止するのみならず、エンジン2からのNOxの排出量を増加させる。例えば、ECU10は、開閉バルブ30および開閉バルブ29を共に閉じることにより、EGRガスのEGR通路23およびバイパス通路24への流入を抑えて、EGRガス量を減少させることで、NOxの排出量を増加させる。また、例えば、ECU10は、燃料噴射時期を進角させることにより、NOxの排出量を増加させる。なお、NOx浄化率が低い運転領域で、NOxの排出量を増加させると、排気悪化を招くため、ECU10は、SCR床温等に基づきNOx浄化率を推定し、NOxの排出量を増加させるか否かを決定するように構成されている。
ここで、正常なSCR5ではNOx浄化率が高いところ、エンジン2からのNOxの排出量を増加させれば、増量されたNOxとの還元反応によった、余分に吸着されたNH3を速やかに減らすことができる。これにより、速やかにSCR5におけるNH3の収支を合せて、スリップ余裕量を回復させることができる。そうして、回復したスリップ余裕量が必要NH3量を超えると、再び検出用尿素添加を実行するので、NH3スリップの検出機会を確保することができる。しかも、速やかにスリップ余裕量を回復させることが可能であることから、SCR5が劣化しているか否かの判定をほぼ切れ目なく継続することができる。
−フローチャート−
次に、ECU10が実行するSCR劣化判定制御を図7に示すフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップS1では、ECU10が、SCR床温(温度センサ4によって検出)、排気ガス量(吸入空気量に基づき算出)、NH3添加量(尿素水の添加量に基づき算出)、SCR入りNOx量(NOxセンサ11によって検出)、正常なSCRの特性および劣化したSCRの特性(ROMに記憶)を取得し、ステップS2へ進む。
次のステップS2では、ECU10がスリップ余裕量を算出した後、ステップS3へ進む。次のステップS3では、ECU10が必要NH3量を算出した後、ステップS4へ進む。なお、ステップS2での演算と、ステップS3での演算とは同時並行で行ってもよい。
次のステップS4では、ECU10が、スリップ余裕量が必要NH3量を超えているか否かを判定する。このステップS4での判定がYESの場合、換言すると、SCR5が正常であるという仮定が正しければ、NOxセンサ13によってNH3スリップが検出されない場合には、ステップS5へ進む。次のステップS5では、ECU10が検出用尿素添加を実行し、そのままRETURNする。
一方、このステップS4での判定がNOの場合、換言すると、正常なSCR5であるにも拘わらずNH3スリップが検出される可能性がある場合には、ステップS6へ進む。次のステップS6では、ECU10が検出用尿素添加を停止した後、ステップS7へ進む。
次のステップS7では、ECU10が、例えば、EGRガスのEGR通路23およびバイパス通路24への流入を抑えてEGRガス量を減少させたり、燃料噴射時期を進角させたりする、NOx増量用のエンジン制御を行った後、RETURNする。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、エアーフローメータ20によって計測される吸入空気量に基づいて排気ガス量を算出するようにしたが、これに限らず、例えば、排気通路21に設けた排気ガス量を検出する排気量センサ(図示せず)を用いて排気ガス量を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、NOx増加方法として、EGRガス量を減少させる方法や、燃料噴射時期を進角させる方法を例示したが、例えば、EGRガス量を減少させる方法と、燃料噴射時期を進角させる方法とを併用してもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、判定精度の向上を図りつつ、NH3スリップの検出機会を確保して判定を継続的に行うことができるので、NOxセンサによるNH3スリップの検出に基づいてSCRの劣化を判定する機能を有する内燃機関の排気浄化システムに適用して極めて有益である。
1 排気浄化システム
2 ディーゼルエンジン(内燃機関)
5 SCR(選択還元触媒)
6 還元剤供給装置
13 NOxセンサ
21 排気通路

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられる選択還元触媒と、当該選択還元触媒の下流側に設けられるNOxセンサと、当該選択還元触媒に上流側から尿素を添加する還元剤供給装置と、当該NOxセンサによるNH3のスリップの検出に基づいて当該選択還元触媒の劣化を判定する制御装置と、を備える内燃機関の排気浄化システムであって、
    上記制御装置は、
    正常な選択還元触媒の特性に基づいて、正常な選択還元触媒におけるNH3の最大吸着量と計算吸着量との差であるスリップ余裕量を算出し、且つ、劣化した選択還元触媒の特性に基づいて、上記NOxセンサによるNH3のスリップの検出に必要なNH3の量である必要NH3量を算出するとともに、
    上記スリップ余裕量が上記必要NH3量を超える場合には、還元剤供給装置による尿素の添加量を増加させる一方、上記スリップ余裕量が上記必要NH3量以下の場合には、還元剤供給装置による尿素の添加量の増加を停止し、上記内燃機関からのNOxの排出量を増加させるように構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
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