JP5182071B2 - 偏光子、偏光子の製造方法およびプロジェクター - Google Patents
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Description
また、プロジェクターにおいては、より鮮明な画像を実現するために、光源ランプの高輝度化が急激に進展し、耐熱性や耐光性などの信頼性の面から偏光子を始めとする光学素子の無機化が図られている。
したがって、可視光波長域、特に青色波長帯にも対応して、耐熱性およびコントラストに優れると共に、量産化が容易で安価な偏光子が求められている。
本適用例に係る偏光子は、入射光が入射する入射面と直線偏光光が射出する射出面を備える偏光子であって、前記入射面と前記射出面に対して略45°の角度で交差する斜面を有し、前記斜面同士が互いに交差する交線を有し、前記交線は前記入射面および前記射出面に沿って並列配置され、前記斜面の界面は偏光分離膜を備え、前記偏光分離膜は前記入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射し、前記入射面より入射した前記入射光の一部が複数の前記偏光分離膜を通過することを特徴とする。
本適用例に係る偏光子は、入射光が入射する入射面と直線偏光光が射出する射出面を備える偏光子であって、前記入射面と前記射出面に対して略45°の角度で交差する斜面を有し、前記斜面同士が互いに交差する交線を有し、前記交線は前記入射面および前記射出面に沿って並列配置され、前記斜面の界面は偏光分離膜を備え、前記偏光分離膜は前記入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射し、前記入射面より入射した前記入射光の一部が複数の前記偏光分離膜を通過し、前記入射面と前記射出面との間に、前記入射面および前記射出面に沿って並列配置された交線の列が、少なくとも1列から3列の内のいずれか一つを備えた構成を有することを特徴とする。
本適用例に係る偏光子の製造方法は、矩形状を成した透光性基板の一方の面上に、入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射する金属酸化膜より成る偏光分離膜を形成する偏光分離膜形成工程−1と、複数の前記透光性基板の前記偏光分離膜が形成された面を一方向に揃えて、板厚方向に順次重ねて貼り合わせたガラスブロックを形成するガラスブロック形成工程と、前記ガラスブロックを前記透光性基板の板厚間隔で前記偏光分離膜が形成された面に直交し互いに略平行な複数の切断線に沿って切断し、複数の板状の分割ユニットを形成するガラスブロック切断工程と、前記分割ユニットの一方の面上に前記偏光分離膜を形成して素子ユニットを得る偏光分離膜形成工程−2と、複数の前記素子ユニットの前記偏光分離膜が形成された面を一方向に揃えて、それぞれの一方面における端部が略45°の傾斜角度を成すように階段状に順次重ねて貼り合わせた素子ブロックを形成する素子ブロック形成工程と、前記素子ブロックを前記透光性基板の板厚の2倍または3倍の間隔で素子ブロックの表面と略45°の角度を成した互いに略平行な複数の切断線に沿って切断する素子ブロック切断工程と、を備えたことを特徴とする。
また、透光性基板の板厚、透光性基板の平面サイズおよび使用枚数を適宜選択することで、所望の平面サイズ又は/及び厚さの偏光子を容易に得ることができる。
本適用例に係るプロジェクターは、光源と、前記光源から射出される光の内、偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光のいずれか一方を選択する偏光変換素子と、前記偏光変換素子で選択された偏光光を複数の色光に分離する色光分離光学系と、前記色光分離光学系により分離された複数の色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する電気光学装置と、それぞれの前記電気光学装置で変調された前記複数の色光を合成して画像を形成する色光合成光学系と、前記色光合成光学系で合成した画像を表示画面上に表示する投射光学系と、を備えたプロジェクターであって、前記光源と前記複数の色光をそれぞれ変調する電気光学装置の内の少なくも一つの前記電気光学装置との間に、入射光が入射する入射面と直線偏光光が射出する射出面を備える偏光子であって、前記入射面と前記射出面に対して略45°の角度で交差する斜面を有し、前記斜面同士が互いに交差する交線を有し、前記交線は前記入射面および前記射出面に沿って並列配置され、前記斜面の界面は偏光分離膜を備え、前記偏光分離膜は前記入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射し、前記入射面より入射した前記入射光の一部が複数の前記偏光分離膜を通過する偏光子を備えたことを特徴とする。
また、偏光子の構成要素が無機物で構成されているので、光源と波長が短くパワーの強い青色光を変調する電気光学装置との間、又は/及び光源と光量が多く明るいルーメンの緑色光を変調する電気光学装置との間に配置して用いることにより、耐光性、耐熱性に優れ、しかもコントラストの優れた画像を表示することができるプロジェクターが得られる。
本実施形態の偏光子は、可視光波長域(420nm〜680nm程度)における青色波長域(430nm〜500nm程度)、緑色波長域(500nm〜590nm)および赤色波長域(590nm〜680nm)に、それぞれ個別に対応することが可能な光学素子であり、例えば、入射する光(S偏光光+P偏光光)から一種類の直線偏光光を射出する光学素子として、透過型プロジェクター、反射型プロジェクターなどにおける各種表示パネルの光入射側に配置して用いる反射型偏光子として好ましく用いることができる。
なお、偏光子1を構成するガラス材12およびガラス材13は、並列配置された複数のガラス材11を複数列(複数段)重ね合わせた状態で、一列に並列配置された複数のガラス材11の正方形断面の頂点に沿って切断して形成される。このことについては、後述する偏光子1の製造方法において説明する。
また、偏光分離膜14は、各誘電体材料を真空蒸着法、スパッタリング法またはイオンプレーティング法などを用いて成膜して形成される。
「表1」は、青色波長域(430nm〜500nm程度)の偏光分離機能を有する偏光分離膜14の膜構成の一例を示す。なお、以下に示す偏光分離膜14の膜構成は、設計波長700nm、入射角度45°における設計値である。
La0.5Al1.5O3を1層目として、2層目にMgF2、以後3層目〜30層目にLa0.5Al1.5O3とMgF2とが交互に成膜されて、最上層の31層目にLa0.5Al1.5O3が成膜されている。
「表2」に緑色波長域の偏光分離機能を有する偏光分離膜の膜構成を示し、「表3」に赤色波長域の偏光分離機能を有する偏光分離膜の膜構成を示す。
なお、緑色波長域対応の偏光分離膜の膜構成は、設計波長800nm、入射角度45°における設計値であり、赤色波長域対応の偏光分離膜の膜構成は、設計波長980nm、入射角度45°における設計値である。
なお、それぞれの偏光子の偏光分離特性は、積分球付分光光度計を用いて測定した。
図17(a)は従来の偏光子を模式的に示す正面図であり、図17(b)は図17(a)のB−B断面における断面図である。
したがって、「表1」に示す青色波長域対応の偏光分離膜が形成された偏光子を偏光子1B、「表2」に示す緑色波長域対応の偏光分離膜が形成された偏光子を偏光子1G、「表3」に示す赤色波長域対応の偏光分離膜が形成された偏光子を偏光子1Rと表す。
したがって、青色波長域対応の偏光分離膜が形成された従来の偏光子を偏光子20B、緑色波長域対応の偏光分離膜が形成された従来の偏光子を偏光子20G、赤色波長域対応の偏光分離膜が形成された従来の偏光子を偏光子20Rと表す。
斜め入射特性は、前記図1(b)に示すように、入射光がシステム光軸ALに沿って偏光子1および偏光子20の光入射面1a,20aに垂直入射する角度(すなわち、偏光分離膜14a,22が形成された面に対して45°で入射する角度)を入射角度0°と表したとき、「0°、+5°(偏光分離膜に入射する角度は、屈折の影響により48.3°)および−5°(偏光分離膜に入射する角度は、屈折の影響により41.7°)」、または「0°、±5°」における分光透過率特性をグラフ中に示す。
図2および図5は青色波長域(430nm〜500nm)を含む波長領域400nm〜520nm範囲における1nm毎の計測値を結んだ線図であり、図3および図6は緑色波長域(500nm〜590nm)を含む波長領域480nm〜610nm範囲における1nm毎の計測値を結んだ線図であり、図4および図7は赤色波長域(590nm〜680nm)を含む波長領域560nm〜700nm範囲における1nm毎の計測値を結んだ線図である。
図2(b)は、偏光子1BにおけるS偏光光(TE波)の分光透過率(非透過偏光成分透過率)特性を示すが、入射角度0°および入射角度±5°は、共に略同一線図を示すために一つの線図B2cで表す。S偏光光の分光透過率特性を一つの線図で表すことについては、以後に示す図3(b)および図4(b)についても同じである。
図4(b)は、偏光子1RにおけるS偏光光の分光透過率特性を示し、線図R2cは入射角度0°および入射角度±5°における特性曲線を示す。
CR=TP/TS…(1)
但し、TPは透過偏光成分透過率(%)、TSは非透過偏光成分透過率(%)を示す。
したがって、一般式(1)より、TPの値が一定値以上で大きく、且つTSの値が小さい程、優れたコントラストを有する偏光子が得られる。なお、一般的に、TSの値を小さくすることは、TPの値を大きくすることに比べて数段の困難を伴う。
したがって、コントラスト(CR)については、2段構造の偏光子が1段構造の偏光子に比べて、2桁から3桁高い値を示す。すなわち、2段構造の偏光子1は、優れた偏光分離機能を有すると共に、優れたコントラストを有する。
図8は、本実施形態に係る3段構造の偏光子を模式的に示す断面図である。
図8において、偏光子30は、前記2段構造の偏光子1が、正方形の断面形状を成したガラス材11の面を平行する光入射面1aおよび光射出面1bに対して45°の角度で光入射面1aおよび光射出面1bに沿って複数が並列配置されたガラス材11の列が、一列で構成されているのに対して、断面形状が正方形を成したガラス材11と同じガラス材31が平行する光入射面30aおよび光射出面30bに対して45°の角度θで光入射面30aおよび光射出面30bに沿って複数が並列配置されたガラス材31の列が、光入射面30aおよび光射出面30bの間に、隣り合う正方形の面同士を密着して2列配列した構造を有する。
平行する光入射面30aおよび光射出面30bに略90°の角度で直交するシステム光軸ALに沿って偏光子30の光入射面30aに入射した光線束(S偏光光+P偏光光)は、ガラス材32と、一列目に並列配置されたガラス材31との界面に形成された偏光分離膜34aに、略45°の入射角で入射して、互いに直交するS偏光光とP偏光光との2つの部分光線束に分離される。そして、偏光分離膜34aにおいて分離されたP偏光光は偏光分離膜34aを透過して光射出面30b側に向かう。一方、偏光分離膜34aにおいて分離されたS偏光光は、偏光分離膜34aで反射されて光入射面30a側に向かい、光入射面30aから射出される。
偏光子30の偏光分離特性は、前記2段構造の偏光子1および1段構造の偏光子20の場合と同様に、積分球付分光光度計を用いて測定した。
図9は青色波長域(430nm〜500nm)を含む波長領域400nm〜520nm範囲における1nm毎の計測値を結んだ線図であり、図10は緑色波長域(500nm〜590nm)を含む波長領域480nm〜610nm範囲における1nm毎の計測値を結んだ線図であり、図11は赤色波長域(590nm〜680nm)を含む波長領域560nm〜700nm範囲における1nm毎の計測値を結んだ線図である。
図9(b)は、偏光子30BにおけるS偏光光の分光透過率(非透過偏光成分透過率)特性の特性曲線を示すが、入射角度0°、入射角度+5°および入射角度−5°は、共に略同一線図を示すために一つの線図B3dで表す。
図10(b)は、偏光子30GにおけるS偏光光の分光透過率特性を示すが、入射角度0°、入射角度+5°および入射角度−5°は、共に略同一線図を示すために一つの線図G3dで表す。
図11(b)は、偏光子30RにおけるS偏光光の分光透過率特性を示すが、入射角度0°、入射角度+5°および入射角度−5°は、共に略同一線図を示すために一つの線図R3dで表す。
なお、TPの透過率は小数第1位の値で示し、TSの透過率は小数第2位の値で示す。但し、コントラストの値は、表中に表示しない小数第8位のTPおよびTSの値に基づいて演算した値である。
図12および図13は、偏光子1を製造する主要な工程における工程斜視図である。なお、これらの図面は、工程斜視図を模式的に示し、説明の便宜のために各構成要素の寸法や比率を実際のものとは異ならせてある。
偏光分離膜形成工程−1では、予め準備した同一の所定厚さの白板ガラスより成り、同一の矩形状の外形形状の透光性基板としてのガラス板111を、それぞれのガラス板111の2つの表面のうちの一方の表面上に、偏光分離膜14を形成する。なお、本実施形態におけるガラス板111の所定厚さは、例えば2mm程度である。
La0.5Al1.5O3を1層目として、2層目にMgF2、以後3層目〜30層目にLa0.5Al1.5O3とMgF2とが交互に成膜されて、最上層の31層目にLa0.5Al1.5O3が成膜されている。
偏光分離膜14は、各誘電体材料を真空蒸着法、スパッタリング法またはイオンプレーティング法などを用いて成膜する。
なお、図12および図13の図面において、ガラス板111などは、実際の枚数とは異なる省略した枚数で示す。
そして、ガラスブロック形成工程に移行する。
プラズマ重合膜の形成は、例えば、ポリオルガノシロキサンとしてオクタメチルトリシロキサンを用い、プラズマ重合装置のチャンバーの内部に、液状のオクタメチルトリシロキサンを気化した原料ガスと、アルゴンガスをキャリアガスとする混合ガスを供給して、ガラス板111を支持する第1電極と第1電極に対向配置した第2電極との間に高周波電圧を印加して、ガラス板111の接合面にオクタメチルトリシロキサンの重合物を付着、堆積する。
なお、形成するプラズマ重合膜の好ましい膜厚は、50〜500nm程度である。
ポリオルガノシロキサンは、通常、撥水性を示すが、活性化処理を施すことによって容易に有機基を脱離させて親水性に変化することができる。すなわち、プラズマ重合膜の表面にOH基が導入される。
なお、活性化処理方法としては、オゾンガスに接触させる方法、オゾン水で処理する方法、あるいはアルカリ処理する方法などを用いることもできる。
プラズマ重合膜は、表面に存在するOH基同士が、水素結合によって互いに引き合い、OH基同士の間に引力が発生する。また、この水素結合によって互いに引き合うOH基同士は脱水縮合を伴って表面から離脱する。さらに、それぞれのプラズマ重合膜の表面や内部に生じた終端化されていない結合手同士が再結合する。
こうした分子接合を行えば、従来の接合層の厚さが数μmであったものが数nm程度に薄くなるので、入射光が接合層の隙間から射出側へ未分離のまま漏れることがないので、一層の偏光性の向上には好適である。
そして、ガラスブロック切断工程に移行する。
切断線CL1に沿って切断されたガラスブロック112からは、図中にドットで示す領域形状の分割ユニット113が複数切り出される。分割ユニット113は、断面形状が立方体を成したガラス体が、ガラスブロック112に積層されたガラス板111の枚数(5枚)分、並列配置されて接合した板状形状を成している。
そして、偏光分離膜形成工程−2に移行する。
形成する偏光分離膜14は、偏光分離膜形成工程−1においてガラス板111の一方の面に形成した偏光分離膜14と同じ構成の45層の誘電体多層膜を形成する(上記「表1」参照)。偏光分離膜14は、同様に真空蒸着法、スパッタリング法またはイオンプレーティング法などを用いて成膜して形成する。これにより、板状の分割ユニット113の一方面上に偏光分離膜14が形成された素子ユニット114が形成される。
そして、素子ブロック形成工程に移行する。
こうした素子ブロック形成工程により、複数の隣り合う素子ユニット114同士が板厚方向に階段状に積層して接合された素子ブロック115が形成される。
そして、素子ブロック切断工程に移行する。
素子ブロック115を切断する切断線CL2は、素子ブロック115を形成する最上段に位置する素子ユニット114の板厚に沿って形成された偏光分離膜14の2列目毎の表面位置で、素子ブロック115の表面と成す角度が略45°に切断する。
また、ガラス板111の板厚、ガラス板111の平面サイズおよび使用枚数を適宜選択することで、所望の平面サイズ又は/及び厚さの偏光子1および偏光子30を容易に得ることができる。
偏光子1または偏光子30は、プロジェクターを構成する各種LCDの光入射側に配置して入射する光(S偏光光+P偏光光)から一種類の直線偏光光を射出する光学素子(反射型偏光子)として用いることができる。
図14は、本実施形態に係る偏光子(2段構造の偏光子)を組み込んだ液晶プロジェクターの光学系を示す概略構成図である。
これらの液晶プロジェクター10を構成する光学系の各要素は、いずれも図示しない上筐体と下筐体に案内、保持され、さらに上下の外装ケース等に収容される。
第1のレンズアレイ120および第2のレンズアレイ130は、それぞれ複数からなる同数の小レンズを有している。小レンズは、平凸状の偏心レンズであり、輪郭が後述する液晶ライトバルブ400とほぼ相似形となるように設定されている。
偏光変換素子140は、可視光波長域に対する広帯域偏光分離機能を有する偏光分離膜、反射膜およびλ/2位相差板などを備え、入射した光線束を1種類のP偏光光(直線偏光光)に変換する機能を有し、P偏光光が偏光変換素子140から重畳レンズ150に向かって射出される。この偏光変換素子140から射出される射出光には、P偏光光以外の不要な偏光成分が含まれている。不要な偏光成分は、偏光変換素子140において変換されずに透過した無偏光光やS偏光光、および偏光変換素子140に入射した入射光の散乱や反射などによる迷光などである。
ダイクロイックミラー201は、重畳レンズ150から射出される光のうち赤色光成分を透過させるとともに、青色光成分と緑色光成分とを反射する。ダイクロイックミラー201を透過した赤色光は、反射ミラー203で反射され、フィールドレンズ301を通った後、偏光子1R(図1および「表3」参照)に入射する。
そして、液晶ライトバルブ400R,400G,400Bにおいて画像が形成された各色光は、それぞれ出射偏光子310,320,330に入射する。出射偏光子310,320,330では、偏光子1(1B,1G,1R)における透過軸と直交する偏光方向を有する光線束(変調光)のみを透過させ、その他の光線束が吸収される。
なお、偏光子1の回転方向は、右回転または左回転のどちらであってもよい。
図16は、本実施形態に係る別の2段構造の偏光子を模式的に示す断面図である(正面図は省略する)。
光入射面40aを形成するガラス材41aの光入射面40aに、光入射面40aおよび光射出面40bに略90°の角度で直交するシステム光軸ALに沿って入射した光線束(S偏光光+P偏光光)は、ガラス材41aとガラス材41bとの界面に形成された偏光分離膜44aに、略45°の入射角で入射する。偏光分離膜44aでは、互いに直交するS偏光光とP偏光光との2つの部分光線束に分離されて、P偏光光は偏光分離膜44aを透過して光射出面40b側に向かい、S偏光光は偏光分離膜44aで反射されて光入射面40aから射出される。
このように構成され、動作する偏光子40は、前記偏光子1と同様の効果が得られる。
例えば、上記の図17に示すような従来の1段構造の偏光子20を本実施形態と同様な方法で製造するためには、素子ブロック515のそれぞれの素子ユニット514を構成するガラス体511を、断面形状が正方形ではなく、縦幅(板厚方向の厚さ)α、素子ブロック515を切断線CL3で切断するのに用いるワイヤーソーやダイヤモンドソーなどの切り代δを考慮した横幅βの矩形形状で構成する必要がある。また、多数段に積層するそれぞれの素子ユニット514を、切り代分に相当する距離γずつずらして貼り合せる必要もある。こうすることによって、ガラス体511の界面に形成された偏光分離膜22のそれぞれの交差頂点を光入射面20aおよび光射出面20bとする偏光子20が得られる。
Claims (4)
- 入射光が入射する入射面と直線偏光光が射出する射出面を備える偏光子であって、
前記入射面と前記射出面に対して略45°の角度で交差する斜面を有し、前記斜面同士が互いに交差する交線を有し、前記交線は前記入射面および前記射出面に沿って並列配置され、前記斜面は互いに交差する交点から延長して形成され、
前記斜面の界面は偏光分離膜を備え、前記偏光分離膜は前記入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射し、
前記入射面と前記射出面の間に配置された透光性部材は前記偏光分離膜で囲まれている、または前記偏光分離膜と前記入射面もしくは前記射出面に囲まれており、
前記入射面より入射した前記入射光の一部が複数の前記偏光分離膜を通過することを特徴とする偏光子。 - 入射光が入射する入射面と直線偏光光が射出する射出面を備える偏光子であって、
前記入射面と前記射出面に対して略45°の角度で交差する斜面を有し、前記斜面同士が互いに交差する交線を有し、前記交線は前記入射面および前記射出面に沿って並列配置され、前記斜面は互いに交差する交点から延長して形成され、
前記斜面の界面は偏光分離膜を備え、前記偏光分離膜は前記入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射し、
前記入射面と前記射出面の間に配置された透光性部材は前記偏光分離膜で囲まれている、または前記偏光分離膜と前記入射面もしくは前記射出面に囲まれており、
前記入射面より入射した前記入射光の一部が複数の前記偏光分離膜を通過し、
前記入射面と前記射出面との間に、前記入射面および前記射出面に沿って並列配置された交線の列が、少なくとも1列から3列の内のいずれか一つを備えた構成を有することを特徴とする偏光子。 - 矩形状を成した透光性基板の一方の面上に入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射する金属酸化膜より成る偏光分離膜を形成する偏光分離膜形成工程−1と、
複数の前記透光性基板の前記偏光分離膜が形成された面を一方向に揃えて、板厚方向に順次重ねて貼り合わせたガラスブロックを形成するガラスブロック形成工程と、
前記ガラスブロックを前記透光性基板の板厚間隔で前記偏光分離膜が形成された面に直交し互いに略平行な複数の切断線に沿って切断し、複数の板状の分割ユニットを形成するガラスブロック切断工程と、
前記分割ユニットの前記切断線に沿って切断された切断面の一方の面上に前記偏光分離膜を形成して素子ユニットを得る偏光分離膜形成工程−2と、
複数の前記素子ユニットの前記偏光分離膜が形成された面を一方向に揃えて、それぞれの一方面における端部が略45°の傾斜角度を成すように階段状に順次重ねて貼り合わせた素子ブロックを形成する素子ブロック形成工程と、
前記素子ブロックを前記透光性基板の板厚の2倍または3倍の間隔で素子ブロックの表面と略45°の角度を成した互いに略平行な複数の切断線に沿って切断する素子ブロック切断工程と、
を備えたことを特徴とする偏光子の製造方法。 - 光源と、前記光源から射出される光の内、偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光のいずれか一方を選択する偏光変換素子と、前記偏光変換素子で選択された偏光光を複数の色光に分離する色光分離光学系と、前記色光分離光学系により分離された複数の色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する電気光学装置と、それぞれの前記電気光学装置で変調された前記複数の色光を合成して画像を形成する色光合成光学系と、前記色光合成光学系で合成した画像を表示画面上に表示する投射光学系と、を備えたプロジェクターであって、
前記光源と前記複数の色光をそれぞれ変調する電気光学装置の内の少なくも一つの前記電気光学装置との間に、
入射光が入射する入射面と直線偏光光が射出する射出面を備える偏光子であって、
前記入射面と前記射出面に対して略45°の角度で交差する斜面を有し、前記斜面同士が互いに交差する交線を有し、前記交線は前記入射面および前記射出面に沿って並列配置され、前記斜面は互いに交差する交点から延長して形成され、
前記斜面の界面は偏光分離膜を備え、前記偏光分離膜は前記入射光を偏光方向が互いに直交する二種類の直線偏光光に分離すると共に、一方の前記直線偏光光を透過し、他方の前記直線偏光光を反射し、
前記入射面と前記射出面の間に配置された透光性部材は前記偏光分離膜で囲まれている、または前記偏光分離膜と前記入射面もしくは前記射出面に囲まれており、
前記入射面より入射した前記入射光の一部が複数の前記偏光分離膜を通過する偏光子を備えたことを特徴とするプロジェクター。
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