JP5181852B2 - 熱伝導性接着剤および接着構造体 - Google Patents

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本発明は、樹脂に複数の熱伝導性フィラーを含有してなり加熱により硬化する熱伝導性接着剤、および、当該熱伝導性接着剤を介して2個の被接着部材を熱的・機械的に接続してなる接着構造体に関する。
一般に、この種の熱伝導性接着剤は、樹脂に複数の熱伝導性フィラーを含有してなる接着剤であって、対向する2個の被接着部材の間に介在した状態で加熱されて硬化することで当該2個の被接着部材を熱的および機械的に接続するものである(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003−327937号公報
ところで、従来では、このような熱伝導性接着剤を高熱伝導化するために、熱伝導性フィラーを高充填化する手法が一般的である。
しかしながら、熱伝導性フィラーを高充填化することにより、接着剤の粘度が増大し、接着剤中にボイドが発生することや、濡れ性の低下の問題がある。また、接着剤中の樹脂体積比が減少することにより、接着強度の低下を招く恐れがある。
さらに、本発明者の検討によれば、熱伝導性フィラーを高充填化して、材料自体の熱伝導率を向上させても、パワーIC等の発熱部品を実装した際に、十分に熱抵抗を下げられないことを確認した。
具体的には、熱伝導率が大きい材料と小さい材料で、それぞれ接続膜厚を変えて熱抵抗測定を実施した結果、高熱伝導材料の熱抵抗については、膜厚による依存性は小さくなるが、界面との接触熱抵抗については、熱伝導率が小さい材料と同等レベルであった。このように、従来の高熱伝導材料の問題点としては、実装部品との界面熱伝導性が悪いことである。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、熱伝導性接着剤および当該熱伝導性接着剤を介して接着された接着構造体において、熱伝導性フィラーの充填量を極力増加させることなく、熱伝導性フィラーと2個の被接着部材との接触による伝熱経路を増加して高い熱伝導性を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、熱伝導性接着剤において、個々の熱伝導性フィラー(32)は、互いに熱膨張係数の異なる材料よりなる2個の部材(321、322)を重ねて貼り合わせたものであり、樹脂(31)を硬化させるときの熱によって、個々の熱伝導性フィラー(32)が2個の部材(321、322)の熱膨張係数の違いから湾曲することにより、当該硬化前よりも個々の熱伝導性フィラー(32)が、熱伝導性接着剤(30)の厚さ方向における個々の熱伝導性フィラー(32)の寸法が熱伝導性接着剤(30)の硬化前よりも大きくなるように変形して、熱伝導性フィラー(32)と2個の被接着部材(10、20)との接触面積が増加するようになっていることを特徴とする。
それによれば、熱伝導性フィラーの充填量を極力増加させることなく、熱伝導性フィラー(32)と2個の被接着部材(10、20)との接触による伝熱経路を増加して高い熱伝導性を実現することが可能となる。
また、請求項に記載の発明では、個々の熱伝導性フィラー(32)は、互いに熱膨張係数の異なる材料よりなる2個の部材(321、322)を重ねて貼り合わせたものであり、硬化時の熱によって、個々の熱伝導性フィラー(32)が2個の部材(321、322)の熱膨張係数の違いから湾曲するもの、いわゆるバイメタル効果を持ったフィラーとしている
このバイメタル効果を持ったフィラーの場合、さらに、請求項に記載の発明のように、2個の部材(321、322)のうち熱膨張係数の大きな部材(322)の方が、熱膨張係数の小さな部材(321)よりも重なり方向に沿った厚さが大きいものにすれば、湾曲度合を大きくしやすい。
また、このバイメタル効果を持ったフィラーの場合、請求項に記載の発明のように、個々の熱伝導性フィラー(32)に、切れ目(324)が入っているものにすれば、湾曲度合を大きくしやすい。
そして、請求項に記載の発明では、上記請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の熱伝導性接着剤(30)を、対向する2個の被接着部材(10、20)の間に介在させ、熱伝導性接着剤(30)を介して、2個の被接着部材(10、20)を熱的および機械的に接続してなる接着構造体が提供される。この接着構造体は、上記各手段に記載した熱伝導性接着剤による作用効果を奏するものである。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る接着構造体の概略断面構成を示す図であり、図2は、この接着構造体において第1及び第2の被接着部材10、20を熱伝導性接着剤30を介して重ねるとともに当該接着剤30を硬化させる前の状態を示す概略断面図である。つまり、図1は接着剤30の硬化後の状態を示している。
この接着構造体は、大きくは、熱伝導性接着剤30を介して、第1の被接着部材10を第2の被接着部材20の上に搭載し、熱伝導性接着剤30を介して2個の被接着部材10、20を熱的および機械的に接続してなるものである。
第1の被接着部材10および第2の被接着部材20としては、特に限定するものではないが、具体的には一方が発熱部品、他方が放熱部材であって、接着剤30を介して発熱部品に発生する熱を放熱部材に放熱させるようにする。
ここでは、図1中の上側の第1の被接着部材10が発熱部品であり、下側の第2の被接着部材20が放熱部材としている。発熱部品は、駆動時に発熱するものであって熱伝導性接着剤30で実装可能な部品であり、たとえば、駆動時に高発熱を伴うシリコン半導体よりなるパワーICチップや、ダイオード、コンデンサ、抵抗などの表面実装部品が挙げられる。
放熱部材は、熱伝導性接着剤30を介して発熱部品を搭載可能であり且つ発熱部品の熱を放熱可能なものであれば、特に限定されないが、たとえば、セラミック基板やプリント基板などの配線基板や回路基板などが挙げられる。
熱伝導性接着剤30は、樹脂31に複数の熱伝導性フィラー32を含有してなる。この熱伝導性接着剤30は必要に応じて導電性でもよいし、非導電性でもよいが、第1及び第2の被接着部材10、20の間に介在し、これら両部材10、20を熱的・機械的に接続するものである。
樹脂31は熱を加えることで硬化する熱硬化性樹脂よりなる。具体的には、樹脂31は、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂など、一般的なバインダ用樹脂材料よりなり、一液性のものでも、2種類の樹脂の混合で効果する二液性のものでもよい。さらに、カップリング剤、有機溶剤、希釈剤、硬化遅延剤などが混合されていてもよい。
そして、熱伝導性接着剤30は、樹脂31を硬化させることにより、樹脂31中の熱伝導性フィラー32同士の接触、および、熱伝導性フィラー32と第1の被接着部材10や第2の被接着部材20との接触がなされており、これら接触により熱経路が形成され、放熱が得られている。
ここで、本実施形態では、熱伝導性フィラー32としては、樹脂31を硬化させるときの熱によって、当該硬化前よりも個々の熱伝導性フィラー32が嵩高くなるように変形するものである。ここで、熱伝導性フィラー32の変形によって、熱伝導性フィラー32の形状は図2の状態から図1の状態になる。
つまり、硬化前よりも個々の熱伝導性フィラー32が嵩高くなるように変形するとは、熱伝導性接着剤30の厚さ方向(つまり、2個の被接着部材10、20の重なり方向)における個々の熱伝導性フィラー32の寸法が当該熱伝導性接着剤30の硬化前よりも大きくなるように変形することである。そしてこの変形によって、熱伝導性フィラー32と2個の被接着部材10、20との接触面積が増加する。
本実施形態では、熱により変形する熱伝導性フィラー32をバイメタルフィラーにより構成している。図3は、本実施形態の熱伝導性フィラー32の単体構成を示す概略断面図であり、(a)は上記硬化時の熱によって変形する前の状態、(b)は同変形後の状態を示している。
個々の熱伝導性フィラー32は、互いに熱膨張係数の異なる材料よりなる2個の部材321、322を重ねて貼り合わせたものであり、上記硬化時の熱によって、個々の熱伝導性フィラー32が2個の部材321、322の熱膨張係数の違いから、図3(b)に示されるように湾曲する。
熱伝導性フィラー32の形状は、フレーク状、棒状、楕円球状、板状など特に限定しないが、ここではフレーク状をなす。そして、その厚さ方向に2個の部材321、322が重なりあって貼り合わせられている。この貼り合わせは、一方の部材321に他方の部材322を蒸着したり、スパッタしたり、スピンコートしたり、あるいは、めっきしたりすることで実現することができる。
そして、上記熱による変形時には、熱伝導性フィラー32は、図3(b)に示されるように、2個の部材321、322の界面を境界として、熱膨張係数の小さな第1の部材321側の部位が凸、熱膨張係数の大きな第2の部材322側の部位が凹となるように湾曲する。
これによって、変形後では図2に示されるように、個々の熱伝導性フィラー32は湾曲して嵩高くなるため、図1に示される硬化前に比べて、熱伝導性フィラー32と2個の被接着部材10、20とが接触する確率が高くなり、両者の接触面積が増加する。
ここで、さらに言うならば、個々の熱伝導性フィラー32が、互いに熱膨張係数の異なる材料よりなる2個の部材321、322を重ねて貼り合わせたものである場合、個々の熱伝導性フィラー32の形状はある1つの方向に延びる形状であり、フィラーの長手方向に沿って貼り合わせ界面が延びることが好ましい。これにより、上記バイメタルの変形によって効果的に嵩高さを確保できる。
熱膨張係数の違う2種類の材料としての第1の部材321、第2の部材322としては、たとえば、鉄と銅、42アロイと銅などの組み合わせが考えられる。その他にも、鉄、銅、42アロイ、銀、金などの材料から2種類を適宜選択すればよい。
両部材321と322との熱膨張係数差が大きいほど、熱伝導性フィラー32の湾曲度合いは大きくなる。ここで、熱膨張係数の一例を挙げておくと、鉄:12×10-6/℃ 銅:17×10-6/℃ 42アロイ:4.3×10-6/℃ 銀:18.9×10-6/℃である。
また、熱伝導性接着剤30は、目的のフィラー湾曲度が得られる温度で硬化する材料を樹脂31として選択する必要がある。例えば、ベースレジンにエポキシ樹脂、硬化剤にジシアンジアミドを使用した場合、硬化温度は160〜180℃であり、その温度で熱伝導性フィラー32においては、当該熱膨張係数差によって生じた分の湾曲が得られる。
また、弾性率は、熱伝導性フィラー32における第1の部材321と第2の部材322とで極力近いことが望ましい。これにより、応力に対するひずみ量が近いものとなるため、2つの部材321、322の界面での剥離が発生しにくくなる。
たとえば、熱伝導性フィラー32に1方向から引っ張りもしくは圧縮の応力が生じた場合、ヤング率の等しいものであれば、ひずみ量が等しくなり、両部材321、322の界面での発生応力がない。
各材料のヤング率の一例を挙げると、金:78GPa、銀:83GPa、銅:130GPaである。これらヤング率の近いものを第1および第2の部材321、322として詮索すれば、これら両部材321、322の弾性率が近い熱伝導性フィラー32を実現することができる。
また、2つの部材321、322の剥離の心配がある場合は、図4に示されるように、熱伝導性フィラー32の表面に、例えばめっきなどを施し、被膜323を形成することによって、2つの部材321、322が剥離するのを防止することができる。この被膜323としては、たとえばAu、Ag、Cuなどのめっきが挙げられる。
さらに、2つの部材321、322の材料間で拡散接合させることにより、両部材321、322の密着性を高めて剥離を防ぐことも可能である。
また、熱伝導性フィラー32の湾曲度合いは様々な点から任意に変更ができる。まず、湾曲度合いに影響を及ぼす要因としては、熱伝導性フィラー32における2つの部材321、322の熱膨張係数差があるが、これについては上述したように、熱膨張係数差が大きいほどフィラー32の湾曲度合いが大きくなる。
また、上記要因としては、熱伝導性フィラー32における2つの部材321、322のそれぞれの厚さt1、t2が挙げられる。これら厚さt1、t2については図3(a)参照のこと。例えば、第1の部材321を厚さt1が0.2μmの鉄、第2の部材322を厚さt2が0.8μmの銅にした場合、第2の部材322を厚さt2が0.2μmの銅、第1の部材321を厚さt1が0.8μmの鉄にする場合よりも、湾曲度合いが大きくなると考えられる。
これは、熱膨張係数が銅の方が大きいためである。つまり、湾曲度合を大きくして上記接触面積を増加させるためには、熱伝導性フィラー32における2個の部材321、322のうち熱膨張係数の大きな第2の部材322の方が、熱膨張係数の小さな第1の部材321よりも重なり方向に沿った厚さが大きい方がよい。
また、上記要因としては、熱伝導性フィラー32自体の厚さが挙げられる。例えば、熱伝導性フィラー32の厚さが1μm以下の薄いフレーク状であれば、より湾曲しやすいフィラーとなる。
さらに、上記湾曲度合を大きくするためには、図5に示されるように、熱伝導性フィラー32に切れ目324を入れてもよい。この場合、熱膨張係数の大きな方の第2の部材322に切れ目324を入れる。この切れ目324は、たとえばマスクを用いた選択的な蒸着やスパッタを行って、部分的に部材321、322の厚さを変えてやればよい。
熱伝導性フィラー32に切れ目324を入れることで、この切れ目324が開く方向にフィラー32が容易に湾曲するようになる。また、切れ目324の長さを変えることで湾曲度合を変更することも可能である。
このような熱伝導性フィラー32の作製方法について述べる。例として、機械粉砕法などにより金属の固体原料を機械的に粉にし、その後、圧延法などにより、金属粒をロールで圧延して、所望の厚さのフレーク状に形成する。
その後、フレーク状の部材の片面に、真空蒸着法などにより、もう1種類のフィラー材料を所望の厚さまで蒸着する。または、スピンコート法、めっきなどにより成膜してもよい。これにより、熱伝導性フィラー32ができあがる。
そして、本実施形態の接着構造体は、このような熱伝導性フィラー32を樹脂31に複数含有した熱伝導性接着剤32を介して、第1の被接着部材10と第2の被接着部材20とを重ね合わせ、その状態で熱伝導性接着剤32を加熱して樹脂31を硬化させることにより製造される。
本実施形態では、この硬化時に、上記図2から図1の状態となるように、硬化前よりも個々の熱伝導性フィラー32が変形して嵩高くなり、熱伝導性フィラー32と2個の被接着部材10、20との接触面積が増加する。そのため、本実施形態によれば、熱伝導性フィラー32の充填量を極力増加させることなく、熱伝導性フィラー32と2個の被接着部材10、20との接触による伝熱経路が増加し、高い熱伝導性が実現する。
次に、この本実施形態による効果について、一具体例を示しておく。熱伝導性フィラー32は、次のように作製した。
機械粉砕法によりAgを粉にし、その後、圧延して厚さ0.4μmのフレーク状にする。その後、フレーク状のAgの片面に真空蒸着法によりCuを0.2um蒸着し、バイメタルフィラーとしての熱伝導性フィラー32を形成する。各厚さは湾曲しやすいように熱膨張係数の大きいAgをCuよりも厚くした。各熱膨張係数は、Ag:18.9×10-6/℃、Cu:17×10-6/℃である。
そして、主剤がエポキシ樹脂よりなる樹脂31に対して、熱伝導性フィラー32を均一に混合分散させた。その体積比は、樹脂31が70wt%、熱伝導性フィラー32が30wt%とした。
なお、従来では熱伝導率を向上させるために熱伝導性フィラーを高充填化したものの場合、その体積比は熱伝導性フィラーが60〜70wt%であるのが一般的であり、本実施形態はそれよりもかなり少ない熱伝導性フィラー32の量としている。
また、本実施形態の効果を比較するため、比較例として従来と同様の熱伝導性接着剤も作製した。この比較例の接着剤は、熱伝導性フィラーとして厚さ0.6μmのAgを用い、その他は上記実施形態の作製方法と同様にして作製した。そして、これら本実施形態および比較例の熱伝導性接着剤を用いて、基板とSiチップとを接着した。
こうして本実施形態と比較例について調査した結果、本実施形態のものは、接着時の加熱によって熱伝導性フィラー32が湾曲し、熱伝導性フィラー32とSiチップとの界面での接触面積が増加した結果、放熱性が向上した。そして、Siチップの表面の温度は、上記比較例よりも約2割減少した。
また、本実施形態では、熱伝導性フィラー32を高充填させていないため、高充填化接着剤の問題点であった塗膜性や接着強度が比較例よりも改善された。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る熱伝導性フィラー32の単体構成を示す概略断面図であり、(a)は硬化時の熱によって変形する前の状態、(b)は同変形後の状態を示している。
上記第1実施形態では、熱伝導性フィラー32は、熱膨張係数の異なる2個の部材321、322を重ねて貼り合わせたバイメタルとすることによって、硬化時に嵩高くなるように変形するものとした。
それに対して、本実施形態の熱伝導性フィラー32は、硬化時の熱によって膨張することによって、上記した嵩高い変形を実現する。具体的には、本熱伝導性フィラー32は、発泡材料より構成されており、そうすることで、硬化時には、図6(a)から(b)に示されるように、硬化時の熱によって当該発泡材料中の気体が膨張して嵩高くなるように変形するものである。
そのような発泡材料としては、たとえば、金属多孔質体構造をもつ金属である発泡アルミニウムなどの発泡金属を用いたり、または発泡樹脂に金属めっきしたものを用いたりすればよい。これにより、熱硬化時に熱伝導性フィラー32が膨張し、熱伝導性フィラー32と被接着部材10、20との接触確率が増加する。
発泡樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂に、アゾジカルボンアミドなどの熱発泡性発泡剤を添加したものなどが挙げられる。ここで、アゾジカルボンアミド(ADCA)とは各種樹脂、ゴムなどの発泡に最も一般的に使用される有機系発泡剤である。また、発泡樹脂に金属めっきする材料としては、導電性材料で、熱伝導率が良い金、銀、銅などである。ここで、熱伝導率は、銀>銅>金であり、室温での熱伝導率は、銀:420W/mK、銅:398W/mK、金:320W/mKである。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る接着構造体の概略断面構成を示す図であり、(a)は接着剤30を硬化させる前の状態を示し、(b)は接着剤30の硬化後の状態を示している。
この場合の熱伝導性フィラー32は、硬化時の熱によって表面に凹凸が発生することにより、上記した嵩高い変形を実現する。具体的には、本熱伝導性フィラー32は、硬化時の熱によって表面に凹凸としてのウィスカ325が発生するものである。
例えば、熱伝導性フィラー32はAgフィラーにSnなどをめっきしたものであり、これに対して硬化時の熱が加わることにより、ウィスカ325が成長しやすい環境になる。その結果、熱伝導性フィラー32にウィスカ325が発生してフィラー32が嵩張り、被接着部材10、20との接触確率が増加する。
(他の実施形態)
なお、第1の被接着部材10および第2の被接着部材20としては、上記実施形態に限定するものではなく、一方が発熱部品、他方が放熱部材である必要はない。また、接着剤30を介して両被接着部材10、20は機械的・熱的に接続されていればよいが、接着剤30は導電性を持っているものであってもよいことはもちろんである。
本発明の第1実施形態に係る接着構造体の概略断面図である。 上記図1中の接着構造体において接着剤の硬化前の状態を示す概略断面図である。 第1実施形態の熱伝導性フィラーの単体構成を示す概略断面図であり、(a)は変形前の状態、(b)は変形後の状態を示す。 第1実施形態の他の例としての熱伝導性フィラーの単体構成を示す概略断面図である。 第1実施形態の他の例としての熱伝導性フィラーの単体構成を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る熱伝導性フィラーの単体構成の概略断面図であり、(a)は変形前の状態、(b)は変形後の状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る接着構造体の概略断面図であり、(a)は接着剤の硬化前の状態を示し、(b)は接着剤の硬化後の状態を示す。
符号の説明
10 第1の被接着部材
20 第2の被接着部材
30 熱伝導性接着剤
31 樹脂
32 熱伝導性フィラー
321 第1の部材
322 第2の部材
324 切れ目
325 ウィスカ

Claims (4)

  1. 樹脂(31)に複数の熱伝導性フィラー(32)を含有してなる接着剤であって、対向する2個の被接着部材(10、20)の間に介在した状態で加熱されて前記樹脂(31)が硬化することで当該2個の被接着部材(10、20)を熱的および機械的に接続する熱伝導性接着剤において、
    個々の前記熱伝導性フィラー(32)は、互いに熱膨張係数の異なる材料よりなる2個の部材(321、322)を重ねて貼り合わせたものであり、
    前記樹脂(31)を硬化させるときの熱によって、個々の前記熱伝導性フィラー(32)が前記2個の部材(321、322)の熱膨張係数の違いから湾曲することにより、当該硬化前よりも個々の前記熱伝導性フィラー(32)が、前記熱伝導性接着剤(30)の厚さ方向における個々の前記熱伝導性フィラー(32)の寸法が前記熱伝導性接着剤(30)の硬化前よりも大きくなるように変形して、前記熱伝導性フィラー(32)と前記2個の被接着部材(10、20)との接触面積が増加するようになっていることを特徴とする熱伝導性接着剤。
  2. 前記2個の部材(321、322)のうち熱膨張係数の大きな部材(322)の方が、熱膨張係数の小さな部材(321)よりも重なり方向に沿った厚さが大きいことを特徴とする請求項に記載の熱伝導性接着剤。
  3. 個々の前記熱伝導性フィラー(32)には、切れ目(324)が入っていることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導性接着剤。
  4. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の熱伝導性接着剤(30)を、対向する2個の被接着部材(10、20)の間に介在させ、
    前記熱伝導性接着剤(30)を介して、前記2個の被接着部材(10、20)を熱的および機械的に接続してなる接着構造体。
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