JP5181354B2 - 防腐防黴剤エマルション - Google Patents

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Description

本発明は、製紙、塗料、ポリマーラテックス、樹脂エマルション、木材工業、接着剤、コーティング剤、織物、皮革、インク、家庭用洗剤、切削油等の各種工業製品を安定に保存する防腐防黴剤を、水のみで所定濃度に製剤化することが可能な防腐防黴剤エマルションに関する。
従来より、各種工業製品を微生物による腐敗又はカビから保護するために用いられる工業用防腐防黴剤として、イソチアゾリン化合物がよく知られており、特にイソチアゾリン−3−オン類は、水性媒質を微生物による腐敗やカビから保護するのに有効な化合物であり、各種の産業分野で幅広く利用されている。
しかしながら、このイソチアゾリン−3−オン類は、水に対する溶解度が非常に低く、均一系の水溶液を調製することは非常に困難であるため、通常においては、グリコール系の有機溶剤で所定の濃度に製剤化(製品としての製造、貯蔵、使用まで耐え得る安定性を持たせた製剤を製造)するようにしている(特許文献1,2等参照)。
ところが、希釈化するために有機溶剤が用いられると、この有機溶剤が揮発性有機化合物(VOC)として大気中に揮散する等の不都合があり、また、溶剤を収容していた使用済みのドラム缶が大量に発生する不都合がある。
また、高濃度の防腐防黴剤エマルションを形成しておき、水のみで所定の濃度の希釈できることが望ましいが、従来の界面活性剤を用いた乳化法で調製した薬剤は、多量の界面活性剤が必要になるし、高濃度のエマルションを形成することができず、10wt%程度のものしか形成することができなかった。
特開平08−325102号公報 特開平07−149609号公報
そこで、本発明においては、防腐防黴剤を含有した高濃度のエマルションを予め形成しておき、有機溶剤を用いずに水だけで容易に所望濃度に製剤化することができ、しかも安定した水溶液製剤を得ることが可能な防腐防黴剤エマルションを提供することを主たる課題としている。
本発明者らは、油/両親媒性化合物/水系の中で独立相として存在する両親媒性化合物のナノ粒子をファンデルワールス力により油滴に付着させることで乳化を行なう技術、即ち、油や水の粒子に対して乳化分散剤相のナノ粒子を付着させ、これにより、水相―乳化分散剤相―油相の三相構造を形成し、従来の界面活性剤とは異なり、相溶性による油水界面の界面エネルギーを低下させることなく、熱衝突による合一を起こりにくくして乳化物の長期安定化を図るようにした新規な乳化技術(以下、三相乳化法という)について先に提案している(特許3855203号、特許3858230号参照)。
従来の界面活性剤を用いた乳化法では、油と水との界面に界面活性剤が吸着し、その界面エネルギーを低下させることを乳化・分散法の基本としていたので、その界面張力を低下させるために多量の界面活性剤を必要とするものであったが、前述した新規な乳化法(三相乳化法)を採用して、防腐防黴剤の水分散液に前記閉鎖小胞体を主成分とする乳化分散剤を添加して調製すれば、相分離が生じない経時安定性に優れた防腐防黴剤エマルションを形成でき、また、格別な溶剤を必要とすることなく、水だけでも容易に希釈することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る防腐防黴剤エマルションは、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成されて油性基材表面に付着する閉鎖小胞体を主成分とする乳化分散剤と防腐防黴剤とを水に添加して構成することを特徴としている。
ここで、前記両親媒性物質は、下記の一般式(化1)で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体のうちエチレンオキシドの平均付加モル数(E)が5〜100である誘導体(HCO−Xと略す)を用いることが有用である。
Figure 0005181354
ここで、前記両親媒性物質を1〜5wt%、前記防腐防黴剤を10〜65wt%、水バランスで組成するようにするとよい。
また、前記防腐防黴剤は、イソチアゾリン化合物、ベンゾチアゾール化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、より具体的には、防腐防黴剤として、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OITと略す)、又は、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾ−ル(TCMTBと略す)を用いるとよい。
以上述べたように、本発明によれば、イソチアゾロン化合物や、ベンゾチアゾール化合物等の防腐防黴剤を含有した高濃度の防腐防黴剤エマルションを安定に形成することができ、また、水だけで容易に所要濃度に希釈することができ、しかも経時安定な水溶液製剤を得ることが可能となる。
このため、これまで希釈化するために用いていた有機溶剤が不要となるので、有機溶剤が揮発性有機化合物(VOC)として大気中に揮散する等の不都合がなく、また、有機溶剤を収容していた使用済みのドラム缶の発生を抑えることが可能となる。
図1は、防腐防黴剤としてOITを用い、乳化剤としてポリオキシエチレン硬化ひまし油を用いた場合の経時安定性を乳化剤のエチレンオキシドの平均付加モル数を変化させて調べた結果を示す表である。 図2は、防腐防黴剤としてOITを用い、乳化剤として水素化レシチン、ジステアリン酸デカグリセリル(2SV−10G)、トリステアリン酸デカグリセリル(3SV−10G)、糖ポリマー(アルカシーラン)を用いた場合の経時安定性を調べた結果を示す表である。 図3は、乳化剤(HCO−30)の量を一定(3wt%)とし、防腐剤(OIT)の混合割合を変化させて乳化状態を調べた結果を示す表である。 図4は、防腐剤(OIT)の濃度を一定(50wt%)とし、乳化剤(HCO−30)の濃度を変化させた場合の乳化状態を調べた結果を示す表である。 図5は、50%OITエマルションと100%OIT品との最小発育阻止濃度(MIC)を調べた結果を示す表である。 図6は、50%OITエマルションの水希釈安定結果を示す表である。 図7は、50%OITエマルションを4ヶ月放置した後の水希釈安定結果を示す表である。 図8は、防腐防黴剤としてTCMTBを用い、乳化剤としてポリオキシエチレン硬化ひまし油を用いた場合の経時安定性を乳化剤のエチレンオキシドの平均付加モル数を変化させて調べた結果を示す表である 図9は、防腐防黴剤としてTCMTBを用い、乳化剤として水素化レシチン、ジステアリン酸デカグリセリル(2SV−10G)、トリステアリン酸デカグリセリル(3SV−10G)、糖ポリマー(アルカシーラン)を用いた場合の経時安定性を調べた結果を示す表である。 図10は、乳化剤(HCO−30)の量を一定(3wt%)とし、防腐剤(TCMTB)の混合割合を変化させて乳化状態を調べた結果を示す表である。 図11は、防腐剤(TCMTB)の濃度を一定(50wt%)とし、乳化剤(HCO−30)の濃度を変化させた場合の乳化状態を調べた結果を示す表である。 図12は、50%TCMTBエマルションと100%TCMTB品との最小発育阻止濃度(MIC)を調べた結果を示す表である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本発明に係る防腐防黴剤エマルションは、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成されて油性基剤表面に付着する閉鎖小胞体を主成分とする乳化分散剤と防腐防黴剤とを水に添加して構成するようにしたものである。
ここで、防腐防黴剤としては、好適には、イソチアゾリン化合物やベンゾチアゾール化合物が用いられ、好適には、下記の化学式1に示されるような2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(OIT)や、化学式2に示されるような2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール(TCMTB)を用いるとよい。
Figure 0005181354
Figure 0005181354
また、防腐防黴剤として、ビス−1,4−ブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)などのハロ脂肪酸エステル化合物や、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、n−ブチルベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセチルアセトオキシプロパン、エチレングリコールビスブロモ酢酸などを利用してもよい。
乳化分散剤は、油や水の粒子に対して乳化分散剤相のナノ粒子を付着させ、これにより、水相―乳化分散剤相―油相の三相構造を形成し、従来の界面活性剤と異なり、相溶性による油水界面の界面エネルギー低下を必要条件とすることなく、熱衝突による合一を起こりにくくするものが用いられる。
このような乳化分散剤としては、自己組織能を有する両親媒性物質により形成されて油性基剤表面に付着する閉鎖小胞体を主成分とする乳化分散剤を用いることが有効であり、特許3855203号又は特許3858230号に示されるような下記の一般式(化2)で表される(ポリオキシエチレン)硬化ひまし油誘導体を採用するとよい。硬化ひまし油の誘導体としては、エチレンオキシドの平均付加モル数(E)が5〜100である誘導体(HCO−X:X=5〜100)が使用可能である。
Figure 0005181354
このうち、防腐防黴剤として、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(OIT)を用い、乳化剤としてポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導を用い、OITを50wt%、乳化剤を5wt%、水を45wt%とした場合の系について、ポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体のエチレンオキシドの平均付加モル数(E)を変化させた場合の乳化状態を、乳化直後、乳化してから1週間後及び1ヶ月後に目視により観察した結果を図1に示す。
図中、×印はエマルションとしては不安定であり、完全に相分離が生じた状態、△印はコアセルベーションの状態、○印は、乳化状態に変化が見られなかった(安定した乳化状態が維持されていた)状態を示す。また、図中、HCOは、ポリオキシエチレン硬化ひまし油であり、(HCO−X)は、原料のひまし油の二重結合を飽和するために水素を添加してからEモルのエチレンオキシド(EO)を付加したものであり、(CO−n)は、原料のひまし油を水素化しないでnモルのEOを付加したものである。
コアセルベーションの状態でもエマルションが分離している状態ではないため、実用的には、この部分も含めて利用可能であり、安定したエマルションが得られていると見ることができる。
このため、エチレンオキシドの平均付加モル数(E)が20〜100の誘導体で長期に亘って良好な乳化状態を確認できた。
次に、防腐防黴剤としてOITを用いた場合の比較例として、乳化剤に水素化レシチン、ジステアリン酸デカグリセリル(2SV−10G)、トリステアリン酸デカグリセリル(3SV−10G)、糖ポリマー(アルカシーラン)を用いた場合の乳化直後、及び、乳化してから1週間経過後の乳化状態を目視により観察した。その結果を図2に示す。
水素化レシチンにおいては、良好な乳化状態が得られたが、他の乳化剤では、経時安定性に欠け、1ヶ月後には完全に相分離することが確認された。
次に、乳化剤としてHCO−30を用いて、濃度を3wt%で一定とし、防腐防黴剤であるOITの濃度を変化させて、乳化してから1ヶ月経過後の乳化状態を観察した。その結果を図3に示す。この結果から判るように、安定したエマルションを得るためには、OITの濃度を10〜65wt%の範囲で設定することが有用であることが分かる。
また、防腐防黴剤(OIT)の濃度を50wt%で固定し、乳化剤としてHCO−30を用いて、この乳化剤の濃度を変化させた場合の1ヶ月経過後の乳化状態を観察した結果を図4に示す。この結果から判るように、乳化剤:HCO−30の濃度が1〜5wt%の範囲では安定した乳化状態が確認できた。
したがって、以上の結果から、乳化剤1〜5wt%、防腐防黴剤(OIT)を10〜65wt%、水バランスの組成に対して経時安定な防腐防黴剤エマルションが得られることが確認できた。
以上の組成に調製された防腐防黴剤エマルションのうち、OITの濃度を50wt%としたエマルション(50%エマルション)の薬効を100%OIT品と比較するために、双方のMIC(minimum inhibitory concentration:最小発育阻止濃度)を測定した。その測定結果を図5に示す。
この測定において、細菌のMICの測定は、以下の方法を採用した。
[細菌のMICの測定方法]
細菌MIC測定用培地としてミュ−ラ−・ヒントン・ブイヨン液体培地(MHB液体培地:pH6.8)を用いて、液体培地法(2倍段階希釈法)により各細菌に対して測定した。
(接種菌液の調製)
細菌用培地としてトリプトソ−ヤ液体培地(pH7.4)を用い、各菌を32℃で20時間培養後、培養液をMHB液体培地で希釈して菌数を1.0×10cfu/mlに調整し、接種菌液とした。
(薬剤の希釈系列の調製)
薬剤をジメチルスルオキシド(DMSO)に溶解させた後、MHB液体培地で希釈して濃度を調整し、更に試験管にてMHB液体培地で倍倍希釈して、所望の希釈系列を作成した。また、対照として薬剤を含有しないMHB液体培地を用いた。
(試験方法)
上記薬剤の希釈系列を含有する各試験管に、各接種菌液(1.0×10cfu/ml)を1/100容ずつ接種し、攪拌した。32℃で最長4日間培養し、菌の生育の有無を目視により判定して、細菌の発育を阻止する最小濃度(MIC)を求めた。
また、真菌、酵母のMICの測定は、以下の方法を採用した。
[真菌、酵母のMICの測定方法]
一般真菌MIC測定用培地としてグルコ−スペプトン液体培地(PG液体培地:pH6.2)を用いて、液体培地法(2倍段階希釈法)により各真菌に対して測定した。
(接種菌液の調製)
一般真菌用前培地としてポテトデキストロ−ス寒天培地(PDF寒天培地:pH6.5)を用い、25℃で2週間前培養後、各胞子形成菌を、界面活性剤Tween20を0.02%添加した滅菌生理食塩水の入った試験管に浮遊させ、超音波洗浄器にて5秒間かけ胞子を均等に分散させた。その後、滅菌した100メッシュのナイロンフィルタ−で濾過し、この胞子懸濁液をPG液体培地で希釈して、胞子数1.0×10cfu/mlに調整し、接種菌液を調製した。但し、胞子形成の不良な菌や全く形成しない菌は、PDF寒天培地上に発育した集落を滅菌ナイフで3mm角にカットした小片を接種した。
(薬剤の希釈系列の調製)
細菌と同様のやり方を行った。但し、希釈培地は、PG液体培地を用いた。
(試験方法)
上記薬剤の希釈系列を含有する各試験管に、各接種菌液(胞子数1.0×10cfu/ml)を1/ 100容ずつ接種し、攪拌した。但し、胞子形成の不良な菌や全く形成しない菌は、PDF寒天培地上に発育した集落を滅菌ナイフで3mm角にカットした小片を各試験管に接種した。25℃で最長 7日間培養し、菌糸の生育の有無を目視により判定し、菌糸の発育を阻止する最小濃度(MIC)を求めた。
この結果から分かるように、50%OITエマルションと100%OIT品とを比較すると、50%OITエマルションのMIC値が100%OIT品のMIC値のほぼ倍となっており、薬効としては同等であることが確認できた。
上述したOITエマルションは、水のみで容易に希釈することができ、50%OITエマルションを水で30%まで希釈した水溶液(純OIT:15%)について、エマルションの経時安定性をエマルション水溶液の表面近くの透過率を測定することで評価した。結果を図6に示す。図中、平均粒径は、湿式超微粒化装置(ナノマイザー[吉田機械興業社製]:30MPa×1pass)を用いて粒径を調整する再処理を施した後の径である。 透過率が大きく変化していないので、50%OITエマルションを水で希釈しても良好な乳化状態が維持されていることが分かる。
また、50%OITエマルションを上記再処理で粒径を調整した後、4ヶ月間放置した後に、水で希釈し、エマルション水溶液の表面近くの透過率を測定した結果を図7に示す。希釈割合が30%である場合は、30日経過しても目視による乳化状態に変化はなく、エマルションが安定していることが確認された。 したがって、長期間保存した後に、水で希釈しても、乳化状態の安定性が確保されている。
次に、防腐防黴剤として2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール(TCMTB)を用いた場合の実施例を説明する。乳化剤としてポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導を用い、TCMTBを50wt%、乳化剤を5wt%、水を45wt%とした場合の系について、ポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体のエチレンオキシドの平均付加モル数(E)を変化させた場合の乳化状態を、乳化直後、乳化してから1週間後及び1ヶ月後に目視により観察した結果を図8に示す。
この場合においても、エチレンオキシドの平均付加モル数(E)が20〜100の誘導体で長期に亘って良好な乳化状態を確認できた。
次に、防腐防黴剤としてTCMTBを用いた場合の比較例として、乳化剤に水素化レシチン、ジステアリン酸デカグリセリル(2SV−10G)、トリステアリン酸デカグリセリル(3SV−10G)、糖ポリマー(アルカシーラン)を用いた場合の乳化直後、及び、乳化してから1週間経過後の乳化状態を目視により観察した。その結果を図9に示す。
水素化レシチンにおいては、良好な乳化状態が得られたが、他の乳化剤では、経時安定性に欠け、1ヶ月後には完全に相分離することが確認された。
次に、乳化剤としてHCO−30を用いて、濃度を3wt%で一定とし、防腐防黴剤であるTCMTBの濃度を変化させて、乳化してから1ヶ月経過後の乳化状態を観察した。その結果を図10に示す。この結果から判るように、安定したエマルションを得るためには、TCMTBの濃度を10〜65wt%の範囲で設定することが有用であることが分かる。
また、防腐防黴剤(TCMTB)の濃度を50wt%で固定し、乳化剤としてHCO−30を用いて、この乳化剤の濃度を変化させた場合の1ヶ月経過後の乳化状態を観察した結果を図11に示す。この結果から判るように、乳化剤:HCO−30の濃度が1〜5wt%の範囲では安定した乳化状態が確認できた。
したがって、以上の結果から、乳化剤1〜5wt%、防腐防黴剤(TCMTB)を10〜65wt%、水バランスの組成に対して経時安定な防腐防黴剤エマルションが得られることが確認できた。
以上のように調製されたTCMTBエマルションについて、TCMTBの濃度を50wt%としたエマルション(50%TCMTBエマルション)の薬効を100%TCMTB品と比較するために、双方のMIC(minimum inhibitory concentration:最小発育阻止濃度)を測定した。その測定結果を図12に示す。
この結果においても、50%TCMTBエマルションと100%TCMTB品とを比較すると、50%TCMTBエマルションのMIC値が100%TCMTB品のMIC値のほぼ倍となっており、薬効としては同等であることが確認できた。
尚、上述したTCMTBエマルションにおいても、水のみで容易に希釈することができ、エマルションは安定である。さらに,OITエマルションと同様に,粒子径を小さくすれば重力の効果によるコアセルベーションが起こりにくくなり、水希釈した場合でも、安定した乳化状態を得ることができる。

Claims (2)

  1. 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成されて油性基剤表面に付着する閉鎖小胞体を主成分とする乳化分散剤と防腐防黴剤とを水に添加して構成され
    前記両親媒性物質は、下記の一般式(化1)で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体のうちエチレンオキシドの平均付加モル数(E)が20〜100である誘導体であり、
    Figure 0005181354

    前記防腐防黴剤は、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又は、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾ−ルであることを特徴とする防腐防黴剤エマルション。
  2. 前記両親媒性物質1〜5wt%、前記防腐防黴剤10〜65wt%、水バランスで組成されることを特徴とする請求項1記載の防腐防黴剤エマルション。
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