JP2016145177A - 農園芸用乳剤およびその調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】農園芸用乳剤およびその調製方法を提供する。
【解決手段】本発明の農園芸用乳剤は、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸と
を含んでいる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の農園芸用乳剤は、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸と
を含んでいる。
【選択図】なし
Description
本発明は農園芸用乳剤およびその調製方法に関する。詳細には、アミド系溶剤を含む農園芸用乳剤およびその調製方法に関する。
様々な農園芸用薬剤の施用方法のなかでも、茎葉散布は、農園芸用薬剤成分を対象生物(害虫、病害および雑草など)に直接に到達させるか、または対象生物の近傍に到達させることによって、即効的および効果的に、農園芸用薬剤の効果を発現させることが出来る方法である。そのため、茎葉散布は、農園芸用薬剤の施用の際に広く行われている方法である。茎葉散布に用いられる農園芸用薬剤の剤型の1つとして乳剤が挙げられる。乳剤は、ほとんどの場合、茎葉散布によって散布される。乳剤は、簡便に製造できる上、有効成分の分解が少なく安定であることが多い。また乳剤中に含まれる溶剤および界面活性剤などの成分が対象生物への農園芸用薬剤成分の浸透を助けることなどによって、他の剤形より優れた効果を有する場合も多い。そのため、乳剤は古くから農業生産の分野において使用されている重要な剤形である。
乳剤の調製方法としては、農園芸用薬剤成分を溶剤に溶解させている溶液に界面活性剤を添加することにより、調製する方法が挙げられる。乳剤は、水に添加すると微細な油滴が水中に分散し、乳濁液となる。多くの場合、乳剤を水で乳剤を希釈したものを散布液として使用する(非特許文献1)。このとき、散布液調製後から散布終了までは散布液のどの箇所でも濃度がほぼ一定となっているように、散布液の均一性が保たれる必要がある。したがって、乳剤に用いる溶剤は目的の農園芸用薬剤成分を溶解させることができる溶解度を有していなければならない。一方、乳剤用の溶剤は水と相溶しにくいものであることが好ましい。このような性質を満たし、農園芸用薬剤成分を良好に溶解させる溶剤として、アミド化合物を含んでいるアミド系溶剤が知られている(非特許文献2〜4)。
農薬製剤ガイド(1997)日本農薬学会 農薬製剤・施用法研究会編 社団法人 日本植物防疫協会
第30回記念 農薬製剤・施用法シンポジウム講演要旨 平成22年9月 日本農薬学会 農薬製剤・施用法研究会 35ページ
第31回 農薬製剤・施用法シンポジウム講演要旨 平成23年9月 日本農薬学会 農薬製剤・施用法研究会11ページ
農薬製剤・施用法シンポジウム講演要旨 平成24年9月 日本農薬学会 農薬製剤・施用法研究会 23ページ
アミド系溶剤は、その原料となるアミド化合物自体にいわゆるアミン臭と呼ばれる強い臭気を有している。そのため、農園芸用乳剤の製造現場において、乳剤を調製する工程において、アミド系溶剤由来の臭気によって製造環境が悪化するという問題がある。また、調製された農園芸用乳剤を使用する農業などの現場において、使用中および使用後の現場の環境が悪化するという問題がある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る農園芸用乳剤は、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸とを含んでいる。
上記酸は、上記農園芸用乳剤の全量の0.04重量%以上5重量%以下であることが好ましい。
上記酸は、無機酸または有機酸であることが好ましい。
上記無機酸は、リン酸であることが好ましい。
上記アミド系溶剤は、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカン−1−アミド、5−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−吉草酸メチルエステル、以下の一般式(I)で示すN−アシルモルホリン、および以下の一般式(II)で示すN,N−ジメチルアシルアミドから選択されるアミド化合物を含むものであることが好ましい。
(式(I)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表している。)
(式(II)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表している。)
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る農園芸用乳剤の調製方法は、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸を上記アミド系溶剤に添加する工程とを包含する。
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る農園芸用乳剤の調製方法は、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸を上記アミド系溶剤に添加する工程とを包含する。
本発明によれば、薬剤としての特性および有効成分の活性は維持したままであり、かつアミド系溶剤由来の臭気が低減された農園芸用乳剤およびその調製方法を提供することができる。
〔1.農園芸用乳剤〕
以下、本発明に係る農園芸用乳剤の一実施形態について説明する。本実施形態に係る農園芸用乳剤は、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸と、を含んでいることを特徴とする。
以下、本発明に係る農園芸用乳剤の一実施形態について説明する。本実施形態に係る農園芸用乳剤は、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸と、を含んでいることを特徴とする。
ここで、本明細書における「農園芸用乳剤」とは、農園芸用途に用いられる乳化した薬剤であり、散布液を調製する前の乳剤を意味している。
また、本明細書における「アミド系溶剤」とは、溶媒であって、アミド基またはアミド結合を有するアミド化合物であるものか、当該アミド化合物を含有するものを意味している。
各成分について以下に詳細に説明する。
<酸>
本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる酸は、水の非存在下で、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液に対し可溶性または混和性を有している。すなわち、本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる酸は、水の非存在下で、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液に溶解している状態で存在し得るか、水の非存在下で当該溶液と混和している状態で存在し得る酸である。
本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる酸は、水の非存在下で、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液に対し可溶性または混和性を有している。すなわち、本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる酸は、水の非存在下で、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液に溶解している状態で存在し得るか、水の非存在下で当該溶液と混和している状態で存在し得る酸である。
酸としては、無機酸または有機酸が挙げられる。さらに、無機酸または有機酸としては、一塩基酸、二塩基酸、および三塩基以上の多塩基酸が挙げられる。また、散布対象の作物および環境などに悪影響を与える危険性を避ける観点から、酸自体が強い刺激性、強い臭気または毒性を有していないものが好ましい。さらに、乳剤中に水が混入することを避ける観点から、酸自体が水を含んでいないものが好ましい。本実施形態に適用可能な無機酸の具体的な例としては、リン酸、亜リン酸、およびホウ酸などが挙げられるがこれらに限定されない。また、有機酸の具体的な例としては、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸などが挙げられるがこれらに限定されない。
以上のことから、本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる酸としては、塩酸、硫酸および硝酸などの、水に酸性化合物が溶解されていることによって存在する酸は、好適ではない。さらに、硝酸、酢酸およびギ酸などの酸自体が強い刺激性、強い臭気または毒性を有しているものも好適ではない。
酸の濃度は、農園芸用乳剤の全量の0.04重量%以上となるように、より好ましくは0.05重量%以上となるように、有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液に酸を添加すればよい。0.04重量%以上であれば、上述の有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液が有する臭気を低減させることができ、0.05重量%以上であれば、上述の溶液が有する臭気をさらに十分に低減させることができる。また、腐食、またはその他の所望しない、もしくは予期しない副反応などが起こることを防ぐことができるという観点、ならびに農園芸用乳剤のpHの安定性を維持し、散布対象の作物などに対する影響を最小限にするという観点からは、酸の濃度が、農園芸用乳剤の全量の5重量%以下となることが好ましい。また、酸性物質の添加量を抑えることによって、農園芸用薬剤の使用者または環境への影響を最小限にするという観点からは、農園芸用乳剤の全量の0.1重量%以上2重量%以下であることがより好ましく、0.2重量%以上1.5重量%以下であることがさらに好ましい。
また、酸は、1種類の酸を単独で用いてもよく、2種類以上の酸を組み合わせて用いてもよい。
<有効成分>
本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる、農園芸用の薬剤の有効成分としては、茎葉散布に使用可能な有効成分が挙げられる。有効成分の種類は、目的に応じて選択すればよく、例えば殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物調節剤およびそれらの混合剤が挙げられる。
本実施形態に係る農園芸用乳剤に含まれる、農園芸用の薬剤の有効成分としては、茎葉散布に使用可能な有効成分が挙げられる。有効成分の種類は、目的に応じて選択すればよく、例えば殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物調節剤およびそれらの混合剤が挙げられる。
殺虫剤の具体的な例としては、MPP、MEP、ピリミホスメチル、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホスメチル、バミドチオン、イミダクロプリド、マラソン、PAP、ジメトエート、エチルチオメトン、モノクロトホス、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、プロパホス、DEP、EPN、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、PHC、MPMC、XMC、ベンダイオカルブ、カルボスルファン、シラフロフェン、ベンフラカルブ、チオジカルブ、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ブプロフェジン、エチプロールなどが挙げられる。
殺菌剤の具体的な例としては、メトコナゾール、イプコナゾールなどのトリアゾール系化合物、イミダゾール系殺菌剤チウラム、キャプタン、TPN、フサライド、IBP、EDDP、チオファネートメチル、ベノミル、イプロジオン、メプロニル、フルトラニル、テフロフタラム、ペンシクロン、メタラキシル、トリフルミゾール、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、オキシテトラサイクリン、ヒドロキシイソキサゾール、メタスルホカルブ、MAF、MAFA、ベンチアゾール、ジクロメジン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、オキソニック酸、グアザチン、フェリムゾンなどが挙げられる。なかでも、トリアゾール系化合物は、アミド系溶剤に対して溶解度が高いため、アミド系溶剤を含む農園芸用乳剤である本願発明に好適に用いることができる。また、トリアゾール系化合物のうち、メトコナゾールは、特にアミド系溶剤に対する溶解度が高く、良好に溶解するため、特に好適である。
除草剤の具体的な例としては、グルホシネート、グリホサート、2,4−PAジメチルアミン、MCPAナトリウム塩、MCPB、フェノチオール、クロメプロップ、ナプロアニリド、CNP、クロメトキシニル、ビフェノックス、MCC、ベンチオカーブ、エスプロカルブ、モリネート、ブタクロール、ジメピペレート、DCPA、ブタクロール、トリフルラリン、フェンメディファム、デスメディファム、メトリブジン、プレチラクロール、ブロモブチド、メフェナセット、ダイムロン、ベンスルフロンメチル、シメトリン、プロメトリン、ジメタメトリン、ベンタゾン、オキサジアゾン、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、トリフルラリン、ピペロホス、2,4−PAジメチルアミン、ACN、キザロホップエチル、アシュラム、ペンディメタリンなどが挙げられる。
植物調節剤の具体的な例としては、メトコナゾール、イプコナゾールなどのトリアゾール系、イミダゾール系化合物、イナベンフィド、オキシエチレンドコサノール、ニコチン酸アミド、およびベンジルアミノプリンが挙げられる。
また、溶液中の有効成分の濃度としては、
農園芸用乳剤の全量の0.05重量%以上95重量%以下であることが好ましく、農園芸用乳剤の全量の0.1重量%以上80重量%以下であることがより好ましく、農園芸用乳剤の全量の0.5重量%以上70重量%以下であることがさらに好ましい。
農園芸用乳剤の全量の0.05重量%以上95重量%以下であることが好ましく、農園芸用乳剤の全量の0.1重量%以上80重量%以下であることがより好ましく、農園芸用乳剤の全量の0.5重量%以上70重量%以下であることがさらに好ましい。
また、有効成分は、上述した化合物のうちの1種類の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物を混合して用いることも可能である。例えば互いに類似した効果を有する2種類以上の化合物を組み合わせて用いることにより、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減させることができる。あるいは、互いに類似した効果を有する2種類以上の化合物同士の相互作用により、相乗的な効果を奏し、1種類の化合物を単独で用いた場合と比較して、同じ散布量で、より幅広い防除効果などのより優れた効果を奏する。また、互いに異なる効果を有する2種類以上の化合物を組み合わせて用いることにより、単一の製剤において同時に複数の目的の効果を奏する農園芸用乳剤を調製することができる。
<アミド系溶剤>
本実施形態に係る農園芸用乳剤の調製方法に適用される、アミド系溶剤は、有効成分の種類に応じて、当該有効成分に対して良好な溶解度を有するものが選択される。アミド系溶剤は、1種類の溶剤を単独で用いてもよく、2種類以上の異なるアミド系溶剤を混合して用いることも可能である。また、アミド系溶剤とアミド系溶剤以外の溶剤とを組み合わせて用いてもよい。アミド系溶剤に含まれるアミド化合物の具体的な例としては、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカン−1−アミド、5−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−吉草酸メチルエステル、以下の一般式(I)で示すN−アシルモルホリン、および以下の一般式(II)で示すN,N−ジメチルアシルアミドが挙げられる。
本実施形態に係る農園芸用乳剤の調製方法に適用される、アミド系溶剤は、有効成分の種類に応じて、当該有効成分に対して良好な溶解度を有するものが選択される。アミド系溶剤は、1種類の溶剤を単独で用いてもよく、2種類以上の異なるアミド系溶剤を混合して用いることも可能である。また、アミド系溶剤とアミド系溶剤以外の溶剤とを組み合わせて用いてもよい。アミド系溶剤に含まれるアミド化合物の具体的な例としては、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカン−1−アミド、5−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−吉草酸メチルエステル、以下の一般式(I)で示すN−アシルモルホリン、および以下の一般式(II)で示すN,N−ジメチルアシルアミドが挙げられる。
(式(I)中、Rは好ましくは炭素数1〜12のアルキル基を表している。)
(式(II)中、Rは好ましくは炭素数1〜12のアルキル基を表している。)
なお、アミド系溶剤は、毒性に関しては現在のところ重大な問題は特に見つかっていない。また、例えば、分子量の高いアルキル基を有するアミド化合物を含むアミド系溶剤の中には、水との親和性が低く、農園芸用乳剤の溶剤として使用に特に好適なものがある。さらに、他の非親水性溶剤に比べて溶解度が比較的高いことも知られている。
なお、アミド系溶剤は、毒性に関しては現在のところ重大な問題は特に見つかっていない。また、例えば、分子量の高いアルキル基を有するアミド化合物を含むアミド系溶剤の中には、水との親和性が低く、農園芸用乳剤の溶剤として使用に特に好適なものがある。さらに、他の非親水性溶剤に比べて溶解度が比較的高いことも知られている。
本実施形態におけるアミド系溶剤は、市販の製剤から得るか、公知の製造方法を用いて製造することができる。
市販の製剤としては、例えば、Agnique AMD8−10(主成分:N,N-ジメチルオクタンアミドおよびN,N-ジメチルデカン−1−アミド、BASFジャパン社)、RHODIASOLVE POLAR CLEAN(主成分:5−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−吉草酸メチルエステル、ソルベイ日華社)、ARMID DM10(AkzoNovel社)およびJEFFSOL AG1732(主成分:以下の一般式(I)で示すN−アシルモルホリン、および以下の一般式(II)で示すN,N−ジメチルアシルアミド、Huntsman社)が挙げられる。
(式(I)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表している。)
(式(II)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表している。)
なお、Agnique AMD8−10およびRHODIASOLVE POLAR CLEANに対するメトコナゾールの溶解度は、それぞれ41.06および34.1である。
なお、Agnique AMD8−10およびRHODIASOLVE POLAR CLEANに対するメトコナゾールの溶解度は、それぞれ41.06および34.1である。
溶液中のアミド系溶剤の濃度としては、農園芸用乳剤の全量の10重量%以上90重量%以下であることが好ましく、農園芸用乳剤の全量の15重量%以上80重量%以下であることがより好ましく、農園芸用乳剤の全量の20重量%以上75重量%以下であることがさらに好ましい。
アミド系溶剤と組み合わせて用いられる、アミド系溶剤以外の溶剤は、例えば水と相溶する可能性があっても、農園芸用薬剤成分の溶解度が高ければ用いることができる。また、水との相溶性が低く、且つ農園芸用薬剤成分の溶解度が高い溶剤であってもよいが、乳剤の安定性および均一性の観点からは、水との相溶性が低く、且つ農園芸用薬剤成分の溶解度が高い溶剤であることが好ましい。
ここで溶剤は、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section Physical-Chemical properties, Test No. 116: Fat Solubility of Solid and Liquid Substancesに公開されている溶解度の測定方法であるOECD法を用いて、対象となる有効成分の溶解度を調べることにより、目的の乳剤の製剤設計に合致するかどうかをあらかじめ確認したものを用いることができる。
溶剤に対する有効成分の溶解度は、使用時の乳剤の希釈倍率などの製剤設計によって適宜決定すればよいが、少なくとも10%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。
水と相溶する可能性はあるものの、対象とする農園芸用薬剤成分の溶解度の高さに応じて使用可能な、アミド系溶剤と組み合わせて用いることが可能な溶剤としては、脂肪酸エステル類、芳香族酸のエステル類、ピロリドン類およびアルコール類などが挙げられる。
また、水との相溶性が低く、且つ農園芸用薬剤成分の溶解度が高い溶剤としては、鉱物油、動物油および植物油などの各種天然油脂、並びにこれらの天然油脂の改質品などの化学合成油脂などが挙げられる。鉱物油としては、ノルマル炭化水素、イソ炭化水素(流動パラフィン)、ナフテン系溶剤、アルケン系溶剤、およびシリコーンオイルなどを挙げることができる。動物油としては、ヘッド、ラード、馬油、魚油および鯨油などを挙げることができる。植物油としては、大豆油、ナタネ油、ココナッツオイル、アマニ油、ヒマシ油などを挙げることができる。さらに、化学合成油脂としては、天然油脂の改質品などが挙げられる。また、天然油脂の改質品のうち、植物油脂の改質品としては、大豆メチル化物、ナタネメチル化物および硬化ヒマシ油などが挙げられる。
また、アミド系の溶剤と組み合わせ可能な溶剤は、市販の製剤から得てもよく、公知の製造方法を用いて製造してもよい。
市販のアミド系以外の溶剤としては、N−メチルピロリドン(略称:NMP)(BASFジャパン社)、RHODIASOLVE RPDE(主成分:2塩基酸メチルエステル、ソルベイ日華社)、Vegisol CM(主成分:大豆脂肪酸メチルエステル、カネダ株式会社)、Propylene carbonate(主成分:炭酸プロピレン、BASFジャパン社)、Prasolv EH(主成分:乳酸エチルヘキシル、Purac社)、ARMID FMPC(AkzoNobel社)が挙げられる。
なお、NMP、RHODIASOLVE RPDE、Vegisol CM、Propylene carbonateおよびPrasolv EHに対するメトコナゾールの溶解度は、それぞれ57.78、26.42、7.14、8.8および27.0である。
<界面活性剤>
本実施形態に係る農園芸用乳剤に適用される界面活性剤としては、非イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤が挙げられる。また、これらの界面活性剤のうち1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油があげられ、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの具体的な例としては、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが挙げられる。また、陰イオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニル硫酸塩が挙げられる。
本実施形態に係る農園芸用乳剤に適用される界面活性剤としては、非イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤が挙げられる。また、これらの界面活性剤のうち1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油があげられ、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの具体的な例としては、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが挙げられる。また、陰イオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニル硫酸塩が挙げられる。
また、溶液中の界面活性剤の濃度としては、農園芸用乳剤の全量の1重量%以上30重量%以下であることが好ましく、農園芸用乳剤の全量の2重量%以上25重量%以下であることがより好ましく、農園芸用乳剤の全量の5重量%以上20重量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る農園芸用乳剤は、上述の成分以外の成分を溶解してもよい。以下に本実施形態に係る農園芸用乳剤に用いることが可能な成分について説明する。
<その他の成分>
上記以外の成分としては、製剤補助剤が挙げられる。具体例としては、安定化剤、色素および消泡剤などが挙げられる。
上記以外の成分としては、製剤補助剤が挙げられる。具体例としては、安定化剤、色素および消泡剤などが挙げられる。
本実施形態に係る農園芸用乳剤は、そのまま使用してもよいし、水などの希釈剤で所定濃度に希釈して使用してもよい。希釈して使用する場合、農園芸用乳剤の濃度に対して1倍から20000倍の範囲で希釈することができる。
また、本実施形態に係る農園芸用乳剤の対象生物への施用方法は、特に限定されないが、例えば茎葉散布、灌注処理および種子処理などの方法を好適に用いることができる。
本実施形態に係る農園芸用乳剤は、製剤自体の安定性および有効成分の効果を維持したまま、アミド系溶剤由来の臭気は低減されている。一例として、本実施形態に係る農園芸用乳剤は、農園芸用乳剤中の上記酸以外の成分を同量含んでいる農園芸用乳剤と比較して、臭気が低減している。したがって、調製された農園芸用乳剤は、使用する農業などの現場において、使用中および使用後の現場の環境を悪化させることなく快適かつ安全に使用することができる。また、本実施形態に係る農園芸用乳剤であれば、農園芸用乳剤の製造現場にいる製造者、農園芸用乳剤の使用者、および農園芸用乳剤を散布する圃場などの農園芸用乳剤の使用現場の周囲の住民および通行者などの者が、不快な臭気に悩まされるリスクが軽減される。
〔2.農園芸用乳剤の調製方法〕
以下、本実施形態に係る農園芸用乳剤の調製方法の一実施形態について説明する。本実施の形態における農園芸用乳剤の調製方法は、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程(溶解工程)と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸を上記溶液に添加する工程(酸添加工程)を包含している。
以下、本実施形態に係る農園芸用乳剤の調製方法の一実施形態について説明する。本実施の形態における農園芸用乳剤の調製方法は、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程(溶解工程)と、水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸を上記溶液に添加する工程(酸添加工程)を包含している。
(2−1.溶解工程)
本工程は、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程である。
本工程は、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程である。
本工程に用いられる有効成分、界面活性剤およびアミド系溶剤は、それぞれ、上述の〔1.農園芸用乳剤〕に記載のものが好適に用いられる。
また、本工程において作製される溶液中の有効成分、界面活性剤およびアミド系溶剤の濃度は、農園芸用乳剤の全量に対する有効成分、界面活性剤およびアミド系溶剤の濃度が、上述の〔1.農園芸用乳剤〕に記載の好ましい濃度となるように設定される。
また、本工程において、上記成分以外に、〔1.農園芸用乳剤〕に記載されているその他の成分を溶解させてもよい。
本工程において、有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する方法としては、公知の乳剤の調製方法を用いることができる。溶解する順としては、例えば、まず有効成分をアミド系溶剤中に入れて混合することによって溶解させたのち、この溶解液に界面活性剤をさらに添加し、混合することによって、溶解液を調製すればよい。また、有効成分、界面活性剤およびその他の成分の全てを同時にアミド系溶剤中で混合することによって溶解液を調製してもよい。
また、溶解方法としては、攪拌機を用いた攪拌による混合が挙げられる。攪拌の速度は特に限定されないが、例えばおよそ500rpmである。また、攪拌ししながら加熱することによって溶解してもよい。混合液の加熱の温度としては、25℃以上70℃以下が好ましく、30℃以上60℃以下であることがより好ましく、40℃以上50℃以下であることがさらに好ましい。加熱温度をかかる温度範囲に設定して加熱することによって、農園芸用乳剤に含まれる各成分の性質を著しく変化させたり、農園芸用薬剤成分の防除効果を損なったりすることなく、界面活性剤などの溶解しにくい成分の溶解を容易にし、溶解工程にかかる時間を短縮することができる。
(2−2.酸添加工程)
本工程は、上述の工程で得られた溶液に酸を添加する工程である。なお、本実施形態では、溶解工程後に、酸を溶液に添加している。しかし、例えば、上述の溶解工程において、農園芸用乳剤全量に対して所定の濃度となるように、有効成分、界面活性剤およびその他の成分と同時にアミド系溶剤に添加するものであってもよい。すなわち、本工程は、酸を上述のアミド系溶剤に添加する工程であってもよい。すなわち、酸添加工程と、上述の溶解工程とは同時に行うものであり得る。また、例えば、酸添加工程と、上述の溶解工程とを同時に行う場合、農園芸用乳剤全量に対して所定の濃度となるように、有効成分、界面活性剤およびその他の成分ならびに酸のすべてを、任意の順序でアミド系溶剤に添加するものであってもよい。また、酸は、〔1.農園芸用乳剤〕に記載されている所定の濃度で溶解液に添加される。
本工程は、上述の工程で得られた溶液に酸を添加する工程である。なお、本実施形態では、溶解工程後に、酸を溶液に添加している。しかし、例えば、上述の溶解工程において、農園芸用乳剤全量に対して所定の濃度となるように、有効成分、界面活性剤およびその他の成分と同時にアミド系溶剤に添加するものであってもよい。すなわち、本工程は、酸を上述のアミド系溶剤に添加する工程であってもよい。すなわち、酸添加工程と、上述の溶解工程とは同時に行うものであり得る。また、例えば、酸添加工程と、上述の溶解工程とを同時に行う場合、農園芸用乳剤全量に対して所定の濃度となるように、有効成分、界面活性剤およびその他の成分ならびに酸のすべてを、任意の順序でアミド系溶剤に添加するものであってもよい。また、酸は、〔1.農園芸用乳剤〕に記載されている所定の濃度で溶解液に添加される。
また、本工程において添加される酸については、上述の〔1.農園芸用乳剤〕に記載されている酸が、同項目に記載の濃度において好適に用いられる。
酸の添加は、例えば、上述の溶解工程において得られた溶解液を、攪拌しながら酸を添加することによって行えばよい。このとき、添加する総量を一度に溶解液に添加してもよく、添加する総量を数回分に分け、数回にわたって溶解液に添加してもよい。また、酸が溶解液中に十分に拡散するように、酸添加後も攪拌を続けてもよい。攪拌時間は農園芸用乳剤の各成分の種類、各成分の性質および全量によって適宜変更可能である。攪拌時間は、例えば、0.5時間以上1時間以下である。
(2−3.その他の工程)
本実施形態における農園芸用乳剤の調製方法は、上述の工程の他に、上述の溶解工程および酸添加工程によって得られた溶解液を濾過する工程(濾過工程)などの工程をさらに包含していてもよい。
本実施形態における農園芸用乳剤の調製方法は、上述の工程の他に、上述の溶解工程および酸添加工程によって得られた溶解液を濾過する工程(濾過工程)などの工程をさらに包含していてもよい。
上記濾過工程は、例えば、グラスフィルターろ紙を用い、吸引濾過することによって行ってもよい。また、濾過工程は、溶解工程の後に行ってもよく、酸添加工程の後に行ってもよい。さらに、濾過工程を複数回以上行ってもよい。
以上の工程によれば、農園芸用乳剤を簡便かつ効率よく製造することができる。また、本実施形態における農園芸用乳剤の調製方法であれば、得られる農園芸用乳剤は、アミド系溶剤由来の臭気が従来の乳剤と比較して著しく低減されている。また、薬剤としての安定性などの特性および有効成分の活性は維持したまま、臭気のみが低減された乳剤を得ることができる。したがって、本実施形態に係る方法であれば、使用する農業などの現場において、使用中および使用後の現場の環境が悪化することなく快適かつ安全に使用することができる農園芸用乳剤を製造できる。さらに、本願発明の農園芸用乳剤の調製方法は、既存の乳剤製造の工程および設備そのまま利用できる方法であるため、特別な製造設備の改良および増設を必要としない。また、臭気によって製造現場における環境を悪化させることなく製造することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔調製例〕
<1.農園芸用乳剤の組成>
以下、本発明の農園芸用乳剤の調製例に関して、実施例1〜5および比較例1〜3を示す。すべての実施例および比較例は、有効成分としてメトコナゾール、界面活性剤として、非イオン性界面活性であるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットを用いたメトコナゾール20重量%乳剤である。なお実施例1〜5および比較例1〜3の組成については以下の表1にまとめた。
<1.農園芸用乳剤の組成>
以下、本発明の農園芸用乳剤の調製例に関して、実施例1〜5および比較例1〜3を示す。すべての実施例および比較例は、有効成分としてメトコナゾール、界面活性剤として、非イオン性界面活性であるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットを用いたメトコナゾール20重量%乳剤である。なお実施例1〜5および比較例1〜3の組成については以下の表1にまとめた。
<2.農園芸用乳剤の調製方法>
すべての実施例および比較例は、以下の方法によって調製した。
すべての実施例および比較例は、以下の方法によって調製した。
まず、酸以外のすべての成分を20mLのガラス容器に秤量した。次に、テフロン(登録商標)コーティングの攪拌子をガラス容器中に投入し、マグネティックスターラーで、約500rpmの速度で混合攪拌した。50℃以下の温度で加温し、溶解させた。溶解直後に、酸を表1に記載されている量添加し、3時間攪拌を持続した。溶解液をグラスフィルターろ紙を用いて吸引濾過し、メトコナゾール20重量%乳剤を得た。
〔実施例1〕
有効成分としてメトコナゾール20.5重量%、界面活性剤として、非イオン性界面活性であるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットを15.0重量%、酸としてリン酸を0.4重量%、およびアミド系溶剤として、Agnique AMD8−10(BASFジャパン社)を64.1重量%、上述の調製方法によって均一に混合融解し、農園芸用乳剤を調製した。なお、単位「重量%」は、農園芸用乳剤の全量に対する濃度を示している。以降の記載についても同様である。
有効成分としてメトコナゾール20.5重量%、界面活性剤として、非イオン性界面活性であるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットを15.0重量%、酸としてリン酸を0.4重量%、およびアミド系溶剤として、Agnique AMD8−10(BASFジャパン社)を64.1重量%、上述の調製方法によって均一に混合融解し、農園芸用乳剤を調製した。なお、単位「重量%」は、農園芸用乳剤の全量に対する濃度を示している。以降の記載についても同様である。
〔実施例2〕
酸としてリン酸の代わりにアジピン酸を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸としてリン酸の代わりにアジピン酸を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔実施例3〕
酸としてリン酸の代わりにコハク酸を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸としてリン酸の代わりにコハク酸を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔実施例4〕
アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の代わりにARMID DM10(AkzoNovel)を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の代わりにARMID DM10(AkzoNovel)を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔実施例5〕
アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の代わりにRhodiaSolve Polar clean(ソルベイ日華)を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例1〕
酸を添加せず、アミド系溶剤の量を64.1重量%の代わりに64.5重量%とする以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例2〕
酸を添加せず、アミド系溶剤の量を64.1重量%の代わりに64.5重量%とする以外は実施例4と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例4と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例3〕
酸を添加せず、アミド系溶剤の量を64.1重量%の代わりに64.5重量%とする以外は実施例5と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例5と同様の調製方法を用いて調製した。
アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の代わりにRhodiaSolve Polar clean(ソルベイ日華)を用いた以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例1〕
酸を添加せず、アミド系溶剤の量を64.1重量%の代わりに64.5重量%とする以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例2〕
酸を添加せず、アミド系溶剤の量を64.1重量%の代わりに64.5重量%とする以外は実施例4と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例4と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例3〕
酸を添加せず、アミド系溶剤の量を64.1重量%の代わりに64.5重量%とする以外は実施例5と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例5と同様の調製方法を用いて調製した。
なお、実施例1〜5および比較例1〜3における農園芸用乳剤の組成を以下の表1にまとめた。
〔試験例1〕
<各種酸および各種アミド系溶剤を含む農園芸用乳剤の臭気感応試験>
(試験方法)
上述の調製方法によって得られた実施例1〜5および比較例1〜3の農園芸用乳剤について、任意に選択した、男性4人、女性4人の合計8人の被験者A〜Hに対して臭気感応試験を行った。以下に試験方法について説明する。
<各種酸および各種アミド系溶剤を含む農園芸用乳剤の臭気感応試験>
(試験方法)
上述の調製方法によって得られた実施例1〜5および比較例1〜3の農園芸用乳剤について、任意に選択した、男性4人、女性4人の合計8人の被験者A〜Hに対して臭気感応試験を行った。以下に試験方法について説明する。
まず、実施例1〜5および比較例1〜3の農園芸用乳剤を10mLのガラス製サンプル管に、8mLずつ入れ、臭気が漏れないように蓋を閉めたものをサンプルとした。
続いて、各被検者にすべてのサンプルについて臭気を確認させ、サンプル間の臭気の強度を比較させた。このとき、臭気の確認の方法は、各農園芸用乳剤の入ったサンプル管の蓋を被験者自身が開けるものとした。試験は、他の被験者のいない場所で、各被験者に対し個別に行った。
臭気を確認した結果を、任意の表現を用いて紙に記載させた。
各被験者の記載に基づいて、臭気の強度を以下の通りに分類した。まず、サンプル中で最も臭気が強いことが示されたサンプルを“+++(臭気強い)”とした。次に、サンプル中で強くも弱くもない中間の臭気であることが示されたサンプルを“++(臭気を感じる)”とした。さらに、上述の++のサンプルよりもよりも弱い臭気であることが示されたサンプルを“+(臭気を感じるが弱い)”とした。また、+よりさらに弱く、臭気はあるもののほぼ感じられないことが示されたサンプルは“+−(臭気ほとんどなし)”とし、臭気が完全にないものは“−(臭気なし)”とした。ただし、上述の分類は、被験者間で臭気の強度の基準を統一するものではなく、各被験者それぞれにおいて、サンプル間の臭気の強度を比較したときのサンプル間の相対的な臭気の強度を示すものである。
(試験結果)
上述の方法に基づいて試験した結果を表2に示す。
上述の方法に基づいて試験した結果を表2に示す。
〔試験例2〕
<酸添加量を変化させたときの臭気の評価>
(試験方法)
つづいて、酸添加量を変化させたときの臭気を試験するために、実施例6〜9、比較例4の農園芸用乳剤を調製し、臭気の感応試験を行った。なお、農園芸用乳剤の調製については、上述の実施例1〜5および比較例1〜3と同様の組成および調製方法を用いて行った。
<酸添加量を変化させたときの臭気の評価>
(試験方法)
つづいて、酸添加量を変化させたときの臭気を試験するために、実施例6〜9、比較例4の農園芸用乳剤を調製し、臭気の感応試験を行った。なお、農園芸用乳剤の調製については、上述の実施例1〜5および比較例1〜3と同様の組成および調製方法を用いて行った。
また得られた農園芸用乳剤について、上述の試験例1に記載の臭気の試験方法と同様の方法を用いて臭気の感応試験を行った。
〔実施例6〕
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに0.04重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.46重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに0.04重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.46重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔実施例7〕
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに0.1重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.40重量%とした以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに0.1重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.40重量%とした以外は実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔実施例8〕
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに0.5重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.0重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに0.5重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.0重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔実施例9〕
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに1.0重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、63.5重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸としてリン酸の量を0.4重量%の代わりに1.0重量%とし、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、63.5重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
〔比較例4〕
酸を添加せず、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.5重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
酸を添加せず、アミド系溶剤として、Agnique AMD8−10の量を64.1重量%の代わりに、64.5重量%とした以外は、実施例1と同様の組成の農園芸用乳剤を、実施例1と同様の調製方法を用いて調製した。
(結果)
実施例6〜9および比較例4における農園芸用乳剤の組成ならびに臭気感応試験の結果について、以下の表3にまとめた。
実施例6〜9および比較例4における農園芸用乳剤の組成ならびに臭気感応試験の結果について、以下の表3にまとめた。
酸の添加量が0.04重量%である実施例6は、酸添加なしの比較例4と比べて臭気が低減された。さらに、酸の添加量が、0.1重量%、0.5重量%および1重量%である実施例7〜9では、臭気がさらに低減され、臭気はほとんど感じられなかった。乳剤の臭気は、原材料のアミド系溶剤に含有されるアミン類の量に依存する。そのため、溶剤の種類および濃度などに応じて必要な酸の濃度は変動し得る。以上に示したように、乳剤に添加する酸の濃度は、農園芸用乳剤全量の0.04重量%以上5重量%以下が好ましく、0.05重量%以上5重量%以下がより好ましく、0.1重量%以上2重量%以下の濃度がさらにより好ましいことが分かった。
本発明は、農園芸分野の現場において茎葉散布などに用いる農園芸用乳剤およびその調製方法として好適に使用することができる。
Claims (6)
- 有効成分と界面活性剤とがアミド系溶剤に溶解されている溶液と、
水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸と
を含んでいる、農園芸用乳剤。 - 上記酸は、上記農園芸用乳剤の全量の0.04重量%以上5重量%以下である、請求項1に記載の農園芸用乳剤。
- 上記酸は、無機酸または有機酸である、請求項1または2に記載の農園芸用乳剤。
- 上記無機酸は、リン酸である、請求項3に記載の農園芸用乳剤。
- 農園芸用乳剤の調製方法であって、
有効成分と界面活性剤とをアミド系溶剤に溶解させた溶液を作製する工程と、
水の非存在下で上記溶液に対し可溶性または混和性を有している酸を上記アミド系溶剤に添加する工程とを包含する、農園芸用乳剤の調製方法。
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---|---|---|---|
JP2015023694A JP2016145177A (ja) | 2015-02-09 | 2015-02-09 | 農園芸用乳剤およびその調製方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3372079A1 (de) * | 2017-03-06 | 2018-09-12 | Bayer CropScience Aktiengesellschaft | Neue emulsionskonzentrate auf basis von agrochemischen wirkstoffen |
WO2023017167A1 (en) * | 2021-08-13 | 2023-02-16 | Globachem Nv | Fungicidal compositions of metconazole |
-
2015
- 2015-02-09 JP JP2015023694A patent/JP2016145177A/ja active Pending
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WO2018162389A1 (de) * | 2017-03-06 | 2018-09-13 | Bayer Cropscience Aktiengesellschaft | Neue emulsionskonzentrate auf basis von agrochemischen wirkstoffen |
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