JP5181278B2 - ブレースダンパー - Google Patents
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また、粘性体や粘弾性体のせん断変形によるエネルギー吸収効果を利用する粘性系ダンパーは、中小地震あるいは風による微小振動から大地震まで幅広く制震効果を得ることが可能であるので、その点では鋼材ダンパーよりも有利であるといえるが、粘性系ダンパーは鋼材ダンパーに比較して構造が複雑にならざるを得ないことから、コスト高となっている現状がある。
特許文献1は、帯状の鋼板からなるブレース本体と、ブレース本体の周囲に装着される拘束部材とから構成され、さらに拘束部材に取り付けたリブとブレース本体に取り付けたリブとをスプライスプレートを介して摩擦接合した摩擦ダンパーを設けたブレースダンパーであって、中小地震時には摩擦ダンパーを作動させ、大地震時にはブレース本体の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材によって制震させることで、中小地震から大地震までの幅広く適用可能とした構造について開示したものである。
すなわち、特許文献1の摩擦ダンパーを使用したブレースダンパーでは、スプライスプレートと拘束部材およびブレース本体とが接触する面圧の管理が難しいことから、中小地震による小変形領域での振動エネルギーの吸収を確実に行うことができ、高い制震効果を得ることが可能なブレースダンパーが求められており、その点で改善の余地があった。また、摩擦ダンパーの面圧を調整するためには、複雑な機構となり、コストが増大するという欠点があった。
本発明では、補強リブの形状、大きさなどを適宜設定することで、シアパネルダンパーの負担力や剛性を調整することができる。
図1は本発明の実施の形態によるブレースダンパーの概略構成を示す側面図、図2は図1に示すブレースダンパーの断面図であって、(a)はA−A線断面図、(b)はB−B線断面図、図3はブレースダンパーの組立状態を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその分解斜視図、図4はシアパネルダンパーの構成を示す図であって、(a)はその正面図、(b)は(a)のC−C線矢視図、図5は本ブレースダンパーにおけるせん断ひずみ範囲とせん断回数の関係を示す図である。
そして、ブレース本体2が弾性変形を起こす方向と、シアパネルダンパー4のせん断変形方向とが同じ向きとなるので、ブレース本体2の軸方向に作用する振動エネルギーを効率よくシアパネルダンパー4に伝達させることができる。
さらに、従来一般のブレースタイプの鋼材ダンパーにシアパネルダンパー4を簡単に取り付けることで構成できる構造であるので、製作や現場での取り扱いが容易であるという利点がある。
図4に示すシアパネルダンパー4の材料としてSN400を使用すると、このときのせん断降伏歪γyが0.172%であるので、シアパネルダンパー4の幅寸法Dを120〜180mmとすれば、降伏変位は0.2〜0.3mmとなる。なお、図1〜図3に示すように、このシアパネルダンパー4の降伏変位は、実際にはシアパネルダンパー4に対してブレース本体2の軸方向に直列に接続されている補剛材8の軸変形によって、これより大きくなるが、ブレース本体2の降伏変位が2〜3mmであることと比べると、小さくなり、小変形領域での制震効果が発揮されることになる。
シアパネルダンパーの幅寸法D 120mm
シアパネルダンパーの厚さ寸法t 2.3mm
せん断降伏応力度 136N/mm2
シアパネルダンパー1台の負担力 37.5kN
シアパネルダンパー4台の負担力 150kN
また、図5によると、両振幅△γが10%〜15%以上になると、降伏による破断回数は10回以下となる。そして、シアパネルダンパー4の幅寸法Dが小さいので、大地震時には変形が過大となり、繰り返し変形に対して低サイクル疲労による破断を想定する必要があるが、ブレース本体2は大地震を想定して設計されているので、ダンパー全体としては問題はなく、また破断したシアパネルダンパー4は大地震後に交換すればよい。
また、面圧調整機構などの複雑な構造を要する摩擦ダンパーに比べてシアパネルダンパー4が簡単な構造であるので、設計や製作が容易であり、構造のコストを低減することができる。
図6は実施の形態の変形例によるシアパネルダンパーの構成を示す図であって、(a)、(b)はそれぞれ図4(a)、(b)に対応する図である。
図6に示すように、変形例によるシアパネルダンパー9は、上述した実施の形態のシアパネルダンパー4と比べてパネル本体91の幅寸法Dは小さく、且つ一端面91a(パネル面)において一対の縦リブ93の長さ寸法が短く、一対の縦リブ93、93どうしを繋ぐようにして横リブ94を配した構成である点で上述した実施の形態と異なっている。なお、符号92はブレース本体側固定部であり、パネル本体91の一端側(ブレース本体側固定部92と反対側)には拘束部材固定部91cを有しており、これらは上述した実施の形態と同様にボルト挿通孔91b、92aが形成された構造となっている。
本変形例による制震構造では、上述した実施の形態と同様に、中小地震時には降伏耐力が小さく、小さな変形の振動エネルギーを吸収するシアパネルダンパー9により制震効果を得ることができる構造であることから、本ブレースダンパー1は中小地震から大地震まで幅広く適用することができる。
例えば、シアパネルダンパー4の形状、寸法は、ブレース本体2よりも負担力が十分に小さくなる場合に限って、適宜な設計的変更が可能である。例えば、本実施の形態および変形例では、縦リブを上下方向に延ばして配置させているが、この縦リブの厚さ寸法、幅寸法(ブレース本体2の軸方向に沿う長さ寸法)、配置間隔など、配置形態、或いは、パネル本体41、91の厚さ寸法など任意に設定することができる。要は、シアパネルダンパー4、9がブレース本体2より先に降伏し、小変形領域の振動エネルギーを吸収できればよいのである。
また、シアパネルダンパー4、9の組み込み構造、つまり取り付け構造もボルト締結によるものに制限されることはない。
2 ブレース本体
2a 降伏部
3 拘束部材
4、4A〜4D、9 シアパネルダンパー
5 リブプレート
6 チャンネル鋼材
7 カバープレート
8 補剛材
41、91 パネル本体
41a、91a 一端面(パネル面)
41c、91c 拘束部材側固定部
42、92 ブレース本体側固定部
Claims (2)
- 建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、
両端が建物に対して固定され、所定軸力を受けた際に降伏する降伏部を軸方向の中央部に設けられた帯板状の鋼板からなるブレース本体と、
該ブレース本体の周囲に装着されることにより前記ブレース本体の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材と、
該拘束部材と前記ブレース本体との間に介装され、前記降伏部よりも先行して降伏する平板形状のシアパネルダンパーと、
から構成され、
該拘束部材は、該ブレース本体の軸方向の両端のうち、前記降伏部を挟んで一端側のみに固定されるとともに、他端部側に対して前記軸方向に相対変形可能な状態で装着され、
前記シアパネルダンパーは、その平面方向が前記軸方向に平行配置されてなり、一端が前記拘束部材に固定され、他端が前記ブレース本体に設けたリブプレートに固定されていることを特徴とするブレースダンパー。 - 前記シアパネルダンパーには、そのパネル面に補強リブが固定されていることを特徴とする請求項1に記載のブレースダンパー。
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