JP3820523B2 - ブレースダンパー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパー、特に大地震から中小地震まで幅広く制震効果が得られるブレースダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の要所に制震ダンパーを設置して地震による振動や損傷をコントロールする制震構造が一般化しつつある。この種の構造に適用する制震ダンパーとしては鋼材ダンパー、摩擦ダンパー、粘性系ダンパー等、各種のものがあるが、特に鋼材の降伏に伴う履歴吸収エネルギーを利用する鋼材ダンパーはローコストで大きな減衰性能を発揮できるものであることから広く採用される気運にあり、なかでもブレースタイプの鋼材ダンパーは機構が簡単で設計的にも扱い易く、設置スペースもさして必要としないことから、最も有効と考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鋼材ダンパーは鋼材の降伏後の塑性変形を利用してエネルギーを吸収し制震効果を得るものであるから、当然に弾性変形限度内では制震効果が発揮されず、そのため従来の鋼材ダンパーはそれ自体では様々な規模の地震に対して幅広く適用できない点で不具合であった。すなわち、大地震時を対象として鋼材ダンパーにより充分な制震効果を得ようとすると、つまり大地震時におけるダンパー負担力を大きく設定して大きなエネルギー吸収効果を得ようとすると、必然的に制震効果を発揮し始める降伏変位が大きくなってしまい、そのため中小地震時には弾性変形するに留まって降伏変形するに到らず、制震効果が発揮できないものとなる。逆に、中小地震時にも有効になるように鋼材ダンパーが早期に降伏変形するようにした場合には、大地震時におけるダンパー負担力が小さくなって充分にエネルギー吸収ができなくなり、大地震時には充分な制震効果を得ることができなくなる。
【0004】
そのような鋼材ダンパーに対し、粘性体や粘弾性体のせん断変形によるエネルギー吸収効果を利用する粘性系ダンパーは、中小地震あるいは風による微小振動から大地震まで幅広く制震効果を得ることが可能であるので、その点では鋼材ダンパーよりも有利であるといえるが、粘性系ダンパーは鋼材ダンパーに比較して構造が複雑にならざるを得ないし、かなりコスト高であり、保守も必要とし、また振動数や歪、温度等に依存して減衰性能が大きく変化するといった問題もあって必ずしも使い易いものではない。以上のことからローコストで最も使い易いブレースタイプの鋼材ダンパーを大地震から中小地震まで幅広く適用し得るものとしたい、という要請があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、両端が建物に対して固定され所定軸力を受けた際に降伏する帯板状の鋼板からなるブレース本体と、ブレース本体の周囲に装着されることによりブレース本体の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材とを主体として構成されてなり、前記拘束部材の一端部のみをブレース本体の一端部に対してボルト締結して該拘束部材をブレース本体に対して軸方向への相対変位を拘束した状態で装着するとともに、その拘束部材の他端部とブレース本体の他端部との間に、ブレース本体が軸方向に弾性変形した際に作動するサブダンパーを介装し、該サブダンパーが、ブレース本体に設けたリブプレートと、拘束部材に設けた取付リブとを、スプライスプレートを介して摩擦接合してなる摩擦ダンパーであることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の実施形態であるブレースダンパーを示す。これは、ブレース本体1と、その周囲に装着されてブレース本体1の面外座屈を防止する拘束部材2を主体として構成されたもので、ブレース本体1をブレースとして機能させるばかりでなくそれを大地震時に制震効果を発揮させるダンパーとして機能させるものとし、さらに大地震時のみならず中小地震時にも制震効果を発揮させるためのサブダンパー3を備えた構成とされている。
【0008】
ブレース本体1は帯板状の鋼板(フラットバー)からなり、その両端部が建物に対して固定されることでこれ自体が通常のブレースとして機能するものである。ブレース本体1の端部両面にはリブプレート4が溶接されていて、ブレース本体1の両端部における横断面形状は十字形をなすものとされている。また、本実施形態におけるブレース本体1は極軟鋼(低降伏点鋼)からなり、所定軸力を受けた際にはその中央部に設定されている降伏部1aが降伏することでダンパーとして機能するものとなっている。本実施形態では、ブレース本体1の素材である帯板状の鋼板の中央部両側を切除して、そこでの幅寸法を小さくして断面積を絞ることにより降伏部1aを形成しており、このブレース本体1は大地震時にはじめて降伏して充分な制震効果が得られるようにその降伏耐力(軸耐力)は充分に大きく設定されている。換言すれば、そのブレース本体1は中小地震時には降伏するに到らず弾性変形するに留まるものである。
【0009】
拘束部材2は対のチャンネル鋼材5と帯鋼板からなる対のカバープレート6からなり、チャンネル鋼材5を背中合わせにした状態でそれらのウェブ部によりブレース本体1を両側から挟み込み、その状態でそれらのフランジ部にカバープレート6をボルト締結することで全体としてH型断面となるように組み立てられてブレース本体1の外側に装着されている。
【0010】
そのように組み立てられた拘束部材2は、ブレース本体1の面外方向への変形を拘束してその座屈を防止するものであるが、チャンネル鋼材5にはこのチャンネル鋼材5自体が面外方向に変形することを防止するための補剛材7が取り付けられている。補剛材7はチャンネル鋼材5に溶接された鋼板からなる縦リブ7aと、それら縦リブ7a間に溶接された同じく鋼板からなる横リブ7bからなり、本実施形態においては4枚の縦リブ7aと3枚の横リブ7bとがブレース本体1の降伏部1aを挟み込む位置に設けられることで、ブレース本体1に対する面外方向の拘束が十分に確保されるようになっている。
【0011】
上記のように組み立てられてブレース本体1に装着される拘束部材2は、ブレース本体1の面外方向への変形を拘束して面外座屈を防止するものであるが、ブレース本体1をダンパーとして機能させるためにはブレース本体1の軸方向の変形は拘束しないものとする必要があり、そのため、図2に示すように各チャンネル鋼材5のウェブ部とブレース本体1の表面との間にはそれらをアンボンド(非付着)状態に維持して軸方向の相対変形を許容せしめるための緩衝材8が介装されている。緩衝材8としてはたとえばクロロプレンゴム等の高分子系材料からなるシート材が好適に採用可能である。
【0012】
なお、図3(b)に示すように、チャンネル鋼材5の端部には上記のリブプレート4との干渉を避けるためのスリット9が形成されていて、チャンネル鋼材5をブレース本体1に装着した状態ではリブプレート4がスリット9を通してチャンネル鋼材5の外側に位置するようになっている。そして、本実施形態のブレースダンパーは、そのリブプレート4と拘束部材2との間に上記のサブダンパー3を取り付けるようにしている。
【0013】
すなわち、ブレース本体1に装着された拘束部材2はその一端側(図1において左側)においてチャンネル鋼材5およびブレース本体1を挿通する締結ボルト10によりブレース本体1に対して締結され、したがって拘束部材2は上述のようにブレース本体1の軸方向変形を拘束はしないものの、締結ボルト10がずれ止めとなって拘束部材2全体がブレース本体1に対して軸方向にずれてしまうことが防止されるようになっている。
【0014】
また、図3に示すように、拘束部材2の他端側には、チャンネル鋼材5に取り付けられている補剛材7に連続するように取付リブ11が溶接されて固定されており、このチャンネル鋼材5をブレース本体1に組み付けて、ブレース本体1のリブプレート4をスリット9からチャンネル鋼材5の外側に位置させると、リブプレート4と取付リブ11とが同一平面内で軸方向に若干の隙間をあけた状態で横並びとなり、図3(b)に示すようにそれらリブプレート4と取付リブ11とを上下からスプライスプレート12および締結ボルト13により狭持して2面摩擦接合の形態で連結するようになっている。
【0015】
ここで、スプライスプレート12とリブプレート4および取付リブ11との摩擦接合面には、有機系塗料やアルミ溶射等による表面処理が施されて適切な摩擦係数が与えられ、これによりこれらリブプレート4、取付リブ11、スプライスプレート12により、リブプレート4とスプライスプレート12の滑りを利用した摩擦ダンパーとして機能するサブダンパー3が構成されている。このサブダンパー3の滑り始める軸耐力はブレース本体1の降伏耐力よりも充分に小さく設定されていて、ブレース本体1が降伏するに到らず微小な弾性変形を生じるに留まる中小地震時にこのサブダンパー3が作動するものとされている。つまりサブダンパー3は、中小地震時におけるブレース本体1の弾性変形に対して、スプライスプレート12とリブプレート4との摩擦接合面が滑りを生じてその摩擦抵抗力により軽微なダンパーとして機能し、それにより中小地震時における振動減衰効果が得られるようになっている。なお、上記のようなスプライスプレート12とリブプレート4との滑りを許容するために、リブプレート4に形成されているボルト孔は軸方向に長いルーズホールとされている。
【0016】
以上のように、本実施形態のブレースダンパーは、大地震時にはブレース本体1が降伏することで従来一般のブレースタイプの鋼材ダンパーと同様に大きな減衰性能を持たせることができ、したがってブレース本体1により大地震時に優れた制震効果が得られることに加え、中小地震時には降伏耐力が小さく小さな変形から非線形性を示して履歴エネルギーを有効に吸収するサブダンパー3により優れた制震効果が得られ、したがってこのブレースダンパーは中小地震から大地震まで幅広く適用できるものである。
【0017】
特に、本実施形態のブレースダンパーは、想定する中小地震の規模等に応じてサブダンパー3の負担力や剛性を調整することにより、変形に応じた種々の減衰性能を設定することができ、どの程度の変形でどのような減衰性能を与えるかを容易に設計することができる。また、サブダンパー3の負担力が多少変動するようなことがあってもその減衰性能への影響は少ないので、サブダンパー3の履歴性能(軸耐力)はあまり厳格に管理する必要はなく、たとえば上記実施形態におけるサブダンパー3の場合には摩擦面処理やボルト締結力には多少のばらつきを許容でき、設計および製作が容易である。
【0018】
また、サブダンパー3はコンパクトなもので良いし、従来のブレースタイプの鋼材ダンパーの形態や外形寸法を変更することなくそれにサブダンパー3を付加することのみで従来のものと同様に取り扱うことができ、その製作作業や現場への設置作業も何等面倒ではない。勿論、大地震時にサブダンパー3が破損してもブレース本体1はそのまま本来のダンパーとして支障なく機能するし、破損したサブダンパー3は事後に容易に交換することができる。
【0019】
図4に具体的な設計例を示す。(a)は本発明のブレースダンパーの構造を示す模式図であり、これは(b)に力学モデルとして示すように、拘束部材2とサブダンパー3とが直列に設けられ、それらとブレース本体1が並列に設けられたものとなる。
【0020】
ここで、Kcはブレース本体1の剛性であり、ブレース本体1の等価断面積Ae、最小断面積Ac、降伏点σy、長さL、ヤング係数Eとすると、
Kc=E・Ae/L
で表され、ブレース本体1の降伏応力(荷重)Pyは、
Py=σy・Ac
で表される。
【0021】
また、Ksは拘束部材2(補剛材7を含む)の剛性であり、その断面積をAsとすると
Ks=E・As/L
で表される。
【0022】
Kfはサブダンパー3の剛性であり、拘束部材2とサブダンパー3との直列バネ剛性Ksfは、
Ksf={(1/Ks)+(1/Kf)}−1
で表され、したがってブレースダンパー全体の剛性Kは、
K=Ksf+Kc={(L/E・As)+(1/Kf)}−1+(E・Ae/L)
で表される。
【0023】
具体的な数値例を挙げてさらに説明する。
各部材の仕様が、
・ブレース本体:PL-25×374〜250(LY225)、L=300cm、Ac=62.5cm、Ae=80cm、σy=22.5kN/cm
・拘束部材:2C-380×100×10.5×16+2PL-12×227、As=193cm
・サブダンパー:Kf=150MN/cm、負担力Pf=270kN=0.27MN
の場合、上記各式より
Kc=5.6MN/cm
Py=1.4MN
Ks=13MN/cm
Ksf=12MN/cm
サブダンパーが滑り出すときの変位σsfは
σsf=Pf/Ksf=0.022cm
全体剛性Kは
K=Ksf+Kc=18MN/cm
となり、その結果を図4(c)に示す。
【0024】
このブレースダンパーの等価減衰定数heqを求める。
摩擦ダンパーが滑り出す変位0.02cmまでの減衰は0(ゼロ)であり、この変位からブレース本体が降伏する0.26cmまでの減衰を算定すると、変位量σとしたときの履歴吸収エネルギーΔWは
ΔW=2×0.27×2(δ−0.02)=1.08(δ−0.02)
変位δ時のポテンシャルエネルギーWは
W=(5.6δ+0.27)δ/2=(2.8δ+0.135)δ
等価減衰定数heqは、
heq=(1/4π)・(ΔW/W)=0.086(δ−0.02)/(2.8δ+0.135)δ
【0025】
以上の結果を図4(d)に示すが、これから、変位0.025cm以降、ブレース本体が降伏する0.26cmまでは8%以上の減衰が安定して確保されていることがわかる。この減衰にはブレース本体と並列させ、拘束部材と直列させているというロスを含んでいるが、それでもこの程度の減衰性能が確保され、本ブレースダンパーは充分に実用的であると判断できる。
【0026】
さらに、ブレース本体の降伏後も含めたブレースダンパー全体の減衰特性を検討する。ブレース本体の降伏変位0.26cm以上の変位に対する1ループ当たりの履歴吸収エネルギーΔWは
ΔW=4×(1.44−0.28×0.26)(δ−0.26)+1.08(δ−0.02)
変位δ時のポテンシャルエネルギーWは
W={1.44+0.27+0.28(δ−0.26)}δ/2={0.86+0.14(δ−0.26)}δ
等価減衰定数heqは、
Figure 0003820523
【0027】
以上の結果を図4(e)に示す。これから、本実施形態のブレースダンパーは、減衰定数に2つのピークを持つ特性があり、中小地震や風などの小さな外力に対してはサブダンパー3が、大地震には本来のダンパーであるブレース本体1が有効に効く鋼材ダンパーとして挙動することがわかる。なお、一般にこの種のダンパーの軸変位は巨大地震でも30mm以内であり、サブダンパー3を付加しない単なるブレースタイプの鋼材ダンパーでは軸方向変位が2.6mm以下では弾性のために減衰機能を持たないが、サブダンパー3を付加したものでは1桁小さい0.25mm以上から減衰性能を発揮できるため、大地震だけでなく中小地震に対しても有効な制震ダンパーとなるのである。一般的な構造物がもつ鉄骨やコンクリートの躯体による減衰は0.02(2%)程度であり、0.25mmの微小変位から0.08(8%)以上の付加減衰を安定して与えられるこのブレースダンパーを使用することで大幅に減衰性能が向上し、大地震から中小地震まで応答低減を図ることができる。
【0028】
以上で本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、ブレース本体よりも負担力が充分に小さい軽微なサブダンパーとしての摩擦ダンパーをブレース本体と拘束部材との間に介装する限りにおいて適宜の設計的変更が可能であり、たとえば、必要に応じて複数のサブダンパーを設けたり、上記の摩擦ダンパーの他に異種のサブダンパーを組み合わせて設けることも可能である。また、サブダンパーとしての摩擦ダンパーがブレース本体の弾性変形時に有効に作動するように、拘束部材の一端部のみをブレース本体に対してボルト締結して、その拘束部材の他端部において、ブレース本体に設けたリブプレートと拘束部材に設けた取付リブとをスプライスプレートを介して摩擦接合することによって摩擦ダンパーを構成する限りにおいて、ブレースダンパーに対するサブダンパーの設置の構造、組み込みの形態は任意である。
【0029】
また、上記実施形態ではブレース本体1の中央部の幅寸法を小さくすることでそこでの断面積を絞って降伏部1aを形成したが、ブレース本体1は所定軸力で降伏するものであれば良く、その限りにおいて全長にわたって同一断面のものであっても良いし、中央部にスリットや長穴を形成する等により降伏部を形成するものも採用可能である。
【0030】
また、上記実施形態ではチャンネル鋼材5とカバープレート6とをH形に組み立てる形態の拘束部材2を採用したが、拘束部材2はブレース本体1の面外座屈を防止できるものであれば良く、その限りにおいて適宜の材質や形態のものが考えられし、ブレース本体1の形態によってはその幅方向の面内座屈を拘束し得るものとしておくことがより好ましい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ブレース本体が軸方向に弾性変形した際に作動する軽微なサブダンパーをブレース本体と拘束部材との間に介装したので、大地震時にはブレース本体により優れた制震効果が得られることに加え、中小地震時にもサブダンパーにより優れた制震効果が得られるものであり、ローコストで使い易いブレースタイプの鋼材ダンパーを中小地震から大地震まで幅広く適用することが可能である。
【0032】
特に、拘束部材の一端部のみをブレース本体の一端部に対してボルト締結してその拘束部材の他端部とブレース本体の他端部との間にサブダンパーを介装し、かつ、サブダンパーとして、ブレース本体に設けたリブプレートと、拘束部材に設けた取付リブとを、スプライスプレートを介して摩擦接合してなる摩擦ダンパーを採用したので、従来一般のブレースタイプの鋼材ダンパーに対してサブダンパーを簡単に付加することで本発明のブレースダンパーを構成することができ、したがって従来のブレースタイプの鋼材ダンパーと同様に取り扱うことができ、その製作作業や現場への設置作業も何等面倒ではなく、サブダンパーが破損してもブレース本体はそのまま本来のダンパーとして支障なく機能するし、破損したサブダンパーは容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態であるブレースダンパーの概略構成を示す図であって、(a)は側面図、(b)は上面図、(c)は(a)におけるIc−Ic線視平断面図である。
【図2】 同、横断面図であり、(a)は図1(a)におけるIIa−IIa線視図、(b)は同じくIIb−IIb線視図、(c)は同じくIIc−IIc線視図である。
【図3】 同、要部の組立図である。
【図4】 同、具体的な設計例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ブレース本体
1a 降伏部
2 拘束部材
3 サブダンパー
4 リブプレート
5 チャンネル鋼材
6 カバープレート
7 補剛材
7a 縦リブ
7b 横リブ
8 緩衝材
9 スリット
10 締結ボルト
11 取付リブ
12 スプライスプレート
13 締結ボルト

Claims (1)

  1. 建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、
    両端が建物に対して固定され所定軸力を受けた際に降伏する帯板状の鋼板からなるブレース本体と、ブレース本体の周囲に装着されることによりブレース本体の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材とを主体として構成されてなり、
    前記拘束部材の一端部のみをブレース本体の一端部に対してボルト締結して該拘束部材をブレース本体に対して軸方向への相対変位を拘束した状態で装着するとともに、その拘束部材の他端部とブレース本体の他端部との間に、ブレース本体が軸方向に弾性変形した際に作動するサブダンパーを介装し、
    該サブダンパーが、ブレース本体に設けたリブプレートと、拘束部材に設けた取付リブとを、スプライスプレートを介して摩擦接合してなる摩擦ダンパーであることを特徴とするブレースダンパー。
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