JP5180942B2 - ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセグメント焼結体の集合体としてのハニカム構造体の製造方法、及び、該製造方法によって製造されるハニカム構造体に関するものである。
セラミックスで形成されたハニカム構造体、すなわち、単一の軸方向に延びて列設された隔壁により区画された複数のセルを備えたハニカム構造を有するセラミックスの構造体は、ディーゼルエンジンの排気ガスから粒子状物質を捕集し除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPF」と称することがある)など、高温下で使用されるフィルタの基体として用いられている。
このようなハニカム構造体として、従前より、ハニカム構造を有する単位構造体(セグメント)を成形し焼成した後、複数のセグメント焼結体を接着剤を用いて接合することにより製造された、集合体としてのハニカム構造体が多用されている。これは、一般的に、ハニカム構造のセラミックス成形体は押出成形によって成形されるところ、押出成形で断面積の大きな構造体を成形することは困難であることを、主な理由としている。
ここで、複数のセグメント焼結体を接合する接着剤としては、セラミックス粉末、繊維材料、及びコロイダルシリカ等の結合剤等を混合した粘性の高いスラリーが使用され、接着剤により形成された接合層は、セラミックスの焼結温度に比べて低い温度で加熱することにより、乾燥・硬化させるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。これは、ハニカム構造体が高温下で使用される際に、温度分布が不均一となることに起因してセグメント焼結体間に生じる熱応力を、接合層の有する弾性によって緩和することを意図したものである。
しかしながら、上記のような従来のハニカム構造体では、接合層自体の強度が低いと共に、接合層とセグメント焼結体との接合強度も低いものとなり易いため、接合層内における亀裂や、接合層とセグメント焼結体との界面に沿った剥離が生じ易い。その結果、DPFの基体として使用されるハニカム構造体では、亀裂や剥離により生じた空隙を介して排ガスが流通してしまう。そのため、フィルタリング作用を高める目的でセル隔壁の気孔率や気孔径を高度に制御したとしても、粒子状物質が捕集されることなく空隙を介して漏出してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、複数のセグメントの集合体としてのハニカム構造体であって、複数のセグメントが強固に接合されており、高温下で使用される場合であっても亀裂や剥離の生じにくいハニカム構造体の製造方法、及び、該製造方法によって製造されるハニカム構造体の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるハニカム構造体の製造方法は、「単一の軸方向に延びて列設された隔壁により区画された複数のセルを備えたハニカム構造を有するセグメント成形体を、導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料の押出成形により成形する成形工程と、導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料で形成されていると共に前記ハニカム構造を有しない未焼成の接合材により、複数の前記セグメント成形体が前記軸方向に直交する方向に接合された接合体を得る接合工程と、前記接合体を焼成することにより、前記セグメント成形体の焼結により生成したセグメント焼結部、及び前記接合材の焼結により生成した接合材焼結部、焼結により一体化させ、通電により自己発熱する焼結体を得る焼成工程とを具備し、前記接合工程で粒度組成の異なるセラミックス材料で形成された前記接合材を前記軸方向に沿って配することにより、前記焼成工程を経て生成される前記接合材焼結部において、前記セルに流通させるガスに対して下流側となる接合材焼結部の気孔率を、上流側となる接合材焼結部の気孔率より高くする」ものである。
「導電性セラミックス焼結体」は、電気伝導性を有するセラミックスの焼結体であればセラミックスの種類は特に限定されず、不純物をドープすることにより半導体となった炭化珪素質、窒化珪素質、コージェライト質、アルミナ質、ムライト質のセラミックスの焼結体を例示することができる。
「セグメント成形体」を押出成形するための「セラミックス材料」としては、上記のセラミックスの原料粉末を水等の媒液、有機バインダー等の添加剤と混合・混練した混練物を使用することができる。また、「未焼成の接合材」を形成するための「セラミックス材料」としては、同様に調製された混練物をシート状に成形した成形体や、上記のセラミックスの原料粉末を含有する粘性の高いスラリーを使用することができる。
なお、「セグメント成形体」に用いられるセラミックス材料と、「接合材」に用いられるセラミックス材料とで、セラミックスの種類や組成は、同一であっても相違するものであっても良い。
上記構成の本発明の製造方法では、複数のセグメント成形体を接合している接合材を、セグメント成形体と共に焼成する。一般的にセラミックスの焼結体は、未焼結体に比べて常温及び高温下での機械的強度が高い。従って、本発明により製造されるハニカム構造体では、複数のセグメント焼結部を接合している部分(接合材焼結部)に、亀裂が生じにくい。また、セグメント焼結部と接合材焼結部とは、焼結によって一体化している。これにより、セグメント焼結部と接合材焼結部との接合強度が高く、両者間で剥離が生じるおそれが極めて低減される。そして、複数のセグメント焼結部は、接合材焼結部を介して極めて強固に接合される。
また、複数のセグメントの集合体としての従来のハニカム構造体では、複数のセグメントの焼結体を接合させるために、一般的に、コロイダルシリカ等、加熱によってガラス相を生成する結合剤を含有する接着剤が使用されている。そのため、従来の接合層は、電気絶縁性であった。ここで、ハニカム構造体がDPFのフィルタ基体として用いられる場合、粒子状物質がある程度捕集された段階で、粒子状物質を燃焼させて除去する再生処理が行われることがある。その際、接合層が電気絶縁性である従来のニカム構造体の場合は、粒子状物質を燃焼させるために電気ヒータやガスバーナ等によって外部加熱することになる。そのため、ハニカム構造体が局部的に極めて高温となり易く、不均一な温度分布に起因して熱応力が発生し、強度の低い接合層に亀裂や剥離が生じていた。
これに対し、上記構成の本発明では、セグメント成形体が導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料で成形されることに加えて、接合材も導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料で形成されるため、複数のセグメント焼結部の集合体として最終的に得られるハニカム構造体は、全体的に電気伝導性である。これにより、ハニカム構造体に通電し自己発熱させることによって、ハニカム構造体を加熱することが可能である。そして、導電性物質を通電により自己発熱させる場合は、導電性物質の全体がほぼ均一に加熱され、温度分布は均一となり易い。
従って、本発明により製造されるハニカム構造体は、通電による自己発熱によって加熱することが可能であり、高温下での使用に際して熱応力が発生しにくい。そのため、従来のハニカム構造体とは異なり、接合層の弾性によって熱応力を緩和する必要性に乏しい。これにより、本発明によれば、複数のセグメント焼結部を接合している部分の強度及び接合強度が高く亀裂や剥離が生じにくいと共に、セグメント焼結部と接合材焼結部とが焼結により一体化していることが、熱応力の緩和の点で不都合とならないハニカム構造体を製造することができる。
次に、本発明にかかるハニカム構造体は、「導電性セラミックス焼結体で形成され、単一の軸方向に延びて列設された隔壁により区画された複数のセルを備えたハニカム構造を有するセグメント焼結部の複数、及び、導電性セラミックス焼結体で形成され、隣接する前記セグメント焼結部間に前記ハニカム構造を有しない層として介在し前記セグメント焼結部と焼結により一体化していると共に、複数のセグメント焼結部を前記軸方向に直交する方向に接合している接合材焼結部を備え、通電により自己発熱する焼結体を具備し、前記接合材焼結部において、前記セルに流通させるガスに対して下流側となる接合材焼結部の気孔率は、上流側となる接合材焼結部の気孔率より高い」ものである。
上記構成のハニカム構造体は、上述の製造方法により製造することができ、上記の優れた作用効果を奏する。
また、本発明にかかるハニカム構造体は、上記構成において、「前記軸方向の長さが前記軸方向に直交する方向の最大長さより短い」ものとすることができる。
上述のように、通電により自己発熱するハニカム構造体では、温度が均一に上昇し易い。しかしながら、ハニカム構造体がDPFの基体として使用される場合の上記再生処理では、粒子状物質の燃焼によっても熱が発生する。そして、粒子状物質の燃焼は、ガス流通の上流側で始まり、ガスの流通に伴って下流側に伝播して行くため、再生処理の初期段階では上流側が高温であるのに対し、最終段階では下流側が高温となる。そのため、再生処理の際には、ガスの流通方向に沿って、すなわち、ハニカム構造体においてセルの延びる軸方向に沿って、温度分布が不均一となり易い。
そこで、本発明では、ハニカム構造体の軸方向の長さを、軸方向に直交する方向の最大長さより短くする構成を採用した。このように、軸方向の長さを抑えることにより、ハニカム構造体における温度分布の不均一さを低減し、熱応力の発生を抑制することができる。加えて、軸方向の長さを抑えることによって、ハニカム構造体にガスを流通させる場合の抵抗を低減することができる。
以上のように、本発明の効果として、複数のセグメントの集合体としてのハニカム構造体であって、複数のセグメントが強固に接合されており、高温下で使用される場合であっても亀裂や剥離の生じにくいハニカム構造体の製造方法、及び、該製造方法によって製造されるハニカム構造体を提供することができる。
本発明の一実施形態のハニカム構造体の製造方法を示す工程図である。 (a)更に目封止工程を備える実施形態の製造方法の工程図、(c)目封止工程を備える他の実施形態の製造方法の工程図である。 図1の製造方法に使用するセグメント成形体の(a)斜視図、(b)一方の端部近傍で軸方向に垂直な面で切断した断面図である。 図1の製造方法の接合工程を説明する図である。 図1の製造方法により製造されたハニカム構造体の斜視図である。 他の実施形態のハニカム構造体を軸方向に垂直な面で切断した断面図である。 更に他の実施形態のハニカム構造体を軸方向に切断した断面図である。
以下、本発明の一実施形態であるハニカム構造体の製造方法(以下、単に「製造方法」という)、及び該製造方法により製造されるハニカム構造体1について、図1乃至図5に基づいて説明する。なお、図4及び図5では、それぞれセグメント成形体及びセグメント焼結部の断面にあらわれるハニカム構造を、省略して図示している。
本実施形態の製造方法は、主に図1に示すように、単一の軸方向Zに延びて列設された隔壁4により区画された複数のセル5からなるセグメント成形体10gを、導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料の押出成形により成形する成形工程S1と、導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料で形成されていると共にハニカム構造を有しない未焼成の接合材11gにより、複数のセグメント成形体10gが軸方向Zに直交する方向に接合された接合体15gを得る接合工程S2と、接合体15gを焼成することにより、セグメント成形体10gの焼結により生成したセグメント焼結部10、及び接合材11gの焼結により生成した接合材焼結部11が、焼結により一体化している焼結体(ハニカム構造体1)を得る焼成工程S3とを具備している。
より詳細に説明すると、成形工程S1では押出成形により、例えば、図3(a)に示すような四角柱状のセグメント成形体10gを成形する。ここでは、18個×18個のセル5を有し、セル5の軸方向Zに垂直な方向における断面形状が正方形である場合を例示しているが、セルの個数及び形状はこれに限定されるものではない。また、セグメント成形体10gの軸方向Zに垂直な方向における断面形状も正方形の場合を例示しているが、これに限定されず、例えば、断面形状を長方形や三角形とすることもできる。
接合工程S2では、図4に示すように、隣接するセグメント成形体10g間に未焼成の接合材11gを配設し、接合材11gによって隣接するセグメント成形体10gを貼り合わせる。このとき、接合材11gは、隣接するセグメント成形体10g間に空隙が生じないように貼り合わせる。本実施形態では、接合材11gとして、軸方向Zの長さがセグメント成形体10gと等しいシート状の未焼成体を使用している。
このようにして複数のセグメント成形体10gが未焼成の接合材11gによって、軸方向Zに垂直な方向に接合された接合体15gを、焼成工程S3で焼成する。この工程での焼成により、セグメント成形体10g及び未焼成の接合材11gがそれぞれ焼結すると共に、互いが焼結する。その結果、セグメント成形体10gの焼結により生成したセグメント焼結部10と、接合材11gが焼結して形成された接合材焼結部11とが、焼結により一体化したハニカム構造体1が得られる。
なお、ハニカム構造体1が、ディーゼルエンジンから排出されるガスの流通路に配設されてガス中の粒子状物質を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタの基体として使用される場合は、セル5が交互に封止部6で封止されるように(図3(b)参照)、セル5の一端または他端に目封止材料を充填する目封止工程を設けることができる。この場合、図2(a)に示すように、成形工程S1の後に、接合工程S2に先立って目封止工程S2aを行うことができる。或いは、図2(b)に示すように、接合工程S2の後に、焼成工程S3に先立って目封止工程S2bを行うことができる。
上記の製造方法により製造されたハニカム構造体1は、図5に示すように、導電性セラミックス焼結体で形成され、単一の軸方向Zに延びて列設された隔壁により区画された複数のセルを備えたハニカム構造を有するセグメント焼結部10の複数と、導電性セラミックス焼結体で形成され、隣接するセグメント焼結部10間にハニカム構造を有しない層として介在しセグメント焼結部11と焼結により一体化していると共に、複数のセグメント焼結部10を軸方向Zに直交する方向に接合している接合材焼結部11とを具備している。
また、本実施形態では、セグメント成形体10gのサイズ及び接合する個数により、ハニカム構造体1の軸方向Zの長さLは、軸方向Zに直交する方向の最大長さより短い設定とされている。なお、本実施形態では、「軸方向Zに直交する方向の最大長さ」はハニカム構造体1の正方形の断面の対角線に相当する。
なお、図5では、構成を説明する便宜上、セグメント焼結部10と接合材焼結部11との境界を破線で示している。両者は焼結により一体化しているため、明確な境界が視認できるとは限らないが、走査型電子顕微鏡等で観察することにより、気孔率、気孔径分布の相違などに基づいて両者を識別することが可能である。或いは、EDX分析装置を使用することにより、組成の相違に基づいて両者を識別することが可能である。
以上のように本実施形態の製造方法で製造された上記構成のハニカム構造体1によれば、複数のセグメント焼結部10を接合している部分(接合材焼結部11)も焼結体であるため高強度であり、且つ、セグメント焼結部10と接合材焼結部11とが焼結により一体化しており接合強度が高いため、亀裂や剥離が生じるおそれが極めて低減されている。
また、セグメント焼結部10及び接合材焼結部11は共に導電性セラミックス焼結体であるため、ハニカム構造体1を通電により自己発熱させることができる。そして、自己発熱による加熱下で使用する場合、ハニカム構造体の温度は全体的にほぼ均一に上昇するため、熱応力が発生しにくい。
加えて、ハニカム構造体1の軸方向Zの長さLが抑えられているため、DPFの基体として使用される場合、捕集された粒子状物質を燃焼させる再生処理を行う際に軸方向Zに沿って温度分布が不均一になることが抑制され、熱応力の発生が低減されている。また、軸方向Zの長さLを抑えながらも、複数のセグメント焼結部10を接合することにより断面積を大きく、すなわち容積を大きくしているため、ガスの流通抵抗を低く抑えて初期圧力損失を低減しながら、粒子状物質の捕集に伴う圧力損失の増加が抑制されている。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、9個のセグメント成形体10gを接合材11gによって、軸方向Zに直交する方向に3個×3個接合し焼成することにより、9個のセグメント焼結部10が接合材焼結部11を介して一体化しているハニカム構造体1を製造する場合を、図4及び図5を用いて例示したが、接合数はこれに限定されるものではない。例えば、図6に軸方向に直交する断面図を例示するように、4個×4個のセグメント成形体を接合材で接合し焼成することにより、12個のセグメント焼結部10a,10bが接合材焼結部11を介して一体化しているハニカム構造体1bとすることができる。なお、図6では、セグメント焼結部10a,10bにおけるハニカム構造を省略して図示している。
また、本発明によれば、全体が一体化された焼結体でありながら、複数のセグメント焼結部間で、或いは、セグメント焼結部と接合材焼結部とで、気孔率、組成、セル数、隔壁の厚さ等の特性が異なっているハニカム構造体を提供することができる。例えば、粒度組成の異なるセラミックス材料で形成された複数種類のセグメント成形体を接合することにより、上記のハニカム構造体1bにおいて、断面の中央付近のセグメント焼結部11aと、周縁部のセグメント焼結部11bとで、気孔率を異ならせることができる。
或いは、隣接するセグメント成形体間に、粒度組成の異なるセラミックス材料で形成された複数の接合材を軸方向に沿って接するように配してから、隣接するセグメント成形体を接合し焼成することにより、図7に軸方向の断面図を例示するように、隣接するセグメント焼結部10間に、軸方向に沿って一体化され、且つ、ガス流通の上流側と下流側とで気孔率の異なる接合材焼結部11a,11bが介在するハニカム構造体1cを製造することができる。このとき、下流側の接合材焼結部11bの気孔率を、上流側の接合材焼結部11aやセグメント焼結部10の気孔率より高くすることにより、下流側の接合材焼結部11bを低強度とすれば、ハニカム構造体1cにおいて熱応力が発生したときに接合材焼結部11bにおいて優先的に亀裂を発生させることが可能である。これにより、上流側の接合材焼結部11aによって粒子状物質の捕集漏れを防止しつつ、下流側の接合材焼結部11bにおける亀裂の発生によって、熱応力を吸収・緩和することができる。なお、図7では、セグメント焼結部におけるハニカム構造を省略して図示している。
このように、焼結により一体となったハニカム構造体であって、気孔率や組成等の特性がセグメント焼結部によって異なる構成や、接合材焼結部の特性が軸方向に沿って異なる構成は、押出成形で成形されたハニカム構造の成形体を焼結して得られる、一体物のハニカム構造体として実現することは極めて困難な構成であり、複数のセグメント成形体を接合材で接合してから焼成する本発明であればこそ、実現可能となる構成である。
また、上記では、主に、ハニカム構造体をDPFの基体として使用する場合を例として説明したが、ハニカム構造体の用途はこれに限定されるものではない。例えば、ハニカム構造体を通電による自己発熱によって加熱し、その状態でセルに気体や液体を流通させ、流体を加熱する加熱体として使用することができる。或いは、ハニカム構造体に自己発熱による熱を蓄えておき、その後にセルに流体を通過させ加熱する蓄熱体として使用することができる。また、セルの隔壁に触媒を担持させることにより、加熱下で触媒作用を得ることができる触媒担体として、本発明のハニカム構造体を使用することができる。
なお、ハニカム構造体がDPFの基体や触媒担体として用いられる場合は、セグメント焼結部は多孔質体とし、セグメント成形体は焼成により多孔質体となるセラミックス材料で成形すると良い。一方、ハニカム構造体が加熱体や蓄熱体として用いられる場合は、セグメント焼結部は多孔質体であっても緻密質体であっても良いが、緻密質体であれば熱量量が大きくなるため望ましい。この場合は、焼成により緻密質体となるセラミックス材料でセグメント成形体成形する。また、接合材焼結部は、ハニカム構造体がDPFの基体、触媒担体、加熱体、蓄熱体の何れに用いられるかに関わらず、多孔質体とすることも緻密質体とすることもできる。
また、上記の実施形態では、セグメント成形体10gと接合材11gとで軸方向Zの長さが同一の場合、すなわち、セグメント成形体10gが軸方向Zの全長に亘り接合材11gで接合される場合を例示したが、これに限定されず、両者の接合は部分的であっても良い。例えば、ハニカム構造体がフィルタの基体として使用される場合、軸方向Zに直交する方向においては、被捕集物質の漏出を防止するために隣接するセグメント成形体10g間に空隙が生じないように接合されるが、軸方向Zにおいてはセグメント成形体10gより短い接合材11gで、隣接するセグメント成形体10gを接合しても良い。
1 ハニカム構造体
4 隔壁
5 セル
10 セグメント焼結部
10g セグメント成形体
11 接合材焼結部
11g 接合材
S1 成形工程
S2 接合工程
S3 焼成工程
特許第4365839号公報

Claims (3)

  1. 単一の軸方向に延びて列設された隔壁により区画された複数のセルを備えたハニカム構造を有するセグメント成形体を、導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料の押出成形により成形する成形工程と、
    導電性セラミックス焼結体となるセラミックス材料で形成されていると共に前記ハニカム構造を有しない未焼成の接合材により、複数の前記セグメント成形体が前記軸方向に直交する方向に接合された接合体を得る接合工程と、
    前記接合体を焼成することにより、前記セグメント成形体の焼結により生成したセグメント焼結部、及び前記接合材の焼結により生成した接合材焼結部、焼結により一体化させ、通電により自己発熱する焼結体を得る焼成工程とを具備し、
    前記接合工程で粒度組成の異なるセラミックス材料で形成された前記接合材を前記軸方向に沿って配することにより、前記焼成工程を経て生成される前記接合材焼結部において、前記セルに流通させるガスに対して下流側となる接合材焼結部の気孔率を、上流側となる接合材焼結部の気孔率より高くする
    ことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. 導電性セラミックス焼結体で形成され、単一の軸方向に延びて列設された隔壁により区画された複数のセルを備えたハニカム構造を有するセグメント焼結部の複数、及び、導電性セラミックス焼結体で形成され、隣接する前記セグメント焼結部間に前記ハニカム構造を有しない層として介在し前記セグメント焼結部と焼結により一体化していると共に、複数のセグメント焼結部を前記軸方向に直交する方向に接合している接合材焼結部を備え、通電により自己発熱する焼結体を具備し、
    前記接合材焼結部において、前記セルに流通させるガスに対して下流側となる接合材焼結部の気孔率は、上流側となる接合材焼結部の気孔率より高い
    ことを特徴とするハニカム構造体。
  3. 前記軸方向の長さが前記軸方向に直交する方向の最大長さより短い
    ことを特徴とする請求項2に記載のハニカム構造体。
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