JP2004075522A - セラミックハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材の開口端面を流通孔方向に接合したセラミックハニカム構造体のハニカム部材同士の接合を確実に行って、高温の排気ガスに曝されても、部材間の接合力を低下させず、部材同士が衝突破損することを防ぐと共に、低圧力損失、かつ優れた排気ガス浄化性能を有するセラミックハニカム構造体を得る。
【解決手段】隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一体に形成された外周壁で接合されていることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の排気ガス浄化用触媒コンバータ用の担体として、或いは、ディーゼルエンジンの排気ガス中の主に微粒子を除去するためのフィルタとして使用するのに適したセラミックハニカム構造体に関するものである。
【0002】
【従来技術】
セラミックハニカム構造体は、耐熱性を有し、軽量で、ガスの通気抵抗が小さいことから、自動車排気ガス浄化用触媒の担体として、更にはハニカム構造体の隔壁の多孔性を利用して、ディーゼル機関の排気ガス中に含まれる主に微粒子を除去するフィルタとして使用されている。上記触媒担体及び微粒子除去フィルタは、これらが収納される金属製容器に支持部材を介して強固に把持されている。そして、上記触媒担体或いは微粒子除去フィルタとして使用される際にはセラミックハニカム構造体の軸方向に形成されている多数の流通孔を高温の排気ガスが流通することから、特に始動時には、局所的に急激な温度上昇が生じ、セラミックハニカム構造体の排気ガス入口側と出口側、或いは中心部と外周部で温度差による熱応力が発生し、セラミックハニカム構造体に割れが発生することがあった。また、微粒子除去用フィルタの場合は、フィルタ上に堆積した微粒子を燃焼させる再生処理の際の発熱により局所的に温度が上昇し、温度差による熱応力により割れが発生することがあった。このような現象は、特に、ディーゼル機関の排気ガス浄化用触媒担体、或いは微粒子除去用フィルタとして用いられるような、外径180mm以上、且つ、長さが180mm以上の大型セラミックハニカム構造体の場合には、発生しやすいという問題があった。
【0003】
また、このようなセラミックハニカム構造体を製造する際には、セラミック原料粉末に、バインダー、潤滑剤等の成形助剤、さらに必要に応じてグラファイト、小麦粉等の造孔材を添加、混合した後、水を加え混練、杯土とした後、押出成形法により、ハニカム構造の成形体を成形し、この成形体に乾燥、焼成を行う方法が一般的に用いられている。しかし、特に外径180mm以上、且つ長さが180mm以上の大型セラミックハニカム構造体の場合、焼成工程における成形助剤や、造孔材の燃焼発熱反応に伴いハニカム構造体の中心部の温度が急上昇し、外周部との間に温度差が発生し、この温度差により発生する熱応力のために、セラミックハニカム構造体に割れが発生するという問題点も有していた。
【0004】
このような問題点を解決するため、セラミックハニカム構造体を小さな片に分割し、貼り合わせることにより、高温の排気ガスや微粒子の燃焼に伴い発生する熱衝撃による割れや、焼成工程で発生する割れを防止する技術が提案されており、分割方法についても各種のものが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の発明では、セル壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のハニカム部材を、同材質の接合部材により、流通孔の流路方向と平行な接合面で一部を接合すると共に、流通孔の入口端面外周部に接続する端部および/または流通孔の出口端面外周部に接続する端部を含んで、一部に未接合部を形成することで、ハニカム構造体に発生する熱応力を低減し、クラックの発生を少なくする記載がある。
また、特許文献2に記載の発明では、所定の開孔セルを備え、所定厚みのハニカム状セラミックモジュールを複数、開孔セルの軸方向が連通するように、積層して所定厚みのハニカム状セラミックモジュールを複数配設して成るハニカム状セラミック構造体が開示されている。この発明によれば、各モジュールの開孔セルの軸方向距離が短くなり、ハニカム状セラミック構造体両端で急激な温度差が発生した場合には、モジュール毎の排気ガスの流入側と流出側間の温度差が減少するので、個々のモジュールの熱応力は減少して、構造体全体として熱衝撃に非常に強い構造を提供できることが開示されている。また、この発明によれば、モジュール毎に製造することによって、ハニカム成形時及び焼成時に、成形不良、割れやひび等の欠陥の発生が減少するような、即ち製造時の歩留まりが向上できることも開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−60279号公報
【特許文献2】
特開平8−12460号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、以下のような問題点を有していた。
特許文献1に記載の発明においては、複数のハニカム部材が、流通孔の流路方向と実質的に平行な面で接合され、該接合面に接合部材が存在することから、実質的に流通孔の数が少なくなり、ハニカム構造体の開口面積が少なくなる。しかも、接合面は図6(b)に示すように、排気ガス流量の最も多い、ハニカム構造体の中心部を分断する形で形成されるため、触媒担体や微粒子除去用フィルタとして使用される際のハニカム構造体の圧力損失が大きくなるという問題点を有していた。
一方、上記特許文献2特に記載の発明においては、接合面を流通孔の流路方向と実質的に直角の面としていることから、上記特許文献1に記載の発明の流通孔の流路方向に平行な面で接合した時に発生する問題は回避できるものの、以下に述べるように、ハニカム状セラミックモジュールを積層する方法が不適切であることから、ハニカム構造体としての必要な強度が確保できなかったり、圧力損失が大きくなるといった問題点があった。即ち、この発明におけるモジュール間の接合方法については、その実施例において
(1)機械的アッセンブリ(外筒金属内に嵌装)、
(2)モジュールの外周部でモジュール同士を溶着、
(3)セル枠のセル開口部の面に焼結助剤ペーストを塗布接合、
(4)連通している開口セルの少なくとも一つに、各モジュールを貫通して棒状体を差し込む方法、
(5)各モジュールに互いに嵌合するようなほぞを設けて接合する方法
の5種類の方法が記載されているが、以下のようにいずれも問題点を有していた。
【0007】
(1)外筒金属内に嵌装する機械的アッセンブリ法の場合、ハニカム状セラミックハニカム構造体が排気ガスの高温に曝された際には、外筒金属の膨張量の方がセラミック構造体に比べて大きいことから、嵌装力が低下し、各モジュールが、相対的に動き易くなるため、自動車に搭載した際の機械的振動等によりモジュール同士が衝突、欠損することにより、排気ガスの浄化性能が悪くなるという問題点があった。また嵌装力の低下は、モジュールが円周方向に回転移動することにも繋がり、複数のモジュールに亘って軸方向に連通していた開口セルの連通度が悪くなり、セラミックハニカム構造体の圧力損失が大きくなると言う問題点もあった。
(2)モジュールの外周部でモジュール同士を溶着する場合、詳細な記述はないが、セラミックスは耐熱性を有する材料であり、溶融させること自体が困難である。このため、セラミックモジュール同士を溶着させようとした場合、セラミックモジュール同士を突き合わせ、加圧しながらセラミックスの焼成温度まで加熱し、固相拡散により接合させる、所謂ホットプレス処理が必要となり、溶着処理費用が膨大となり、実用的でない。仮にホットプレス処理により溶着させた場合、モジュール間の接合は固相拡散が主体となるため、セラミックモジュール間の接合強度が十分でなく、高温の排気ガスによる熱衝撃が加わった際に、溶着界面に亀裂が進展し、自動車に搭載した際の機械的振動等により部材同士が衝突、欠損することにより、排気ガスの浄化性能が悪くなるという問題点があった。
(3)セル枠のセル開口部の面に焼結助剤ペーストを塗布接合する場合、セル枠のセル開口部の面にのみ焼結助剤ペーストを塗布することは難しく、必然的にセル開口部にもペーストがはみ出すようになることから、セル開口部を塞いでしまいセル開口面積が小さくなるため、ハニカム状セラミックモジュールの開口率が低下し、圧力損失が大きくなると言う問題点があった。
(4)連通している開口セルの少なくとも一つに、各モジュールを貫通して棒状体を差し込む方法の場合、モジュール同士が実質的には接着していないことから、高温の排気ガスに曝された際のモジュールと棒状体の熱膨張係数差により両者の嵌装がゆるみ、機械的振動によりモジュール同士が衝突し、欠損したり、或いは逆に嵌装力が強まり、ハニカムモジュールを破損させたりすることによって、浄化性能が悪くなるという問題点があった。また棒状体が流通孔を塞ぐことから圧力損失が上昇するといった問題点も有していた。
(5)各モジュールに互いに嵌合するようなほぞを設けて接合する方法の場合、セラミックモジュールは硬くて脆い材料であることから、ほぞ部で破損し易くなり、ハニカム構造体の一部が欠損し、浄化性能が悪くなるという問題点を有していた。
【0008】
したがって、本発明の目的は、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材の開口端面を流通孔方向に接合したセラミックハニカム構造体のハニカム部材同士の接合を確実に行って、高温の排気ガスに曝されても、部材間の接合力を低下させず、部材同士が衝突破損することを防ぐと共に、低圧力損失、かつ優れた排気ガス浄化性能を有するセラミックハニカム構造体を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の問題を解決するため、本発明の第1発明のセラミックハニカム構造体は、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一体に形成された外周壁で接合されていることを特徴とする。
また本発明の第2発明のセラミックハニカム構造体は、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも前記セラミックハニカム部材端面の外周部において接合材を介して接合されていることを特徴とする。
また、本発明の第3発明のセラミックハニカム構造体は、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一部の流通孔に圧入された接合部材を介して接合されていることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明の作用効果について以下に説明する。
本発明の第1発明において、セラミックハニカム構造体は、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一体に形成された外周壁で接合されていることから、セラミックハニカム部材間の接合が確実に行われると共に、低圧力損失特性が得られる。即ち、本第1発明においては複数のセラミック部材が一体に形成された外周壁を共有して配設されることから、セラミックハニカム部材は外周壁により強固に接合され、ハニカム部材間の接合が確実に行えるのである。
また、特許文献2に記載の発明における外周部での溶着により形成されたハニカム構造体が、溶融し難いセラミック材料を高温高圧下で溶着させる必要があるのに対して、外周壁用のコーティング材料を適切に選択することにより、特別の加圧をする必要が無く接合ができるのである。
このため、高温の排気ガスに曝されても、接合力低下による部材間の衝突、欠損を防止することができる。更には、接合部は隔壁により仕切られた多数の流通孔の外周側に形成されることから、部材の接合によって、ハニカム構造体の圧力損失を上昇させることもなく、低圧力損失特性が得られるのである。また、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に連通するように外周壁で接合されることにより、部材間の流通孔の連続性が保たれることから、更に低圧力損失特性が得られる。
ここで、本第1発明に使用する外周壁コーティング材としては、例えば、コージェライト、アルミナ、ムライト、シリカ等の材料の骨材粒子にセラミックファイバー、無機バインダー等を混合したもの、或いは耐熱性を有するセラミックファイバー、セラミックス粒子、セメント等を単独で或いは混合して用いることが好ましく、更に必要に応じて有機バインダー、無機バインダー等を混合しても良いが、これらに限定されるものではない。ここで、この骨材粒子は、セラミックハニカム部材を構成する材料と同材質のものであれば、セラミックハニカム部材と外周壁の熱膨張係数の違いを小さくできることからより好ましい。
本第1発明において、前記外周壁の厚さが、5mm以下であることが好ましい。より好ましい外周壁厚さは0.2mm以上、3mm以下である。外周壁の厚さが5mmを越えると、厚肉となるため、高温の排気ガスにより生じる熱衝撃が加わった際に外周壁部で破損することがあるからであり、3mm以下であると、より熱衝撃に対して強くなる。外周壁の厚さが0.2mm未満では外周壁自体の強度が不足し、ハニカム部材間の接合強度が低下し、接合部で破損し易くなるからである。
ここで、複数のセラミックハニカム部材に、外周壁が予め形成されている場合は、外周壁の外周面側にこれらハニカム部材が共有できるような外周壁層を形成配置する。また、外周壁を有せず、外周部の外側に位置する流通孔が、外部との間に隔壁を有しないことによって、軸方向に伸びる凹溝を形成しているセラミックハニカム部材の場合は、外周部の少なくとも凹溝を充填し、複数のハニカム部材が共有できる外周壁を形成する。
【0011】
本発明の第2発明のセラミックハニカム構造体は、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも前記セラミックハニカム部材の端面の外周部において接合材を介して接合されている。この構造体では、ハニカム構造体の圧力損失を上昇させることなく部材間の着実な接合が行われる。また、接合材を介して、複数のセラミックハニカム部材を接合していることから、確実な接合が行われ、高温の排気ガスに曝されても、接合力低下による部材間の衝突、欠損を防止することができる。また、接合部材を使用する部位をセラミックハニカム部材の端面の外周部に限定していることから、セラミックハニカム構造体の中心付近では接合材の影響が無く、接合に伴う圧力損失の上昇を防ぐことができる。
ここで、本第2発明に使用する接合材としては、例えばコージェライト、アルミナ、ムライト、シリカ等の材料の骨材粒子にセラミックファイバー、無機バインダー等を混合したもの、或いは耐熱性を有するセラミックファイバー、セラミックス粒子、セメント等を単独で或いは混合して用いることが好ましく、更に必要に応じて有機バインダー、無機バインダー等を混合しても良いが、これらに限定されるものではない。ここで、この骨材粒子は、セラミックハニカム部材を構成する材料と同材質のものであれば、セラミックハニカム部材と外周壁の熱膨張係数の違いを小さくできることからより好ましい。
本第2発明において、前記接合材の接合厚さは、10mm以下であることが好ましい。更に好ましくは0.1mm以上3mm以下であり、更により好ましくは0.1mm以上2mm以下である。接合厚さとは、図3に示すようにセラミックハニカム部材同士の間の接合部材14a、14bの厚さである。
接合厚さが10mmを越えると、厚肉となるため、高温の排気ガスにより生じる熱衝撃が加わった際に破損することがあるからであり、接合厚さが3mm以下であるとより破損しにくくなる。接合厚さが0.1mm未満であると、接合強度が不足し易く、触媒担体や微粒子捕集用フィルタとして使用される収納容器による把持応力に耐えきれない場合には、接合部で破損し易くなることがあるからである。尚、この時、接合厚さに相当する寸法の空隙をセラミックハニカム構造体に形成しても良いし、予め接合部材の厚さを見込んでセラミックハニカム部材の接合端面を加工しておいても良い。ここでセラミックハニカム部材の端面の外周部とは、セラミックハニカム部材の最外周から流通孔10ケ分以内の幅の範囲のことを言う。
【0012】
本発明の第3発明のセラミックハニカム構造体において、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一部の流通孔に圧入された接合部材を介して接合され、確実な接合が行われる。即ち、流通孔に圧入された接合部材を介して接合されていることから、セラミックハニカム部材の隔壁と接合部材との接合面積が増えることとなり、その結果接合強度が増大し、ハニカム部材間の接合が確実に行われるからである。このため、高温の排気ガスに曝されても、接合力低下による部材間の衝突、欠損を防止することができる。ここで、接合部材を流通孔に圧入することによって、接合部材が流通孔を閉塞してしまうことから、ハニカム構造体の圧力損失の観点から見れば悪影響が出るが、逆に接合部材を圧入した流通孔1ケ当たりの接合強度が大きくなることから、ハニカム部材が有する流通孔のうち接合部材を圧入する流通孔の割合は小さくて済む。このためセラミックハニカム構造体としての圧力損失上昇を防ぐことができるのである。セラミックハニカム部材が有する流通孔のうち接合部材を圧入する流通孔の割合は30%以下が好ましい範囲である。この割合が30%を越えるとセラミックハニカム構造体の圧力損失が大きくなり好ましくないからであり、より好ましくは20%以下である。尚、接合部材が圧入された流通孔はセラミックハニカム部材の外周部側に多く配置されると、圧力損失増加への影響が更に小さくなることから好ましい。
ここで、本第3発明に使用する接合部材としては、例えばコージェライト、アルミナ、ムライト、シリカ等の材料の骨材粒子にセラミックファイバー、無機バインダー等を混合したもの、或いは耐熱性を有するセラミックファイバー、セラミックス粒子、セメント等を単独で或いは混合して用いることが好ましく、更に必要に応じて有機バインダー、無機バインダー等を混合しても良いが、これらに限定されるものではない。ここで、この骨材粒子は、セラミックハニカム部材を構成する材料と同材質のものであれば、セラミックハニカム部材と外周壁の熱膨張係数の違いを小さくできることから好ましい。
本第3発明において、前記流通孔に挿入された接合部材の挿入深さは、30mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5mm以上20mm以下である。その理由は、挿入深さが30mmを越えると、高温の排気ガスにより生じる熱衝撃が加わった際に接合材で破損することがあるからであり、20mm以下であるとより破損しにくくなる。挿入深さ0.5mm未満では、接合強度を大きくする効果がそれほど得られず、触媒担体や微粒子捕集用フィルタとして使用された際の収納容器による把持応力に耐えきれず、接合部で破損しやすくなることもあるからである。
以上説明したように、本第1発明乃至第3発明のセラミックハニカム構造体はハニカム部材間の接合が確実に行われているため、高温の排気ガスに曝されても、部材間の接合力を低下させず、部材同士が衝突破損することを防ぐことができ、低圧力損失、かつ優れた排気ガス浄化性能が得られると共に、セラミックハニカム部材の軸方向距離を短く形成させたことにより、部材毎の流入側と流出側の温度差を小さく押さえることができるため、個々のセラミックハニカム部材の熱応力を低減させ、構造体全体として熱衝撃に強い構造が得られる。また、セラミックハニカム部材の軸方向距離を短く形成させたことにより、ハニカム部材製造時に発生する、焼成割れの問題も解消することができる。
【0013】
本発明のセラミックハニカム部材を構成する材料としては、本発明が主に自動車の排気ガス浄化用触媒コンバータ用の担体として或いはディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するためのフィルタとして使用されるため、耐熱性に優れた材料を使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、ムライト、シリカ、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群から選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを主結晶とするセラミックハニカムフィルタは、安価で耐熱性、耐食性に優れ、また低熱膨張であることから最も好ましい。
【0014】
本発明のハニカム構造体においては、前記接合前の複数のハニカム部材は、前記流通孔方向の長さが互いに相異していても良い。
流通孔の長さが互いに相異したハニカム部材を、2つ、3つ、またはそれ以上、適宜に組み合わせることで、所望の長さのハニカム構造体とすることができる。またハニカム部材は、多数の流通孔の所望部位を目封止し、隔壁中の細孔に排気ガスを通過させる所謂フィルター構造のものでも良く、ハニカム部材と流通孔の両端部の所望部位を目封止したハニカムフィルター構造の部材を接合しても良い。この場合、ハニカム部材の流通孔長さより、流通孔の両端部の所望部位を目封止したハニカムフィルター構造の部材の流通孔長さを大きくする方が、排気ガスを通過させる隔壁の面積が増えることから、フィルター能力を大きくすることができ好ましい。
【0015】
また、本発明のハニカム構造体においては、前記外周壁の長径が180mm以上で、長さが180mm以上であることが好ましい。この構成により、設備能力や変形で問題の出やすいディーゼルエンジン用の大型の触媒担体や大型の微粒子除去フィルタに用いることができる。
更に、本発明の第1から第3発明のセラミックハニカム構造体を複数組み合わせた構造のセラミックハニカム構造体の場合は、接合が不完全で把持力や熱衝撃により破損しやすいといった問題、接合部材により圧力損失が上昇するといった問題に対して更に有効になることは言うまでもない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本第1発明に係わる実施の形態の、4種のセラミックハニカム構造体10の例を示し、(a)は、外周壁13aを有し、かつ概略同一長さの2つのハニカム部材11a、11aを外周壁層13bにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図、(b)はその側面図を示す。(c)は外周壁を有さず、外周に流路方向に延びる凹溝を有し、且つ同一長さのセラミックハニカム部材11b、11bを外周壁層13cにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図、(d)はその側面図を示す。(e)は外周壁を有さず、外周に流路方向に延びる凹溝を有するセラミックハニカム部材であって長さの異なる11c、11dを外周壁層13cにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図、(f)はその側面図を示す。(gh)は外周壁を有さず、外周に流路方向に延びる凹溝を有するセラミックハニカム部材であって長さの異なる11e、11f、11gを外周壁層13cにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図を示す。(h)はその側面図を示す。
また、図2は図1(d)(e)(g)の側面図における外周壁層の拡大図で、外周に流路方向に延びる凹溝に外周壁層13cが形成されている様子を示す。
【0017】
図3は、本第2発明に係わる実施の形態の、2種のハニカム構造体20の例を示し、(a)は、外周壁13aを有し、且つ同一長さのセラミックハニカム部材11a、11aの外周壁端部を接合材14aで、また端面の外周部に存在する隔壁端部を接合材14bにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図である。ここで、接合材を介して接合されている端面の外周縁部以外には、ハニカム部材11b、11b間に空隙が形成されている。(b)は(a)の要部断面図である。(c)はセラミックハニカム部材11h及び接合材の厚さを見込んで接合端面の外周縁部の加工がなされたセラミックハニカム部材11iを外周部の接合材14a及び14bにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図である。(d)は(c)の要部断面図である。
【0018】
また、図4は、本第3発明に係わる実施の形態での、3種のハニカム構造体30の例を示し、(a)(c)(e)は、外周壁を有し、且つ同一長さのセラミックハニカム部材11a、11aを流通孔に圧入した接合部材15bにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図である。(b)(d)(f)は(a)(c)(e)の要部断面図である。(c)(d)は、流通孔に圧入した接合部材がハニカム部材11a、11bの隔壁2の端面間にも存在するセラミックハニカム構造体30を示し、(e)(f)は、接合部材がハニカム部材端面の外周部に多く配置されたセラミックハニカム構造体30を示す。
【0019】
さらに、図5は本第1乃至3発明に係わるセラミックハニカム構造体の実施の形態で、(a)は、外周壁13aを有し、概略同一長さの2つのハニカム部材11a、11a端面の外周部の流通孔に圧入した接合部材15b及び外周壁層13bにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図である。(b)はその要部断面図である。(c)は、外周に流路方向に延びる凹溝を有するセラミックハニカム部材11b及び、外周に流路方向に延びる凹溝を有し、かつ流通孔両端の所望部位を目封止したセラミックハニカム部材12aの端面外周部の流通孔に圧入した接合部材14b及び外周壁層13cにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図である。(d)はその要部断面図である。(e)は、外周に流路方向に延びる凹溝を有するセラミックハニカム部材11j及び、外周に流路方向に延びる凹溝を有し、流通孔両端の所望部位が目封止され、かつ外周近傍の流通孔の両端部が目封止されたセラミックハニカム部材12bの端面の外周部流通孔に圧入した接合部材14b及び外周壁層13cにより接合一体化したセラミックハニカム構造体の一部断面を示す正面図である。(f)はその要部断面図である。
【0020】
次に、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法について説明する。
本第1発明のセラミックハニカム構造体の製造方法は、セラミック坏土を押出して、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する成形体を複数成形し、前記複数の成形体を乾燥した後、必要に応じて端面を加工した上で、流通孔方向に端面同士を対向させて配置し、外周にセラミックススラリー、好ましくはセラミックハニカム構造体と同材質のセラミックスを少なくとも含むセラミックスラリーを塗布、焼成することにより、外周壁を一体に形成し、複数のセラミックハニカム部材を外周壁で接合されたセラミックハニカム構造体が得られる。或いは、前記複数の成形体を乾燥、焼成して複数のハニカム部材とし、必要に応じて端面を加工した上で、前記複数のハニカム部材の端面を流通孔が連通するよう対向させ、外周に耐熱性のセラミックスコーティング材料、好ましくはセラミックハニカム構造体と同材質のセラミックスを少なくとも含むセラミック骨材と無機バインダーからなるセラミックコーティング材を塗布、硬化せしめることにより、外周壁層を形成させ、複数のセラミックハニカム部材が外周壁で接合されたセラミックハニカム構造体が得られる。
【0021】
いずれの場合も、セラミックスラリー、或いはセラミックコーティング材を塗布する前のセラミックハニカム部材が、外周部の外側に位置する流通孔が外部との間に隔壁を有しないことによって、軸方向に伸びる凹溝を形成していると、凹溝内にセラミックスラリー或いはセラミックコーティング材が充填され、所謂アンカー効果が得られるため、より強固に接合することが可能となり、触媒担体や微粒子捕集用フィルタとして使用された際の収納容器による把持応力に耐え、且つ高温の排気ガスにより生じる熱衝撃に対しても強い構造とすることができる。ここで外周部の外側に位置する流通孔が外部との間に隔壁を有しないことによって、軸方向に伸びる凹溝を形成しているハニカム構造体を製造するには、成形工程で外周壁を有しないハニカム成形体を成形する方法、通常の押出成形法で得られる外周壁を一体的に有するセラミックハニカム成形体の外周部を加工により除去した後、焼成する方法、或いは、通常の押出成形法で得られる外周壁を一体的に有するセラミックハニカム部材の外周部を加工により除去する方法などを採用することができる。
【0022】
本第2発明のセラミックハニカム構造体の製造方法は、セラミック坏土を押出して、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する成形体を複数成形し、前記複数の成形体を乾燥した後、必要に応じて端面を加工した上で、流通孔方向に端面を対向させ、この対向する端面の外周縁部の隔壁端面或いは外周壁端面の一部或いは全体に好ましくはセラミックハニカム構造体と同材質のセラミックスラリーを塗布、複数の乾燥体を一体化させた後、焼成することにより、複数のセラミックハニカム部材が外周縁部において接合材を介して接合されたセラミックハニカム構造体が得られる。或いは、前記複数の成形体を乾燥、焼成して複数のハニカム部材とし、必要に応じて端面を加工した上で、前記複数のハニカム部材の端面を流通孔方向に対向させ、この対向する端面の外周縁部の隔壁端面或いは外周壁端面の一部或いは全体に好ましくはセラミック骨材と無機バインダーからなるセラミックコーティング材を塗布、硬化せしめることにより、複数のセラミックハニカム部材が外周縁部において接合材を介して接合されたセラミックハニカム構造体が得られる。このように、接合材を介してセラミックハニカム部材が外周部において接合されていることから、部材間の接合が確実に行われ、高温の排気ガスに曝されても、部材間の接合力を低下させず、自動車に搭載した際の機械的振動等により部材同士が衝突、欠損することを防ぐことができる。
【0023】
本第3発明のセラミックハニカム構造体の製造方法は、セラミック坏土を押出して、隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する成形体を複数成形し、前記複数の成形体を乾燥した後、必要に応じて端面を加工した上で、流通孔方向端面を対向させ、この対向する端面に存在する流通孔のうち20%以下の流通孔に対してそれぞれ好ましくはセラミックハニカム構造体と同材質のセラミックスラリー或いはペーストを圧入、複数の乾燥体を接合一体化させた後、焼成することにより、複数のセラミックハニカム部材が流通孔に挿入された接合部材を介して接合されたセラミックハニカム構造体が得られる。或いは、前記複数の成形体を乾燥、焼成して複数のハニカム部材とし、必要に応じて端面を加工した上で、前記複数のハニカム部材の端面を流通孔方向に対向させ、この対向する端面に存在する流通孔のうち20%以下の流通孔に対して好ましくはセラミック骨材と無機バインダーからなるセラミックスラリー或いはペーストを圧入、硬化せしめることにより、複数のセラミックハニカム部材が流通孔に圧入された接合部材を介して接合されたセラミックハニカム構造体が得られる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を一例で順次説明する。
(実施例1)
先ず、コージェライトセラミックスが焼成により生成されるように、コージェライト化原料粉末であるカオリン、タルク、シリカ、アルミナ及び他のコージェライト化原料粉末に成形助剤及び造孔材を加えて調合し、混合、混練によって押出成形が可能となるようなセラミックス坏土を作製し、このセラミックス坏土を公知の口金を使用することにより、押出成形してセラミックハニカム成形体を作成する。ここで成形助剤としては、メチルセルロース、ヒドオキシプロピルメチルセルロースの有機バインダーを、造孔材としては、グラファイトを使用した。また、成形工程で使用する口金は乾燥、焼成での成形体の寸法変化を勘案し、焼成後に隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mmのハニカム構造体が得られるような寸法を選択した。押出されたセラミックハニカム成形体を所定の長さに切断した後、セラミックハニカム成形体をマイクロ波乾燥炉を使用して乾燥を行い、次いでガス炉を使用して約1400℃の温度で焼成を行って、焼成後の寸法が外径280mm、長さ160mm、隔壁のピッチ1.5mm、隔壁厚0.3mmのセラミックハニカム焼成体を製造した。
次に、セラミックハニカム焼成体の周縁部を加工により除去し、外周部の外側に位置する流通孔が外部との間に隔壁を有せず、軸方向に伸びる凹溝を外周部に形成しており、外径263.7mm、長さ152.4mmのセラミックハニカム部材を製造した。このようにして製造した2ケのセラミックハニカム部材を流通孔が両者の間で連通するように固定し、部材の外周面に1.5mmの厚さで、コージェライト骨材とバインダーからなるコーティング材料を塗布、硬化させ、両者共通の外周壁を形成し、二つのセラミックハニカム部材が一体で形成された外周壁で接合、一体化された、外径266.7mm、長さ304.8mmのセラミックハニカム構造体を作成した。得られたセラミックハニカム構造体の接合構造は図1(c)(d)に示す構造に概略相当する。
尚、コーティング材料に使用したコージェライト骨材には、平均粒径10μmのコージェライト粒子を使用し、無機バインダーには、コロイダルシリカを使用し、コージェライト粒子100質量部に対して、コロイダルシリカを7質量部の割合に調整した。これにメチルセルロース、水を加え、ペースト状のコーティング材料として使用した。
【0025】
得られたセラミックハニカム構造体に対して、耐熱衝撃温度と圧力損失の測定を行った。
耐熱衝撃性の評価試験は、一定温度(室温+500℃)に加熱された電気炉中にセラミックハニカム構造体を挿入して30分間保持し、その後室温に急冷し、目視観察でクラックが発見された温度差(加熱温度−室温)を耐熱衝撃温度とした。また、目視による判定でクラックが発見されない場合は、電気炉の温度25℃温度を上昇させ同様の試験を行い、クラックが発生するまで繰り返した。熱衝撃温度が650℃以上であったものを(◎)、600℃以上であったものを(○)、600℃未満であったものを(×)として評価した。
また圧力損失は、圧力損失試験装置(図示せず)で、空気流量15Nm /minとしたときの、流入側と流出側の差圧を測定し、差圧が100mmAq未満を(◎)、100〜120mmAqを(○)、120mmAqを超えるものを(×)として評価した。
【0026】
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mm、外径266.7mm、長さ152.0mm、外周壁の厚さ0.5mmのコージェライト質セラミックハニカム部材を2ヶ準備した。この2ヶのセラミックハニカム部材の1ケの一方の端面の外周から8mmの範囲の外周縁部にアルミナ粒子、及び無機バインダー、有機バインダ−からなるアルミナ系接着材を塗布し、もう1ヶのセラミックハニカム部材の端面を、両者の流通孔が連通するように配置しアルミナ系接着材にセラミックハニカム部材で圧力を加えた後、接着材を硬化、一体化させることにより、2ケのセラミックハニカム部材が外周縁部において厚さ0.4mmの接合部材を介して接合され、且つ、アルミナ系接着材が流通孔に圧入されて接合された、外径266.7mm、長さ304.8mmのセラミックハニカム構造体を作成した。ここで接着材の圧入深さは1.5mmであった。得られたセラミックハニカム構造体の接合構造は図5(a)(b)に示す構造に概略相当する。
得られたセラミックハニカム構造体に対して、実施例1と同様に耐熱衝撃温度、及び圧力損失を測定した。
【0027】
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、外周部の外側に位置する流通孔が外部との間に隔壁を有せず、軸方向に伸びる凹溝を外周部に形成しており、外径263.7mm、長さ152.0mm、隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mmのコージェライト質セラミックハニカム部材2ヶを製造した。この2ケのセラミックハニカム部材の1ケの一方の端面の外周からセラミックハニカム部材の中心部に向かって6mmの範囲の外周縁部に、実施例2と同様に、アルミナ粒子、及び無機バインダー、有機バインダ−からなるアルミナ系接着材を塗布した。これと、もう1ヶのセラミックハニカム部材の端面を、両者の流通孔が連通するように配置しアルミナ系接着材にセラミックハニカム部材で圧力を加えた後、接着材を硬化、一体化させることにより、2ケのセラミックハニカム部材が外周縁部において厚さ0.4mmの接合部材を介して接合され、且つ、アルミナ系接着材が流通孔に圧入されて接合された、外径263.7mm、長さ304.8mmのセラミックハニカム構造体を作成した。更に、このセラミックハニカム構造体外周面の凹部に1.5mmの厚さで、シリカ骨材と無機バインダーからなるコーティング材料を塗布、硬化させ、外周壁を形成し、二つのセラミックハニカム部材が外周壁を介しても接合、一体化された、外径266.7mm、長さ304.8mmのセラミックハニカム構造体を作成した。
尚、コーティング材料に使用したシリカ骨材には、平均粒径15μmのシリカ粒子を使用し、無機バインダーには、コロイダルシリカを使用し、コージェライト粒子100質量部に対して、コロイダルシリカを7質量部の割合に調整した。これにメチルセルロース、水を加え、ペースト状のコーティング材料として使用した。
得られたセラミックハニカム構造体に対して、実施例1と同様に耐熱衝撃温度、及び圧力損失を測定した。
【0028】
(比較例1)
従来技術のセル壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のハニカム部材を、同材質の接合部材により、流通孔の流路方向と平行な接合面で一部を接合すした例を以下に示す。
実施例1と同様に、コージェライトセラミックスが焼成により生成されるように、コージェライト化原料粉末であるカオリン、タルク、シリカ、アルミナ及び他のコージェライト化原料粉末に成形助剤及び造孔材を加えて調合し、混合、混練によって押出成形が可能となるようなセラミックス坏土を作製し、このセラミックス坏土を公知の口金を使用することにより、押出成形してセラミックハニカム成形体を作成する。ここで成形助剤としては、メチルセルロース、ヒドオキシプロピルメチルセルロースの有機バインダーを、造孔材としては、小麦粉を使用した。また、成形工程で使用する口金は乾燥、焼成での成形体の寸法変化を勘案し、焼成後に隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mmのハニカム構造体が得られるような寸法を選択した。押出されたセラミックハニカム成形体を流通孔に沿って4つのセグメント21に分割切断し、次いでこの4つのセグメントの流通孔の流路方向に実質的に平行な面に、前記セラミックス杯土と同じ組成の接合部材を配置し、各々のセグメントを図6に示すように厚さ5mmの接合層22を介して接合させることにより、一体に組み立てた後、乾燥させた。その後1400℃で焼成することにより、外径266.7mm、長さ304.mm、隔壁のピッチ1.5mm、隔壁厚0.3mmのセラミックハニカム構造体を作成した。
【0029】
(比較例2)
従来技術の、所定の開孔セルを備え、所定厚みのハニカム状セラミック部材を複数、開孔セルの軸方向が連通するように、積層して所定厚みのハニカム状セラミック部材を複数配設して成るハニカム状セラミック構造体であって、外筒金属内に嵌装する機械的アッセンブリ法でセラミック部材を接合した例を以下に示す。実施例1と同様の方法により、隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mm、外径264.7mm、長さ152.4mmのセラミックハニカム部材を2ヶ準備した。この2ヶのセラミックハニカム部材の外側に外径266.7mm、内径264.7mm、長さ、300.8mmのステンレス製円筒を焼きばめにより嵌装させ、隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mm、外径266.7mm、長さ300.8mmのセラミックハニカム構造体を作成した。
【0030】
(比較例3)
従来技術の、所定の開孔セルを備え、所定厚みのハニカム状セラミック部材を複数、開孔セルの軸方向が連通するように、積層して所定厚みのハニカム状セラミック部材を複数配設して成るハニカム状セラミック構造体であって、複数のセラミックハニカム状部材をホットプレス方による溶着で一体化させた例を以下に示す。
実施例1と同様の方法により、隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mm、外径266.7mm、長さ152.4mmのセラミックハニカム部材を2ヶ準備した。この2ヶのセラミックハニカム部材のホットプレス装置に、ハニカム部材の端面が対向するように配置し、1400℃の条件で加熱しつつ、加圧を加え、上記2ケのハニカム部材が一体化された、隔壁厚0.3mm、隔壁のピッチ1.5mm、外径266.7mm、長さ300.8mmのセラミックハニカム構造体を作成した。
上記比較例のセラミックハニカム構造体に対しても、実施例1と同様に耐熱衝撃温度、及び圧力損失を測定した。
表1に、実施例、従来例および比較例の評価結果を示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004075522
【0032】
表1から、本実施例のセラミックハニカム構造体によれば、ハニカム構造体が複数のセラミックハニカム部材を流通孔方向接合した構造であり、且つ部材間の接合が確実に行われていることから、優れた耐熱衝撃性、及び低圧力損失特性の得られることが確認された。一方、比較例1のハニカム構造体は、複数のハニカム部材が、流通孔に平行な面で接合層を介して接合されていることから、接合層が圧力損失に影響を及ぼし、圧力損失の判定は(×)であった。また、比較例2のハニカム構造体は、耐熱衝撃温度測定の加熱の際に、ステンレス製円筒の嵌装がはずれ、ハニカム構造体としての耐熱衝撃温度の測定はできなかった。このことは、セラミックハニカム構造体が排気ガスの高温に曝された際には、嵌装力が低下し、ハニカム部材が、相対的に動き、自動車に搭載した際の機械的振動等によりモジュール同士が衝突、欠損することを意味する。また比較例3のハニカム構造体は、溶融させることが困難なハニカム部材を溶着で接合していることから、熱衝撃試験で溶着界面に亀裂が発生し、熱衝撃温度の判定が(×)であった。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるセラミックハニカム構造体は、複数の軸方向距離の短いセラミックハニカム部材を流通孔方向に接合したハニカム構造体のハニカム部材同士の接合が確実に行われていることから、高温の排気ガスに曝されても、自動車に搭載した際の機械的振動等により部材同士が衝突、欠損することを防ぐと共に、低圧力損失、かつ優れた排気ガス浄化性能を有するセラミックハニカム構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第1発明のセラミックハニカム構造体の一実施形態を模式的に示した図である。(a)、(c)、(e)、(g)は、一部断面を示した正面図、(b)、(d)、(f)、(h)は、(a)、(c)、(e)、(g)の各々側面図を示す。
【図2】本第1発明のセラミックハニカム構造体の一実施形態を模式的に示した図であり、外周壁層の要部拡大図である。
【図3】本第2発明のセラミックハニカム構造体の一実施形態を模式的に示した図である。(a)、(c)は一部断面を示した正面図、(b)、(d)は、(a)、(c)の各々接合部材拡大図を示す。
【図4】本第3発明のセラミックハニカム構造体の一実施形態を模式的に示した図である。(a)、(c)、(e)は、一部断面を示した正面図、(b)、(d)、(f)は、(a)、(c)、(e)の各々接合部材拡大図を示す。
【図5】本第1発明乃至第3発明のセラミックハニカム構造体の一実施形態を模式的に示した図である。(a)、(c)、(e)は、一部断面を示した正面図、(b)、(d)、(f)は、(a)、(c)、(e)の各々接合部材拡大図を示す。
【図6】本発明の比較例のセラミックハニカム構造体の一実施形態を模式的に示した図である。(a)は正面図、(b)は側面図を示す。
【符号の説明】
2:隔壁
3:流通孔
4:凹溝
10、30、40、50:セラミックハニカム構造体
60:比較例のセラミックハニカム構造体
11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i:セラミックハニカム部材
12a、12b:所望部位を目封止したセラミックハニカムモジュール
13a:外周壁
13b、13c:外周壁層
14a、14b:接合部材
15a、15b:接合部材
21:セグメント
22:接合層

Claims (3)

  1. 隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一体に形成された外周壁で接合されていることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
  2. 隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも前記セラミックハニカム部材の端面の外周部において接合材を介して接合されていることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
  3. 隔壁により仕切られた多数の流通孔を有する複数のセラミックハニカム部材が、前記流通孔方向に少なくとも一部の流通孔に圧入された接合部材を介して接合されていることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
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