JP5180895B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪を車体に懸架するサスペンションを制御するサスペンション制御装置に関する。
従来から、車両の旋回性等を向上させることを目的として、後輪のトー角を制御するRTC(Rear Toe Control:後輪のトー角の駆動制御)装置等の四輪操舵装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示されているRTC装置では、操向ハンドルの操舵角、前輪の転舵角、車両の横加速度及び車両のヨーレート等の状態量から旋回状態を判断し、旋回状態が大きいほど後輪のトー角の変化速度を小さく設定するように制御し、トー角変更中の車両の走行安定性を向上させるようにしている。
また、特許文献2には、所定車速以上で、ハンドル操舵角に対する前輪の実舵角が車速が高くなるほど小さくなるように前輪の舵角を制御することで、車両操縦性の即応性を向上させた車両の操舵制御方法が提案されている。
特開2008−201173号公報 特開昭60−161254号公報
ハンドル操舵角に対する車両操縦性の即応性を向上させるためには、車両にかかる横G(横加速度)及びヨーレートがハンドル操舵角に対して線形になる(比例する)ように制御することが好ましい。
ところで、実走行時においては、車両の旋回時には車両がロールし、車両のロール量に応じてサスペンションが移動し車輪に力が加わりトー角が変化する、いわゆるロールステアが発生する。
また、実走行時においては、路面の凹凸等により車両のサスペンションが上下動する場合にも、サスペンションのストローク量に応じてトー角が変化する、いわゆるストロークステアが発生する。
このロールステアやストロークステアが発生している走行状態においても、ハンドル操舵角に対する車両操縦性の即応性を向上させるため、車両にかかる横G及びヨーレートがハンドル操舵角に対して線形になるように制御することが好ましい。
この場合、ロール量の単位時間あたりの変化量であるロール速度や、ストローク量の単位時間当たりの変化量であるストローク速度が低い場合には、上述した特許文献1に係る後輪トー角制御(RTC装置による制御)、あるいは特許文献2に係る前輪舵角制御により、車両にかかる横G及びヨーレートがハンドル操舵角に対して線形になるように制御することができる。
しかしながら、急旋回時や、段差乗り越え等による路面からの突き上げ等により、ロール速度、ストローク速度が高い場合には、上記した後輪トー角制御や前輪舵角制御の制御応答が追いつかず(制御応答が遅れ)、車両にかかる横G及びヨーレートがハンドル操舵角に対して線形になるように制御することができなくなるという課題がある。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、急旋回時や、路面からの突き上げ等により、ロール速度、ストローク速度が高い場合においても、ハンドル操舵角に対して車両にかかる横G及びヨーレートが線形になるように制御することを可能とするサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係るサスペンション制御装置においては、車両の姿勢変化の抑制制御を行うサスペンションを制御するサスペンション制御手段と、前記車両の車輪の舵角を変更する舵角変更手段と、前記車両の走行時に生じる前記車輪の舵角変化の速度が予め設定された前記舵角変更手段による該車輪の舵角変更速度よりも大きいか否かを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段にて前記舵角変化の速度が前記舵角変更速度よりも大きいと判定された場合に、前記サスペンション制御手段は、前記サスペンションによる前記車両の姿勢変化の抑制制御を強めることにより上述した課題を解決する。
本発明のサスペンション制御装置によれば、段差乗り越えにより大きなストロークステアが発生した場合や急旋回により大きなロールステアが発生した場合に、サスペンションによる車両の姿勢変化の抑制制御(姿勢制御)を強めるようにしているので、ストロークステアやロールステアを姿勢制御により低減させることができる。このため、舵角変更手段が負担する舵角補正量を軽減することができる。これにより、急激なストロークステアやロールステアが車両に発生したとしても、ハンドル操舵角に対する横G及びヨーレートの変化の線形性を確保することができ、ハンドル操舵角に対する車両操縦性の即応性を損なうことがない。その結果、運転者に違和感を与えることを防止できる。
本発明のサスペンション制御装置の一形態において、前記サスペンションは、前記車両の姿勢変化の抑制制御を減衰力の調整により行う減衰力可変ダンパを有し、前記減衰力可変ダンパのストローク量を検出するストローク検出手段と、前記ストローク検出手段にて検出されたストローク量に基づいて前記舵角変化の速度を算出する速度算出手段と、を備え、前記判定手段は、前記速度算出手段にて算出された前記舵角変化の速度が所定値以上であるか否かを判定し、前記速度算出手段にて算出された前記舵角変化の速度が所定値以上であると判定された場合に、前記サスペンション制御手段は、前記減衰力可変ダンパによる減衰力を増加し、前記速度算出手段にて算出された前記舵角変化の速度が所定値未満であると判定された場合に、前記舵角変更手段は、前記車輪の舵角を変更してもよい。
この形態によれば、舵角変更手段、例えば、後輪のトー角を制御するRTC(Rear Toe Control)装置や前輪の舵角を制御するAFS(Active Front Steer)装置によりストロークステア分の舵角変化を補正しきれない場合に、減衰力可変ダンパによりストローク量の変化を抑制してストロークステアを低減するようにしている。このため、ハンドル舵角に対する横G及びヨーレートの線形性を確保することができ、ハンドル操舵角に対する車両操縦性の即応性を損なうことがない。その結果、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
この発明によれば、急旋回時や、路面からの突き上げ等により、ロール速度やストローク速度が高い場合においても、サスペンションによる姿勢変化の抑制制御を強めることで、車両にかかる横G及びヨーレートがハンドル操舵角に対して線形になるように制御することができる。
よって、ハンドル操舵角に対する車両操縦性の即応性を損なうことがなく、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
本発明に係る実施形態例の車両の要部を示す図である。 サスペンション及び舵角変更機構の制御ブロック図である。 後輪側アクチュエータの拡大断面図である。 ECUの制御を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態例について図1〜図4を参照しながら説明する。図1に示すように、車両(四輪自動車)10には、駆動輪である一対の前輪12L、12Rと、非駆動輪である一対の後輪14L、14Rと、一対の前輪12L、12Rを操舵するためのステアリング部16と、一対の前輪12L、12Rのそれぞれに設けられた前輪側アーム部18L、18Rと、一対の後輪14L、14Rのそれぞれに設けられた後輪側アーム部20L、20Rと、前輪側アーム部18L、18Rと車体22とに接続する前輪側サスペンション24L、24Rと、後輪側アーム部20L、20Rと車体22とに接続する後輪側サスペンション26L、26Rと、後輪側アーム部20L、20Rに設けられた後輪舵角変更機構28L、28Rと、エンジンコントロールユニット(ECU)30とが設けられている。なお、以下の説明では、左右の区別をしない場合には、添付符号「L」及び「R」を省略する。
前輪12及び後輪14(以下、単に車輪と記すことがある。)は、舵角α、θが変更できるように構成されている。
ステアリング部16は、前輪12の舵角αを変更する前輪舵角変更機構32を有している。前輪舵角変更機構32は、前輪側アクチュエータ34と不図示の歯車機構を有しており、前輪側アクチュエータ34の作用で前輪12の舵角αを変更する。また、前輪舵角変更機構32は、前輪側アクチュエータ34の性能や前記歯車機構の構成によって前輪12の舵角αを変更する変更速度(単位時間当たりに変更できる舵角α)が所定範囲に定められており、その所定範囲内の変更速度で舵角αを変更する。
アーム部18、20は、車輪12、14に設けられたナックル36(図2参照)に接続された状態で車幅方向に延びている。
図2に示すように、後輪舵角変更機構28は、後輪14の舵角θを変更するためのものであって、後輪側アーム部20を車幅方向に移動させる後輪側アクチュエータ38を有している。図3に示すように、後輪側アクチュエータ38は、縦長形状のケース本体40と、送りねじ機構42と、ケース本体40に収容された減速機構44及び電動機46とを備えている。ケース本体40は、ボールジョイント48を介して不図示のクロスメンバに接続している。送りねじ機構42には、ケース本体40の長手方向に延びて円筒状に形成されたロッド部50と、ロッド部50内に設けられたボールねじ部52と、ロッド部50の内面に固定された状態でボールねじ部52と噛み合うナット部54とを備えている。ロッド部50は、その先端がケース本体40から突出した状態でケース本体40に収容されており、ケース本体40に対して長手方向に移動可能とされている。また、ロッド部50の先端は、金属製のボールジョイント56を介してアーム部20に接続されている。ボールねじ部52は、減速機構44を介して電動機46に接続されている。減速機構44は、例えば不図示のプラネタリギア等が組み合わされて構成されている。電動機46は、正逆両方向に回転可能に構成されている。また、後輪舵角変更機構28は、電動機46の性能や減速機構44及び送りねじ機構42の構成によって後輪14の舵角θを変更する変更速度(単位時間当たりに変更できる舵角θ)が所定範囲に定められており、その所定範囲内の変更速度で舵角θを変更する。
次に、図2を参照して後輪側サスペンション26について説明する。なお、前輪側サスペンション24は、後輪側サスペンション26と同一構成をしているのでその構成及び動作の説明を省略する。
後輪側サスペンション26は、車両10の姿勢制御を行うためのものであって、ダンパ58と、弾性部材60と、ダンパストロークセンサ62とを有する。ダンパ58は、MRF(Magneto−Rheological Fluid:磁性流体)を作動流体とする減衰力可変ダンパとして形成されており、磁性流体が充填されたシリンダ64と、シリンダ64に摺動可能に収容されたピストン66と、ピストン66の一端面に接続されたピストンロッド68と、車体22に接続された状態でピストン66の摺動方向にシリンダ64を移動可能に支持する支持部70とを有している。これにより、シリンダ64は、ピストン66の一端面とシリンダ64の内面とから形成される第1室72と、ピストン66の他端面とシリンダ64の内面とから形成される第2室74とに区画される。シリンダ64の一端部はアーム部20に接続されており、シリンダ64の他端部は支持部70内に位置している。ピストン66には、第1室72と第2室74とを連通する連通孔76が形成されるとともに、連通孔76を流通する磁性流体に磁界を生じさせる電磁石78が設けられている。つまり、ピストン66は、MLV(Magnetizable Liquid Valve:磁気流体バルブ)として機能する。弾性部材60は、ダンパ58の周囲に取り付けられてシリンダ64を支持部70側に付勢する。弾性部材60としては、圧縮コイルばね等が用いられる。ダンパストロークセンサ62は、後輪14の上下動に伴うシリンダ64の変位量(ストローク量Y)に対応した信号を出力する。ダンパストロークセンサ62の一端部は車体22に接続されており、ダンパストロークセンサ62の他端部はアーム部20に接続されている。
図2に示すように、ECU30は、前輪側アクチュエータ34を制御するとともに、上述した電磁石78及び電動機(図3参照)46に電流を供給する。また、ECU30は、前輪舵角制御部80と、後輪舵角制御部82と、記憶部84と、ステア速度算出部86と、ステア速度判定部88と、ダンパ制御信号算出部90と、ダンパ制御部92とを有する。前輪舵角制御部80は、前輪側アクチュエータ34を制御する。後輪舵角制御部82は、電動機46の回転方向を制御するとともに、電動機46に導かれる電流を制御する。記憶部84には、ステア量算出用マップデータと、判定用データとが記憶されている。ステア量算出用マップデータとしては、ダンパストローク量Yとステア量Rとの関係を予め記述したマップデータが利用される。なお、このマップデータは、アーム部18、20やサスペンション24、26等の構成に基づいて作成される。ステア量Rには、ロールステア量及びストロークステア量が含まれる。判定用データとしては、左側前輪12Lの舵角αの最大変更速度A、右側前輪12Rの舵角αの最大変更速度A、左側後輪14Lの舵角θの最大変更速度B及び右側後輪14Rの舵角θの最大変更速度Bが利用される。ステア速度算出部86は、ダンパストロークセンサ62から出力された信号を参照して取得されるダンパストローク量Yに基づいてステア速度dRを算出する。ステア速度dRは、ダンパストローク量Yとステア量算出用マップデータとから求められるステア量Rを微分することで算出することができる。ステア速度判定部88は、ステア速度dRが所定の判定値よりも大きいか否かを判定する。所定の判定値としては、記憶部84に記憶されている判定用データが用いられる。ダンパ制御信号算出部90は、ステア量Rに基づいてダンパ制御信号Pを算出する。ダンパ制御部92は、ダンパ制御信号Pに基づいて電磁石78に導かれる電流を制御する。
次に、図3を参照しながら後輪側アクチュエータ38の基本動作について説明する。例えば、電動機46が正方向に回転すると、電動機46の回転力が減速機構44によって増幅された状態でボールねじ部52に伝達されてボールねじ部52が回転する。ボールねじ部52が回転すると、ボールねじ部52に噛み合っているナット部54がロッド部50と一体にロッド部50がケース本体40内に入り込む方向(後輪14から離れる方向)に移動するとともに、ボールジョイント56、アーム部20及びナックル36を介してロッド部50に接続されている後輪14が車幅方向内側に移動する(図2参照)。一方、電動機46を逆方向に回転させると、上述した動作説明と同様にして、後輪14が車幅方向外側に移動する。これにより、後輪14の舵角θが変更される。
また、図2を参照しながら、ダンパ58の基本動作について説明する。例えば、後輪14が段差乗り越えをした場合、後輪14に生じた衝撃がサスペンション26に伝達され、弾性部材60にてその衝撃が緩衝されるとともにダンパ58にて弾性部材60の振動(ばね下振動)が減衰される。ばね下振動は、磁性流体が連通孔76を流通する際に生じる抵抗を利用して減衰されるが、この具体的な原理は周知であるので敢えてここでは説明しない。ECU30が電磁石78に電流を供給すると、連通孔76を流通する磁性流体に磁界が生じるので、磁界を受けた磁性流体の粘性が上昇する。これにより、減衰力を変化させることができる。
次に、図4のフローチャートを参照しながらECU30の制御について説明する。なお、以下の説明において、左側前輪12Lに対応するデータには「fl」を、右側前輪12Rに対応するデータには「fr」を、左側後輪14Lに対応するデータには「rl」を、右側後輪14Rに対応するデータには「rr」をそれぞれ添付して説明することがある。また、ECU30は以下に説明する制御ルーチンを所定の周期で実行する。
先ず、ECU30は、ダンパストロークセンサ62から出力された信号を参照してダンパストローク量Yfl、Yfr、Yrl、Yrrを取得する(ステップS1)。
続いて、ステア速度算出部86は、ステップS1で取得したダンパストローク量Yfl、Yfr、Yrl、Yrrに基づいてステア速度dRfl、dRfr、dRrl、dRrrを算出する(ステップS2)。ステア速度dRは、ステップS1で取得したダンパストローク量Yとステア量算出用マップデータとから求めたステア量Rを微分することにより算出される。
また、ステア速度判定部88は、ステップS2にて算出されたステア速度dRが所定の判定値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。詳しくは、ステア速度判定部88は、不等式(dRfl≧A、dRfr≧A、dRrl≧B、dRrr≧B)が成立するか否かを個別判定する。言い換えれば、ステア速度判定部88は、車輪12、14に生じたステア量Rが舵角変更機構28、32で補正できるか否かを判定している。具体的には、例えば、車両10の急旋回や路面からの突き上げ等により左側前輪12Lの舵角αが大きく変化した場合(左側前輪12Lに比較的大きなロールステアやストロークステアが生じた場合)、左側前輪12Lのステア速度dRflが前輪舵角変更機構32による左側前輪12Lの舵角変更速度A以上となる(dRfl≧A)ので、ステア速度判定部88は、前輪舵角変更機構32により左側前輪12Lの舵角αを変更しても補正しきれないと判定する。一方、例えば、左側前輪12Lの舵角αの変化が小さい場合(左側前輪12Lにロールステアやストロークステアが殆ど生じていない場合)、左側前輪12Lのステア速度dRflが前輪舵角変更機構32による左側前輪12Lの舵角変更速度Aよりも小さくなるので、ステア速度判定部88は、前輪舵角変更機構32だけで左側前輪12Lの舵角αを充分に補正できると判定する。ECU30は、ステア速度dRが所定の判定値以上であると判定された時にステップS4に進み、ステア速度dRが所定の判定値よりも小さいと判定された時にステップS6に進む。以下の説明では、便宜上、前輪12に対応するステア速度dRが所定の判定値以上であり(dRfl≧A、dRfr≧A)、かつ後輪14に対応するステア速度dRが所定の判定値よりも小さい(dRrl<B、dRrr<B)場合の例について示す。
次に、ダンパ制御信号算出部90は、比例定数kにステア量Rを乗算することによりダンパ制御信号Pを算出する(ステップS4)。今回の制御例では、ダンパ制御信号算出部90は、前輪12側のダンパ58を制御するために必要な信号を算出する(Pfl=k×Rfl、Pfr=k×Rfr)。ステア量Rは、ステップS2で利用した値を使えばよい。
続いて、ダンパ制御部92は、ステップS4で算出されたダンパ制御信号Pに基づいて電磁石78に導かれる電流を制御する(ステップS5)。今回の制御例では、ダンパ制御部92は、ダンパ制御信号Pflに基づいて左側前輪12Lに対応する電磁石78に導かれる電流を制御し(磁性流体の粘性を高め)、ダンパ制御信号Pfrに基づいて右側前輪12Rに対応する電磁石78に導かれる電流を制御する(磁性流体の粘性を高める)。ステップS5の処理が終了後、ECU30は今回の制御ルーチンを終了する。
一方、舵角制御部80、82は、ステップS3で判定されたステア速度dRに対応する車輪12、14の舵角α、θを制御する(ステップS6)。今回の制御例では、後輪舵角制御部82は、後輪14の舵角θを制御する。ステップS6の処理が終了後、ECU30は今回の制御ルーチンを終了する。なお、今回の制御ルーチンでは、前輪12のステア速度dRが所定の判定値以上であり、かつ後輪14のステア速度dRが所定の判定値よりも小さい例について説明したが、各車輪12、14のステア速度dRは車両10の走行状態によって異なるので本形態のECU30の制御がこの例に限定されないのは勿論である。
以上の構成の実施形態においては、段差乗り越えにより大きなストロークステアが発生した場合や急旋回により大きなロールステアが発生した場合に、ステア量Rが大きい車輪12、14に対応するダンパ58の電磁石78に導かれる電流を制御している。これにより、連通孔76を流通する磁性流体の粘性を変化させることができるので、車両10の姿勢変化の抑制制御(姿勢制御)を強めることができる。よって、ストロークステアやロールステアを姿勢制御により低減させることができる。このため、舵角変更機構28、32が負担する舵角補正量を軽減することができる。これにより、急激なストロークステアやロールステアが車両10に発生したとしても、ハンドル操舵角に対する横G及びヨーレートの変化の線形性を確保することができ、ハンドル操舵角に対する車両操縦性の即応性を損なうことがない。その結果、運転者に違和感を与えることを防止できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。ECUの制御において、ダンパ制御が必要な車輪の判定(本実施形態のステップS3の処理)は、ステア速度を利用する例に限らない。例えば、ダンパストローク速度を利用してダンパ制御が必要な車輪を判定してもよい。ダンパストローク速度は、ダンパストロークセンサで検出されたダンパストローク量を微分すればよい。また、この場合、ダンパストローク速度が所定の判定値以上にあるか否かを判定すればよい。この時の所定の判定値としては、各車輪の舵角の変更速度に対応するダンパストローク速度を用いればよい。
10…車両 12L、12R…前輪
14L、14R…後輪 24L、24R…前輪側サスペンション
26L、26R…後輪側サスペンション 28L、28R…後輪舵角変更機構
30…ECU 32…前輪舵角変更機構
58…ダンパ(減衰力可変ダンパ)
62…ダンパストロークセンサ(ストローク検出手段)
80…前輪舵角制御部 82…後輪舵角制御部
86…ステア速度算出部(速度算出手段) 88…ステア速度判定部(判定手段)
92…ダンパ制御部(サスペンション制御手段)

Claims (1)

  1. 車両の姿勢変化の抑制制御を減衰力の調整により行う減衰力可変ダンパを有するサスペンションを制御するサスペンション制御手段と、
    前記車両の車輪の舵角を変更する舵角変更手段と、
    前記減衰力可変ダンパのストローク量を検出するストローク検出手段と、
    前記ストローク検出手段にて検出されたストローク量に基づいて前記車両の走行時に生じる前記車輪の舵角変化の速度を算出する速度算出手段と、
    前記速度算出手段にて算出された前記舵角変化の速度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段と、を備え、
    前記速度算出手段にて算出された前記舵角変化の速度が所定値以上であると前記判定手段にて判定された場合に、前記サスペンション制御手段は、前記減衰力可変ダンパによる減衰力を増加して前記サスペンションによる前記車両の姿勢変化の抑制制御を強め、前記速度算出手段にて算出された前記舵角変化の速度が所定値未満であると前記判定手段にて判定された場合に、前記舵角変更手段は、前記車輪の舵角を変更することを特徴とするサスペンション制御装置。
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