JP5180803B2 - 車体フレーム構造 - Google Patents
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Description
図8は従来の車体フレーム構造を示す斜視図であり、断面ハット形状のサイドメンバ101の下部にフランジ102,103が設けられ、これらのフランジ102,103にクロージングプレート104が複数のスポット溶接部106で接合されている。
更に、接着剤の性質上、劣化などの経年変化を考慮すると、衝突エネルギーを吸収する衝突部材に用いるには性能保障に課題が残る。
本発明の目的は、軽量化を図りつつ生産コストを抑え、更には経年変化が少なく安定して衝突エネルギーを吸収可能な車体フレーム構造を提供することにある。
また、フレーム部材に補強部材を追加して補強を行う場合に、補強部材に開けられた長穴によって、軽量化される重量が大きくなるとともに、長穴の長手方向が荷重入力方向に向いているため、荷重入力方向に直交する方向の長穴の断面積が小さくなり、補強部材に入力された荷重に対して十分な剛性が得やすくなる。
更に、フレーム部材と補強部材とが溶接にて接合されるため、従来のような接着剤を使用した場合のような経年変化による強度・剛性の変化は少ない。
請求項2に係る発明では、前記補強部材には、前記フレーム部材の前記側壁に向かって突出する側部隆起部が、車体前後方向に所定間隔を有して複数形成され、前記補強部材は、前記上部隆起部に加え、前記側部隆起部を介して前記フレーム部材に接合され、前記フレーム部材の側壁には、前記複数の側部隆起部が合わせられる合わせ面を除いた部位に複数の微細穴が開けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記フロアパネルの前端部には、ダッシュボードロアが接合され、このダッシュボードロアに、前記構造部材の前端部が接合されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、前記フレーム部材の前記上壁は、左右の上壁基部と、これらの上壁基部の間において一段低く形成された低壁部とからなり、前記上部隆起部は、前記低壁部に接合されていることを特徴とする。
図1は本発明に係る車体フレーム構造を示すアンダボディの斜視図であり、図中の矢印(FRONT)は車両前方を表している(以下同じ。)。
アンダボディ10は、フロントフロアパネル11と、このフロントフロアパネル11の左右端部に前後方向に延びるように取付けられたサイドシル12,13と、フロントフロアパネル11の一部を構成するとともにフロントフロアパネル11の車幅方向中央部に前後に延びるように形成されたトンネル部11aによって左右に区画された左フロア部14及び右フロア16にそれぞれ前後に延びるように取付けられた構造部材17と、トンネル部11a及び左右のサイドシル12,13を連結するシートクロスメンバー18,19と、フロントフロアパネル11の後部に取付けられるとともに構造部材17,17の後端部に接合されるミドルフロアフレーム21,22とを備える。なお、符号23はフロントフロアパネル11の前端部に接合されたダッシュボードロアであり、このダッシュボードロア23に構造部材17,17のそれぞれの前端部が接合されている。
前フランジ38は、フレーム本体35の上壁43の前端から前方斜め上方に延びた部分である。
後接合部39は、断面形状が絞られてフレーム本体35の断面形状よりも小型にされたコ字断面形状に形成された部分である。
上壁51は、左右端部側に前後に延びるように形成された左基部55及び右基部56と、これらの左基部55及び右基部56から一段低く形成された低壁部57と、左基部55及び底基部57のそれぞれの間を繋ぐ斜壁部58と、右基部56及び低壁部57のそれぞれの間を繋ぐ斜壁部59と、底壁部57に軽量化のために長手方向が前後方向に向くように形成された複数の長穴61と、底壁部57に長穴61同士の間に位置するように形成された上方に突出する複数の上部隆起部62とからなる。
上部隆起部62は、フレーム部材25の上壁43、詳しくは、上壁43の穴密集部27が設けられていない非穴形成部60,63,64の低壁部48にスポット溶接等で接合される部分である。
同様に、側壁53は、側部基部67(図3参照)と、この側部基部67から側方に突出形成された複数の側部隆起部68とからなる。
また、補強部材26の上壁51と側壁52との間の角部には稜線76が形成され、上壁51と側壁53との間の角部には稜線77が形成される。
(a)はフレーム部材25の平面図であり、フレーム部材25は、前部が前方にいくにつれて左右の幅が広く形成されている。即ち、上壁43の左右の幅が次第に広くなり、これに伴って側壁44,45、左フランジ36及び右フランジ37が車幅方向外側に次第に広がるように前方に延びている。
後接合部39は、ミドルフロアフレーム21,22(図1参照)に接合するために微細穴24が開けられていない。
図中の想像線は、フレーム部材25に下から接合される補強部材26(図4(c)参照)の上部隆起部62、側部隆起部66,68を示している。
微細穴24の内径をD1、各微細穴24のピッチをP1とすると、例えば、D1=3mm、P1=5mmである。他の穴密集部についても、穴密集部27と同様に微細穴24が開けられている。
(a)において、フレーム部材25及び補強部材26を、それぞれ白抜き矢印で示すように、車体前後方向、即ち長手方向に引張る、あるいは圧縮すると、フレーム部材25では、縦横に等間隔に微細穴24が開けられ、微細穴24の内径が小さいから、微細穴24,24間の部分で引張力又は圧縮力を受け、強度・剛性の低下は少なく、また、補強部材26では、長手方向に長穴61が開けられているが、長手方向に直交する方向(即ち、車幅方向)の長穴61の断面積が小さくなり、更に、引張力又は圧縮力を上壁51の左基部55及び右基部56で受けることができ、強度・剛性の低下は少ない。
Claims (4)
- 車体フレームを構成するフロアパネルと、このフロアパネルに接合され車体前後方向に延びている構造部材と、を備えた車体フレーム構造であって、
前記構造部材は、断面視下向きに開口するコ字状のフレーム部材と、このフレーム部材の内側に沿って接合される補強部材とからなり、
前記フレーム部材は、上壁と、この上壁の左右縁部から下方に延びる側壁とからなり、
前記補強部材には、前記フレーム部材の上壁に向かって突出する上部隆起部が、車体前後方向に所定間隔を有して複数形成され、
これらの上部隆起部を介して、前記補強部材は、前記フレーム部材に接合され、
前記複数の上部隆起部の間には、荷重入力方向に対して長手方向を向いた長穴が開けられ、
前記フレーム部材の上壁のうち、少なくとも、前記上壁及び前記側壁によって形成される稜線と、前記複数の上部隆起部に臨む合わせ面と、を除いた部位に、前記長穴より面積が小さい複数の微細穴が開けられていることを特徴とする車体フレーム構造。 - 前記補強部材には、前記フレーム部材の前記側壁に向かって突出する側部隆起部が、車体前後方向に所定間隔を有して複数形成され、
前記補強部材は、前記上部隆起部に加え、前記側部隆起部を介して前記フレーム部材に接合され、
前記フレーム部材の側壁には、前記複数の側部隆起部が合わせられる合わせ面を除いた部位に前記複数の微細穴が開けられていることを特徴とする請求項1記載の車体フレーム構造。 - 前記フロアパネルの前端部には、ダッシュボードロアが接合され、
このダッシュボードロアに、前記構造部材の前端部が接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体フレーム構造。 - 前記フレーム部材の前記上壁は、左右の上壁基部と、これらの上壁基部の間において一段低く形成された低壁部とからなり、
前記上部隆起部は、前記低壁部に接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車体フレーム構造。
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