JP5180685B2 - カバーレイフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルプリント配線基板に用いられるカバーレイフィルムに関する。
プリント配線基板としては、従来、紙−フェノール樹脂、ガラス繊維−エポキシ樹脂からなる基材あるいはポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材と金属箔を貼り合わせたものが用いられている。
また、近年、電機・電子機器、精密機器の分野において用いるプリント配線板においては、配線占有面積が小さくなり、このため多層プリント基板の需要はますます高くなっている。プリント配線板を積層して多層プリント配線板を作製したり、異種の回路材料を複合化する工程においては、種々の接着剤あるいは接着剤フィルムが用いられている。
このような接着剤としては、ガラス繊維等の織物にエポキシ系あるいはビスマレイミド系樹脂を含浸させたプリプレグ状接着剤が知られている。しかし、これらは可撓性が不十分であり、寸法安定性に劣る等の問題があった。また、従来、アクリロニトリルブタジエンゴム/フェノール樹脂、フェノール樹脂/ブチラール樹脂、アクリロニトリルブタジエンゴム/エポキシ樹脂等の接着剤が提案されている(例えば、特開平4−29393号公報、特開平4−36366号公報、特開平4−41581号公報参照)。しかし、これらの接着剤は、耐薬品性、耐熱性が充分でなく熱劣化が大きく、吸湿はんだ耐熱性が不十分で、スルーホール形成のためのドリル孔空け加工時のスミア発生等、加工性の点でも充分ではなかった。
また、耐熱性に優れたポリイミド系接着剤も提案されている(例えば、米国特許4,543,295号公報参照)。しかし、このようなポリイミドは、銅あるいはポリイミドフィルム等の基材同士を接着させ、満足できる接着強度を得るためには250℃以上の熱圧着温度を必要としているため実用性の面で難点があった。
また、特許文献1では、低温での熱圧着を行うためジアミノポリシロキサンと芳香族テトラカルボン酸を原料とするポリイミドを用いた接着剤を開示している。しかし、このようなポリイミド単体では接着強度が充分でなく、信頼性に劣るという欠点があった。
接着強度に優れたポリイミド系接着剤としては、例えば、特許文献2で、フレキシブルプリント配線基板(FPC)の製造用接着剤として、ポリアミドイミドとエポキシ樹脂とからなるフィルム接着剤が開示されている。しかしながら、このようなフィルムは多層プリント配線板製造等の回路が形成された凹凸面同士の接着に用いた場合、回路面への充填性が充分でなく、はんだ浴に対する耐熱性を充分に得ることができない。
このため、多層プリント基板用接着剤、カバーレイフィルム用接着剤として、250℃以下の低温圧着が可能で、しかも接着強度、耐薬品性、耐熱性、吸湿はんだ耐熱性、配線加工時の寸法安定性等に優れた材料が求められるようになってきた。また、火災安全性確保の点から難燃性に優れた材料が求められるようになってきた。
従来の接着剤フィルムは、難燃性を付与するために、臭素などのハロゲンを含有する樹脂又は添加物等が使用されていた。ハロゲンは難燃性の付与の他、コストパフォーマンスが高く、プラスチックを劣化させにくいなどの理由から広く用いられてきた。しかしここに含まれるハロゲンは、燃焼時にダイオキシン等の有害物質を発生させる原因となる可能性が懸念されており、材料からのハロゲンの排除が強く望まれている。
ハロゲンに替わる難燃性付与材料として、非ハロゲン系の様々な材料が開発されている。その中でも最も一般的な手法はリンを含む樹脂の使用又は有機リン系化合物の添加である。このようなリン系化合物を含有する材料としては、例えば、特開2004−231792号公報、特開2005―15761号公報、特開2005−171044号公報、特開2005−60489号公報が挙げられる。しかし、リン系化合物は土壌汚染や水質汚染の原因となる可能性が懸念されており、安全性が十分とはいえず、将来的には、リン系化合物も材料から排除される必要があり、接着剤フィルムもこの例外ではないといえる。
このような点から、非ハロゲン系及び非リン系の難燃性接着剤フィルムが望まれている。このような接着剤フィルムとしては、例えば、特許文献3が挙げられる。しかしながら、このような接着剤フィルムは、金属水酸化物等の含有物によって、マイグレーション耐性が低下するという問題点があった。
ところで、特許文献4には、シリコンユニットを有するポリイミドとエポキシ樹脂からなるプリント基板用耐熱性接着剤フィルムが開示されている。しかし、ここで使用されるエポキシ樹脂はビスフェノールAやフェノール樹脂から誘導される一般的なエポキシ樹脂であり、ポリイミドの種類やエポキシ樹脂との組合せについても、一般的なものであり、難燃性に対する配慮は十分とは言えないものであった。また、特許文献5には、アセナフチレン変性フェノール性樹脂及びそれをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂が開示されている。しかし、このようなアセナフチレン変性フェノール性樹脂又はエポキシ樹脂をポリイミドと組合せて接着剤とすることについては何らの開示がない。
特開平4−23879号公報 特開昭52−91082号公報 特開2004−146286号公報 特開2001−203467号公報 国際公開WO2003/104295号パンフレット
本発明の目的は、250℃以下の低温圧着が可能で、しかも耐熱性、吸湿はんだ耐熱性、加工性等に優れた非ハロゲン・非リン系の接着剤樹脂組成物を用いた難燃性のカバーレイフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリイミド樹脂とエポキシ樹脂の混合樹脂に特定の成分を使用することで、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ポリイミドフィルム及び接着剤樹脂組成物より形成されたカバーレイフィルムにおいて、接着剤樹脂組成物が下記(A)〜(C)成分、
(A)シロキサンユニットを有するポリイミド樹脂、
(B)芳香族環含有基がナフタレン環に置換した構造を有するナフトール樹脂をエポキシ化して得られる構造の芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂、及び
(C)下記一般式(1)で表されるクエン酸エステル、
を必須成分として含有し、上記(A)成分65〜98重量%と(B)成分2〜35重量%を含む樹脂成分100重量部に対し、(C)成分を1〜45重量部含有することを特徴とするカバーレイフィルムである。
Figure 0005180685
一般式(1)において、Xは水酸基又はアセチル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。
また、(A)成分が下記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を有し、一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の構成比が、(2)/(3)=50/50〜10/90(モル比)の範囲であることで、カバーレイフィルムの物性を良好とする。
Figure 0005180685
一般式(2)において、Ar1は4価の芳香族基を示し、R1及びR2は2価の炭化水素基を示し、R3及びR4は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、mは1以上の整数であり、mの数平均値は1〜20の範囲にある。一般式(3)において、Ar1は4価の芳香族基を示し、Ar2は2価の芳香族基を示す。
上記接着剤樹脂組成物は、(A)成分65〜98重量%及び(B)成分2〜35重量%からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)成分を1〜45重量部配合してなること、又は(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対し、更にエポキシ樹脂硬化剤1〜15重量部を含有することで、カバーレイフィルムの物性を良好とする。
また、エポキシ樹脂硬化剤と共に又はエポキシ樹脂硬化剤の代わりに、上記シロキサンユニットを含有するポリイミド樹脂の繰り返し単位である一般式(3)におけるAr2の1〜20モル%が、下記一般式(4)で表されるエポキシ基と反応性の官能基を有する2価の芳香族基であることで、カバーレイフィルムの物性を良好とすることができる。
Figure 0005180685
ここで、式中、Ar3は3価又は4価の芳香族基を示し、Yは水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はメルカプト基を示し、kは1又は2を示す。
(B)成分としては、下記一般式(5)又は(6)で表される構造を有する芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂であることが望ましい。
Figure 0005180685
但し、Gはグリシジル基を示し、Rは芳香族環含有基又は水素を示し、Xはアルキレン基又は-Z-Ar4-Z-で表されるアラルキレン基を示し、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、qは1又は2を示し、そしてR中に芳香族環含有基が占める割合は10モル%以上である。また、Zはアルキレン基を示し、Ar4は2価の芳香族基を示す。
Figure 0005180685
但し、Gはグリシジル基を示し、R5、R6及びR7は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rは下記一般式(a)で示されるアセナフテニル基、下記一般式(b)で示されるインダニル基又は下記一般式(c)で示されるα−メチルベンジル基から選ばれる芳香族環含有基あるいは水素を示すが、R中に芳香族環含有基が占める割合は10モル%以上であり、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、qは1又は2を示す。
Figure 0005180685
本発明のカバーレイフィルムは、ポリイミド本来の優れた耐熱性及び電気特性を損なうことなく、従来のポリイミド系接着剤に比べ低温での熱圧着が可能となる。ハロゲン元素とリン元素を含まなくとも優れた難燃性を与える。したがって、焼却廃棄時に、ダイオキシン等の有害物質の発生や、土壌・水質汚染の危険性が少ないものとすることができる。
以下、本発明のカバーレイフィルムについて詳細に説明する。本発明のカバーレイフィルムは、ポリイミドフィルムの表面に接着剤層を有する。接着剤層は、接着剤樹脂組成物により形成される。まず、接着剤樹脂組成物の各構成成分について説明する。
本発明のカバーレイフィルムを形成する接着剤樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分を必須成分として含有する。(A)成分はシロキサンユニットを有するポリイミド樹脂であり、(B)成分は芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂であり、(C)成分はクエン酸エステルである。また、この接着剤樹脂組成物は、実質的にハロゲン元素及びリン元素を含まないことが望ましい。ここで、実質的にハロゲン元素及びリン元素を含まないとは、ハロゲン元素又はリン化合物として900wtppm以上のハロゲン又はリン及びハロゲン化合物又はリン化合物を含まないことをいう。
(A)成分のシロキサンユニットを有するポリイミド樹脂(以下、シロキサン含有ポリイミド樹脂という)としては、分子構造中にシロキサン骨格を有するものであれば特に制限されないが、例えば、上記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を有するものが挙げられる。好ましくは、一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の構成比が、(2)/(3)=50/50〜10/90(モル比)の範囲、好ましくは50/50〜20/80の範囲であることがよい。
上記シロキサン含有ポリイミド樹脂としては、フィルム成形性が良好な溶剤可溶性ポリイミド樹脂を用いることが望ましい。更に、エポキシ基と反応し得る官能基をポリイミド樹脂中に有するようにすれば、エポキシ樹脂硬化剤の配合を不要又は少量とすることができる。エポキシ基と反応し得る官能基をポリイミド樹脂中に有するようにするには、上記一般式(3)におけるAr2の1〜20モル%、好ましくは2〜10モル%が上記一般式(4)で表される芳香族基を有するポリイミド樹脂となるように、原料の芳香族ジアミンを使用する方法などがある。
シロキサン含有ポリイミド樹脂は、通常ジアミノシロキサン及び芳香族ジアミンと、テトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより得られる。上記一般式(2)及び(3)中のAr1はテトラカルボン酸二無水物の残基ということができるので、テトラカルボン酸二無水物の説明からAr1が理解される。また、一般式(2)中のシロキサンユニットはジアミノシロキサンの残基ということができるので、ジアミノシロキサン説明からシロキサンユニットが理解される。更に、一般式(2)のAr2は芳香族ジアミンの残基ということができるので、芳香族ジアミンの説明からAr2が理解される。
テトラカルボン酸二無水物の具体例として、好ましくは3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び2,2’,2,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソピリデン)フタル酸二無水物等の他のテトラカルボン酸二無水物も挙げられるが、これら他のテトラカルボン酸二無水物を使用する場合は、上記好ましいとして挙げられたテトラカルボン酸二無水物の1種以上と併用することがよい。他のテトラカルボン酸二無水物を併用する場合は5〜50モル%の範囲がよい。
ジアミノシロキサンとしては、下記一般式(7)
Figure 0005180685
で表されるジアミノシロキサンが用いられる。一般式(7)において、R1〜R4は一般式(2)のそれらと同じ意味を有する。
R1及びR2は2価の炭化水素基を示すが、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基である。R3及びR4は炭素数1〜6の炭化水素基を示すが、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。これらは、同一であっても、異なってもよい。
mは1以上の整数であり、mの数平均値は1〜20の範囲にあるが、好ましくは数平均値が2〜14の範囲にあることがよい。この範囲より少ないと接着剤樹脂組成物としての充填性が低下し、多いと接着性が低下するので好ましくない。このことは一般式(2)におけるシロキサンユニットについても同様である。
ジアミノシロキサンを用いてシロキサン含有ポリイミド樹脂とすることにより、本発明のカバーレイフィルムに加熱圧着時の流動性を与え、プリント配線板回路上の充填性を向上させることができる。
ジアミノシロキサンの好ましい具体例としては、次式で表されるジアミノシロキサンが挙げられる。
Figure 0005180685
ジアミノシロキサンの更に好ましい具体例としては、次式で表されるフェニル基置換ジアミノシロキサンが挙げられる。ここで、下式におけるj及びnは、jとnの合計数は1以上の整数であり、数平均値は1〜20の範囲にあり、好ましくは2〜14の範囲にある。
Figure 0005180685
また、一般式(3)において、Ar2を与える芳香族ジアミンの具体例としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−p−ターフェニル等が挙げられるが、有機溶剤に対する可溶性を向上させる目的で、2,2−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、3,3−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、3,3−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン等の3つ以上の芳香環を有するジアミンを1種以上用いることが好ましい。Ar2を与える芳香族ジアミンは、シロキサンユニット又はシリコンユニットを有しない。
上記、芳香族ジアミンの一部として、エポキシ樹脂と反応性を有する官能基を有する下記一般式(8)で表される反応性芳香族ジアミンを使用することも有利である。
Figure 0005180685
一般式(8)において、Ar3、Y及びkは一般式(4)のそれらと同様の意味を有する。このような反応性芳香族ジアミンとしては、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル、4,4’−(2,2’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、4,4’−(3,3’−ジカルボキシ)ジフェニルアミン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられるが、特に好ましくは4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジフェニルアミン、4,4’−(2,2’−ジヒドロキシ)ジフェニルアミン等の少なくとも1種である。反応性芳香族ジアミンを用いることにより加熱圧着時にエポキシ樹脂と反応し架橋構造を形成するため、本発明の接着剤フィルムの接着強度及び耐薬品性を更に向上させることができる。反応性芳香族ジアミンは、全芳香族ジアミンの1〜20モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは2〜10モル%の範囲である。
シロキサン含有ポリイミド樹脂は上記ジアミノシロキサン及び芳香族ジアミンと、テトラカルボン酸二無水物を溶媒中で反応させ前駆体樹脂を生成したのち加熱閉環させることにより前記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を製造できる。
(B)成分としては、芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂を使用する。エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物(以下、エチレン性芳香族化合物という)と反応して生じる芳香族置換ナフタレン骨格の寄与により、本発明のカバーレイフィルムの耐熱性を向上させる。
芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂は、ナフトール樹脂、好ましくはナフトールノボラック樹脂と、エチレン性芳香族化合物を反応させることにより、ナフタレン環(ナフトール環)に芳香族環含有基が置換した構造の芳香族基置換ナフトール樹脂を得て、次にナフトール樹脂の水酸基をエピクロロヒドリンでエポキシ化してOG基(グリシジルエーテル基)とすることにより得られる構造を有する。しかし、芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂の製法は、上記方法に限らない。
芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂としては、上記一般式(5)で表されるエポキシ樹脂が好ましく例示される。一般式(5)において、Gはグリシジル基を示し、Rは芳香族環含有基(以下、芳香族基という)又は水素を示し、Xはアルキレン基又は-Z-Ar4-Z-で表されるアラルキレン基を示し、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、qは1又は2を示し、そしてR中に芳香族基が占める割合は10モル%以上である。また、Zはアルキレン基を示し、Ar4は2価の芳香族基を示す。X及びZはアルキレン基であるが、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、より好ましくはメチレン基である。Rが芳香族基である場合、芳香族基としては炭素数7〜15の1〜3環の芳香族炭化水素基が好ましい。
Xはナフトール樹脂を製造する際にナフトールと反応させる架橋剤に由来する。架橋剤がホルマリンである場合はメチレン基を与え、RO-H2C-Ph-CH2-OR(RはH又はアルキル、Phはフェニレン)である場合は、-H2C-Ph-CH2-で表されるアラルキル基を与える。Ar4は2価の芳香族基を示すが、好ましくはフェニレン基又はビフェニレン基である。また、全ナフタレン核の少なくとも10モル%、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上が芳香族基で置換されている。この置換率が低いと十分な難燃性が得られない。エポキシ樹脂は混合物であるため、エポキシ樹脂全体として、全ナフタレン核100モルに対し、芳香族基が10モル以上存在すればよい。しかし、80モル%以上を芳香族基で置換しても差し支えないが、効果が飽和するので、20〜80モル%、好ましくは30〜70モル%の範囲とすることがよい。また、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、好ましくは平均値として0〜5の範囲、より好ましくは0.1〜3の範囲にある。qは1又は2を示すが、好ましくは1である。
また、芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂としては、上記一般式(6)で表されるエポキシ樹脂が好ましく例示される。ここで、Gはグリシジル基を示し、R5、R6及びR7は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、Rは芳香族基又は水素を示すが、好ましくは上記式(a)で示されるアセナフテニル基、式(b)で示されるインダニル基又は式(c)で示されるα‐メチルベンジル基から選ばれる芳香族基あるいは水素を示すものがよく、R中に芳香族基が占める割合は10モル%以上、好ましくは20モル以上、より好ましくは30モル以上であり、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、qは1又は2である。なお、一般式(5)と対応する記号は同様な意味を有すると解することができる。
(B)成分である芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂の製造方法の一例について説明する。特に限定されないが、エチレン性芳香族化合物は、フリーデルクラフツ反応を利用することができるので、ナフトール樹脂のナフタレン環に付加させることができる。このようにして得られた芳香族基置換のナフタレン骨格を有するナフトール樹脂に、公知の方法を用いて、エピクロロヒドリンを反応させることによってエポキシ樹脂とすることができる。ここで用いられるナフトール樹脂は、ナフトールノボラック樹脂又はナフトールアラルキル樹脂が挙げられるが、耐湿性や耐衝撃性の観点から、ナフトールアラルキル樹脂が好ましい。かかる芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂は、例えば、特許文献5に開示されている方法により製造することができる。
芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂は、ナフトール構造となっているナフタレン核1個に対し、平均して0.1個以上、好ましくは0.2個以上、更に好ましくは0.3個以上のエチレン性芳香族化合物が付加したものを含むエポキシ樹脂がよく、その他芳香族基非置換のナフタレン核が含まれてもよい。ナフトール樹脂がナフトールアラルキル樹脂である場合は、エチレン性芳香族化合物と反応させると、エチレン性芳香族化合物はナフタレン核と反応するだけでなく、一部はアラルキルを構成するベンゼン環等に置換することも考えられるが、それが生じても差し支えない。
より具体的には、下記一般式(9)で表される芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂が好ましく挙げられる。ここで、Gはグリシジル基を示し、Rは芳香族基又は水素を示すが、好ましくは式(a)で示されるアセナフテニル基、式(b)で示されるインダニル基又は式(c)で示されるα―メチルベンジル基から選ばれる芳香族基あるいは水素を示すものがよく、R中に芳香族基が占める割合は10モル%以上、好ましくは20モル以上、より好ましくは30モル以上であり、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にある。なお、一般式(6)と対応する記号は同様な意味を有すると解することができる。
Figure 0005180685
(C)成分のクエン酸エステルは、上記一般式(1)で表されるが、このようなクエン酸エステルを配合することによって、ポリイミド樹脂本来の特性を低下させることなく、低温圧着性、耐熱性及び回路充填性を向上させることができる。また、カバーレイフィルムとしての反りを抑制することができ、更に難燃性を付与できる。上記一般式(1)において、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示すが、3つRは同一であっても異なってもよい。Xは水酸基又はアセチル基を示す。
このようなクエン酸エステルの具体例としては、例えばクエン酸トリメチルエステル、クエン酸トリエチルエステル、クエン酸トリ−n−プロピルエステル、クエン酸トリブチルエステル、クエン酸トリ−n−ペンチルエステル、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート等が挙げられる。この中でも特にクエン酸トリブチルエステルが本発明の効果が大きく好ましい。なお、これらのクエン酸エステルは単独又は2種以上を併用してもよい。
(A)成分及び(B)成分の配合は、(A)成分65〜98重量%、(B)成分2〜35重量%の範囲が好ましく、より好ましくは(A)成分70〜90重量%、(B)成分10〜30重量%の範囲がよい。また、(A)成分及び(B)成分は樹脂成分であるので、これらを樹脂成分ともいう。樹脂成分には、(A)成分及び(B)成分以外の樹脂を含んでもよいが、(A)成分及び(B)成分が樹脂成分の80重量%以上を占めることがよい。また、(A)成分及び(B)成分の合計又は混合樹脂100重量部に対し、(C)成分を1〜45重量部配合することが好ましい。より好ましい(C)成分の配合量は、10〜40重量部の範囲である。この範囲で配合することにより、ポリイミド樹脂本来の特性を低下させることなく、低温圧着性、耐熱性及び回路充填性を更に向上させることができる。(C)成分の配合量が1重量部より少ないと低温圧着性及び回路充填性に与える向上効果が少なく、45重量部を超えると接着性、耐熱性及び難燃性が低下する。
また、接着剤樹脂組成物には、必須成分として上記成分を含む他に、必要によりエポキシ樹脂硬化剤を配合することもできる。また、このエポキシ樹脂硬化剤は、実質的にハロゲン元素及びリン元素を含まないものにすることにより、本発明の効果を発揮しやすく望ましい。エポキシ樹脂硬化剤の配合割合は、上記(A)成分及び(B)成分の混合樹脂又はその合計100重量部に対し、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%が適当である。別の観点からは、エポキシ樹脂の20〜70重量%の範囲が好ましい。エポキシ樹脂硬化剤の使用は、上記一般式(4)で表される官能基を分子中に有さないシロキサン含有ポリイミド樹脂を使用する場合に、有効である。
エポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、フェノールノボラック、0−クレゾールノボラック、フェノールレゾール等のフェノール類、ナフトール類、ジエチレントリアミン類のアミン類、無水ピロメリット酸、無水フタル酸等の酸無水物類などが挙げられる。
更に、接着剤樹脂組成物には、上記成分の他に、必要に応じて、従来公知の硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料等を適宜配合してもよい。また、上記以外の他のポリイミド樹脂又は他のエポキシ樹脂を、本発明の効果を阻害しない範囲で少量配合することもできる。なお、これらの成分は実質的にハロゲン元素及びリン元素を含まないものにすることにより、本発明の効果を発揮しやすく望ましい。
本発明のカバーレイフィルムは、ポリイミドフィルムの表面に前記の接着剤樹脂組成物からなる接着剤層を設けることにより得られる。本発明のカバーレイフィルムを形成する方法としては、従来の方法を用いることが可能である。好適な形成方法の例としては、上記接着剤樹脂組成物の成分を溶媒に溶解し、得られた樹脂組成物溶液を、ポリイミドフィルム上に従来公知の方法により、塗布し、乾燥することにより本発明のカバーレイフィルムとする方法がある。ポリイミドフィルムに2〜200μmの厚さ、好ましくは5〜100μm、更に好ましくは10〜50μmの厚さでコーティングした後、50〜140℃、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは100〜140℃で乾燥を行うことによって、カバーレイフィルムとすることが可能である。ポリイミドフィルムの厚さは、必要に応じて適切な厚さのものを使用すればよいが、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜30μmがよい。
上記形成工程で用いられる溶媒として代表的なものとしては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、キシレノール、フェノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等のエーテル、エステル、アルコール系溶媒を挙げることができる。また、前記ポリイミド樹脂製造時に用いた溶媒をそのまま使用してもなんら差し支えない。
本発明のカバーレイフィルムの好適な使用方法としては、導体回路が形成された回路基板上に、導体回路の所望の箇所が被覆されるように本発明のカバーレイフィルムを被覆形成した後、圧力1〜100kg/cm2、温度20〜250℃の条件で熱圧着することによって絶縁被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施例により具体例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[半田耐熱性の評価]
半田耐熱性の評価は、幅10mm、長さ100mmの試験片の接着剤面を銅箔(35μm厚み)の光沢面の上に置き、180℃、60分間、40kg/cm2の条件下で熱圧着したものを用いた。この銅箔付きの試験片を25℃、相対湿度50%で24時間放置した後、各評価温度に設定した半田浴中に60秒間浸漬し、その接着状態を観察、発泡、ふくれ、剥離等の不具合の有無を確認した。なお、表中の「300℃」は、300℃の半田浴中で評価して、不具合が認められないことを意味する。
[接着強度の測定]
接着強度は、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、幅10mm、長さ100mmに試験片の接着剤面を銅箔(35μm厚み)の光沢面又はポリイミドフィルム(株式会社カネカ製、アピカルNPI)の上に置き、180℃、60分間、40kg/cm2の条件下で熱圧着した後、180°方向に50mm/分の速度で引き剥がす時の力を接着強度とする。なお、接着強度1は銅箔に対する接着強度であり、接着強度2はポリイミドフィルムに対する接着強度である。
[耐折性の評価]
耐折性は、0.13mm〜0.91mmの導体幅、0.18mm〜0.20mmの導体間スペースに回路加工した銅張積層板の上に置き、180℃、60分間、40kg/cm2の条件下で熱圧着したものを用いた。曲率半径は1.25mmとし、屈曲速度を1,500rpm、ストロークを20mm、カバーレイを外向けに装着する形でIPC屈曲試験を行った。判定は、抵抗値が5%アップするまでの屈曲回数を測定し、断線までの屈曲回数が1,000万回以上場合を「良」、500万回以上1,000万回未満の場合を「可」と判定した。
[耐燃性の評価]
耐燃性は、UL-94に基づく燃焼試験による難燃性の度合を示すレベルで評価し、「VTM-0」、「耐燃性なし」の2水準で耐燃性を判定した。「VTM-0」は耐燃性があることを意味する。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、熱機械分析装置(Bruker社製、4000SA)を用いて、幅2mm、長さ30mmの試験片をチャック間距離15mmにて、荷重2g、昇温速度5℃/分の条件で試験片の長さ芳香の熱膨張量を測定し、その変曲点をTgとする。
本実施例で用いた略号は以下の化合物を示す。
ODPA:3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
DSDA:3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
BAPP:2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン
HAB:4,4'−(3,3'−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル
樹脂A:合成例7のナフトール型エポキシ樹脂(アセナフテニル基置換型)
樹脂B:合成例9のナフトール型エポキシ樹脂(インデニル基置換型)
樹脂C:合成例11のナフトール型エポキシ樹脂(スチレニル基置換型)
TBC:クエン酸トリブチルエステル
ATBC:アセチルトリブチルシトレート
DOP:ジ−2−エチルヘキシルフタレート
PPA:ポリプロピレン−アジペート
DOS:ジ−2−エチルヘキシルセバケート
PSX-A及びPSX-B:下式(10)で表されるジアミノシロキサン(但しmの数平均値は1〜20の範囲であり、PSX-Aの重量平均分子量は740、PSX-Bの重量平均分子量は1240である。)
PSX-Ph:下式(11)で表されるジアミノシロキサン(但し、jとnの合計数の数平均値は2〜20の範囲であり、j、n共に1以上であり、重量平均分子量は1320である。)
NA樹脂:下式(12)で表される1-ナフトールアラルキル樹脂(新日鐵化学株式会社製 SN-485、重量平均分子量は485である。)
Figure 0005180685
合成例1
1000mlのセパラブルフラスコに34.12gのODPA(0.11モル)、200gのN−メチル−2−ピロリドン及び200gのキシレンを装入し、室温で良く混合した、次に滴下ロートを用いて26.64gのPSX-A(0.036モル)を滴下し、この反応溶液を攪拌下で氷冷し、28.74gのBAPP(0.07モル)及び0.86gのHAB(0.004モル)を添加し、室温にて2時間攪拌し、ポリアミド酸(ポリアミック酸)溶液を得た。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、20時間加熱、攪拌し、対数粘度0.94dl/gのポリイミド溶液aを得た。
合成例2〜5
表1に示す原料組成とした他は、実施例1と同様にしてポリイミド溶液b〜eを調製した。
Figure 0005180685
合成例6
500mlのセパラブルフラスコにNA樹脂180gとアセナフチレン20gを用い、100℃で1時間攪拌し、付加反応を行い、アセナフチレン変性ナフトールアラルキル樹脂を200g得た。得られたアセナフテニル基置換ナフトールアラルキル樹脂の軟化点は、JIS K 2548に準じて測定した結果、54℃であり、水酸基当量(OH当量)は236であった。また、GPCによるアセナフチレンの付加反応率は99%であり、アセナフテニル基置換率(ナフタレン環1モル当たりの、アセナフチレンの付加モル数)は、0.4であった。
合成例7
次に、このようにして得られたアセナフテニル基置換ナフトールアラルキル樹脂100gをエピクロロヒドリン400gに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液40gを4時間で添加しながら100mmHgの減圧下において60℃で5時間反応させた。この反応の間、生成した水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除去した。
反応終了後、反応終了後、減圧下に過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物にメチルイソブチルケトン450gを加えてエポキシ樹脂を溶解させて減圧濾過し、ろ液からエポキシ樹脂を回収した。その後20%水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、80℃で2時間反応させた。続いてろ過、水洗を行い、メチルイソブチルケトンを減圧留去し褐色のアセナフテニル基置換ナフトール型エポキシ樹脂(樹脂A)を120g得た。得られた樹脂Aの軟化点は48℃であり、エポキシ当量は308であった。
合成例8
500mlのセパラブルフラスコにNA樹脂180gとインデン39gを用い、100℃で1時間攪拌し、付加反応を行い、インダニル基置換のナフトールアラルキル樹脂を218g得た。得られたインダニル基置換ナフトールアラルキル樹脂の軟化点は、JIS K 2548に準じて測定した結果、107℃であり、水酸基当量(OH当量)は261であった。また、GPCによるインデンの付加反応率は99%であり、インダニル基置換率は0.4であった。
合成例9
次に、このようにして得られたインダニル基置換ナフトールアラルキル樹脂100gをエピクロロヒドリン285gに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液35gを4時間で添加しながら100mmHgの減圧下において60℃で5時間反応させた。この反応の間、生成した水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除去した。
反応終了後、反応終了後、減圧下に過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物にメチルイソブチルケトン285gを加えてエポキシ樹脂を溶解させて、水洗により食塩を除いた。その後20%水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、80℃で2時間反応させた。続いてろ過、水洗を行い、メチルイソブチルケトンを減圧留去し褐色のインダニル基置換ナフトール型エポキシ樹脂(樹脂B)を110g得た。得られた樹脂Bの軟化点は95℃であり、エポキシ当量は320であった。
合成例10
500mlのセパラブルフラスコにNA樹脂180gとスチレン35gを用い、140℃で1時間攪拌し、付加反応を行い、α―メチルベンジル基置換のナフトールアラルキル樹脂を213g得た。得られたα―メチルベンジル基置換ナフトールアラルキル樹脂の軟化点は、JIS K 2548に準じて測定した結果、88℃であり、水酸基当量(OH当量)は258であった。また、GPCによるスチレンの付加反応率は99%であり、α―メチルベンジル基置換率は0.4であった。
合成例11
次に、このようにして得られたα―メチルベンジル基置換ナフトールアラルキル樹脂100gをエピクロロヒドリン290gに溶解させ、50%水酸化ナトリウム水溶液36gを4時間で添加しながら100mmHgの減圧下において60℃で5時間反応させた。この反応の間、生成した水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除去した。
反応終了後、減圧下に過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物にメチルイソブチルケトン285gを加えてエポキシ樹脂を溶解させて、水洗により食塩を除いた。その後20%水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、80℃で2時間反応させた。続いてろ過、水洗を行い、メチルイソブチルケトンを減圧留去し、褐色のα―メチルベンジル基置換ナフトール型エポキシ樹脂(樹脂C)を109g得た。得られた樹脂Cの軟化点は75℃であり、エポキシ当量は317であった。
実施例1
合成例1で得られたポリイミド溶液aの固形分70重量部に対し、合成例7で得られた樹脂Aの30重量部を混合した。さらに、シロキサンユニットを有するポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂の混合樹脂100重量部に対し30重量部のTBCを混合し、2時間室温にて攪拌させて、接着剤樹脂(樹脂組成物)溶液を調製した。
この樹脂溶液を縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μmのポリイミドフィルム(カネカ社製、商品名アピカルNPI)の片面に接着剤樹脂溶液を塗布し、135℃で5分間乾燥を行い、接着剤層厚さ25μmのカバーレイフィルムとした。このフィルムのガラス転移温度は140℃であった。このフィルムの接着強度1及び接着強度2はそれぞれ1.0kN/m、0.8kN/mであった。また、半田耐熱性については、膨れ、はがれ等の不良は観察されず、良好であった。結果を表2及び表3に示す。
実施例2〜10
表1に示す組成で実施例1と同様にしてポリイミド溶液を調整し、表2に示す組成で樹脂組成物を調製し、フィルムを形成した。表2及び表3にその諸特性を測定した結果を示す。エポキシ樹脂硬化剤を使用した場合、エポキシ樹脂硬化剤としてナフトール樹脂(東都化成社製、ESN-485)を使用した。
比較例1
実施例1において、TBCを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、フィルムを調製した。このフィルムはカールし、使用困難であった。フィルムの諸特性を測定した結果を表2及び表3に示す。
比較例2
実施例2において、TBCを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、フィルムを調製した。このフィルムはカールし、使用困難であった。フィルムの諸特性を測定した結果を表2及び表3に示す。
比較例3
実施例3において、TBCを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、フィルムを調製した。このフィルムはカールし、使用困難であった。フィルムの諸特性を測定した結果を表2及び表3に示す。
比較例4〜6
実施例と同様にして表1に示す組成でポリイミド溶液を調製し、表2に示す組成で樹脂組成物を調製し、フィルムを形成した。フィルムの諸特性を測定した結果を表2及び表3に示す。
Figure 0005180685
Figure 0005180685

Claims (7)

  1. ポリイミドフィルムの表面に接着剤層を設けたカバーレイフィルムにおいて、接着剤層を構成する接着剤樹脂組成物が下記(A)〜(C)成分、
    (A)シロキサンユニットを有するポリイミド樹脂、
    (B)芳香族環含有基がナフタレン環に置換した構造を有するナフトール樹脂をエポキシ化して得られる構造の芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂、及び
    (C)下記一般式(1)で表されるクエン酸エステル、
    を必須成分として含有し、上記(A)成分65〜98重量%と(B)成分2〜35重量%を含む樹脂成分100重量部に対し、(C)成分を1〜45重量部含有することを特徴とするカバーレイフィルム。
    Figure 0005180685
    (式中、Xは水酸基又はアセチル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
  2. (A)成分が下記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を有し、一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の構成比が、(2)/(3)=50/50〜10/90(モル比)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のカバーレイフィルム。
    Figure 0005180685
    (一般式(2)において、Ar1は4価の芳香族基を示し、R1及びR2は2価の炭化水素基を示し、R3及びR4は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、mは1以上の整数であり、mの数平均値は1〜20の範囲にある。一般式(3)において、Ar1は4価の芳香族基を示し、Ar2は2価の芳香族基を示す。)
  3. 接着剤樹脂組成物が、(A)成分70〜90重量%及び(B)成分10〜30重量%からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)成分を10〜40重量部配合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカバーレイフィルム。
  4. 接着剤樹脂組成物が(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対し、更にエポキシ樹脂硬化剤1〜15重量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカバーレイフィルム。
  5. 一般式(3)におけるAr2の1〜20モル%が、下記一般式(4)で表されるエポキシ基と反応性の官能基を有する2価の芳香族基であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のカバーレイフィルム。
    Figure 0005180685
    (式中、Ar3は3価又は4価の芳香族基を示し、Yは水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はメルカプト基を示し、kは1又は2を示す。)
  6. (B)成分が、下記一般式(5)で表される構造を有する芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカバーレイフィルム。
    Figure 0005180685
    (式中、Gはグリシジル基を示し、Rは芳香族環含有基又は水素原子を示し、Xはアルキレン基又は-Z-Ar4-Z-で表されるアラルキレン基を示し、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、qは1又は2を示し、そしてR中に芳香族環含有基が占める割合は10モル%以上である。また、Zはアルキレン基を示し、Ar4は2価の芳香族基を示す。)
  7. (B)成分が、下記一般式(6)で表される構造を有する芳香族基置換ナフトール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項6に記載のカバーレイフィルム。
    Figure 0005180685
    (式中、Gはグリシジル基を示し、R5、R6及びR7は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rは下記一般式(a)で示されるアセナフテニル基、下記一般式(b)で示されるインダニル基又は下記一般式(c)で示されるα−メチルベンジル基から選ばれる芳香族環含有基あるいは水素を示すが、R中に芳香族環含有基が占める割合は10モル%以上であり、pは0以上の整数であり、pの数平均値は0〜15の範囲にあり、qは1又は2を示す。)
    Figure 0005180685
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