JP5180191B2 - 直接デジタルスピーカ用音量調節システム及び方法 - Google Patents

直接デジタルスピーカ用音量調節システム及び方法 Download PDF

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Description

[継続中の出願の参照]
2006年5月2日に出願された米国暫定出願第60/802,126号「圧力生成装置」、及び2006年12月3日に出願された米国暫定出願第60/872,488号「音量調節」、2007年4月2日に出願された米国暫定出願第60/907,450号「圧力生成装置及び当該装置の製造方法」、及び2007年5月3日に出願された米国暫定出願第60/924,203号「圧力波生成装置及び方法」の優先権を主張する。
[発明の属する技術分野]
本発明は、一般的にスピーカの音量調節に関し、特に、直接デジタルスピーカ用の音量調節に関する。
[発明の背景]
マイクロアクチュエータアレイを具えるアクチュエータの技術水準は、以下の文献によってわかると考えられる。これらの文献は、別途表示がない限り全て米国特許文献である。
2002/0106093号:要約書、図1乃至42、及び段落0009、0023及び0028は、電磁放射、アクチュエータとトランスデューサ、及び静電デバイスを示す。
第6,373,955号:要約書、コラム4第34行乃至コラム5第55行に、トランスデューサアレイを示す。
JP2001016675号:要約書に、音響出力トランスデューサアレイを示す。
第6,963,654号:要約書、図1乃至3、7乃至9、及びコラム7第41行乃至コラム8第54行に、電磁力に基づくトランスデューサ動作を示す。
第6,125,189号:要約書、図1乃至4、及びコラム4第1行乃至コラム5第46行に、静電駆動を含む電気−音響トランスデューサユニットを示す。
WO8400460号:要約書に、マグネットアレイを有する電磁−音響トランスデューサを示す。
第4,337,379号:要約書、コラム3第28−40行、及び図4、9に、電磁力を示す。
第4,515,997号:要約書、コラム4第16−20行に、音量レベルを示す。
第6,795,561号:コラム7、第18−20行に、マイクロアクチュエータアレイを示す。
第5,517,570号:分散したアドレス可能なサウンドピクセルへの音声現象のマッピングを示す。
JP57185790号:要約書に、D/Aコンバータの必要性の低減を示す。
JP51120710号:要約書に、D−Aコンバータを必要としないデジタルスピーカシステムを示す。
JP09266599号:要約書に、デジタル信号をスピーカに直接的に適用することを示す。
第6,959,096号:要約書と、コラム4第50−63行に、一のアレイに配置した複数のトランスデューサを示す。
ポリマ磁石の製造方法は、以下の文献に記載されている:
Lagorce, L.K. and M. G. Allen, “Magnetic and Mechanical Properties of Micro-machined Strontium Ferrite/Polyimide Composites”, IEEE Journal of Micro-electromechanical Systems, 6(4), Dec. 1997; 及び
Lagorce, L.K., Brand, O. and M. G. Allen, “Magnetic micro actuators based on polymer magnets”, IEEE Journal of Micro-electromechanical Systems, 8(1), march 1999.
Nakataに付与された米国特許第4,337,379号は、図4に、コイル状構造を具える平面の電気力学電気−音響トランスデューサを開示している。
Sotme et al.に付与された米国特許第6,963,654号には、ダイアフラムと、フラット型音響トランスデューサと、フラット型ダイアフラムが開示されている。Sotmeのシステムは、図7に、コイル状構造を具える。
半導体デジタルラウドスピーカは、米国特許出願20010048123号、David Thomasに付与され、Texas Instruments社に譲渡された、2002年6月11日発行の米国特許第6,403,995号、Sony社に付与された米国特許第4,194,095号、Walter Stingerに付与された米国特許第4,515,997号、及び、Diamond Brett M., et al, “Digital sound reconstruction using array of CMOS-MEMS micro-speakers”, Transducers ’03, The 12th International Conference on Solid State Sensors, Actuators, and Microsystems, Boston, Jun3 8-12, 2003; 及び、BBE’s DS48 Digital Loudspeaker mnagement Systemなどに開示されているように、公知である。
よく知られているように、従来のアナログスピーカではフラットな周波数応答を示すことが必要である。この技術分野で知られており、以下に使用される「周波数応答」の用語は、システムの出力信号を、振幅一定で周波数が変動する入力信号と比較するシステムの転送機能の測定単位である。周波数応答は、通常、dBで測定されるシステム転送機能の大きさ対Hzで測定される周波数によって特徴付けられる。
この応答は、ラウドスピーカとの関連では、通常、無限大バッフルにおける振動ピストンの分野で知られている以下の式によって支配される。
(1)
Figure 0005180191
ここで、Pは、振動ピストンによって生じるRMS圧力[N/m]を表わし;
Aは、頂点間振幅[m]を表わし;
Sは、振動ピストンの表面積[m]を表わし;
ρは、ピストンが振動する媒体(すなわち、空気)の密度[Kg/m]を表わし;
Rは、ピストン面から測定ポイントまでの距離[m]を表わし;
fは、振動周波数[Hz]を表わす。
従って、例えば、要因2によって周波数fが高くなると、要因4によって圧力Pが対応して高くなる(その他のパラメータは全て変わらないものとする)。
(2)SPL=20・Log10P/P
ここで、Pは、一定の基準圧力を表わす。通常、人に可聴である最も低いRMS圧力か、あるいは20・10−6N/mになるよう選択される。
Pは、ピストンのRMS圧力を表わす(式(1)を参照)。
SPLは、音圧レベル(sound pressure level)を表わす。SPLが高いほど、聴者が感知するスピーカの音が大きい。
式(1)からすぐに分かるように、周波数f以外の全てのパラメータが変わらず維持されると仮定し、更に、周波数fが2倍になる(すなわち、一オクターブ高くなる)と仮定すると、圧力Pは4倍となり、後者によってSPLは12dB高くなり(式(2)を参照)、12dB/オクターブの周波数応答が生じる。聴者の立場からすると、スピーカは指定周波数レンジ全域に渡って平坦な応答を示すべきであるので、これは好ましい結果ではない。従って、聴者によって意図的に調節が行われない限り、例えば、一オクターブの増加(すなわち、周波数が2倍になる)は、ほぼ一定に維持されるべきである発生したSPLに影響すべきではない。
アナログスピーカは、周波数fの増加が頂点間振幅Aの減少を生じさせるという固有の特性を有しているので、特定の12dB/オクターブの周波数応答があっても、平坦な応答を示す。従って、式(1)に戻ると、周波数fが2倍になると、振幅Aが実質的に要因4だけ減少して、これによって、発生する圧力を実質的に不変に維持し、式(2)から容易に分かるように、SPLも実質的に一定に保たれ、所望の平坦な応答となる。
聴者が音響レベルを上げることを望む場合は、聴者は全周波数レンジにわたって頂点間振幅Aを上げることができることは明らかである。
本明細書に記載された全ての公報及び特許文献、及びここに引用された公報及び特許文献の開示内容は、直接的に、あるいは間接的に、引用として組み込まれる。
「直接デジタルスピーカ」、又はDDSの用語は、ここでは、デジタル信号を受信して、別のデジタル−アナログ変換機(DAC)を使用することなく、その信号を音波に変えるスピーカを含むものとして使用されている。このようなスピーカは、代わりに、あるいは、加えて、アナログ信号をデジタル信号に変換することができるアナログ−デジタル変換機(ADC)を具えていても良い。このようなスピーカには、DDS(直接デジタルスピーカ)、DDL(直接デジタルラウドスピーカ)、DSR(デジタル音響再構築)スピーカ、デジタルユニフォームラウドスピーカアレイ)、マトリックススピーカ、及びMEMSスピーカが含まれる。ここで使用される「直接デジタルスピーカ」の用語は、例えば、特にここに記載されているエレメントの動きによって、あるいは、例えば空気などのエレメントがおかれている媒体を加熱、冷却することによって、あるいは、エレメントがおかれている媒体を、例えばイオン化して軸にそって電位をつくることによって、加速して、あるいは、エレメントを、周囲環境と異なる圧力のかかった例えば空気などの媒体をタップリザーバに対して選択的なバルブとして動作させることによって圧力を発生する多数の圧力生成エレメントを有するスピーカ装置を含むことを意図している。エレメント(すなわち、圧力を生成するよう動作しているエレメント)を作るいくつもの動作圧力は、例えば、通常、アナログであれば、入力信号の強度に、デジタルであれば、デジタル的にエンコードした入力信号の強度に比例する単調増加である。
ここで使用するDDSは、各エレメントを個々に制御して、発生した音の周波数、SPL、及び/又は、その他の特性を制御する圧力生成エレメントアレイを含むことを意図している。DDSは(アナログスピーカと違って)、デジタル−アナログ(D/A)変換機を必要とせず、従って、DDSでは、デジタル信号(音響システムによって、おそらくある処理を行った後に発生した入力信号を表わす)がスピーカに供給される。
DDSによって生じる圧力を支配する式が、上記の式とは異なることは自明である。DDSsは、いくつかのケースでは、周波数fと生成された圧力Pとの平均でない依存性を見せることがあり、従って、12dB/オクターブと異なる傾きの周波数応答を見せる。
DDSのスピーカエレメントの頂点間振幅は、多くの場合不変である。
従って、この技術分野では、DDSにおいて音量を調節するには、異なる技術を提供する必要がある。
本発明の態様によれば、直接デジタルスピーカに接続するように構成された直接デジタルスピーカ音量調節デバイスを具えるシステムが提供されている。この直接デジタルスピーカは、入力信号に応じた音響圧力レベル(SPL)と所定の周波数で、デジタル−アナログコンバータを用いることなく音を発生するように構成された複数の圧力生成エレメントを具え;この直接デジタルスピーカは、固有に、全周波数レンジに渡る周波数応答を示し;この直接デジタルスピーカ音量調節デバイスは:
(a)各々が個別のカットオフ周波数を有する少なくとも二つのフィルタであって、各フィルタがそのカットオフ周波数以下の減衰を実質的に示さず、前記フィルタのカットオフ周波数以上の減衰応答を示すフィルタを提供するモジュールと;
(b)少なくとも発生する音の所望の音量と周波数に応じた選択基準に従って前記フィルタのうちの少なくとも一つを選択し、前記フィルタを前記入力信号に適用して、前記スピーカに送るように構成したフィルタ処理した信号を発生するセレクタと;
を具える。
本発明のある実施例によれば、前記フィルタの少なくとも一つが、前記スピーカの前記周波数応答に対応する前記フィルタのカットオフ周波数以上の減衰応答を示す。
本発明の更なる実施例によれば、前記フィルタの少なくとも一つが、前記スピーカの前記周波数応答に対応する前記フィルタのカットオフ周波数以上の減衰応答を示し、前記スピーカがその指定周波数レンジ全域にわたって実質的に平坦な応答を示す。
本発明の更なる実施例によれば、前記スピーカの周波数応答がその周波数レンジに渡って6dB/オクターブであり、前記フィルタの各々が、前記カットオフ動作周波数を超える周波数レンジにわたって−6db/オクターブの減衰応答を示し、前記カットオフ動作周波数以下では実質的に減衰しない。
本発明の更なる実施例によれば、前記フィルタの少なくとも一つがローパスフィルタ(LPF)である。
本発明の更なる実施例によれば、前記LPFsの少なくとも一つがIIR型フィルタである。
本発明の更なる実施例によれば、前記LPFsの少なくとも一つがFIR型フィルタである。
本発明の更なる実施例によれば、前記直接デジタルスピーカ音量調節デバイスが、発生した音のSPLを調節する音量調節モジュールを具える。
本発明の更なる実施例によれば、前記選択基準が、(i)所望の発生SPL、(ii)発生した音の所望の周波数レンジ、(iii)入力信号のスペクトル、及び(iv)入力信号のゲインのうちの少なくとも一つに依存する。
本発明の更なる態様によれば、アナログ−デジタル変換器を用いることなく入力信号に応じた音響圧力レベル(SPL)と所定の周波数で音を発生するように構成された複数の圧力生成エレメントを具える直接デジタルスピーカが提供され;この直接デジタルスピーカは、本質的に、全周波数レンジにわたって周波数応答を示し;この直接デジタルスピーカが;
(a)各々が個別のカットオフ周波数を有する少なくとも二つのフィルタであって、各フィルタがそのカットオフ周波数以下の減衰を実質的に示さず、前記フィルタのカットオフ周波数以上の減衰応答を示すフィルタを提供するモジュールと;
(b)少なくとも発生する音の所望の音量と周波数に応じた選択基準に従って前記フィルタのうちの少なくとも一つを選択し、前記フィルタを前記入力信号に適用して、前記スピーカに送るように構成したフィルタ処理した信号を発生するセレクタと;
を具える直接デジタルスピーカ音量調節デバイスを具える。
本発明の一態様によれば、音を生成するスピーカシステムであって、発生した音の少なくとも一の減衰がクロックに従って定期的にサンプリングされる入力デジタル信号の少なくとも一の特徴に対応しており、当該システムが少なくとも一のアクチュエータデバイスを具え、各アクチュエータデバイスが:
移動エレメントアレイであって、個別に移動するエレメントの各々が交流磁場に応答して、交流磁場が存在するときにそこで動作可能な電磁力に応じて、各軸に沿って交互に往復移動するように拘束されている移動エレメントアレイと;
前記移動エレメントの少なくとも一のサブセットを、少なくとも一のラッチ位置において選択的にラッチして、これによって、前記個別移動エレメントが前記電磁力に応答することを防止するよう動作する少なくとも一のラッチと;
前記クロックを受信して、これに従って、前記移動エレメントアレイへの前記電磁力の適用を制御するように動作する磁場制御システムと;
前記デジタル入力信号を受信して、前記少なくとも一のラッチをこれに応じて制御するように動作するラッチコントローラであって、前記特定の直接デジタルスピーカ音量調節デバイスに接続されたラッチコントローラと;
を具える。
本発明の更なる実施例によれば、音を発生するスピーカシステムが提供されており、発生した音の少なくとも一の属性が、クロックに応じて定期的にサンプリングされる入力デジタル信号の少なくとも一の特徴に対応しており、当該システムが少なくとも一のアクチュエータデバイスを具え、各アクチュエータデバイスが:
個別に移動するエレメントの各々が交流磁場に応答して、交流磁場が存在するときにそこで動作可能な電磁力に応じて、各軸に沿って交互に往復移動するように拘束されている移動エレメントアレイと;
前記移動エレメントの少なくとも一のサブセットを、少なくとも一のラッチ位置において選択的にラッチして、これによって、前記個別移動エレメントが前記電磁力に応答することを防止するよう動作する少なくとも一のラッチと;
前記クロックを受信して、これに従って、前記移動エレメントアレイへの前記電磁力の適用を制御するように動作する磁場制御システムと;
前記デジタル入力信号を受信して、前記少なくとも一のラッチをこれに応じて制御するように動作するラッチコントローラであって、前記特定の直接デジタルスピーカ音量調節デバイスに接続されたラッチコントローラと;
を具える。
本発明の更なる実施例によれば、直接デジタルスピーカに供給するように構成された入力信号の音量調節方法が提供されており;前記直接デジタルスピーカが、アナログ−デジタル変換器を用いることなく入力信号に応じた音響圧力レベル(SPL)と所定の周波数で音を発生するように構成された複数の圧力生成エレメントを具え;この直接デジタルスピーカは、本質的に、全周波数レンジにわたって周波数応答を示し;この方法は;
(a)各々が個別のカットオフ周波数を有する少なくとも二つのフィルタであって、各フィルタがそのカットオフ周波数以下の減衰を実質的に示さず、前記フィルタのカットオフ周波数以上の減衰応答を有する少なくとも二つのフィルタを提供するステップと;
(b)発生する音の少なくとも所望の音量と周波数に応じた選択基準に従って前記フィルタのうちの少なくとも一つを選択し、前記フィルタを前記入力信号に適用して、前記スピーカに送るように構成したフィルタ処理した信号を発生するステップと;
を具える。
本発明の更なる実施例によれば、前記フィルタの少なくとも一つが、リアルタイムで受信された入力信号に適用される。
本発明の更なる実施例によれば、前記適用するステップが、入力信号に対して前記フィルタの少なくとも一つを前処理するステップを具える。
ここで使用されている更なる用語は以下のとおりである。
アレイ: この用語は、移動エレメントセットであって、その軸が好ましくは相互に平行な方向にあり、互いに同一平面状にあって、平坦面あるいは曲面を規定するセットを含むことを意図する。
上方、下方: 「上方」、「下方」の用語及び同類の用語は、例示されているように、移動エレメントの移動方向が上下方向であるとして使用されているが、この場合に限らず、移動エレメントが水平軸などの所望の軸に沿って移動するものでもよい。
アクチュエータ: この用語は、トランスデューサとエネルギィの形態を内部変換するその他のデバイスを含むことを意図している。用語「トランスデューサ」を使用する場合、これは単なる例であり、ラウドスピーカを含めてスピーカなどの全ての好適なアクチュエータを意味することを意図している。
アクチュエータエレメント: この用語は、構成要素の「コラム」であって、通常、多くのその他のこのようなコラムと共働して、アクチュエータを形成し、典型的には、移動エレメント、ラッチ対又は「ラッチエレメント」を含む「コラム」を含むことを意図している。従って、各ラッチエレメントは、一又はそれ以上の電極と、移動エレメントを電極から分離する絶縁スペース材を含む。
コイル: 本発明の好適な実施例による移動エレメントアレイに与える交流電磁力が、移動エレメントの所望の移動軸に対して共線的である傾斜磁場を発生するよう方向付けられた交流電流によって生じることは明らかである。この電流は、好適に方向付けされた導電コイル、または、その他の好適な構成の導電エレメントを通って流れる電流を含む。用語「コイル」は、本明細書中では例
として用いられている。しかし、例えば上述したような交流電磁力を適用する全ての装置を含むことを意図しており、本発明を限定する意図はない。導電体を表すのに「コイル」を使用する場合は、その導電体が円や、その他の閉構造、あるいはその実質的な部分などの好適な構成を有していてもよく、複数のターンを有する構成に限定することは意図していない。
チャネル、あるいは「ホール」、又は「トンネル」: これらは、単に例示によって筒状であるものを示しているが、ケースである必要はない。
電極: 静電ラッチ。各ラッチと移動エレメントが逆に荷電された電極を構成するように逆に荷電することによって、対応する移動エレメントをラッチする下側または上側静電気ラッチのいずれをも含む。
撓み: 対象物を装着した少なくとも一の可撓性エレメントであり、例えば、一又はそれ以上の可撓性のある薄いあるいは小さなエレメントであり、上にもう一つの対象物を装着した、あるいはしていない中央部分の近傍に、及び、この中央部分と例えば単一シート材料から通常一体的に形成された、エレメントであるその対象物に、少なくとも一度の移動自由度を与え、これによって、中央部分及びこの上に装着された対象物の動きに少なくとも一度の移動自由度を与えるエレメント。
ラッチ、ラッチ層、ラッチ機構: この用語は、一又はそれ以上の移動するエレメントを固定位置に選択的に係止させる全ての装置を含むことを意図している。通常横並びであっても良く、上下である必要はないが、「上側」及び「下側」ラッチ層が提供され、各ラッチ層は一又は多数のラッチ機構を具えている。これは、ラッチされる移動エレメントの数に数が対応していてもしていなくても良い。「ラッチ対」の用語は、例えば、上側ラッチと下側ラッチを含む、一つの独立した移動エレメントについての一対のラッチである。上側ラッチと下側ラッチは横並びであっても良く、上下である必要はない。
移動エレメント: かけられた交流電磁力に応じて軸に沿って交互に前後移動するようになっている全ての移動エレメントを含むことを意図している。移動エレメントは、この明細書でいう「マイクロスピーカ」、「ピクセル」「マイクロアクチュエータ」「メンブレイン」(個別または集合的に)、及び「ピストン」も意味する。
スペーサ、スペース維持器: 電極と移動エレメントの相対位置を機械的に維持する全てのエレメントを含む。
「直接デジタルスピーカ」の用語は、ここでは、別のデジタル−アナログコンバータを使用することなく、デジタル信号を受けて信号を音波に変換するスピーカを含めて使用される。このようなスピーカは、デジタル信号に代えてあるいはデジタル信号に加えてアナログ信号を変換できるアナログ−デジタルコンバータを具えていても良い。このようなスピーカには、DDS(Direct Digital Speakers)、DDL(Direct Digital Loudspeakers)、DSR(Digital Sound Reconstruction)スピーカ、デジタルユニフォームラウドスピーカアレイ、マトリックススピーカ、及びMEMSスピーカが含まれる。ここで使用されている「直接デジタルスピーカ」の用語は、複数の圧力生成エレメントを有するスピーカ装置を含むことを意図しており、これは、ここに特別に述べられているような動作により、あるいは、エレメントが載っている例えば空気などの媒体を加熱したり冷却することによって、あるいは、例えば媒体をイオン化して、軸に沿って電位差を与えることによるなどして、エレメントが載っている媒体を加速することによって、あるいは、周辺環境と異なって加圧されている、例えば空気などの媒体のタップ容器へ、選択的にバルブとして動作させることによって圧力を発生する。動作する圧力生成エレメント(すなわち、圧力を発生させているエレメント)の数は、通常、例えばアナログであれば入力信号の強度に、デジタルであれば入力信号をデジタル的にエンコードした強度への正比例するなどの、単調増加関数である。
ここで用いられている「クロック」の用語は、システムクロックの単一インターバルに関連する時間を意味する。
ここで用いられている「指向性パターン」の用語は、スピーカ装置によって発生した音響エネルギィの空間的分布パターンを意味する。
本発明の好ましい実施例を以下の図面において説明する。
図1Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され作動するアクチュエータ装置を示す単純化した機能ブロック図である。 図1Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する図1Aに示す移動エレメントアレイの斜視図である。各移動エレメントは磁石を具え、ラッチされている場合以外は、移動エレメントアレイに係る交流電磁力に応答して各軸に沿って交互に往復移動するように拘束されている。 図1Cは,本発明の5つの代替の実施例によって構成され作動するラッチの単純化した平面図であり、これらは、図1Bに特に示すラッチの代替として作動する。 図1Dは,本発明の5つの代替の実施例によって構成され作動するラッチの単純化した平面図であり、これらは、図1Bに特に示すラッチの代替として作動する。 図1Eは,本発明の5つの代替の実施例によって構成され作動するラッチの単純化した平面図であり、これらは、図1Bに特に示すラッチの代替として作動する。 図1Fは,本発明の5つの代替の実施例によって構成され作動するラッチの単純化した平面図であり、これらは、図1Bに特に示すラッチの代替として作動する。 図1Gは,本発明の5つの代替の実施例によって構成され作動するラッチの単純化した平面図であり、これらは、図1Bに特に示すラッチの代替として作動する。 図2Aは、図1Bに示すアレイを、下側に与えた電磁力に応じた第1の最も下側の位置で示す図である。 図2Bは、図1Bのアレイを、上側に与えた電磁力に応じた第2の最も上側の位置で示す図である。 図2Cは、個別移動マグネットの一つが、上側の力に応答していないことを除いて図2Bと同じである。この個別マグネットは、この個別移動マグネットの上方の対応する電荷によって最も上側位置でラッチされて、上側ラッチとして機能しているからである。 図3Aは、それぞれ移動エレメントアレイの回りに巻いたコイルによって、移動エレメントアレイに与えた交流電磁力に応じて各軸に沿って交互に往復移動するように各々が拘束された、移動エレメント歪曲アレイの平面、断面、及び斜視図である。 図3Bは、それぞれ移動エレメントアレイの回りに巻いたコイルによって、移動エレメントアレイに与えた交流電磁力に応じて各軸に沿って交互に往復移動するように各々が拘束された、移動エレメント歪曲アレイの平面、断面、及び斜視図である。 図3Cは、それぞれ移動エレメントアレイの回りに巻いたコイルによって、移動エレメントアレイに与えた交流電磁力に応じて各軸に沿って交互に往復移動するように各々が拘束された、移動エレメント歪曲アレイの平面、断面、及び斜視図である。 図4Aは、コイルによって移動エレメントに与えた交流電磁力に応じて各軸に沿って交互に往復移動するように各々が拘束された移動エレメントと、層として形成され、少なくとも一のラッチ位置において移動エレメントの少なくとも一つのサブセットを選択的にラッチするように作動して、個別移動エレメントが電磁力に応答しないようにするラッチと、を具えるアクチュエータデバイスの分解図である。 図4Bは、本発明の好ましい実施例に応じて作動する好ましい作動方法の単純化したフローチャートである。 図5は、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動する図4Aのアクチュエータデバイスの斜視図であり、ここでは、移動エレメントアレイが薄箔の形状をしており、各移動エレメントはその周囲に一体的に形成された撓みによって拘束されている。 図6Aは、図5に示すアクチュエータデバイスの一部を示す分解図である。 図6Bは、それぞれ、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する、移動エレメントアッセンブリと、関連する撓み、ラッチ及びスペーサエレメントアッセンブリの斜視図と分解図であり、撓みを通る空気の漏れを低減する。 図6Cは、それぞれ、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する、移動エレメントアッセンブリと、関連する撓み、ラッチ及びスペーサエレメントアッセンブリの斜視図と分解図であり、撓みを通る空気の漏れを低減する。 図6Dは、図6B−6Cの装置の最も上側、最も下側及び中間位置にある3つの移動エレメントを示す断面図である。 図6Eは、図6Dの説明である。 図7Aは、図5−6Cの移動エレメント層の平面図である。 図7Bは、図5−6の移動エレメント層の図7AのA−A軸に沿った断面図である。 図7Cは、図5−7Bの移動エレメント層の斜視図であり、個別移動エレメントが最も上側位置に向けて上方向に移動して、撓みが薄箔の面から上側に延在している。 図7Dは、本発明の代替の実施例によって構成され作動する移動エレメント層の斜視図であり、図5−7Cの実施例のディスク形状をした永久磁石が、リング形状の永久磁石で置き替えられている。 図7Eは、図7Dの実施例の個別移動エレメントの撓みで拘束された中央部分を示す側面図である。 図8Aは、特別な例のラッチの制御とコイル誘導電磁力の制御を示すコントロール図である。この例では、各々が選択的に、集合的に作動しうる移動エレメントが群で配置されており、ラッチ層の各ラッチが永久磁石に接続されており、ラッチ層の全永久磁石のポールが同じように配置されている。 図8Bは、ラッチコントローラが入力信号を処理して、これに従って、移動エレメントラッチを群で制御する、好ましい方法を示すフローチャートである。 図8Cは、図8Aに示すプロセッサ802などのプロセッサを示す単純化した機能ブロック図であり、このプロセッサは、ここに説明した静電ラッチ機構を用いてアクチュエータデバイスを実質的に制御するのに都合が良い。 図8Dは、図1−8Cに示す装置を初期化するための好ましい方法を示す単純化したフローチャートである。 図8Eは、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する、組み立てたスピーカシステムを示す単純化した斜視図である。 図8Fは、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する装置を用いて、音を発生する好ましい方法を示す単純化したフローチャートである。 図9Aは、典型的なものではないが、本発明の好ましい実施例による移動エレメントにかかる力をまとめたグラフである。 図9Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する傾斜磁場誘導層を単純化して図示したものである。 図9Cは、図9Bに示す誘導層の傾斜磁場誘導機能を示す図である。 図9Dは、図9Bに示す誘導層の傾斜磁場誘導機能を示す図である。 図10Aは、複数群に区分けしたラッチ移動エレメントに適したラッチ層の単純化した平断面図であり、このラッチ層は、区分けした群から選択した群を集合的に作動させることによって任意数の移動エレメントを作動させ、ラッチ層中の各ラッチが永久磁石に接続されており、ラッチ層の全ての永久磁石のポールが同じように配置されている。 図10Bは、図1−10Aのラッチ層の代替実施例の単純化した電気配線図であり、各ラッチは図8Cのラッチコントローラ50により個別に制御されている。ラッチは環状に示されているが、代替としてここに示されているようなその他の好適な形状であっても良いことは自明である。図10Bの層は、ジャンクションを規定する縦横ワイヤグリッドを具えている。通常、電界効果トランジスタなどのゲートが各ジャンクションに設けられている。これによって個別ゲートを開いて、対応する縦横のワイヤに電圧をかけて対応するラッチを荷電する。 図11Aは、単方向スピーカアプリケーションのラッチコントローラで使用する好ましい制御スキームを示すタイミング図である。所望の音を表す入力信号が受信され、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する移動エレメントが応答して制御され、スピーカの前側の音量がその他の領域より大きくなる音パターンを得、ラッチ層の各ラッチは永久磁石に接続されており、ラッチ層の全永久磁石のポールは、好ましくは全て、あるいは実質的に全てが同様に、あるいは、同じに配置されている。 図11Bは、図11Aのタイミング図に関連する移動エレメントアレイの一例を示す図である。 図11Cは、全方向式スピーカアプリケーションのラッチコントローラで使用される好ましい制御スキームを示すタイミング図である。所望の音を表す入力信号が受信され、本発明の好ましい実施例によって構成され動作する移動エレメントが応答して制御され、スピーカの前側の音量がスピーカを取り囲むその他の全ての領域における音量と同じである。 図12Aは、代替の実施例による移動エレメント層の単純化した平面図と断面図をそれぞれ示す図であり、永久磁石の半分が、N極が上向きに配置しており、半分がN極が下向きに配置されている。 図12Bは、代替の実施例による移動エレメント層の単純化した平面図と断面図をそれぞれ示す図であり、永久磁石の半分が、N極が上向きに配置しており、半分がN極が下向きに配置されている。 図13は、ラッチ層の永久磁石の半分がN極が上向きに配置されており、ラッチ層の永久磁石の残りの半分がN極が下向きに配置されている点を除いて、図10Aと同じ構成の単純化した平面図である。 図14は、特定の例の、ラッチ及びコイル誘導電磁力の制御を示す図であり、ラッチ層の永久磁石の半分がN極を上向きにして配置されており、ラッチ層の永久磁石の残りの半分がN極を下向きにして配置されている点を除いて、図8Aと同様に、移動エレメントが群で配置されており、このエレメントは各々選択的に、集合的に作動する。 図15Aは、単方向スピーカアプリケーションにおけるラッチコントローラによって用いられる好ましい制御スキームを示すタイミング図であり、ラッチ層の永久磁石の半分がN極を上向きにして配置されており、ラッチ層の永久磁石の残りの半分がN極を下向きにして配置されている点を除いて、図11Aのタイミング図と同じである。 図15Bは、図15Aのタイミング図に関連する移動エレメントアレイの一例を示す図である。 図15Cは、異なる時点で最も上側の位置及び最も下側の位置に配置した複数の移動エレメントの変化を示す、図8Cのラッチコントローラによって受信される入力信号の周波数の関数としたグラフである。 図16Aは、図1A及び2A−2Cに示す移動エレメント層の代替の移動エレメント層を示す図である。ここでは、この層は薄箔からできており、各移動エレメントが中央部分と周辺部分を具える。 図16Bは、図1A及び2A−2Cに示す移動エレメント層の更なる代替の移動エレメント層を示す図である。ここでは、例えばゴムなどの可撓性材料シートが移動可能であり、すなわち、磁石の下に硬質ディスクがある。この磁石は、硬質エレメントであるが、十分に硬質でなくとも良い。 図16Cは、図7A−7Eまたは16Aに記載した移動エレメントと周辺撓みの好ましい実施例を示す斜視図であり、ここでは、撓みの厚さが変化している。 図16Dは、図16Cの装置の費用対効果のある代替例を示す斜視図であり、ここでは、撓みの幅が変化している。 図17は、図3Aで、個別移動エレメント又はラッチの連続する列がそれぞれ傾いており、所定の面積に入れることができるアクチュエータエレメント数を増やしている点を除いて、図3Aのアレイと同じアクチュエータエレメントアレイを示す平断面図である。図17の列は、傾いておらず、典型的には、矩形アレイを具える。 図18は、アクチュエータエレメントの代替実施例の分解図であり、各アクチュエータエレメントの断面が、円形でなく四角である。 図19は、個別アクチュエータアレイの活性領域の和である活性領域を提供する、支持フレーム内に支持されているアクチュエータアレイの斜視図である。 図20はSPL対周波数を示すグラフであり、本発明の実施例による、DDSに典型的な6dB/オクターブ周波数応答を示す。 図21は、本発明の実施例による、DDSの周波数応答スロープと、対応する減衰器の周波数応答スロープを示すグラフである。 図22Aは、本発明の実施例によるシステムに使用する様々なカットオフ周波数を有するフィルタセットを示す図である。 図22Bは、本発明の実施例によるシステムに使用する様々なカットオフ周波数を有するフィルタセットを示す図である。 図23は、本発明の実施例による一般的なシステムアーキテクチュアを示す図である。
本発明の技術分野は、音響スピーカ、生物医学調剤アプリケーション、医療用及び工業用センサシステム、光学スイッチ、ディスプレイシステムの光反射、容量がより大きい例えば空気又は液体などの流体のトランスデューササイズに対する長距離作動(longer-travel actuation)及び/又は変位から利益を要するあるいは得ることができるその他のアプリケーション、といった幅広い様々なアプリケーションに用いる低コストデバイスを製造する材料製作と技術を用いて構成した、ストロークの長い電気機械式マイクロアクチュエータのデジタルトランスデューサアレイに関する分野である。
本発明の好ましい実施例は、トランスデューサ構造、デジタル制御機構、及びN個のマイクロアクチュエータでトランスデューサアレイを構成する様々な製造技術を提供しようとするものである。このアレイは、通常、3つの主要層構造から構成されている。いくつかの実施例では、この3つの層は疲労特性が特に低い材料でできたメンブレイン層できており、両側が特別な極性に整列した磁気コーティング層が形成されており、N個の独特な「蛇紋状(serpentine like)」形状にエッチングされて、メンブレインの部分を双方向でリニアに自在に動かす(アクチュエータ)ことができるようになっている。メンブレイン各移動セクションの双方向リニア移動は、メンブレイン層を誘電体、シリコン、ポリマ、あるいはその他の絶縁基体で構成された二つの鏡像支持構造間に挟むことによって自然に形成されたチャンバ(アクチュエータチャネル)内で拘束される。この支持構造は、メンブレインのN個の蛇紋エッチングと同じ数のホールを通ってN個の精密に等しいサイズに作られており、メンブレインの各蛇紋エッチングと共に、ホールを通って各々が正確に整列したパターンに正確に配置されている。更に、支持構造の上側および底側の両外側面に加えて、通常、導電リングまたはディスク(アドレス可能な電極)などの導電性張り出し面が設けられている。これらの面は、通常帯電させることによって、各アクチュエータがストローク端部に届くと、各アクチュエータを引きつけて保持するよう作用する。
本発明の好適な実施例に従って構成され、作動するデバイスについて、図1B、2A−2C、3A−3C、4A、5、6A、7A−7B、8A−8B、9、10A、11A、12A、13、14、15A、16A−C、17−19を参照して説明する。
図1Bは、デバイスの一部を示す概念図である。図2Aは、磁界がかかっている移動エレメントの動きを示す図である。図2Bは、逆の磁界がかかっているときの同じ移動エレメントの動きを示す図である。図2Cは、磁界がかかっているときの移動エレメントの動きを示す図であるが、ここでは一の電極が帯電している。図3A−3Cは、それぞれ、本発明の一の好ましい実施例の平面図、断面図、及び斜視図である。
図4Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するデバイスの分解図である。図5は、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するデバイスの一部を詳細に記載した図である。図6Aは、同じ一部を示す分解図である。図7Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動する蛇紋状の移動エレメントをサブアッセンブリとして示す図である。図7Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動する、移動中の単一エレメントを示す図である。図8Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するスピーカシステムのブロック図である。図8Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するスピーカシステムのフロー図である。図9Aは、移動エレメントに与えられた様々な力の好ましい関係を示す図である。
図10Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動する電極を群分けした図である。図11Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するタイミング及び制御チャートである。図12Aは、代替の実施例の移動エレメントの磁気特性を示す図である。図13は、代替の実施例の電極を群分けした図である。図14は、代替の実施例におけるスピーカシステムの簡単なブロック図である。図15Aは、代替の実施例のタイミング及び制御チャートである。図16Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動する移動エレメントのサブアッセンブリの一部を示す図である。図16Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するフレキシブル基板を用いた、移動エレメントサブアッセンブリの別の実施例の一部を示す図である。
図3A−3Cは、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動するハニカム構造のエレメントのアレイを示す図であり、図17は、本発明の好ましい実施例によって構成され、作動する四角構造のエレメントのアレイを示す図である。図18は、四角形状のエレメントを用いた実施例の一部の分解図である。図19は、複数(アレイ)のデバイスを用いた装置を示す図である。
効果的な取り組みは、通常、選択電極と独自の信号処理アルゴリズム間の独自の相互接続パターンによって達成され、これは、単一のトランスデューサのアクチュエータ総数を、N個のアドレス可能なアクチュエータ群に効果的にセグメント化する。N個のアドレス可能なアクチュエータ群は、一のアクチュエータの群で始まり、その前群のアクチュエータの倍数のアクチュエータが、トランスデューサ中のN個のアクチュエータ全てが群分けされるまで続く。
アクチュエータストロークを達成するため、トランスデューサを通常ワイヤコイルで囲んでおり、このコイルに電流が流れると、トランスデューサ全体に電磁場が発生する。この電磁場が、メンブレインの可動部をアクチュエータチャネルを通って通常リニアに動かす。電流がその極性を変えると、メンブレインの可動部が振動する。特定のアドレス可能な電極群が帯電すると、通常、その群の全てのアクチュエータをそのストロークの端部で、アプリケーションの要求に従って支持構造の上側又は下側のいずれかにロックする。トランスデューサによって提供される変位は、特定のインターバル(スーパーポジション)でロックされていないN個のアクチュエータの総和から集合的に、生じる。
トランスデューサの構造は、通常、トランスデューサごとのアクチュエータの数、各アクチュエータのサイズ、各アクチュエータのストロークの長さ、アドレス可能なアクチュエータ群の数で、完全に測ることができる。いくつかの実施例では、アクチュエータエレメントは、様々な形状を特定の材料にエッチングすることによって、または、可撓性材料で被覆した層状金属ディスクを用いて、あるいは、自由に動くアクチュエータエレメントを用いることによって構成することができる。メンブレイン(撓み)材料は、シリコン、ベリリウム銅、銅タングステン合金、銅チタニウム合金、ステンレススチール、あるいはその他のあらゆる低疲労素材を含んでいてもよい。支持構造のアドレス可能な電極は、トランスデューサのアプリケーションに好適なアドレスを達成するようなパターンに群分けすることができる。アドレス可能な電極は、メンブレインアクチュエータとコンタクトが取れるように、あるいは、メンブレインと物理的接触がない態様で固定することができる。基板材料は、FR4、シリコン、セラミック、あるいは様々なプラスチックなどあらゆる絶縁材料で作ることができる。メンブレインにエッチングされた複数の蛇紋形状、あるいは浮動アクチュエータエレメントと対応する支持構造のチャネルは、丸、四角、あるいはその他の形状であっても良い。電磁場は、トランスデューサの全周囲に。トランスデューサの一部分の周囲に、あるいは、各アクチュエータエレメントの周囲にコイルを巻回することによって、または、一又はそれ以上のアクチュエータエレメントに隣接して一又はそれ以上のコイルを配置することによって作ることができる。
いくつかの実施例では、マイクロスピーカアレイを使用して音を生成するのに、直接デジタル法を用いている。デジタルサウンドの再構築するには、通常、音波を生成するエネルギィの分散音響パルスの総和が行われる。これらのパルスは、各信号ビットでマイクロスピーカ群を制御している音響電子機器あるいはデジタルメディアからのデジタル信号に基づいている。本発明の一の好ましい実施例では、入力デジタル信号のn番目のビットが、アレイ中の2のマイクロスピーカを制御している。ここでは、最上位ビット(MSB)が約半分のマイクロスピーカを制御しており、最小位ビット(LSB)が少なくとも一の単一のマイクロスピーカを制御している。特定ビット用の信号が高である場合、通常、そのビットに割り当てられた群の全てのスピーカが、そのサンプルインターバル用に起動される。アレイ中のスピーカの数、及び、パルス周波数が、得られる音波の解像度を決定する。典型的な実施例では、パルス周波数がソースサンプリングレートであってもよい。人の耳を介して、あるいはその他の源からの信号への音響ローパスフィルタの事後適用を介して、通常、聴者は、デジタル信号によって表わされ、元のアナログ波形と同一の音響的により滑らかな信号を聞く。
ここに述べるサウンド再構築方法によれば、生成される音圧が、作動しているスピーカの数に比例する。時間と共にスピーカパルスの数を変化させることによって、異なる周波数が生成される。アナログスピーカと異なり、個別マイクロスピーカが、通常、非線形領域で作動してダイナミックレンジを最大にする一方で、低周波数サウンドを生成することが可能である。アレイの正味の直線性は、通常、音波方程式の直線性と個別スピーカ間の均一性から生じる。生成した音波中の非線形構成要素の総数は、通常、デバイスのマイクロスピーカの数に反比例する。
好ましい実施例では、デジタルトランスデューサアレイを用いて真の直接デジタルサウンド再構築を実装している。生成した音のダイナミックレンジは、アレイ中のマイクロスピーカの数に比例する。最大音圧は、各マイクロスピーカのストロークに比例する。従って、長いストロークのトランスデューサを作り、なるべく多くのトランスデューサを使用することが望ましい。いくつかのデジタルトランスデューサアレイデバイスが長年にわたって開発されてきた。一の価値のある言及は、Carnegie Mellon 大学で開発されたCMOS−MEMSマイクロスピーカである。CMOSの製造プロセスを用いて、255個の四角いマイクロスピーカを有する8−ビットのデジタルスピーカチップを設計した。各マイクロスピーカは、一辺が216μmである。メンブレインは、ポリマで被覆した蛇紋AlSiOメッシュでできており、CMOS金属スタックとシリコン基板の間に変動電位をかけることによって、静電駆動することができる。平面運動から生じる結果は、音を生成する圧力波源である。各メンブレインは約10μmのストロークを有する。このような短いストロークでは不十分であり、生成した音レベルはラウドスピーカには柔らかすぎる。もう一つの問題は、デバイスが40Vの駆動電圧を必要とすることである。このような電圧は、複雑で高価なスイッチング電子部品を必要である。ここに述べたデバイスの好ましい実施例は、これらの制限のいくつかあるいは全てを克服するものであり、スイッチング電圧を高くする必要性をなくす一方で、音レベルをより大きくすることができる。
各トランスデューサの形状は、スピーカの音響性能に有意に影響しない。トランスデューサは四角、三角、あるいは、とりわけ五角形のグリッドに詰めることができる。
本発明は、通常、磁力と静電力を組み合わせて使用し、伝統的な磁性アクチュエータまたは静電アクチュエータに関連する問題を解決して、長いストロークを実現するものである。
トランスデューサアレイの移動エレメントは、通常、通電させるように作られており、磁極がトランスデューサアレイ表面に垂直になるように磁化されている。コイルはトランスデューサアレイ全体を囲んでいるか、あるいは、各エレメントに隣接して配置され、駆動力を生成する。交流電流または交流電流パルスをコイルに与えることで、交流傾斜磁場が生じ、全ての移動エレメントをこの交流電流と同じ周波数で上下させる。各移動エレメントを制御するために、移動エレメントの上に一つと、移動エレメントの下一つ、二つの電極を用いている。
コイルに流した電流は、通常、移動エレメントを上下の電極に近接近させて交互に駆動させる。小さい静電荷が移動エレメントにかかる。逆の電荷を電極の一つに与えることで、移動エレメントとその電極の間に引力が生じる。移動エレメントがその電極に非常に近い場合は、この引力は通常、コイルの磁場と引き込みばねによって生じる力より大きくなり、移動エレメントが電極にラッチされる。電荷あるいは電荷の一部を電極から除去すると、通常、コイル磁場と撓みの影響の下、移動エレメントはその他の全移動エレメントと共に動くことができる。
ある実施例によれば、アクチュエータアレイは、以下の5枚のプレート又は層で製造することができる。
上側電極層
上側スペーサ(層402と共に示されている)
移動エレメント403
下側スペーサ
下側電極層(層404と共に示されている)
いくつかの実施例によれば、アレイが大きなコイル401で囲まれている。このコイルの直径は、通常、従来技術の磁気アクチュエータに使用されている伝統的なコイルの直径よりかなり大きい。このコイルは、従来の製造方法を用いて製造することができる。
いくつかの実施例では、移動エレメントは導電性磁性材料でできている。通常は、適度の電気伝導で十分である。移動エレメントは、限定するものではないが、ゴム、シリコン、あるいは金属およびその合金を含む様々なタイプの材料を用いて作ることができる。この材料を磁化できない場合、あるいはより強い磁石が必要な場合、この材料に磁石を取り付けるか、あるいは、磁性材料で被覆するようにしても良い。この被覆は、通常、スクリーン印刷法あるいはこの分野で知られているその他の技術を用いて、磁性パウダを装填したエポキシ樹脂あるいは別の樹脂で塗布することによって行われる。いくつかの実施例では、写真印刷法で作った樹脂マスクを用いてスクリーン印刷を行うことができる。この層は、通常、樹脂/磁性パウダマトリックスを硬化させた後除去される。いくつかの実施例では、このエポキシ又は樹脂を、デバイスを強磁場にさらして硬化させて、樹脂マトリックス中のパウダ粒子を所望の方向に方向付ける。移動エレメントの幾何学的構造は変化してもよい。更に別の実施例では、移動エレメントの一部を磁石で被覆して、一方向に方向付けた磁場で硬化させ、残りの部分を後に被覆して、同じ外側磁場の下で、エレメントを反対方向に移動させる反対の磁場中で硬化させるようにしても良い。一の好ましい実施例では、移動エレメントが周りを囲む蛇紋形状の、典型的には薄箔から切り出したプレートを具えている。代替的に、いくつかの実施例では、撓み領域のみを薄くした厚い材料を、あるいは、比較的厚いプレートを撓みとしてパターン化した薄い層に接着して、用いることができる。この形状によって、箔の一部が移動する一方で、蛇紋形状が柔軟な撓みとして作球形であり、上側電極と下側電極の間の自在に移動できる。
図1Bは、本発明のいくつかの実施例によるデバイスの一部の概念図であり、完全なトランスデューサアレイ構造の概念図を提供する。図に示す実施例では、移動エレメントがピストン1010であり、これらのピストンが通常磁化されて、各ピストンの一の極102が上側に、他の極103が下側にある。通常トランスデューサアレイ構造全体に影響する磁場発生器(図示せず)が、トランスデューサアレイ全体にかかる磁場を作り、通常、ピストン101を上下に移動させて、これによってキャビティ104から空気を押出す。静電電極は、通常、各キャビティの上105と下106の両方に位置している。この電極は、ラッチ機構として作用し、各ピストンが近づくとそのストローク端に引き付けてこれを保持し、通常、ラッチが開放されるまでピストンの動きを封じ、一方で、押出された空気が容易に通り抜けるようにする。いくつかの実施例では、ピストン101が導電材料でできているか、あるいはこのような材料で被覆されている。少なくとも一のエレメント、すなわち、ピストン及び/又は静電電極は、通常、誘電体層で覆われており、破壊が生じたときにショートしないようにしている。
図2A−2Cは、まとめて、本発明の好ましい実施例によるエレメントの移動を示す図である。この実施例では、コイル(図示せず)が通常トランスデューサアレイ構造全体に巻回しており、トランスデューサアレイ全体に磁場を作って、自由に動く磁気エレメントを磁場の交番方向に応じて移動させる。これによって、通常、ピストンを上下に移動させる。
図2Aでは、磁場201が下向きである。磁場は、アレイ全体のピストン101を下側に駆動する力を作る。
図2Bでは、磁場201が変化して、上向きになっている。磁場は、アレイ全体のピストン101を上側に駆動する力を作る。
図2Cでは、上側電極205の一つに正の電荷が与えられている。正の電荷は、通常ピストン204の電子を引き付け、ピストン206の先端を負に帯電させる。反対の電荷205と206が、引力を作り、ギャップが臨界距離より小さい場合は、通常、二つのエレメントを互いに下に下げるよう作用する。磁場203の方向が再び変化して、下側を向く。ピストン204は、通常、磁気引力によって適所に保持され、一方で、残りのピストンは自由に移動し、磁場203の影響によって下に動く。この特別な実施例では、電極に与えられる電荷が正である。代替的に負の電荷を電極に与えても良く、この場合、電極が負の電荷を集めて隣接するピストンの手前に蓄積する。
図3A−3Cは、一の好ましい実施例の平面図、断面図、及び斜視図である。
いくつかの実施例では、トランスデューサアレイ全体の周囲に巻回したコイル304がアレイ構造全体に電磁場を作り、電流が流れると、電磁場がピストン302を301に持ち上げ、303に引き下げる。
図4Aは、本発明のいくつかの実施例によって構成され、作動するデバイスの分解図である。図に示すように、トランスデューサアレイ構造の分解図は、以下の主要部分を具える。
(a)トランスデューサアレイ全体の周囲のコイルが、電圧がかかったときに、アレイ構造全体に電磁場を作る。このコイルの好ましい実施例については、図9B−9Dを参照して述べる。
(b)いくつかの実施例では、上側層の構成402が、スペーサ層と電極層を具えている。ある実施例では、この層は、正確にスペースを空けて配置されたキャビティのアレイを伴う、プリント回路基板(以下「PBC」という。)を具える。各キャビティは、その上側に固定した電極リングを有する。
(c)本実施例の移動エレメント(ピストン)403は、通常、蛇紋形状で囲まれた多数の非常に正確なプレートを伴う、導電性の磁化した材料を切り取ったあるいはエッチングした薄箔でできていても良い。蛇紋形状は、箔に自由に移動させる特定の手段を与える柔軟な撓みとして作用する。
(d)下側層の構成404は、スペーサ層と電極層を具えていても良い。ある実施例では、この層は、正確にスペースをあけて配置されたキャビティアレイを伴う誘電層を具える。このキャビティは、それぞれ、通常、各キャビティの下に固定された電極リングを有する。
図5は、本発明の好ましい実施例によって構築され、動作するデバイスの一部の詳細を示す。図に示す実施例によるトランスデューサアレイの詳細な断面図に以下の構造を示す。通常、上側502と下側503に磁化層を有する正確なプレートと蛇紋形状に切り取られたあるいはエッチングされた薄箔501からなる移動エレメント(ピストン)が、正確に配置されており、各プレート形状の中央が、集合的に移動ガイドとエアダクトとして作用する上側層誘電体504のキャビティと下側層誘電体キャビティ505の各々の中央とに正確に整列している。上側506と下側507のダクトの外側エッジに銅リング(電極)ラッチ機構があり、これは、電荷が与えられると、通常、各移動エレメントを引っ張って移動エレメント(ピストン)とラッチ間を接触させて、各移動エレメント(ピストン)を、各ストロークの端部近くになったときに保持し、これによって、通常電極への静電荷電が終わってラッチが開放されるまで移動エレメントが動かないようにしている。
図6Aは、図5と同じ一部の分解図であり、この実施例では、薄箔が正確な蛇紋形状にエッチングされて、上側と下側の磁化層で取り付けた各形状の中心を有する移動エレメント(ピストン)を作り、この箔が、上側誘電体602と下側誘電体603上のミラー画像の中心におかれ、キャビティ内に封入されていることがわかる。
図7Aは、本発明の好ましい実施例によって構成され動作する蛇紋形状と移動エレメントサブアッセンブリを示す図である。薄箔の平面は、本実施例の移動エレメントが通常、正確な丸い蛇紋形状によって構成されており、形状701の中心が材料からエッチングされた形状703の撓みによって拘束されて自由に動き、これによって散在キャビティを形成することを示している。断面は、この箔が、通常、薄箔移動エレメント層の上側704と下側705に取り付けた極性が整列した磁石層を有することを示す。この実施例の代替として、磁石層を薄箔の一方の側にのみ取り付けるようにしても良い。
図7Bは、移動中の一のエレメントを示す図であり、いくつかの実施例における単一蛇紋形状の磁化した中央部分706は上側に自在に伸びているが、蛇紋状にエッチングされた撓み707によって案内され保持されている上側への移動の自由度を示す。反対方向に移動するときの蛇紋形状の反対側(下側)への移動は示されていないが、撓みが下側に伸びる。
いくつかの実施例では、各形状の中央708の上側と、各層709の下側は、同じ磁極に整列した固定磁化層である。
図8Aは、本発明の好ましい実施例によるスピーカシステムのブロック図である。いくつかの実施例において、デジタル入力信号(共通プロトコルは、I2S、I2C又はSPDIF)801が論理プロセッサ802に入力し、ここで、この信号を変換して移動エレメントを群分けするラッチ機構を決定する。群のアドレス指定は、通常、二つの主群に分かれており、一つは移動エレメントを上側にラッチし、一つは移動エレメントをストロークの下にラッチする。各群は、通常、少なくとも一の移動エレメント群で始まる論理アドレス群に更に分けられる。前群の移動エレメントの倍であるもう一つの群が続き、その前のエレメント数の倍である別の群が続き、これが、アレイ全体の移動エレメントが群分けされるまで続く。N番目の群は、2N−1個の移動エレメントを具える。
図8Aのブロック図に記載された実施例では、一のエレメント群803でなる一番上の群、二のエレメント群804、及び、4のエレメント群805、等が、トランスデューサアレイアッセンブリ中の移動エレメント総数がアドレスされてプロセッサ802から制御信号を受け取るまで示されている。
通常、同じ群分けパターンが下側ラッチ機構用に繰り返される。ここでは、一のエレメント群807の後に、二のエレメント群808が、次いで4のエレメント群809、等が、トランスデューサアレイアッセンブリ中の移動エレメント総数がアドレスされてプロセッサ802から制御信号を受け取るまで続く。
また、プロセッサ802はトランスデューサアレイ812全体の周りのコイルへの交流電流を制御して、アレイ全体にかかる磁場を作り、これを制御することもできる。いくつかの実施例では、電力増幅器811を用いてコイルへのブースト電流を制御することもできる。
図8Bは、スピーカシステムのフロー図である。デジタル入力信号803のサンプリングレートが、装置の固有サンプリングレートと異なることがあるいくつかの実施例では、再サンプリングモジュール814が信号を再度サンプリングして、これをデバイスのサンプリングレートに一致させる。さもなければ、再サンプリングモジュール814は、修正することなく信号を通過させる。
スケーリングモジュール815は、通常、信号にバイアスレベルを加算して、入力信号813の解像度がサンプルに付きMビットであると仮定して、信号のスケーリングを行い、サンプル値Xは−2(M−1)と2(M−1)−1の範囲になる。
いくつかの実施例では、図8Aに示すようにスピーカアレイがN個のエレメント群(1...Nの数字が付けられている)を有することが仮定されている。
Kは、K=N−Mであると定義される。
通常、入力解像度がスピーカ中の群数より大きければ(M>N)、Kは負であり、入力信号が小さくなる。入力解像度がスピーカ中の群数より小さければ(M<N)、Kは正であり、入力信号が大きくなる。入力解像度とスピーカ中の群数が同じ場合は、入力信号はスケーリングされず、バイアスがかかるのみである。スケーリングモジュール815の出力Yは、Y=2[X+2M−1]となる。出力Yは、最近隣数に丸められる。Yの値は、ここで、0と2N−1の範囲になる。
Yの2進値を有するビットを検証する。各ビットが異なる群の移動エレメントを制御する。最小有意ビット(ビット1)は、最小群(群1)を制御する。次のビット(ビット2)は、2倍の群(群2)を制御する。次のビット(ビット3)は、群2の2倍の群を制御する。最大有意ビット(ビットN)は、最大群(群N)を制御する。Yを有する全てのビットの状態は、通常、ブロック816、823、…824によって同時に検証される。
これらのビットは、同様に操作される。以下は、ビット1を検証する好ましいアルゴリズムである。
ブロック816では、Yのビット1(最小有意ビット)をチェックする。このビットが高であれば、その前の状態817と比較される。ビット1が以前に高であれば、群1の移動エレメントの位置を変更する必要はない。ビット1が以前に低であれば、プロセッサは、符号818、ついで符号819で示すように、磁場が上向きになるのを待って、通常、下側ラッチ機構B1を開放し、上側ラッチ機構T1を係合させて、群1の移動エレメントをデバイスの下側から上側へ移動させる。
ブロック816で、Yのビット1が低であると決定したら、ビット1を以前の状態820と比較する。ビット1が以前に低であれば、群1の移動エレメントの位置を変更する必要はない。ビット1の前の状態が高であれば、プロセッサは、符号821、ついで符号822で示すように、磁場が上向きになるのを待って、通常、上側ラッチ機構T1を開放し、下側ラッチ機構B1を係合させて、群1の移動エレメントをデバイスの上側から下側へ移動させる。
図9Aは、移動エレメントに与える様々な主な力間の典型的な関係を示すグラフである。移動エレメントに与えられている様々な力は、通常、所望の機能を達成するために互いにつりあうように調和して働く。中央に向けられる力は負の力として示されており、中央から離れる方向にエレメントを駆動する力(上向ラッチ機構あるいは下向ラッチ機構の方向のいずれも)は、正の力として示されている。
この実施例では、移動エレメントは、以下の3つの主な力によって影響を受けている。
a.磁場とハード磁石の相互作用によってできる磁力。この力の方向は、移動エレメントの磁石の極性、磁場の方向、及び、傾斜磁場に依存する。
b.通常、ある電荷を電極に与え、移動エレメントに逆の電荷を与えることによって生じる静電力。この力の方向は、移動エレメントを電極に引き付ける方向である(この図では正の方向として定義される)。この力は、移動エレメントと電極との間の距離が非常に小さくなるか、及び/又は、このギャップが誘電率の高い材料を具える場合に、有意に増える。
c.撓みによって生じる引き戻し力(バネのように作用する)。この力の方向は、常に装置の中央に向かっている(この図では負の方向として定義される)。撓みに弾性があるのでこの力は比較的小さく、普通リニアである。
これらの力間の関係は、通常、移動エレメントが次第にそのストローク端部に近づくにつれて静電力(ラッチ機構によって生じる)が増え、最終的に移動エレメントを引っ張ってラッチするのに十分な力となることを示している。ラッチが開放されると、引き戻し力と磁力は、通常、中央に向けて移動エレメントをラッチから引き離すことができ、これによって移動エレメントの移動を誘発する。移動エレメントが中央に移動すると、通常、撓みの引き戻し力がだんだん小さくなり、最終的には克服され、次いで、電磁力と移動エレメントの運動エネルギィによって制御される。
図10Aは、図8で説明したように、デジタルアドレスを目的とする移動エレメント(ピストン)に対していくつかの実施例で適用された群パターンの断面を示す図である。この実施例では、中央1001に一のエレメント群があり、次に二のエレメント群1002、次に4のエレメント群1003、次に8のエレメント群1004、次に16のエレメント群、等がある。
この実施例に示すように、できる限り、それぞれ増加する群がその前群の周りに延在するように配置されているが、この幾何学的構造を変更して、様々な音響及び/又は構造的目的物を完成することができる。例えば、トランスデューサアレイの外周へ中心を移動させることで、各群とプロセッサ802間のワイヤ配線がより容易になる(図8A−8B参照)。
図11Aは、好ましいタイミングおよび制御チャートを示す。タイミングチャートは、特定の音波形状を生成するための好ましいロジックとアルゴリズムを記載している。この記載の範囲では、時系列が符号I1、I2、他で示す二つのスロットに分けられている。この単純な例は、3群に分けた7つの移動エレメントを用いた装置を示している。第1群は、一の移動エレメント「P1」を具え、上側ラッチ機構「T1」と下側ラッチ機構「B1」によって制御される。第2群は、同期しており、互いに対して移動する二つの移動エレメント「P2」と「P3」を具える。この群は、上側ラッチ機構「T2」と下側ラッチ機構「B2」によって制御される。第2群は、同期しており、互いに対して移動する4つの移動エレメント「P4」、「P5」、「P6」と「P7」を具える。この群は、上側ラッチ機構「T3」と下側ラッチ機構「B3」によって制御される。
この図の一番上の「クロック」チャートは、システムクロックを示す。このクロックは、通常、デバイス外で発生し、音信号と一緒にプロセッサ802に送信される(図8を参照)。典型的な実施例では、デバイスのサンプリングレートは44100Hzである。このような場合、各クロックインターバルの持続期間は22μ秒であり、クロックは11μ秒後にその状態を変える。
この例で示す「信号」は、デバイスが生成するアナログ波形である。「値」チャートは、各クロックインターバルにおける信号のデジタルサンプル値を示す。「磁気」チャートは、コイルで発生した磁場の方向(極性)を示す。この極性は、システムクロックに同期して変化する。
この図面は、以下の従来のディスプレイを用いて各移動エレメントの状態を示す。上側ラッチ1101でラッチされているエレメント(「P1」...「P7」)は黒で描かれている。下側ラッチ1102ラッチされているエレメントは白で描かれており、移動しているエレメント1103にはハッチングが施されている。
デジタルサンプル値は、どれだけのエレメントがアレイの上側にラッチされており、どれだけのエレメントが下側にラッチされているかを示す。この例では、デジタルサンプル値、−3、−2、−1、0、1、2、3、及び4が可能である。各値は、それぞれ上側にラッチされている0、1、2、3、4、5、6、7個のエレメントによって表わされる。
時間スライスI1では、デジタルサンプル値は0である。これは、上側にラッチした3つのエレメントと、下側にラッチした4つのエレメントが必要である。磁場の極性は上向きである。上側ラッチ機構T1とT2が係合されており、その他は下側ラッチ機構B3である。同時に、下側ラッチ機構B1とB2は、係合が解除されており、その他は上側ラッチ機構T3である。移動エレメントP1、P2及びP3は、上側にラッチされているが、P4、P5、P6及びP7は下側にラッチされている。
時間スライスI3では、デジタルサンプル値が1に変わる。これは、上側にラッチした4つのエレメントと、下側にラッチした3つのエレメントを必要とする。磁場の極性は上向きである。下側ラッチ機構B3は、係合が解除されて、エレメントP4、P5、P6及びP7を自在に動くように開放している。一方、上側ラッチ機構T3は係合されている。これらのエレメントは、磁場の影響の下上側に移動し、現在係合しているT3によってラッチされる。
この時点で、7つの移動エレメントはすべて上側にラッチされる。次のスライスI14では、移動エレメントP1、P2及びP3が下側にラッチされ、デバイスが確実に所望の状態(4つのエレメントが上側に、3つのエレメントが下側にラッチされる)になる。スライスI4では、磁場の極性が変わって、下向きになる。上側ラッチ機構T1とT2は、係合を解除して移動エレメントP1、P2及びP3を開放する。同時に、下側ラッチ機構B1とB2が係合され、近づいてくる移動エレメントP1、P2及びP3が下側位置にラッチされる。移動エレメントP4、P5、P6及びP7は、上側ラッチ機構T3によって適所に保持され、従ってその他の移動エレメントと共に下側に動くことが抑えられる。この時点で装置は、P1、P2及びP3が下側にラッチされ、P4、P5、P6及びP7が上側にラッチされる。時間スライスI5からI4では、ラッチ機構が係合して解除され、移動エレメントを移動させ、デジタルサンプル値に応じてその状態を変化させる。
図12Aは、代替の実施例の移動エレメントの好ましい磁気特性を示す図である。移動エレメント箔の静止平面図は、移動エレメントの一つの代替の実施例を示している。この実施例では、移動エレメントの二つの区別できる群セグメント1201と1202ができており、単一のトランスデューサアレイで処理を行ってより大きな信号を、あるいは二つの別の信号を(ステレオの左右の音響信号など)交互に処理できるようにしている。断面図は、この実施例の二つの群(分離線1202で区別される)を作るために、区別できる各群セグメントが通常逆の磁性極性を有することを示している。
一つのセクション群1201では、薄箔の移動エレメントに取り付けたマグネット層が、N(N)がフォイルの上側1204に、南(S)が下側1205になるような極性となっており;第2のセクション群1202では、薄箔の移動エレメントのマグネット層は、南(S)がフォイルの上側1206に、N(N)が下側1207になる極性である。
図13は、代替の実施例における電極の群分けを示す図である。図10Aと同様に、図13は、図12Aに記載した代替の実施例についての代替のアドレス方式を示す。この場合、デジタルアドレスを行うための移動エレメントに適用する群分けパターンが、二つの一次群セグメントに分けられており、図12Aに示すように、半分が一の一次群セグメントのトランスデューサアレイであり、残りの半分が、もう一つの一次群セグメントのトランスデューサアレイである。
この実施例では、二つの同じ群があり、各々が一の移動エレメントでできた二つの群1301と1302で始まり、後に各群に2のエレメントを有する二つの群1303及び1304が続き、後に各群に4のエレメントを有する二つの群1305と1306が続き、後に各群8のエレメントを有する二つの群1307と1308が続き、後に各群16のエレメントを有する二つの群1309と1310が続き、トランスデューサアレイの全ての移動エレメントが群分けされて、アドレスされるまで同様に続く、同数の移動エレメントを有する。
この実施例に示すように、可能な範囲内で、増えてゆく各群が前群の回りに延在するように配置されるが、この幾何学的構造は、別の音響及び/又は構造的対象物を完成するために、例えば、一次群への「中心点」をトランスデューサアレイの外周の対向する側へ移動させて、各群とプロセッサ1402間の配線(図14を参照)をより容易にするよう、変更することができる。装置を二つのモードで稼働させることもできる。両群を用いて2倍の振幅の一波形を作るモノラルと、各群が別の音波を生成して、ステレオ信号の再構築を可能とするステレオである。
図14は、代替のアドレス指定を行う実施例におけるスピーカシステムのブロック図である。図14は、図12及び13に示す代替の実施例のアドレス指定を示す図である。デジタル入力信号(I2S、I2CあるいはSPDIFプロトコル)1401が、論理プロセッサ1402に入力し、このプロセッサが信号を変換して、移動エレメントの二つの一次群の各々のラッチ機構を定義する。各アドレス指定群は、上側ラッチ機構用と下側ラッチ機構用の二つの一次群に分けられる。各群は、更に、一の移動エレメントでできた群で始まり、前群の移動エレメントの二倍のもう一つの群が続き、前群のエレメント数の2倍の別の群が続き、アレイ全体の移動エレメントが全て群分けされるまで続く、論理アドレス指定群に分けられる。
図14のブロック図に示す実施例では、移動エレメントの一方の一次セグメントの上側ストロークは、一のエレメント群1403で始まり、二つのエレメント群1404、次いで4つのエレメント群1405、とトランスデューサアレイアッセンブリの全ての移動エレメントがプロセッサ1402から制御信号を受信するためのアドレス指定されるまで続く。
同じ群分けパターンが、下側ストロークにも行われ、一のエレメント群1407に続いて二つのエレメント群1408、次いで4つのエレメント群1409、とトランスデューサアレイアッセンブリの全ての移動エレメントがプロセッサ1402から制御信号を受信するためのアドレス指定されるまで続く。
同じ群分けパターンが、一のエレメント群1413で始まり、次いで二のエレメント群1414、次いで、四のエレメント群1415、と続く上側ストローク群を有する第2の移動エレメント一次セグメントについても行われ、トランスデューサアレイアッセンブリの移動エレメントの総数がアドレスされてプロセッサ1402から制御信号を受信するまで続く。
この群分けは、第2セグメントの下側ストロークにも行われ、一のエレメント群1417で始まり、二つのエレメント群1418、次いで4つのエレメント群1419、とトランスデューサアレイアッセンブリの全ての移動エレメントがプロセッサ1402から制御信号を受信するためのアドレス指定されるまで続く。
プロセッサ1402は、両一次セグメント1412を含めて、通常トランスデューサアレイ全体を囲んでいるコイルへの交流電流の制御も行い、アレイ全体にかかる磁場を生成して制御する。いくつかの実施例では、電力増幅器1411を用いてコイルへの電流をブーストするようにしても良い。
図15Aは、代替の実施例のタイミングチャート及び制御チャートである。タイムチャートは、論理とアルゴリズムを表しており、図12乃至14に記載された代替の実施例における特定の音波形を生成するのに用いることができる。ディスプレイ規約は、図11Aで使用したものと同じであり、同じ信号が再生される。
時系列は符号I1、I2、他で示すスロットに分けられている。この単純な例は、二つの主群(L及びR)に分け、更に3つの副群1、2及び3に分けた、14の移動エレメントを使用する装置を示す。
デジタルサンプル値は、いくつのエレメントが上側にラッチされており、いくつのエレメントが下側にラッチされているかを示す。この例では、−3、−2、−1、0、1、2、3及び4のデジタルサンプル値が可能である。各値は、0、2、4、6、8、10、12及び14のエレメントでそれぞれ表され、上側にラッチされている。
時間スライスI3では、デジタルサンプル値が0から1に変わる。これには、上側に8つのエレメントがラッチされており、下側に6つのエレメントがラッチされている必要がある。磁場の極性は上向きである。上側ラッチRT1とRT2、並びに下側ラッチLB3は、係合が解除されており、エレメントRP1、RP2、RP3、LP4、LP5、LP6及びLP7を解放して自由に移動するようにする。LP4、LP5、LP6及びLP7の磁気極性は上向きの力を作り、これらのエレメントを上向きに駆動する。RP1、RP2及びRP3の磁気極性は下向きの力を作る。同時に、エレメントの移動と反対のラッチ機構が係合されて、近づいてくる移動エレメントをつかみ、適所でラッチする。
時間スライスI4では、磁場の極性が変わって、下側を向く。上側ラッチLT1とLT2、並びに下側ラッチRB3の係合が解除され、エレメントLP1、LP2、LP3、RP4、RP5、RP6及びRP7を解放して自由に移動するようにする。RP4、RP5、RP6及びRP7の磁気極性は上向きの力を作り、これらのエレメントを上向きに駆動する。LP1、LP2及びLP3の磁気極性は逆向きであり、駆動力は下向きである。同時に、エレメントの移動に対向するラッチ機構が係合されて、近づいてくる移動エレメントをつかみ、適所でラッチする。
時間スライスI5乃至I14では、ラッチ機構が係合され、係合が解除され、移動エレメントを動かし、デジタルサンプル値に応じてその状態を変える。
図15Cは、ピッチが異なる3つの音のグラフII−IV(22KHz、11KHz及び4.4KHz)の生成を示す。グラフIは、システムクロックであり、図に示す例では、44KHzである。図に示す実施例では、これらのピッチを生成するのに使用するスピーカが2047個の移動エレメントを有する。22KHzの音(クロックの半分)を生成する場合、2047エレメント全てが、各クロックで位置を変える(上側から下側へ、あるいは逆に)。11KHz(クロックの四分の一)の音を生成する場合、2047個の移動エレメントの半分が、各クロックで位置を変える。例えば、第1のクロックでは2047個の移動エレメント全てが上側位置にあり、第2のクロックでは、1023個が下側となり、第3のクロックでは残りの1024個のエレメントが下側となり、第3のクロックでは1023個のエレメントが立ち上がり、第5のクロックでは、残りの1024個のエレメントが立ち上がり、これを続ける。4.4KHz(クロックの1/10)の音を生成する場合は、各クロックで上側位置にあるエレメントの数(1340、1852、・・・)がグラフIVの上側に示されており、一方、各クロックで下側位置にあるエレメントの数(707、195、・・・)がグラフIVの下側に示されている。
図16Aは、移動エレメントのサブアッセンブリの一部を示す。
図16Aと16Bは、別の実施例の移動エレメントを示す図である。
図16Aに示す実施例は、正確な丸い蛇紋形状にエッチングして、形状1602の中心のこの形状の撓みによって制限される自由移動を可能にした、薄箔材料1601で構成した移動エレメント(ピストン)である。
図16Bは、可撓性基体を用いた、移動エレメントサブアッセンブリの別の実施例の一部を示す。この実施例は、ゴムポリエチレン材料1603など、十分に弾性のある材料で構成した移動エレメント(ピストン)であり、これは、材料表面の上側と下側に特定の形状及び寸法の磁性材料堆積を有するか、特別な寸法の磁化ディスク1604に材料が固定されているかいずれかであり、材料自身によって制限される自由移動が可能である。
図2Cは、自由に動く構成要素を用いた、移動エレメントサブアッセンブリの別の実施例の一部を示す。この実施例は、各端部の極性が逆である磁化材料で構成した自由に動く移動エレメント(ピストン)である。この特別な実施例では、Nが上であり、Sが下である。
図3Bは、ハニカム設計に基づくいくつかの実施例における完体トランスデューサアレイ構造の平面図である。これによると、表面積の48%の充填率となる。図17は、四角い設計に基づく完体トランスデューサアレイ構造の平面図であり、これによると、表面積の38%の充填率となる。
図18は、四角形エレメントを用いた実施例の一部の分解図である。この実施例は、充填率を上げることを意図し、トランスデューサ領域ごとの音圧レベルをより高くする、四角形エレメントを用いたトランスデューサアレイ構造を示す。
前述の実施例にあるものと同じ構造エレメントが用いられている。コイルがトランスデューサアレイ全体を囲んでいる(図示せず)。電圧がかかると、アレイ構造全体にコイルが電磁アクチュエータ力を生成する。
上側層構造は、通常、正確にスペースを空けて配置され、電極リングを有するキャビティ1802のアレイを伴う誘電層を具えており、各キャビティの上側に固定された静電ラッチ機構1801を作っている。
この実施例の移動エレメント(ピストン)は、多数の非常に正確な「蛇紋」形状にカットされた、あるいはエッチングされた導電磁化材料でできた薄箔を具える。この形状は、箔に、上側1804及び下側1805を磁化した移動を自在にする特別な手段1803を与える。各移動エレメントは、4つの撓みによって案内され保持される。
下側層構造は、通常、正確にスペースを空けて配置され、電極リングを有するキャビティ1802のアレイを伴う誘電層を具えており、各キャビティの上側に固定された静電ラッチ機構1807を作っている。
図19は、複数(アレイ)のデバイスを含む装置を示す図である。この構造は、アレイトランスデューサ1902のいくつかの実施例を複数使用して、より大きな音圧レベルを作ることができるデバイス1901の形成、あるいは、指向性音波を作るビーム形成技術(本発明の範囲を超える)を使用することを示す。
このアレイは、所望のどのような形状を有していてもよく、記載されている丸い形状は、例示のためのものである。
本発明の一実施例によって構築され作用し、図1B、2A−2C、3A−3C、4A、5、6A、7A−7B、8A−8B、9A、10A、11A、12A、13、14、15A、16A−C、17−19を参照して上述したデバイスについて、より一般的には、図1Aを参照して、更に詳細に説明する。代替の実施例も記載されている。
図1Aを参照すると、物理的効果を生成するアクチュエータ装置の単純化した機能ブロック図であり、少なくとも一の属性が、クロックに基づいて定期的にサンプリングされるデジタル入力信号の少なくとも一の特性に対応する。本発明の好ましい実施例によれば、図1Aの装置は、少なくとも一のアクチュエータデバイスであって、各アクチュエータデバイスが、それぞれが移動エレメントアレイ10にかいかる交流電磁力に応じてそれぞれの軸に沿って尾交互に往復移動するよう拘束されている移動エレメントのアレイ10を具える。各移動エレメントは、電磁力に応答するように構成され、作動する。従って、各移動エレメントは、導電体を具えていてもよく、磁性強誘電体材料でできていてもよく、例えば、図6Cに示すように、永久磁石を具え、耐電流コイルを具えていてもよい。
ラッチ20は、少なくとも一のラッチ位置において、移動エレメント10の少なくとも一のサブセットを選択的にラッチするように作動し、これによって、個別移動エレメントが電磁力に応答しないようにしている。電磁場コントローラ30は、クロックを受信するように機能し、従って、電磁場発生器40による移動エレメントアレイへの電磁力の提供を制御する。ラッチコントローラ50は、デジタル入力信号を受信して、これによってラッチを制御するように機能する。ラッチコントローラ50は、少なくとも一のラッチ制御操作モードで、多数の移動エレメント10を設定するよう機能する。これらのエレメントは、例えばコイル40などの磁場発生器によって生じた実質的に音の強度に比例する電磁力に自在に応答して振動し、受信するデジタル入力信号にコード化される。好ましくは、デジタル入力信号にコード化した音の強度が、正の極大にあるとき、全ての移動エレメントが第1の非常に極端な位置にラッチされる。デジある入力信号にコード化された音の強度が負の極値にある場合、全ての移動エレメントが第2の、逆の、非常に極端な位置にラッチされる。
好ましくは、例えば音などの、入力信号に似た物理的効果が、ここに記載されているように、例えば上側位置などの極端な位置にある複数の移動エレメントを、通常、以下に詳細に述べるように再サンプリングとスケーリングを行った後、デジタルサンプル値に合致させることによって達成される。例えば、デジタルサンプル値が現在10であれば、ME1、....ME10と呼ばれる10個の移動エレメントがその上側位置にある。デジタルサンプル値が13に変わると、ME11、ME12及びME13と呼ばれる3つの追加移動エレメントが上側位置へ立ち上がり、これを反映する。次のサンプル値が、また13であれば、これを反映するために移動エレメントを移動させる必要はない。デジタルサンプル値が16に変わると、ここでは、M14、M15、及びM16と呼ばれる3つの別の移動エレメント(ME11、ME12、及びME13はすでに上側位置にあるので)が上側位置に立ち上がり、これを反映する。
いくつかの実施例では、以下に詳細に述べるように、移動エレメントが群で集合的に動作するよう構成されている。例えば、それぞれ1、2、4、8、16の移動エレメントを有する群で作動するように構成された31の移動エレメントのように、移動エレメントの数がすべて2の順次の指数である群セットである。この場合、上述の例を使うと、サンプル値が10であるとすると、8と2の移動エレメントを含む二つの群がそれぞれ上側、すなわち、これらの全ての移動エレメントが上側位置にある。しかしながら、サンプル値が13に変わると、3つの移動エレメントを下側位置から上側位置に直接的にシフトさせることは通常現実的でない。なぜなら、この例では、二値の群分けを行っているため、これは1および2の移動エレメントをそれぞれ含む二つの群を立ち上げることによってのみ行うことができるが、2つの移動エレメントを含む群はすでに立ち上げられているからである。しかし、上側ピクセルの数がサンプル値13に合致しないことになる。13=8+4+1であるので、4と1のピクセルを含む2つの群が立ち上がり、2ピクセルを含む群は下がって、正味の圧力変化は+3となり、これによって、通常再サンプリングとスケーリングの後、所望する入力信号に似た音を生成する。
より一般的に言うと、上側などの第1の極端な位置に向けて移動する移動エレメントは、ここで正の圧力と呼ぶ第1の方向に圧力を発生する。下側などの反対側の極端な位置に向けて移動する移動エレメントは、ここで負の圧力と呼ぶ逆の方向に圧力を発生する。正又は負の圧力のある値は、適宜数の移動エレメントを相当の方向に移動させることによって、あるいは、n個の移動エレメントを相当の方向に移動させ、残りのm個を逆の方向に移動させることによって得ることができる。差n−mは、通常、再サンプリングとスケーリングの後、例えば、サンプリングしたデジタル値と等しくなるようにする。
移動エレメントは、通常、シリコン、または金などの金属で被覆したシリコンなど、少なくとも中程度の導電性がある材料で形成される。
移動エレメントが、永久磁石を具えている場合、その永久磁石は通常製造工程で磁化され、磁極が所望の移動軸と同一線上にあるようにする。通常トランスデューサアレイ全体を囲んでいるコイルが、作動力を生成する。各移動エレメントを制御するには、通常、例えば一方が移動エレメントの上で、他方が下にある、二つのラッチエレメント(通常、静電ラッチまたは「電極」を具える)を用いる。
一の実施例によれば、アクチュエータがスピーカであり、移動エレメントアレイ10が流動媒体中に配置されている。コントローラ30と50は、デジタル入力信号の少なくとも一つの特徴に対応する音の少なくとも一の属性を規定するよう作動する。この音は、少なくとも一の波長を有し、これによってその音に存在する最も短い波長を規定し、各移動エレメント10は、通常、移動エレメントの軸に垂直な断面であって、その最大寸法を規定する断面を規定する。各断面の最大寸法は、通常、最短波長に比較して、例えば、最短波長より一桁小さい。図1Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する移動エレメントアレイ10を示す斜視図である。この実施例では、各移動エレメント10が磁石を具え、各々のマグネットはラッチされて、磁場発生器40によって移動エレメントアレイ10に与えられる交流電磁力に応じて各軸にそって交互に前後動する場合を除いて、移動が制限されている。
図1C−1Gは、ラッチエレメント72、73、74、76及び77を簡単にした平面図である。いずれも、同じものあるいは同じでないものと組み合わせて、本発明の代替の実施例による静電ラッチ20を形成する。少なくとも一のラッチエレメント72は、図1Cに示すような穿孔構造を有している。図1Dでは、切り欠き構造を有するラッチエレメント73が示されており、ラッチのとがった部分に帯電を集中させ、対応する移動エレメントにかかるラッチ力を高めるようにしている。図1Eでは、少なくとも一のラッチエレメント74が、中央領域75を有しており、空気の通過を妨げて空気が逃げるのを遅らせ、移動エレメント10とラッチエレメント自体の接触を和らげる構造をしている。少なくとも一のラッチエレメント76は、図1Fと、図1Bに例示するようにリング形状を有する。図1Gのラッチエレメント77は、更なる実施例を示しており、これは、少なくとも一の半径方向に伸びるみぞ78を設けて、ラッチに誘発される電流を排除するようにしていること以外、図1Eのラッチエレメント74と同じである。
図2Aは、図1Aのコイル、またはその他の磁場発生器40によって下側にかかった電磁力に応じて、第1の最も下側位置にある、図1Bのアレイを示す図である。図2Bは、図1Aのコイルまたはその他の磁場発生器40によって上側にかかった電磁力に応じて、第2の最も上側位置にある、図1Bのアレイを示す図である。図2Cは、個別移動磁石204の一つが、当該個別磁石が個別移動エレメントの上の対応する電荷によって最も上側位置にラッチされており、上側ラッチとして機能しているため、磁場発生器40によって与えられた上側に向けた力に応じていないことを除いて図2Bと同じである。図1A−2Cの実施例では、ラッチ20は静電ラッチであるが、必ずしもそうでなくてもよいことは自明である。
通常、図2A−2Cの装置は、各移動エレメントについて一対のラッチエレメント205を具えている。ここでは簡単にするために「上側」及び「下側」ラッチエレメントと呼ぶが、必ずしもそうでなくても良く、このラッチエレメントは一又はそれ以上の電極と、この電極を分離するスペース維持器220を有する。ラッチ20が静電ラッチである実施例では、スペース維持器220は絶縁材料で形成することができる。
ラッチエレメントの各対は、個別移動エレメント10を、ここで第1及び第2のラッチ位置、あるいは、単純に「上側」及び「下側」ラッチ位置と呼ばれる二つのラッチ位置の内の選択可能な一方の位置に選択的にラッチするよう機能して、これによってこの移動エレメントが電磁力に応答しないようにしている。各移動エレメント10がそれに沿って移動する軸が、第1のハーフ軸と第2の同一線上のハーフ軸を具えているとされる場合、例えば、図2A−2Cに示すように、第1のラッチ位置は通常第1のハーフ軸内にあり、第2のラッチ位置は通常第2のハーフ軸内にある。
図3A−3Cは、移動エレメント10の歪曲アレイの平面、断面及び斜視図であり、エレメントは、例えばアレイ周囲に巻回したコイル40によって、それぞれ移動エレメントアレイ10に与えられた交流電磁力に応じて、各軸に沿って交互に往復移動するように制限されている。図4Aは、層状アクチュエータデバイスの分解図であり、このデバイスは、コイル401によって移動エレメントアレイ403に与えられた交流電磁力に応じて各軸に沿って交互に往復移動するように制限されている移動エレメントアレイ403と、少なくとも一の層として形成されており、少なくとも一のラッチ位置に移動エレメント403の少なくとも一のサブセットを選択的にラッチするように機能して、ここの移動エレメント403が電磁力に応答しないようにするラッチと、を具える。通常、この電磁力は、図に示すようにアレイ403を囲むコイル401を用いて生成する。
このラッチは通常、上側ラッチ層と下側ラッチ層である一対の層を具え、電荷が与えられると、ここに述べたとおり移動エレメントが適宜の電磁場にある場合、移動エレメントを最も上側位置と最も下側位置にそれぞれラッチする。各ラッチ層402と404は、図5−6Aに詳細を示すとおり、通常、電極層とスペーサ層を具える。スペーサ層402と404は、一般的に、好適な誘電材料で作ることができる。選択的に、フェライト又は強磁性体粒子を誘電材料に加えて、磁石層の磁石間の望ましくない相互作用を低減することができる。
図5−6Aでは、撓みと、環状磁石または導電体又は強磁性体が設けられているが、これが限定を意図するものでないことは明らかである。例えば、代替として、その他の形状の磁石を設ける、あるいは環状エレメントに代えてコイルを設け、撓みのない自由移動エレメントを設ける、あるいは移動エレメントが周辺弾性部分、または可撓性部分を有するようにする、あるいは、周辺弾性部分または可撓性部材と関連させる、などしてもよく、これらは個々に詳細に述べられている。
図4Bは、本発明の好ましい実施例によって作動する好ましい作動方法の簡単なフローチャートである。図4Bでは、少なくとも一の属性が、システムクロック信号によって周期的にサンプリングされる、デジタル入力信号の少なくとも一の特性に対応する物理的効果が発生する。図に示すように、例えば、磁場発生器40による移動エレメントアレイ10に与えられた交流電磁力に応じて軸15(図1B)に沿って各々が交互に往復移動するよう制限された少なくとも一の移動エレメントアレイ10を提供するステップ(ステップ450)を具える。ステップ460では、移動エレメント10の少なくとも一のサブセットが、ラッチ20によって少なくとも一のラッチ位置に選択的にラッチされ、これによって、ここの移動エレメント10が磁場発生器40によって与えられた電磁力に応答しないようにしている。ステップ470では、システムクロック信号が受信され、従って、移動エレメントアレイへ与えられる電磁力が制御される。ステップ480では、デジタル入力信号を受信すると、ラッチステップ460がこれによって制御される。通常、上述したとおり、ラッチ20は一対の層を具え、各層は、静電ラッチエレメントアレイを具え、絶縁材料でできている少なくとも一のスペース維持層が静電ラッチ層を分離している。通常、このラッチと少なくとも一のスペース維持器は、PCB製造技術を用いて製造される(図4B、ステップ450)。移動エレメントアレイは、通常、一対の誘電スペーサ層によって磁石層から隔てられている一対の電極層の間に挟まれた磁石層403を具える。通常、これらの層の少なくとも一つは、ウエハボンディング技術、層ラミネート技術、及び/又はPCB製造技術、及び/又はこれらの技術の組み合わせを用いて製造される(図4B、ステップ455)。
図5は、本発明の好ましい実施例によって構成され作動する図4Aのアクチュエータデバイスの斜視図である。この例では、移動エレメントアレイ10は薄箔でできており、各移動エレメントは、それを取り巻く一体的に形成された撓み606によって制限されている。この撓みは、通常、切り取り部分702がちりばめられている箔部分703を含む。図6Aは、図5のアクチュエータデバイスの一部の分解図である。
面を規定するには少なくとも3つの撓みが必要であるため、本発明の好ましい実施例によれば、3つの撓みが設けられている。ここに記載されている移動エレメントの場合は、これらの撓みによって規定される面は、通常、移動エレメントの動きの望ましい軸に対して直交する面であるか、あるいは、移動エレメントを所望の軸に沿って移動するよう制限する好適に選択された面である。
一般的に、この撓みの面積を最小にして、移動エレメント自体のデバイスに使える面積を有効に使うことが好ましい。なぜなら、作動プロセスは、デバイスの機能性という観点からは、撓み領域が上にくるように、移動エレメントによって実行されるからである。例えば、アクチュエータがスピーカである場合は、移動エレメントが空気を押して、これによって音を作るが、これを規定している撓みとギャップは音を作らない。従って、撓みのトータル長さが、移動エレメントの周辺部と同様である(例えば、移動エレメントの周辺部の2倍であるのとは逆に)ことが一般的に望ましい。従って、撓みの総長をこのように処理し、続いて、より大きな撓みが提供されるほど、各撓みがより小さくなって、同じ移動の下で、より大きいストレスへと移動する、すなわち、移動エレメントの移動振幅が同じになるようにすることが好ましい。
この結果、例えば、移動エレメントの移動軸に垂直な面を規定するには、3つの撓み、すなわち、移動エレメントを確実に保持するのに必要な最少数の撓みのみを提供することが好ましいと考えられる。
本発明の好ましい、空気もれの少ない実施例によって構成され作動する、移動エレメント、ラッチ、およびスペーサエレメントのアッセンブリをそれぞれ示す分解斜視図である。空気漏れとは、移動エレメントの上のスペースから移動エレメントの下スペースを通過する空気、あるいは逆に通過する空気を意味する。
図6Dは、図6B−6Cの装置の断面図であり、最も上側、最も下側、及び中間位置610、620、630にある3つの移動エレメント10をそれぞれ示す。図6Eは、図6Dの説明である。通常、図6B−6Eの実施例では、移動エレメントの少なくとも一つは、少なくとも一つの撓みを通る空気漏れを防ぐように構成されている。図に示すように、少なくとも一のスペース維持器640が、移動エレメントアレイ10とラッチ機構20との間に配置されており、このスペース維持器は、断面を有するシリンダ660を規定しており、少なくとも一の移動エレメント10が細長エレメント670を具え、このエレメントの断面は、撓みとその上に装着され、断面がシリンダ660の断面と同じであるヘッドエレメント680を回避するのに十分に小さい。簡単にするために、撓み606の一部を示している。
図7Aは、図5−6Cの移動エレメント層の部分的平面図である。図7Bは、図7Aに示すA−A軸に沿った図5−6の移動エレメントの断面図である。図7Cは、図5−7Bの移動エレメント層の斜視図であり、個別移動エレメントがその最も上側位置に向けて上方向に移動しており、撓みが曲がって、薄箔の面の外へ上側に延在している。図7A−7Cに示すように、図1Aの移動エレメント10の少なくとも一つは、周辺部706を規定する断面を有し、この周辺部に取り付けた少なくとも一の撓みによって拘束されている。通常、少なくとも一の移動エレメント10と、通常蛇紋状の拘束撓みは、単一のシート状材料でできている。代替的に、図16Bに示すように、少なくとも一の撓み1605を弾性材料で作るようにしてもよい。撓みベースの実施例が、本発明の一つの可能性のある実施例に過ぎないことは明らかである。反対に、例えば図1Bに示すように、各移動エレメントは、単純に、自由に動くエレメントを具えている。
図7Dは、本発明の代替の実施例によって構成され稼動する移動エレメント層の斜視図である。図7Eは、個別移動エレメントの撓みが抑制された中央部分705の側面図である。図7D−7Eの実施例では、図1Aの移動エレメント10は、図5−7Cの実施例のディスク状永久磁石502ではなく、典型的な環状永久磁石710を具える。通常、各移動エレメント10は、第1及び第2の対向する通常円形の表面であって、移動エレメント軸715の第1及び第2の終点713と714に対向する表面711と712を有し、少なくとも一の永久磁石710は、第1及び第2の円形表面711と712の少なくとも一方の上に配置されている。二つの永久磁石710が設けられている場合は、この二つは、図7Eに示すように、同じ極が同じ方向を指すように配置される。
図8Aは、特別な例の、図1Aのラッチコントローラ50によるラッチ20と、図1Aのコントローラ30による通常コイルで誘発する電磁力の制御を示す制御図である。この例では、移動エレメント10は、各々選択的に、集合的に作動することができる群G1、G2、・・・GNに配置されており、ラッチ層の各ラッチは、通常永久磁石と連結しており、ラッチ層中のこの永久磁石の全ての極は、すべて同じに配置されている。このラッチは通常、各群または各群の各移動エレメントについて、上側ラッチと下側ラッチを具えている。群Gk(k=1、...、N)についての上側及び下側ラッチは、それぞれ、Tk及びBkとする。図8Aでは、二つのコントローラがプロセッサ802に実装されている。
図8Bは、好ましい方法を示すフローチャートであり、これによると、図1Aのラッチコントローラ50が入ってくる入力信号801を処理して、その群の移動エレメント10のラッチ20をそれによって制御することができる。略号「EM」は、関連する群の移動エレメントに対して、関連する矢印の方向に応じて上側または下側にかかる電磁力を表わす。図8に示す実施例では、時間tにおいて、再スケーリングしたPCM信号のLSBが1である場合(ステップ816)、これは、群G1のスピーカエレメントが選択された端部位置にあることを示す。群G1が選択された端部位置にすでにある場合は(ステップ817)、それ以上の動きは不要であるが、群G1が選択された端部位置にない場合は、ラッチコントローラ50が電磁場が上向きになるのを待ち(ステップ818)、セットされたB1の下側ラッチを開放し、セットされたT1の上側ラッチを係合させる(ステップ819)。これは、変更すべきところを変更した、その他の全ての群G2、...、GNにも該当する。
図8Bでは、上向のあるいは下向きの矢印が続く表記TkまたはBkは、移動エレメントの、k番目の群の上側あるいは下側ラッチ(TまたはB)のラッチあるいは開放(上向き矢印または下向き矢印)を表わす。
図8Cは、図8Aのプロセッサ802などの、プロセッサの簡単にした機能ブロック図である。このプロセッサは、ここに述べる静電ラッチ機構を有するいずれかのアクチュエータデバイスを実質的に制御するのに有用である。図8Cの実施例では、単一のプロセッサが電磁場コントローラ30とラッチコントローラ50の両方を実装している。電磁場コントローラ30は、通常、典型的に矩形波であるシステムクロック805を受信して、周波数と位相が同じサイン波を生成し、これを作動信号としてコイル40に提供している。DSP810は、例えば、適宜プログラムされた、Texas Instruments 社から商業的に入手可能なTI6000デジタル信号プロセッサを具える。DSP810のプログラムは、フラッシュメモリなどの適宜のメモリチップ820に書き込むようにしても良い。少なくとも一のラッチ制御動作モードにあるラッチコントローラ50は、コイル40によって与えられた電磁力に応じて自在に振動する移動エレメントの数を、デジタル入力信号のコード化された音の強さに実質的に比例するように設定するよう作動する。
電磁場コントローラ30は通常、移動エレメント10のアレイ全体の周りに巻回したコイル40への交流電流を制御して、アレイ全体にかかる磁場を作り制御する。いくつかの実施例では、電力増幅器811は、電流をコイル40にブーストするのに使用することもできる。電磁場コントローラ30は、通常、交流電磁力を発生する。この交番は、図11A、グラフIを参照して以下に詳細に述べるように、システムクロック805と同期している。
ラッチコントローラ50は、デジタル入力信号801を受信して、これによってラッチ機構20を制御するように作動する。通常、各個別移動エレメント10は、クロックにつき、すなわち、一の与えられたクロック間に、最大一の遷移を実行し、各移動エレメントが、その下側位置から上側位置、あるいは、その上側位置から下側位置に移動することができるか、あるいは、これらの二つの位置のいずれか一方に留まっていても良い。ラッチコントローラ50の好ましい動作モードを、図11Aを参照して以下に述べる。本発明の好ましい実施例によれば、移動エレメント10をその適宜の端部位置に保持する力は、ラッチコントローラ50によって影響を受ける。
好ましくは、ラッチコントローラ50は、ここで「制御群」と呼ぶ、移動エレメント群に作動する。所定の移動エレメント群の全ての移動エレメントは、その上側位置、または下側位置のいずれかへ選択的にラッチすることができ、あるいはラッチしなくともよい。好ましくは、「制御群」は、シーケンスG1、G2・・・を形成しており、各制御群Gkのスピーカエレメントの数は、例えば2といった整数の(k−1)乗であり、これによって、所定数を例えば2、10又は別の好適な整数の指数の和として表わすことができるので、好ましい数のスピーカエレメントを上側、下側にラッチしたとき、あるいはいずれでもないときに作動させることができる。スピーカエレメントの総数が、2047といった2の整の乗数(N)より小さくなるように選択されている場合、スピーカエレメントの総数を制御群の整数、すなわちNに区分化することができる。例えば、2047個のスピーカエレメントがあれば、シーケンスG1、G2、、、の制御群の数は11である。
この実施例では、再スケーリングを行ったPCM信号の個別の値を、2の乗数の和として表わすことができるので、適宜の制御群の全ての部材を集合的にその端部位置に運ぶことによって、選択された端部位置に好適な数のスピーカエレメントを常に配置することができる。例えば、時間tにおいて、再スケーリングを行ったPCM信号の値が100であれば、100=64+32+4であるので、群G3、G6、及びG7は共に、ちょうど100のスピーカエレメントを含んでおり、従って、時間tにおいては、これらの3つの群の全ての部材が集合的に、「上側」または「下側」位置といった選択された端部位置に運ばれ、同時に、これらの3つの群以外の全ての群の全ての部材は、「下側」または「上側」位置といった、選択されなかった端部位置に集合的に運ばれる。各移動エレメントが、選択的に好適な局所性電力を与えることによって通常発生し、「下側」及び「上側」位置にそえをラッチするのに関連する下側及び上側ラッチを有することが好ましい。群Gkのスピーカエレメントの下側及び上側ラッチセットを、それぞれ、Bk及びTkラッチと呼ぶ。
図8Dは、図1A−8Cの装置を始動するための好ましい方法の簡単なフローチャートである。図8Dによれば、移動エレメント10のアレイは、移動エレメントアレイ中の各移動エレメント10を少なくとも一のラッチ位置に運ぶことを含む、開始動作におかれている。ここに述べるように、上側及び下側の両ラッチ位置は、通常、各移動エレメント10について設けられており、この場合、アレイの各移動エレメントを少なくとも一のラッチ位置に運ぶステップは、通常、アレイの第1の移動エレメントサブセットをその上側ラッチ位置に運び、アレイの残りのエレメント全てを含む第2のサブセットをその下側ラッチ位置に運ぶステップを具える。第1及び第2のサブセットは、好ましくは、第1及び第2のサブセット中の移動エレメントが、その上側及び下側ラッチ位置にそれぞれあるときに、第1のサブセットの移動エレメント10によって変位する空気などの流体によって生じる総圧力が、第2のサブセットの移動エレメントによって変位する空気などの流体によって生じる総圧力の方向と、大きさが同じで方向が反対になるように選択される。
移動エレメント10は、通常、予め決められた極性を有する電荷を負担し、各移動エレメントは、製造誤差によってその他の移動エレメントのものとわずかに異なる傾向にある個別の固有振動周波数を規定し、これによって、移動エレメントアレイについて、42−46KHzといった、固有振動周波数レンジを規定する。ここに述べるように、通常は、第1及び第2の静電ラッチエレメントが設けられており、これは、移動エレメントを上側及び下側ラッチ一にラッチするように作用し、移動エレメントのアレイを動かすステップは以下のステップを具える。
ステップ850: 極と反対の極性を有し、移動エレメントの上にあり、ラッチに対向する第1のサブセットに含まれる各移動エレメントの第1の(上側または下側)静電ラッチをチャージする。第1及び第2のサブセットは、それぞれ、移動エレメントの総数の50%を具える。
ステップ855: 極と反対の極性を有し、移動エレメントの上にあり、ラッチに対向する第1のサブセットに含まれる各移動エレメントの第2の(下側または上側)静電ラッチをチャージする。
ステップ860: 上述したとおり、移動エレメントは、ある固有振動周波数fを有するように設計されている。設計ツールには、有限要素解析(FEA)ソフトウエアなどのコンピュータ支援モデリングツールが含まれる。ステップ860では、移動エレメントが配置されている電磁場の交番のタイミングを決定するシステムクロックの周波数、fCLKが、fmInと呼ばれ、通常、実験的に、あるいはコンピュータ支援モデリングによって決まる、最も低い固有振動周波数を有するアレイ中の移動エレメントの固有振動周波数にセットされる。
ステップ865−870: システムクロック周波数は、初期値fmInからΔfで分けられた順次の周波数値へ、システムクロック周波数がfmaxと呼ばれ、通常、実験的に、あるいはコンピュータ支援モデリングによって決まる最も高い固有振動周波数を有するアレイの移動エレメントの固有振動周波数に届くまで、単調にあがってゆく。しかしながら、代替的に、システムクロック周波数が、fmaxからfmInへ、単調に下がって言っても良いし、非単調に変化してもよいことは自明である。
移動エレメント10が固有振動周波数frで励起され、移動エレメントが各サイクルで、以下、Amaxと呼ぶ所定の最大振幅になるまで、振幅が大きくなることは自明である。通常、移動エレメントがAmaxに届くのに必要な期間Δtは、セットアップの間に記録され、初期化シーケンスの間にかかる磁力は、Amaxが、移動エレメントがそのアイドル状態から上側または下側ラッチに移動するのに必要とするギャップの2倍になるように選択される。
Qファクタあるいは線質係数は、振動する物理的システムの振幅の崩壊にかかる時定数を振動周期に比較する既知のファクタである。同等に、システムが振動する周波数を、エネルギィを消失するレートと比較する。より高いQは、振動周波数に対するエネルギィの消失レートがより低いことを意味する。好ましくは、移動エレメントのQファクタが、コンピュータによって、あるいは実験的に決定される。決定されたQファクタは、fCLKが、振幅がAmaxの50%に落ちる前に、f(二つの値が可能であり、一つはf以下であり、もう一つはf以上である)からどのくらいはなれる必要があるかを表わしている。可能な二つの値の差は、Δfである。
上述のステップの結果として、交番極性の電磁力シーケンスが移動エレメントに適用される。同じ極性の力を連続的に適用する間の時間インターバルは、システムクロックに与えられる変化によって、時間がたつと変化し、これによって、シーケンスが変化する周波数レベルを規定する。この結果、時間tにおいて、個別の固有振動周波数が、時間tにおける周波数レベルに十分に等しい全ての移動エレメントの振動振幅が増加する。この周波数レベルは、固有振動周波数が現周波数レベルと同じである全ての移動エレメントセットSを、電磁場交流周波数レベルがその自然鏡面周波数と同じでなくなって、移動エレメントセットSの振動振幅の上昇を中断する前に、ラッチさせることができるよう、十分にゆっくり(すべての繰り返しで同じであってもよく、同じでなくても良い、好適なインターバルΔt後にのみ)と変化する。周波数レベルの変化の度合いは、固有振動周波数レンジに対応する。通常、初期化シーケンス(ステップ872)の終わりに、システムクロックfCLKは、予め規定されたシステム周波数に設定され、これは通常、アレイの移動エレメントの平均あるいは中央の固有振動周波数、すなわち、44KHzである。
移動エレメントの固有振動周波数レンジを決定する一つの方法は、振動計を用いて移動エレメントのアレイを調べて、異なる周波数でアレイを励起することである。
図8Eは、本発明の好適な実施例によって構成され機能する組み立てたスピーカシステムの簡略した斜視図である。PCB2100に装着されているのは、ラッチエレメント20の間に挟まれた移動エレメント10(図示せず)を含むアクチュエータエレメントのアレイである。このアレイは、コイル40によって囲まれている。プロセッサ802のラッチコントローラ50(図示せず)によって生成されたラッチ制御信号がラッチエレメント20へ移動する制御ライン2110が示されている。コネクタ2120は、図8Eの装置をデジタル音源に接続する。簡単にするために、電源部分などの従来の構成要素は図示していない。
本発明の一実施例によって構成され、機能する装置を用いて音を生成する好ましい動作方法が図8Fに示されている。図8Fの方法は、好ましくは、時間ドメイン中の音の表現、通常PCM(パルスコード変調)表現に基づいている。
図8Fの再サンプラ814: PCMのサンプリングレートがシステムクロックと同じにならない限り、PCMが再度サンプリングされて、そのサンプリングレートを図1Aのシステムクロック周波数(図11Aの一番上の列)まで、上げるまたは下げる。
一般的に、あらゆる好適なサンプリングレートを用いることができる。特に、本発明のシステムは、少なくとも二つの異なる周波数を有する音波を発生する。一つは、入力信号によって決まる所望の周波数であり、もう一つはアーティファクトである。このアーティファクト周波数は、クロック周波数、すなわち、システムのサンプリングレートである。従って、好ましくは、システムサンプリングレートは、人の可聴範囲、すなわち、少なくとも20KHz以外になるように選択される。ナイキストサンプリング理論は、システムクロックは、スピーカが生成するよう設計されている最も高い周波数のクロックの少なくとも2倍になるように選択するべきであると教示している。
スケーラ815: PCMの語長は、通常、8、16、あるいは24ビットである。8ビットPCM表現は、符号なしで、0から255へ時間をかけて振幅値が変化し、16及び24ビットPCM表現は、符号付で、−32768から32767へ、及びー8388608から8388607へ時間をかけて振幅値が変化する。図1−2Cのスピーカは、通常、符号なしのPCM信号を用いており、従って、例えば、PCM語長が16または24ビットで、PCM信号に符号が付くと、好適なバイアスがかかり、対応する符号なしの信号が得られる。PCM語長が16ビットであれば、32768振幅単位のバイアスがかかり、0−65535振幅単位の新しいレンジが得られる。PCM語長が24ビットであれば、8388608振幅単位のバイアスがかかり、0−16777215振幅単位の新しいレンジが得られる。
このPCM信号は、必要に応じて更に再スケーリングされ、振幅単位のそのレンジが、図1−2Cの装置のスピーカエレメントの数と等しくなる。例えば、スピーカエレメント数が2047であり、PCM信号が8ビット信号であれば、信号は2048/256=8のファクタで乗算される。あるいは、スピーカエレメント数が2047であり、PCM信号が16ビット信号であれば、信号は、2048/65536=1/32のファクタで乗算される。
次いで、再スケーリングされたPCM信号の現在の値に応じて適宜数のスピーカエレメントを作動させることによって、再スケーリングしたPCM信号を表現する音が生成される。スピーカエレメントは、「下側」及び「上側」最終状態の、二つの可能な最終状態があることは自明であり、この状態は図2Aと2Bに概略的に表わされている。これらの個別最終状態が選択され、所定の時間においてその最終状態にあるスピーカエレメント数が再スケーリングされたPCM信号の現在の値に合致し、同じ時間における残りのスピーカエレメントは反対の最終状態にある。例えば、2047個のスピーカエレメントがあれば、選択された最終状態は「上側」であり、時間tにおいて再スケーリングされたPCM信号の値は100であり、時間tにおける「上側」及び「下側」の最終状態におけるスピーカエレメント数はそれぞれ100と1947である。本発明のいくつかの実施例では、「上側」状態にあるスピーカエレメントの総数が再スケーリングされたPCM信号の現在値に対応している限り、特定のスピーカエレメントが「上側」状態にあるように選択されることは重要ではない。
次いで、次のループをM回実行し、各回にスケーラ815によってサンプルが生成される。Mは図1Aの装置におけるアクチュエータエレメントの数である。Iは、現ループの表示である。Vは、スケーラ815を出てゆく現サンプル値(ループのM回の繰り返しが実行されている)を指定するのに使用される。一般的に、その上側位置にラッチされる移動エレメントの数は、まさにVtの値に等しく、残りのすべての移動エレメントは、下側位置にラッチされる。従って、IがVより小さい間、I番目の移動エレメントあるいは、図8Fにおいて「PI」とされているピクセルが、その上側位置にラッチされる。これは、移動エレメントIがその前のループ(t−1)で処理されるときに、上側ラッチ位置にあるか、あるいは下側ラッチ位置にあるかをチェックする(図8F、ステップ840)ことによって行われる。前者の場合、何も行う必要がなく、この方法は、増加ステップ842にジャンプする。後者の場合、要素Iを「上側」位置にラッチする必要があるエレメントとしてマークする(ステップ839)。残りの全ての移動エレメントをその下側位置にラッチするためには、インデックスがVを超える全てのエレメントについて以下の処理を行う:どのエレメントがすでに「下側」位置にあるかをチェックする(ステップ838);これらの移動エレメントは処理を行う必要はない。その他の全てのエレメントは、「下側」位置にラッチする必要があるエレメントとしてマークする(ステップ841)。M個のエレメント全てにマークがなされたか、上述のとおりマークをしないようにしたら、以下の処理を実行する:
磁場が上向きであることを認証する、あるいは、これを待つ(ステップ843)、及び、上昇するべきVあるいはそれより少ないピクセルが、下側ラッチを放電し、上側ラッチをチャージする(ステップ844)。次いで、磁場が下向きになるのを待って(ステップ845)、下降するべき(M−V)あるいはそれより少ないピクセルが、上側ラッチを放電し、下側ラッチをチャージする(ステップ846)。この時点で、フローはスケーラ815で生成するべき次のサンプルを待ち、そのサンプルについて上述したこのループのM回の繰り返しを開始する。
ステップ843に穿孔するステップは、磁場の極性が下向きである半クロックサイクル中に実行されることが好ましいことは自明である。ステップ844は、磁場がその極性を下向きから上向きに変えた瞬間に実行されることが好ましい。同様に、ステップ846は、磁場がその極性を再度上向きから下向きに変えた瞬間に実行されることが好ましい。デバイスがデジタル化した入力信号との同期を維持するには、ステップ814−846のすべてが位置のクロックサイクル以下で実行されることが好ましいことも自明である。
図9Aは、本発明の好ましい実施例に基づく移動エレメント10にかかる様々な力をまとめたグラフである。
図9Bは、本発明の好ましい実施例によって構成され、機能する層を含む傾斜磁場を単純化した図である。この例は、誘電基体2605に埋め込まれており、通常チャネルアレイ2610間に配線されるように構成した少なくとも一の巻線導電エレメント2600を具える。通常、チャネル2610は、図9Bの導電層の周囲に沿って配線されておらず、この周辺近傍のチャネル内に生じる傾斜は、実質的に、導電層の中央近傍のチャネル内に生じる傾斜と同じである。
図9Bの層が上述したスペーサ層から分離されている場合は、図9Bの層中のチャネルは反対側に、上記に詳述したスペーサ層のチャネルの延長として配置される。例えば、直径といった、チャネル2610の断面寸法は、スペース層中のチャネルの直径と異なっていても良い。代替的に、図9Bの層は、スペーサ層として、及び磁場誘発層として作用し、この場合、図9Bのチャネル2610はまさしく上述したスペーサ層チャネルである。明確にするために、スペーサ層の電極形成部分は図9Bには示されていないことは明らかである。
図9Cと9Dは、図9Bの導電層の傾斜磁場誘導機能を示している。図9Cでは、巻線エレメント2600を通る電流を矢印2620で示す。結果としての磁場の方向は、図9CのXの2630と円形ドット2640で表示されており、結果としての磁場はこのページの内外を指すところに位置することを示す。
図10Aは、本発明の好ましい実施例による図1Aのラッチ20に含まれるラッチ層を簡単に示す上側断面図である。図10Aのラッチ層は、図に示すようにラッチが電気的に相互接続しているいくつかの群G1、G2、・・・に区分けして、ラッチの集合的な作動を可能にしたラッチ移動エレメント用に好ましい。この実施例は、通常、移動エレメントの数がいくつであっても、区分けした群の中から選択した群のラッチを集合的にチャージすることによって作動され、ラッチ層の各ラッチは、通常、永久磁石に連結されており、ラッチ層のすべての永久磁石のポールは全て同一に配置されている。各群Gkは、2の(k−1)乗の移動エレメントを具えている。この移動エレメント群は、移動エレメントアレイの中央からスパイラル状になっており、図に示すように、最も小さい群が中央に最も近い。
図10Bは、図10Aのラッチ層の代替の実施例の簡単な電子回路図である。各ラッチは、図1Aのラッチコントローラ50によって、集合的というよりはむしろ個別に制御(すなわち、チャージ)される。ラッチが環状に示されているが、代替的に、例えばここに述べたような、その他の好適な形状であっても良いことは自明である。図10Bの層は、ジャンクションを規定する縦横のワイヤでできたグリッドを具える。バイポーラ電界効果トランジスタなどのゲートが、通常、各ジャンクションに設けられている。対応する縦横のワイヤに沿って適宜の電圧が与えられ、個々のゲートを開いて、これによって対応するラッチをチャージする。
図11Aは、好ましいチャージ制御法を示すタイミング図であり、この方法は、単方向スピーカのアプリケーションにおいて図1Aのラッチコントローラ50によって使用することができる。このアプリケーションでは、所望の音を表わす入力信号が受信され、本発明の好ましい実施例によって構成され機能する移動エレメント10が、その各ラッチを適宜チャージすることによって、応答可能に制御され、スピーカの前側の音量がその他の領域より大きいサウンドパターンを得ることができ、永久磁石に連結されているラッチ層の各ラッチと、ラッチ層の全ての永久磁石のポールは、すべて同じように配置されている。図11Bは、図11Aのタイミング図が関連する移動エレメントアレイ10の一例を示す概略図である。
ラッチコントローラ50の好ましい動作モードについて、図11A−Bを参照して以下に説明する。明確化のために、この好ましい動作モードは、図11Bに示すように、P1、P2、...P7の7つのピクセルを具えるスピーカを参照して例示によってのみ述べる。更に、ラッチコントローラ50の好ましい動作モードを説明するのに用いる例によると、この7つのピクセルは、それぞれ、1、2及び4つのピクセルを具える3群で作動する。一般的に、ラッチコントローラ50は、ここに詳細に述べる様々な決定パラメータを使用して、各時間インターバルにおいて各個別移動エレメントをどのように制御するかを決定する。本発明の好ましい実施例によって構成され、機能するスピーカは、通常、グラフIIのアナログ信号によって表わされる音を再生して、デジタル化し、本発明のスピーカに供給するように機能する。デジタル信号の値は、図11Aの、グラフIII示されている。
グラフIVは、コイルまたはその他の磁場発生器40によって移動エレメント10にかかる電磁力の交番を示す。グラフVは、ラッチコントローラ50によって個別移動エレメントである、図11Bに見られるP1の上側ラッチに提供される信号であり、P1のみでなる移動エレメントの第1群G1をそれだけで形成している。グラフVIは、ラッチコントローラ50によってP1の下側ラッチに提供される信号である。それに関連するラッチの動作によるP1の状態は、グラフVIIに示されており、ここでは、黒は、上側ラッチがP1を係合する最も上側位置を表わし、白は、下側ラッチがP1を係合する最も下側位置を表わし、ハッチングは、中間位置を表わす。
グラフVIIIは、ラッチコントローラ50によって図11Bに見られる移動エレメントP2とP3の各々または両方の上側ラッチに提供される信号であり、共に、移動エレメントの第2群GIIを形成する。グラフIXは、ラッチコントローラ50によってGIIの下側ラッチに提供される信号である。関連するラッチの動作により、P2とP3の状態が、グラフXとXIにそれぞれ示されており、ここで、黒は、上側ラッチが関連する移動エレメントを係合する最も上側位置を表わし、白は、下側ラッチが関連する移動エレメントを係合する最も下側位置を表わし、ハッチングは、関連する移動エレメントの中間位置を表わす。
グラフXIIは、ラッチコントローラ50によって図11Bに見られる移動エレメントP4−P7の各々または全ての上側ラッチに提供される信号であり、共に、移動エレメントの第3群GIIIを形成する。グラフXIIIは、ラッチコントローラ50によってGIIIの下側ラッチに提供される信号である。関連するラッチの動作により、P4−P7の状態が、グラフXIV−XVIIにそれぞれ示されており、ここで、黒は、上側ラッチが関連する移動エレメントを係合する最も上側位置を表わし、白は、下側ラッチが関連する移動エレメントを係合する最も下側位置を表わし、ハッチングは、関連する移動エレメントの中間位置を表わす。
グラフXVIIIは、時間の関数として、様々な位置における図11Bの移動エレメントP1−P7を概略的に示す。
例えば、インターバル15では、クロックが高であり(グラフI)、デジタル化したサンプル値は2である(グラフIII)。これは、5つのエレメントが上側位置にいる必要があり、グラフXVIIIのインターバルI5に示すように、2つのエレメントが下側位置にいる必要があることを示す。この実施例のラッチ作動は集合的であるので、これは、共にその上側位置にある5つのエレメント(1+4)を有し、G2の二つの移動エレメントがその下側位置にあるG1とG3を選択することによって達成される。グラフIVに示すように、インターバルI5では、磁場は上を指している。インターバルI4では、G1の移動エレメントが、グラフXVIIIに示すように下側位置にあり、従って、上にあがる必要がある。そのようにするためには、制御信号B1が下がり(グラフVI)、制御信号T1があがる(グラフV)。この結果、移動エレメントG1は、グラフVIIに示す上側位置を取る。インターバルI4では、G2の移動エレメントは、グラフXVIIIに示すようにすでに下側位置にあり、従って、上側制御信号T2が、グラフVIIIに示すように下に残り、下側制御信号B2は、グラフIXに示すように高のままである。この結果、グラフXとXIに示すように、G2の二つの移動エレメント(P2とP3)は、その最も下側位置に残る。群G3については、インターバルI4において、G3の移動エレメントがグラフXVIIIに示すように、すでにその上側位置にあり、従って、上側制御信号T3はグラフXIIに示すように高のままであり、下側制御信号は、グラフXIIIに示すように低のままである。この結果、グラフXIV−XVIIにそれぞれ示すように、G3の4つの移動エレメント(P4−P7)は、その最も上側位置に残る。
好ましくは、グラフIIの入力信号が正の極大にあるとき、全ての移動エレメントは上側位置にある。入力信号が負の極大にあるとき、全ての移動エレメントは下側位置にある。
図11Cは、全方向性スピーカアプリケーションにおいてラッチコントローラ50によって用いられる好ましい制御方法を示すタイミング図であり、ここでは、所望の音を表わす入力信号を受信して、本発明の好ましい実施例によって構成され動作する移動エレメントが、それぞれ、スピーカの前のある距離に位置する領域の音の大きさが、スピーカから同じ距離でスピーカ周辺の全てのその他の領域の音の大きさと同じである音パターンを得るように、制御されている。
図に示すように、選択的にラッチするステップが、アレイの中央から特定の移動エレメントの距離(例えば、図11Bの円形アレイにおいてrで表示される)によって決定されるときに、特定の移動エレメントをラッチするステップを具える。通常、特別な移動エレメントサブセットをラッチすることが所望される場合、通常、所望の音の強度に数において対応しており、移動エレメントは、同期せずに、シーケンシャルにラッチされる。ここでは、中央に最も近い移動エレメントが最初にラッチされ、次いで、通常、層内に配置され、中央から同心状に外側に配置した移動エレメントが続いてラッチされる。通常、特定の移動エレメントがラッチされる瞬間と、第1の中央移動エレメントがラッチされる時間的な距離Δtは、r/cであり、ここで、cは、音速である。
図11CのグラフXの移動エレメントは、可撓性のある周辺部を具えているが、これは、単に例示であり、限定を意味するものではない。
図12Aと12Bは、それぞれ、本発明の好ましい実施例による移動エレメント層の平面図と断面図である。ここでは、永久磁石の半分が、N極が上向きで、残りの半分はN極が下向きである。この実施例の特別な利点は、電磁場が上側を指しているときも、下側を指しているときも移動エレメントが上に上がることができることであり、移動エレメントを持ち上げる前に場が上を向き、移動エレメント下がる前に場が下を向くのを待つことではない。図に示す実施例は、互いに分離された二つのサブセットを示しているが、このようにする必要はない。二つのサブセットは、互いに交互に配置することもできる。
図13は、ラッチ層の永久磁石の半分がN極が上向きで、ラッチ層の永久磁石の残り半分がN極が下向きになるように配置されていることを除いて、図10Aと同じ平面図である。図10Aの実施例では、それぞれのサイズが1、2、4、...(図10Aに示すように中央周辺にシーケンシャルに配列されているが、このとおりでなくとも良い)である一群があるが、図13の実施例では、各サイズの二つの群があり、これによって、サイズ1、2、4、...の二つのシーケンス群を生成している。図に示す実施例では、第1のシーケンスの群は、G1L、G2L、G3L、...とされており、第2のシーケンスの群は、G1R、G2R、G3R、...とされている。これらのシーケンスの各々は、図に示す左半円と右半円といった、一つの半円内に配置されている。この半円内の群配列は、図に示すように同心状に外側に延在する群のサイズ順である必要はなく、所望の配列とすることができる。しかし、両群が個別半円内で互いに対称に配置されていることが好ましい。好適なコイル設計を用いることによって、、全てが同じ方向の極性を持つが、コイルが、移動エレメントの半分にかかるある極性を有し、別の半分にかかる逆の極性を有する磁場を発生する、永久磁石を用いて同じ効果を達成することができる。
図10Aと13の実施例の特別な特徴は、いくつかの移動エレメントに対応するラッチエレメントが電気的に相互接続されており、これによって、その電気的に相互接続されたラッチを集合的にチャージするあるいは放電することによって、集合的にラッチする、あるいは開放することができる移動エレメント群を形成していることである。
図14は、特定の例についてのラッチ及びコイル誘発電磁力の制御を示す制御図である。ここで、移動エレメントは、各々、選択的に、集合的に作動できる群に配置されており、これは、図13に示すようにラッチ層の永久磁石の半分がN極が上向きであり、ラッチ層の永久磁石の残りの半分がN極が下向きであることを除いて図8Aと同様であるが、図8Aでは、ラッチ層のすべての永久磁石のポールが、全て同じように配置されている。図14に示すように、ラッチ信号は、全ての群、G1L、G2L、G3L、...とG1R、G2R、G3R、...に提供されている。これらの群の上側ラッチ信号は、LT1、LT2、LT3、...、及びRT1、RT2、RT3、...としてそれぞれ表示されている。これらの群の下側ラッチ信号は、LB1、LB2、LB3、...、及びRB1、RB2、RB3、...としてそれぞれ表示されている。
図15Aは、単方向性スピーカアプリケーションのラッチコントローラ50によって使用する好ましい制御方法を示すタイミング図であり、これは、図13Aに示すようにラッチ層の永久磁石の半分がN極を上向きにして配置されており、ラッチ層の永久磁石の残りの半分がN極を下向きにして配置されているが、図11Aでは、ラッチ層のすべての永久磁石が同じに配置されている点を除いて、図11Aのタイミング図と同じである。図15Bは、図15Aのタイミング図に関連する移動エレメントアレイの一例の概略図である。
上述したように、図8A、10A、及び11Aの実施例とは逆に、図13−15Aの実施例の特別な利点は、電磁場が上を向いているときも、下を向いているときも、一の移動エレメントを持ち上げる前に電磁場が上を向くのを待って、一の移動エレメントが降りる前に電磁場が下を向くのを待つのではなく、移動エレメントが上がることができることである。図11Aの時間スロットの50%において、エレメントは動いておらず、音のひずみを誘発して比較的非効率的であることは明らかである。反対に、図15Aの時間スロットは、100%のエレメントが動いており(デジタル信号値が変化しないため移動が必要でないスロットを除く)、これによって、ひずみを防止し、効率を強化している。
例えば、インターバルI5では、図11Aと15AのグラフIIに示すように、デジタル化信号値が1から2に変わる。続いて、図11Aでは、移動エレメントP1が上昇する、すなわち、現在の最も下側位置から開放されて、最も上側位置にラッチされる必要がある。しかしながら、I5では、制御信号B1が下がっており、制御信号はT1が上がっており、インターバルI6では何も起こらない。図15Aでは、逆に、移動エレメントLP1(及びRP1)が上昇する必要があり、インターバルI5で、制御信号LB1が下がり、制御信号LT1が上がり、直後に、インターバルI6で、RB1制御信号が下がり、RT1信号が上がり、その結果、図11Aにおいて遅れが生じることなく、RP1が上に動く。
一般的に、図13−15Aの実施例では、半分の磁石(左半分)がN極が上を向き、残り(右)半分がN極が下を向くので、エレメント10を上側に移動させることが所望される場合は、常に遅れることなく行われる。磁場が上向きであれば、アレイの左半分の移動エレメントは、右側のエレメントの前に上側に移動することができるが、偶然、磁場が下向きである場合、アレイの右半分の移動エレメントは、左半分のエレメントの前に上側に移動することができる。
図15Cは、異なる時間における、最も上側及び最も下側位置に配置された移動エレメントの数の変化を、図1Aのラッチコントローラ50によって受信された入力信号の周波数の関数として示す図である。
図16Aは、図1A及び2A−2Cに示す移動エレメント層の代替である移動エレメント層の斜視図であり、この層は、各移動エレメントが中央部分と周辺部分を具える薄箔で形成されている。
図16Bは、図1A及び2A−2Cに示す移動エレメント層の更に別の代替を示す斜視図であり、各移動エレメントの周辺部における撓み構造が、例えばゴムなどの、シート状可撓材料を具えている。各移動エレメントの中央領域は、硬質ディスクの上に装着した、あるいは装着していない磁石を具える。
図16Cは、図7A−7Eまたは16Aに示す移動エレメントと周辺の撓みの好ましい実施例の斜視図である。ここで、撓みは厚みが変化する。図16Cでは、簡単にするために、好ましくは、磁石、あるいは代替的に、強磁性体、導電材料、あるいはコイルを具える、移動エレメント1620が磁場によって影響される構成要素は示されていない。図に示すように、移動エレメント1620は、移動エレメントの中央部1640を全て、あるいはほとんどの移動エレメントを相互接続するシート1650に連結する厚さが変化する部分を有する、蛇紋状周辺撓み1630を具える。例えば、この厚さが変化する部分は、図に示すように、より厚い部分1660とより薄い部分1670をそれぞれ具えていても良い。例えば、各移動エレメントの中央部分1640の直径は、300ミクロンであり、シートはシリコンである。さらに、ある条件の下では、部分1670は厚さ50ミクロンであり、部分1660は厚さ100ミクロンであっても良い。より一般的には、材料に応じて厚さをコンピュータで計算して、例えば、FEA(有限要素解析)ツールを用いるなどして、アプリケーションに特有の可撓性と強度レベルを提供する。
図16Dは、撓みが幅で変化する、図16Cの装置の費用対効果の良い代替を示す斜視図である。図16Cに示すように、単純にするために、移動エレメントが磁場によって影響を受けるようにする構成要素は示されていない。この構成要素は、好ましくは、磁石、あるいは、代替的に強磁性体、導電材料、あるいはコイルを具えていても良い。図に示すように、移動エレメントの中央部1740を全ての、あるいはほとんどの移動エレメントを相互接続するシート1750に連結した幅が変化する部分を有する蛇紋状周辺撓み1730を具える。例えば、この幅が変化する部分は、図に示すように、より広い部分1760とより狭い部分1770をそれぞれ具えていても良い。例えば、各移動エレメントの中央部分1740の直径は、300ミクロンであり、シートはシリコンである。さらに、ある条件の下では、部分1770は幅20ミクロンであり、部分1760は幅60ミクロンであっても良い。より一般的には、材料に応じて幅をコンピュータで計算して、例えば、FEA(有限要素解析)ツールを用いるなどして、アプリケーションに特有の可撓性と強度レベルを提供する。
図16Cと16Dの実施例は、好適に組み合わせて、例えば、厚さと幅が変化する撓みを提供する、及び/又は、例えば、幅及び/又は厚さが図に示すように連続的にまたは非連続的に、及び、図に示すように規則的に、あるいは不規則的に、変化する撓みを提供するようにしても良いことは明らかである。
上述の記載では、「厚さ」は、移動エレメントが動く方向における撓みの寸法であり、「幅」は、移動エレメントが動く方向に直交する方向における撓みの寸法である。
図16Cと16Dの実施例の特別な利点は、例えば厚さまたは幅が変化する、といった断面が変化する撓みにおいて、応力が撓みのルート1680または1780に集中しておらず、代わりに撓みの薄い及び/又は狭い部分全体に分散していることである。また、一般的に、撓みが湾曲した結果撓みに係る応力は、厚さの急な関数であり、通常、三次関数である。また、幅の関数でもあり、通常、一次関数である。少なくともシリコンなどのある種材料と、例えば場内放送用スピーカなどの少なくとも移動エレメントの大きな変異を用いるある種のアプリケーションでは、均一に、十分に低いストレスを提供するのに十分に薄いあるいは十分に狭い寸法の撓みを選択して、ブレーキングを防ぐのに十分に低く、例えば44KHzといった所望のレンジで、同時に固有振動周波数を可能にするのに十分に硬いストレスを提供することは実用的でないと考えられる。このため、例えば、図16C−16Dに示すような、厚さ及び/又は幅が変化する撓みを使用することが有利であると考えられる。
図17は、図3Aでは個別移動エレメントまたはラッチの連続列がそれぞれ傾いて、所定の面積に詰め込むことができるアクチュエータエレメントの数を増やすようにしているのに対して、図17の列は傾いておらず、通常、列が相互に整列している矩形アレイを具えていることを除いて、図3のアレイと同じアクチュエータエレメントアレイを示す平断面図である。
図18は、アクチュエータエレメントアレイの代替の実施例の分解図である。このアレイは、上側ラッチ層1820と下側ラッチ層1830の間に挟まれた移動エレメント層1810を具える。図18の装置は、各アクチュエータエレメントの断面が丸ではなく四角であるという特徴がある。各アクチュエータエレメントは、五角形、あるいは三角形など、そのほかの断面形状を有していても良い。
図19は、活性領域を提供する支持フレーム内に支持されているアクチュエータアレイの斜視図である。活性領域は、個別アクチュエータアレイの活性領域の和である。言い換えると、図19では、単一のアクチュエータデバイスに代えて複数のアクチュエータデバイスが設けられている。これらのデバイスは同一である必要はなく、限定するものではないが、クロック周波数が異なる、アクチュエータエレメントのサイズが異なる、変位が異なるなど、各々が異なる特徴を有していても良い。このデバイスは、限定するものではないが、コイル40及び/又は磁場コントローラ30及び/又はラッチコントローラ50といった構成部品を共用しても良く、しなくとも良い。
用語「活性領域」は、各アレイにおける全てのアクチュエータエレメントの断面領域の和を意味する。一般的に、本発明の好適な実施例によって構成され動作するスピーカによって生成することができる音量のレンジ(あるいは、スピーカ以外の一般的なアクチュエータでは、ゲイン)は、この活性領域によって制限されることがある。更に、提供されているアクチュエータエレメントの数に比例して生成することができる音量の分解能も、活性領域によって制限されることがある。通常、例えば、各アクチュエータアレイがウエハ上に載っている場合、各アクチュエータアレイのサイズに実際的な制限がある。
スピーカがヘッドホンとして作用する場合、比較的小さい音量レンジを提供することが必要である。通常、家庭用スピーカは、中間音量レンジが必要であり、場内放送用スピーカは通常、例えば、最大音量が120dBといった大音量レンジが必要である。スピーカのアプリケーションは、そのスピーカに可能な物理的スペースの量が異なる。最終的に、特別なアプリケーションの音量の分解能は、例えば、携帯電話は高い音質を必要としないというように、所望の音質によって決まるが、スペースは制限される。
本発明のいくつかの実施例によれば、移動エレメント上の磁石層は、所望のエレメントの移動方向と整列した傾斜電磁場にそって最大の力を出すエレメントの移動方向以外の方向に、偏向するように磁化することができる。
図12A−15Bを再度参照すると、使用したコイルがエレメントの両側に電流を流す導電体を使用する設計であり、磁石が全て同じ方向に偏向している場合、各導電体の一方の側のエレメントは、コイルに電流が流れると逆方向に移動することは明らかである。
本発明の好ましい実施例の特別な特徴は、移動エレメントによって実行される動きのストロークが比較的長いことである。なぜなら、そこに与えられる場が磁場であり、従って、移動エレメントと磁場を作る電流との間の距離に反比例する速度で崩壊するからである。これに対して、静電場は、移動エレメントと静電場を作る電荷との間の距離の2乗に反比例する速度で崩壊する。移動エレメントによって達成される長いストロークの結果、これによって達成される速度が上がり、従って、移動エレメントの高速移動によって生じる空気圧が増えて、達成されうる音の強さが大きくなる。
ここに特別に図示した実施例は、例えば、移動エレメントがすべて同じサイズである必要はないといった意味で、限定を意図するものではなく、移動エレメント群、あるいは個別移動エレメントは、個別に作動するのであれば、同じ共振で動作する、あるいは同じクロックで動作する必要はなく、移動エレメントは同じ変位振幅を有する必要もない。
ここに示して、説明したスピーカデバイスは、通常、強度が入力デジタル信号にコード化した強度値に対向する音を生成するよう動作する。いずれかの公的なプロトコルを用いて、限定するものではないが、PCM又はPWM(SACD)プロトコルなどの入力デジタル信号を生成することができる。代替的に、あるいはこれに加えて、デバイスは、ADPCM、MP3、AAC、あるいはAC3などの圧縮デジタルプロトコルをサポートするものであっても良く、この場合、デコーダは通常、圧縮した信号をPCMなどの圧縮を解除した形式に変換する。
ここに示して、説明したいずれかの実施例によるデジタルラウドスピーカの設計は、アプリケーションを特定したコンピュータモデリングとシミュレーションによって作ることができる。音の大きさの計算は、従来どおり、例えば、流体力学的有限要素コンピュータモデリングと、経験的実験を用いて、実行することができる。
一般的に、より多くのスピーカエレメント(移動エレメント)が提供されていれば、ダイナミックレンジ(生成できる最大音量と最小音量の差)がより広くなり、ひずみ(少ないほど、音が入力信号に似る)が寄り小さくなり、周波数レンジが広くなる。一方、より少ないスピーカエレメントが提供されていれば、装置が小さくなり、コストを低減することができる。
一般的に、移動エレメントの直径が大きいと、活性領域と不活性領域の比(充填率)が改善され、ある場合は、撓みのストレスが少なくなり、振動変位が同じに維持される。これは、装置の寿命をより長いものに変える。一方、移動エレメントの直径が小さいと、単位面積あたりより多くのエレメントが設けられ、質量がより小さくなるため、コイルまたはその他の電磁力発生器に必要な電流が少なくてすみ、低電力条件に変わる。
一般的に、移動エレメントの振動変位が大きいと、所定のサイズのアレイによってより大きな音量が生じ、一方、同じ量で小さい場合は、撓みがある場合は、撓みにかかるストレスが小さくなり、電力の条件が低くなる。
一般的に、サンプルレートが高いと、最も高く生成可能な周波数が高くなり可聴ノイズが低減される。一方、サンプルレートが低いと、撓みがある場合に撓みに係る加速度、力、ストレス、及び電力条件が低くなる。
アプリケーション特定スピーカの3つの例について以下に述べる。
例1: 移動電話のスピーカの製造に適しており、非常に小型で、コストが低く、隣の部屋でなる音を聞くのには十分に大きいが、適度な音質を有する。所望の小さいサイズとコストは、最大300mmといった、比較的小さい面積のスピーカを提供する。90dBSPLといった比較的高いターゲットの最大の音の大きさを所望するのであれば、大きな変位を提供する。移動電話のスピーカの受け入れ可能なひずみレベル(10%)とダイナミックレンジ(60dB)は、1000個のエレメント(M=10(60/20)を用いて計算した)の最小アレイサイズを決定する。従って、好適なスピーカは、10のバイナリ群に区分けした1023個の移動エレメントであって、各エレメントが約0.3mmの面積を占めるエレメントを具える。セルサイズは、従って、約550μm×550μmである。
実際的な理由によって、このスペースに嵌まる最も大きな移動エレメントは、直径450μmである。このような移動エレメントに妥当な変位は、約150μmPTP(ピークツーピーク)であり、ターゲットとする音の大きさを達成することができる。移動電話の音は、セルラチャンネルによって4KHzに制限されるので、サンプルレートは、例えば32KHzと低くても良い。
例2: 非常に高い音質(可能な限り高い)と非常に低いノイズを有する忠実性の高いヘッドホンを製造することが所望され、これは更に、心地よく身に着けるのに十分に小さく、最終的に可能な限り費用対効果が良い。
高音質を達成するには、広いダイナミックレンジ(少なくとも96dB)と、広い周波数レンジ(20Hzから20KHz)と、非常に低いひずみ(<0.1%)を使用する。これらを仮定すると、エレメントの最少数は63000である。従って、例えば、スピーカは、16のバイナリ群に分けた65535個のエレメントを有している。最大である音の大きさを低く保って(80dB)、約50μmPTPの変位を可能にすることができる。このひずみが可能である最小移動エレメントは、直径約150μmである。このようなエレメントは、200μm×200μmまたは0.04mmのセルを占めており、65535個のエレメントが例えば、52mm×52mmといった、2621mmの領域に当てはまる。サンプルレートは、通常、スピーカが生成することができる最大周波数の少なくとも2倍、あるいは40KHzである。最も近い標準サンプルレートは44.1KHzである。
例3: 例えば、ダンスクラブ用などの、場内放送スピーカの製造が所望されることがある。このスピーカは非常にラウドであり、広い周波数レンジを持ち、非常に低い周波数に及び、低いひずみを有する。従って、場内放送スピーカは、通常、多くの大きな移動エレメントを有する。600μmの移動エレメントを用い、これは200μmPTPの変位が可能である。このようなエレメントは、750μm×750μm、あるいは0.5625mmのセルを占める。低い周波数が必要であるため、18のバイナリ群に区分けした最小262143個の移動エレメントを使用する。スピーカのサイズは約40cm×40cmである。このスピーカは、通常、最大である音の大きさレベルが120dBSPLであり、15Hzまで下がる。
一般的に、図20−23を参照すると、図1A−19に示すもののいずれか、あるいは、従来の直接デジタルスピーカなどの直接デジタルスピーカを用いて所望の音ストリームの音量制御を行う好ましいシステムについて述べている。従来のスピーカは、例えば、DavId Thomasに付与され、TeXas Instruments社に譲渡された、2002年6月11日発行の米国特許6,403,995号、あるいはDIamond Brett M., et al.の「DIgItal sound reconstructIon usIng array of COMS-MEMS mIcro-speakers」, Transducers ’03, The 12th InternatIonal Conference on SolId State Sensors, Actuators and MIcrosystems Boston, June 8-12,2003のものを具える。
特に記載していない限り、以下の記載とは別に、明細書記載を通して、「処理する」、「計算する」、「選択する」、「適用する」、「計算する」、「決定する」、「発生する」、「生成する」、「提供する」、「得る」といった用語の使用は、コンピュータあるいはコンピュータシステム、あるいはプロセッサ、あるいは論理的または同様の電子計算機の動作及び/または処理を意味し、これは、電子など、コンピュータシステムのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的量として表わされたデータを、同様に、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、あるいはその他の情報ストレージ、転送または表示デバイス内の物理的量として表わされたその他のデータに操作する及び/又は変形する。
本発明の実施例は、プロセッサ、コンピュータ、ストレージ、データベース、装置、システム、サブシステム、モジュール、ユニット、セレクタ、ここで動作を実行するデバイス(単数形あるいは複数形で)といった用語を使用している。これは、所望の目的のために特別に構成することができ、あるいは、コンピュータ内に保存されたコンピュータプログラムによって選択的に活性化されるあるいは再構築される汎用のコンピュータを具えていても良い。このようなコンピュータプログラムは、限定するものではないが、フロッピィディスク、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気カードあるいは光カード、または電子インストラクションを保存するのに好適なそのほかのタイプの媒体といった、コンピュータで読み取り可能なストレージに保存し、コンピュータシステムバスに接続することが可能である。
ここに表わされている、プロセス/デバイス(あるいは上記に特定した対応する用語)と、ディスプレイは、本来は、特別なコンピュータあるいはその他の装置に関連するものではない。この教示によるプログラムと共に、様々な汎用システムを使用することができる、あるいは、所望の方法を実行するより特別な装置の構成に好都合である。様々なこれらのシステムのための所望の構造は、以下の記載から明らかになる。更に、本発明の実施例は、特定のプログラムソースとを参照して記載していない。ここに述べる発明の教示を実装するのに様々なプログラム言語を用いることができることは自明である。
本発明のいくつかの実施例による好適なDDSは、2006年5月22日に出願された米国第60/802、126号に開示されており、その内容は参照として組み込まれている。
DDSの音量制御についてのこの記載は、特にフラットな周波数応答を実現するというコンテキストで描かれている。以下の記載は、特定のDDSに関するものではなく、限定するものではないが、特別に示されており、図1A−19を参照した上述したこれらの実施例、あるいは、従来のDDSシステムといった、あらゆるDDSに適用することができる。
以下により詳細に述べるように、DDSはアナログスピーカの12dB/オクターブと異なる周波数応答勾配を示す。しかし、アナログスピーカでは、メンブレインの振幅が特定の応答を保証して、全周波数レンジを通してスピーカの所望のフラットな応答を得るようにしているが、このような中和作用はDDSには存在しない。DDSのいくつかの実施例では、周波数応答傾きは6dB/オクターブである。
6dB/オクターブの傾きは、図20に示されている(振幅(縦軸)対周波数(横軸))。図に示すように、100Hzから200Hzの周波数(3010、3020)の倍加によって、6dBの振幅が増加する(−42から−36、各々3030と3040参照)。この6dB/オクターブのゲインは、DDSの周波数レンジ全体を通じて適用可能である。
6dB/オクターブ特性をより理解するには、上述の式(1)と(2)を参照するのがよい。
上述したとおり、DDSのいくつかの実施例によれば、コイルがトランスデューサアレイ構造全体に巻回されており、トランスデューサアレイ全体に磁場を作り、移動自在なエレメントを磁場の交番方向に応じて移動させるようにしている。このコイルは、固定周波数fCLK、例えば、図15Cを参照して上述したとおり、44KHzの交流電流によって駆動される。DDSは、ピッチの異なる音を生成することができる(22KHz、11KHz及び4.4KHzが、グラフII−IVに提供されている例である)。グラフIは、システムクロックを示しており、これは、例示では44KHzである。図に示す実施例では、これらのピッチを生成するのに使用したスピーカは、2047個の移動エレメントを有する。22KHzの音(クロックの半分)が生じるとき、2047個のエレメントが各クロックで位置を変える(上側から下側へ、またはその逆へ)。11KHz(クロックの四分の一)の音が生じるときは、2047個の移動エレメントの半分が各クロックにおいて位置を変える。例えば、第1のクロックで2047個の移動エレメント全部が上側位置にある場合、第2のクロックでは、これらの内の1023個が下側にきて、第3のクロックで、残りの1024個が下側に下りて、第4のクロックでは1023個が上がり、第5のクロックでは残りの1024個のエレメントが上がり、これが続く。4.4KHz(クロックの1/10)の音が生じるときに、各クロックにおいて上側位置にあるエレメントの数(1340、1852、...)が、グラフIVの上に示されており、一方、各クロックにおいて下側位置にあるエレメントの数(707、195、...)はグラフIVの下に示されている。
以下に更に詳細に述べるように、スピーカで生成された音の周波数は、時間の経過に伴って動く圧力生成エレメントの数を変えることによって変わり、各23μ秒(=1/44000)の時間インターバル(以下、クロックまたはクロックインターバルという)で、所定の数の圧力生成エレメントが同時に動く。生成した音信号の周波数は、特定の周波数fCLKに影響をあたえず、この周波数は一定である。したがって、例えば、所定のクロックインターバルで、全てのマイクロスピーカエレメントが1ウエイストロークを実行すると、すなわち、下側位置から上側位置へ動き(所定の方向において発生した磁場の影響による)、続くクロックインターバルでは、磁場の方向が反転して全てのエレメントが反対のストロークを実行する、すなわち、上側位置から下側位置へ移動するという場合を考える。正味の効果は、IIクロックインターバル、すなわち、この例では46μ秒内で、全圧力生成エレメントが往復ストロークサイクルを完了して、22KHzまたはfCLK/2の周波数の音を生成することである。
ここで、生成した音の周波数を更に4つに分割することが所望されていると仮定すると、コイルに与えられる駆動クロックは、一定(fCLK)を保つが、クロックインターバルの数は、2から4に変わるであろう(クロックインターアルごとに同時に動くエレメントの数にも影響する)。特に、第1のクロックインターバルでは、圧力生成エレメントの半分が下側位置から上側位置に動き、続く(第2の)クロックインターバルでは、残りの半分が下側位置から上側位置に動き、これによって、圧力生成エレメントのアレイ全体の1ウエイストロークを行っている。次に、第3のクロックパルスでは、圧力生成エレメントの半分が上側位置から下側位置へ移動して、第4のクロックインターバルでは残りの半分が上側位置から下側位置に移動して、4クロックインターバル、すなわち、92μ秒内でfCLK/4の特定周波数を生成する。コイルに与えられる交番信号は、両方のケースで、周波数fCLKである。
このことを踏まえて、式(1)で引用した周波数fCLKは、発生した音の周波数fに関係なく、一定である(したがって、各移動エレメントによって生じる圧力Pに影響しない)。アナログスピーカに関する限り、これは当てはまらず、fは生成した音信号の周波数に影響するべく変化することは自明である。
DDSsに戻ると、式(1)は、更に、振動ピストン表面積を意味するSを引用している。DDSのコンテキストでは、Sは、同時に動く全ての圧力生成エレメント総表面の和である。上述の例では、周波数を半分に低減することは、周波数fCLKに影響しないが、Sを半分に低減する(なぜなら、各クロックインターバルの間アレイの移動エレメントの半分だけが同時に動くためである。)換言すると、周波数を半分に減らす結果、表面積Sが対応して減少し(2の倍数だけ)、圧力Pが半分に減少する(特定した式(1)による)。明らかに、周波数fを倍加することで、2の倍数分Sが増加し、次いで、圧力Pが倍加する。要約すると、アナログスピーカでは、周波数の倍加が発生する圧力Pを4の倍数分増加させる(ピークツーピークの振幅Aの補償ファクタは便宜上無視して)が、DDSでは、周波数の同じ増加によって、発生する圧力の増加は2の倍数分だけである。
更に、アナログスピーカでは(これも、便宜上、メンブレインAの振幅による補償効果はないものと仮定する)、周波数の倍加が圧力Pを4の倍数分増加させ、その結果(式(2)によれば)12dBだけSPLが増加して、スピーカ周波数応答が12dB/オクターブとなる。DDSでは、上記に説明したとおり、周波数の倍加に対応して、圧力Pが倍化し、発生したSPLが6dB増加して(アナログスピーカにおける12dBに比較して)、スピーカ周波数応答が6dB/オクターブとなる。更に、アナログスピーカの現実的な稼動寿命シナリオでは、メンブレインのピークツーピークの移動(A)が12dB/オクターブ特性を補償して、所望のフラットな応答をもたらす。これに対して、DDSでは、マイクロエレメントアレイのピークツーピークの移動のこのような補償ファクタが存在しない。なぜなら、各移動エレメントがスピーカの生成した周波数に関わらずフルストローク(下側位置から上側位置へ、及び、その逆)でチャンネルを移動し、これによって、その周波数fについてもAをほぼ一定に維持するためである。
本発明は、6dB/オクターブの周波数応答によって特徴付けられるDDSの特定の構造や稼動寿命シナリオに限定されない。
DDSにおける所望のフラットな応答を実現するために、公知のいわゆるフィルタを入力してくるデジタルサンプリングした信号に適用して、6dB/オクターブの周波数応答を補償することができる。このフィルタは、周波数とフィルタの特徴に基づいて、入力信号の振幅を変える。いくつかの実施例によれば、このようなフィルタは−6dB/オクターブの周波数応答を示すべきであり、これによって、周波数レンジ全体を通じて、ほぼフラットな応答(すなわち、0dB/オクターブ)を維持している。
DDSのいくつかの実施例では、圧力生成エレメントの制御機構にわずかに遅延を導入して、例えば、図11A−11C、図15A−15B、及び特に図11Cを参照して上述したように、DDSの方向性を操作できるようにしている。通常、このような遅延は、所定のクロックインターバルにおいて動作する圧力生成エレメントの数に順次影響を与え、これによって、スピーカの傾きに影響がでる。DDSのこの傾きは、従って、6dB/オクターブと異なっている。このような場合、フィルタの傾きを調節して、DDSの傾きに合致するようにして、逆のサインを有するようにする。
いくつかの実施例によれば、このDDSの傾きは、特定の6dB/オクターブとことなる。例えば、全方向スピーカ(例えば、ここに述べた図11Aの実施例に基づくもの、及び/又は、DDSシステム以外のスピーカシステムの全方向性に関する公知の教示に基づくもの)の場合、この特定の傾きは、通常6dB/オクターブ以外であり、単方向スピーカでは、この特定の傾きは通常6dB/オクターブである。
更に、いくつかの実施例においては、移動電話などの通信デバイスの場合など、フラット周波数応答を必要としないことは明らかである。この様な場合、フィルタの傾きは、DDSの傾きと異なることがある。例えば、DDSの傾きが9dB/オクターブであり、フィルタの傾きは6dB/オクターブで、実質的にシステムの傾きは3dB/オクターブになる。
更に、ここに述べたフィルタは、デジタル、アナログにかかわらずこの分野で知られている、いわゆる、エコライザ、増幅器、減衰器、あるいはこれらの足し合わせ、又は組み合わせ、として知られている、非フラット周波数応答によって特徴付けられるあらゆるシステムを意味していることは自明である。
所望の特徴を示すフィルタの共通した形式は、以下、LPFと呼ぶ、ローパスフィルタとしてこの分野で知られている。このようなLPFの伝達関数は、通常、十分に低い周波数におけるフラットな周波数応答と、十分に高い周波数における傾きのある応答によって特徴付けられる。周波数応答がフラットから傾きのあるものに変わる周波数は、フィルタのカットオフ周波数としてこの分野で公知であり、これは、通常、fと呼ばれる。いくつかの場合、このフィルタは、連続伝達関数を示しており、傾きがフラットから傾いたものに徐々に変化する場合、カットオフ周波数は、通常、大きさが最大の大きさに比較して−3dB落ちる周波数として定義され、LPFの場合、この周波数は、通常、伝達関数のフラットな部分において得られる。
カットオフ周波数fのLPFと組み合わせたDDSを具えるシステムはカットオフ周波数fを超えるフラット周波数応答を示すことは明らかである。このカットオフ周波数以下では、フィルタはシステムの周波数応答に作用せず、この結果、周波数応答傾きがDDS自体の傾き、すなわち、6dB/オクターブを同じになる。
記載を容易にするために、音量制御スピーカデバイスを、図1A−19を参照して上述した類のDDSを参照して説明する。しかし、本発明は、この特定のDDSの使用に限定されるものではなく、従って、そのほかの好適な公知のDDSにも提供することができる。
本発明による一般的なシステムアーキテクチュアを説明する前に、6dB/オクターブ(図20を参照して述べたのものと同じ)の周波数応答傾き3110と、この特定の周波数応答を補償する−6dB/オクターブの対応するフィルタ応答傾き3120を示すグラフを記載しており、周波数レンジ全体にわたって所望のフラットな応答を実現している図21を参照されたい。
理論的には、図21に示すような周波数応答を有するLPFを提供することで、スピーカの所望のフラットな応答が達成されるが、これは、(以下に詳細に説明するように)、聴者の立場からは受け入れることができない過度に低いSPLの有意な不利益をもって達成される。従って、この特定のLPFが可聴周波数レンジ、すなわち、20Hzから20KHz、あるいは約10オクターブ、全体にわたってフラットな応答を完成しなければならない場合は、LPFは60dBのレンジにわたって動作しなければならない(−60から0のDB単位を示すグラフ3100の座標に示すように)。このようなLPFの周波数応答は、フィルタカットフ周波数fcが非常に低い、すなわち、図21に示すように、20Hzあるいは31.25Hzでなくてはならないことを示す。
一般的に、発生したSPLは同時に動く圧力生成エレメントの数に正比例しているので、フラットな応答を実現するには、フィルタは通常、図15Cを参照して述べたように、実質的に同じ数の圧力応答エレメントが(指定周波数レンジ内の)どの周波数でも(同時に)動くことが容易に生じる。
DDSで発生する周波数は、クロックインターバル(サイクル)の数によって決定され、往復ストロークを完了するためには、移動エレメントに指定のバンクが生じる。例として、及び、上記に例示したように、アレイがn個の圧力生成エレメントでできていると仮定して、所定のクロックインターバルにおいて、このn個の圧力生成エレメント全てが下側位置から上側位置へ移動し、続くクロックインターバルで、このn個の圧力生成エレメントが全て上側位置から下側位置へ移動すると、発生する周波数はfCLK/2となる。なぜなら、移動エレメントのバンクの往復ストロークを達成するのに必要な時間は、2クロックインターバル(この例によれば、このバンクはn個のエレメント全体でできている)を要するからである。この例によれば、n個の圧力生成エレメントの全てが同時に移動するため、最大SPLが達成される。上記に例示したとおり、周波数を分割するために(fCLK/4)、このアレイは4クロックインターバル(2の代わりに)で往復ストロークを完了するように構成されている。従って、第1のインターバルでは、n/2個の圧力生成エレメントが下側位置から上側位置に移動し、第2のインターバルでは、別の2/n個の圧力生成エレメントが下側位置から上側位置に移動し、n個の圧力生成エレメントアレイすべてについて片道ストロークを完了する。同様に、第3のインターバルでは、n/2個の圧力生成エレメントが上側位置から下側位置に移動し、第4のインターバルでは、別の2/n個の圧力生成エレメントが上側位置から下側位置に移動し、n個の圧力生成エレメントアレイすべてについて往復ストロークを完了する。この例では、fCLK/4周波数について発生したSPLは、fCLK/2周波数について発生したSPLの半分である。なぜなら、前者で、n/2個のエレメントが同時に動き、後者でn個のエレメントが同時に動くためである。このようなスピーカ仕様は、所望のフラット応答に合致しない(ほぼ同じSPLが全ての周波数について維持される)。本例を用いて先に進むと、所望のフラット周波数を達成する一つの方法は、n個のエレメント全部ではなく、n/2個のエレメントのみを使用する(より高いfCLK/2周波数について)ことである。従って、第2のインターバルでは、(n個ではなく)n/2個のエレメントが下側位置から上側位置へ移動して、続くサイクルでは、同じn/2個のエレメントが上側位置から下側位置へ移動して、往復ストロークを2サイクルで完了する(従って、周波数fCLK/2が達成される)が、特定のfCLK/4周波数の場合とまさに同じように、n/2個のエレメントの移動に対応するSPLが発生するようにして、所望のフラットな応答を達成する。
例えば、LPFによって述べたように、選択された数の圧力生成エレメントについてのラッチ方法の例を、図15Cを参照してここに説明する。
CLK/2とfCLK/4をどのようにして生成するかについて例示したが、より低い周波数の生成が、移動エレメントバンクをより小さいサブセットに分割して、往復ストロークを完了するのに必要なクロックインターバルの数を、所望の発生した周波数に反比例するようにすることができる。DDS最も低い周波数(以下、fMINというを発生するには、各クロックインターバルにおいて一のエレメントを移動させて、n個のクロックインターバルでn個のエレメントバンク全体を上側位置から下側位置へ移動させる必要があり、圧力生成エレメントのバンクの往復ストロークを完了するには、T=2・nの時間がかかる。明らかに、この例では、各クロックインターバルで一つの移動エレメントのみが移動しているので、生成したSPLは非常に低い。
要約すると、発生した周波数が高いほど、クロックインターバル当たりより多くのエレメントが移動する。従って、選択したfが高いほど(すなわち、より高いカットオフ周波数)、結果としてのSPLがより高くなる。
図22Aを参照すると、本発明のいくつかの実施例によるシステムに使用する、様々なカットオフ周波数を有するLPFsセット3200が示されている。横軸は、発生した周波数を表しており、縦軸は得られたゲイン(dB)を表す。図に示すように、わずかなLPF傾きが、カットオフ周波数の増加を伴って示されている。説明を容易にするために、図22Aは、31.25Hzのカットオフ周波数(3210)から4000Hzのカットオフ周波数3230に亘るLPFsセットを示している。これは、もちろん例示に過ぎず、LPFsセットは特別なアプリケーションに応じて、例えば、20Hzから20KHzの特定レンジ内で、静的あるいは動的に選択することができる。
このことを考慮すると、傾き3210は31.25Hzのカットオフ周波数を有しており、従って、31.25Hzを超える周波数であれば、−6dB/オクターブの所望の減衰が達成される。次のスロープ3220は、62.5Hzのカットオフ周波数を有し、従って、62.5Hzを超える周波数であれば、−6dB/オクターブの所望の減衰が達成される。カットオフ周波数125、250、500,1000、2000、及び4000Hzの傾きがそれぞれ記載されている。(後者は、符号3230で表す)。傾き3230に注目すると、カットオフ周波数(3240)以下では、減衰が生じていないことがわかる。従って、例えば、LPF3230を、例えば1000Hzの所定の周波数について用いると、周波数が2倍(2000Hz)になり、発生するSPLが6dB分増えて、特定の周波数が、フィルタ3230のカットオフ周波数以下であるため、特定のLPF(4000Hz以下で不活性のもの)はこのSPLの増加を補償しないであろう。反対に、上記に詳述したとおり、周波数の変化(カットオフ周波数以上)は、フィルタの補償効果によって、発生するSPLに影響を与えない。
図22Bは、組み合わせたLPFとDDSの、いくつかの異なるカットオフ周波数についての周波数応答を示す図である。各LPFsについて、この組み合わせた周波数応答が、カットオフ周波数以下では傾斜部分を示し、カットオフ周波数以上では、ほぼフラットな一定部分を示すことは明らかである。更に、カットオフ周波数が高いほど、周波数応答のフラット部分が狭く、従って、スピーカの周波数レンジが狭くなることも明らかである。しかしながら、カットオフ周波数が高いほど、周波数応答の一定部分のSPLが高くなる。
特に、いくつかの実施例では、異なる使用態様においてスピーカの特性を変えることが好ましいことがある。これは、移動電話内部に配置したDDSの場合などである。移動電話のスピーカは、一以上の目的を持つことがある。例えば、ある時には着信音を発生するのに使用され、一方、別の時には「スピーカフォン」または「ハンドフリー」モードでは、話者の声を再生するのに使用することもある。前者の場合、DDSは、350Hzから上の範囲の周波数を、比較的低いSPLレベル(すなわち、86B)で再生することが必要であり、後者の場合、有意に大きいSPLが必要とされる(すなわち、95dB)一方で、周波数レンジは重要性が低い。従って、第1の場合は、LPFのカットオフ周波数を350Hzに選択し、第2の場合は、1000Hzに選択して、9
dB高い、最大SPLに達する周波数応答のフラット部分を得るようにしている。
図23を参照すると、本発明の一実施例による一般的なシステムアーキテクチュアが示されている。図に示すように、システム3300は、CDプレーヤ、テレビジョンシステム、携帯電話システム、等の、公知のいわゆるデジタル音響生成システム3310を具える。生成したデジタル音響信号3320は、DDS音量制御システムに送られる。このシステムは、LPF3370、LPFレポジトリ3340に接続されたLPF選択ロジック3330を具える。以下により詳細に説明するように、LPF3370は、選択ロジック3330によって選択され、LPFレポジトリから抽出されたLPF特性によってデジタル信号3320をフィルタリングする。LPFに送られたデジタル信号3320は、サンプルレートコンバータ、エコライザ、ダイナミックレンジコンプレッサ/エクスパンダ、音響効果発生器、エコー消去、その他の、公知のいわゆる、前処理が行われる。この前処理は、例えば、図8Cに示すDSP810によって実装されており、図8Bの再サンプリング段814とスケーリング段815の間に、これらの前処理動作のひとつ、いくつか、あるいは全てを行う。
LPFレポジトリ3240は、少なくとも二つのフィルタで発生するあるいは提供するモジュールの一例である(例えば、図22に示されているフィルタを参照)。このフィルタは、各々、区別できるカットオフ周波数を有し、各フィルタはそのカットオフ周波数以下では実質的に減衰を示さず、このフィルタのカットオフ周波数以上では、スピーカの周波数応答傾きに応じた減衰傾きを示す。この分野でよく知られている典型的なアプリケーションでは、LPFは、デジタルIIRまたはFIRフィルタ(InfInIte or FInIte Impulse Response)の形で実装することができる。このようなフィルタの周波数応答は、フィルタ係数セットによって決定される。この場合、フィルタ選択ロジック3330は、通常、どのフィルタ係数セットを使用する必要があるかを決定し、フィルタレポし取り3340から選択した係数セットを取り出して、ブロック3390でこの係数セットをLPF3370に送信する。
いくつかの実施例によれば、例えば、係数セットなどのLPF特性は、外付けデバイスによって生じ、LPF選択ロジック3330へデータを提供するレポジトリ3340に保存される。いくつかの実施例によれば、特定の特性は、レポジトリ3340で生じ、これによってLPF選択ロジック3330に提供される。
非限定的な例によれば、抽出したLPF特性は、図23に示すようなLPF傾きに合致している。抽出したLPFは、上記に詳細に説明したように、カットオフ周波数が高いほど、このようにして得たSPLが(全周波数レンジに亘って)高くなるという一般的な概念によって、所定のカットオフ周波数を有し、ほぼ一定のSPL(指定の周波数レンジ内で)の維持を容易なものにする。
DDS音量制御は、いくつかの実施例によれば、少なくとも生成した音の所望の音量と周波数に依存する選択基準に従って、前記フィルタ(例えば、レポジトリ3340からのLPF特性)の少なくとも一つを選択するように構成されているLPF選択ロジック3330を具える。選択した所定のLPFを有しており、LPF3370によってデジタル入力信号に適用される。特定の音量は、ユーザインターフェース、あるいは、音量を上げたり下げたりする音量コントロール3350によって調節することができる。インターフェース3350は、例えば、ユーザが制御するノブを具える。その他の実施例では、音量制御信号を外付けデバイスによって、あるいはアプリケーションによって、干渉されることなく自動的に提供することができる。これは上述の例で述べた移動電話の場合であり、音量調節信号は、移動電話制御回路によって、その電話が「スピーカホンモード」で使用されているか、あるいは着信音を生成するのに使用されているかに基づいて、提供される。制御機構3330は、インターフェース3350から音量制御入力を受信して、適当なLPFを選択し、これによって、生成される周波数が、スピーカのカットオフ周波数より高い限りほぼ同じSPLを維持するフィルタ処理をしたデジタル信号3380を達成する。このようにフィルタ処理した信号3380は、DDSコントローラ3360を具えるDDSに送られ、例えば、ステージ815と、図8Bを参照した説明に従って処理され、所望の音を生成するスピーカ機構(すなわち、トランスデューサアレイ)に送られる。
LPFレポジトリ3240は、いくつかの実施例では、リアルタイムでLPFを準備してもよく、その他の実際例では、まれに、既製のLPFsセットを保存していることは明らかである。例えば、スピーカホンモードと着信音モードの特定の例を考えられたい。適宜のフィルタをリアルタイムで、上述した方法で特定のロジックによって入力信号(着信音を表すか、あるいは人の声を表す)に適用することができる。いくつかの実施例では、このフィルタの少なくとも一つが、リアルタイムで適用される一方で、少なくとも一のその他のフィルタには前処理が行われて、リアルタイムでは適用されない。従って、例えば、人の声の場合は、フィルタは、特定の方法でリアルタイムで適用される。しかし、着信音(その「内容」は前もって知られている)は前処理を行うことができる。例えば、記録スタジオで、適宜のフィルタを選択して着信音に適用し、すでにフィルタ処理をした信号を携帯電話に送る。このように、適宜の着信音を鳴らす場合、すでに前処理を行った信号がスピーカに送られる。この場合、選択ロジックは、実際分かれており、一の構成要素は、記録スタジオにあり(着信音に対応するフィルタを選択するために)、その他のフィルタ(スピーカモードに適用可能な)は、電話にある。
とりわけ入力信号の特性によって、明らかに、少なくとも二つのフィルタを選択する、及び/又は前処理を行うこともある。
本発明は、例示的なステージ(電話や、記録スタジオ)に限定されるものではなく、従って、フィルタの選択及び/又は適用は、このプロセスの二つ又はそれ以上のステージで行っても良い。
本発明は、携帯電話及び/又は特定の着信音/スピーカモードに限定されるものではない。
本発明の好ましい実施例によれば、図1A及び23の教示を組み合わせて、集積スピーカシステムを提供することができる。これは、通常、図1Aのラッチコントローラ50が図23のユニット3330、3340、3350、3360及び3370を具え、図1Aの入力信号が図23の音響生成システム3310で生成される。この実施例では、スピーカ及びデジタル制御機構3360は、図1A−19のいずれかの教示によって構成され動作する一方、ブロック3330、3340、3350及び3370は、図20−23のいずれかの教示によって構成され動作する。いくつかの実施例によれば、DDSは、図1A−19のいずれかを参照して上述した実施例のいずれかを具えていても良い。
図23に戻ると、特定のアプリケーションによって可能な選択基準が決定される。いくつかの実施例では、AGC(自動ゲインコントロール)機構を用いて、DDSのSPLを、入力信号の大きさの変化に無関係に確実にほぼ同じにすることができる。この場合、AGC機構は、公知の方法で、所望の音量レベルと入力信号の音量に合致するLPFを自動的に選択する。
例えば、携帯電話のアプリケーションを考えられたい。この分野で知られているように、現在のアナログスピーカは、比較的小さいサイズのアナログスピーカの使用を規定している携帯電話ユニットの物理的な制約によって、低品質の性能を示す。寸法が小さいアナログスピーカ(携帯電話ユニットに合う)と、固有の制限された振動振幅によって、周波数応答が狭くなり、特に、低い周波数でのスピーカの性能が比較的悪くなる。
従って、例えば、人の声は、送信者の携帯電話から送信され、受信者のユニットで再構築される。この声の1000Hz以下の周波数成分は完全に切り捨てられるか、大幅に歪みが生じ、より高い周波数成分に比較して、非常に低いSPLへ減衰する。正味の効果は、従って、携帯電話ユニットの共通のユーザによく知られているように、品質の悪い再構築された声信号である。周波数がより高い場合でも、発生した音響信号のSPLは、多くの場合強度が十分でない。
以下に詳細に説明するように、本発明の様々な実施例を利用して、特定の不利益にうまく対処することができる。従って、本発明のいくつかの実施例によれば、特定のデジタル音量制御を伴うDDSを使用する。LPF選択ロジック3330は、(数多くの可能な基準の内の)所望のLPFを選択する基準を用いることができる。例えば、この基準は(I)所望のように生成したSPL、(II)生成した音の所望の周波数レンジ、(III)入力信号のスペクトル、及び(Iv)そのゲイン、のうちの少なくとも一つによる。
例えば、上述したような、低い周波数成分によっても特徴づけられる人の声を考えられたい。呼び出しを受けたとき、あるいはダイアルしたとき、及び声のチャネルが活性である間、携帯電話の制御回路は、低いカットオフ周波数(フィルタ3250の250Hz)を有するLPFが必要である選択ロジックを表示する。このようなLPFの使用によって、人の声の周波数レンジ(350Hzの低レンジ以下で開始する)内のどの周波数についても所望のフラットな応答が可能になる。明らかに、低いカットオフ周波数を有するLPFを選択することは、所望のフラットな応答を達成する。しかし、発生するであろうSPLに比較してより低いSPLが得られるという不利益において、より高いカットオフ周波数を有するLPFが選択されることは不利なように見える。しかしながら、より重要なことは、特定の(低いカットオフ)LPFを用いて発生したSPLは、使用されている対応するアナログスピーカに比べて、所定の周波数に対して相当に高くなるであろう。その理由は、高周波数(アナログスピーカを用いて)用に発生した最大SPLが、アナログスピーカが低い周波数領域で最大振幅に達すると、急な減衰応答(−12dB/オクターブ)で落ちることである。これに対して、DDSでは、高周波数の最大SPLは、−6dB/オクターブのみのより緩やかな傾斜で落ち(いくつかの実施例によれば)、特定の低い周波数で、より高いSPLが発生する。
従って、正味の効果は、いくつかの実施例によれば、アナログスピーカに比べて、DDSがどの周波数でもより高いSPLを示しつつ、(LPFを用いた場合)低い周波数を含めて、周波数レンジ全体を通じて所望のフラットな応答を維持することである。
所定のアプリケーション(すなわち、低い周波数(バス)ボイス成分を有する人の声を再構築する携帯電話)について、低いカットオフ周波数の選択を例に取って、所望のSPLと所望の周波数レンジ基準を用いたLPFの選択の別の例を説明する。このように、携帯電話のアプリケーションに戻ると、所望の生成した音が着信音(人の声ではなく)である場合、すなわち、携帯電話の制御回路が呼びかけを検出した場合、通常、着信音は、より高い周波数成分によって特徴付けられ、低い周波数成分は有意に少ない。更に、多くのアプリケーションでは、例えば、電話がバッグの中にある場合でも、携帯電話の所有者が着信音を聞くことができるように高音量の着信音が望まれている。このシナリオは、いくつかの実施例において、1000Hzのカットオフ周波数あるいは95dBのSPL(図22Aの3260)といった、より高いカットオフ周波数のLPFを選択することが必要となる。通常は、上記に詳述したように、カットオフ周波数が高いほど、減衰SPLが高くなり、発生する着信音に対して高いSPLが必要になる。
もう一つの例は、ホームシアタのアプリケーションで用いられるDDSである。システムが、ドキュメンタリフィルムを上映するのに使用される場合、周波数レンジは、人の声に限定され、従って350HzのLPFが使用される。同じシステムが、クラシック音楽の演奏に必要な場合、より広い周波数レンジが必要となり、好適なLPF(すなわち、20Hzのカットオフ周波数のもの)が選択される。
この分野によって、本発明が特定のSPLと、周波数レンジの基準の使用に限定されるものではなく、同様に、特定の例に限定されるものではないことは明らかである。
この分野によって、DDS音量制御がスピーカに接続した外付けデバイス、あるいは、いくつかの実施例では、DDSに一体化されたデバイスであっても良いことは明らかである。また、DDS音量制御を信号に適用して、簡単にフィルタ処理した音響コンテンツを提供できることも明らかである。この場合、例えばコンパクトディスクに記録した歌などのコンテンツは、DDSタイプのスピーカで使用するものであり、更なるフィルタ処理は必要ない。
いくつかの実施例では、無限インパルス応答(IIR)タイプのフィルタをLPFとして使用している。別のいくつかの実施例では、有限入力応答(FIR)タイプのフィルタをLPFとして使用している。これらは、本発明のいくつかの実施例によるLPFを用いた多くの可能性のある例の内のわずかな例に過ぎない。フィルタのタイプの選択は、知られているように、必要とされる性能と、入手可能なコンピュータリソースによる。いくつかの実施例では、異なるタイプのフィルタの組み合わせ、例えばFIRとIIR、を用いて、要求される品質、精度、コンピュータの複雑性に合わせることができる。例えば、FIRフィルタは、通常、IIRフィルタに比べて、より安定しており、エラーを丸める感度が低く、位相ひずみが少ない。しかしながら、FIRフィルタは、IIRに比べて、例えば、メモリなどのより多くのコンピュータリソースと、計算速度が必要である。いくつかの実施例では、IIRフィルタは、ある条件の下で使用することができ、FIRフィルタはその他の条件で使用される。例えば、着信音を生成するには、携帯電話の処理ユニットは、MP3ファイルの復号、あるいは、MIDIファイルの合成に部分的に関係しており、従って、本発明の音量制御機構用により少ないリソースを割り当てている。このような場合、IIRフィルタを使用することができる。しかしながら、声の会話が行われている間は、携帯電話処理ユニットの負荷は有意に低くなり、コンピュータリソースを音量制御により多く割り当てて、一般的により高品質であるFIRフィルタを使用することができる。このような実施例では、フィルタのレポジトリ3340は、例えば、FIRフィルタとIIRフィルタの両方の係数を保存しており、音量制御インターフェース3350が、どのタイプのフィルタが必要であるかをLPF選択ロジック3330に指定する。
この技術によって、DDSのシステムアーキテクチュアにデジタルアナログ(D/A)コンバータ(DAC)は不要であることが明らかである。DDSとは反対に、このようなDACは、アナログスピーカでは必須の構成要素である。
上述の記載は、フラットな応答、すなわち、周波数レンジ全体を通じてほぼ一定のSPLを達成することに焦点を絞って記載されている。明らかに、これは、聴者が発生した周波数に対して同じSPLを維持することを好むという場合である。いくつかの実施例では、ユーザは、音量を選択的に調節して(増やすあるいは減らす)、所望のSPLを達成している。このように、例示として、デジタルゲイン技術を公知のデジタル信号制御システム内に実装することができる。
いくつかの実施例によれば、音量制御を、入力信号(例えば、LPFモジュール3370に送られる)に所定の定数を乗算することによって達成している。例えば、音量強度を倍にすることが所望される場合は、入力信号を一定値2で乗算する。いくつかの実施例では、音量を下げるには単に右にシフトさせ、あげるには左にシフトさせる、シフト動作を用いて、信号強度を−6dB段階(各ステップで音量を二つに分けることと等しい)スケールダウン(音量を下げるため)させる、あるいは、6dB段階(各ステップで音量を倍にすることに等しい)スケールアップ(音量を上げるため)こともできる。例えば、n個の位置だけ右シフトさせることによって、音量強度が2のn乗倍下がる。同様に、n個の位置だけ左シフトさせることによって、音量強度が2のn乗倍上がる。
電磁場コントローラ30は、コイルを通って流れる交流電流が常に、全ての条件の下で好適な磁場強度を維持するように設計して、移動エレメント10と電磁ラッチ20間を十分に接近させ、移動エレメントが余り早く移動しすぎないようにすると共に、衝撃の結果移動エレメント自体あるいはラッチ20にダメージが生じないようにすることが好ましい。
特に図面を参照すると、詳細が例示されており、本発明の好ましい実施例を説明するための目的であることが明らかであり、本発明の原理と概念を最も有益に、かつ簡単に理解する記載であると考えられるものを提供するという理由で記載されていることは明らかである。この点に関して、本発明の構造的な詳細を、本発明の基本的な理解に必要な以上により詳細に示すことは意図していない。図面を伴う記載は、当業者に、本発明のいくつもの形を実際にどのように実行するかを明確にするものである。
別々の実施例のコンテキストにおいて述べた本発明の特徴は、単一の辞意しれにおいて組み合わせて提供することもできる。逆に、単一の実施例のコンテキストで簡潔にするために記載した発明の特徴を、個別に、あるいは、適宜のサブコンビネーションで提供することもできる。例えば、移動エレメントは自由に移動するものであっても良く、あるいは、フィラメント状の撓みの上に装填したり、可撓性材料でできた周辺部分を有するようにしても良い。このこととは別に、この装置は、上述したように、装置を通る空気漏れを低減するように構成しても良く、構成しなくとも良い。これらの全てとは別に、移動エレメントは、例えば、導体、コイル、リング状あるいはディスク形状の永久磁石、リング状あるいはディスク状の強磁性体であってもよく、及び可能であれば、この磁石は、いくつかのポール、例えば50%のポールが、残りの50%の磁石のポールと反対を向くように配置しても良く、しなくても良い。これらの全てとは別に、ラッチの形状は、断面において、むく、環状、大きな中央部分を有する、または有しない、穿孔、切欠き、あるいはその他のあらゆる好適な形状であってもよい。これらの全てとは別に、ラッチの制御は、個々に、あるいは群で、あるいはこれらの組み合わせで行うことができる。これらの全てとは別に、各々が傾いている、あるいは傾いていない一又はそれ以上のアクチュエータエレメントアレイがあっても良く、あるいは、各アクチュエータアレイの断面は、円形、矩形、三角形、五角形、あるいはその他の好適な形状であっても良い。これらの全てとは別に、圧力生成エレメントは、図1A−19を参照して上述した移動エレメントを具えていても良く、逆に、移動エレメントが特別に引用される場合は、その他のあらゆるタイプの圧力生成エレメントで好適に代替することもできる。
本発明によるシステムは、好適にプログラムされたコンピュータであっても良いと理解される。同様に、本発明は、コンピュータで読み取り可能なコンピュータプログラムを実装して、本発明の方法を実行することができる。本発明は、更に、機械で読み取り可能なメモリを実装して、明らかに、本発明の方法を実行する機械によって実行可能なインストラクションのプログラムを実施することができる。
本発明は、ある程度詳細に記載したが、この技術によって、特許請求の範囲の範囲から外れることなく、様々な代替及び変更を行うことができることは明らかである。

Claims (16)

  1. 直接デジタルスピーカに接続するように構成された直接デジタルスピーカ音量制御デバイスを具えるシステムにおいて:前記直接デジタルスピーカが、ある音圧レベルで、入力信号に応じた所定の周波数で、デジタルアナログコンバータを使用することなく、音を発生するように構成された複数の圧力生成エレメントを具え;前記直接デジタルスピーカがその周波数レンジ全体にわたって周波数応答を固有に示し;前記直接スピーカ音量制御デバイスが:
    (c)各々が別のカットオフ周波数を有する少なくとも二つのフィルタを提供し、各フィルタが前記カットオフ周波数以下では実質的に減衰せず、前記フィルタのカットオフ周波数以上では減衰応答を示すモジュールと:
    (d)少なくとも所望の音量と発生した音の周波数に基づく選択基準によって前記フィルタの少なくとも一つを選択し、前記フィルタを前記入力信号に適用して前記スピーカに供給するように構成されたフィルタ処理をした信号を生成するセレクタと;
    を具え
    前記スピーカで生成される音の周波数は、時間の経過に伴って動く圧力生成エレメントの数を変えることによって変わり、前記音の周波数は、クロック周波数f CLK に影響を与えず、前記f CLK は一定に維持されることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記フィルタの少なくとも一つが、前記スピーカの周波数応答に対応する前記フィルタのカットオフ周波数以上で減衰応答を示すことを特徴とするシステム。
  3. 請求項2に記載のシステムにおいて、前記フィルタの少なくとも一つが、前記スピーカの周波数応答に対応する前記フィルタのカットオフ周波数以上で減衰応答を示し、前記スピーカがその指定周波数レンジ全体にわたってほぼフラットな応答を示すことを特徴とするシステム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記スピーカの周波数応答がその周波数レンジにわたって6dB/オクターブであり、前記フィルタの各々が、前記カットオフ周波数を超える周波数レンジでは−6dB/オクターブの減衰応答を示し、前記カットオフ周波数より下の周波数レンジでは実質的に減衰しないことを特徴とするシステム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記フィルタの少なくとも一つがローパスフィルタ(LPF)であることを特徴とするシステム。
  6. 請求項5に記載のシステムにおいて、前記LPFsの少なくとも一つがIIRタイプのフィルタであることを特徴とするシステム。
  7. 請求項5又は6に記載のシステムにおいて、前記LPFsの少なくとも一つがFIRタイプのフィルタであることを特徴とするシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記直接デジタルスピーカ音量制御デバイスが、発生した音のSPLを調節する音量制御モジュールを具えることを特徴とするシステム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記選択基準が、(i)所望の発生したSPL、(ii)前記発生した音の所望の周波数レンジ、(iii)前記入力信号のスペクトル、及び(iv)前記入力信号のゲイン、のうちの少なくとも一つに基づくことを特徴とするシステム。
  10. デジタルアナログコンバータを使用することなく、入力信号に応じた音圧レベル(SPL)と所定の周波数で音を発生するように構成された複数の圧力生成エレメントを具える直接デジタルスピーカであって;前記直接デジタルスピーカがその周波数レンジ全体を通して周波数応答を固有に示し、前記直接デジタルスピーカが直接デジタルスピーカ音量制御デバイスを具える直接デジタルスピーカにおいて;
    (a)各々が別のカットオフ周波数を有する少なくとも二つのフィルタを提供し、各フィルタがそのカットオフ周波数以下では実質的に減衰せず、前記フィルタのカットオフ周波数以上で減衰応答を示すモジュールと;
    (b)少なくとも発生した所望の音量と周波数に基づく選択基準に基づいて前記フィルタの少なくとも一つを選択し、このフィルタを前記入力信号に適用して前記スピーカに供給するように構成したフィルタ処理をした信号を生成するセレクタと;
    を具え
    前記スピーカで生成される音の周波数は、時間の経過に伴って動く圧力生成エレメントの数を変えることによって変わり、前記音の周波数は、クロック周波数f CLK に影響を与えず、前記f CLK は一定に維持されることを特徴とする直接デジタルスピーカ。
  11. 音を発生するスピーカシステムであって、発生した音の強度及びピッチを含む少なくとも一の属性が、クロックによって定期的にサンプリングされる入力デジタル信号の振幅及び周波数を含む少なくとも一の特性に対応しているスピーカシステムにおいて、当該システムが少なくとも一のアクチュエータデバイスを具え、各アクチュエータデバイスが:
    移動エレメントのアレイであって、個別移動エレメントが交流磁場に応答し、交流磁場が存在するときに作用する電磁力に応じて、各軸に沿って交互に往復移動するように拘束されているアレイと;
    前記移動エレメントの少なくとも一のサブセットを少なくとも一のラッチ位置に選択的にラッチして、前記個別移動エレメントが前記電磁力に応答しないように作動する少なくとも一のラッチと:
    前記クロックを受信して動作し、前記移動エレメントのアレイへの前記電磁力の提供を制御する磁場制御システムと;
    前記デジタル入力信号を受信して、前記少なくとも一のラッチを制御するラッチコントローラであって、前記ラッチコントローラが直接デジタルスピーカ音量制御デバイスに接続されているラッチコントローラと;
    を具えることを特徴とするスピーカシステム。
  12. 音を発生するスピーカシステムであって、発生した音の強度及びピッチを含む少なくとも一の属性がクロックによって定期的にサンプリングされる入力デジタル信号の振幅及び周波数を含む少なくとも一の特性に対応しているスピーカシステムにおいて、当該システムが少なくとも一のアクチュエータデバイスを具え、各アクチュエータデバイスが:
    移動エレメントのアレイであって、個別移動エレメントが交流磁場に応答し、交流磁場が存在するときにそこに作用する電磁力に応じて、各軸に沿って交互に往復移動するように拘束されているアレイと;
    前記移動エレメントの少なくとも一のサブセットを少なくとも一のラッチ位置に選択的にラッチして、前記ここの移動エレメントが前記電磁力に応答しないように作動する少なくとも一のラッチと:
    前記クロックを受信して動作し、前記移動エレメントのアレイへの前記電磁力の提供を制御する磁場制御システムと;
    前記デジタル入力信号を受信して、前記少なくとも一のラッチを制御するラッチコントローラであって、前記ラッチコントローラが直接デジタルスピーカ音量制御デバイスに接続されている、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のラッチコントローラと;
    を具えることを特徴とするスピーカシステム。
  13. 直接デジタルスピーカに供給されるように構成された入力信号の音量を制御する方法であって;前記直接デジタルスピーカが入力信号に応じた音圧レベル(SPL)と所定の周波数で音を発生するように構成された複数の圧力生成エレメントを具え;前記直接デジタルスピーカがその周波数レンジ全体にわたって周波数応答を固有に示す、方法において、当該方法が:
    a.各々が別のカットオフ周波数を有する少なくとも二つのフィルタであって、各フィルタがそのカットオフ周波数より下では実質的に減衰を示さず、前記フィルタのカットオフ周波数以上では減衰応答を示す、少なくとも二つのフィルタを提供するステップと;
    b.発生した音の少なくとも所望の音量と周波数に基づいた選択基準に従って前記フィルタの少なくとも一つを選択し、前記フィルタを前記入力信号に適用して、前記スピーカに送るように構成されたフィルタ処理した信号を生成するステップと;
    を具え
    前記スピーカで生成される音の周波数は、時間の経過に伴って動く圧力生成エレメントの数を変えることによって変わり、前記音の周波数は、クロック周波数f CLK に影響を与えず、前記f CLK は一定に維持されることを特徴とする方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、前記フィルタの少なくとも一つが、受信した入力信号にリアルタイムで適用されることを特徴とする方法。
  15. 請求項13に記載の方法において、前記フィルタを前記入力信号に適用するステップが前記フィルタの少なくとも一つに前処理を行うことを特徴とする方法。
  16. 請求項13乃至15のいずれか一つに記載したステップをコンピュータに実行させるためのプログラム
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