JP5179944B2 - 太陽電池製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と集光された太陽光を太陽電池素子に照射する柱状光学部材とを備える太陽電池を製造する太陽電池製造方法に関する。
太陽光発電装置としては、太陽電池素子を隙間無く敷き詰めて構成した太陽光発電モジュールを屋根の上などに設置した非集光固定型の平板式構造が一般的である。これに対し、太陽光発電装置を構成する部材(部品)の中で価格が高い太陽電池素子の使用量を減らす技術が提案されている。
つまり、光学レンズや反射鏡などを用いて太陽光を集光し、集光した太陽光を小面積の太陽電池素子に照射することで、太陽電池素子の単位面積あたりの発電電力を大きくし、太陽電池素子のコスト(つまり、太陽光発電装置のコスト)を削減することが提案されている。
一般に集光倍率を上げるほど太陽電池素子の光電変換効率は向上する。しかし、太陽電池素子の位置を固定したままでは太陽光が斜光となって入射することが多くなり、太陽光を有効に利用することができない。したがって、太陽を追尾して太陽光を常に正面で受光するように構成した高集光倍率の追尾集光型太陽光発電装置が提案されている(例えば、特許文献1ないし特許文献5参照。)。
図7は、従来の追尾集光型太陽光発電装置に適用される集光型太陽光発電モジュールの構成例を示す断面図である。
従来例に係る集光型太陽光発電モジュール101は、光軸Laxと平行に入射面に対して垂直に入射する太陽光Lsを受光して集光する集光レンズ150と、集光レンズ150により集光された太陽光Lsを光電変換する太陽電池110とを備える。また、太陽電池110は、集光された太陽光Lsを光電変換する太陽電池素子111と、太陽電池素子111が載置されたレシーバ基板120とを備える。
太陽光Lsの波長領域は、短波長の400nmから中間波長の1000nm(1μm)までの中短波長側領域と、1μmを越える長波長側領域とを含んでいる。したがって、集光レンズ150で集光された太陽光Lsの内で、中短波長側領域の太陽光Lsは、焦点FPb側に向けて集光されることから、太陽電池素子111の中央付近に集光されて中短波長側集光束領域FLRbを構成する。また、長波長側領域の太陽光Lsは、焦点FPc側に向けて集光されることから、中短波長側集光束領域FLRbおよびその外周(例えば、太陽電池素子111の外周)に長波長側集光束領域FLRcを構成する。
従来の追尾集光型太陽光発電装置は、集光レンズ150の作用により高集光倍率とした集光型太陽光発電モジュール101を適用していた。
しかし、集光レンズ150による屈折は、太陽光Lsが含む幅広い波長の各波長に対してそれぞれわずかに異なることから、波長領域によって屈折状態が大きく異なる。したがって、上述したとおり、太陽電池素子111に集光されない太陽光Ls(長波長側集光束領域FLRcの外周側領域FLRcs)を生じる場合がある。
また、集光レンズ150と太陽電池素子111とのアライメント誤差、太陽光発電モジュール101を構成する部材の温度特性の差による位置ズレなどが生じることから、屈折状態が異なる場合と同様に太陽電池素子111の中心(光軸Lax)に対して位置ズレを生じる。つまり、太陽電池素子111に対して照射すべき太陽光Lsの位置ズレが生じ、結果として集光効率が変動して低下する場合がある。
したがって、波長領域による屈折状態の相違、各構成部材間の位置ズレなどを原因として太陽電池素子111に対する位置合わせがされない太陽光Lsの発生は、太陽電池素子111に対する実質的な入射光量の減少をもたらすこととなり、太陽電池110(太陽電池素子111)の光電変換効率および発電電力(出力)を低下させ、さらには不要な損失を生じるという問題がある。
また、位置ズレをした太陽光Lsが太陽電池素子111以外の領域に照射されると、位置ズレした太陽光Lsの熱エネルギーにより照射された部分の部材(例えば、レシーバ基板120上の絶縁膜、配線など)が高温になり、場合によっては焼損(破損)することがあるという問題があった。
また、太陽電池素子111は、集光された太陽光Lsによって発熱することから、光電変換効率が低下し、発電電力(出力)が低下するという問題があった。
特開2002−289896号公報 特開2002−289897号公報 特開2002−289898号公報 特開2006−278581号公報 特開2007−201109号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。
発明は、太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、集光レンズにより集光された太陽光を無駄なく太陽電池素子に照射する柱状光学部材と、柱状光学部材の側面に当接された枠状の当接枠体と柱状光学部材から離して配置され当接枠体を支持する支持体とを有してレシーバ基板に立設された保持部とを備える太陽電池を製造する太陽電池製造方法であって、支持体をレシーバ基板に固定する支持体固定工程と、内側樹脂止め部の内側に透光性樹脂を注入する透光性樹脂注入工程と、柱状光学部材を当接枠体に当接させて照射面を透光性樹脂に載置する柱状光学部材載置工程とを備えることによって、集光効率および光電変換効率を向上させた耐熱性および信頼性の高い太陽電池を生産性良く安価に製造することができる太陽電池製造方法を提供することを目的とする。
発明に係る太陽電池製造方法は、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、集光された太陽光を入射させる入射面と前記太陽電池素子に対向して配置され前記太陽電池素子に太陽光を照射する照射面とを有する柱状光学部材と、該柱状光学部材の側面に当接された枠状の当接枠体と前記柱状光学部材から離して配置され前記当接枠体を支持する支持体とを有して前記レシーバ基板に立設された保持部とを備える太陽電池を製造する太陽電池製造方法であって、前記太陽電池素子を載置した前記レシーバ基板を準備する基板準備工程と、前記レシーバ基板に接着性樹脂を塗布して、前記太陽電池素子を樹脂封止する透光性樹脂が注入される内側樹脂止め部および該内側樹脂止め部の外側で前記支持体が固定される外側樹脂止め部を形成する樹脂止め部形成工程と、前記支持体を前記外側樹脂止め部に接着して前記接着性樹脂を硬化することで前記支持体を前記レシーバ基板に固定する支持体固定工程と、前記内側樹脂止め部の内側に前記透光性樹脂を注入する透光性樹脂注入工程と、前記柱状光学部材を前記当接枠体に当接させて前記照射面を前記透光性樹脂に載置する柱状光学部材載置工程と、前記透光性樹脂を硬化して樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えることを特徴とする。
この構成により、集光された太陽光(集光束領域)が柱状光学部材の中心に対して位置ズレを生じた場合に入射面集光束領域を入射面の領域内に位置させて集光特性の変動を防止し、また、集光された太陽光が柱状光学部材に加える熱を当接枠体によって分散することによって集光効率および光電変換効率を向上させた耐熱性および信頼性の高い太陽電池を容易かつ高精度に製造することができる。
発明に係る太陽電池製造方法によれば、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、集光された太陽光を入射させる入射面と前記太陽電池素子に対向して配置され前記太陽電池素子に太陽光を照射する照射面とを有する柱状光学部材と、該柱状光学部材の側面に当接された枠状の当接枠体と前記柱状光学部材から離して配置され前記当接枠体を支持する支持体とを有して前記レシーバ基板に立設された保持部とを備える太陽電池を製造する太陽電池製造方法であって、前記太陽電池素子を載置した前記レシーバ基板を準備する基板準備工程と、前記レシーバ基板に接着性樹脂を塗布して、前記太陽電池素子を樹脂封止する透光性樹脂が注入される内側樹脂止め部および該内側樹脂止め部の外側で前記支持体が固定される外側樹脂止め部を形成する樹脂止め部形成工程と、前記支持体を前記外側樹脂止め部に接着して前記接着性樹脂を硬化することで前記支持体を前記レシーバ基板に固定する支持体固定工程と、前記内側樹脂止め部の内側に前記透光性樹脂を注入する透光性樹脂注入工程と、前記柱状光学部材を前記当接枠体に当接させて前記照射面を前記透光性樹脂に載置する柱状光学部材載置工程と、前記透光性樹脂を硬化して樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えることから、集光された太陽光(集光束領域)が柱状光学部材の中心に対して位置ズレを生じた場合に入射面集光束領域を入射面の領域内に位置させて集光特性の変動を防止し、また、集光された太陽光が柱状光学部材に加える熱を当接枠体によって分散することによって集光効率および光電変換効率を向上させた耐熱性および信頼性の高い太陽電池を容易かつ高精度に製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1Aないし図3Bに基づいて、本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールについて説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの光軸を含む面での概略構成を透視的に示す透視側面図である。
図1Bは、図1Aに示した太陽電池の保持部および柱状光学部材の外観を斜め上方から見て示す斜視図である。
本実施の形態に係る太陽電池10は、集光レンズ50により集光された太陽光Lsを光電変換する太陽電池素子11と、太陽電池素子11が載置されたレシーバ基板20と、集光された太陽光Lsを入射させる入射面31と太陽電池素子11に対向して配置され太陽電池素子11に太陽光Lsを照射する照射面32とを有する柱状光学部材30と、レシーバ基板20に立設され柱状光学部材30を保持する保持部40とを備える。
保持部40は、柱状光学部材30の側面33に当接され入射面31から照射面32の方向へ厚さtを持たせた枠状の当接枠体41と、柱状光学部材30から離して配置され当接枠体41を支持する支持体42とを備える。
柱状光学部材30の側面33は、入射された太陽光Lsを照射面32の方向へ全反射するように傾斜させてあり、柱状光学部材30の入射面31は、集光された太陽光Lsによって形成される集光束領域FLRが入射面31に形成する入射面集光束領域FLRdを内側に位置させる大きさとしてある。
したがって、この構成により、集光された太陽光Ls(集光束領域FLR)が柱状光学部材30の中心(光軸Lax)に対して位置ズレ(図4、図5参照)を生じた場合に入射面集光束領域FLRdを入射面31の領域内に確実に位置させて太陽電池10の集光特性の変動を防止することが可能となり、また、集光された太陽光Lsが柱状光学部材30に加える熱を側面33および当接枠体41によって周囲の空間へ分散することが可能となるので、集光効率および光電変換効率を向上させた耐熱性および信頼性の高い太陽電池10とすることができる。
側面33は、照射面32の垂直方向(光軸Lax方向、つまり、太陽電池素子11の受光面に対する垂直方向)に対して8度〜20度の傾斜角θを有している。したがって、柱状光学部材30に入射した太陽光Lsを側面33で確実かつ高精度に全反射させて太陽電池素子11に照射させることが可能となるので、太陽電池10の集光効率および光電変換効率を確実に向上させることができる。
照射面32は、太陽電池素子11(外周)の内側に位置する大きさとしてある。したがって、照射面32から太陽電池素子11に対して照射される太陽光Lsは、確実に太陽電池素子11へのみ照射されることとなる。つまり、光電変換に寄与しない不要な太陽光Lsがレシーバ基板20に照射されることを防止できるので、太陽電池素子11に対する配線が形成されたレシーバ基板20の焼損を防止して信頼性の高い太陽電池10とすることができる。
柱状光学部材30は、例えば、ガラス、耐熱ガラス、一般的な透明樹脂などによって構成することが可能である。集光された太陽光Lsが有する高いエネルギー密度に耐える特性を有する材料を適用することが望ましい。つまり、太陽光Lsによる温度上昇、急激な温度変化に耐えられる耐熱ガラスが特に望ましいがこれに限るものではない。
当接枠体41は、矩形状としてあり、支持体42は、当接枠体41の4隅に柱状に配置してある。したがって、当接枠体41と柱状光学部材30とを高精度に位置合わせすることが可能となり、また、太陽電池素子11の周囲および柱状光学部材30(側面33)の周囲に設けた空間での煙突効果によって太陽電池素子11および柱状光学部材30の放熱を効果的に行なうことが可能となるので、光電変換効率を向上させることができる。
つまり、側面33の全反射を生じる領域は、当接枠体41に当接せずに空間に露出していることから、柱状光学部材30に供給される太陽光Lsによる熱エネルギーを効率的に空間に放出することが可能となり、太陽電池10(太陽電池素子11)の耐熱性を向上させることができる。
また、当接枠体41の内側(柱状光学部材30と当接する部分)の角部(隅部)には、柱状光学部材30の角に対応させて溝部41gが形成してある。つまり、柱状光学部材30の角は溝部41gが構成する空間に配置されることから、当接枠体41と直接接触することがなく、組み立て時において破損を生じる恐れがない。また、側面33と当接枠体41の内側面は、それぞれ平面で構成してあることから、高精度に当接させることが可能であり、高精度に位置決めすることができる。
なお、溝部41gには、接着樹脂を充填して柱状光学部材30と保持部40との接着強度を向上させることが可能であり、機械的強度を向上させて柱状光学部材30の安定性を向上させることができる。また、集光束領域FLRが最小となる最小集光束領域FLRsは、当接枠体41に対して照射面32側に位置するように構成してある。したがって、当接枠体41の内側面では、太陽光Lsが側面33に照射しないことから、太陽光Lsに対する影響を全く生じない。つまり、溝部41gに接着樹脂を充填した場合でも、集光特性に対して悪影響を及ぼすことはない。
保持部40は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属、あるいはポリエチレンなどの合成樹脂などを適用することが可能である。放熱性、熱膨張特性などを考慮して金属とすることが望ましい。また、軽量化、低コスト化の観点からは、アルミニウムとすることが望ましい。
太陽電池素子11の周囲には、内側樹脂止め部21が環状(額縁状)に形成してあり、内側樹脂止め部21の内側には透光性樹脂の樹脂封止部25が形成してある。つまり、内側樹脂止め部21は、太陽電池素子11と照射面32との間を透光性樹脂で樹脂封止して樹脂封止部25を形成するときの樹脂止めとして利用される。樹脂封止部25によって、太陽電池素子11の表面を確実に保護して外部環境からの影響を排除することが可能となり、耐候性に優れた太陽電池10とすることができる。
樹脂封止部25を構成する透光性樹脂は、光透過性が高く、優れた接着性を有することが望ましい。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを適用することが可能である。樹脂封止部25は、太陽電池素子11の表面を被覆して、太陽電池素子11の耐水性、耐湿性を向上させる。また、柱状光学部材30(入射面31)に接着され、柱状光学部材30を固定する作用を有する。
また、内側樹脂止め部21の外側には外側樹脂止め部22が形成してある。外側樹脂止め部22は、支持体42を接着して固定するために配置されている。したがって、支持体42に対応する位置にのみ形成することが可能であるが、外側樹脂止め部22と同様に環状(額縁状)に形成することも可能である。環状(額縁状)とした場合は、樹脂封止部25を形成するとき、内側樹脂止め部21に充填された透光性樹脂が柱状光学部材30によって内側樹脂止め部21から押し出された場合に、透光性樹脂が外側樹脂止め部22によって止められるので、工程不良の発生を防止することができる。
内側樹脂止め部21、外側樹脂止め部22は、接着性のある合成樹脂で形成されることが望ましい。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを適用することが可能である。
本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュール1は、太陽光Lsを集光して太陽電池10に入射させる集光レンズ50と、集光レンズ50により集光された太陽光Lsを光電変換する太陽電池10とを備える。したがって、集光された太陽光Lsによって入射面31に形成された入射面集光束領域FLRdが入射面31の中心(光軸Lax)に対して位置ズレを生じた場合でも、入射面集光束領域FLRdを入射面31の内側に形成することが可能であることから、集光特性は変動することがない。
つまり、本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュール1は、入射面集光束領域FLRdが入射面31の中心に対して位置ズレを生じたとき、集光効率が低下する恐れがないので、集光効率と変換光率を向上させ、高い耐熱性および信頼性を実現することが可能となる。
また、集光束領域FLRが最小となる最小集光束領域FLRsは、柱状光学部材30の内部に位置するように構成してある。したがって、集光レンズ50による焦点群FPg(図3A参照)の位置を柱状光学部材30の内部に位置させて入射面集光束領域FLRdでのエネルギー密度を抑制することが可能となる。つまり、入射面31の表面に例えばゴミが付着した場合に、集光された太陽光Lsによる高い熱エネルギーによってゴミが燃焼して柱状光学部材30を焼損することを防止し、信頼性の高い集光型太陽光発電モジュール1とすることができる。
最小集光束領域FLRsは、当接枠体41の底部41bと照射面32との間に位置する構成としてあることが望ましい。つまり、柱状光学部材30の側面33での全反射を当接枠体41に当接していない位置で生じさせることが可能となることから、当接枠体41による反射損を生じることがなく、集光効率を安定化させて太陽電池10の出力特性を安定化することができる。
なお、入射面集光束領域FLRdの大きさは、太陽電池10に対する集光レンズ50の集光特性、大きさ、距離を光学的に算出して設定することが可能である。また、最小集光束領域FLRsの大きさと位置は、太陽電池10に対する集光レンズ50の集光特性、大きさ、距離、さらには太陽電池素子11に対する柱状光学部材30の大きさ、距離を光学的に算出して求める設定することが可能である。
<実施の形態2>
図2に基づいて、本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールについて説明する。本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの基本的な構成は実施の形態1の場合と同様であるので、適宜符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
図2は、本発明の実施の形態2に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの太陽光波長に対する特性を概念的に示す側面図である。
太陽光Lsの波長領域は、短波長の400nmから中間波長の1000nm(1μm)までの中短波長側領域と、1μmを越える長波長側領域とを含んでいる。集光レンズ50により集光された太陽光Lsの内で、中短波長側領域の太陽光Lsは、入射面31の中央付近に集光され中短波長側集光束領域FLRbを構成する。また、長波長側領域の太陽光Lsは、中短波長側集光束領域FLRbとその外周(入射面31の外周、さらには当接枠体41に対応する領域)に長波長側集光束領域FLRcを構成する。
中短波長側領域(400nmないし1000nm)の太陽光Lsは、太陽電池素子11の光電変換にそのまま寄与する。したがって、中短波長側領域(400nmないし1000nm)が構成する集光束領域である中短波長側集光束領域FLRbは、確実に太陽電池素子11に照射される構成としてある。
本実施の形態では、中短波長側集光束領域FLRbは、入射面31に入射し、柱状光学部材30の内部で進行した後、側面33で全反射する。つまり、入射面31は、中短波長側集光束領域FLRbを入射面31の内側に位置するように構成されている。逆に言えば、中短波長側集光束領域FLRbは、集光レンズ50によって入射面31の内側に位置するように構成されている。
他方、長波長側領域(1μm超)の太陽光Lsは、全てが太陽電池素子11の光電変換に寄与するわけではなく、光電変換に寄与するに必要なエネルギーは入射エネルギーの3分の2程度であれば良い。また、長波長側領域の太陽光Lsは、太陽電池10の温度を上昇させて光電変換効率を低下させる作用がある。
したがって、本実施の形態では、長波長側領域(1μm超)の太陽光Lsが構成する集光束領域である長波長側集光束領域FLRcの外周側の一部(中短波長側集光束領域FLRbの外側の外周側領域FLRcs)を当接枠体41(厚さt)によって遮光する構成としてある。すなわち、長波長側領域の太陽光Lsが構成する長波長側集光束領域FLRcの外周側領域FLRcsは、入射面31の外周で当接枠体41の頂面および厚さtに対応する領域で遮光される位置に集光レンズ50によって集光されるように構成されている。
つまり、当接枠体41の厚さtは、太陽光Lsの長波長側領域が形成する長波長側集光束領域FLRcの外周側領域FLRcsを遮光する厚さとしてある。この構成により、太陽光Lsの長波長側領域を当接枠体41で遮光し、レシーバ基板20を太陽光Lsが照射することを防止することが可能となるので、レシーバ基板20の温度上昇を防止して光電変換効率を向上させることができる。
太陽電池素子11が多接合太陽電池とされた場合、ボトム層の設計電流値は、トップ層、ミドル層より1.8倍程度多いためすべての領域の波長を吸収する必要はない。したがって、長波長側領域に対する遮光特性を当接枠体41の頂面および厚さtの部分に持たせることによって、長波長側領域の太陽光Lsによる温度上昇を排除することが可能となる。また、逆に中短波長側領域に対応する入射面集光束領域FLRdを高精度に入射面31に位置決めし、また、側面33で全反射させることによって、遮熱効果を発生させ、入射面集光束領域FLRdの位置ズレによる出力低減を防止して出力の安定化を確保することができる。
<実施の形態3>
図3Aおよび図3Bに基づいて、本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールについて説明する。本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの基本的な構成は実施の形態1、実施の形態2の場合と同様であるので、適宜符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
図3Aは、本発明の実施の形態3に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールでの集光レンズの温度特性による太陽光波長に対する焦点の変位状態を概念的に示す側面図である。
図3Bは、図3Aに示した太陽電池の入射面での入射面集光束領域の変位状態を概念的に示す平面図である。
本実施の形態に係る集光レンズ50は、例えば、シリコーン樹脂で形成したフレネルレンズとしてある。シリコーン樹脂の温度が、例えば20℃ないし40℃と変化した場合、例えば波長650nmに対する屈折率は、温度の変化に対応して1.409(20℃)ないし1.403(40℃)と変化する。なお、屈折率の変化は、全波長に対して生じる。
したがって、温度が変化するときの集光束領域FLRは温度に従って変動する。例えば、温度T1>温度T2>温度T3とした場合、温度T1のときの集光束領域FLR(T1)<温度T2のときの集光束領域FLR(T2)<温度T3のときの集光束領域FLR(T3)となる。また、温度T1のときの入射面集光束領域FLRd(T1)、温度T2のときの入射面集光束領域FLRd(T2)、温度T3のときの入射面集光束領域FLRd(T3)の関係は、入射面集光束領域FLRd(T1)<入射面集光束領域FLRd(T2)<入射面集光束領域FLRd(T3)となる。
つまり、温度T1のときの焦点FP(T1)、温度T2のときの焦点FP(T2)、温度T3のときの焦点FP(T3)の位置は、入射面31から順に焦点FP(T1)、焦点FP(T2)、焦点FP(T3)となる。したがって、焦点FP(T1)、焦点FP(T2)、焦点FP(T3)は、焦点FPの集合であり、焦点群FPgを構成する。
すなわち、集光レンズ50の温度が、温度T1ないし温度T3の間で変化したとき、焦点FPは焦点ズレSfpを生じ、集光レンズ50の集光特性を変動させる。また、入射面31での入射面集光束領域FLRdは、屈折率の変化の影響を受けて変化することとなる。
集光レンズ50の径は、例えば30cm、集光レンズ50と太陽電池素子11との間隔は、例えば30cmとしてある。この形状としたとき、温度T1(例えば40℃)のとき入射面集光束領域FLRd(T1)は直径約6.5mm、温度T2(例えば30℃)のとき入射面集光束領域FLRd(T2)は直径約7mm、温度T3(例えば20℃)のとき入射面集光束領域FLRd(T3)は直径約7.5mmである場合、矩形状とした入射面31の辺の長さwを例えば9.4mmとしておけば、入射面集光束領域FLRdは、温度変化に伴う集光特性の変化があっても、必ず入射面31の内側に入射することとなり、集光特性の変動を実質上防止することが可能となる。
また、このときの、焦点FP(T1)から焦点FP(T3)に渡る焦点ズレSfpは、約10mmであった。したがって、当接枠体41の底部41bから照射面32までの距離は、少なくとも10mm以上としておけば良いこととなる。
上述したとおり、本実施の形態では、集光レンズ50の温度変化に伴って変位する集光レンズ50の焦点FPが構成する焦点群FPgは、当接枠体41の底部41bと照射面32との間に位置する構成としてある。したがって、集光レンズ50の温度変化によって焦点が変位したときに、側面33での全反射を当接枠体41と当接していない位置で生じさせることが可能となり、集光効率を安定化させて太陽電池10の出力特性を安定化することができる。
また、焦点FPを当接枠体41の底部41bと照射面32との間に位置することから、焦点FPの位置が保持部40の外周に対応する位置に移動することを防止し、太陽光Lsがレシーバ基板20を例外的に照射するような場合でも、レシーバ基板20の表面での集光束領域FLRの熱エネルギー密度を抑制することが可能となることから、レシーバ基板20の温度上昇を防止し、焼損を回避することができる。
<実施の形態4>
図4に基づいて、本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールについて説明する。本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの基本的な構成は実施の形態1ないし実施の形態3の場合と同様であるので、適宜符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
図4は、本発明の実施の形態4に係る集光型太陽光発電モジュールを間欠追尾制御したときの追尾状態と入射面に形成される入射面集光束領域との関係を概念的に示す追尾状態概念図であり、(A)は太陽光に対して集光型太陽光発電モジュールが正対した状態を、(B)は太陽光に対して集光型太陽光発電モジュールを先行して移動させた状態を、(C)は移動させた集光型太陽光発電モジュールが太陽光の移動によって再度正対した状態を、(D)は太陽光の移動によって集光型太陽光発電モジュールが遅れを生じた状態をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュール1(太陽電池10)は、いわゆる追尾制御によって太陽光Lsに対して正対する構成としてある。つまり、太陽移動方向SSDに沿って集光型太陽光発電モジュール1(入射面31)に対する太陽光Lsの入射方向が変動することから、集光型太陽光発電モジュール1は、追尾制御部5によって太陽方位角に対して間欠的に旋回駆動され、また、太陽高度に対して間欠的に傾倒駆動される構成としてある。なお、図4では、理解を容易にするために旋回駆動された状態のみを示しているが、旋回駆動と共に傾倒駆動に対しても同様の駆動制御が実行されている。
追尾制御を効率的に実行するために、集光型太陽光発電モジュール1に対する追尾制御は、規定時間毎に実行される。つまり、追尾制御部5による追尾制御は、いわゆる間欠追尾制御態様とされている。なお、集光型太陽光発電モジュール1の形状(集光レンズ50の径、集光レンズ50と太陽電池素子11の間隔)は、実施の形態4の場合と同様としてある。
間欠追尾制御は、例えば以下のようにして実行することが可能である。
太陽光Lsに対して遅れた位置(同図(A)の直前の位置)にあった集光型太陽光発電モジュール1を矢符Rot方向へ旋回駆動して、太陽光Lsに対して正対する状態(同図(A))を通過させ、太陽光Lsを追い越した位置に移動させ固定する(同図(B))。
集光型太陽光発電モジュール1が太陽光Lsを追い越したときの旋回角度は、正対位置に対して、最大角度で例えば+0.05度とされている。入射面31の辺の長さwを9.4mm、入射面集光束領域FLRdの直径を7mmとしたとき、入射面集光束領域FLRdの旋回ズレdwは正対時に対して1mmとなる。
太陽光Lsは、太陽光Lsに対して進んだ位置(同図(B))に移動された集光型太陽光発電モジュール1に入射面集光束領域FLRdを入射しつつ再度正対する状態(同図(C))を通過し、集光型太陽光発電モジュール1を追い越した位置(同図(D))に移動する。
太陽光Lsが集光型太陽光発電モジュール1を追い越したときの旋回角度は、正対位置に対して、最大角度で例えば−0.05度とされている。したがって、集光型太陽光発電モジュール1が太陽光Lsを追い越したときに対して反対側で、入射面集光束領域FLRdの旋回ズレdwは正対時に対して1mmとなる。
したがって、集光型太陽光発電モジュール1が太陽光Lsを追い越した場合、あるいは太陽光Lsが集光型太陽光発電モジュール1を追い越した場合のいずれであっても、旋回角度の最大値での入射面集光束領域FLRdの正対時に対する旋回ズレdwは、入射面31の大きさに対して十分小さい値とすることが可能であることから、追尾制御(旋回制御)による意図的な位置ズレ操作が実行された場合でも集光特性が変動することが無く、集光効率を低下させることはない。
また、傾倒駆動での傾倒角度は、最大角度で±0.025度、傾倒ズレは、0.5mmとすることが可能である。つまり、傾倒角度の最大値での入射面集光束領域FLRdの正対時に対する傾倒ズレは、入射面31の大きさに対して十分小さい値とすることが可能であることから、追尾制御(傾倒制御)による意図的な位置ズレ操作が実行された場合でも集光効率を低下させることはない。
上述したとおり、本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュール1では、太陽電池10(集光型太陽光発電モジュール1)の位置を太陽軌道上の太陽の移動先へ規定時間毎に先行して移動させる間欠追尾制御態様としたとき、入射面集光束領域FLRdは、入射面31の内側に位置する構成としてある。
したがって、太陽の移動先へ先行して移動させる間欠追尾制御としたときでも、太陽電池10の集光特性の変動を抑制して集光効率を安定化させることが可能となるので、太陽電池10の出力特性を安定化させて信頼性の高い集光型太陽光発電モジュール1とすることができる。
<実施の形態5>
図5に基づいて、本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュールについて説明する。本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュールの基本的な構成は実施の形態1ないし実施の形態4の場合と同様であるので、適宜符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
図5は、本発明の実施の形態5に係る集光型太陽光発電モジュールの集光レンズと太陽電池との間で組み立て誤差を生じたときの設定角度ズレと入射面に形成される入射面集光束領域との関係を概念的に説明する説明図である。
入射面31に形成される入射面集光束領域FLRdと入射面31の中心(光軸Lax)との位置ズレは、上述した稼動中の場合に限らず、製造工程での組み立て誤差に起因して生じることがある。すなわち、太陽電池10(太陽電池素子11)と集光レンズ50との間には高精度の平行性が要求される。しかし、集光レンズ50は、太陽電池10に対して本来の平行位置からずれて設定角度ズレαを生じた状態で集光型太陽光発電モジュール1として組み立てられることがある。
このような太陽電池10に対する集光レンズ50の組み立て誤差を伴う場合、集光レンズ50によって集光された太陽光Ls(集光束領域FLR)は、入射面31に対して位置ズレを生じる。つまり、位置ズレの無い入射面集光束領域FLRdに対して、入射面31には横方向へ位置ズレした入射面集光束領域FLRdsが形成される。
実施の形態4で示したとおり、入射面31の辺の長さwを9.4mm、入射面集光束領域FLRdの直径を7mmとした場合、設定角度ズレαが最大値で例えば0.1度としたとき、位置ズレした入射面集光束領域FLRdsは、本来の入射面集光束領域FLRdに対して最大1mmのズレを生じる。つまり、集光レンズ50がいずれの方向に対して位置ズレした場合であっても、入射面集光束領域FLRdsは、入射面31の内側に位置することが可能となる。したがって、集光効率を低下させることがなく、集光効率と変換光率を向上させた信頼性の高い集光型太陽光発電モジュール1とすることが可能となる。
<実施の形態6>
図6Aないし図6Eに基づいて、本実施の形態に係る太陽電池製造方法について説明する。本実施の形態に係る太陽電池の基本的な構成は実施の形態1ないし実施の形態5の場合と同様であるので、適宜符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
図6Aは、本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で太陽電池を載置したレシーバ基板を準備する基板準備工程を示す工程図である。
図6Bは、本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で内側樹脂止め部および外側樹脂止め部を形成する樹脂止め部形成工程を示す工程図である。
図6Cは、本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で保持部の支持体をレシーバ基板に固定する支持体固定工程を示す工程図である。
図6Dは、本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で内側樹脂止め部の内側に透光性樹脂を注入する透光性樹脂注入工程を示す工程図である。
図6Eは、本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で保持部に柱状光学部材を当接させて照射面を透光性樹脂に載置する柱状光学部材載置工程を示す工程図である。
本実施の形態に係る太陽電池製造方法は、集光レンズ50により集光された太陽光Lsを光電変換する太陽電池素子11と、太陽電池素子11が載置されたレシーバ基板20と、集光された太陽光Lsを入射させる入射面31と太陽電池素子11に対向して配置され太陽電池素子11に太陽光Lsを照射する照射面32とを有する柱状光学部材30と、柱状光学部材30の側面33に当接された枠状の当接枠体41と柱状光学部材30から離して配置され当接枠体41を支持する支持体42とを有してレシーバ基板20に立設された保持部40とを備える太陽電池10を製造する。
また、本実施の形態に係る太陽電池製造方法は、基板準備工程、樹脂止め部形成工程、支持体固定工程、透光性樹脂注入工程、柱状光学部材載置工程、樹脂封止部形成工程を備える。
まず、太陽電池素子11を載置したレシーバ基板20を準備する(基板準備工程。図6A)。
次に、レシーバ基板20に接着性樹脂を塗布して、太陽電池素子11を樹脂封止する透光性樹脂が注入される内側樹脂止め部21および内側樹脂止め部21の外側で支持体42が固定される外側樹脂止め部22を形成する(樹脂止め部形成工程。図6B)。
内側樹脂止め部21は、後の工程で太陽電池素子11を樹脂封止する透光性樹脂が注入されることから、太陽電池素子11の周囲に環状(額縁状)に形成される。また、外側樹脂止め部22は、後の工程で支持体42を接着して固定することから、支持体42に対応する位置にのみ形成する。
なお、外側樹脂止め部22は、内側樹脂止め部21の周囲に環状(額縁状)に形成して内側樹脂止め部21に注入された透光性樹脂が内側樹脂止め部21から必要以上に拡大することを防止する形態とすることも可能である。また、外側樹脂止め部22を環状とした場合は、レシーバ基板20の表面に沿って浸入する水分を遮断する作用を生じる。
支持体42を外側樹脂止め部22に接着して接着性樹脂を硬化することで支持体42をレシーバ基板20に固定する(支持体固定工程。図6C)。外側樹脂止め部22を形成する接着性樹脂が硬化する温度で熱処理を施すことによって、外側樹脂止め部22を硬化させることが可能である。なお、外側樹脂止め部22に対する硬化に併せて内側樹脂止め部21に対する硬化も施される。
内側樹脂止め部21の内側に透光性樹脂を注入する(透光性樹脂注入工程。図6D)。透光性樹脂としては、上述したとおり、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを適用することが可能である。
内側樹脂止め部21の内側に透光性樹脂を注入した後、柱状光学部材30を当接枠体41に当接させて照射面32を透光性樹脂に載置する(柱状光学部材載置工程。図6E)。
透光性樹脂を硬化して樹脂封止部25を形成する(樹脂封止部形成工程。不図示)。透光性樹脂を適宜の温度に加熱することによって硬化と同時に脱泡処理を施すことが可能であり、優れた透光性を有する樹脂封止部25を形成することができる。
照射面32を透光性樹脂に載置して接触させることから、照射面32は、樹脂封止部25の透光性樹脂によって接着され、柱状光学部材30は太陽電池素子11に対して確実かつ高精度に固定される。なお、溝部41gに接着性樹脂を注入し、溝部41gで柱状光学部材30と保持部40を接着、固定することによってさらに機械的強度を確保することが可能となる。
本実施の形態に係る太陽電池製造方法によって、集光された太陽光Ls(集光束領域FLR)が柱状光学部材30の中心に対して位置ズレを生じた場合に入射面集光束領域FLRdを入射面31の領域内に位置させて集光特性の変動を防止し、また、集光された太陽光Lsが柱状光学部材30に加える熱を当接枠体41によって分散することで集光効率および光電変換効率を向上させた耐熱性および信頼性の高い太陽電池10を生産性良く(つまり、容易かつ高精度に)、安価に製造することができる。なお、本願発明は太陽電池製造方法の提供に限るものではない。太陽電池製造方法に併せて、太陽電池、集光型太陽光発電モジュールを提供することを他の目的とすることも可能である。つまり、本願に開示した太陽電池は、集光特性の変動を防止して集光特性を向上させ、また、放熱性を向上させて、集光効率および光電変換効率を向上させた耐熱性および信頼性の高い太陽電池を提供することを目的(発明が解決しようとする課題)とすることができる。また、本願に開示した集光型太陽光発電モジュールは、集光効率および放熱性を向上させた太陽電池を備えることによって、発電効率および発電電力を向上させた耐熱性および信頼性の高い集光型太陽光発電モジュールを提供することを他の目的(発明が解決しようとする課題)とすることができる。
本発明の実施の形態1に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの光軸を含む面での概略構成を透視的に示す透視側面図である。 図1Aに示した太陽電池の保持部および柱状光学部材の外観を斜め上方から見て示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの太陽光波長に対する特性を概念的に示す側面図である。 本発明の実施の形態3に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールでの集光レンズの温度特性による太陽光波長に対する焦点の変位状態を概念的に示す側面図である。 図3Aに示した太陽電池の入射面での入射面集光束領域の変位状態を概念的に示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る集光型太陽光発電モジュールを間欠追尾制御したときの追尾状態と入射面に形成される入射面集光束領域との関係を概念的に示す追尾状態概念図であり、(A)は太陽光に対して集光型太陽光発電モジュールが正対した状態を、(B)は太陽光に対して集光型太陽光発電モジュールを先行して移動させた状態を、(C)は移動させた集光型太陽光発電モジュールが太陽光の移動によって再度正対した状態を、(D)は太陽光の移動によって集光型太陽光発電モジュールが遅れを生じた状態をそれぞれ示している。 本発明の実施の形態5に係る集光型太陽光発電モジュールの集光レンズと太陽電池との間で組み立て誤差を生じたときの設定角度ズレと入射面に形成される入射面集光束領域との関係を概念的に説明する説明図である。 本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で太陽電池を載置したレシーバ基板を準備する基板準備工程を示す工程図である。 本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で内側樹脂止め部および外側樹脂止め部を形成する樹脂止め部形成工程を示す工程図である。 本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で保持部の支持体をレシーバ基板に固定する支持体固定工程を示す工程図である。 本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で内側樹脂止め部の内側に透光性樹脂を注入する透光性樹脂注入工程を示す工程図である。 本発明の実施の形態6に係る太陽電池製造方法で保持部に柱状光学部材を当接させて照射面を透光性樹脂に載置する柱状光学部材載置工程を示す工程図である。 従来の追尾集光型太陽光発電装置に適用される集光型太陽光発電モジュールの構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 集光型太陽光発電モジュール
5 追尾制御部
10 太陽電池
11 太陽電池素子
20 レシーバ基板
21 内側樹脂止め部
22 外側樹脂止め部
25 樹脂封止部
30 柱状光学部材
31 入射面
32 照射面
33 側面
40 保持部
41 当接枠体
41b 底部
41g 溝部
42 支持体
50 集光レンズ
FLR 集束光領域
FLRb 中短波長側集光束領域
FLRc 長波長側集光束領域
FLRcs 外周側領域
FLRd 入射面集光束領域
FLRs 最小集光束領域
FLR(T1) 集光束領域(温度T1)
FLR(T2) 集光束領域(温度T2)
FLR(T3) 集光束領域(温度T3)
FLRd(T1) 入射面集光束領域(温度T1)
FLRd(T2) 入射面集光束領域(温度T2)
FLRd(T3) 入射面集光束領域(温度T3)
FP 焦点
FPg 焦点群
FP(T1) 焦点(温度T1)
FP(T2) 焦点(温度T2)
FP(T3) 焦点(温度T3)
Lax 光軸
Ls 太陽光
Sfp 焦点ズレ
SSD 太陽移動方向
t 厚さ
α 設定角度ズレ
θ 傾斜角(側面33の傾斜)

Claims (1)

  1. 集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、集光された太陽光を入射させる入射面と前記太陽電池素子に対向して配置され前記太陽電池素子に太陽光を照射する照射面とを有する柱状光学部材と、該柱状光学部材の側面に当接された枠状の当接枠体と前記柱状光学部材から離して配置され前記当接枠体を支持する支持体とを有して前記レシーバ基板に立設された保持部とを備える太陽電池を製造する太陽電池製造方法であって、
    前記太陽電池素子を載置した前記レシーバ基板を準備する基板準備工程と、
    前記レシーバ基板に接着性樹脂を塗布して、前記太陽電池素子を樹脂封止する透光性樹脂が注入される内側樹脂止め部および該内側樹脂止め部の外側で前記支持体が固定される外側樹脂止め部を形成する樹脂止め部形成工程と、
    前記支持体を前記外側樹脂止め部に接着して前記接着性樹脂を硬化することで前記支持体を前記レシーバ基板に固定する支持体固定工程と、
    前記内側樹脂止め部の内側に前記透光性樹脂を注入する透光性樹脂注入工程と、
    前記柱状光学部材を前記当接枠体に当接させて前記照射面を前記透光性樹脂に載置する柱状光学部材載置工程と、
    前記透光性樹脂を硬化して樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えること
    を特徴とする太陽電池製造方法。
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