上記課題を解決するための遊技システムは、遊技に使用する通常遊技媒体およびその通常遊技媒体とは異なる特別遊技媒体と、それら2種類の遊技媒体を使用して遊技可能な遊技機と、対価の支払いに応じて遊技媒体を払い出す貸出手段と、を備える遊技システムであって、遊技機は、2種類の遊技媒体のうち、いずれの遊技媒体かを判別する遊技媒体判別手段と、所定の入賞条件が成立したか否かを判定する入賞条件成立判定手段と、所定の入賞条件が成立したと判定されたとき、その入賞条件の成立に関与した遊技媒体が特別遊技媒体であると判別された場合は、通常遊技媒体とは異なる特典を付与する特典付与手段と、を備え、貸出手段は、各遊技媒体を混合して払い出し可能に構成されることを特徴とする。
本発明は上記事情に鑑み、遊技に使用されている遊技媒体(球等)を判別し、その遊技媒体に応じた遊技性(当選確率,賞球数等)での遊技を実施することが可能な遊技機を含む遊技システムを提供するものである。上記構成によって、例えば通常よりも高確率で抽選処理を実行してくれるプレミアム遊技媒体(特別遊技媒体)を設定することで、遊技媒体を借りた時点でそのプレミアム遊技媒体がいくつ含まれているか、パチンコ遊技機であれば遊技領域の始動口に入賞した玉がプレミアム玉なのか、などの新しい興趣を提供することができる。
上記構成によって、貸出時の遊技媒体にプレミアム遊技媒体が含まれている可能性があるので、実際の遊技開始時点よりも前の、遊技媒体の貸出時から遊技者の興趣を高めることができ、遊技者の興趣を向上させる時間帯を拡大することができる。
また、本発明の遊技システムにおける遊技機は、所定の入賞条件の成立に基づいて所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と、所定の始動条件の成立に応じて実行される抽選処理の結果に基づいて遊技状態を変更する遊技制御手段と、を備え、払出手段は、遊技機の遊技状態に基づいて決定される各遊技媒体のそれぞれの払出数にしたがって、各遊技媒体を混合して払い出し可能に構成される。
また、本発明の遊技システムにおける遊技機は、所定の入賞条件の成立に基づいて所定数の遊技媒体を払い出す払出手段を備え、払出手段は、抽選によって決定された各遊技媒体のそれぞれの払出数にしたがって、各遊技媒体を混合して払い出し可能に構成される。
上記構成によって、遊技開始後も常にプレミアム遊技媒体が払い出される可能性がある他に、プレミアム遊技媒体の払い出し数が一律ではない要素も加わり、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
以下、本発明の遊技システムの実施例について、図面を参照して説明する。図1に、本発明に係る遊技システム200の正面模式図を示す。遊技システム200は、パチンコ遊技機1および台間玉貸し機30を含んで構成される。なお、パチンコ遊技機1が本発明の遊技機に相当する。
パチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右斜め下方に配置された一対のスピーカ4と、遊技盤3の上方位置等に配置された装飾ランプ類5と、遊技盤3の下方に設けられた貯留皿6と、貯留皿6の右方(図1で見て)に設けられた発射ハンドル7とを含んで構成されている。
遊技盤3は、遊技盤3のほぼ中央位置に配設された中央役物10と、中央役物10の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、遊技盤3上に植設された多数本の釘3b,12(一部のみ図示)と、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記することもある)である始動入賞装置13と、始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15と、遊技盤3の側端部に配置されたLEDでなる普通図柄(以下、普図と略記することもある)表示部16と、普図表示部16の下方に連設された複数(例えば4個)のLEDでなる普図保留表示部17とを含んで構成されている。
遊技盤3には、ほぼ円形状の遊技領域3aが形成されている。貯留皿6に準備された玉(遊技球:20)は、発射ハンドル7を含んで構成される発射装置151(図2参照)によって遊技領域3aに向けて発射される。遊技領域3aには釘3b,12が多数立設されているので、レール(図示せず)を通じて遊技盤3の遊技領域3aに達した玉20は、それらの釘3b,12に弾かれながら遊技領域3aを落下する。
発射ハンドル7は回転操作部材でなり、遊技者により回転操作されると、その回転操作量を表す回転操作信号を発射制御回路150(図2参照)に出力する。
中央役物10は、特別図柄(以下、特図と略記することもある)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を表示して遊技者に特図の抽選結果を報知するもので、LCDおよびその駆動回路を含む特図表示部8と、特図表示部8の窓枠上辺に配設された複数(例えば4個)のLEDでなる特図保留表示部9とから構成されている。
また、中央役物10には、ワープルート21が設けられている。中央役物10の側面に入口22が開口し、玉20は矢印のようにワープルート21内を移動して出口23から緩い傾斜が設けられたステージに流下する。ステージの遊技者側には、ステージ上を転動する玉20がステージ上に設けられた開口部25以外から転落しないようにガイド部材24が取り付けられている。そして、玉20はステージ上で左右に移動を繰り返し、開口部25から遊技領域3aの下部へ流下していく。
通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉20を通過させると、普図の抽選処理が行われる。普図表示部16では、普図の抽選結果に基づいて図柄変動(LEDの点滅動作)が行われ、所定時間経過後に点灯表示すれば当たりとなり、後述する始動入賞装置13の回動翼片13a,13aを所定時間開放する。普図の図柄変動中や始動入賞装置13の開放動作中に新たな普図の抽選処理が行われると、その抽選結果はRAM113上の普図保留記憶領域(図示せず)に一時記憶(保留)され、普図保留表示部17は、最大4つまで保留できる普図の抽選結果の数に応じて点灯表示する。先の図柄変動や開放動作が終了すると、普図表示部16では保留された普図の抽選結果に基づいて新たな図柄変動を開始する。
始動入賞装置13は、開口部に一対の回動翼片13a,13aを有する、いわゆる電チューと呼ばれる可変入賞装置でなる。始動入賞装置13は、普図表示部16にて当たり表示がなされると、回動翼片13a,13aを所定時間開放し、遊技領域3aを流下する玉20を入賞し易くする。始動入賞装置13に玉20が入賞すると、特図の抽選処理が行われる。特図表示部8では、特図の抽選結果に基づいて図柄変動が行われる。詳しくは、3桁の図柄が同時に変動を開始し、所定時間経過後に停止し、3つの同じ数字が並べば大当たりとなり、大当たり処理が行われる。
特図の図柄変動中や大当たり処理中に新たな特図の抽選処理が行なわれると、その抽選結果はRAM113上の特図保留記憶領域(図示せず)に一時記憶(保留)され、特図保留表示部9は、最大4つまで保留できる特図の抽選結果の数に応じて点灯表示する。先の図柄変動や大当たり処理が終了すると、特図表示部8では保留された特図の抽選結果に基づいて新たな図柄変動を開始する。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とに切り替えられる。大入賞装置14は、大当たりに当選すると、1回の大当たり処理で、例えば、開放してから10個入賞または25秒経過で閉鎖するまでの処理を1ラウンドとして、15ラウンド継続する処理を行う。
玉排出口15は、遊技盤3の最下部に開口されており、遊技盤3(遊技領域3a)の盤面上を流下し終わった玉をパチンコ遊技機1の外部に排出する。
遊技盤3の背面には、払出装置141が設けられている。払出装置141には、複数のパチンコ遊技機が設置された島に設けられる補給装置(図示せず)から、通常の玉とプレミアム玉とが、通常の玉補給口146とプレミアム玉補給口148の異なるルートで供給されており、それぞれ、通常の玉補給皿145とプレミアム玉補給皿147に所定数貯留される。そして、払出装置141では、主回路110(図2参照)の指示にしたがって、それぞれの玉を指定された数だけ、払出玉経路142,玉払出口143を通じて、貯留皿6に向けて払い出すことができるようになっている。また、通常の玉補給皿145とプレミアム玉補給皿147での貯留玉数が、所定数を下回ると、補給装置から不足分が供給されるようになっている。
玉排出口15からパチンコ各遊技機の後方に排出された玉は、島内の溝を通って島の中央に集められ、リフトによって研磨されながら島の上方に持ち上げられ、その後、樋を通って各パチンコ遊技機の背面側上方に配置された補給皿(通常の玉補給皿145,プレミアム玉補給皿147)へ補給される構成となっている。なお、通常の玉は銀色、プレミアム玉は金色となっており、補給装置では還元時にカラーセンサなどにより各玉の色を判別し、各パチンコ遊技機にそれぞれの玉を補給するように構成されている。パチンコ遊技機における玉の色の判別方法については、特許文献2,特許文献3に詳細が記載され、異なる材質の玉を樋から各パチンコ遊技機へ補給する段階などで識別を行い、別々に分けて補給する方法については、特許文献1に詳細が記載されている。また、通常の玉が本発明の通常の遊技媒体、プレミアム玉が本発明の特別遊技媒体に相当する。
特開平11−89996号公報
特開2003−172658号公報
貯留皿6には、玉放出ボタン18が備えられている。遊技者が玉放出ボタン18を押下すると、貯留皿6の底部に設けられた蓋(図示せず)が開口状態となり、貯留皿6に貯えられた玉が、玉箱(図示せず)に流下する。
貸出ボタン37は、台間玉貸し機30に対し、玉の貸出を要求するために操作するものである。また、返却ボタン38は、遊技後に台間玉貸し機30に残っている金額が記憶されたカードを台間玉貸し機30のカード挿入口33から払い出すためのものである。貸出ボタン37および返却ボタン38の操作の詳細については後述する。
図2に、パチンコ遊技機1の制御ブロック図を示す。パチンコ遊技機1は、主回路110を搭載する主制御基板100と、各種表示部,制御基板群,検出器,アクチュエータ等を含んで構成される。
主回路110には、特図保留表示部9,普図表示部16および普図保留表示部17等の表示部およびその駆動回路が接続されている。
また、主回路110には、特図表示部8を制御する表示制御回路130の搭載された表示制御基板(図示せず)が接続されるとともに、装飾ランプ類5ならびにアンプ40およびスピーカ4を制御する副制御回路120の搭載された副制御基板(図示せず)と、発射ハンドル7からの回転操作信号に基づいて発射装置151を制御する発射制御回路150の搭載された発射制御基板(図示せず)が接続されるとともに、払出装置141を制御する払出制御回路140の搭載された払出制御基板(図示せず)等の回路基板群が接続されている。
なお、パチンコ遊技機1を制御する各回路が搭載された各基板はパチンコ遊技機1の背面側に配置されており、例えば、表示制御回路130の搭載された表示制御基板は特図表示部8の背面側に配置されている。
また、主回路110には、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器161と、始動入賞装置13に併設された始動入賞検出器162と、大入賞装置14に併設された大入賞検出器163と、電チューである始動入賞装置13の可動翼片13a,13aを開閉する電チューソレノイド166と、大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド167等の、検出部およびアクチュエータが接続されている。
また、主回路110には、各種表示部,制御基板群,検出器,アクチュエータ等に所定電圧を供給する電源回路168と、貸出ボタン37および返却ボタン38とが接続されている。
また、主回路110には、LAN(Local Area Network)等の通信回路を用いて、台間玉貸し機30が通信可能に接続されている。
主回路110は、CPU111,制御プログラム(図示せず)格納用のROM112,ワークエリアや各種カウンタ(例えば、普図用乱数カウンタ,特図用乱数カウンタ)等が割り当てられるRAM113,I/O(Input/Output:入出力回路)114等を備える。CPU111が制御プログラムを実行することで、パチンコ遊技機としての各種機能を実現する。なお、主回路110が本発明の入賞条件成立判定手段,特典付与手段,遊技制御手段に相当する。
その他の各基板の各回路も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図2では省略している。
副制御回路120は、主回路110より入力される制御コマンドに応じてアンプ40を介してスピーカ4より音声を出力させるとともに、装飾ランプ類5の点灯/消灯を制御する。
表示制御回路130は、副制御回路120から入力される表示制御コマンドに応じて、特図表示部8に画像を表示させるための処理を実行する。
払出制御回路140は、主回路110より入力される賞球払出信号あるいは貸球払出信号に応じて払出装置141を制御し、貯留皿6に所定数の賞球あるいは貸球を払い出させる。なお、払出制御回路140,払出装置141,払出玉経路142,および玉払出口143が本発明の払出手段に相当する。
発射制御回路150は、遊技者による発射ハンドル7の回転操作に応じて発射装置151を作動させる。発射ハンドル7の回転操作量に応じて、発射装置151による玉の発射強度(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。発射装置151より発射された玉は、遊技盤3上に形成された遊技領域3aへと放出され自重によって流下する。
始動入賞検出器162は、始動入賞装置である電チュー13に併設され、本発明の遊技媒体である玉の種別(通常の玉,プレミアム玉)を判別する機能が備えられている。例えば、カラーセンサを内蔵し、金色であればプレミアム玉と判別する。パチンコ遊技機における玉の色の判別については、上述の特許文献2,特許文献3に詳細が記載されている。なお、始動入賞検出器162が本発明の遊技媒体判別手段に相当する。
次に、図1および図2を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技盤3上での遊技状態の変化)について概要を説明する。
通常状態では、玉20が通過ゲート11に入球してゲート通過検出器161で検知されると、主回路110は、普図の保留が3個以下であれば、普図の当たり抽選(普図用乱数カウンタから値を抽出)が実行されて抽選結果が普図保留としてRAM113上の普図保留記憶領域(図示せず)に記憶する。新たな普図の変動を開始可能なとき(普図の変動中でなく、電チュー13が動作中でないとき)、RAM113に普図保留が記憶されていれば、最古の普図保留を読み出して当たり判定を行う。通常状態では、通常状態用の普図判定テーブル(普図当選確率:1/100)の当たり値と比較し、読み出した普図保留の値が当たり値と一致していれば当たりと判定する。そして、この当たり判定の結果に基づいて、普図の変動(普図表示部のLED点滅)を開始する(普図変動時間:30秒間)。
例えば、通常状態で当たり判定の結果が当たりであると、普図表示部16のLEDを点灯表示させるとともに、電チューソレノイド166を励磁して回動翼片13a,13aを所定時間(開放時間:0.2秒間)開放して、電チュー13に入賞しやすくする。所定時間経過後、電チュー13は閉鎖する。なお、当たり判定の結果がハズレであるときは、普図表示部16のLEDを消灯して確定表示とする。
玉20が電チュー13に入賞して始動入賞検出器162で検知されると始動条件が成立し、通常の玉かプレミアム玉かを判別して大当たり抽選が実行される。大当たり抽選では、通常の玉が入賞した場合には通常乱数カウンタ(0〜599の間で変化)から値を抽出し、プレミアム玉が入賞した場合には特殊乱数カウンタ(0〜119の間で変化)から値を抽出する。抽出されたカウンタ値の下一桁が9であるか否かによって、通常の玉のみ、あるいは通常の玉とプレミアム玉とを混合して所定数の賞球(例えば1入賞あたり3個)を払い出し、そのカウンタ値は特図保留として記憶される。記憶された特図保留は記憶した順に読み出され、ROM112から読み出されてRAM113上に展開されている特図判定テーブルを用いて大当たり抽選の抽選結果を判定する。特図判定テーブルは、奇数大当たりのカウンタ値:0,偶数大当たりのカウンタ値:1、のように定められている。よって、通常の玉の大当たりの確率(特図当選確率)は1/300となり、プレミアム玉の大当たりの確率(特図当選確率)は1/60となる。また、奇数大当たりとなる確率は50%である。
そして、上述のように大当たり抽選の抽選結果を判定し、その判定結果に応じた図柄変動が特図表示部8で開始される。特図表示部8では、3桁の図柄が所定時間にわたり変動表示され、例えば、左→右→中の順に確定表示(停止表示)する。判定結果が奇数大当たりであれば3桁の奇数の大当たり図柄(例えば、横方向に一直線に揃う「777」等のゾロ目)が確定表示され、判定結果が偶数大当たりであれば3桁の偶数の大当たり図柄(例えば、横方向に一直線に揃う「666」等のゾロ目)が確定表示され、判定結果がハズレであれば3桁のハズレ図柄(例えば図1のような「357」等のバラケ目)が確定表示される。
特図表示部8に大当たり図柄が停止表示されると「大当たり状態」となり、大入賞ソレノイド167を励磁することで大入賞装置14を開放し、玉が極めて入り易い状況をもたらす。大入賞装置14は、開放された後、大入賞検出器163による所定数(例えば10個)の入賞検知または所定時間(例えば25秒)の経過を1ラウンドとし、大入賞ソレノイド167を非励磁にすることで閉鎖される。1回の大当たり状態では、所定ラウンド回数(例えば15回)まで繰り返されるので、このような大当たり状態の間に遊技者は多数の賞球(例えば1入賞当たり15個)を得ることができる。
大当たり終了後は、時短状態となる。時短状態では、時短状態用の普図判定テーブル(普図当選確率:99/100)の当たり値と比較して当たり判定を行うので、普図の当選確率は高くなり、普図の変動時間が短くなり(普図変動時間:2秒間)、回動翼片13a,13aの開放時間が長くなる(1.5秒間×3回)とともに、上述の大当たり判定テーブル(特図当選確率は、通常の玉:1/300,プレミアム玉:1/60)によって特図の当否判定が行われる。つまり、時短状態では、電チュー13への入賞は容易になるので、持玉をさほど減らすことなく遊技できる。新たな大当たりに当選しなければ特図の変動表示が繰り返され、特図の変動が100回行われるか、次の大当たりに当選するか、何れか早い方が成立するまで時短状態が継続する。そして、時短状態が終了すると通常状態へ移行する。
上述の例では、大当たり終了後は全て時短状態となるようにしたが、大当たりの当選確率(特図当選確率)が通常状態よりも高くなる確変状態になる仕様としたり、さらにはその確変状態に移行した際には、通常状態に戻るか否かを判定する転落抽選を行う仕様としてもよい。
図1に戻り、台間玉貸し機30は、貸玉料となる紙幣を挿入する紙幣挿入口31,現在の残金を表示する金額表示部32,残り金額が記憶されたカードの払い出し/挿入を行うカード挿入口33とを含んで構成される。これらの他に、台間玉貸し機としての動作を制御するための貸出制御回路を含む貸出制御基板(図示せず)が含まれている。貸出制御基板は、パチンコ遊技機1の主回路110と同様の構成をとり、図示しないCPUが制御プログラムを実行することで、パチンコ遊技機1と通信し、台間玉貸し機としての機能を実現する。
以下、図3〜図5のフローチャートを用いて、パチンコ遊技機1と台間玉貸し機30とにおける玉貸し動作の概要について述べる。図3の貸し玉要求処理および図5の貸し玉払出処理は、パチンコ遊技機1の主回路110において実行される。また、図4の貸し玉払出処理は、台間玉貸し機30において実行される。パチンコ遊技機1に隣接した台間玉貸し機30に1000〜10000円紙幣を挿入すると、その金額が台間玉貸し機30の金額表示部32に表示される。貸し玉料は、例えば1玉4円である。
図3の貸し玉要求処理において、遊技者がパチンコ遊技機1の貸出ボタン37を押下したか否かを判定する(S11)。遊技者が貸出ボタン37を押下したと判定したとき(S11:YES)、主回路110は、パチンコ遊技機1から台間玉貸し機30に対し貸出の要求信号を送信し(S12)、本処理を終了する。一方、遊技者が貸出ボタン37を押下していないと判定したとき(S11:NO)、直ちに本処理を終了する。
図4の貸し玉払出処理において、前述の貸出制御回路(図示せず)は、自身の状態が待機中か否かを判定する(S31)。この状態は、RAM(図示せず)上にフラグとして記憶される。状態が待機中でないとき(S31:NO)、直ちに本処理を終了する。一方、状態が待機中であるとき(S31:YES)、パチンコ遊技機1からの貸出の要求信号を受信したか否かを判定する(S32)。貸出の要求信号を受信しないとき(S32:NO)、既に貸し玉の払出処理中であり、新たな払出処理を行うことができないので、直ちに本処理を終了する。一方、貸出の要求信号を受信したとき(S32:YES)、状態を処理中とする(S33)。
次に、金額表示部32に表示されている金額が500円を上回るか否かを判定する(S34)。金額表示が500円を下回るとき(S34:NO)、これ以上貸し玉を払い出すことができないので、直ちに本処理を終了する。一方、金額表示が500円を上回るとき(S34:YES)、パチンコ遊技機1に対して500円分の玉(例えば125玉)の貸し玉信号を1つ送信し(S35)、金額表示部の値を500円分減算する(S36)。その後、パチンコ遊技機1から払出の完了信号を受信すると(S37:YES)、状態を待機中とする(S38)。
図5の貸し玉払出処理において、主回路110は、台間玉貸し機30から貸し玉信号を受信したか否かを判定する(S51)。貸し玉信号を受信していないと判定したとき(S51:NO)、直ちに本処理を終了する。一方、貸し玉信号を受信したと判定したとき(S51:YES)、RAM113上の貸出用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出し(S52)、ROM112から読み出されてRAM113上に展開されている貸出用判定テーブルにて当否判定(抽選)を行う(S53)。例えば、貸出用乱数カウンタ値は0〜9の間で変化し、貸出用判定テーブルには、当たり値が9に設定されている。
当たりと判定されたとき(S54:YES)、プレミアム玉25個と通常の玉100個を払い出すように、払出制御回路140に指令を送る(S55)。一方、ハズレと判定されたとき(S54:NO)、通常の玉125個を払い出すように、払出制御回路140に指令を送る(S57)。その後、台間玉貸し機30に払出の完了信号を出力し(S56)、本処理を終了する。なお、台間玉貸し機30,払出制御回路140,払出装置141,払出玉経路142,および玉払出口143が本発明の貸出手段に相当する。
また、遊技を終了するとき、パチンコ遊技機1の返却ボタン38を押下すると、パチンコ遊技機1(主回路110)から返却信号が台間玉貸し機30に出力され、台間玉貸し機30では、返却信号を受信すると、遊技終了時点で残っている金額が記憶されたカードが、カード挿入口33より払い出される。このとき、金額表示部32は0にリセットされる。別のパチンコ遊技機1で遊技を開始するときは、そのカードをカード挿入口33に挿入することで、記憶している金額が読み出され、金額表示部32に残り金額が表示される。このとき、カードの記憶内容はクリアされる。遊技店での遊技を終了するときは、島端に設置された返金機にカードを挿入することで、カードに記憶された残金が現金で払い出される。
図5の主回路110の貸し玉払出処理における抽選は、当たりとハズレの2通りであるが、貸出用乱数カウンタ値に応じて当たりの種類を複数設け、その当たりの種類によって125玉のうち何玉をプレミアム玉にするか決定するようにしてもよい。これにより、遊技者は、毎回貸し玉が払い出されるたびにプレミアム玉が何玉含まれているか楽しみになり、興趣を高めることができる。
上述の例は、いわゆるCR機を対象としたものであるが、対価の支払いに対し付属するノズルから上皿に対して玉を払い出すタイプの台間玉貸し機であってもよい(例えば、特開2004−283414号公報参照)。この場合、台間玉貸し機に補給装置からプレミアム玉と通常の玉とを分けて補給し、対価の支払いに応じて玉貸し機内で抽選および当たり判定処理を行い、当たりであれば払い出す貸し玉にプレミアム玉を含ませるようにする。この場合は、台間玉貸し機30が本発明の貸出手段に相当する。
以下、図6〜図9のフローチャートを用いて、パチンコ遊技機1の主回路110において実行される処理について説明する。まず、図6を用いて、始動入賞処理について説明する。電チュー13に併設される始動入賞検出器162が玉20の通過を検出すると、検出信号が主回路110に送信される。主回路110は、始動入賞検出器162から検出信号を受信すると(S71:YES)、玉の種別を判定する。入賞した玉がプレミアム玉であるとき(S72:YES)、RAM113上の特殊乱数カウンタより現在の値を抽出する(S73)。一方、入賞した玉が通常の玉であるとき(S72:NO)、RAM113上の通常乱数カウンタより現在の値を抽出する(S78)。
抽出した値の下1桁が9であれば(S74:YES)、当たりと判定してプレミアム玉1個と通常の玉2個を賞球として払い出し(S75)、9以外であれば(S74:NO)、通常の玉3個を賞球として払い出す(S79)。このとき、主回路110は、払出制御回路140に賞球払出信号を出力し、払出装置141から貯留皿6に、上述の所定数の賞球の払い出しを行うように指示する。
次に、主回路110は、RAM113上の特図保留記憶領域(図示せず)を参照し、特図保留が4個に達しているか否かを判定する(S76)。主回路110は、特図保留が3つ以下であると判定すると(S76:YES)、上記のステップS73あるいはS78で抽出したカウンタの現在の値を特図保留として特図保留記憶領域に記憶し(S77)、本処理を終了する。
なお、始動入賞検出器162から検出信号を受信しないときには(S71:NO)、直ちに本処理を終了する。また、特図保留が4個に達しているときにも(S76:NO)、直ちに本処理を終了する。
図7を用いて、変動前処理について説明する。まず、主回路110は、RAM113上の特図保留記憶領域(図示せず)に特図保留があるかどうかを判定し(S91)、特図保留記憶領域に特図保留がなければ(S91:NO)、本処理を終了する。
一方、特図保留記憶領域に特図保留があれば(S91:YES)、主回路110は、RAM113上の状態フラグ(図示せず)を参照し、遊技状態を表す状態フラグが0あるいは3であるか否かを判定する。状態フラグは、遊技状態に応じて、0:通常状態,1:奇数大当たり,2:偶数大当たり,3:時短状態、のように値が定義されている。そして、状態フラグが0あるいは3のいずれでもなければ、すなわち大当たり中であれば(S92:NO)、本処理を終了する。
一方、状態フラグが0または3であれば、すなわち大当たり中でなければ(S92:YES)、主回路110は、RAM113上の変動フラグ(図示せず)を参照して、特図表示部8において特図の図柄変動表示中であるか否かを判定する(S93)。変動フラグが1である場合には、図柄変動表示中であると判定する。特図の図柄変動表示中であれば(S93:YES)、主回路110は、本処理を終了する。
一方、変動フラグ=0で、特図の図柄変動表示中でなければ(S93:NO)、主回路110は、RAM113上の特図保留記憶領域(図示せず)から最古の特図保留を読み出す(S94)。
次に、主回路110は、上記処理で読み出された特図保留を、ROM112等に予め記憶されている特図判定テーブルと照合して当たり/ハズレの当否判定を行う(S95)。通常の玉の大当たりの確率は1/300となり、プレミアム玉の大当たりの確率は1/60である。
次に、主回路110は、当たりの判定結果(抽選結果)に基づいて特図の変動時間,表示する内容や変動パターン(キャラクタ表示やリーチ演出の有無など),および停止図柄を決定する(S96)。最後に、演出内容および停止図柄に基づいて特図変動処理を実行する(S97,図8参照)。
図8を用いて、図7のステップS97に相当する特図変動処理について説明する。まず、主回路110は、副制御回路120に対し特図表示部8における特図の変動開始を指示するとともに、RAM113上の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを開始する(S111)。具体的には、副制御回路120を経由し、表示制御回路130に対して演出内容および停止図柄を指示する表示制御コマンドを送信し、表示制御回路130は、受信した表示制御コマンドにしたがって特図表示部8において特図の図柄変動を開始する。このとき、RAM113上の変動フラグ(図示せず)を1(変動中)に変更する。
特図変動時間が経過すると(S112:YES)、主回路110は、特図表示部8における特図の変動を停止する(S113)。具体的には、副制御回路120を経由し、表示制御回路130に対して変動停止を指示する表示制御コマンドを送信し、表示制御回路130は、受信した表示制御コマンドにしたがって特図表示部8特図の図柄変動を停止する。例えば、特図抽選結果が奇数大当たりのときは、特図表示部8に大当たり図柄(「777」など奇数のゾロ目)が表示される。特図抽選結果がハズレのときは、特図表示部8にハズレ図柄が表示される。
次に、主回路110は、抽選結果が大当たりであるか、すなわち停止図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。まず、停止図柄が奇数大当たり図柄であるか否かを判定する(S114)。そして、停止図柄が奇数大当たり図柄であれば(S114:YES)、主回路110は、RAM113上の状態フラグを1(奇数大当たり)に変更し(S115)、ステップS116に移る一方、停止図柄が奇数大当たり図柄でなければ(S114:NO)、直ちにステップS116に移る。
ステップS116では、主回路110は、停止図柄が偶数大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止図柄が偶数大当たり図柄であれば(S116:YES)、主回路110は、RAM113上の状態フラグを2(偶数大当たり)に変更し(S117)、ステップS118に移る。一方、停止図柄が偶数大当たり図柄でなければ(S116:NO)、直ちにステップS118に移る。
ステップS118では、主回路110は、RAM113上の状態フラグが3(時短状態)であるか否かを判定する。状態フラグが3でなければ(S118:NO)、変動フラグを0(図柄変動停止)に変更して、本処理を終了する。
一方、RAM113上の状態フラグが3(時短状態)であれば(S118:YES)、RAM113上の時短カウンタ(図示せず)の値(時短回数)を1減算する(S119)。そして、主回路110は、時短カウンタの値が0になったか否かを判定する(S120)。そして、時短回数が0でなければ(S120:NO)、RAM113上の変動フラグ(図示せず)を0(図柄変動停止)に変更して、本処理を終了する。
一方、時短回数が0であれば(S120:YES)、RAM113上の状態フラグを0(通常状態)に変更し(S121)、変動フラグ(図示せず)を0(図柄変動停止)に変更して、本処理を終了する。つまり、時短状態から通常状態に遷移する。
図9を用いて、大当たり処理について説明する。まず、主回路110は、RAM113上の状態フラグ(図示せず)が1(奇数大当たり)あるいは2(偶数大当たり)であるか否かを判定する(S131)。そして、状態フラグが1および2のいずれでもなければ(S131:NO)、本処理を終了する。
一方、状態フラグが1(奇数大当たり)あるいは2(偶数大当たり)あれば(S131:YES)、主回路110は、ラウンド数に1を加算し(S132)、大入賞ソレノイド167(図2参照)を励磁することにより、大入賞装置14(図12では、「大入賞口」と表記)を開放する(S133)。これにより、大入賞装置14への玉の入賞が可能になる。
次に、大入賞検出器163が玉の入賞を検出したか否かを判定する(S134)。大入賞検出器163が玉の入賞を検出しないとき(S134:NO)、ステップS138の処理を実行する(後述)。一方、大入賞検出器163が玉の入賞を検出したとき(S134:YES)、入賞数に1を加算し(S135)、RAM113上の状態フラグが1(奇数大当たり)か否かを判定する(S136)。
状態フラグが1(奇数大当たり)であるとき(S136:YES)、主回路110は、プレミアム玉10個,通常の玉5個を賞球として払出装置141から払い出すように払出制御回路140に指示を送る(S137)。これにより、遊技者は、多くの持ち玉(プレミアム玉が多い)を得ることができる。また、奇数の大当たり終了後はプレミアム玉が多いので、特殊乱数カウンタから値を抽出する割合が高くなり、大当たりに当選する確率も高くなって実質的に高確率状態となる。
一方、状態フラグが1(奇数大当たり)でない、すなわち偶数大当たりであるとき(S136:NO)、主回路110は、プレミアム玉1個,通常の玉14個を賞球として払出装置141から払い出すように払出制御回路140に指示を送る(S145)。これにより、遊技者は、プレミアム玉は少ないが多くの持ち玉を得ることができる。
大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数である10個の玉が入賞するか(S138:YES)、大入賞装置14が開放状態となってから1ラウンドの最大開放時間である25秒が経過するか(S139:YES)のいずれかが満たされると、主回路110は、大入賞ソレノイド167(図2参照)を非励磁とすることにより、大入賞装置14を閉鎖する(S140)。これにより、大入賞装置14への玉の入賞ができなくなる。
そして、ラウンド数が最大ラウンド数である15に満たないとき(S141:NO)、本処理を一旦終了してから再度実行し、ラウンド数が15になるまで本処理を繰り返す。一方、ラウンド数が最大ラウンド数である15になると(S141:YES)、主回路110は、ラウンド数を初期値0にリセットする(S142)。
この後、RAM113上の状態フラグを3(時短状態)に変更し(S143)、RAM113上の時短カウンタ(図示せず)の値(時短回数)に100をセットして(S144)、本処理を終了する。
上述の大当たり処理では、通常の玉とプレミアム玉とで入賞に対する賞球数は同じにしたが、プレミアム玉が入賞したときには通常の玉が入賞したときに比べて賞球を多く払い出すようにしてもよい。この場合、大入賞検出器163には、始動入賞検出器162と同様に、玉の種別(通常の玉,プレミアム玉)を判別する機能が備わっている。
上述の実施例は、パチンコ遊技機を含む遊技システムに適用したものであるが、スロットマシンを含む遊技システムに適用することもできる。スロットマシン用のメダル貸し機において、メダル購入時に抽選処理を行い、その結果に応じてプレミアムメダルを何枚か含めて払い出すようにするものである。また、子役やボーナスなどに当選したとき、その結果に応じてプレミアムメダルを何枚か含めて払い出し、遊技を開始するときに投入されたメダルにプレミアムメダルが含まれていれば、その枚数に応じて異なる抽選を行ったり、入賞に対して通常のメダルが入賞したときよりもメダルを多く払い出してもよい。
プレミアム玉やプレミアムメダルは、遊技者が目で見て判別できるようにしたが、目で見て判別できないように通常の玉やメダルと同じ色にし、金属の成分を変える、または玉やメダルをセラミック製などで構成し、内部に通常とプレミアムとで異なるIDが記憶されたタグを内蔵させておいて、玉の通過検出器や投入メダルの検出器でいずれの種別の玉やメダルであるのかを判別する構成としてもよい(判別方法については、例えば特許文献1参照)。
目で見て判断できる場合、遊技者はプレミアム玉を先に遊技に使用することによって、高確率遊技を早めに実施しようとするが、目で見て判別できなければ入賞するたびに「プレミアム玉」が入賞したことを期待しながら遊技することになり、興趣を高めることができる。この場合、大当たりに当選したときなどに、その大当たりの契機となった玉がプレミアム玉であったのか否かを、中央役物10の表示等で遊技者に報知するようにしてもよい。そうすることで、遊技者のプレミアム玉に対する期待度をさらに高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。