JP5179583B2 - 時間分割アンペロメトリを用いる被分析物濃度の測定システム及び測定方法 - Google Patents

時間分割アンペロメトリを用いる被分析物濃度の測定システム及び測定方法 Download PDF

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    • G01N27/3273Devices therefor, e.g. test element readers, circuitry

Description

本出願は、2007年7月26日出願の米国仮出願第60/952,076号に基づく優先権を主張し、この全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は、溶液中の被分析物(analyte)の濃度を測定する診断用テストシステムの分野に関し、より詳しくは、内挿時間分割アンペロメトリ(interpolate time resolved amperometry)を用いる被分析物濃度の測定システム及び測定方法に関する。
本開示は、血液等の体液中の被分析物を測定するバイオセンサシステムに関する。このシステムは、被分析物濃度の測定をその広範囲にわたって改善する処理及びシステムを含む。
液体サンプル中の物質の存在を検出又は測定するために、電気化学センサが長年にわたって用いられている。電気化学センサは、少なくとも電子移動因子(「電子メディエータ」とも称される)と被分析物特異バイオ触媒タンパク質(例えば、特定の酵素)とを含む試薬混合物と、1以上の電極と、を有する。この種のセンサは、電子メディエータと電極表面との間の電子移動に依存し、電気化学的酸化還元反応(electrochemical redox reaction)を測定することによって機能する。電気化学バイオセンサシステム又は装置に用いられる場合には、液体サンプル中で測定される被分析物濃度と相関関係を有する電気信号を介して、電子移動反応が監視される。
血液、又は、血液由来生成物、涙、尿、及び、唾液等の体液中の被分析物を検出するために、上述のような電気化学センサを用いることが重要になってきており、場合によっては、特定の個人の健康を維持するために不可欠になってきている。保健医療の分野において、例えば、糖尿病患者等の人々は、体液中の特定成分を監視する必要がある。多くのシステムでは、例えば、コレステロール、タンパク質、及び、グルコース等の特定液体成分のレベル(濃度)を適宜監視するために、血液、尿、又は、唾液等の体液のテストをすることができる。不十分なインスリンの生成が糖分の正常な消化を妨げる膵臓障害である糖尿病を患っている患者は、自分の血中グルコース濃度を、毎日、注意深く監視する必要がある。糖尿病患者に対して血中グルコースを定期的にテスト及び管理することにより、目、神経、及び、腎臓に対して重大な障害をもたらす危険性を低減させることができる。
多くのシステムによって、人々は血中グルコース濃度を適宜監視することができる。これらのシステムは、一般的に、使用者が血液サンプルを塗布するテストストリップと、血液サンプル中のグルコース濃度を測定するためにテストストリップを「読み取る」測定器と、を有する。血液サンプル中のグルコース濃度の測定に用いられる電気化学バイオセンサが記載されている米国特許第6,743,635号('635特許)には、例示の電気化学バイオセンサが記載されている。電気化学バイオセンサシステムは、テストストリップと測定器とを含んで構成される。テストストリップは、サンプル室と、作用電極(working electrode)と、対電極(counter electrode)と、充填−検出電極(fill-detect electrodes)と、を含む。試薬層は、サンプル室内に配置される。試薬層は、グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)やグルコースデヒドロゲナーゼ(glucose dehydrogenase)等の、グルコースに対して特異的な酵素と、フェリシアン化カリウム(potassium ferricyanide)又はヘキサアンミンルテニウム(ruthenium hexamine)等のメディエータと、を含有する。使用者がテストストリップ上のサンプル室に血液サンプルを塗布すると、試薬は、血液サンプル中のグルコースと反応し、そして、測定器は、電極間に電圧を印加して、電気化学的酸化還元反応を生じさせる。測定器は、作用電極と対電極との間で流れる発生電流(resulting current)を測定し、この電流測定値に基づいてグルコース濃度を算出する。
ある例では、測定に好ましくない影響を及ぼし、検出信号の精度を低下させる可能性のある特定の血液成分が存在することにより、電気化学バイオセンサは、悪影響を及ぼされ得る。この精度低下は、グルコース測定値の精度低下をもたらし、これにより、例えば、患者は、血糖値が危険レベルに達している可能性があることに気付かないでいることもあり得る。一例として、特定の血液ヘマトクリット値(すなわち、赤血球によって占められる血液量の割合)は、得られる被分析物濃度測定値に誤った影響を及ぼし得る。他の例では、被分析物濃度の測定に影響を及ぼす可能性のある血液粘度、細胞溶解、荷電種の濃度、pH、又は、他のファクターに影響を及ぼす様々な要素を含み得る。例えば、ある条件下では、温度が被分析物の読み取り及び算出に影響を及ぼし得る。
血液中の赤血球容積が変動することにより、使い捨ての電気化学テストストリップで測定されるグルコース測定値が変動し得る。通常は、高ヘマトクリットでは、負バイアス(すなわち、比較的低めに算出された被分析物濃度)が測定される一方、低ヘマトクリットでは、正バイアス(すなわち、比較的高めに算出された被分析物濃度)が測定される。高ヘマトクリットでは、例えば、赤血球が酵素及び電気化学メディエータの反応を妨げ、また、化学反応体を溶媒和させる血漿の容積が小さいので、赤血球が化学溶解率を低下させ、更に、メディエータの拡散を遅くする。このため、電気化学プロセスの間に比較的低めの電流が生成されるので、上述のファクターにより、予想を下回るグルコース測定値がもたらされる。反対に、低ヘマトクリットでは、比較的少ない赤血球が、予想よりも電気化学反応に影響を及ぼし、その結果、比較的高めの電流が測定される。加えて、血液サンプルの抵抗値もヘマトクリットに依存し、電圧測定や電流測定に影響を及ぼし得る。
ヘマトクリットに起因する血液グルコースの変動を削減もしくは回避するために、いくつかの対策が取られている。例えば、テストストリップは、サンプルから赤血球を除去するメッシュを組み込むように設計される。また、テストストリップは、赤血球の粘性を高め、そして、濃度測定に対する低ヘマトクリットの影響を弱めるように作成された化合物又は製剤を含む。他のテストストリップは、溶解剤(lysis agents)と、ヘモグロビン濃度を測定してヘマトクリットを補正するように構成されるシステムと、を含む。更に、バイオセンサは、血液サンプルに光を照射した後の光学的変化を測定することによってヘマトクリットを測定するように構成されるか、又は、サンプル室に充填される時間の関数に基づいてヘマトクリットを測定する。これらの手法は、コストの増大及びテストストリップの複雑さという欠点があり、また、正確なグルコース測定に要する時間が増大するので好ましくない。
加えて、ヘマトクリット効果と無関係な周波数にて電気化学信号を測定するために、交流(AC)インピーダンス法も開発されている。この手法では、信号のフィルタリング及び分析に必要なコストの増大と高度な測定器の複雑さという問題を抱えている。
従って、現状のバイオセンサの欠点を克服し、かつ、既存の電気化学バイオセンサ技術を改良する被分析物濃度の測定システム及び測定方法が求められている。
本発明のある態様は、1以上の較正データ群を用いて被分析物の濃度を測定する方法及びシステムを対象としている。本発明のある態様では、2以上の時間セグメントに関連する2以上の較正データ群を用いることができる。被分析物濃度が同程度であってサンプルマトリクスが異なる(例えば、ヘマトクリット値が異なる)液体サンプルは、異なる較正データを生成することができる。また、これらの較正データについては、ある条件下で時間の経過と共に収束することが知られている。通常、低いレベルの被分析物濃度を有する液体サンプルは、高いレベルの被分析物濃度を有する液体サンプルよりも速く収束し得る。この収束性に基づいて、被分析物濃度は、適切な時間セグメント(time-segment)と、この時間セグメントに関連する較正データと、を動的に選択することによって、一層正確に測定可能である。
本発明の原理に従う一態様は、以下に記載する被分析物分析方法である。この方法は、被分析物を含有する液体サンプルに励起電圧(励起ポテンシャル;potential excitation)を印加するステップ、及び、励起電圧を印加した後の第1の時間セグメントの間に第1の電流を測定するステップを含む。また、この方法は、励起電圧を印加した後の第2の時間セグメントの間に第2の電流を測定するステップ、及び、測定された第1の電流と、第1の時間セグメントに関連する第1の較正データ群と、に基づいて、複数の第1の被分析物濃度を算出するステップを含む。最後に、この方法は、測定された第2の電流と、第2の時間セグメントに関連する第2の較正データ群と、に基づいて、複数の第2の被分析物濃度を算出するステップを含む。
本発明の他の態様は、液体サンプル中の被分析物を分析するシステムを対象としている。このシステムは、被分析物を含有する液体サンプルに励起電圧を印加するように構成される電極群を含む。また、このシステムは、プロセッサを含み、このプロセッサは、励起電圧を印加した後の第1の時間セグメントの間に第1の電流を測定し、かつ、励起電圧を印加した後の第2の時間セグメントの間に第2の電流を測定するように構成される。更に、このプロセッサは、測定された第1の電流と、第1の時間セグメントに関連する複数の第1の較正曲線と、に基づいて、複数の第1の被分析物濃度を算出し、かつ、測定された第2の電流と、第2の時間セグメントに関連する複数の第2の較正曲線と、に基づいて、複数の第2の被分析物濃度を算出するように構成される。
本発明の他の態様は、コンピュータ可読媒体を対象としており、この媒体は、複数の命令を含んで構成される。ここで、上記命令は、被分析物を含有する液体サンプルに印加される励起電圧を印加した後の第1の時間セグメントの間に第1の電流を測定させ、かつ、励起電圧を印加した後の第2の時間セグメントの間に第2の電流を測定させるように、プロセッサに対して指示するように構成されている。また、上記命令は、測定された第1の電流と、第1の時間セグメントに関連する第1の較正データ群と、に基づいて、複数の第1の被分析物濃度を算出させ、かつ、測定された第2の電流と、第2の時間セグメントに関連する第2の較正データ群と、に基づいて、複数の第2の被分析物濃度を算出させるように、プロセッサに対して指示するように構成されている。
本発明の原理に従う付加的な態様は、以下の詳細記載にて説明され、又は、本明細書にて開示される方法の実践もしくはシステムや製品の利用によって理解されるであろう。上述した概略記載及び以下の詳細記載の双方は、単なる例示及び説明にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではないことを理解すべきである。加えて、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、他の態様が用いられ得ること、及び、他の電気的、論理的、及び構造的変更が行われ得ること、を理解すべきである。
添付図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであり、本発明のいくつかの実施形態を例示し、かつ、その記載と共に、本発明の原理を説明する役目を果たす。
本開示の例示的実施形態に従う、測定システムの一例に関連するテスト媒体(メディア)を示す図である。 本開示の例示的実施形態に従う、テスト媒体と共に使用可能なテスト測定器を示す図である。 本開示の例示的実施形態に従う、テスト媒体と共に使用可能な他のテスト測定器を示す図である。 本開示の例示的実施形態に従う、テストストリップの平面図である。 図2Aのテストストリップの、線2B−2Bにおける断面図である。 本開示の例示的実施形態に従う、被分析物濃度を測定する方法のフローチャートである。 本開示の例示的実施形態に従う、電流とグルコース濃度との関係を示すグラフであり、複数の較正曲線を示す。 本開示の例示的実施形態に従う、電流とグルコース濃度との関係を示すグラフであり、複数の較正曲線を示す。 本開示の例示的実施形態に従う、2つの折れ線グラフ(ラインプロット)を示す。 本開示の例示的実施形態に従う、電流と時間との関係を示すグラフであり、複数の電流減衰曲線を示す。
添付図面に図示される本発明の実施形態を、以下、詳細に説明する。可能な限り、同一の参照番号は、同一又は類似の構成を表すように図面の全体を通して使用される。
例示的実施形態に従い、被分析物濃度の測定方法を説明する。多くの産業には、様々な液体中の特定成分の濃度を監視する実需がある。石油精製業、ワイナリー、及び、酪農業は、液体テストを日常業務とする産業の例である。保健医療の分野において、例えば、糖尿病患者等の人々は、バイオセンサを用いて体液中の被分析物レベルを日常的に監視する必要がある。多くのシステムでは、人々が生理液(例えば血液、尿、又は、唾液)をテストして、例えば、グルコース、コレステロール、ケトン体、又は、特異タンパク質等の、液体中に存在する特定の被分析物のレベルを適宜監視することが可能である。この種のシステムは、被分析物濃度の測定や、使用者に対する代表的な情報の表示を行うように構成される測定器を有し得る。加えて、この種の測定システムには、液体サンプルの使い捨てテスト用に構成される使い捨てのテストストリップが組み込まれ得る。
この種の測定システムは、広く採用されているが、その中には、分析液体の異なる特性に起因する測定値の精度低下の影響を受けやすいものもある。例えば、電気化学的手法を用いた血中グルコースの監視では、ヘマトクリット又は温度の変動に大きく左右され得る。本開示の方法では、1以上の時間セグメントに関連する1以上の電流値を測定することによって、不要な影響を削減する。そして、例えば、グルコース濃度やヘマトクリット等の1以上の変数を求めるために、様々な数学的手法が用いられる。本開示は、被分析物濃度の測定を改善する方法及びシステムを提供する。
図1Aは、本開示の例示的実施形態に従う、診断用テストストリップ10を示す。本開示におけるテストストリップ10は、図1B及び図1Cに示すように、適切なテスト測定器100,108と共に用いられるものであり、テストストリップ10に塗布されたサンプル液中に含まれる1以上の被分析物の濃度を検出又は測定するように構成される。図1Aに示すように、テストストリップ10は、通常、デザイン的には平面状かつ細長状である。しかしながら、テストストリップ10は、例えば、リボン、チューブ、タブ、ディスクを含むあらゆる適切な形状、又は、他のあらゆる適切な形状で、提供されてもよい。更に、テストストリップ10は、電気化学テスト、光化学テスト、電気化学発光テストを含む各種の適切なテスト様式、又は、他のあらゆる適切なテスト様式で使用可能なように構成され得る。
テストストリップ10は、近端部12から遠端部14まで延びる一般的なフラットストリップ形状であり得る。本開示において、「遠端部」は、通常使用時で、テストストリップ10のうち液体源から離れた部分(すなわち、測定器に近い部分)を表す一方、「近端部」は、通常使用時で、液体源(すなわち、グルコーステストストリップ用の1滴の血液が付着している指先)に近い部分を表す。ある実施形態では、テストストリップ10の近端部12は、例えば、血液サンプル等の液体サンプルを受け入れるように構成されるサンプル室52を備え得る。本明細書におけるサンプル室52及びテストストリップ10は、共有の米国特許第6,743,635号に記載の材料及び方法を用いて作成することができ、この全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
テストストリップ10は、あらゆる手頃なサイズであり得る。例えば、テストストリップ10は、その長さ(すなわち、近端部12から遠端部14までの長さ)が約35mm、幅が約9mmであり得る。血液サンプルを塗布する開口部を使用者が容易に見つけられるようにするために、近端部12は、遠端部14よりも、その幅を狭くすることができる。更に、テスト測定器100,108は、テストストリップ10と共に使用可能なように構成され得ると共に、テストストリップ10を受け入れ可能な大きさ(寸法)に設定され得る。
テスト測定器100,108は、各種の適切なテスト測定器の形式から選択され得る。例えば、図1Bに示すように、テスト測定器100は、1以上のテストストリップ10を保管するように構成されるバイアル(vial)102を備える。テスト測定器100の操作コンポーネントは、測定器キャップ104に収容され得る。測定器キャップ104は、測定器用電気コンポーネントを含んでもよく、テスト測定器100にパッケージ化され得ると共に、バイアル102の開口を閉止又は封止(シール)するように構成され得る。また、テスト測定器108は、図1Cに示すように、保管用バイアルから分離されるモニタユニットを備え得る。ある実施形態では、測定器100は、本開示の被分析物濃度測定方法における1以上のステップを実行するように構成される1以上の電気回路、プロセッサ、又は、他の電気コンポーネントを含むことが可能である。本開示の方法に従って生産されるテストストリップ10を用いる診断テストの実施のために、あらゆる適切なテスト測定器が選択され得る。
〔テストストリップの構成〕
図2A及び図2Bは、本開示の例示的実施形態に従うテストストリップ10を示す。図2Bに示すように、テストストリップ10は、通常、層状構造を有し得る。最下層から上層への機構において、テストストリップ10はその全長にわたって延びるベース層18を含み得る。ベース層18は、テストストリップ10に構造上の支持を提供する十分な厚みを有する電気的絶縁材によって形成され得る。例えば、ベース層18は、厚さ約0.35mmのポリエステル材であり得る。
例示的実施形態によれば、ベース層18上に導電層20が配置され得る。導電層20は、近端部12近くのベース層18上に配置される複数の電極と、遠端部14近くのベース層18上に配置される複数の電気接点と、電極を電気接点に電気的に接続する複数の導電性領域と、を有する。図2Aに示す例示的実施形態において、複数の電極は、作用電極22と、対電極24と、1対の充填−検出電極28,30と、を含む。詳細については後述するが、「作用電極」という用語は、電気化学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一方が起こる電極(例えば、被分析物(通常は電子メディエータ)が、酸化又は還元される電極)を表す。「対電極」は、作用電極22と対をなす電極を表す。
これに対応して、遠端部14に位置する電気接点は、作用電極接点32と、対電極接点34と、充填−検出電極接点36,38と、を含み得る。導電性領域は、作用電極22を作用電極接点32に電気的に接続する作用電極用導電性領域40と、対電極24を対電極接点34に電気的に接続する対電極用導電性領域42と、充填−検出電極28,30を充填−検出電極接点36,38に電気的に接続する充填−検出電極用導電性領域44,46と、を含み得る。また、例示的実施形態には、遠端部14近くのベース層18上に配置されるオートオンコンダクタ48を含む導電層20が示されている。
オートオンコンダクタ48に加えて、本開示は、引っかき又は摩耗に強い遠端部14近くの電気接点を有するテストストリップ10を提供する。このテストストリップは、導電性材料及び半導電性材料の少なくとも一方から成る2以上の層で形成される導電性電気接点を有し得る。更に、引っかき又は摩耗に強い電気接点に関する情報は、共有の米国特許出願第11/458,298号に記載されており、この全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
テストストリップ10における次層は、導電層20上に配置される誘電スペーサ層64であり得る。誘電スペーサ層64は、ポリエステル等の電気的絶縁材から構成され得る。誘電スペーサ層64は、その厚さが約0.100mmであり得、そして、作用電極22、対電極24、充填−検出電極28,30、及び、導電性領域40〜46の一部を覆うが、例示的実施形態では、電気接点32〜38又はオートオンコンダクタ48は覆わない。例えば、誘電スペーサ層64は、近端部12から延びるサンプル室52を除き、接点32及び接点34に隣接する直線部から近端部12に至るまで、導電層20を実質的に全て覆うことができる。このようにして、サンプル室52では、作用電極22の露出部54、対電極24の露出部56、及び、充填−検出電極28,30の露出部60,62を形成することができる。
ある実施形態では、サンプル室52は、テストストリップ10の近端部12に位置する第1開口部68と、サンプル室52を通気するための第2開口部86と、を有し得る。更に、サンプル室52は、血液サンプルが、毛管作用により、第1開口部68を通って入り込み、そして、サンプル室52内に留まるように、その大きさ(寸法、外形)が設定され、又は、構成され得る。例えば、サンプル室52は、約1マイクロリットル又はそれ以下を受け入れられるように、その大きさが設定され得る。例えば、第1のサンプル室52は、約0.140インチ(約3.6mm)の長さ(すなわち、近端部12から遠端部70までの長さ)、約0.060インチ(約1.5mm)の幅、及び、約0.005インチ(約0.13mm)の高さ(これは、誘電スペーサ層64の厚さによって実質的に定められる)を有することができる。しかしながら、他の寸法外形でも適用可能である。
カバー72は、近端部74及び遠端部76を有し、接着層78によって誘電スペーサ層64に取り付けられ得る。カバー72は、例えば、ポリエステル等の電気的絶縁材から構成されることができ、約0.1mmの厚みを有し得る。加えて、カバー72は透明であり得る。接着層78は、ポリアクリル酸又は他の接着剤を含有することができ、約0.013mmの厚みを有し得る。接着層78内の開路(break)84は、第1のサンプル室52の遠端部70から開口部86まで延びている。ここで、開口部86は、液体サンプルがサンプル室52に流入するようにサンプル室52を通気するように構成され得る。代替として、カバー72は、サンプル室52を通気するように構成される孔(図示せず)を備えることも可能である。適切なサンプル収容部を形成するために、近端部12にて、様々な材料、表面コーティング(例えば、親水性と疎水性との少なくとも一方)、又は、他の突起構造や窪み構造が採用され得ることも考えられる。
図2Bに示すように、試薬層90は、サンプル室52に配置され得る。ある実施形態では、試薬層90は、血液サンプル中のグルコース濃度が電気化学的に測定され得るように1以上の化学成分を含有し得る。試薬層90は、グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼ等の、グルコースに対して特異的な酵素と、フェリシアン化カリウム又はヘキサアンミンルテニウム等のメディエータと、を含有し得る。他の実施形態では、血液又は他の生理液に含まれるグルコース及び他の被分析物の検知を容易にするために、他の試薬や他のメディエータが用いられ得る。加えて、試薬層90は、他の成分、緩衝物質(例えば、リン酸カリウム)、高分子バインダ(例えば、ヒドロキシプロピル−メチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、微結晶性セルロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、及び、ポリビニルアルコールのうち少なくとも1つ)、及び、界面活性剤(例えば、Triton X-100(商標名)又はSurfynol 485(商標名))を含有し得る。例えば、製薬設計の一例では、pH6.75〜pH7.50で50mM〜250mMのリン酸カリウム、150mM〜190mMのヘキサアンミンルテニウム、3500U/mL〜5000U/mLのPQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、0.025%〜0.20%のNATROSOL 250M(商標名)(ヒドロキシエチルセルロース)、0.675%〜2.5%のAvicel(商標名)(微結晶性セルロース)、0.05%〜0.25%のTRITON-X(商標名)(界面活性剤)、及び、2.5%〜5.0%のトレハロースを含有する。
ある実施形態では、被分析物測定での不要なバイアスを少なくとも部分的に削減するために、試薬層90に様々な成分が添加されてもよい。例えば、試薬層90には、セル移動(cell migration)を削減するように、様々なポリマー、微粒子、及び、化合物のうち少なくとも1つが添加されてもよく、これにより、電気化学反応に基づく測定の精度を向上させることができる。また、1以上の導電性コンポーネント上へのセル移動を少なくとも部分的に削減するために、1以上の導電性コンポーネントを、表層(図示せず)でコーティングしてもよい。不要な信号バイアスを削減するために、当該技術分野で知られている上述の技術及び他の技術が用いられ得る。
図2A及び図2Bは例示的実施形態におけるテストストリップ10を示すが、この他の構成、化学成分、及び、電極配置が用いられ得る。例えば、充填−検出電極30は、上述のように、充填−検出機能を果たすように、作用電極22と共に機能させることができる。テストストリップ10では、例えば、単数の充填−検出電極、(図2Aに示すx軸とは対照的に)y軸方向に整列された複数の充填−検出電極、又は、複数の作用電極等の、他の電極構成が可能である。
ある実施形態では、作用電極22と対電極24との間隔を更に空けることが可能である。例えば、この電極対から得られる2パルス測定値が、ヘマトクリット、温度、又は、他のファクターによる影響の補正用に最適化されるように、この電極対では、500μm〜1000μmの間隔が空けられ得る。
〔テストストリップ及び測定器の作動〕
上述したように、テストストリップ10は、測定器100又は同様の装置の内側に配置されるように構成され、テストストリップ10と接触する溶液に含有される被分析物の濃度を測定するように構成され得る。測定器100は、電気化学的技術に基づいて被分析物濃度を測定するための様々な操作(オペレーション)を実行するように構成される電気コンポーネント、電気回路、及び、プロセッサのうち少なくとも1つを含み得る。例えば、測定器100及び関連するテストストリップ10のような測定システムは、血液サンプルのグルコース濃度を測定するように構成され得る。ある実施形態では、本開示のシステム及び方法によって、通常、血液成分、ヘマトクリット値、及び温度の影響を受けずに、血液グルコース濃度の測定を行うことができる。
作動中において、使用していないときには、電池式の測定器100は、低電力スリープモードを継続してもよい。テストストリップ10が測定器100に挿入されると、テストストリップ10の遠端部14に位置する1以上の電気接点は、測定器100内に位置する1以上の対応する電気接点と電気接続を形成する。これらの電気接点は、測定器100内の電気接点にブリッジされ、これにより、電流が、電気接点の一部に流れる。この電流の流れによって、測定器100は「起動(wake-up)」して、アクティブモードに入る。
測定器100は、遠端部14に位置する電気接点から提供されるエンコード情報(符号化情報)を読み取ることができる。詳細には、電気接点は、米国特許出願第11/458,298号に記載のように、情報を格納するように構成され得る。特に、個々のテストストリップ10は、それぞれ、テストストリップのロットに関連するデータ、又は、各ストリップ特有のデータを含む組込コードを含むことができる。この組込まれた情報は、測定器100により読み取り可能なデータを表すことができる。例えば、測定器100に関連するマイクロプロセッサは、各テストストリップ10に特有な、又は、テストストリップ10の製造ロットに特有な、格納された較正データの特定群にアクセスすることができ、また、この特定群を利用することができる。個々のテストストリップ10は、それぞれ、標準溶液を用いて較正可能であり、また、製造されたテストストリップ10における同一又は類似のロットのテストストリップ10には、関連する較正データが適用され得る。
ある実施形態では、「ロット特有」の較正情報は、ストリップのバイアルに添付のコードチップにエンコード(符号化)されるか、又は、共通のテストストリップロットで製造された1以上のテストストリップ10に直接的にコード化され得る。ロット較正は、テストストリップ10及び測定器100の少なくとも一方を較正するあらゆる適切な処理を含むことができる。例えば、較正は、製造所にて、1つの製造ロットからの1以上のテストストリップ10に標準溶液を塗布することを含み得る。ここで、標準溶液は、既知のグルコース濃度、ヘマトクリット、温度、又は、溶液に関連するあらゆる他の適切なパラメータを有する溶液であり得る。標準溶液を塗布した後には、後述するように、1以上のパルスが、テストストリップ10に印加され得る。この後、患者の使用中に測定器100で測定される様々な測定値と、標準溶液に関連する1以上のパラメータと、を相関させることよって、較正データが決定され得る。例えば、測定される電流は、グルコース濃度と相関性が有り、また、電圧は、ヘマトクリットと相関性がある。この較正データは、ロット毎のテストストリップの性能によって異なるものであり、テストストリップ10及び測定器100の少なくとも一方に格納され、そして、後述するように、被分析物サンプルにおける被分析物濃度の測定に用いられる。
テストストリップ10は、製造工程中のあらゆる適切な段階でテスト可能である。また、テストカード(図示せず)も、製造工程中のあらゆる適切な段階でテスト可能であり、これは、共有の米国特許出願第11/504,710号に記載されており、この全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。テストストリップ10又はテストカードに対するこの種のテストによって、製造工程中のあらゆる適切な段階で較正データの決定やエンコードが可能となる。例えば、本開示の方法に関連する較正データは、製造工程中にエンコードされ得る。
作動中において、測定器100は、行われる特定のテストを識別するように、又は、正常作動状態を確認できるように構成され得る。また、上述のように、被分析物テスト用もしくは他の適切なテスト用の、ストリップロットに関連する較正データも、エンコードもしくは表示され得る。例えば、測定器100は、挿入されたストリップが、テストストリップ10か、もしくはチェックストリップ(図示せず)かを、特定のコード情報に基づいて識別することができる。
測定器100は、テストストリップ10を検出すると、テストストリップシーケンスを実行し得る。テストストリップシーケンスは、テストストリップ10における1以上のコンポーネントが正常に機能しているかを確認し得る。例えば、測定器100は、作用電極22、対電極24、及び、もし有するのであれば、充填−検出電極のうち、いずれの電極間にも低インピーダンス経路が形成されていないことを確かめることによって、これらの電極の機能を確認することができる。これらの電極の機能が確認されれば、測定器100は、サンプルがテストストリップ10に塗布されていることを示す表示を使用者に提供することができる。
測定器100は、チェックストリップを検出すると、チェックストリップシーケンスを実行し得る。また、このシステムは、機器が電気的に較正されているか、そして、正常に作動しているか、を確認するように構成されるチェックストリップを有してもよい。使用者は、測定器100にチェックストリップを挿入する。この時、測定器100は、チェックストリップからの信号を受信して、測定器100が許容範囲内で作動しているか否かを判定する。
他の実施形態では、テストストリップ10及び測定器100の少なくとも一方は、対照溶液(control solution)とも称される標準溶液に基づいて較正処理が行われるように構成され得る。対照溶液は、測定器100における1以上の機能を定期的にテストするために用いられ得る。例えば、対照溶液は、既知の電気特性を有する溶液を含み、また、この溶液の電気測定は、測定器100によって行われる。対照溶液の存在を検出すると、測定器100は、測定の整合性を検証するために、テストストリップ10の機能の作動チェックを行うことができる。例えば、測定器100が適切な精度で作動しているかを確認するために、測定器100の表示値は、溶液の既知のグルコース値と比較され得る。加えて、対照溶液の測定に関連するあらゆるデータに対しては、グルコース測定に関連するあらゆるデータと異なる処理、格納、又は表示が、測定器100を用いて行われ得る。このように対照溶液に関連するデータに対して異なる処理を行うことによって、測定器100もしくは使用者が、グルコース測定を識別することができ、また、グルコース測定にてあらゆる数理解析を行っているときにあらゆる対照測定(control measurements)を排除することができる。
〔被分析物濃度測定〕
測定器100は、テストストリップ10に接触する溶液に含有される被分析物の濃度を測定するために、テストストリップ10に信号を加えるように構成され得る。ある場合では、テストストリップ10のサンプル室52に、十分な量の液体サンプルが収容されたことを確認した後に、信号が加えられ得る。十分な量の液体の存在を確認するために、測定器100は、例えば、充填−検出電極等の、適切に構成されたあらゆる電極の間に、検出電圧を印加し得る。検出電圧は、充填−検出電極間の電流の流れを測定することによって、サンプル室52内に十分な量の液体(例えば、血液)が存在することを検出することができる。加えて、液体サンプルが試薬層90に移動し、試薬層90の化学成分に溶け込んだことを確認するために、測定器100は、1以上の充填−検出電極に充填−検出電圧を印加して、発生電流を測定してもよい。発生電流が所定の期間内に十分なレベルに達すると、測定器100は、使用者に対して、十分な量のサンプルが存在していることを表示することができる。また、測定器100は、血液サンプルを試薬層90と反応させるために、初めに血液サンプルを検出した時点から所定の期間待つようにプログラムされ得る。あるいは、測定器100は、直ちに順番通りに測定を開始するように構成され得る。
測定器100は、テストストリップ10に様々な信号を加えるように構成され得る。例えば、液体測定シーケンスの一例では、アンペロメトリを含み得る。ここでは、テストストリップ10の作用電極22と対電極24との間に分析電圧(assay voltage)が印加される。分析電圧の振幅は、あらゆる適切な電圧であり得、また、試薬層90の成分の酸化還元電位にほぼ等しい。励起電圧(potential excitation)とも称される分析電圧を印加した後に、測定器100は、作用電極22と対電極24との間における1以上の電流値を測定するように構成され得る。このようにして測定された電流は、例えば、血液サンプル中のグルコース濃度等の、液体サンプル中の被分析物濃度に数学的に関連させることができる。
例えば、試薬層90における1以上の成分が、血液サンプル中に存在するグルコースと反応可能であり、これにより、電気化学的技術を用いて、グルコース濃度を測定することができる。試薬層90の適切な酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ、又は、グルコースデヒドロゲナーゼ)が、血液中のグルコースと反応可能である。グルコースは酸化されてグルコン酸を生成し、これは次に、例えば、フェリシアン化カリウム又はヘキサアンミンルテニウム等の適切なメディエータを還元し得る。作用電極22に印加される電圧は、フェロシアン化物を酸化してフェリシアン化物を生成し、そして、血液サンプルのグルコース濃度に比例する電流を発生させる。
上述のように、バイオセンサを用いる被分析物濃度の測定では、様々な血液成分の好ましくない影響により、その精度が低くなり得る。例えば、血液ヘマトクリット値(すなわち、赤血球によって占められる血液の割合)は、被分析物濃度の測定値に誤った影響を及ぼし得る。被分析物濃度の測定に関連する精度低下を抑制するために、複数の較正データ群を用いることは効果的であり得る。この較正データは、被分析物濃度測定に悪影響を及ぼし得るヘマトクリット又は他のファクターによる誤差(エラー)を減少させることが可能である。
本開示の例示的実施形態では、複数の較正データ群を用いており、これにより、従来の技法を用いて実施される被分析物濃度の測定に比べて、より広範囲にわたって、より高精度な被分析物濃度の測定が可能となる。血中グルコース濃度の測定に悪影響を及ぼし得るヘマトクリット、温度、血液成分、及び、他のファクターの影響は、複数の較正データを採用する技法を用いて抑制され得る。本開示の方法及びシステムを用いることにより、バイオセンサを用いた血中グルコース濃度の監視における精密性や正確性が改善され得る。異なる較正データ群は、異なる範囲の被分析物濃度、電流、電圧、又は、サンプリング時間に関連し得る。特に、較正データ群は、1以上の較正曲線、参照テーブル(参照表)、データ配列、又は、数学的方程式を含むことができる。
ある例示的実施形態は、2つの電流測定値と2つの較正曲線群とに基づく被分析物濃度の算出を含む方法を対象としている。各較正曲線群は、それぞれ、時間セグメントに関連し得る複数の較正曲線を含むことが可能であり、この詳細については、後述する。例えば、第1の時間セグメントの間に、この第1の時間セグメントに関連する2以上の較正曲線を用いて、第1の被分析物濃度が算出され得る。算出された第1の被分析物濃度が、第1の時間セグメントに関連する所定の濃度範囲内である場合には、電流測定を停止することができ、そして、被分析物濃度が決定されてこの結果が表示され得る。算出された被分析物濃度が、所定の範囲外である場合には、第2の時間セグメントの間まで電流測定を継続することができる。このときに、第2の時間セグメントに関連するパラメータを用いて、第2の被分析物濃度が算出され得る。第2の被分析物濃度が第1の被分析物濃度にほぼ等しい場合には、電流測定を停止することができ、そして、最終被分析物濃度が決定されてこの結果が表示され得る。一方、ほぼ等しくない場合には、この方法を継続し、そして、複数の第1の被分析物濃度と複数の第2の被分析物濃度とに基づいて最終被分析物濃度を決定することができる。詳細については後述するが、最終被分析物濃度を決定するために、様々な数学的アルゴリズムを用いることができる。例えば、第1の複数の被分析物濃度は、最初のグルコース濃度を提供し得、また、第2の複数の被分析物濃度は、推定されたヘマトクリット値に基づいて、異なるグルコース濃度を提供し得る。内挿法(補間法;interpolative technique)及び外挿法(補外法;extrapolative technique)の少なくとも一方を用いて算出精度を上げるために、算出されたグルコース濃度の差が2以上の較正曲線と共に用いられ得る。ある実施形態では、最終被分析物濃度に収束させるために、反復法を用いて、算出精度を上げることが可能である。このような方法では、被分析物測定に用いられる電気化学的技術の精密性又は正確性を向上させるために、時間、電流、電圧、被分析物濃度、又は、他のパラメータに関連する複数の較正データ群を用いることができる。
ある実施形態では、最初に、テストストリップ10に接触する液体サンプルに励起電圧を印加することによって、被分析物濃度が測定され得る。印加電圧は、例えば、定電圧信号、可変電圧信号、又は、パルス列電圧信号等のあらゆる適切な電圧信号を含むことができる。そして、測定器100が、励起電圧に関連する電流値を測定し得る。
ある実施形態では、電流が1以上の時点(time-points)で測定され得る。この時点は、励起電圧印加後の離散時間(discrete time)を含むことが可能である。例えば、第1の電流は、0.1秒の第1の時点で測定され得、また、第2の電流は、0.2秒の第2の時点で測定され得る。第1の時点は、電圧印加の0.1秒後であり得、また、第2の時点は電圧印加の0.2秒後であり得る。ある場合では、励起電圧印加後の複数の時点で複数の電流値が測定され得る。
時点は、不規則的な、もしくは規則的な期間(time periods)を有し得ると共に、あらゆる適切なサンプリングレートを有し得る。例えば、サンプリングレートは、10Hzであり得、また、他の実施形態では、サンプリングレートは、0.1Hz、1Hz、100Hz、又は、1000Hzであり得る。他の実施形態では、時点は、非定常なサンプリングレートでサンプリング可能である。例えば、時点は、増加するサンプリングレート、減少するサンプリングレート、又は、不均一なサンプリングレートでサンプリング可能である。
ある実施形態では、電流値が複数の時間セグメントにわたって測定され得る。ここで、時間セグメントは、時点群を含み得、また、特定の期間にわたり得る。例えば、第1の時間セグメントは、約6秒に至るまでの間の複数の時点を含み得、また、第2の時間セグメントは、約6秒以後の複数の時点を含み得る。他の実施形態では、第1の時間セグメントは、約6秒間より短い期間を有し得、また、第2の時間セグメントは、約6秒間より長い期間を有し得る。更に他の実施形態では、第1の時間セグメントは、約20秒間より短く、また、第2の時間セグメントは、第1の時間セグメントの後の任意の期間であり得る。
任意の時間セグメントの期間は、テストストリップ10の構成、測定器100の構成、分析される体液サンプルの構成、又は、テストストリップ10の試薬の構成を含む様々なファクターによって変わり得る。例えば、第1の時間セグメントは、励起電圧印加の約0秒後から約2秒後〜約10秒後までの間にわたる。更に、ある実施形態では、時間セグメントの末尾が次に時間セグメントの先頭と重なってもよいが、その一方で、他の実施形態では、前の時間セグメントと後の時間セグメントとが重ならなくてもよい。例えば、第1の時間セグメントは、約0秒から約10秒までの期間にわたり、また、第2の時間セグメントは、約2秒から約14秒までの期間にわたってもよい。
第1の時間セグメントにて測定される電流値は、0.1秒、0.2秒、1.6秒、2.0秒、3.4秒、もしくは、5.99秒か、又は、他の適切な時刻にて測定される1以上の電流を含み得る。第2の時間セグメントにて測定される電流値は、6.2秒、6.63秒、7.0秒、もしくは、9.97秒か、又は、他の適切な時刻にて測定される1以上の電流を含み得る。そして、異なる時間セグメントにて測定された1以上の電流値を用い、異なる時間セグメントに関連する較正情報に基づいて、被分析物濃度が決定される。例えば、第1の時間セグメント等の初期の時間セグメントの間に、低いレベルの被分析物濃度に関連する較正データに基づいて、低レベルの被分析物濃度が決定され得る。反対に、第2の時間セグメント等の後期の時間セグメントの間に、より高レベルの被分析物濃度に関連する較正データに基づいて、高レベルの被分析物濃度が決定され得る。
ある実施形態では、較正データは、複数の較正曲線によって表され得る。ここで、各時間セグメントは、それぞれ、複数の較正曲線に関連し得る。例えば、第1の時間セグメントは、複数の第1の較正曲線に関連し得る。第1の較正曲線は、それぞれ、第1の時間セグメント、及び、様々な他の変数(例えば、ヘマトクリット等)に関連し得る。他の較正曲線は、温度、サンプル、テストストリップ10、又は、測定器100に関連してもよい。
以下で、詳細に説明するように、第1の較正データ群は、異なるヘマトクリット値の血液サンプルに関連するデータを表す複数の較正曲線を含み得る。特に、ある曲線は、低レベルのヘマトクリット値に関連し得、別の曲線は、中レベルのヘマトクリット値に関連し得、そして、更に別の曲線は、高レベルのヘマトクリット値に関連し得る。ある例では、2つの較正曲線のみが用いられ得る。これらの複数の較正曲線は、第1の時間セグメントに関連し得る一方、他の較正データ群は、第2の時間セグメントに関連し得る。
ある実施形態では、第1の時間セグメントに関連する複数の較正曲線は、複数の第1の被分析物濃度の決定に用いられ得る。例えば、異なるレベルのヘマトクリット値を表す複数の較正曲線は、異なるレベルのヘマトクリット値に関連する複数の被分析物濃度の決定に用いられ得る。更に、第2の時間セグメントに関連する複数の較正曲線は、複数の第2の被分析物濃度の決定に用いられ得る。ある実施形態では、2つ、3つ、4つ、又は、それ以上の較正曲線が、被分析物濃度の決定に用いられ得る。ここで、各較正曲線は、それぞれ、対応する時間セグメントに関連し得る。下記の方法では、2つ、3つ、4つ、又は、それ以上の時間セグメントが用いられ得る。
図3は、本開示の例示的実施形態に従う、被分析物濃度の測定方法200を示す。まず、励起電圧が、被分析物を含有する液体サンプルに印加され得る(ステップ210)。例えば、液体サンプルは、テストストリップ10に収容された状態であり得る。上述のように、測定器100は、テストストリップ10内の電極22,24の間に励起電圧を供給するように構成され得る。また、測定器100は、励起電圧印加後の1以上の時間セグメントの間に電流を測定するように構成され得る。この後、測定器100は、時間セグメントに関連する複数の較正データ群に基づいて、例えば血中グルコース濃度等の被分析物濃度を決定し得る。また、他のテストストリップ、測定器、又は、被分析物監視システムも、方法200を組み入れ可能なように構成され得る。
励起電圧の印加後に、第1の電流が測定される。ここで、第1の電流は、第1の時間セグメントの間に測定され得る(ステップ220)。上述のように、第1の時間セグメントは、約2秒間〜約10秒間より短い期間を含み得る。
次に、第1の電流は、第1の目標範囲と比較される(ステップ230)。特に、測定された第1の電流は、第1の被分析物濃度範囲に関連する第1の目標範囲と比較され得る。測定された電流が第1の目標範囲内であれば、液体サンプルの被分析物濃度も、対応する第1の被分析物濃度範囲内になるはずである。例えば、第1のグルコース濃度範囲は、約50mg/dL、約100mg/dL、又は、約150mg/dLより低い。異なる範囲は、それぞれ、対応する電流値目標範囲に関連し得る。測定された電流値がこれらの目標範囲のいずれかまで低下すると、グルコース濃度が、50mg/dL、100mg/dL、又は、150mg/dLの第1の範囲内に入っていることが推定され得る。特に、最終被分析物濃度は、第1の時間セグメントに関連するデータに基づいて決定される(ステップ240)。このデータは、ステップ220で測定された第1の電流値、及び、第1の時間セグメントに関連する様々な他のデータを含み得る。当該技術分野では、被分析物濃度を測定するための様々な方法が知られている。ある実施形態では、これらの算出に、第1の較正データに関連するデータを用いることが可能である。
例を挙げて説明すると、第1の目標範囲は、50mg/dLの最高グルコース濃度を含み得る。通常、比較的低レベルの被分析物濃度は、初期の時間セグメントに関連する一方、比較的高レベルの被分析物濃度は、後期の時間セグメントに関連する。測定された第1の電流が、50mg/dLに対応するものにほぼ等しいか、又は、それより低い場合に、方法200では、第1の時間セグメントに関連するデータに基づいて、被分析物濃度を決定する。この決定は、第1の時間セグメントに関連する1以上の較正データ群を用いることを含み得る。様々な目標範囲、較正データ、時間セグメント、及び、他のパラメータは、実験的に(経験的に)決定され得、また、テストストリップ及び測定器の構造、製造条件、液体の種類、作動条件等により変更され得る。
ある実施形態では、適切な被分析物濃度範囲が、2以上の目標範囲に含まれ得る。例えば、第1の目標範囲が、約10mg/dL〜約50mg/dLのグルコース濃度に関連し得る一方、第2の目標範囲が、約50mg/dLより高いグルコース濃度に関連し得る。様々な目標範囲の境界部分は、互いに重なり合って(オーバーラップして)いてもよく、また、第3、第4、又は、あらゆる他の目標範囲も用いられ得る。
様々な較正データは、時間セグメントに関連し得、これにより、較正データは、時間セグメントに関連するあらゆる適切な情報を含むことができる。例えば、較正曲線は、比較的低レベルの被分析物濃度と比較的高レベルの被分析物濃度との間の被分析物濃度に対応する較正データを表し得る。この関連付けにより、濃度依存型較正情報を利用することができる。例えば、ある較正情報群は、低レベルの被分析物濃度用に存在する一方、他の構成情報群は、高レベルの被分析物濃度用に存在する。ある実施形態では、2つ、3つ、4つ、又は、それ以上の異なる較正データ群が、被分析物濃度の決定に利用可能であり、これにより、異なる較正データ群が、それぞれ、異なる被分析物濃度範囲に対応する。
各較正データ群は、それぞれ、被分析物濃度範囲に関連する実験データ(経験的データ)を含むことができ、これは、「較正範囲(calibration-range)」と呼ばれる。ある実施形態では、較正範囲は、対応する目標範囲と異なり得る。例えば、第1の目標範囲は、約10mg/dL〜約50mg/dLのグルコース濃度に関連し得る一方、第1の較正範囲は、約0mg/dL〜約75mg/dLのグルコース濃度に関連し得る。較正範囲が、関連する目標範囲に比べて広いことにより、より広い実験データ範囲が較正データの決定に利用可能であるので、対応する較正データの決定における正確性を向上させることができる。また、詳細については後述するが、隣接する較正範囲は、オーバーラップが可能であり、また、較正データ群の決定のための追加データを提供することが可能である。
ある実施形態では、2つの較正範囲が、2つの較正データ群の決定に用いられ得る。例えば、第1の較正範囲は、約0mg/dL〜約75mg/dLのグルコース濃度に関連し得、また、第2の較正範囲は、約50mg/dLより高いグルコース濃度に関連し得る。ある実施形態では、第2の較正範囲は、約30mg/dL〜約240mg/dLのグルコース濃度に関連し得、また、第3の較正範囲は、約75mg/dL〜約600mg/dLのグルコース濃度に関連し得る。更に他の実施形態では、第4の較正範囲が用いられ得る。例えば、第3の時間セグメントが約9秒で始まり得、第4の時間セグメントが約14秒で始まり得、第3の目標範囲が約350mg/dLのグルコース濃度に関連し得、そして、第4の目標範囲が約600mg/dLのグルコース濃度に関連し得る。また、例えば、第1の較正データ群が第1の較正範囲に関連し、第2の較正データ群が第2の較正範囲に関連するように、特定の較正データ群も、それぞれ、対応する較正範囲に関連し得る。
例えば、図4Aは、グルコース濃度の測定に用いられる2つの較正データ群を表すチャート400を示す。複数の第1の較正曲線410が第1の時間セグメント(t)に関連し得る。図示では、tに対して、3つの較正曲線が表されているが、2つ、4つ、5つ、又は、それ以上の曲線が決定可能であり、また、利用可能である。第1の較正曲線群410は、t、測定された第1の電流x、又は、第1の時間セグメントに関連するあらゆる他の変数に関連し得る。ある実施形態では、第1の較正曲線群は、第1のグルコース濃度較正範囲(例えば、0mg/dL〜75mg/dL等)を用いて決定され得る。
複数の第2の較正曲線420は、第2の時間セグメントに関連し得る。上述したように、第1の較正曲線群410に関する記載と同様、第2の較正曲線群420は、2つ、4つ、5つ、又は、それ以上の曲線を含み得る。図示したように、第2の較正曲線群420は、第2の時間セグメントt、及び、測定された第2の電流xに関連するが、他の変数を用いることも可能である。ある実施形態では、第2の較正曲線群420は、第2のグルコース濃度較正範囲(例えば、約50mg/dLより高い)を用いて決定され得る。図4Aには示されていないが、方法200に関連して、第3、第4、又は、他の較正曲線群も決定可能であり、また、利用可能である。
図4Aは、各々が、ほぼ湾曲し、かつ、傾きが異なる較正曲線を示す。他の実施形態では、これらの曲線は、ほぼ直線であってもよく、また、傾きが異なっていても異なっていなくてもよい。また、これらの様々な較正曲線は、あらゆる適切なデータフォーマットでも表され得る。これらの較正データは、例えば、傾き、関係、チャート、テーブル(表)、方程式、アルゴリズム、又は、データフォーマット等のあらゆる適切な較正情報表現を含み得る。様々な方程式は、2次方程式、多項式、データ近似式(data-fitted)、又は、他の数学的記述を含み得る。較正データは、ストリップ、ロット、又は、測定器の特定情報を含むことができ、また、テスト状態におけるヘマトクリット、温度、もしくは、他の変化量、被分析物の種類、又は、生理的サンプルであり得る。これらの較正データは、ストリップ10上又は測定器100内にエンコードされて得る。
ステップ230を実行させる事象(イベント)は、あらゆる適切な事象を含み得る。例えば、ステップ210で励起電圧を印加した後に設定時間が経過し得る。又は、第1の時間セグメントが終了して、例えば4秒間経過すると、ステップ230が実行される。他の実施形態では、電流の読み取りが事象を引き起こし得る。例えば、測定される電流が所定のレベル(例えば、3mA)より低くなると、ステップ230が実行され得る。様々な電気化学的技術に関連する電圧、インピーダンス、もしくは、他のパラメータの一定値、又は、値域もまた、事象を引き起こすものとして用いられ得る。
方法200に示すように、測定された第1の電流が第1の目標範囲内ではない場合には、方法200は、引き続き、第2の時間セグメントの間に第2の電流を測定し得る(ステップ250)。特に、第1の電流測定が行われた後に、1以上の電流測定が、行われ得る。例えば、第2の時間セグメント(ステップ210にて励起電圧を印加してから約2秒後〜約10秒後等)の間に、1以上の追加的な電流測定が行われ得る。ステップ250は、上述のステップ220における第1の時間セグメントの間の第1の電流の測定と同様に、実行され得る。
ステップ250の後に、第1及び第2の時間セグメントに関連するデータが比較され得る。このデータは、被分析物濃度、電流、電圧、又は、あらゆる他の適切な情報を含み得る。第1及び第2の時間セグメントデータの比較では、これらのデータがほぼ等しいか否かの判定が含まれ得る(ステップ260)。方法200では、これらのデータが等しいか、もしくは、ほぼ等しいことが要求され、これにより、差分が許容範囲内(例えば、10%、5%、又は、2%の偏差)になり得る。
第1及び第2の時間セグメントデータがほぼ等しい場合には、測定データに基づいて、最終被分析物濃度が決定され得る(ステップ270)。このデータは、第1もしくは第2の時間セグメントデータ、又は、いくつかの組み合わせを含み得る。この決定は、上述のステップ240における決定と同様であり得る。一例として、図4Aは、例示的実施形態を示し、これにより、第1及び第2のセグメントデータは、ほぼ等しくなっている。
図4Aは、チャート400にて、被分析物濃度(mg/dL)軸及び電流(nA)の軸上に一連の曲線として表される2つの較正データ群を示す。図示した複数の第1の較正曲線410は、3つの曲線G(t,H)、G(t,H)、及び、G(t,H)を含む。他の実施形態では、較正曲線410は、2つ、4つ、又は、それ以上の曲線を含み得る。代替として、これら又は他の較正データは、テーブル、グラフ、又は、方程式によって表され得、また、実験データ、もしくは、モデル化されたデータを含み得る。
図示のように、各較正曲線410は、それぞれ、第1の時刻tに関連する較正データを表し、これにより、tは、第1の時間セグメント内の時点になる。例えば、tは、電圧印加の2秒後、4秒後、又は、6秒後であり得る。較正曲線410は、1以上の変数(例えば、ヘマトクリット又は温度等)に関連する較正データも表し得る。図示のように、各較正曲線410は、それぞれ、3つの異なるレベルのヘマトクリット値H、H、Hに関連する較正データを表す。例えば、Hは、低レベルのヘマトクリット値を表し、Hは、生理的レベルのヘマトクリット値を表し、そして、Hは、高レベルのヘマトクリット値を表す。各較正曲線は、それぞれ、必要に応じて、追加変数又は他の変数に関連するデータも含み得る。更に、異なるテストストリップ10又は測定器100に対して、異なる較正曲線が必要とされ得る。
チャート400は、複数の第2の較正曲線420も示し、同様に、3つの曲線G(t,H)、G(t,H)、及び、G(t,H)を含む。上述のように、他の実施形態では、較正曲線420は、2つ、4つ、又は、それ以上の曲線を含み得る。図示のように、各較正曲線420は、それぞれ、第2の時刻tに関連する較正データを表し、これにより、tは、第2の時間セグメント内の時点になる。例えば、tは、電圧印加の6秒後、8秒後、10秒後、又は、12秒後であり得る。上述のように、各較正曲線420は、それぞれ、3つの異なるレベルのヘマトクリット値H、H、Hに関連する較正データを表す。尚、他の変数に関連するデータも意図される。
上述にて概説したが、ステップ220にて記載したように、第1の時間セグメントの間に、第1の電流xが測定され得る。まず、方法200では、液体サンプルが生理的レベルのヘマトクリット値(すなわち、H)を有していると、仮定し得る。図4Aを参照すると、第1の電流x、測定された時刻t、及び、仮定されたヘマトクリット値Hによって、被分析物濃度がyであるという結果を得る。必要であれば、ステップ250にて記載したように、第2の時間セグメントの間に、第2の電流xが測定され得る。
図4Aを参照すると、第2の電流x、測定された時刻t、及び、仮定されたヘマトクリット値Hによって、被分析物濃度がyであるという結果を得る。図4Aに示すように、yとyとは、双方ともほぼ等しく、故に、上記の結果は、ステップ270と同様に、最終被分析物濃度が、測定データに基づいて決定可能であることを示し得る。第1及び第2の時間セグメントデータが十分に等しくない場合、又は、データ間の差が許容範囲内ではない場合には、異なる演算が必要となり得る。
図3に戻り、ステップ260における第1及び第2の時間セグメントデータの比較の後に、データが等しくないと判定されると、方法200では、第1及び第2の被分析物濃度が算出され得る(ステップ280)。当該技術分野では、被分析物濃度を測定するための様々な方法が知られている。ある実施形態では、これらの算出に、第1及び第2の較正データ群に関連するデータを用いることが可能である。第1及び第2の被分析物濃度がほぼ等しい場合には、最終被分析物濃度の決定が、上述のステップ270に関する記載及び図4Aの図示と同様に行われる。これらの被分析物濃度が等しくない場合、又は、適切な範囲内ではない場合には、最終被分析物濃度を正確に測定するために、図4Bに示すような、双方の較正データ群が必要とされ得る。
図4Bは、図4Aに類似する例示的実施形態を示しており、複数の第1の較正曲線510及び複数の第2の較正曲線520を含むチャート500を示している。第1の電流xは、複数の第1の較正曲線510に関連する複数の被分析物濃度を含み得る。特に、第1の電流xは、各々が較正曲線G(t,H)、G(t,H)、及び、G(t,H)に関連する被分析物濃度a、a、及び、aを含み得る。すなわち、第1の電流xでは、較正曲線G(t,H)を用いると、被分析物濃度の値はaとなる一方、較正曲線G(t,H)を用いると、被分析物濃度の値はaとなる。同様に、第2の電流xは、各々が較正曲線G(t,H)、G(t,H)、及び、G(t,H)に関連する被分析物濃度b、b、及び、bを含み得る。図4Bに示すように、3つの較正曲線が用いられているが、2つ、4つ、5つ、又は、それ以上の較正曲線も用いられ得る。
方法200は、一般的な収束特性を示すあらゆる較正データと共に用いられ得る。例えば、ここで、第1の時間セグメントに関連するデータ(xに関連するデータ)は、第2の時間セグメント(xに関連するデータ)での収束性を示す。特に、xに関連する較正データの上限値と下限値との差(b−b)は、xに関連する較正データの上限値と下限値との差(a−a)によりも小さい。この収束特性(すなわち、(b−b)<(a−a))に基づいて最終被分析物濃度を決定するために、異なる較正データに関連する様々な被分析物濃度値に基づいた反復法が用いられ得る。
収束特性に基づいた他の方法も意図されるが、収束特性を用いる方法の一例を記載する。まず、較正データ群の平均(例えば、中央較正曲線)を仮定し得る。例えば、図4Bに示すように、平均ヘマトクリット値(H)が最初に仮定され得、そして、最初の被分析物濃度の算出に用いられ得る。第1の電流xにて、この最初の被分析物濃度がaで表される。上述のように、第2の電流xにより、被分析物濃度はbであるという結果を得ると、これにより、aはbにほぼ等しくなり、従って、最終被分析物濃度は、x又はxのデータに基づいて決定可能となる。しかしながら、a及びbが十分に収束していないと、これにより、aとbとの差が所望の精度(例えば、5%等)に及ばないことになる。
第1及び第2の時間セグメントに関連する最初の較正データ間の差が非常に大きい場合には、最終被分析物濃度の決定を最適化するために、様々なアルゴリズム技法が用いられ得る(ステップ290)。一例として、第1の被分析物濃度推定値がbであり、かつ、(a−b)が許容値外である場合を仮定する。図4Bに示すように、bに対応するが、しかし、第1の電流xにも関連する被分析物濃度aに基づいて、修正ヘマトクリット値が算出され得る。第1の電流xに関連する被分析物濃度は、a、a、又は、aの間における内挿(補間)によって修正され得る。図4Bに示すように、aは、aとaとの間に位置する。修正ヘマトクリット値(HCT)は、以下の方程式に基づいて算出され得る。
この方程式では、HCT以外の変数は全て既知であるので、HCTについて解くことができる。
第1の電流xに関連する較正データに基づいて修正ヘマトクリット値を決定した後に、被分析物濃度yが修正され得る。例えば、修正値yは、以下の方程式に基づいて決定され得る。
この方程式では、y以外の変数は全て既知であるので、yについて解くことができる。更に、ある実施形態では、被分析物濃度の値及びヘマトクリット値の一方もしくは双方、又は、他の較正変数を修正するために、この処理が、必要に応じて繰り返され得る。
較正データに関連する1以上の変数について解くために、様々なアルゴリズムが用いられ得る。例えば、上述の技法は、所望の精度範囲内に算出精度を上げるために、反復法と組み合わせて用いられ得る。他の最適化技法(例えば、線形法又は非線形法を用いる外挿法(補外法)又は内挿法(補間法)等)も、当該技術分野で知られている。外挿法は、所定のデータ範囲外における適切な較正データの決定に用いられ得る。内挿法は、上限値内又は下限値内に較正データを制限し得るか、又は、実データに関連する分散もしくはバイアス統計値(bias statistics)に依存したデータを自然に拡張(外挿)し得る。例えば、上述のように、被分析物濃度は、a、a、又は、aの範囲外に外挿されることにより、修正され得る。
上述の方法では、2以上の較正データ群を用い、これにより、2以上の未知変数の値を求めるために、各較正データ群を、それぞれ、異なる時間セグメントに関連させることができる。較正データ群は、参照テーブル、配列、数学的方程式、又は、較正データを表すように構成される他の適切なデータ構造を含むことができ、そして、様々な複数種の較正データが方法200と共に用いられ得る。特に、方法200では、少なくとも2つの較正曲線を用いることができる。尚、複数の較正曲線は、それぞれ、異なる時間セグメントに関連し得る。例えば、方法200では、あらゆる3つの適切に規定された時間セグメント(例えば、約4秒間、約7秒間、及び約10秒間)に関連する3つの較正データ群を用いることができる。各時間セグメントは、それぞれ、その特定の時間セグメントに関連し、かつ、特異的に得られる較正データを含み得る。
方法200は、2つの未知変数(例えば、上述のヘマトクリット及び被分析物濃度等)の値を求めるために用いられ得る。他の実施形態では、3以上の異なる変数の値も求められる。例えば、温度等の第3の変数も、較正データ群に含まれてもよい。ある実施形態において、温度依存性が比較的強い高レベルのヘマトクリット値の場合に比べて、被分析物濃度は、低レベルのヘマトクリット値の場合には、その温度依存性が比較的弱くなり得る。本明細書に記載の方法を用いて、温度変数の値を求めるために、追加的な較正データ及び時間セグメントの少なくとも一方を用いてもよい。
方法200に用いられ得る他の数学的方法では、2以上の時間セグメントに関連するデータから作成される2以上の折れ線グラフ(ラインプロット)が用いられ得る。上述したが、図4Aに示すように、複数の時間セグメントに対して、複数の較正曲線が作成され得る。そして、測定された1以上の電流値に基づいて、各時間セグメントごとに関連するデータが決定され得る。図4Bに示すように、電流値xは、関連データa、a、及び、aを含み得る一方、電流値xは、関連データb、b、及び、bを含み得る。そして、図4Cに示すように、これらの2つの関連データ群がプロットされて、2つのラインプロットが形成され得る。
図4Cは、例示的実施形態における第1のラインプロット610と第2のラインプロット620とを含むチャート600を示す。第1のラインプロット610は、a、a、a、又は、他のxに関連するデータを含み得る一方、第2のラインプロット620は、b、b、b、又は、他のxに関連するデータを含み得る。得られるラインプロットは、2つの未知変数(図4Cに示すように、例えば、グルコース濃度(mg/dL)及びヘマトクリット(%)等)に関してプロットされ得る。得られるこれらのラインプロットは、通常、直線状、曲線状、又は、不規則な形状であり得ると共に、通常、点630辺りで交差し得る。2つのラインプロットが不規則である場合、又は、ラインプロットが、制限された値範囲辺りで交差する場合には、点630が、通常、規定され得る。従って、点630は、1以上の未知変数における制限された値範囲を含み得る。点630に基づいて、予測グルコース濃度(G)及び予測ヘマトクリット(H)が容易に決定され得る。点630が値範囲を含み得るのと同様に、G又はHも、制限された値範囲を含み得る。
本発明の原理に従う他の実施形態では、第1の時間セグメントの間に測定される電流減衰を外挿して、より長い時間での電流値を測定する。これは、より長いテスト時間での実験データを用いて、外挿アルゴリズムを定式化することにより、達成され得る。外挿電流、又は、「予測電流」は、改善された正確性及び精密性を備えた被分析物濃度と相関性があり得る。算出された被分析物濃度が所定の範囲外である場合には、上述の方法と同様に、測定が、第2の時間セグメントまで続けられる。外挿アルゴリズム及び被分析物濃度測定法は、上述のように、あらゆる個数の較正データ群を用いて決定され得る。更に、この方法は、全測定範囲に及ぶまで繰り返され得る。
図5は、3つの異なる液体サンプルのチャート340を示し、これは、励起電圧印加後の時間に対する電流減衰曲線を表す。図示した3つのサンプルは同様のグルコース濃度を有しているが、3つのサンプルの全ては、異なる赤血球量(すなわち、異なるヘマトクリット値)を有する。最低レベルのヘマトクリット値を有するサンプルは、線310で示されており、破線で示す範囲350にて最も急な傾きを有する。これに対し、最高レベルのヘマトクリット値を有するサンプルは、線330で示されており、図示の範囲350にて最も平らな傾きを有する。線320は、中間レベルのヘマトクリット値を有するサンプルを表す。図示のように、3つの線310,320,330は、領域340で示す将来の時点でのほぼ共通な電流値に向かってほぼ収束する。
ある実施形態では、グルコース濃度が、電流減衰曲線の形状に影響を及ぼし得る。例えば、異なるヘマトクリット値は、電流減衰曲線の収束性に影響を及ぼし得る。特に、比較的低レベルのグルコース濃度を有するサンプルは、比較的高レベルのグルコース濃度を有するサンプルよりも早くに、ほぼ共通な電流値に達し得る。このように、比較的低レベルのグルコース濃度を有するサンプルを表す電流減衰曲線は、比較的高レベルのグルコース濃度を有するサンプルよりも短期間で収束し得る。広範囲でグルコース濃度を測定する場合には、2以上の時間セグメントが必要とされ得、そして、異なる時間セグメントと関連する較正データは互いに異なり得る。
他の実施形態では、より長い期間をかけて達し得るほぼ共通な電流値を決定するために、1以上の電流減衰曲線における1以上の時間セグメントに、外挿法が適用され得る。例えば、単独の減衰曲線の傾き情報に関連するデータは、将来の電流値又は関連する時間値の算出に用いられ得る。領域340に関連する電流を決定するために、直線又は他の曲線適合法を用いて、破線の範囲350内に含まれるデータを外挿することが可能である。この技法は、テスト時間がより短い他のグルコース濃度測定方法を提供する。また、この傾き又は他の関係データが、あらゆる1以上の時間セグメントに関連して用いられ得る。
電流減衰曲線に関連する傾き情報を決定するために、上述のように、2つの時点に関連する2以上の電流測定から電流データを得ることができる。そして、これらの電流データは、将来のある時点での予測電流値を提供するように構成される適切な数学的方程式に当てはめられ得る。例えば、例示の方法では、第1の時点にて励起電圧に関連する第1の電流値を測定すること、及び、第2の時点にて励起電圧に関連する第2の電流値を測定することを含み得る。この後、この方法では、将来の時点での予測電流を決定し得る。ここで、予測電流は、第1及び第2の電流値に基づく外挿電流減衰曲線(extrapolated current decay curve)を用いて決定され得る。この後、予測電流、及び、上述のように動的に選択された較正データに基づいて、被分析物濃度が算出され得る。
ある実施形態では、この外挿電流減衰曲線が、複数の外挿電流減衰曲線から選択され得る。これらの外挿電流減衰曲線は、実験データに基づき得るか、又は、当該技術分野で知られているあらゆる適切な方法を用いて得られ得る。これらの外挿電流減衰曲線もまた、1以上の時間セグメント、被分析物濃度、又は、他の上述したパラメータに関連し得る。
本発明の他の実施形態は、本明細書を考察することにより、及び、本明細書にて開示された本発明を実施することにより、当業者にとって自明となるであろう。本明細書及び実施形態は単なる例示として考慮されるべきであり、本発明の真の範囲及び精神は、特許請求の範囲により示されている。

Claims (10)

  1. 被分析物を分析する方法(200)であって、
    前記被分析物を含有する液体サンプルに励起電圧を印加するステップ(210)と、
    前記励起電圧を印加した後の第1の時間セグメントの間に第1の電流を測定するステップ(220)と、
    を含んで構成され、
    前記励起電圧を印加した後の第2の時間セグメントの間に第2の電流を測定するステップ(250)と、
    測定された前記第1の電流と、前記第1の時間セグメントに関連する第1の較正データ群と、に基づいて、複数の第1の被分析物濃度を算出するステップ(280)と、
    測定された前記第2の電流と、前記第2の時間セグメントに関連する第2の較正データ群と、に基づいて、複数の第2の被分析物濃度を算出するステップ(280)と、
    前記第1の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、前記第2の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、に基づいて、最終被分析物濃度を決定するステップ(290)と、
    を更に含んで構成され、
    前記第1の較正データ群及び前記第2の較正データ群は、それぞれ、異なるヘマトクリット値に関連する、分析方法。
  2. 前記励起電圧を印加した後の第3の時間セグメントの間に第3の電流を測定するステップと、
    測定された前記第3の電流と、前記第3の時間セグメントに関連する第3の較正データ群と、に基づいて、複数の第3の被分析物濃度を算出するステップと、
    前記第1の被分析物濃度及び前記第2の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、前記第3の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、に基づいて、最終被分析物濃度を決定するステップと、
    を更に含んで構成される、請求項1記載の分析方法。
  3. 前記液体サンプルは、グルコースオキシダーゼ及びグルコースデヒドロゲナーゼの少なくとも一方を含む酵素と、フェリシアン化カリウム及びヘキサアンミンルテニウムの少なく一方を含むメディエータと、を含有する、請求項1記載の分析方法。
  4. 液体中の被分析物を分析するシステム(100)であって、
    前記被分析物を含有する液体サンプルに励起電圧を印加するように構成される電極群(22,24)と、
    前記励起電圧を印加した後の第1の時間セグメントの間に第1の電流を測定する(220)ように構成されるプロセッサと、
    を含んで構成され、
    前記プロセッサは、
    前記励起電圧を印加した後の第2の時間セグメントの間に第2の電流を測定し(250)、
    測定された前記第1の電流と、前記第1の時間セグメントに関連する複数の第1の較正曲線と、に基づいて、複数の第1の被分析物濃度を算出し(280)、
    測定された前記第2の電流と、前記第2の時間セグメントに関連する複数の第2の較正曲線と、に基づいて、複数の第2の被分析物濃度を算出し(280)、かつ、
    前記第1の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、前記第2の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、に基づいて、最終被分析物濃度を決定する(290)
    ように更に構成され、
    前記複数の第1の較正曲線及び前記複数の第2の較正曲線は、それぞれ、異なるヘマトクリット値に関連する、分析システム。
  5. 前記分析システムは、前記最終被分析物濃度を表す値を表示するように更に構成される、請求項4記載の分析システム。
  6. 前記励起電圧を印加した後の第3の時間セグメントの間に第3の電流を測定し、
    測定された前記第3の電流と、前記第3の時間セグメントに関連する複数の第3の較正曲線と、に基づいて、複数の第3の被分析物濃度を算出し、かつ、
    前記第1の被分析物濃度及び前記第2の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、前記第3の被分析物濃度のうち少なくとも1つと、に基づいて、最終被分析物濃度を決定する
    ように構成されるプロセッサを、
    更に含んで構成される、請求項4記載の分析システム。
  7. 前記被分析物はグルコースであり、前記液体サンプルは血液を含む、請求項4記載の分析システム。
  8. 前記液体サンプルは、グルコースオキシダーゼ及びグルコースデヒドロゲナーゼの少なくとも一方を含む酵素と、フェリシアン化カリウム及びヘキサアンミンルテニウムの少なく一方を含むメディエータと、を含有する、請求項4記載の分析システム。
  9. 前記電極群がテストストリップ(10)に収容された、請求項4記載の分析システム。
  10. 前記プロセッサが測定器に収容された、請求項4記載の分析システム。
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