JP5176064B2 - 多面版作製装置及び多面版作製方法 - Google Patents

多面版作製装置及び多面版作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、凹版印刷版を作製する方法に関するもので、さらには、有価証券や紙幣のような同一絵柄が多数マトリクス状に配置されているような印刷版を作製する際に、樹脂型版を接合する技術に関するものである。
線幅や深さの異なる画線が金属版上に彫刻された凹版原版から、印刷機に取り付けてインキを凹版画線に押し込んで印刷するための凹版印刷版を作製する工程は、すでに知られており、例えば、以下に示す一般的な多面版作製方法がある。
凹版原版サイズの厚さ0.5mm〜0.8mmの熱可塑性樹脂板を凹版原版上に置き、それをプレス機において約170℃まで加熱した後、プレス機の上定盤と下定盤の間で約100〜200kg/cmの圧力で押し付けて、金属版上の彫刻絵柄を樹脂板に転写する。冷却後取り出して、樹脂を金属原版から剥離すると、樹脂板上には凸画線が転写される。その後も同様のプレス工程を繰り返して、何枚もの凸画線の樹脂版を得る。裁取機を使用して、作製した樹脂版を所定の寸法に精裁する。精裁した樹脂版同士の面間ピッチを測定しながらマトリックス状の所定の位置に配置し、テープ等で仮止めを行う。マトリックス状に配置した樹脂版を溶着機のステージに移して仮止めをはずし、マトリックス状の樹脂版の辺と辺との溶着を行い、樹脂多面版を作製する。
この多面樹脂版の表面を銀鏡加工し、この凸画線から成る多面樹脂版を銅電鋳し、多面樹脂版を取り除くことで凹画線から成る銅板の中間凹原版を作製するが、この中間凹原版を用いて最終的には、凹版印刷機の版胴に装着する印刷版となるニッケル版を大量生産するために用いられる。また、この凹版印刷版は、耐摩耗性を高めるために、クロムめっきを施される。
また、多面樹脂版を作製する工程における溶着工程を省略するために、多面版サイズの熱可塑性樹脂板を用意し、プレス機を用いて加熱しつつ所定の面位置に凹版原版の彫刻模様を転写し、マトリックス状に模様が配置された多面樹脂凸版版面を作製する方法及び装置も提案されている(特許文献1)。
特公平7−110534号公報
特許文献1記載の方法は、多面凸版を作製するために必要とする面数分だけプレス成形を繰り返す必要があり、複数回のプレス形成時に一面分だけでも凸版形状の異常が生じた場合、他の面位置の凸版部に異常がなくても多面サイズのプラスチック版はそのまま損版となってしまうため非効率である。そのため、あらかじめプレス機において1面サイズの凸版を多数製作しておき、必要面数分以上確保できてから多面化に形成する従来の一般的な多面版作製方法の方が合理的であり、また、個々の作製した1面サイズ版の中で、より品質の良いものを選定できる利点もある。
しかし、従来の一般的な多面版作製方法では、精裁した樹脂版の辺と辺を溶着していく際に、仮止め時のずれや、ウェルダー(溶着機)のステージに移し変える時の位置ずれなどの原因で、多面樹脂版における個々の樹脂版の位置精度すなわち、X方向及びY方向の面間寸法の精度が低く、この寸法精度の低さが、多面凹版における印刷物の刷り合わせ精度の低下につながり、有価証券である多色高精彩印刷物としての品質の低下を招いているという欠点があった。
そこで、本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたものであり、多面樹脂版を作製する工程において、多面樹脂版を高精度に位置決め配置したまま溶着し、多面樹脂版を作製する装置及びその方法を提供することを目的とする。
本発明の多面版作成装置は、金属原版の模様を熱可塑性樹脂板に転写して作られた樹脂型版を所定の数だけマトリックス状に接合して多面版を作製する装置であって、所定のサイズに精裁された複数の樹脂型版を、所定の面数だけマトリックス状に配置して固定するための枠を備えた位置決め固定板と、位置決め固定板を載置するテーブル表面が、前後にスライドする手段と、及び/又は、位置決め固定板を載置するテーブル表面が、水平状態で回転可能な手段を備え、位置決め固定板の載置される位置や角度を調整可能な溶着ステージと、溶着ステージ上方にあって、各樹脂型版の辺と辺を接合するための溶着電極と、溶着電極を溶着ステージで昇降可能に担持する昇降部とから成り、接合する部位を内部加熱する溶着部を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の多面版作成装置に用いられる位置決め固定板は、樹脂型版をマトリックス状に配置するための吸着板と、マトリックス状に配置された樹脂型版を四方から挟持して固定する枠とから成り、吸着板の表面には、マトリックス状に配置された樹脂型版の下に少なくとも一つ以上設けられた孔を少なくとも有する吸引機構とを備え、固定する枠の4辺のうち、少なくとも各々対向する辺の1辺がスライドしてマトリックス状に配置された樹脂型版を挟持することを特徴とする。
また、本発明の多面版作製装置には、溶着ステージの上方に設けられ、溶着ステージ上に載置された複数の樹脂型版を撮像するための撮像部と、撮像部を前記樹脂型版に対して相対的に移動させる移動手段と、撮像部によって得られた画像を映し出す表示部と、表示部に所定の標線を表示する標線表示手段とを備え、撮像部の相対移動量に基づき、樹脂型版の面間寸法を確認することができることを特徴とする。
また、多面版作製装置には、マトリックス状に位置決めされた樹脂型版の各模様間の面間寸法許容値をあらかじめ記憶し、前記撮像部の相対移動量で測長された面間寸法が、前記記憶された寸法許容値に収まっているかを判定する記憶判定部を備えてもよい。
本発明の多面版作製方法は、金属原版の模様を熱可塑性樹脂板に転写して作られた樹脂型版を所定の数だけマトリックス状に接合した多面版を作製する方法であって、金属原版の表面に備えた凸状模様、又は、凹状模様を、加熱と加圧により凸状に対応する凹状模様、又は、凹状模様に対応する凸状模様として熱可塑性樹脂板に転写して樹脂型版を少なくとも所定の数作製するプレス工程と、模様が転写された樹脂型版を所定の寸法に精裁する精裁工程と、精裁された樹脂型版を所定の数だけマトリックス状に配置し、位置ずれしないように樹脂型版の背面から吸着し、マトリックス状に配置された樹脂型版の四辺を挟持して固定する位置決め工程と、位置決め工程でマトリックス状に位置決め固定し、マトリックス状に配置した樹脂型版の隣り合う辺と辺を溶着する溶着工程から成ることを特徴とする。
また、本発明の多面版作製方法は、位置決め工程が、樹脂型版をマトリックス状に配置するステップと、樹脂型版の背面から吸着して浮き上がらないように仮固定するステップと、マトリックス状に配置された樹脂型版の四辺を挟持して本固定するステップとから成ることを特徴とする。
また、本発明の多面版作製方法は、溶着工程が、溶着電極をマトリックス状に並べられた樹脂型版の隣り合う辺と辺の溶着すべき接合部へ位置合わせするステップと、溶着電極を接合部へ接触させ、接触圧を調整するステップと、接合部を溶着電極によって加熱するステップと、加熱されて接合部の隣り合う辺と辺が溶着されたあとに冷却するまで接触圧を維持したあと溶着電極を離脱するステップとを繰り返し、すべての接合部を溶着することで多面版を作製することを特徴とする。
本発明によれば、マトリックス状に配置された樹脂型版を高精度に位置決め配置したまま溶着することが可能であり、多面樹脂版における個々の樹脂版の位置精度すなわち、X方向及びY方向の面間寸法の精度が高い多面版作製装置及び多面版作製方法を提供するものである。
本発明の多面版作製工程における各作業工程のフローチャートである。 本発明の位置決め固定板2の概略図である。 本発明の位置決め工程におけるフローチャートである。 本発明の多面版作製装置のブロック図である。 本発明の溶着ステージ24の概略図である。 本発明の溶着工程におけるフローチャートである。
本発明をわかりやすく説明するために、有価証券等の凹版印刷版を作製する工程の一工程である多面版の作製工程について、説明する。
図1は、多面版作製工程における各作業工程のフローチャートであり、多面版作製工程は、大きく分けて、プレス工程(S1)、精裁工程(S2)、位置決め工程(S3)、溶着工程(S4)から成る。本発明の多面版作製装置1は、位置決め工程(S3)で使用する位置決め固定板と、溶着工程(S4)で使用する溶着部から成る。よって、本発明の装置及び作製方法は、位置決め工程(S3)及び溶着工程(S4)で説明する。
〔プレス工程〕
プレス工程は、プレス加工機を用いてさまざまな線幅や深さで母型模様の彫刻がなされた凹版原版の母型模様を加熱及び加圧することにより樹脂板材へ転写し、母型模様を凸状に転写された樹脂型版4を作製する工程である。
プレス加工機は、さまざまな線幅や深さで母型模様の彫刻がなされた凹版原版を用いて、凹版原版サイズの熱可塑性樹脂板に彫刻模様を凸状に転写する装置であって、ジャッキ等で2枚の定盤の上下で挟み込む加圧部と、上下定盤内部に電熱線が組み込まれており、この電熱線により加熱する加熱部と、上下定盤内部に格子状に配置された通水管を備えており、通水管を通る水の温度を調節することで上下定盤で挟み込まれた凹版原版と樹脂板材を冷却する冷却部とから成る。
プレス工程における製法としては、以下に示すa〜dの工程が考えられる。
a.母型模様を備えた凹版原版の模様面上に、凹版原版サイズの樹脂板材を乗せる。
b.上下一対から成る定盤で挟み込み、規定温度(150℃程度)まで加熱する。加熱部は上下定盤内に電熱線が組み込まれており、この電熱線により加熱される。
c.規定加重(30kg/cm程度)を加えることで、樹脂板材を溶解させながら加圧による金型からの模様の転写を行う。
d.一連の加熱加圧による転写形成が完了した後、加熱された定盤内部に格子状に設置された通水管に冷却水を通水循環することで定盤を強制冷却し、溶解した樹脂板材を凝固させることで凹版原版から剥離を容易にし、模様が凸状に転写された樹脂版を得ることができる。同様のプレス工程を何度も繰り返すことで、同一形状の凸状模様を備えた樹脂型版4を多数複製することができる。
樹脂板材に使う樹脂材料は、熱圧縮形成により変形可能な材料であり、かつ、後述する高周波溶着機や超音波溶着機により変形可能な材料であり、例えば、コーベックスポリ塩化ビニール(COBEX P.V.C)のような熱可塑性樹脂である。
〔精裁工程〕
精裁工程は、裁取機を用いて樹脂型版4を指定寸法まで高精度に切削する工程である。
裁取機は、裁取機のステージ上に載置した樹脂型版4を位置出し固定するクランプと、スピーターの付いた切削刃と、CCDカメラから成り、ステージ上の所定の位置にセットされた樹脂型版4の四隅端辺を切削刃により0.25mm刻みで切削して指定寸法まで調整していく。その際、模様面をセンターに配置させながら樹脂型版4の周りを均等に切削させるため、CCDカメラによる位置出し補正を行いながら切削加工を施していく。20面版を作製する場合は、あらかじめ精裁工程において、所定の寸法に切削した樹脂型版4を20版以上作製しておく必要がある。
〔位置決め工程〕
位置決め工程は、プレス工程及び精裁工程を経て作製された複数の1面サイズ樹脂型版4を高周波接合により精度良く溶着させて多面サイズの樹脂型版を作製するために、専用に作製した多面版作製装置1の位置決め固定板2を使用し、溶着時の寸法の誤差を抑制させるための工程である。
図2は、本発明の位置決め固定板1の概略図である。位置決め固定板1は、プレス工程及び精裁工程を経て作製された1面サイズ樹脂型版4を所定の数だけマトリックス状に並べることができる寸法の枠5と、その底板となる吸着板6と、吸着板6の表面に多数穿たれたバキューム孔7と、コンプレッサー8のチューブをつなぐためのバキューム配管口9と、マトリックス状に並べられた樹脂型版4を押さえるために枠の四辺に高精度に取り付けられたX側固定ジグ10、Y側固定ジグ11、X側スライドジグ12、Y側スライドジグと13、X側スライドジグ12及びY側スライドジグ13に取り付けられた押し付けハンドル14から成る。
吸着板6には、吸着板6上に並べられた複数の樹脂型版4の位置ずれを防ぐために、吸着板6上に密着させるための吸引装置として、バキューム孔7、コンプレッサー8、バキューム孔配管口9を設けている。
バキューム孔7は、吸着板6上に並べられたすべての樹脂型板4を密着させるために、吸着板6に1面サイズ樹脂型版4を所定の数並べたときに、各樹脂型版4の下には必ず一つ以上のバキューム孔7を備えるように設けられている。位置決め固定板2の側面には、吸着板6内ですべてのバキューム孔7に通ずるバキューム孔配管の配管口9があり、このバキューム孔配管口9と図示しないコンプレッサー8とをチューブ等で接続し、コンプレッサー8によるバキューム吸引によって、吸着板6の上面と、吸着板6上に並べられた各樹脂型版4の下面が密着するように固定することができる。
また、樹脂型版4を吸着板6上の指定の位置へ移動可能な程度に密着させるための弱吸着と、位置が確定したあとに、各樹脂型版4が位置ずれを起こさないように枠5で所定の位置で固定し、樹脂型版4が浮き上がらないように吸着させるための強吸着に変更できるように2段階に吸着力を調整することが好ましい。2段階の調整は、バキュームの吸引力で調整してもよく、また、弱吸着を静電吸着で仮固定し、バキュームの吸引力で本固定してもよい。
位置決め固定板の枠5は、1面サイズ樹脂型版4をk行n列のマトリックス状に並べて多面版とするための多面版サイズの枠となっている。図2に示す位置決め固定板2では、5行4列の20面版サイズの枠としている。枠5の左辺と上辺は、高精度に加工されたX側固定ジグ10とY側固定ジグ11が直角となるように固定された固定枠となっている。枠5の右辺と下辺は、それぞれX方向及びY方向にスライドし、所定の位置で固定することができるX側スライドジグ12とY側スライドジグ13となっており、枠内に所定の数だけマトリックス状に並べられた樹脂型版4をハンドル14を操作して挟み込み、図示しないネジやバネ等で固定することができる。
図3は、20面サイズの多面版位置決め工程(S3)の流れを示すフローチャートである。位置決めをするためには、位置決め固定板の吸着板6上に、X側固定ジグ10とY側固定ジグ11に突き合わせながら樹脂型版4を5行4列の合計20面敷き詰める(S3−1)。樹脂型版4がたわまないように、吸着板6の表面に備えられた孔7からバキューム吸引することで樹脂型版の背面を吸着し仮固定する(S3−2)。
枠5の下辺と右辺にあるX側スライドジグ12とY側スライドジグ13の押し付けハンドル14を操作して、隣り合う樹脂型版4同士の辺と辺が完全に突き合せられた状態で四辺を挟み込み、図示しないネジ15やばね等で本固定する(S3−3)。さらに、バキューム吸引力を強吸引としてもよい。
〔溶着工程〕
溶着工程は、前工程においてマトリックス状に位置決めされた樹脂型版4の辺と辺同士を多面版作製装置1の溶着部3で溶着し、多面の樹脂版面とする工程である。前工程においてマトリックス状に位置決めされた、樹脂型版4を固定して保持する位置決め固定板2が、前後に可動なスライドテーブル25を有する溶着ステージ24上に置かれる。
図4は、多面版作製装置1のブロック図を示している。多面版作製装置1は、位置決め固定版2と、位置決め固定版2を載置し、スライド機構やターンテーブル機構で溶着加工位置まで位置調整を可能とする溶着ステージ24と、熱可塑性樹脂の接合部を内部加熱によって溶融し接合する溶着部3と、溶着ステージ24の駆動モータや溶着部3を制御する制御部22、溶着ステージ24や溶着部3を操作する操作部23から成る。多面版作製装置1の各部について説明する。
溶着部3は、周波数や出力を調整する溶着部本体16と、接合加工を施す非加熱物(各樹脂型版)の接合部に接触して熱を発生させる溶着電極17と、溶着電極17の昇降機能を有し、接触圧の調整を行える昇降部19とから成る。
溶着部本体16は、高周波溶着装置、超音波溶着装置等の公知の溶着装置でよく、被加熱物の材質や加工条件に合わせて適宜選択すればよい。ただし、溶着しない箇所への熱影響を避けるため、非加熱物の溶着部分のみを内部加熱する装置であることが求められる。そのため、これら溶着装置の加熱方式と被加熱物との相性を考慮し、選定する必要がある。発明を実施するための形態では、溶着部本体16を、高周波誘電加熱法を用いた高周波溶着装置とした。高周波誘電加熱法とは、数十MHzの高周波(電磁波)エネルギーの電界作用によって、原子や分子レベルの電位的な運動により被加熱物自身を内部から発熱させる溶着方法である。ヒーター等の一般的な外部加熱方式の装置では、被加熱物の外部から内部へ熱伝導によって加熱されるため、内部に熱が伝わるのに時間がかかり、加熱に時間がかかると接合部分の周辺にまで熱の影響が及ぶため、各樹脂型版4の辺と辺の接合では寸法誤差の要因と成り好ましくない。
溶着電極17は、溶着ステージ24に対して上方に設置され、この溶着電極17には高周波電流が容易に流れるような素材、例えば黄銅、青銅、真鍮等の材料が用いられる。また、この溶着電極17は、溶着ステージ24に対して垂直方向に可動することで位置調整可能に担持される。
溶着電極17には、溶着電極17を保持する溶着電極ホルダー18が溶着機本体16とばね20等を介在して把持されており、このばね20の力を加減することで接触圧を任意に設定できる昇降部19を備えている。
図5は、溶着ステージ24の概略図を示している。溶着ステージ24は、スライドテーブル25とスライドテーブル25中央に備えた円形状のターンテーブル26からなっている。スライドテーブル25は、LMガイドとボールねじを組み合わせたスライド機能を有し、このボールねじの送り量をステッピングモータ等により手前側から奥側の指定された所定の位置まで前進、停止、後退等、高精度な直線送りが可能な位置調整機能となっている。
スライドテーブル25の上面中央部の位置決め固定板2を添え付ける部分には、360度回転可能なターンテーブル機能を備えた円形状のターンテーブル26となっている。ターンテーブル26にもスライドテーブル25と同様の位置調整機能を有しており、ターンテーブル26中央に載置された位置決め固定板2が、上方にある溶着電極17に対して任意の角度に位置調整可能な構造となっている。
制御部は、溶着ステージ24のスライドテーブル25やターンテーブル26のモータの駆動量を制御と、溶着部本体16から溶着電極17へ送られる電流の出力や周波数の制御を行うものである。
操作部23は、溶着ステージ24上に載置された位置決め固定板2の位置調整を行うために、溶着ステージ24のスライドテーブル25やターンテーブル26による位置決め調整を行うための操作を行ったり、溶着電極17の昇降や、溶着電極17への電流のオンオフ、接触圧の調整等の多面版作製装置1の各部操作を行う操作盤である。
図6は、本発明の溶着工程(S4)における溶着サイクルの流れをフローチャートで示している。溶着の手順を詳細に説明すると、1回目の溶着サイクルは次の手順で行われる。
a.溶着ステージ24のスライドテーブル25を手前に引き出し、ターンテーブル26中央部に位置決め固定板2を載置する(S4−1)。
b.溶着ステージ24上に置かれた位置決め固定板2は、位置決め固定板2に保持された隣り合う各樹脂型版4の辺と辺の接合部境界の上方に溶着電極17が位置するように、スライドテーブル25及びターンテーブル26を調整して位置決めされる(S4−2)。
c.溶着電極17が垂直に下方向に降下して樹脂型版4と溶着電極17が接触させる(S4−3)。その際、溶着電極17を接合部境界位置へ正確に降下接触させるため、溶着電極17両端部に可視光赤色半導体レーザーポインタ21を具備することで、あらかじめ溶着電極17が接触する正確な位置を確認できるようになっている。
d.適切な接触圧で樹脂型版4の辺と辺の接合部境界に溶着電極17を押し付ける(S4−4)。この時の接触圧は、溶着電極17を保持する溶着電極ホルダー18が溶着機本体16とばね20等を介在して把持されており、このばね20の力を加減することで接触圧を任意に設定することができる。
e.その後、高周波電流を溶着電極17に印加し、接合部を内部加熱する(S4−5)。電流の印加は、通常は数秒もかからないが、場合によっては数十秒である。
f.通電を切断した後も冷却されるまである一定時間(数秒から場合によっては数十秒)溶着電極17を同じ接触圧で押し付け続ける(S4−6)。
g.溶着電極17を上方に逃がして、一つの溶着サイクルを終える(S4−7)。
h.すべての接合部を溶着してない場合は、溶着ステージ24を操作して前方に樹脂型版4の1辺分だけ移動させ、2回目の溶着サイクルを開始する。このように順次各樹脂型版4の辺同士を溶着させていく。マトリックスが5行4列のマトリックス状に構成されている場合、1行目と2行目間の溶着、2行目と3行目の溶着と、スライドテーブル25を操作して前後方向に計4回の溶着サイクルで各行間のすべての辺同士の溶着が行われる。
i.各行間の溶着が終了した後、今度は各列間の溶着を行うために、溶着ステージ24上の位置決め固定板2をターンテーブル26を操作して90°回転させる。このとき必要があれば、接着したい樹脂版の列方向の長さに適した長さを持つ電極ブレードに交換する。位置決め固定板2の90°回転後に、先ほどの溶着サイクルのステップ(S4−2)からステップ(S4−7)までを繰り返して、列方向の各辺の溶着を行う。マトリックスが4列あったことから、このサイクルを3回繰り返すことで各列間のすべての辺同士の溶着が完了する(S4−10)。
位置決め固定板2を載置するターンテーブル26の中央部には、位置決め固定版2がはまるような溝を切っておき、ターンテーブル26の溝に嵌合する凸子を位置決め固定板2の裏面に具備し、ターンテーブル26の溝に位置決め固定板の凸子を嵌め合わせることで、溶着サイクル時の位置決め固定板2の位置ずれを防止することができるようにしてもよい。
特に、今回のようにマトリックス状の樹脂型版4を溶着する場合は、行方向と列方向の溶着のみでよいため、ターンテーブル26の替わりに、行方向の溶着時に嵌め合わせる溝aと、列方向の溶着時に嵌め合わせる溝bの2つの溝をスライドテーブル25にあらかじめ切っておき、行方向の溶着が終了したら、位置決め固定板2をはずして90°回転し、列方向の溝bに嵌め合わせて列方向の溶着を行うようにすれば、ターンテーブル26を有しない溶着ステージ24であっても位置決め固定板2の位置ずれを防止して溶着工程を行うことができる。
溶着工程において、マトリックス状に並べられた樹脂型版4の隣り合うすべての辺と辺を溶着したら、溶着箇所の冷却を確認後、溶着ステージ24から位置決め固定板2を降ろし、バキュームの吸引を切って位置決め固定板2から多面樹脂型版を取り外すことで、面間寸法の精度の高い多面樹脂型版を得ることができる。
作製された多面樹脂型版は、各模様間の面間寸法があらかじめ定められた寸法許容差に収まっていることを確認するため、例えば、特許第2522611号公報のような測長装置の測定テーブルに載置される。測長装置は、測定テーブル上に撮像管やCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどの撮像素子から成る撮像部と、撮像部を移動させる移動手段と、撮像部によって得られた画像を映し出すモニタテレビ等から成る表示部と、表示部に所定の標線を表示する標線表示手段とを備えている。
測長装置を用いて、マトリックス状に位置決め固定された複数の樹脂型版の一つ目の樹脂型版にある模様の測定箇所、又は、基準位置に標線を合わせてを始点とし、次に二つめの樹脂型版にある一つ目の樹脂型版と同一の測定箇所、又は、基準位置に標線を合わせてを終点とし、始点から終点までの撮像部の相対移動量をロータリーエンコーダーで求め、各樹脂型版の模様間の面間寸法が許容範囲に収まっているかどうかを目視で判断するか、又は、あらかじめ記憶した寸法許容値に収まっているかを記憶判定部で判定することで、最終確認を行うことができる。
このような撮像部搭載の測長装置を溶着ステージ24上に具備することで、溶着直前の位置決め調整時(S4−2)に、面間寸法を事前に確認することができる。仮に、溶着直前に1面だけ許容範囲外のものを発見できれば、その樹脂型版1面だけを交換すればよいので、樹脂型版を20面用いた多面樹脂型版が全面損版になるのを未然に防止することができる。
発明を実施するための形態においては、凹状模様金属版から加熱加圧による模様転写によって凸状模様樹脂型版を作製した場合の多面樹脂型版の作製方法について記載したが、本発明は、凸状模様金属版から加熱加圧によって模様転写して凹状樹脂型版を作製した場合の多面樹脂型版の作製方法にも利用することができる。
1 多面版作製装置
2 位置決め固定板
3 溶着部
4 樹脂型版(1面サイズ)
5 位置決め固定板の枠
6 吸着板
7 バキューム孔
8 コンプレッサー
9 バキューム孔配管口
10 X側固定ジグ
11 Y側固定ジグ
12 X側スライドジグ
13 Y側スライドジグ
14 押し付けハンドル
15 ネジ
16 溶着部本体
17 溶着電極
18 溶着電極ホルダー
19 昇降部
20 ばね
21 レーザーポインタ
22 制御部
23 操作部
24 溶着ステージ
25 スライドテーブル
26 ターンテーブル

Claims (7)

  1. 金属原版の模様を熱可塑性樹脂板に転写して作られた樹脂型版を所定の数だけマトリックス状に接合して多面版を作製する装置であって、
    所定のサイズに精裁された複数の前記樹脂型版を、前記所定の面数だけマトリックス状に配置して固定するための枠を備えた位置決め固定板と、
    前記位置決め固定板を載置するテーブル表面が、前後にスライドする手段と、及び/又は、前記位置決め固定板を載置するテーブル表面が、水平状態で回転可能な手段を備え、前記位置決め固定板の載置される位置や角度を調整可能な溶着ステージと、
    前記溶着ステージ上方にあって、各樹脂型版の辺と辺を接合するための溶着電極と、前記溶着電極を前記溶着ステージで昇降可能に担持する昇降部とから成り、前記接合する部位を内部加熱する溶着部を少なくとも備えることを特徴とする多面版作製装置。
  2. 前記位置決め固定板は、前記樹脂型版をマトリックス状に配置するための吸着板と、
    前記マトリックス状に配置された樹脂型版を四方から挟持して固定する枠とから成り、
    吸着板の表面には、前記マトリックス状に配置された樹脂型版の下に少なくとも一つ以上設けられた孔を少なくとも有する吸引機構とを備え、
    前記固定する枠の4辺のうち、少なくとも各々対向する辺の1辺がスライドしてマトリックス状に配置された樹脂型版を挟持することを特徴とする請求項1記載の多面版作製装置。
  3. 前記溶着ステージの上方に設けられ、前記溶着ステージ上に載置された複数の樹脂型版を撮像するための撮像部と、
    前記撮像部を前記樹脂型版に対して相対的に移動させる移動手段と、
    撮像部によって得られた画像を映し出す表示部と、
    前記表示部に所定の標線を表示する標線表示手段とを備え、
    前記撮像部の相対移動量に基づき、前記樹脂型版の面間寸法を確認することができることを特徴とする請求項1又は2記載の多面版作製装置。
  4. マトリックス状に位置決めされた樹脂型版の各模様間の面間寸法許容値をあらかじめ記憶し、前記撮像部の相対移動量で測長された面間寸法が、前記記憶された寸法許容値に収まっているかを判定する記憶判定部を備えることを特徴とする請求項記載の多面版作製装置。
  5. 金属原版の模様を熱可塑性樹脂板に転写して作られた樹脂型版を所定の数だけマトリックス状に接合した多面版を作製する方法であって、
    前記金属原版の表面に備えた凸状模様、又は、凹状模様を、加熱と加圧により前記凸状に対応する凹状模様、又は、前記凹状模様に対応する凸状模様として前記熱可塑性樹脂板に転写して樹脂型版を少なくとも前記所定の数作製するプレス工程と、
    前記模様が転写された前記樹脂型版を所定の寸法に精裁する精裁工程と、
    前記精裁された樹脂型版を前記所定の数だけマトリックス状に配置し、位置ずれしないように樹脂型版の背面から吸着し、前記マトリックス状に配置された樹脂型版の四辺を挟持して固定する位置決め工程と、
    前記位置決め工程でマトリックス状に位置決め固定し、前記マトリックス状に配置した樹脂型版の隣り合う辺と辺を溶着する溶着工程から成ることを特徴とする多面版作製方法。
  6. 前記位置決め工程が、前記樹脂型版をマトリックス状に配置するステップと、前記樹脂型版の背面から吸着して浮き上がらないように仮固定するステップと、マトリックス状に配置された前記樹脂型版の四辺を挟持して本固定するステップとから成ることを特徴とする請求項5記載の多面版作製方法。
  7. 前記溶着工程が、前記溶着電極をマトリックス状に並べられた前記樹脂型版の隣り合う辺と辺の溶着すべき接合部へ位置合わせするステップと、前記溶着電極を前記接合部へ接触させ、接触圧を調整するステップと、前記接合部を溶着電極によって加熱するステップと、加熱されて前記接合部の隣り合う辺と辺が溶着されたあとに冷却するまで接触圧を維持したあと溶着電極を離脱するステップとを繰り返し、すべての接合部を溶着することで多面版を作製することを特徴とする請求項5記載の多面版作製方法。
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