JP5174981B1 - カセットコンロ用のガスボンベのための梱包材及び当該梱包材を用いて梱包されたガスボンベ - Google Patents

カセットコンロ用のガスボンベのための梱包材及び当該梱包材を用いて梱包されたガスボンベ Download PDF

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Abstract

【課題】梱包操作が簡単で、高さの異なるノズルキャップに対応することができ、安定して積み重ねることができるカセットコンロ用のガスボンベの梱包材。
【解決手段】略長方形状に切断された厚みをもつ基材1から製造され、基材の略中央にガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有する頂面部Tと、両側に2つの側面部Sと、2つの底面部Bとを備え、頂面部には、一列に並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔Hが穿設され、2つの底面部には、ガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードと少なくとも部分的に接触する円弧状切込み部Nが穿設され、ガスボンベへの装着状態において、2つの底面部が重なり合わず、かつ2つの底面部がガスボンベの鍔部とドーム状缶頭部との間の隙間に挿入され、ガスボンベへの装着状態で、頂面部、2つの側面部および2つの底面部によって前記梱包材が構成される。
【選択図】図1

Description

本発明はカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材及び当該梱包材を用いて梱包されたガスボンベに関するものである。
従来、カセットコンロ用のガスボンベ(以下、単に「ガスボンベ」という)のための梱包材として、ラップアラウンド式の梱包材が知られている。当該ラップアラウンド式の梱包材は、厚紙から略矩形状(すなわち、シート状)に切断されたものである。当該略矩形状の梱包材を折り畳み、一列に並べられた3本のガスボンベの頭部のノズルキャップから、当該3本のガスボンベの立設面を覆う。然る後、当該略矩形状の梱包材の自由端同士を各ガスボンベの底面において組合せて互いに係止される。このために、当該矩形状の梱包材として採用される厚紙は、必要な長さと幅を有するようにされる。ガスボンベの高さは約20cmであり、直径は約7cmであるので、当該略矩形状の梱包材は展開状態において長さが約50cm、幅が約20cmのシート材として厚紙原材料から切り出される。
上述の従来のラップアラウンド式の梱包材は、3本のガスボンベを一組とした場合には長さを約50cm、幅を約20cmとする略矩形状(シート状)の梱包材として厚紙から切り出さなければならない。このため、一組ごとに長大な厚紙を必要とすることから、多数のガスボンベを梱包するための資材は結果的に多大な量となる。また、略矩形状(シート状)の梱包材は、その矩形状の外形形状への切り出しと、略矩形状(シート状)の梱包材を折り畳んだ際の自由端部にスリットや切り込みと、頂面部、スロープ部、側面部、端部のそれぞれの間の折り曲げ線を設ける必要があり、資材に要するコストのみならず、略矩形状(シート状)の梱包材の加工に要するコストがかかるという問題がある。
そのうえ、上述の従来のラップアラウンド式の梱包材は、組立てられた完成状態において、3本のガスボンベを手で搬送するためには、一般的には上方から両側面の平坦な部分を指先で把持するのであるが、ガスボンベ自体の重量のために、この3本のガスボンベの把持は滑り易く、不安定で、不安全な状態で搬送しなければならないという問題もある。
かかる従来のラップアラウンド式の梱包材の問題点を解決したものとして、特許文献1には、ガスボンベのノズルキャップの頂面に面する幅と少なくとも1本のガスボンベの外径(太さ)にほぼ等しい長さを有する頂面部と、頂面部の幅方向の両側方に連続して設けられてガスボンベのノズルキャップの周面と鍔部の外周縁とに面する一対の側面部と、側面部の各々の外側に連続して設けられかつそれぞれガスボンベのドーム状の缶体頭部と鍔部との間に空隙を形成するビードの両側に鍔部の直径方向において互いに反対の側から重なり合うように挿入されてビードを把持する少なくとも一対の脚片を各々が有する一対の底面部とを備えた梱包材が開示されている。
図6は特許文献1のガスボンベの梱包材の基材(10)の、例として2本のガスボンベの収容に適用した形態を展開図で示し、図7は、図6の梱包材の基材(10)をガスボンベ(20)の頭部、特に、ノズル周囲を取り囲む鍔部(23)とノズルキャップ(24)に対して、これらを包み込んで装着した状態を端面側で示す側面図である。図6に示されるように、特許文献1の梱包材の基材(10)は、中央の帯状の頂面部(11)と、その両側に連続して形成された一対の側面部(12a)、(12b)と、その外側に連続して形成した一対の底面部(13a)、(13b)から構成されている。前記底面部(13a)、(13b)の各々には、側面部(12a)、(12b)とは反対の外側縁で開口する、略U字形の切込み(13c)が設けられている。略U字形の切込み(13c)の直線部が半円部に連なる部分には互いに対向して切り込み空間内にわずかに突き出す突起(13d)が形成され、略U字形の切込み(13c)の各々の両側には一対の脚片(13e)が形成されている。
中央の頂面部(11)は、ガスボンベ(20)のノズルキャップ(24)の直径にほぼ等しい幅と、ガスボンベ(20)の缶体(21)の直径にほぼ等しい長さとを有する。
図7の端面図に示されるように、装着状態では梱包材の基材(10)は、ほぼ台形を呈する。つまり、中央の頂面部(11)は、ガスボンベ(20)のドーム状缶体頭部(22)の中央のノズルを囲む凹部に嵌め込まれて不使用時のノズルをカバーするノズルキャップ(24)の頂面上に載置され、両側面部(12a)、(12b)はノズルキャップ(24)の頂縁から、ノズルの凹部の周囲に設けられている鍔部(23)の外周縁に掛けて両側下方に拡がる斜面を形成し、両底面部(13a)、(13b)の各脚片(13e)は、鍔部(23)とドーム状缶体頭部(22)の間の隙間を形成する円形のビード(25)の両側において、それぞれノズルキャップより大径の鍔部(23)の下面に当接する。このとき、円形のビード(25)が、各底面部(13a)、(13b)の一対の略U字形の切込み(13c)内に互いに反対方向から突起(13d)を越えて挿入され、2対の脚片(13e)は互いに重なり合う。突起(13d)はビード(25)に対する脚片(13e)の抜け止めとして機能する(図7、図8及び図9参照)。
実用新案登録第3119180号
特許文献1のガスボンベの梱包材の基材(10)では、上述のとおり、梱包材の基材(10)をガスボンベ(20)に装着する際に、ガスボンベ(20)の円形のビード(25)を、底面部(13a)、(13b)の一対の略U字形の切込み(13c)内に互いに反対方向から突起(13d)を越えて挿入し、かつ2対の脚片(13e)を互いに重なり合うようにすることが必須の要件とされている。そのうえビード(25)に対する脚片(13e)の抜け止めとして突起(13d)が形成されている。
換言すれば、特許文献1記載の発明では、梱包材の基材(10)をガスボンベ(20)に装着する際に、ガスボンベ(20)の鍔部(23)とドーム状缶体頭部(20)の間の隙間に、2対の脚片(13e)をビード(25)に関して互いに反対方向から突起(13d)を越えて挿入すること、そして2対の脚片(13e)を互いに重なり合うようにすること(そのためには、2対の脚片(13e)の先端同士が当接しないようにする必要がある)、といった微妙な操作が必要になるという問題がある。
特許文献1の梱包材の基材(10)は、上述のとおり、装着状態において梱包材の基材(10)は、ほぼ台形を呈するようにするために、中央の頂面部(11)は、ガスボンベ(20)のドーム状缶体頭部(22)の中央のノズルを囲む凹部に嵌め込まれて不使用時のノズルをカバーするノズルキャップ(24)の頂面上に載置されるのである。すなわち、装着状態において梱包材の基材(10)の中央の頂面部(11)の裏面と、ノズルキャップ(24)とが接触するように設計されているのである。
ガスボンベ自体は、JIS規格(JIS S2147)に、ガスボンベの直径、全長、切り込みの場所と大きさ、ノズルの長さなどが規定されている。しかし、ノズルキャップの寸法は規定されておらず、ガスボンベ製造メーカ毎に異なっている。そうすると、特許文献1の梱包材を適用しようとするガスボンベメーカによっては、装着状態において梱包材(10)が、ほぼ台形を呈するようにすることができないこともあり得る。要するに、高さの異なるノズルキャップに対応することができないので、ノズルキャップの高さに応じた梱包材を用意せざるを得ず、コストが高くなるという問題がある
さらに、特許文献1の梱包材の基材(10)では、前述のとおり、中央の頂面部(11)の幅は、ガスボンベ(20)のノズルキャップ(24)の直径にほぼ等しいことから、比較的狭いのである。このため、梱包されたガスボンベを積み重ねると、不安定になるという問題がある。
本発明は、叙上の従来の梱包材の問題点を解消し、梱包の操作が簡単で(ワンタッチで梱包操作ができる)、高さの異なるノズルキャップに対応することができ、そのうえ梱包されたガスボンベを安定して積み重ねることができるカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材及び当該梱包材を用いて梱包されたガスボンベを提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1は、一列に並べられた複数のガスボンベの梱包に適用される、略長方形状に切断された、厚みをもつ基材から製造された、カセットコンロ用のガスボンベのための梱包材であって、
前記基材は、
前記基材の略中央に、前記ガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有して、
当該基材の長手方向の全長に亘って配された頂面部と、
前記頂面部を挟んで両側に、線状の折り曲げ領域を介して配された2つの側面部と、
前記2つの側面部に隣接して配された線状の折り曲げ領域を介して配された2つの底面部と、
を備え、
前記頂面部には、前記一列に並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔が穿設され、
前記2つの底面部には、前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードと少なくとも部分的に接触する円弧状の縁部によって規定された切込みが穿設され、
前記梱包材の前記ガスボンベへの装着状態において、前記2つの底面部が重なり合わず、当該2つの底面部の、前記線状の折り曲げ領域に平行な縁部が互いに離間した状態で向かい合い、かつ前記2つの底面部が前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間の隙間に挿入され、
前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記頂面部、前記2つの側面部および前記2つの底面部によって組立体として前記梱包材が構成され、当該組立体として前記梱包材の横断面が略長方形を呈する
ことを特徴とするカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材に関する。
本発明の請求項2は、前記基材の厚さが、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間に配されたビードの厚さよりもわずかに大きいことを特徴とする請求項1記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材に関する。
本発明の請求項3は、前記複数のガスボンベが2〜5本のガスボンベであることを特徴とする請求項1又は2記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材に関する。
本発明の請求項4は、前記2つの底面部に穿設された切込みを画定する前記円弧状の縁部の曲率半径の2倍の長さが、前記ガスボンベの鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードの外径の長さと略等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材に関する。
本発明の請求項5は、請求項1乃至4に記載の梱包材を用いて梱包されたガスボンベに関する。
請求項1記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材は、一列に並べられた複数のガスボンベの梱包に適用される、略長方形状に切断された厚みをもつ基材からなる、カセットコンロ用のガスボンベのための梱包材であって、前記基材は、前記基材の略中央に、前記ガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有して、当該基材の長手方向の全長に亘って配された頂面部と、前記頂面部を挟んで両側に、線状の折り曲げ領域を介して配された2つの側面部と、前記2つの側面部に隣接して配された線状の折り曲げ領域を介して配された2つの底面部を備え、前記頂面部には、前記一列に互いに接して並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔が穿設されているので、前記梱包材の装着状態において、高さの異なるノズルキャップに対応することができるので、ノズルキャップの高さに応じた梱包材を用意する必要がなく、コストの低減を実現することができる。
また、請求項1記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材は、前記頂面部を挟んで両側に、線状の折り曲げ領域を介して配された2つの側面部と、前記2つの側面部に隣接して配された線状の折り曲げ領域を介して配された2つの底面部とを備え、前記頂面部には、前記一列に並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔が穿設され、前記2つの底面部には、前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードと少なくとも部分的に接触する円弧状の縁部によって規定された切込みが穿設され、当該梱包材の前記ガスボンベへの装着状態において、前記2つの底面部が重なり合わず、当該2つの底面部の、前記線状の折り曲げ領域に平行な縁部が互いに離間した状態で向かい合い、かつ前記2つの底面部が前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間の隙間に挿入される構成を有するため、梱包材のガスボンベへの装着は、頂面部に穿設された孔に、複数のガスボンベそれぞれのノズルキャップを挿通させるだけで位置決めができ、線状の折り曲げ領域に沿って2つの側面部及び2つの底面部を折り曲げた後、当該2つの底面部をガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間に差し込むだけでよいので、きわめて梱包操作が単純であり、ワンタッチで梱包操作をし得る。
本発明の請求項2記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材は、前記基材の厚さが、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間に配されたビードの厚さよりもわずかに大きいので、2つの底面部をガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間に圧入されるので、当該2つの底面部は、ガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間から抜けにくいという利点がある。
本発明の請求項3記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材は、前記複数のガスボンベが2〜5本のガスボンベであるので、従来のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材と同数のガスボンベを、従来の梱包材に比して低コストで提供することができる。
本発明の請求項4記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材は、前記2つの底面部に穿設された切込みを画定する前記円弧状の縁部の曲率半径の2倍の長さが、前記ガスボンベの鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードの外径の長さと略等しいので、梱包操作が終了すると、前記2つの底面部に穿設された切込みによって画定される略円形の孔に、前記ガスボンベの鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードが遊びなく挿入されるので、当該2つの底面部は、ガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間から抜けにくいという利点がある。
本発明の請求項5記載の梱包されたガスボンベは、請求項1乃至4に記載の梱包材を用いているので、前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記梱包材の前記頂面部、前記2つの側面部および前記2つの底面部によって組立体として前記梱包材が構成され、前記基材の略中央に、前記ガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有しており、かつ当該組立体としての前記梱包材の横断面が略長方形を呈する構成であるので、側面部が専ら圧縮荷重を受け、曲げモーメントを殆ど受けないことから、前記梱包材を用いて梱包されたガスボンベの上に安定して積み上げることができるという利点がる。
本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を示す平面説明図である。 (A)は本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を折り曲げて組立体として3本のガスボンベに装着した状態の上面説明図であり、(B)は(A)の組立体の側面説明図である。 (A)は本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を折り曲げて得られた組立体の底面説明図であり、(B)は(A)の組立体の側面説明図である。 本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材の基材のガスボンベへの装着過程を示す側面説明図である。 本発明の梱包材を用いて梱包されたガスボンベを3段に積み上げた状態を示す正面説明図である。 従来のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を示す平面説明図である。 図6の梱包材の基材がガスボンベに装着された状態を示す側面説明図である。 従来のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材の基材のガスボンベへの装着過程を示す側面説明図である。 従来のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材の基材のガスボンベへの装着過程を示す側面説明図である。
添付図面を参照しながら、本実施の形態のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を詳細に説明する。
図1は本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を示す平面説明図である。図2の(A)は本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を折り曲げて組立体として3本のガスボンベに装着した状態の上面説明図であり、図2の(B)は図2の(A)の組立体の側面説明図である。図3の(A)は本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材を折り曲げて得られた組立体の底面説明図であり、図3の(B)は図3の(A)の組立体の側面説明図である。図4は本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材の基材のガスボンベへの装着過程を示す側面説明図である。
図1〜図4を参照すると、本発明の一実施の形態のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材を構成する基材(1)は、3本のガスボンベ(2)一列に並べられる寸法を有するように、厚みをもつ素材(例えば、段ボール、2枚の厚紙を張り合わせたもの、発泡スチロール等の発泡性を有する合成樹脂など)を、略長方形状に切断して得られる。本実施形態のガスボンベのための梱包材には、特定の素材に限定されることはないが、例えば、日本工業規格(JIS)のJIS Z1516(外装用段ボール)のB段(段が低いので平面圧縮強さに優れており、缶詰やびん詰など内容物が潰れにくい商品の輸送用の外装箱に用いられる)が好適に採用される。JIS Z1516(外装用段ボール)のB段は、厚さは、約2.5〜2.8mmとされている。本実施形態の梱包材は、3本のガスボンベ(2)を梱包するものであるが、本発明は、3本に限定されることはなく、2本のガスボンベ(2)を梱包するもの、4〜5本を梱包するものにも適用され得る。
そして、図2を参照すると、基材(1)の略中央には、2つの線状の折り曲げ領域(FL 1 )、(FL 1 )によって画定される、ガスボンベ(2)の鍔部(2F)の直径(D1)の長さと略等しい長さの幅を有する頂面部(T)の領域が配されている。そして、頂面部(T)は、基材(1)の長さ方向の全長に亘って配されている。
頂面部(T)を挟んで両側には、それぞれ2つの線状の折り曲げ領域(FL 1 )と(FL 2 )によって画定された2つの側面部(S)が配されている。当該2つの側面部(S)に隣接して、線状の折り曲げ領域(FL 2 )を介して2つの底面部(B)が配されている。
本実施形態によれば、図1に示されているように、頂面部(T)には、一列に並べられた3本のガスボンベ(2)のノズルキャップ(C)が挿通する3つの孔(H)が穿設されている。隣接する孔(H)と孔(H)との間の距離は、図1に示されるように、孔(H)の中心(CL)と隣接する孔(H)の中心(CL)との間の距離(ピッチ)(P)、孔(H)の中心(CL)と隣接する孔(H)の中心(CL)との間の距離(ピッチ)(P)で規定され、ピッチ(P)と、ガスボンベ(2)の胴部(2C)の外径(D)との間には、P≧Dの関係がある。したがって、ガスボンベ(2)のキャップ(C)を孔(H)に挿通させるだけで、梱包材に対するガスボンベ(2)の位置関係が決まるので、梱包操作が容易になるという利点がある。
また、前記2つの底面部(B)には、当該梱包材のガスボンベ(2)への装着状態において、ガスボンベ(2)の鍔部(2F)とガスボンベ(2)のドーム状缶頭部との間に配されたビード(2B)と少なくとも部分的に接触する円弧状の縁部(Ne1)(図3の(A)参照)によって規定された切込み(N)が穿設されている。
本実施形態の梱包材のガスボンベ(2)への装着状態において、前記2つの底面部(B)が重なり合わず、当該2つの底面部(B)の、線状の折り曲げ領域(FL 1 )、(FL 2 )に平行な縁部(Ne)(図3参照)が互いに離間した状態で向かい合い、かつ前記2つの底面部(B)がガスボンベ(2)の鍔部(2F)とドーム状缶頭部(2H)との間の隙間に挿入される。この隙間の距離(t2)(図4参照)は、約2.2mmであるので、前述のとおり、本実施の形態の梱包材において、日本工業規格(JIS)のJIS Z1516(外装用段ボール)のB段を採用すると、段ボールの厚さ(t1)(図2の(B))は、約2.5〜2.8mmとされているので、t1≧t2の関係を満たす。そのため、2つの底面部(B)がガスボンベ(2)の鍔部(2F)とドーム状缶頭部(2H)との間の隙間に挿入されると、2つの底面部(B)が当該隙間から脱落し難い。JIS Z1516の外装用段ボールを採用した場合、略長方形状に切断すると、切断部の厚みが2.2〜2.3mmとなるが、その場合、隙間の距離(t2)と段ボールの厚みはほぼ等しいので、2つの底面部(B)はガスボンベ(2)の鍔部(2F)とドーム状缶頭部(2H)との間の隙間にすれすれで挿入されるため、若干の圧入効果乃至は係止効果が得られ得るので、実用上問題はない。
本実施形態の梱包材のガスボンベ(2)への装着状態において、頂面部(T)、2つの側面部(S)および2つの底面部(B)によって組立体(1A)としての梱包材が構成される。当該組立体(1A)としての梱包材の横断面は略長方形を呈する(図2の(B)参照)。
そのため、側面部(S)をガスボンベ(2)の鍔部(2F)に対して垂直方向に保持できるので、当該組立体(1A)としての梱包材が、上方からの外力に対して側面部(S)は専ら圧縮荷重だけを受けることになり、曲げモーメントを殆ど受けないという優れた効果を奏しうる。
ここで、図3を参照すると、2つの底面部(B)に穿設された切込み(N)を画定する前記円弧状の縁部(Ne1)の曲率半径(R1)の2倍の長さが、ガスボンベ(2)の鍔部(2F)とガスボンベ(2)のドーム状缶頭部(2H)との間に配されたビード(2B)の外径(D)の長さと略等しい。
したがって、梱包操作が終了すると、前記2つの底面部(B)に穿設された切込み(N)によって画定される略円形の孔(HN)に、ガスボンベ(2)の鍔部(2F)とガスボンベ(2)のドーム状缶頭部(2H)との間に配されたビード(2B)が遊びなく挿入されるので、接触面積を大きく確保することでき、ひいては摩擦力を大きくすることが可能になり、当該2つの底面部(B)は、ガスボンベ(2)の鍔部(2F)とガスボンベ(2)のドーム状缶頭部(2H)との間の隙間から抜けにくいという利点がある。
図5を参照しながら、本発明の他の実施形態にかかる、前記実施形態の梱包材を用いて梱包されたガスボンベについて説明する。図5は、本発明の梱包材を用いて梱包されたガスボンベを3段に積み上げた状態を示す正面説明図である。
前述のとおり、図2に示されるように、梱包材のガスボンベ(2)への装着状態において、頂面部(T)、2つの側面部(S)および2つの底面部(B)によって組立体(1A)としての梱包材が構成され、当該組立体(1A)としての梱包材の横断面は略長方形を呈する(図2の(B)参照)。そのため、側面部(S)をガスボンベ(2)の鍔部(2F)に対して垂直方向に保持できるので、当該組立体(1A)としての梱包材が、上方からの外力に対して側面部(S)は専ら圧縮荷重だけを受けることになる。この優れた効果により、例えば、梱包材の組立体(1A1)よって梱包された3本のガスボンベ(2)の上に、梱包材の組立体(1A2)よって梱包された3本のガスボンベ(2)を積むと、梱包材の組立体(1A1)の孔(H)よりキャップ(C)が突出していても、ガスボンベ(2)のガスボンベ底面(B)が凹面となっているため、ガスボンベ底面(B)とキャップ(C)とが突き当たることはない。図5には、キャップ(C)の上部が孔(H)から突出している状態が図示されているが、ガスボンベメーカのキャップの高さの平均をとって、これを底面部(B)から孔(H)までの距離とすれば、キャップ(C)の上部が孔(H)に接する状態のものから、キャップ(C)の上部が孔(H)から若干突出している状態のものまで存在し、これにより、自動包装の際の梱包材に対するガスボンベ(2)の位置決めが達成される。そのうえ、前述のとおり、図2を参照すると、基材(1)の略中央には、2つの線状の折り曲げ線(FL 1 )、(FL 1 )によって画定される、ガスボンベ(2)の鍔部(2F)の直径(D1)の長さと略等しい長さの幅を有する頂面部(T)の領域が配されている。従って、特許文献1の梱包材と比べて、幅の広い頂面部(T)の領域が実現されるので、安定して梱包材の組立体(1A1)によって梱包された3本のガスボンベ(2)の上に、梱包材の組立体(1A2)によって梱包された3本のガスボンベ(2)を積むことができる。同様に、梱包材の組立体(1A2)によって梱包された3本のガスボンベ(2)の上に、梱包材の組立体(1A3)によって梱包された3本のガスボンベ(2)を積むことができる。
本発明のガスボンベのための梱包材によれば、一列に並べられた複数のガスボンベの梱包に適用される、略長方形状に切断された厚みをもつ基材からなる、カセットコンロ用のガスボンベのための梱包材であって、前記基材は、前記基材の略中央に、前記ガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有して、当該基材の長手方向の全長に亘って配された頂面部と、前記頂面部を挟んで両側に、線状の折り曲げ領域を介して配された2つの側面部と、前記2つの側面部に隣接して配された線状の折り曲げ領域を介して配された2つの底面部を備え、前記頂面部には、前記一列に互いに接して並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔が穿設されているので、前記梱包材の装着状態において、高さの異なるノズルキャップに対応することができるので、ノズルキャップの高さに応じた梱包材を用意する必要がなく、コストの低減を実現することができる。
本発明のガスボンベのための梱包材によれば、前記頂面部を挟んで両側に、線状の折り曲げ領域を介して配された2つの側面部と、前記2つの側面部に隣接して配された線状の折り曲げ領域を介して配された2つの底面部とを備え、前記頂面部には、前記一列に並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔が穿設され、前記2つの底面部には、前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードと少なくとも部分的に接触する円弧状の縁部によって規定された切込み部が穿設され、当該梱包材の前記ガスボンベへの装着状態において、前記2つの底面部が重なり合わず、当該2つの底面部の、前記線状の折り曲げ領域に平行な縁部が互いに離間した状態で向かい合い、かつ前記2つの底面部が前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間の隙間に挿入される構成を有するため、梱包材のガスボンベへの装着は、頂面部に穿設された孔に、複数のガスボンベそれぞれのノズルキャップを挿通させるだけで位置決めができ、線状の折り曲げ領域に沿って2つの側面部及び2つの底面部を折り曲げた後、当該2つの底面部をガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間に差し込むだけでよいので、きわめて梱包操作が単純であり、ワンタッチで梱包操作をし得る。
本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材によれば、前記基材の厚さが、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間に配されたビードの厚さよりもわずかに大きいので、2つの底面部をガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間に圧入されるので、当該2つの底面部は、ガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間から抜けにくいという利点がある。
本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材によれば、前記複数のガスボンベが2〜5本のガスボンベであるので、従来のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材と同数のガスボンベを、従来の梱包材に比して低コストで提供することができる。
本発明のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材によれば、前記2つの底面部に穿設された切込みを画定する前記円弧状の縁部の曲率半径の2倍の長さが、前記ガスボンベの鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードの外径の長さと略等しいので、梱包操作が終了すると、前記2つの底面部に穿設された切込みによって画定される略円形の孔に、前記ガスボンベの鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードが遊びなく挿入されるので、当該2つの底面部は、ガスボンベの鍔部とガスボンベのドーム状缶頭部との間の隙間から抜けにくいという利点がある。
本発明の梱包されたガスボンベによれば、請求項1乃至4に記載の梱包材を用いているので、前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記梱包材の前記頂面部、前記2つの側面部および前記2つの底面部によって組立体として前記梱包材が構成され、前記基材の略中央に、前記ガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有しており、かつ当該組立体としての前記梱包材の横断面が略長方形を呈する構成であるので、側面部が専ら圧縮荷重を受け、曲げモーメントを殆ど受けないことから、前記梱包材を用いて梱包されたガスボンベの上に安定して積み上げることができるという利点がる。
1 基材
1A、1A1、1A2、1A3 組立体
2 ガスボンベ
2B ビード
2C 胴部
2F 鍔部
2H ドーム状缶頭部
B 底面部
ガスボンベ底面
C キャップ
CL 1 、CL 2 、CL 3 孔の中心
FL 1 、FL 2 折り曲げ領域
H、HN
切込
Ne1、Ne2 縁部
S 側面部
面部
1 基材の厚さ
2 鍔部とドーム状缶頭部との間の隙間の距離

Claims (5)

  1. 一列に並べられた複数のガスボンベの梱包に適用される、略長方形状に切断された厚みをもつ基材から製造された、カセットコンロ用のガスボンベのための梱包材であって、
    前記基材は、
    前記基材の略中央に、前記ガスボンベの鍔部の直径の長さと略等しい長さの幅を有して、
    当該基材の長手方向の全長に亘って配された頂面部と、
    前記頂面部を挟んで両側に、線状の折り曲げ領域を介して配された2つの側面部と、
    前記2つの側面部に隣接して配された線状の折り曲げ領域を介して配された2つの底面部と、
    を備え、
    前記頂面部には、前記一列に並べられた複数のガスボンベのノズルキャップが挿通する複数の孔が穿設され、
    前記2つの底面部には、前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードと少なくとも部分的に接触する円弧状の縁部によって規定された切込みが穿設され、
    前記梱包材の前記ガスボンベへの装着状態において、前記2つの底面部が重なり合わず、当該2つの底面部の、前記線状の折り曲げ領域に平行な縁部が互いに離間した状態で向かい合い、かつ前記2つの底面部が前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間の隙間に挿入され、
    前記梱包材のガスボンベへの装着状態において、前記頂面部、前記2つの側面部および前記2つの底面部によって組立体として前記梱包材が構成され、当該組立体として前記梱包材の横断面が略長方形を呈する
    ことを特徴とするカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材。
  2. 前記基材の厚さが、前記ガスボンベの前記鍔部と前記ドーム状缶頭部との間に配されたビードの厚さよりもわずかに大きいことを特徴とする請求項1記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材。
  3. 前記複数のガスボンベが2〜5本のガスボンベであることを特徴とする請求項1又は2記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材に関する。
  4. 前記2つの底面部に穿設された切込みを画定する前記円弧状の縁部の曲率半径の2倍の長さが、前記ガスボンベの鍔部と前記ガスボンベのドーム状缶頭部との間に配されたビードの外径の長さと略等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカセットコンロ用のガスボンベのための梱包材。
  5. 請求項1乃至4に記載の梱包材を用いて梱包されたガスボンベ。
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