JP5173230B2 - アミノ酸組成物及び飲食物 - Google Patents

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本発明は、持久力を要する競技(例えば、サイクリング等)や長時間に亘る肉体労働等における持久力の向上及び疲労の予防・軽減・回復等を図るとともに、脂質代謝を亢進することで肥満を予防するためのアミノ酸組成物、及び該アミノ酸組成物を含む飲食物に関する。
従来、運動後の疲労軽減等に有効なアミノ酸組成物が知られている。
一例として、「下記のアミノ酸を下記のモル比で含むアミノ酸組成物。プロリン12.6〜23.4モル、アラニン8.4〜15.6モル、グリシン13.3〜24.9モル、バリン8.2〜15.4モル、スレオニン5.0〜9.4モル、ロイシン4.3〜8.1モル、ヒスチジン1.8〜11.9モル、セリン1.7〜3.3モル、リジン6.0〜11.2モル、イソロイシン3.1〜5.9モル、グルタミン酸2.2〜10.4モル、アルギニン2.4〜4.6モル、フェニルアラニン2.6〜5.0モル、チロシン4.2〜7.8モル、トリプトファン1.5〜2.9モル」が知られている(特許文献1)。
また、コエンザイムQ10(以下、CoQ10ともいう)およびアミノ酸類を含有する食品が知られている(特許文献2)。さらに他の例として、コエンザイムQ10および脂肪燃焼促進物質を含有する組成物が知られており(特許文献3)、脂肪燃焼促進物質として、L−カルニチンや脂肪燃焼性アミノ酸が例示されている。
特許第3814683号公報 特開2004−242509号公報 特開2005−2035号公報
上記の特許文献1に記載された発明は、(i)スズメバチの幼虫が分泌する唾液中に含まれるアミノ酸組成物(VAAM;Vespa Amino Acid Mixture)が経口投与により運動時の脂質及び糖質の代謝を調節すること、及び(ii)VAAMを構成するアミノ酸組成が運動による疲労で減少する血中アミノ酸と極めて高い相関を示すこと、などの知見に基づき上記(i)のVAAMを構成するアミノ酸組成に対して、上記(ii)の相関から大きく外れて疲労時に大きな減少率を示す特定のアミノ酸(具体的には、アラニン、バリン、ヒスチジン、グルタミン酸)を補うことによって、新規なアミノ酸組成物を得たものである。そしてこの新規なアミノ酸組成物によれば、激しい運動に伴う血中アミノ酸の減少を補い、運動機能の向上と運動後の疲労軽減及び疲労回復効果を得ることができる。
しかし特許文献1〜3等には、特定の組成を有するアミノ酸組成物、L−カルニチンおよびコエンザイムQ10を配合した際の効果については記載も示唆も無かった。また、長時間に亘る筋肉使用時に関する現象解析等の研究やそれに対する対応についても未だ不十分であった。
そこで本発明は、特にサイクリング等の持久力を要する競技や長時間に亘る肉体労働等において、持久力を向上させ、疲労の予防・軽減・回復を促し、かつ脂質代謝亢進による抗肥満効果を有するアミノ酸含有組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアミノ酸組成を有するアミノ酸組成物、L−カルニチンおよびコエンザイムQ10からなる組成物に持久力の向上、疲労の予防・軽減・回復、脂質代謝亢進、及び抗肥満効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[2]を提供するものである。
[1] プロリン4〜30モル、アラニン4〜16モル、グリシン7〜25モル、バリン4〜16モル、スレオニン2〜15モル、ロイシン2〜12モル、ヒスチジン5モル以下、セリン5モル以下、リジン5〜12モル、イソロイシン3〜9モル、グルタミン酸4モル以下、アルギニン5モル以下、フェニルアラニン0.5〜5モル、チロシン1〜9モル、トリプトファン5モル以下、アスパラギン酸1モル以下、メチオニン5モル以下の割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを50〜1000重量部及びコエンザイムQ10を10〜300重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物。
[2] 前記[1]に記載のアミノ酸組成物を含む飲食物。
本発明のアミノ酸組成物によれば、サイクリング、ボート、マラソン、トライアスロン等の持久力を要する競技等や工場内の長時間に亘る肉体労働等において、通常の負荷の運動から、より高い負荷の運動に切り替わった場合等であっても、本発明のアミノ酸組成物を摂取しない場合と比べて、疲労の予防・軽減・回復等の作用により作業量が維持・増大し、持久力を向上させることができる。したがって、例えば、競技の後半のスパート時等において有意な効果を期待することができる。
また、本発明のアミノ酸組成物によれば、作業量の維持・増大にともなう脂質代謝亢進により、体脂肪蓄積の減少・予防等の抗肥満効果を期待することができる。
本発明のアミノ酸組成物は、プロリン4〜30モル、アラニン4〜16モル、グリシン7〜25モル、バリン4〜16モル、スレオニン2〜15モル、ロイシン2〜12モル、ヒスチジン5モル以下、セリン5モル以下、リジン5〜12モル、イソロイシン3〜9モル、グルタミン酸4モル以下、アルギニン5モル以下、フェニルアラニン0.5〜5モル、チロシン1〜9モル、トリプトファン5モル以下、アスパラギン酸1モル以下、メチオニン5モル以下の割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを50〜1000重量部及びコエンザイムQ10を10〜300重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物である。
本発明に用いられるアミノ酸混合物は下記のモル比でアミノ酸を配合したものである。
プロリン(Pro)の割合は、4〜30モル、好ましくは10〜27モル、より好ましくは13〜24モル、特に好ましくは16〜20.5モルである。
アラニン(Ala)の割合は、4〜16モル、好ましくは4.5〜13モル、より好ましくは4.7〜10モル、特に好ましくは5〜7モルである。
グリシン(Gly)の割合は、7〜25モル、好ましくは10〜24モル、より好ましくは13〜23モル、特に好ましくは17〜21.5モルである。
バリン(Val)の割合は、4〜16モル、好ましくは4.5〜13モル、より好ましくは4.7〜10モル、特に好ましくは5〜7モルである。
スレオニン(Thr)の割合は、2〜15モル、好ましくは4〜13モル、より好ましくは5〜10モル、特に好ましくは6.5〜8モルである。
ロイシン(Leu)の割合は、2〜12モル、好ましくは3〜11モル、より好ましくは4〜9モル、特に好ましくは5.5〜7モルである。
ヒスチジン(His)の割合は、5モル以下、好ましくは0.1〜4.5モル、より好ましくは1〜4モル、特に好ましくは2〜3モルである。
セリン(Ser)の割合は、5モル以下、好ましくは0.1〜4.5モル、より好ましくは1〜4モル、特に好ましくは2〜3モルである。
リジン(Lys)の割合は、5〜12モル、好ましくは5.5〜11モル、より好ましくは6〜10.5モル、特に好ましくは7.5〜10モルである。
イソロイシン(Ile)の割合は、3〜9モル、好ましくは3.2〜7モル、より好ましくは3.5〜6モル、特に好ましくは4〜5.5モルである。
グルタミン酸(Glu)の割合は、4モル以下、好ましくは0.1〜4モル、より好ましくは1〜4モル、特に好ましくは2.5〜4モルである。
アルギニン(Arg)の割合は、5モル以下、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは1〜5モル、特に好ましくは3〜4モルである。
フェニルアラニン(Phe)の割合は、0.5〜5モル、好ましくは1.5〜5モル、より好ましくは2.5〜5モル、特に好ましくは3〜4.5モルである。
チロシン(Tyr)の割合は、1〜9モル、好ましくは1〜8モル、より好ましくは1〜7.5モル、特に好ましくは1〜7モルである。
トリプトファン(Trp)の割合は、5モル以下、好ましくは1〜4.5モル、より好ましくは1〜3モル、特に好ましくは1.5〜2.5モルである。
アスパラギン酸(Asp)の割合は、1モル以下、好ましくは0.1〜1モル、より好ましくは0.1〜0.5モル、特に好ましくは0.1〜0.3モルである。
メチオニン(Met)の割合は、1モル以下、好ましくは0.1〜1モル、より好ましくは0.2〜0.8モル、特に好ましくは0.4〜0.7モルである。
本発明で用いられるアミノ酸はタンパク質を構成するL型(天然型)であることが好ましい。
また本発明で用いられるアミノ酸は、アミノ酸が2〜5個結合したペプチドの形態のものを含んでいてもよい。この場合、前述の各アミノ酸の配合量は、ペプチドをアミノ酸換算して算出される。ただし、本発明のアミノ酸組成物は、好ましくはペプチドを含まないものである。
本発明で用いられるL−カルニチンは、天然抽出品、微生物発酵品、合成品のいずれでもよい。また、無機塩、有機酸塩などの形態のものでもよい。本発明においてL−カルニチンは、上記アミノ酸混合物3000重量部に対して50〜1000重量部用いられる。
本発明で用いられるコエンザイムQ10は天然抽出品、微生物発酵品、合成品のいずれでもよく、乳化剤や糖などとともに製剤化したものが好ましい。コエンザイムQ10は、上記アミノ酸混合物3000重量部に対して10〜300重量部用いられる。
本発明のアミノ酸組成物を調製する方法の一例として、市販の各種アミノ酸を前述の配合割合で混合する方法が挙げられる。
本発明のアミノ酸組成物は、液状物(例えば、水溶液)と固形物(粉状物、錠剤、カプセル剤等)のいずれの形態でも用いることができる。液状物の場合、経口投与、注射、直腸投与等によって摂取することができる。固形物の場合、経口投与によって摂取することができる。
本発明において特に好ましい使用形態は、飲料である。飲料の場合、摂取が容易で、しかも1日当たりの摂取量を好適な数値範囲内に調整し易いという利点がある。飲料として供する場合、上記アミノ酸組成物中のアミノ酸としての含量は、0.001g/ml〜0.1g/mlが好ましく、さらに好ましくは0.003g/ml〜0.05g/mlである。
本発明のアミノ酸組成物中のアミノ酸の摂取量は、本発明で規定する17種類のアミノ酸の合計量の質量として、1回当たり、好ましくは0.5〜20g、より好ましくは1〜15g、特に好ましくは3〜10gである。該量が0.5g未満では、本発明の効果を十分に得ることができない。該量が20gを超えると、飲料の場合の水分量が過大となり、水分の取り過ぎ等の問題が生じることがある。
本発明のアミノ酸組成物の1日当たりの摂取回数は特に限定されないが、通常1〜5回である。
本発明に係る組成物は、上記から各アミノ酸を有効成分とするものであり、各アミノ酸は遊離のものの他、薬学的又は食品学的に許容できる塩でもよく、代表的な塩には塩酸塩、ナトリウム塩などが含まれるが、これらは例示であって、本発明はこれらの塩に限定されない。
本発明のアミノ酸組成物は、必要に応じて、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6等のビタミン類や、砂糖、果糖、トレハロース等の糖類や、合成甘味料や、香料や、他のアミノ酸(例えば、グルタミン(Gln)、アスパラギン(Asn))等を含むことができる。
本発明に係る組成物は、上記の飲料の使用形態が好ましいが、食品組成物に含ませて用いることも可能である。具体的には、食品組成物として使用する場合には、各種飲食品(牛乳、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、調製粉乳、栄養食品等)に、本発明に係る組成物をその組成で添加し、これを摂取してもよい。さらに他の食品ないし食品成分と混合するなど、通常の食品組成物における常法にしたがって使用できる。また、その性状についても、通常用いられる飲食品の状態、例えば、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよい。
食品組成物として使用する場合に、その他の成分についても特に限定はないが、上記食品組成物に包含される、例えば飲食物には、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α―カゼイン、β―カゼイン、κ−カゼイン、β―ラクトグロブリン、α―ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、これら加水分解物;バター、乳性ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分などが挙げられる。糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレンなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用することができ、合成品及び/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
[実験例1]
以下、本発明に係るアミノ酸組成物の実際の効果について、マウスを使用した持久力についての試験を行った。試験方法は以下の通りである。
1群10匹のddYマウス(雄、4週令)を購入し、本試験に使用した。以下に示す組成物などを1日1回(遊泳日を除く)経口投与し、継続して7週間実施した。
A:対照(水)
B:アミノ酸混合物(プロリン18.2モル、アラニン6.2モル、グリシン19.3モル、バリン5.9モル、スレオニン7.3モル、ロイシン6.2モル、ヒスチジン2.6モル、セリン2.5モル、リジン8.7モル、イソロイシン4.6モル、グルタミン酸3.2モル、アルギニン3.6モル、フェニルアラニン3.9モル、チロシン4.8モル、トリプトファン2.2モル、アスパラギン酸0.2モル、メチオニン0.5モルの割合)
C:L−カルニチン
D:CoQ10
E:本発明のアミノ酸組成物(プロリン18.2モル、アラニン6.2モル、グリシン19.3モル、バリン5.9モル、スレオニン7.3モル、ロイシン6.2モル、ヒスチジン2.6モル、セリン2.5モル、リジン8.7モル、イソロイシン4.6モル、グルタミン酸3.2モル、アルギニン3.6モル、フェニルアラニン3.9モル、チロシン4.8モル、トリプトファン2.2モル、アスパラギン酸0.2モル、メチオニン0.5モルの割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを200重量部及びコエンザイムQ10を30重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物)
投与サンプルは1mlあたりアミノ酸混合物(B)50mg、L−カルニチン(C)3.4mg、CoQ10(D)0.5mgとなるように調整し、マウスの体重あたり10ml/kgの水に溶解して強制投与を実施した。それぞれの単独投与群B,C,D(3群)と、本発明によるアミノ酸組成物投与群E、及びコントロール群A(水投与)の5群とした。
持久力評価の指標として、マウスの尻尾に体重の10%体重となる錘を取り付け、限界までの遊泳時間を測定した。測定は、1週間毎行った。具体的には、5週目までは7、14、21、28、35日目に行った。
次いで、6週目(42日目)には、マウスの尻尾に体重の5%体重となる錘を取り付け、15分間の遊泳を行い、血中遊離脂肪酸、血糖値、血中乳酸値を測定した。
またさらに7週目(49日目)には5匹のマウスを解剖し、残りの5匹は、15分間の遊泳を行った直後に解剖した。肝臓と腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)については、グリコーゲン量を測定し、遊泳運動による減少量を比較した。
[結果]
遊泳時間は、投与開始後2週目から最終の5週目までにおいて、本発明によるアミノ酸組成物投与群Eが他の群に比べて最も延長し、コントロール群A及びアミノ酸混合物投与群Bに比べて有意な差であった(図1)。このことから、遊泳運動における持久運動能力は、本発明によるE群でもっとも向上していることがわかった。
遊泳直後の血糖値、及び血中遊離脂肪酸濃度は、投与開始後6週目において、本発明によるアミノ酸組成物投与群Eが他の群A,B,C,Dに比べて最も高値であり、コントロール群Aに比べて有意な差であった。
また、遊泳直後の血中乳酸値は、投与開始後6週目において、本発明によるアミノ酸組成物投与群Eが他の群A,B,C,Dに比べて最も低値であり、コントロール群Aに比べて有意な差であった(図2)。
また、遊泳直後の肝臓、及び腓腹筋グリコーゲンの減少量は、投与開始後7週目において、本発明によるアミノ酸組成物投与群Eが他の群A,B,C,Dに比べて最も低値であり、コントロール群Aに比べて有意な差であった(図3)。このことから、遊泳運動中における脂質代謝は、本発明によるアミノ酸組成物投与群Eで最も高まっていることが示唆された。また遊泳直後の肝臓、及びふくらはぎの筋肉におけるグリコーゲンの減少量は最も少なかった。このことから、遊泳運動中におけるエネルギー源として脂質代謝が高まったために、グリコーゲンに代表される糖質代謝が抑制されることが示された。
[実験例2]
以下、本発明に係るアミノ酸組成物の実際の効果について、マウスを使用した脂質代謝亢進及び抗肥満効果についての試験を行った。マウスに高脂肪食を摂取させると、体脂肪が蓄積して肥満になることが知られている。高脂肪食を摂取させたマウスに、本発明に係るアミノ酸組成物(アミノ酸混合物、L−カルニチン、CoQ10)を60日間継続的に投与しながら、週3回の運動トレーニングを行いその効果について測定した。具体的な測定方法は以下の通りである。
1群8匹のddYマウス(雄、4週令)を購入し、本実験に使用した。実験期間中、マウスには高脂肪食(表1)を自由摂取させた。
Figure 0005173230
各マウスに対して、以下に示す組成物などを1日1回経口投与し、継続して60日間実施した。
投与群
A:標準食対照群(水投与)
B:高脂肪食対照群(水投与)
C:高脂肪食+CoQ10投与
D:高脂肪食+L−カルニチン投与
E:高脂肪食+アミノ酸混合物投与(プロリン18.2モル、アラニン6.2モル、グリシン19.3モル、バリン5.9モル、スレオニン7.3モル、ロイシン6.2モル、ヒスチジン2.6モル、セリン2.5モル、リジン8.7モル、イソロイシン4.6モル、グルタミン酸3.2モル、アルギニン3.6モル、フェニルアラニン3.9モル、チロシン4.8モル、トリプトファン2.2モル、アスパラギン酸0.2モル、メチオニン0.5モルの割合)
F:高脂肪食+本発明のアミノ酸組成物投与(プロリン18.2モル、アラニン6.2モル、グリシン19.3モル、バリン5.9モル、スレオニン7.3モル、ロイシン6.2モル、ヒスチジン2.6モル、セリン2.5モル、リジン8.7モル、イソロイシン4.6モル、グルタミン酸3.2モル、アルギニン3.6モル、フェニルアラニン3.9モル、チロシン4.8モル、トリプトファン2.2モル、アスパラギン酸0.2モル、メチオニン0.5モルの割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを200重量部及びコエンザイムQ10を30重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物)
投与サンプルはアミノ酸混合物(B群)500mg/kg、L−カルニチン(D群)34mg/kg、CoQ10(C群)5mg/kgとなるように調整し、マウスの体重あたり10ml/kgの水に溶解して強制投与を実施した。それぞれの単独投与群C,D,E(3群)と、3種混合物投与群F、対照群B(水投与)、及び食事条件の対照群として標準食群A(水投与)の6群とした。
実験期間中は、週3回、トレッドミルにて走行運動によるトレーニング(20m/min、40分間)を負荷した。60日目に、採血後にサンプル投与し、投与30分後からトレッドミルにて走行運動(20m/min、1時間)を負荷した。運動終了直後に、採血、解剖を行った。
測定項目としては、体重、臓器重量(精巣周囲脂肪組織)並びに血中トリグリセリド(TG)、血中乳酸、及び血中ケトン体について常法に基づいて測定した。
[結果]
実験期間中の体重変化は、本発明によるアミノ酸組成物投与群Fにおいて投与開始6日目より高脂肪食対照群Bに比べて有意な体重増加抑制が認められた(図4)。このことから、本発明によるアミノ酸組成物投与群において、最も抗肥満効果が大きいことが示唆された。
また、60日目の精巣周囲脂肪組織重量は、本発明によるアミノ酸組成物投与群Fにおいて高脂肪食対照群Bに比べて有意な増加抑制を示した。(図5)
さらに、60日目の運動前における血中TGは、本発明によるアミノ酸組成物投与群Fにおいて高脂肪食対照群Bなどの比較群に比べて最も低い値を示した。(図6)
また、60日目の運動後において血中乳酸は、本発明によるアミノ酸組成物投与群Fで最も低い値を示し、一方、血中ケトン体は本発明によるアミノ酸組成物投与群Fで最も高い値を示した(図6)。
すなわち、高脂肪食を摂取させたマウスに、アミノ酸混合物、L−カルニチン、CoQ10の3種類からなる本発明によるアミノ酸組成物を60日間継続的に投与しながら、週3回の運動トレーニングを行ったところ、水投与やそれぞれの単独投与に比べて、脂肪組織重量の増加、及び血中TGの増加が最も抑制された。また60日目の運動後において、3種類の混合物投与群の血中乳酸上昇抑制と血中ケトン体上昇が認められた。
脂肪組織重量や血中TGは体脂肪蓄積の指標であることから、本発明によるアミノ酸組成物投与群において最も脂質代謝が亢進し、体脂肪蓄積が抑制されたことが示唆された。また糖質代謝の指標である血中乳酸の上昇が抑制され、脂質代謝の指標である血中ケトン体が上昇したことから、本発明によるアミノ酸組成物投与群において運動中の脂質代謝が最も亢進されたことが示唆された。
本発明のアミノ酸組成物によれば、持久力を要する競技や長時間に亘る肉体労働、また通常の負荷からより高い負荷の運動に切り替わった場合等に対する持久力を向上させ、かつ脂質代謝亢進を図ることができる。
本発明によるアミノ酸組成物等の遊泳時間への効果を示すグラフである。 本発明によるアミノ酸組成物等の15分間の遊泳運動による(A)血中グルコース、(B)乳酸、(C)遊離脂肪酸への影響を示すグラフである。 本発明によるアミノ酸組成物等の肝臓及び筋肉グリコーゲン量への影響を示すグラフである。 本発明によるアミノ酸組成物等の体重変化への影響を示すグラフである。 本発明によるアミノ酸組成物等の精巣周囲脂肪組織重量変化への影響を示すグラフである。 本発明によるアミノ酸組成物等の60日間の継続投与後に、1時間の走行運動による(A)血液中トリグリセリド、(B)乳酸、(C)ケトン体への影響を示すグラフである。

Claims (4)

  1. プロリン4〜30モル、アラニン4〜16モル、グリシン7〜25モル、バリン4〜16モル、スレオニン2〜15モル、ロイシン2〜12モル、ヒスチジン5モル以下、セリン5モル以下、リジン5〜12モル、イソロイシン3〜9モル、グルタミン酸4モル以下、アルギニン5モル以下、フェニルアラニン0.5〜5モル、チロシン1〜9モル、トリプトファン5モル以下、アスパラギン酸1モル以下、メチオニン5モル以下の割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを50〜1000重量部及びコエンザイムQ10を10〜300重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物。
  2. 請求項1に記載のアミノ酸組成物を含む飲食物。
  3. プロリン4〜30モル、アラニン4〜16モル、グリシン7〜25モル、バリン4〜16モル、スレオニン2〜15モル、ロイシン2〜12モル、ヒスチジン5モル以下、セリン5モル以下、リジン5〜12モル、イソロイシン3〜9モル、グルタミン酸4モル以下、アルギニン5モル以下、フェニルアラニン0.5〜5モル、チロシン1〜9モル、トリプトファン5モル以下、アスパラギン酸1モル以下、メチオニン5モル以下の割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを50〜1000重量部及びコエンザイムQ10を10〜300重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物を有効成分として含有する持久力向上剤。
  4. プロリン4〜30モル、アラニン4〜16モル、グリシン7〜25モル、バリン4〜16モル、スレオニン2〜15モル、ロイシン2〜12モル、ヒスチジン5モル以下、セリン5モル以下、リジン5〜12モル、イソロイシン3〜9モル、グルタミン酸4モル以下、アルギニン5モル以下、フェニルアラニン0.5〜5モル、チロシン1〜9モル、トリプトファン5モル以下、アスパラギン酸1モル以下、メチオニン5モル以下の割合で含むアミノ酸混合物を3000重量部と、L−カルニチンを50〜1000重量部及びコエンザイムQ10を10〜300重量部含むことを特徴とするアミノ酸組成物を有効成分として含有する抗肥満剤。
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