JP5172185B2 - ミキシングチップ - Google Patents

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Description

本発明は、それぞれペーストが収納された２本のシリンジが並列して固定されたシリンジホルダーに簡便且つ確実に係止固定することができるミキシングチップに関するものである。
複数のペーストを混練する場合、各ペーストが収納されたシリンジからそれぞれ押し出されたペーストを混練するために静的なミキシングチップがしばしば利用され、このミキシングチップは複数のシリンジが並列に取り付けられたシリンジホルダーの先端に係止固定される。
このミキシングチップにはシリンジホルダーに簡便に係止固定できることが求められており、そのようなミキシングチップとしては、ミキシングチップ（ミキサ）の下端外面に差込突起を設け、シリンジホルダー（カートリッジ）にはこのミキシングチップの差込突起を受容する差込突片を設けて、ミキシングチップをその差込突起がシリンジホルダーの差込突片と交差するようにして当接させ、凡そ９０度回転させて差込突起と差込突片とを係止固定するミキシングチップがある（例えば、特許文献１参照。）。しかしながら、このミキシングチップは、回転係止させただけであるから、必ずしも確実に係止させることができず、外れないようにするには何らかの防止機構が必要となる。
またより確実に係止固定できるものとしては、複数のシリンジを添わせた状態で各先端部分が１つの雄ねじを形成するようなシリンジを使用して、雄ねじが形成されたシリンジの先端部分にミキシングチップを当接させた状態で、これらを覆うようにカップリングナットを螺入させてミキシングチップとシリンジとを連結させるカートリッジがある（例えば、特許文献２参照。）。しかしながら、このカートリッジでは雄ねじ部分に（カップリング）ナットを螺入しなければならないので、ミキシングチップの装着に手間がかかり、更に、複数のシリンジを添わせた状態で雄ねじが形成されるような特殊な加工も必要となる。
特開平８−２７６１２５号公報 特開平４−２３９４７７号公報
本発明は前記の問題に鑑み、シリンジホルダーに簡便且つ確実に係止固定することができるミキシングチップを提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、２本のシリンジが並列して固定されたシリンジホルダーの先端に２箇所で係止固定されるミキシングチップを、ミキシングエレメントが内部に装着されたハウジングと、２本のシリンジのノズルに取り付けられるペースト注入口及び各シリンジからそれぞれ押し出されたペーストを該ペースト注入口から該ハウジング内へと導く流路部を有し該ハウジングの吐出口と反対側に位置する端部に固定されているペースト案内部材と、該ペースト案内部材に固定又は一体に形成されていてシリンジホルダーに係止固定させるための２つの係止部材とから構成させれば、ミキシングチップはシリンジホルダーに差し込むだけで２つの係止部材によって係止されるので、非常に簡便に係止固定することができ、この２つの係止部材を、シリンジホルダーに形成された係止孔に係止される爪部とシリンジホルダーに穿設された穴部に挿入される突起部とから構成させることにより、突起部はシリンジホルダーに穿設された穴部に挿入されるだけであるが、２点で係止されているので、ミキシングチップをがたつくことなく確実にシリンジホルダーに係止固定することができ、またシリンジホルダーから取り外せないように係止するのは爪部だけとなるので、その爪部の係止状態を解除するだけで取り外すことができ、更に２つの係止部材が爪部と突起部との別種類のパーツから構成されているので、誤った方向からミキシングチップを装着しようとしても気付くことができ、そしてその爪部にシリンジホルダーとの係止状態を解除するための解除機構を設けることにより、ミキシングチップの取り外しや交換を一層容易にできることを究明して本発明を完成したのである。
即ち、本発明は２本のシリンジが並列して固定されたシリンジホルダーの先端に２箇所で係止固定されるミキシングチップであって、ミキシングエレメントが内部に装着されたハウジングと、２本のシリンジのノズルに取り付けられるペースト注入口及び各シリンジからそれぞれ押し出されたペーストを該ペースト注入口から該ハウジング内へと導く流路部を有し該ハウジングの吐出口と反対側に位置する端部に固定されているペースト案内部材と、該ペースト案内部材又は該ハウジングに固定又は一体に形成されていてシリンジホルダーに係止固定させるための２つの係止部材とから構成されていて、２つの係止部材が、シリンジホルダーに形成された係止孔に係止される爪部とシリンジホルダーに穿設された穴部に挿入される突起部とから構成されていて、更にシリンジホルダーと爪部との係止状態を解除するために解除機構が該爪部に設けられていることを特徴とするミキシングチップである。
また、突起部が、爪部の位置よりハウジングの吐出口と反対側に向かって突出していると、これに合わせて先端側が斜めに削られた形状のシリンジホルダーに係止固定させる場合に、誤った方向から係止固定しようとしても、より早期に気付くことができるので好ましいことも究明したのである。
本発明に係るミキシングチップは、２本のシリンジが並列して固定されたシリンジホルダーの先端に２箇所で係止固定されるミキシングチップであって、ミキシングエレメントが内部に装着されたハウジングと、２本のシリンジのノズルに取り付けられるペースト注入口及び各シリンジからそれぞれ押し出されたペーストを該ペースト注入口から該ハウジング内へと導く流路部を有し該ハウジングの吐出口と反対側に位置する端部に固定されているペースト案内部材と、該ペースト案内部材に固定又は一体に形成されていてシリンジホルダーに係止固定させるための２つの係止部材とから構成されているから、シリンジホルダーに差し込むだけで２つの係止部材によって係止されるので、非常に簡便にミキシングチップを係止固定することができるのである。そして、この２つの係止部材が、シリンジホルダーに形成された係止孔に係止される爪部とシリンジホルダーに穿設された穴部に挿入される突起部とであるから、突起部がシリンジホルダーに穿設された穴部に挿入されるだけであるにも拘わらず、ミキシングチップは２点で係止されているので、がたつくことがなく確実にミキシングチップをシリンジホルダーに装着することができ、またシリンジホルダーから取り外せないように係止するのは爪部だけとなるので、その爪部の係止状態を解除するだけでミキシングチップを取り外すことができ、更に２つの係止部材が爪部と突起部との別種類のパーツから構成されているので、誤った方向からミキシングチップを装着しようとしても気付くことができるのである。そして、その爪部にシリンジホルダーとの係止状態を解除するための解除機構が設けられているから、ミキシングチップの取り外しや交換は一層容易となり、ミキシングチップ内のペーストが固まってもミキシングチップを交換することでシリンジ内に残ったペーストを無駄にすることがないのである。
また、突起部が、爪部の位置よりハウジングの吐出口と反対側に向かって突出していると、これに合わせて先端側が斜めに削られた形状のシリンジホルダーに係止固定させる場合に、誤った方向から係止固定しようとしても、より早期に気付くことができるので好ましいのである。
以下、図面を用いて本発明に係るミキシングチップについて詳細に説明する。
図１は本発明に係るミキシングチップの１実施例を分解した様子を示す斜視説明図、図２は図１の本発明に係るミキシングチップがシリンジホルダーに係止固定される前の様子を示す側面図、図３は図１の本発明に係るミキシングチップがシリンジホルダーに係止固定された様子を示す側面図、図４は本発明に係るミキシングチップの爪部を示す拡大斜視図、図５は本発明に係るミキシングチップの爪部が係止されるシリンジホルダーの係止孔を示す斜視図、図６は本発明に係るミキシングチップの他の実施例を示す側面図、図７は本発明に係るミキシングチップの爪部に設けられている解除機構を示す拡大斜視図、図８は本発明に係るミキシングチップを取り外す様子を示す説明図、図９はペースト案内部材の内部の様子を示す断面説明図である。
図面中、１はハウジング２の内部に装着されているミキシングエレメントであり、このミキシングエレメント１としては、使用されるペーストが十分に混練できるものであれば、特に限定はない。またハウジング２についても特に限定はないが、内部のペーストが見えるように透明又は半透明であるとよい。
３は２本のシリンジＹ，Ｙのノズルに取り付けられるペースト注入口3a及び各シリンジＹ，Ｙからそれぞれ押し出されたペーストを該ペースト注入口3aから該ハウジング２内へと導く流路部3bを有しこのハウジング２の吐出口と反対側に位置する端部に固定されているペースト案内部材である。このペースト案内部材３の流路部3bは、シリンジＹ，Ｙとハウジング２とを繋ぐ流路であり、各流路部3bの断面積比や体積比を工夫することで、練和開始初期から適正な比率の練和物を得ることができるようになる。
４及び５は、ペースト案内部材３又はハウジング２に固定又は一体に形成されていて、シリンジホルダーＸに係止固定させるための係止部材であって、４はシリンジホルダーＸに形成された係止孔Xaに係止される爪部であり、５はシリンジホルダーＸに穿設された穴部Xbに挿入される突起部である。本発明に係るミキシングチップでは、このような係止部材を２つ有していて、２つの係止部材は、シリンジホルダーＸに形成された係止孔Xaに係止される爪部４とシリンジホルダーＸに穿設された穴部Xbに挿入される突起部５とであり、一方が爪部４となっていて、ミキシングチップをシリンジホルダーＸに確実に係止固定できるのである。
図２の態様では、係止部材がそれぞれ爪部４と突起部５とであり、爪部４は内側に向けて凸状をなしていて、シリンジホルダーＸに形成された係止孔Xaに係止される。一方、突起部５はシリンジホルダーＸに穿設された穴部Xbに挿入されるだけであるが、２点で係止されているので、本発明に係るミキシングチップをがたつくことなく、確実に係止固定することができるのである。また、シリンジホルダーＸから取り外せないように係止するのは爪部４だけとなるので、その爪部４の係止状態を解除するだけで、ミキシングチップをシリンジホルダーＸから取り外すことができるのである。更に、このように２つの係止部材を爪部と突起部との別種類のパーツから構成することによって、誤った方向からミキシングチップを装着しようとしても気付くことができるようになる。
６はシリンジホルダーＸと爪部４との係止状態を解除するために爪部４に更に設けられている解除機構であり、２つの係止部材のうち、シリンジホルダーＸから取り外せないように係止されるのは爪部４だけであるから、この解除機構６によって爪部４の係止状態を解除すれば、一層容易にミキシングチップを取り外すことができる。
このような本発明に係るミキシングチップを製作する場合、ミキシングエレメント１はハウジング２の内部に装着されるために、ミキシングエレメント１とペースト案内部材３とは一体的に成形することが難しいので、それぞれ別体のものを製作して固定する。
これに対して、ペースト案内部材３と２つの係止部材とは、全てを一体的に成形させたり、これらのうち少なくとも２つを一体的に成形させたり、図１の如く全てを個々に製作して互いに固定させたりすることができる。
本発明に係るミキシングチップを実際にシリンジホルダーＸの先端に係止固定するには、図２の如く、本発明に係るミキシングチップを２本のシリンジＹ，Ｙが並列して固定されたシリンジホルダーＸの先端に向けて押し込むようにするだけで、簡単に係止固定することができる。
また図２の態様では、本発明に係るミキシングチップは爪部４の位置より突起部５がハウジング２の吐出口と反対側に向かって突出したような形状をなしており、シリンジホルダーＸもこれに合わせて先端側が斜めに削られたような形状をなしているので、誤った方向から係止固定しようとしても、より早期に気付き、ミキシングチップを破損させることがない。
次に、本発明に係るミキシングチップでは、図３の如く、ペースト案内部材３のペースト注入口3aが、シリンジＹ，Ｙのノズルに直接取り付けられるが、従来のミキシングチップ（特許文献１等）では装着時にミキシングチップを回転させなければならないので、ペースト注入口をシリンジのノズルに直接取り付けることはできなかった。そのため従来はシリンジのノズルから単に真っ直ぐ押し出されたペーストがペースト案内部材内部へと流れ込むだけであったため、流路となるミキシングチップ内部が角張ったものとなっている場合には、粘性の高いペーストの流れだけが滞ったり、流路が直線的になっている場合には、粘性の低いペーストだけが先にハウジングに到達して、適正な比率の練和物が得られないという問題が生じ易かったのである。
これに対して本発明に係るミキシングチップでは、図９に示すようにシリンジＹ，Ｙのノズルから押し出されたペーストを流路部3bに直接導いているので、押し出された直後からペーストの流れ方向を容易に変えることができ、従来のような真っ直ぐ押し出されたペーストが角張った流路で滞ったりすることがなく、更に各流路部3bの断面積比や体積比を工夫することで、粘性の低いペーストだけが先にハウジング２に到達するようなことがなくなるので練和開始初期から適正な比率の練和物を得ることが可能である。尚、このように各流路部の断面積比や体積比が異なっているためにミキシングチップの装着方向が予め決まっているような場合であっても、本発明に係るミキシングチップでは、２つの係止部材が爪部と突起部との別種類のパーツから構成されていることから、誤った方向からのミキシングチップの装着を防止することができる。
本発明に係るミキシングチップで使用されるようなペーストは、練和されると硬化するが、シリンジＹ，Ｙ内に残っている各ペーストは練和されていないので硬化しない。従って、シリンジＹ，Ｙ内にペーストが残った場合は、ミキシングチップを交換することによって後日使用することができる。本発明のようなミキシングチップでは、使用後の交換が容易にできるか否かも非常に重要となる。
そのため、本発明に係るミキシングチップにおいては、２つの係止部材のうち、シリンジホルダーＸから取り外せないように係止するのは爪部４だけとし、その爪部４の係止状態を解除機構６を操作して解除するだけで、シリンジホルダーから容易に取り外すことができるようにしているのである。解除機構６は例えば、図７の如く、爪部４をミキシングチップの外面側に突出した部位とその周囲の溝部とで構成させ、この突出した部位を押せば、てこの原理でシリンジホルダーＸの係止孔Xaに係止された爪部４の部位が浮き上がるようにすることができる。そして、図８の如く、この突出した部位を押しながらミキシングチップを引き抜けば容易に交換ができるのである。また、この突出した部位の近傍に、図７及び図８の如き指を引っかけるための凸状部７を設けておけば、ミキシングチップをより引き抜き易くて好ましいのである。
本発明に係るミキシングチップの１実施例を分解した様子を示す斜視説明図である。 図１の本発明に係るミキシングチップがシリンジホルダーに係止固定される前の様子を示す側面図である。 図１の本発明に係るミキシングチップがシリンジホルダーに係止固定された様子を示す側面図である。 本発明に係るミキシングチップの爪部を示す拡大斜視図である。 本発明に係るミキシングチップの爪部が係止されるシリンジホルダーの係止孔を示す斜視図である。 本発明に係るミキシングチップの他の実施例を示す側面図である。 本発明に係るミキシングチップの爪部に設けられている解除機構を示す拡大斜視図である。 本発明に係るミキシングチップを取り外す様子を示す説明図である。 ペースト案内部材の内部の様子を示す断面説明図である。
１ ミキシングエレメント
２ ハウジング
３ ペースト案内部材
3a ペースト注入口
3b 流路部
４ 爪部
５ 突起部
６ 解除機構
７ 凸状部
Ｘ シリンジホルダー
Xa 係止孔
Xb 穴部
Ｙ シリンジ

Claims (2)

  1. ２本のシリンジ(Ｙ，Ｙ)が並列して固定されたシリンジホルダー(Ｘ)の先端に２箇所で係止固定されるミキシングチップであって、
    ミキシングエレメント(１)が内部に装着されたハウジング(２)と、２本のシリンジ(Ｙ，Ｙ)のノズルに取り付けられるペースト注入口(3a)及び各シリンジからそれぞれ押し出されたペーストを該ペースト注入口(3a)から該ハウジング(２)内へと導く流路部(3b)を有し該ハウジング(２)の吐出口と反対側に位置する端部に固定されているペースト案内部材(３)と、該ペースト案内部材(３)又は該ハウジング(２)に固定又は一体に形成されていてシリンジホルダー(Ｘ)に係止固定させるための２つの係止部材とから構成されていて、
    ２つの係止部材が、シリンジホルダー(Ｘ)に形成された係止孔(Xa)に係止される爪部(４)とシリンジホルダー(Ｘ)に穿設された穴部(Xb)に挿入される突起部(５)とから構成されていて、
    更にシリンジホルダー(Ｘ)と爪部(４)との係止状態を解除するために解除機構(６)が該爪部(４)に設けられていることを特徴とするミキシングチップ。
  2. 突起部(５)が、爪部(４)の位置よりハウジング(２)の吐出口と反対側に向かって突出している請求項１に記載のミキシングチップ。
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