JP5171663B2 - 電動倍力装置 - Google Patents

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本発明は、電動モータにより駆動される倍力装置の技術分野に関する。
従来、電動モータにより駆動される倍力装置として特許文献1に記載の技術が開示されている。この特許文献1に記載の電動倍力装置では、ハウジングの後端側にボールねじの直動部材に当接すると共にインプットロッドに係止されるダストブーツが設けられている。
特開2008−296782号公報
しかしながら、上記従来技術のダストブーツでは、インプットロッドと直動部材とが相対変位する際、ダストブーツのインプットロッドの係止がずれてしまう可能性があり、ハウジング内にゴミ等が進入してボールねじの効率や寿命が低下する虞がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、入力部材とブースタピストンとの相対変位に係らずハウジング内の気密性を向上した電動倍力装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、電動倍力装置において、ハウジング内の気密を保つ第1のシールリングをハウジングと回転直動変換機構の直動部材の後端側外周との間に設け、ハウジング内の気密を保つ第2のシールリングを回転直動変換機構の直動部材とブースタピストンの後端側外周との間、または、前記回転直動変換機構の直動部材の前端側内周と前記ハウジングとの間に設けた。
よって、入力部材とブースタピストンとが相対変位してもシール材に過負荷が作用することなくハウジング内の気密性を保つことができる。
実施例1の電動倍力装置を表す断面図である。 実施例1のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。 実施例2のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。 参考技術1のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。 参考技術2のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。 参考技術3のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は実施例1の電動倍力装置の構成を表す断面図、図2は実施例1のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。尚、各断面図においてケース部28の部分だけは、インプットロッド27の軸心から上半分と下半分とが直交する断面を取ったものである。電動倍力装置1は、タンデム型マスタシリンダに組込まれるものであって、略有底円筒状のマスタシリンダ本体2(マスタシリンダ)の開口端に結合されるハウジング3を備えている。ハウジング3は、マスタシリンダ側及び図外のブレーキペダル側に開口部を有する略円筒状のハウジング本体4と、マスタシリンダ本体2の開口端に連結される略円筒状の案内部材5と、案内部材5をハウジング本体4の底部の開口部に取付けるフロントカバー6と、ハウジング本体4内に後述する電動モータ38等を収装した状態でブレーキペダル側の開口部を閉塞するリヤカバー7とで構成されている。マスタシリンダ本体2は、ハウジング3の案内部材5と結合して1つのシリンダボアを形成し、このシリンダボアには、直列に配置された略有底円筒状のプライマリピストン8(ブースタピストン)及びセカンダリピストン9が摺動可能に嵌装され、これらの間にプライマリ圧力室10が形成され、セカンダリピストン9とマスタシリンダ本体2の底部との間にセカンダリ圧力室11が形成されている。マスタシリンダ本体2の側壁には、プライマリ圧力室10に連通するプライマリポート12及びセカンダリ圧力室11に連通するセカンダリポート13が設けられており、プライマリ及びセカンダリポート12,13には、それぞれ各車輪に設けられたブレーキ装置を作動させるホイールシリンダ(図示せず)が接続される。
マスタシリンダ本体2のシリンダボアとプライマリピストン8との間は、軸方向に間隔をもって配置された一対のピストンシール14及びシール15によってシールされ、これらのピストンシール14とシール15との間にプライマリリリーフポート16が開口されている。同様に、マスタシリンダ本体2のシリンダボアとセカンダリピストン9との間は、軸方向に間隔をもって配置された一対のピストンシール17及びシール18によってシールされ、これらの間にセカンダリリリーフポート19が開口されている。プライマリ及びセカンダリリリーフポート16,19には,ブレーキ液を貯留するリザーバ20が接続されている。そして、プライマリピストン8が原位置(非制動位置)にあるとき、その側壁に設けられたピストンポート21及びプライマリリリーフポート16によってプライマリ圧力室10がリザーバ20に接続され、プライマリピストン8が前進すると、その側壁によってプライマリリリーフポート16とピストンポート21との間がピストンシール14によって遮断されてプライマリ圧力室10が加圧される。同様に、セカンダリピストン9が原位置(非制動位置)にあるとき、その側壁に設けられたピストンポート22及びセカンダリリリーフポート19によってセカンダリ圧力室11がリザーバ20に接続され、セカンダリピストン9が前進すると、その側壁によってセカンダリリリーフポート19とピストンポート22との間がピストンシール17によって遮断されてセカンダリ圧力室11が加圧される。
案内部材5には、シール15との間に軸方向に間隔をもって設けられてプライマリピストン8との間をシールするシール部材23が設けられている。そして、ピストンシール15とシール部材23との間の空間Sは、マスタシリンダ本体2と案内部材5との間に形成された排出通路24を介してフロントカバー6の前方の外部に開放されている。プライマリピストン8の底部及びプライマリピストン8の内部に嵌合されたガイド部材25には、入力ピストン26が摺動可能かつ液密的に挿入されている。入力ピストン26は、プライマリ圧力室10に対する受圧面積がプライマリピストン8に対して充分小さくなるように充分小径となっている。プライマリピストン8から突出された入力ピストン26の後端部には、インプットロッド27の先端部が連結されており、インプットロッド27の基端側は、リヤカバー7に形成された円筒状のケース部28に挿通されて外部へ延出され、その基端部にはブレーキペダル(図示せず)が連結されるようになっている。
プライマリピストン8の後端部は、円筒状の延長部材29が連結されてリヤカバー7のケース部28の内部まで延ばされている。延長部材29の後端部には、外側フランジ30が形成されている。セカンダリピストン9は、マスタシリンダ本体2の底部との間に設けられた戻しばね31によって付勢され、プライマリピストン8は、セカンダリピストン9との間に設けられた戻しバネ32及び案内部材5の後端部と延長部材29の外側フランジ部30との間に設けられた戻しバネ33によって原位置へ付勢されている。また、入力ピストン26は、プライマリピストン8の底部との間に設けられたバネ34及び延長部材29のバネ受35との間に設けられたバネ36によってプライマリピストン8に対して軸方向に弾性的に保持されている。
ハウジング3内には、回転直動変換機構であるボール−ネジ機構37と、電動モータ38と、レゾルバ39とが設けられている。ボール−ネジ機構37は、リヤカバー7のケース部28内に挿入されて軸方向に移動可能に案内され、内部にプライマリピストン8の後部及び延長部材29が挿入された円筒状の直動部材40と、直動部材40に外嵌された円筒状の回転部材41と、これらの間に形成された螺旋状のボール溝40a,41aに装填された複数のボール43とを備えている。ボール溝40a,41a及びボール43には潤滑剤としてグリスが塗布されている。
図2に示すように、直動部材40は、後端部がリヤカバー7のケース部28から外部に延出されており、延出部44に形成されたスリット45に、ケース部28の端部に形成された爪部46が嵌合することにより、軸方向の移動を可能にすると共にその回転を規制している。この回転規制は直動部材40のストローク位置がどの位置であっても行われる必要があるため、延出部44の延出量は直動部材40の最大ストローク量よりも長く設定されている。また、延出部44の外周はケース部28内周により案内(支持)され、これにより直動部材40の安定したストロークを実現する。直動部材40の内周部には、プライマリピストン8に連結された延長部材29の外側フランジ部30に当接する内側フランジ部47が形成されている。インプットロッド27の途中には円錐状に拡径されたストッパ部27aが形成されている。そして、ケース部28内周に形成された爪部46は、ストッパ部27aと係合してインプットロッド27の後退位置を規定している。ケース部28の車室内側には金属製のカバー部材48がカシメ固定されている。このカバー部材48は延出部44を取り囲むように二重筒形状とされており、内筒の底面に形成された開口48aにインプットロッド27が貫通している。
電動モータ38は、ハウジング3に固定されたステータ49と、ハウジング3に軸受50,51によって回転可能に支持されたロータ52とを備え、ロータ52は、ボール−ネジ機構37の回転部材41に連結されている。そして、ステータ49のコイル53への通電によってロータ52を回転させ、回転直動変換機構であるボール−ネジ機構37の回転部材41を回転させることにより、ボール43がボール溝40a,41a内を転動して直動部材40が軸方向に沿って直線運動する。このとき、レゾレバ39によって電動モータ38の回転変位(位置)を検出する。直動部材40が前進すると、直動部材40の内側フランジ47が延長部材29の外側フランジ30を押圧してプライマリピストン8を前進させる。
電動倍力装置1は、ハウジング3のリヤカバー7に立設されたスタットボルト59によって、車両のエンジンルームと車室との隔壁であるダッシュパネルWのエンジンルーム側に取付けられ、リヤカバー7のケース部28がダッシュパネルWに挿通されて車室側へ延ばされ、インプットロッド27にブレーキペダル(図示せず)が連結される。そして、インプットロッド27の変位を検出する変位センサ、プライマリ及びセカンダリ圧力室10,11の圧力を検出する圧力センサ等の各種センサ(図示せず)、並びに、これらのセンサ及びレゾルバ39の検出に基づいて電動モータ38の回転を制御するコントローラ(図示せず)が設けられる。
(シールリングの構成)
次に、直動部材40とケース部28との間及び直動部材40と延長部材29との間のシールについて図2を用いて説明する。直動部材40の外周であってボール溝40aの延出部44側の端部には、ハウジング3内の気密を保つための第1シールリング60が設けられている。第1シールリング60は、直動部材40の外周に形成されたシール溝40b内に装着された弾性部材60aと、弾性部材60aの外周側に装着された樹脂等からなる摺動部材60bとから構成されている。弾性部材60aは、摺動部材60bに対して外周方向に適度な押し付け力を付与できるゴム材料から形成されている。また、摺動部材60bは摺動性を考慮した例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン:フッ化炭素樹脂)から形成されている。これにより、ケース部28に対する直動部材40の移動を円滑にするとともに、開口48aから延出部44を迂回してボール−ネジ機構37内に進入してくる埃やゴミを遮断して、ハウジング3内の気密を保つようにしている。
延長部材29の外周には、ハウジング3内の気密を保つための第2シールリング70が設けられている。第2シールリング70は、延長部材29の外周に形成されたシール溝29a内に装着された弾性部材70aと、弾性部材70aの外周側に装着された摺動部材70bとから構成されている。この弾性部材70及び摺動部材70bは、第1シールリング60と基本的に同じ素材から構成されているため説明を省略する。これにより、直動部材40に対する延長部材29の移動を円滑にするとともに、開口48aから進入してくる埃やゴミを遮断し、直動部材40の内周を迂回して外周側のボール−ネジ機構37内に埃やゴミが進入することを遮断して、ハウジング3内の気密を保つようにしている。尚、第1シールリング60及び第2シールリング70は、摺動耐久性と防塵性が確保可能であれば、二つの部材から構成する必要は無く、例えばゴム材料からなる弾性部材のみで構成してもよい。
(電動倍力装置の作用)
システム正常時において、ブレーキペダル(インプットロッド27)の操作によって入力ピストン26を前進させると、コントローラからの制御電流によって電動モータ38が回転し、ボール−ネジ機構37を介してプライマリピストン8を前進させて入力ピストン26に追従させ、プライマリ及びセカンダリ圧力室10,11を加圧する。これにより、ブレーキペダルの操作に応じて電動モータ38によってサーボ力を付与して倍力制御を行う。このとき、プライマリ圧力室10の圧力が入力ピストン26(受圧面積小)を介してインプットロッド27(ブレーキペダル)にフィードバックされる。また、各種センサの検出に基づいて、コントローラによって電動モータ38の回転を適宜制御することにより、ブレーキアシスト制御、回生協調制御、車両追従制御等のブレーキ制御を実行する。このとき、入力ピストン26の移動に応じて直動部材40がストロークするため、第1シールリング60は、ケース部28内周に対して相対移動することになる。一方、入力ピストン26とプライマリピストン8とは、上記ブレーキ制御時の所定の倍力比を発生させるために相対変位する。これにより、圧力室10,11に入力ピストン26の受圧面積とプライマリピストン8の受圧面積比に応じた倍力比、もしくは入力ピストン26とプライマリピストン8の相対変位量に応じた倍力比に倍力された圧力を発生させるようになっている。
一方、システムフェールによって電動モータ38が駆動できない場合には、直動部材40のストロークも停止する。このとき、運転者がブレーキペダル(インプットロッド27)を操作すると、入力ピストン26のみがストロークして、入力ピストン26に伝達された推力が、ばね34、引いては入力ピストン26の段部を介してプライマリピストン8に伝達されて移動し、プライマリピストン8と連結された延長部材29もストロークする。よって、直動部材40の内側フランジ部47と延長部材29とが離間してこれらが相対移動することになる。これにより、圧力室10,11に最低限のブレーキ力が確保できる程度の圧力を発生させる。このとき、第2シールリング70は、直動部材40内周に対して相対移動することになる。尚、上記場合、電動モータ38による倍力作用が得られないことは言うまでもない。
上述のように、ハウジング内の気密を保つ第1シールリング60をハウジングのケース部28内周と回転直動変換機構であるボール−ネジ機構37の直動部材40の後端側外周との間に設け、ハウジング内の気密を保つ第2シールリング70を直動部材40とプライマリピストン8の後端側に取り付けられた延長部材29の外周との間に設けた。すなわち、第1シールリング60及び第2シールリング70は、軸方向に相対変位する部材の間で摺動するため、インプットロッド27と直動部材40とが相対変位したとしても、ハウジング内の気密性を確保することができる。言い換えると、特許文献1に記載のような蛇腹のブーツで覆うことなくボール−ネジ機構37への埃やゴミの進入を回避できる。また、システム正常時及びシステムフェール時のいずれであってもシール部分が軸方向に引っ張られるような負荷が生じないため、シール部材の耐久性の向上を図ることができる。
次に実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため異なる点についてのみ説明する。図3は実施例2のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。実施例1では、第2シールリング70を直動部材40内周と延長部材29外周との間に設けた。これに対し、実施例2では、案内部材5の後端側を、初期位置において直動部材40の前端と径方向に重なる位置まで延長し、直動部材40内周と案内部材5の外周との間に第2シールリング70を備えた点が異なる。また、実施例1では、第1シールリング60及び第2シールリング70をそれぞれ弾性部材と摺動部材とから形成されたシール部材としたが、実施例2では断面丸型のゴム部材いわゆるOリングを使用している点で異なる。
非作動時において、延長部材29は内側フランジ部47と当接している。ここで、システムフェールのときには直動部材40は停止することから延長部材29と直動部材40とは相対移動し、ブレーキペダルを急踏みしたときに直動部材40の応答が遅れたときにも、延長部材29と直動部材40とは相対移動する。すなわち、延長部材29と内側フランジ部47とは状態に応じて当接と離間の状態を取る。特に離間したとき、この隙間から埃やゴミが進入してきたとしても、第2シールリング70によりボール−ネジ機構37側への侵入を回避できる。案内部材5は固定部材であり、直動部材40が最も後端に位置する初期状態において径方向に重なっているため、直動部材40がどのようにストロークしたとしても、第2シールリング70は直動部材40との間でシール機能を発揮する。一般に、円筒部材の内周側に摺動面を形成すると、内周面の面粗度を確保するための加工が困難である。これに対し、実施例2では、案内部材5の外周が摺動面となるため、面粗度を確保する際に加工が容易である。
上述のように、ハウジング内の気密を保つ第1シールリング60をハウジングのケース部28内周とボール−ネジ機構37(回転直動変換機構)の直動部材40の後端側外周との間に設け、ハウジング3内の気密を保つ第2シールリング70を直動部材40の前端側内周とハウジングである案内部材5の外周との間に設けた。よって、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
(参考技術1)
次に参考技術1について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため異なる点についてのみ説明する。図4は参考技術1のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。実施例1では、第1シールリング60をハウジング3のケース部28内周とボール−ネジ機構37の直動部材40の後端側外周との間に設け、第2シールリング70を直動部材40内周と延長部材29外周との間に設けた。これに対し、参考技術1では、シールリングではなく、ケース部28とインプットロッド27との間を覆うブーツ部材80を設けた点で異なる。ブーツ部材80は、ハウジングであるケース部28の開口に固定される一端部81aと、この一端部81aと延出部44後端との間を外側から取り囲む蛇腹部81と、延出部44後端に対して固定する固定部82(中間固定部)と、固定部82から後端側に一端延在された後に折り返された折り返し部83(多重折曲部)と、折り返し部83と接続すると共に内側フランジ46に対するストッパとして機能するストッパ部84と、ストッパ部84の底面に形成されインプットロッド27に対して相対移動しないように挿通固定されるための内径シール部85(他端部)と、を有する多重筒状とされている。
直動部材40がストロークすると、それに従って蛇腹部81が適宜変形して追従するため、蛇腹部81や固定部82に過剰な負荷が作用することはない。また、インプットロッド27は軸方向にストロークすることに加えて、インプットロッド27には、ブレーキペダルの回転運動を直動運動に変換するために生じる幾何学的な傾きによって力が斜め方向に作用する場合があり、これによりインプットロッド27が揺動する。このような揺動に対しては折り返し部83が適宜変形して追従するため、固定部82等に過剰な負荷が作用することはない。また、直動部材40とインプットロッド27とが相対移動した場合には、ストッパ部84が内側フランジ部46と当接するまでの間は折り返し部83の折り返し位置が変形して追従するため、固定部82等に過剰な負荷が作用することはない。ストッパ部84が内側フランジ部46と当接すると、それ以降は、内径シール部85とインプットロッド27とが相対移動する。このとき、ストッパ部84はそれ以上移動しないから固定部82等に過剰な負荷が作用することはない。
以上説明したように、ハウジングであるケース部28の開口とインプットロッド27との間には可撓性材からなる多重筒状のブーツ部材80が設けられ、ブーツ部材80は、ケース部28の開口に固定される一端部81aと、インプットロッド27に摺動可能に固定される内径シール部85(他端部)と、一端部81aと内径シール部85との間に設けられ延出部44後端(ブースタピストンの一端)に固定される固定部82(中間固定部)と、固定部82と一端部81aとの間に形成されハウジングに対する直動部材40(ブースタピストン)の移動を吸収する蛇腹部81と、固定部82と内径シール部85との間に形成され直動部材40(ブースタピストン)とインプットロッド27との相対移動を吸収する折り返し部83(多重折曲部)と、を有する。よって、インプットロッド27と直動部材40とが相対変位しても、また、インプットロッド27が直動部材40に対して揺動しても、ハウジング内の気密性を保つことができる。
(参考技術2)
次に参考技術2について説明する。基本的な構成は参考技術1と同じであるため異なる点についてのみ説明する。図5は参考技術2のインプットロッド27周辺を表す部分拡大断面図である。参考技術1では、ストッパ部84と内径シール部85を設け、インプットロッド27とブーツ部材80とが相対移動可能に構成した。これに対し、参考技術2では、インプットロッド27とブーツ部材80とを固定し、相対移動を禁止しつつ、折り返し部を追加した点で異なる。ブーツ部材80は、ハウジングであるケース部28の開口に固定される一端部81aと、この一端部81aと延出部44後端との間を外側から取り囲む蛇腹部81と、延出部44後端に対して固定する固定部82(中間固定部)と、固定部82から後端側に一端延在された後に折り返された第1折り返し部83a(多重折曲部)と、第1折り返し部83aから固定部82よりもケース部28内径側まで延在された後に再度折り返された第2折り返し部83b(多重折曲部)と、第2折り返し部83bと接続する係合部86と、係合部86の底面に形成されインプットロッド27に対して相対移動しないように挿通固定されるための固定穴87(他端部)と、を有する多重筒状とされている。
直動部材40がストロークすると、それに従って蛇腹部81が適宜変形して追従するため、蛇腹部81や固定部82に過剰な負荷が作用することはない。また、インプットロッド27は軸方向にストロークすることに加えて、ブレーキペダルの回転運動を直動運動に変換するために生じる幾何学的な傾きによって力が斜め方向に作用する場合があり、これによりインプットロッド27が揺動する。このような揺動に対しては第1及び第2折り返し部83a,bが適宜変形して追従するため、固定部82等に過剰な負荷が作用することはない。また、直動部材40とインプットロッド27とが相対移動した場合には、終始、第1及び第2折り返し部83a,bの折り返し位置が変形して追従するため、固定部82や固定穴87等に過剰な負荷が作用することはない。よって、参考技術1と同様の作用効果を得ることができる。
(参考技術3)
次に参考技術3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため異なる点についてのみ説明する。図6は参考技術3のインプットロッド周辺を表す部分拡大断面図である。実施例1では、ケース部28内周と直動部材40外周との間に第1シールリング60を設け、直動部材40内周と延長部材29外周との間に第2シールリング70を設けた。これに対し、参考技術3では、シールリングではなく、ケース部28とインプットロッド27との間を覆う第2カバー部材90を設けた点で異なる。ケース部28の車室内側には金属製の第1カバー部材480がカシメ固定されている。この第1カバー部材480は延出部44を取り囲むように二重筒形状とされており、内筒の底面に形成された開口には後述する第2カバー部材90を係止する係止溝481が折り曲げ形成されている。第2カバー部材90は、可撓性部材であるゴム製の係止溝481と係合する肉厚部94と、肉厚部94から軸方向に延在された後に折り返されたゴム製の第1折り返し部91と、第1折り返し部91から軸方向に延在された後に再度折り返されたゴム製の第2折り返し部92と、第2折り返し部92により折り返された円筒部内周に固定され、インプットロッド27と摺動接触するPTFE製の筒状部材93とを有する。尚、PTFEとはポリテトラフルオロエチレン(フッ化炭素樹脂)を表すものであるが、摺動性が確保されるのであれば、摺動性のよいゴム部材を用いてもよいし、他の材料から形成してもよい。
第1カバー部材480及び第2カバー部材90は共にハウジングに固定された部材であるため、インプットロッド27がストロークすると、直動部材40との相対移動等に係らず筒状部93内周とインプットロッド27が相対移動する。このとき、筒状部93は摺動性が確保されているため、第1カバー部材480や第2カバー部材90に過剰な負荷が作用することはない。また、インプットロッド27が径方向に揺動したとしても、第1折り返し部91及び第2折り返し部92が適宜変形して追従するため、筒状部93等に過剰な負荷が作用することはない。
以上説明したように、ハウジングであるケース部28の開口に外周端が固定され該外周端から延出部44の外周に沿って延びて延出部44の突出端で内周側に折り返されて延びる二重筒状の第1カバー部材480と、第1カバー部材480の内周端に一端が固定され、他端がインプットロッド27に対して摺動可能にシールする可撓性材からなる筒状の第2カバー部材90とを有する。よって、インプットロッド27と直動部材40とが相対変位してもハウジング内の気密性を保つことができる。
1 電動倍力装置
2 マスタシリンダ本体
4 ハウジング本体
7 リヤカバー
8 プライマリピストン(ブースタピストン)
26 入力ピストン
27 インプットロッド(入力部材)
28 ケース部(ハウジング)
29 延長部材(ブースタピストン)
37 ボール−ネジ機構(回転直動変換機構)
38 電動モータ
40 直動部材(ブースタピストン)
44 延出部(ブースタピストン)
60 第1シールリング
70 第2シールリング
80 ブーツ部材
90 第2カバー部材
480 第1カバー部材

Claims (1)

  1. 筒状に形成されたハウジングと、
    該ハウジングの開口から一端が突出して設けられて前記ハウジングに対して移動することでマスタシリンダの圧力室を加圧する筒状のブースタピストンと、
    該ブースタピストンと共に前記ハウジングの開口から一端が突出して設けられ前記ブースタピストン内に摺動可能かつ相対移動可能に挿入され、前記一端に接続されるブレーキペダルの操作によって移動する入力部材と、
    前記ハウジングに固定される電動モータと、
    前記ハウジング内に設けられ該電動モータの回転運動を直線運動に変換して前記ブースタピストンに推力を付与する回転直動変換機構と、
    を有し、
    前記入力部材の移動に応じて前記電動モータの作動を制御して前記ブースタピストンの推力を調整する電動倍力装置において、
    前記ハウジング内の気密を保つ第1のシールリングを前記ハウジングと前記回転直動変換機構の直動部材の後端側外周との間に設け、前記ハウジング内の気密を保つ第2のシールリングを前記回転直動変換機構の直動部材と前記ブースタピストンの後端側外周との間、または、前記回転直動変換機構の直動部材の前端側内周と前記ハウジングとの間に設けたことを特徴とする電動倍力装置。
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