JP5171214B2 - フォトニック結晶を用いた波長板の製造方法 - Google Patents

フォトニック結晶を用いた波長板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、DVDやCD、BD(Blu-ray Disc:登録商標)、HD−DVD(High-Definition DVD)等の光ピックアップにおいて、1/4波長板や1/2波長板として使用されるフォトニック結晶を用いた波長板を製造する方法に関するものである。
従来のこの種の1/4波長板(位相差90deg)、1/2波長板(位相差180deg)としては、水晶や樹脂フィルム等からなる波長板があった。この波長板の製造方法としては、従来、樹脂フィルムおよび水晶を用いたものが製品化されている。
例えば、特許文献1には、1/4波長板として機能する波長板を得るために、波長λの単色に対して位相差αの水晶波長板と位相差βの水晶波長板とを光軸が交差するように貼り合わせて、全体として機能するようにした積層波長板が記載されており、また、特許文献2には、波長λの単色光に対して位相差αの波長板と位相差βの波長板とを光軸が交差するように貼り合わせて、全体として1/4波長板として機能する積層波長板において、一方の波長板の材料を複屈折性を有するフィルムとし、他方の波長板の材料を水晶としたことが記載されている。
このような波長板を用いて、音楽や映像関連情報を光学記録媒体であるCDやDVD、さらに近年ではBDやHD−DVD等を、直線偏光や円偏光等のレーザー光を利用し記録および再生を行う光ディスク装置が幅広く利用されている。中でも各記録媒体のコンパチブル(互換性)が可能な光ディスク装置の普及と共に装置の小型化の要求も高まり、光学部品点数の削減等の簡素化による装置小型化が要求されている。
特許文献1に記載されるような波長板に用いる水晶は、一軸性の異方性結晶として用いていることから、光学軸を平面内に設定して切断・研磨することで形成されている。そして、1/2波長板や1/4波長板をこれらの水晶により製作する場合、位相差は屈折率差(Δn)×板厚であって、厚さが数十μm以下となり、研磨による製作が困難で、さらには取り扱いが不便である。このため、半波長の奇数倍の厚さにする方法、あるいは厚さの差が半波長の位相差を与える2枚の素子を互いに光軸をずらし貼り合わせる方法があるが、前者は動作波長範囲が狭い、後者は製作工程が煩雑である等の問題がある。
また、特許文献2のように、樹脂フィルムにより製作される波長板は設計の自由度があり比較的容易に製作可能であるために、大面積化および低コスト化が進み液晶ディスプレイをはじめ広く用いられている。しかし水晶のみにより製作される波長板に対して耐熱性および高出力光源等での耐光性に劣るという問題があった。
このため、特許文献3,4に記載されるようなフォトニック結晶を用いた波長板は、微小な凹凸形状(L/S形状:ライン&スペース)を形成した基板(例えば、石英、テンパックス、パイレックス(登録商標)、白板、BK7他、光学ガラス全般)に対して、使用波長において透明である屈折率の異なる2種類以上の層を周期的に積層することで製造されるために設計の自由度が高く、基板および層を形成する材料を無機材料とすることで耐熱性および耐光性および低コスト化に優れている。
また、光ビームを出射する光源と、光学軸を有する波長板と、波長板を透過した光ビームを透過および分光させる偏光ビームスプリッタと、光ビームの一部を遮るアパーチャとを有する光ピックアップを調整する光ピックアップ調整方法において、波長板の回転角度を調整することで、光源から出射する光量と偏光ビームスプリッタおよび他の光学部品を透過する光量との比率を所定値に合わせ、光ピックアップの光結合効率のばらつきを抑える光ピックアップが記載されている(特許文献5参照)。
国際公開第03/091768号パンフレット 特開2004−354936号公報 特開2001−51122号公報 特許第3288976号公報 特開2005−135491号公報 特開2005−256119号公報
しかしながら、前述したフォトニック結晶を用いた波長板において、波長板の特性である位相差が、例えば1/4波長あるいは1/2波長という位相差を得ようとした場合に、水晶の波長板であれば、例えば位相差を確認しながら研磨による厚さの調整にて位相差の合わせ込みが可能である。しかし、フォトニック結晶を用いた波長板の場合、スパッタリングに代表される真空装置にて薄膜を積層するために、製作途中で位相差を確認しながら調整することは困難であり、加工後に所望の位相差が得られない場合は製品として使用することは困難であった。さらに、加工後に位相差を調整するために再度、薄膜を積層することは可能であるが、この場合においても、所望の位相差に達成することは難しく、製造歩留りが悪いという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、フォトニック結晶を用いた波長板に有する設計の自由度が高く、耐熱性および耐光性に優れた特長を生かしつつ、製造歩留りを向上させたフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法を提供することを目的とする。
まず、この発明の方法により製造される波長板を説明する。
この発明の波長板は、基本的に、一方向に周期凹凸構造を有する透明基板と、屈折率の異なる2種類以上の透明体を周期凹凸構造上に積層した多層膜よりなる積層周期構造体とを備え、透明基板上に積層周期構造体を形成してなるフォトニック結晶波長板であり、所望の位相差を高精度で得るための基準が設けられている。
また、このフォトニック結晶を用いた波長板は、波長板の透明基板が、一方向の周期凹凸構造を両側の面に有し、周期凹凸構造上に屈折率の異なる2種類以上の透明体を積層した多層膜よりなる積層周期構造体を形成した構成であることができる
上記フォトニック結晶を用いた波長板は、透明基板と積層周期構造体の多層膜との中間に反射防止機能を形成することができ、積層周期構造体となる多層膜の表面に反射防止機能を形成することもできる
この場合の反射防止機能は、1種類もしくは複数種類の透明体よりなり単層もしくは複数層の光学薄膜であることができる
上述の波長板は、所望の位相差とするために、方位軸方向に回転させて切り出されるが、積層周期構造体となる多層膜として積層する透明体を、SiOおよびAlO3およびTaおよびNbおよびTiOのいずれかにより構成することができる
請求項1記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法は、一方向に周期凹凸構造を有する透明基板と、屈折率の異なる2種類以上の透明体を前記周期凹凸構造上に積層した多層膜よりなる積層周期構造体とを備え、前記透明基板上に前記積層周期構造体を形成してなり、所望の位相差のフォトニック結晶波長板を製造する方法であって、透明基板の一方向に周期凹凸構造を形成する工程と、積層周期構造体として周期凹凸構造上に屈折率の異なる2種類以上の透明体を積層して多層膜を形成する工程と、透明基板上に積層周期構造体を形成したフォトニック結晶波長板の位相差を測定する工程と、所望の位相差とするためフォトニック結晶波長板を方位軸方向に回転して基準を設定する工程とからなる。
前記「位相差を測定する工程」は、位相差測定器を用いて測定し、位相差測定器に対して、前記フォトニック結晶波長板を回転させて、前記所望の位相差を与えるときの回転角:θcを測定して基準調整値:Δθcとする工程である。
また、前記「基準を設定する工程」は、前記透明基板に予め形成されたオリエンタルフラットを基準として、前記フォトニック結晶波長板を方位軸方向に基準調整値:Δθcだけ回転して、波長板の基準を設定する工程である。
また、請求項2に記載したフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法は、請求項1の製造方法における透明基板の一方向に周期凹凸構造を形成する工程において、透明基板の両方の面に周期凹凸構造を形成し、周期凹凸構造上に屈折率の異なる2種類以上の透明体を積層した多層膜よりなる積層周期構造体を設けてフォトニック結晶波長板を形成することを特徴とする。
また、請求項3、4に記載したフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法は、請求項1、2の製造方法のフォトニック結晶波長板において、透明基板と積層周期構造体の多層膜との中間に反射防止機能を形成する工程を設けたこと、またさらに、積層周期構造体となる多層膜の表面に反射防止機能を形成する工程を設けたことを特徴とする。
また、請求項5に記載したフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法は、請求項11,12の製造方法における反射防止機能が、1種類もしくは複数種類の透明体よりなり単層もしくは複数層の光学薄膜であることを特徴とする
また、請求項6、7に記載したフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法は、請求項1〜5の製造方法のフォトニック結晶波長板において、所望の位相差とするために、方位軸方向に回転させて切り出す工程を設けたこと、さらに、積層周期構造体となる多層膜として積層する透明体が、SiOおよびAl3およびTaおよびNbおよびTiOのいずれかにより構成されることを特徴とする。
この発明によれば、透明基板上にフォトニック結晶を用いた多層膜を積層して製作する波長板において、従来の「歩留りの問題」を解決し、所望する位相差を実現できる波長板の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、フォトニック結晶を用いた波長板に有している設計の自由度が高く、耐熱性および耐光性に優れた特長を生かしつつ、製造歩留りを向上させたフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態におけるフォトニック結晶の構造を示す図であり、一方向の周期凹凸構造がわかるように連続する周期構造と直行する方向から見た断面図である。図1の構造は横方向(x方向)と縦方向(z方向)に周期性があり、図示されない奥行方向(y方向)では周期性がない。
図1において、1は透明基板であり一方向の周期凹凸構造が形成されている。2は積層周期構造の多層膜4の一部分にあたる低屈折率層である。3は積層周期構造の多層膜4の一部分にあたる高屈折率層である。このような周期構造は軸方向への周期性の違いにより1軸方向への周期性を持つ構造体であれば一次元フォトニック結晶となり、光学薄膜を多層に積層して作られるダイクロイックフィルターやPBSフィルター等が古くから知られている。2軸方向への周期性を持つ構造体であれば二次元フォトニック結晶となり、図1の構造はこの二次元フォトニック結晶である。3軸方向への周期性を持つ構造体であれば三次元フォトニック結晶となり、光学軸が複数方向へ立体的に存在する構造体である。
本発明で製造対象とするフォトニック結晶は波長板としての機能を有するが、二次元フォトニック結晶の場合は主に次に述べるパラメータにより光学特性が決定される。図1において、
1.透明基板1の屈折率
2.低屈折率層2の屈折率
3.低屈折率層2の膜厚dL
4.高屈折率層3の屈折率
5.高屈折率層3の膜厚dH
6.周期凹凸構造の周期P
7.周期凹凸構造(V字状)の傾斜θv
を基本として、さらには
8.高屈折率層3と低屈折率層2の積層する層数もしくは周期数
9.積層周期毎の膜厚dLおよび膜厚dH
以上により構成されるパラメータを所望の特性が得られる値に整合させる。
また、本実施形態では、積層する透明薄膜は低屈折率材と高屈折率材の組み合わせを基本としているが、例えば、SiOとTa、SiOとNb、SiOとTiO、SiOとAl、AlとTa、AlとNb、AlとTiO等の組み合わせであっても良い。
フォトニック結晶は周期凹凸構造が形成された透明基板1を、例えばエッチング源を有する図2に示す成膜装置に導入する。この成膜装置は図2の概略図に示すようにターゲットをスパッタリングして、基板にターゲットの材料の薄膜を形成する成膜装置であって、真空槽10、真空槽10内に設けられた円筒形の基板ホルダー11、エッチング源12、および真空槽10の内部に設けられ遮蔽板で区画された第1のターゲット13、第2のターゲット14、反応源15を有する。真空槽10の内部は、図示していない排気系で排気されて、高真空状態に保たれている。円筒形の基板ホルダー11は、所定の回転速度で回転可能であり、基板ホルダー11の外周には、単数または複数の透明基板1を保持することができる(特許文献6:図3参照)。
この成膜装置に導入した、透明基板1上の矩形形状の周期凹凸構造にエッチング加工を行いV字状の周期凹凸構造とする。さらに高屈折率材の原材料(第1のターゲット)をスパッタリング(成膜)し前述の透明基板1上に所望の膜厚となるよう高屈折率層3を形成する。このとき、同時にエッチング源を作動させてプラズマによるエッチング効果を作用させ基板に形成させたV字状の周期凹凸構造と同一の形状に整形する。
続けて低屈折率材の原材料(第2のターゲット)をスパッタリング(成膜)し前述の透明基板1上に所望の膜厚となるよう低屈折率層2を形成する。このとき、前述のエッチング源を同時に作動させてプラズマによるエッチング効果を作用し基板に形成させたV字状の周期凹凸構造と同一の形状に整形する。以降、目的の積層数に達するまで前述の高屈折率材と低屈折率材の成膜を繰り返すが、各層の膜厚は設計値に基づいた膜厚に制御しフォトニック結晶を製作する。
また、反射防止機能を得ようとした場合、図1に示す透明基板1と多層膜4の境界面の反射防止、多層膜4と表面媒質(主に空気)との境界の反射防止が存在し、製造方法においては分類すると2種類の方法がある。第1の方法は透明基板1表面もしくは透明基板1へ積層される周期構造で最初の層の表面形成後にエッチング源を作動させてエッチング源の印加エネルギーを高出力側に設定し、表面の粗さ(ラフネス)を持たせることで微細な凹凸のうねりが形成され、この構造により反射防止機能が得られる。同様に多層膜4の最終層表面に対しても表面の粗さ(ラフネス)を持たせることで微細な凹凸のうねりが形成され反射防止機能が得られる技術である。
第2の方法は透明基板1と多層周期構造の間に反射防止効果に有効となる膜厚で構成された反射防止膜を形成する。この場合、反射防止膜の材質(屈折率)は多層周期構造と同じ低屈折率材料および高屈折率材料での構成も可能であり、透明基板1と多層膜4の境界面の反射防止の場合には透明基板1の屈折率と多層周期構造の膜厚および屈折率により反射防止膜の屈折率と膜厚および積層数が決定される。さらには多層膜4と表面媒質(主に空気)との境界の反射防止についても多層周期構造の膜厚および屈折率と表面媒質の屈折率により反射防止膜の屈折率と膜厚および積層数が決定される。また、反射防止膜は多層周期構造以外の材料で構成することも可能であり、この場合にも透明基板1の屈折率と多層周期構造の膜厚および屈折率もしくは多層周期構造の膜厚および屈折率と表面媒質の屈折率により反射防止膜の屈折率と膜厚および積層数が決定される。
このようにして製作されたフォトニック結晶波長板を測定器にて位相差を測定する。測定器は位相差測定器を用いて測定され、セナルモン法と呼ばれる測定原理に基づいて位相差を検出している。位相差測定器の構成は光源、偏光子、1/4波長板、検光子、ディテクタより構成され、偏光子と1/4波長板の光路中間にフォトニック結晶波長板を配置する。この状態で偏光子と検光子は光学軸が直交位置(クロスニコル状態)にあり偏光子により直線偏光となった光は、対角位置に置かれたフォトニック結晶の複屈折により偏光状態が変化し、一般には楕円偏光となりこの偏光された光が偏光子と同じ進相軸の1/4波長板を通過するときに傾き(θdeg)を持った直線偏光に変換され、この傾き(θdeg)を検光子を回転させることで得られる消光位置により求める。この測定原理により得られる傾き(θdeg)を(数1)により解析して位相差が得られることとなる。
(数1)
位相差(δ)=(λ/180)×θdeg
λは光の波長であり位相差測定器で用いる光源の測定に使用した波長となる。
前記の位相差測定器を用いてフォトニック結晶波長板の位相差を測定し位相差を求めるが、フォトニック結晶波長板の基板にはあらかじめオリエンタルフラット(OF)が形成されていてこのオリエンタルフラットを基準として位相差を測定する。このとき、例えば測定波長(使用波長)が405nmで位相差が90deg(1/4波長)のフォトニック結晶波長板を設計して製作した場合に、位相差測定値が目標90.0degに対して狙いどおり90.0degとなった場合はオリエンタルフラットを角度0度基準として、波長405nmに対応する位相差90degの1/4波長板となる。
しかしながら高精度な加工精度にて製作されるフォトニック結晶波長板でも位相差を設計どおりにしかも小さい誤差で製作することは困難で、例えば位相差90.0degで誤差が測定器の仕様性能以下の性能を連続して生産することは困難である。本発明の特徴である、位相差を非常に小さい誤差で製作される波長板を効率よく低価格にて提供するための構造と工法を以下に述べる。
前出の位相差測定器を用いてフォトニック結晶波長板のオリエンタルフラット(OF)を基準として位相差を求めるが、このとき位相差測定値が目標90.0degに対して例えば90.5degとなったフォトニック結晶波長板は、位相差測定器上で1/4波長板を位相差90.0degに対応する45degに固定し、測定器の測定結果が位相差90.0degとなるよう基板上のオリエンタルフラットを基準として、フォトニック結晶波長板を固定した回転ステージを回転し消光位置を求める。
このときにオリエンタルフラットを基準とした回転ステージの回転角(θc)を測定し基準調整値(Δθc)とする。このフォトニック結晶波長板を使用する際に組み込まれる光学系の基準に対して基準調整値(Δθc)を補正値とし、フォトニック結晶波長板を回転調整することで高精度の位相差が得られる。
また、上記の位相差90.5degのフォトニック結晶波長板で基準調整値(Δθc)を用いて大型基板から小型チップへの切り出しによる位相差特性の基準位置とチップ化されるフォトニック結晶波長板の外形基準を整合させることが可能である。図3に示すように、位相差測定を終えたフォトニック結晶波長板8をダイシング装置に装着し波長板への入射側光軸もしくは出射側光軸に対するチップ(波長板7)の外形9に対応する切断方向に対し基準調整値(Δθc)の角度を補正して切断することで、位相差の基準位置とチップ化されるフォトニック結晶波長板の外形基準を整合され、位相差90.0degの波長板7が得られる。
ここで、本実施形態について、具体的な実施例を挙げ説明する。まず、実施例1において使用する透明基板は、石英基板に電子線レジストを塗布し電子線描画にて微細なラインを描画し、レジストを現像した後にドライエッチングを実施した微細加工において、一方向の周期凹凸構造を形成した透明基板を製作する。この透明基板の溝の幅は200nm、溝の深さは100nmである。図2に示す成膜装置にて前述の透明基板1を基板ホルダー11に保持し、装置内の真空槽10を1×10−4Pa以下に排気した。エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1に照射し、透明基板1の矩形形状をV字状の周期凹凸構造に加工する(図1参照)。このときArガスを100sccm導入しエッチング源12には2.5kwの電力を供給した。
続いて、第1のターゲット13(Siターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第1のターゲット13のカソードに7kwの電力を導入し、Si膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときSiの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のSiを酸素化反応させてSiOの薄膜を形成する。その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に形成されたSiO薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのSiO薄膜の膜厚は50nmとなるように調整し成膜を実施した。
また、第2のターゲット14(Taターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第2のターゲット14のカソードに5kwの電力を導入し、Ta膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときTaの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のTaを酸素化反応させてTaの薄膜を形成する。その後、エッチング源にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを基板上に形成されたTa薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのTa薄膜の膜厚は50nmとなるように調整し成膜を実施した。
上記SiO薄膜およびTa薄膜を成型する工程を交互に30回繰り返し、最後にSiO薄膜の成型工程を行って、合計61層の多層の成膜を実施した。
上記のように透明基板1上に多層膜を成膜したフォトニック結晶波長板を位相差測定器で、フォトニック結晶波長板のオリエンタルフラットを基準として測定したところ波長405nmでの位相差は94.5degであった。さらに、透過率を測定したところ波長405nmでの透過率は92%であった。
フォトニック結晶波長板として、波長405nmでの位相差を90degとなる基準位置を求めたところ、例えば図4に示すようにオリエンタルフラットに対し8deg回転した位置に基準位置を設定した。さらにこの基準位置と平行となるように縦5mm×横8mmのチップ(波長板7)にダイシング装置にて切断を実施した(図3参照)。
このチップ状に切断されたフォトニック結晶波長板8の横8mmの稜線を基準として位相差を測定したところ波長405nmにおいて位相差90.0degが確認された。
次に、実施例2として、上記の実施例1で説明したフォトニック結晶波長板に反射防止機能の光学薄膜を追加した例を説明する。本実施例2においても使用する透明基板は、石英基板に電子線レジストを塗布し電子線描画にて微細なラインを描画し、レジストを現像した後にドライエッチングを実施した微細加工において、一方向の周期凹凸構造を形成した透明基板を製作する。また透明基板の溝の幅は200nm、溝の深さは100nmである。図2に示す成膜装置にて前述の透明基板1を基板ホルダー11に保持し、装置内の真空槽10を1×10−4Pa以下に排気した。エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1に照射し、透明基板1の矩形形状をV字状の周期凹凸構造に加工する(図1参照)。このときArガスを100sccm導入しエッチング源12には2.5kwの電力を供給した。
続いて、第2のターゲット14(Taターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第2のターゲット14のカソードに5kwの電力を導入し、Ta膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときTaの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のTaを酸素化反応させてTaの薄膜を形成する。その後、エッチング源にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを基板上に形成されたTa薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのTa薄膜の膜厚は82nmとなるように調整し反射防止膜の成膜を実施した。
その後、第1のターゲット13(Siターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第1のターゲット13のカソードに7kwの電力を導入し、Si膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときSiの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のSiを酸素化反応させてSiOの薄膜を形成する。その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に形成されたSiO薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのSiO薄膜の膜厚は85nmとなるように調整し反射防止膜の成膜を実施した。
次に、第2のターゲット14(Taターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第2のターゲット14のカソードに5kwの電力を導入し、Ta膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときTaの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のTaを酸素化反応させてTaの薄膜を形成する。その後、エッチング源にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを基板上に形成されたTa薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのTa薄膜の膜厚は80nmとなるように調整し成膜を実施した。
また、第1のターゲット13(Siターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第1のターゲット13のカソードに7kwの電力を導入し、Si膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときSiの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のSiを酸素化反応させてSiOの薄膜を形成する。その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に形成されたSiO薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのSiO薄膜の膜厚は80nmとなるように調整し成膜を実施した。
そして、上記Ta薄膜およびSiO薄膜を成型する工程を交互に15回繰り返し、多層の成膜を実施した。
さらに、第2のターゲット14(Taターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第2のターゲット14のカソードに5kwの電力を導入し、Ta膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときTaの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のTaを酸素化反応させてTaの薄膜を形成する。その後、エッチング源にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを基板上に形成されたTa薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのTa薄膜の膜厚は73nmとなるように調整し反射防止膜の成膜を実施した。
続いて、第1のターゲット13(Siターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第1のターゲット13のカソードに7kwの電力を導入し、Si膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときSiの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のSiを酸素化反応させてSiOの薄膜を形成する。その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に形成されたSiO薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのSiO薄膜の膜厚は43nmとなるように調整し反射防止膜の成膜を実施し、透明基板1上に合計34層の多層の成膜を実施した。
続いてフォトニック結晶を形成した透明基板1の裏面に対して、真空蒸着装置等を使用して反射防止膜を形成した。この反射防止膜は透明基板1上にAlを0.25λの薄膜を形成し、さらに、Alの薄膜上にMgFを0.25λの薄膜を形成した。なお、このときλは使用波長となり本実施例では405nmである。
上記のように透明基板1上に多層膜および反射防止膜を成膜したフォトニック結晶波長板を位相差測定器で、フォトニック結晶波長板のオリエンタルフラットを基準として測定したところ波長405nmでの位相差は94.5degであった。さらに、透過率を測定したところ波長405nmでの透過率は99%以上であった。
フォトニック結晶波長板として、波長405nmでの位相差を90degとなる基準位置を求めたところ、例えば図4に示すようにオリエンタルフラットに対し8deg回転した位置に基準位置を設定した。さらにこの基準位置と平行となるように縦5mm×横8mmのチップ(波長板7)にダイシング装置にて切断を実施した(図3参照)。
このチップ状に切断されたフォトニック結晶波長板8の横8mmの稜線を基準として位相差を測定したところ波長405nmにおいて位相差90.0degが確認された。
次に、実施例3として、上記の実施例1で説明したフォトニック結晶波長板に反射防止機能(表面粗さを持たせることにより機能を持たせた)の光学薄膜を追加した例を説明する。本実施例3においても使用する透明基板は、石英基板に電子線レジストを塗布し電子線描画にて微細なラインを描画し、レジストを現像した後にドライエッチングを実施した微細加工において、一方向の周期凹凸構造を形成した透明基板を製作する。また透明基板の溝の幅は200nm、溝の深さは100nmである。図2に示す成膜装置にて前述の透明基板1を基板ホルダー11に保持し、装置内の真空槽10を1×10−4Pa以下に排気した。エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1に照射し、透明基板1の矩形形状をV字状の周期凹凸構造に加工する(図1参照)。このときArガスを100sccm導入しエッチング源12には2.5kwの電力を供給した。
続いて、第1のターゲット13(Siターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第1のターゲット13のカソードに7kwの電力を導入し、Si膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときSiの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のSiを酸素化反応させてSiOの薄膜を形成する。その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に形成されたSiO薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのSiO薄膜の膜厚は80nmとなるように調整し反射防止膜の成膜を実施した。
その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に照射してSiOの薄膜(反射防止膜)の表面のラフネスを大きくする。このときのArガスは200sccm導入しエッチング源12には3.5kwの電力を供給した。このときのSiOのラフネスはイオンビーム照射前の表面粗さ(Ra)は0.04μm〜0.02μmであり、イオンビーム照射後の表面粗さ(Ra)は0.08μm〜0.05μmであった。
次に、第2のターゲット14(Taターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第2のターゲット14のカソードに5kwの電力を導入し、Ta膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときTaの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のTaを酸素化反応させてTaの薄膜を形成する。その後、エッチング源にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを基板上に形成されたTa薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのTa薄膜の膜厚は80nmとなるように調整し成膜を実施した。
また、第1のターゲット13(Siターゲット)近傍からArガスを200sccm導入し、第1のターゲット13のカソードに7kwの電力を導入し、Si膜を極薄く透明基板1上に成膜する。このときSiの成膜と同時に、反応源15(酸化源)に酸素100sccmを導入し、さらに5kwの電力を供給して酸素プラズマおよびラジカルを透明基板1上に照射して、透明基板1上のSiを酸素化反応させてSiOの薄膜を形成する。その後、エッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に形成されたSiO薄膜に照射して、V字状の周期凹凸構造に成型する。このときのSiO薄膜の膜厚は80nmとなるように調整し成膜を実施した。
そして、上記Ta薄膜およびSiO薄膜を成型する工程を交互に15回繰り返し、透明基板1上に合計31層の多層の成膜を実施した。
その後、最後に成膜したSiO薄膜に対してエッチング源12にArガスを導入し、イオンビームソースを作動させてArのイオンビームを透明基板1上に照射してSiOの薄膜(反射防止膜)の表面のラフネスを大きくする。このときのArガスは200sccm導入しエッチング源12には3.5kwの電力を供給した。また前述と同様にSiOのラフネスはイオンビーム照射前の表面粗さ(Ra)は0.04μm〜0.02μmであり、イオンビーム照射後の表面粗さ(Ra)は0.08μm〜0.05μmであった。
続いてフォトニック結晶を形成した透明基板1の裏面に対して、真空蒸着装置等を使用して反射防止膜を形成した。この反射防止膜は透明基板1上にAlを0.25λの薄膜を形成し、さらに、Alの薄膜上にMgFを0.25λの薄膜を形成した。なお、このときのλは使用波長となり本実施例では405nmである。
上記のように透明基板1上に多層膜および反射防止膜を成膜したフォトニック結晶波長板を位相差測定器で、フォトニック結晶波長板のオリエンタルフラットを基準として測定したところ波長405nmでの位相差は94.5degであった。さらに、透過率を測定したところ波長405nmでの透過率は97%以上であった。
フォトニック結晶波長板として、波長405nmでの位相差を90degとなる基準位置を求めたところ、例えば図4に示すようにオリエンタルフラットに対し8deg回転した位置に基準位置を設定した。さらにこの基準位置と平行となるように縦5mm×横8mmのチップ(波長板7)にダイシング装置にて切断を実施した(図3参照)。
このチップ状に切断されたフォトニック結晶波長板8の横8mmの稜線を基準として位相差を測定したところ波長405nmにおいて位相差90.0degが確認された。
また、図5は別のフォトニック結晶波長板を位相差測定器で、フォトニック結晶波長板のオリエンタルフラットを基準として測定した各波長に応じた位相差を示す図である。図5において、オリエンタルフラットに対し0〜30deg変化(フォトニック結晶波長板を回転)させたときの特性を示しており、前述と同様の波長405nmに着目して位相差を見てみると、0degでは180度付近であった位相差が、10degでは155度付近に変化している。
図3に示すように、フォトニック結晶波長板8から位相差90.0degを得る場合に、24deg回転した位置に基準位置を設定し外形9を切り出すことにより、波長405nmにおける位相差90.0degの波長板7が得られ、波長板7として周期凹凸構造体の薄膜積層における小さい誤差に対しても、回転により範囲内の位相差を得ることがき、波長板7の製造歩留りを向上できる。
また、図6は本実施形態における波長板の製作工程を示すフローチャートであり、波長板の製造工程について図1,図2を参照しながら説明する。図6に示すように、素材加工として、成膜装置に導入して透明基板1上における矩形形状の周期凹凸構造をエッチング加工により、V字状の周期凹凸構造を製作する(S1)。
この透明基板1上にSiおよびTaターゲットを用いて、スパッタリングとプラズマによるエッチングを組み合わせて、各層を積層して周期凹凸構造と同一の形状を保存しながら交互に多層膜4のフォトニック結晶を製作する(S2)。なお、このとき反射防止機能を有する薄膜を前述したように透明基板1と多層膜4との間、もしくは多層膜4の表面に形成してフォトニック結晶波長板とする。
製作したフォトニック液晶波長板の位相差を測定し、フォトニック液晶波長板の基板におけるオリエンタルフラットを基準に調整が必要か否か判定し(S3)、調整要と判定された場合(S3のYes)、フォトニック液晶波長板のオリエンタルフラットを基準に回転ステージの回転角を測定し基準調整値(Δθc)を決定する(S4)。
波長板として組み込む光学系の基準に対して、決定された基準調整値を補正値とし、フォトニック結晶波長板を回転調整して切り出すことにより、高精度の位相差の波長板を得る(S5)。
なお、処理S3において、調整不要の場合(S3のNo)は、多層膜の積層において、所望の位相差を得ることができるため、フォトニック結晶波長板を回転させることなく、切り出しのみして所望の波長板を得ることができる。
以上のように、フォトニック結晶波長板による多層膜を積層して製作する波長板において、従来の歩留りの問題を解決し所望する位相差を得ることができる波長板の製造方法を提供することができる。また、特許文献5のような波長板の回転角度を調整することで、光学部品を透過する光量を所定値に合わせる光ピックアップ等においても、本発明の波長板を用いることで、調整する回転角度の範囲を正確に規定でき、より正確な調整が可能となる。
本発明に係るフォトニック結晶を用いた波長板とその製造方法は、この波長板に有している設計の自由度が高く、耐熱性および耐光性に優れた特長を生かしつつ、製造歩留りを向上させた波長板とその製造方法を提供でき、DVDやCD、BD、HD−DVD等の光ピックアップの1/4波長板や1/2波長板として有用である。
本発明の実施形態におけるフォトニック結晶の構造を示す図 成膜装置の概略構成を示す図 フォトニック結晶波長板を回転し波長板の切り出しを示す図 フォトニック結晶波長板の角度と各波長に応じた位相差の変化を示す図 別のフォトニック結晶波長板の角度と各波長に応じた位相差の変化を示す図 本実施形態の波長板の製作工程を説明するフローチャート
符号の説明
1 透明基板
2 低屈折率層
3 高屈折率層
4 多層膜
7 波長板
8 フォトニック結晶波長板
9 外形
10 真空槽
11 基板ホルダー
12 エッチング源
13 第1のターゲット
14 第2のターゲット
15 反応源

Claims (7)

  1. 一方向に周期凹凸構造を有する透明基板と、屈折率の異なる2種類以上の透明体を前記周期凹凸構造上に積層した多層膜よりなる積層周期構造体とを備え、前記透明基板上に前記積層周期構造体を形成してなり、所望の位相差のフォトニック結晶波長板を製造する方法であって、
    予めオリエンタルフラットが形成された透明基板の一方向に、周期凹凸構造を形成する工程と、
    積層周期構造体として前記周期凹凸構造上に屈折率の異なる2種類以上の透明体を積層して多層膜を形成する工程と、
    前記透明基板上に前記積層周期構造体を形成したフォトニック結晶波長板の位相差を、
    位相差測定器を用いて測定し、位相差測定器に対して、前記フォトニック結晶波長板を回転させて、前記所望の位相差を与えるときの回転角:θcを測定して基準調整値:Δθcとする工程と、
    前記オリエンタルフラットを基準として、前記フォトニック結晶波長板を方位軸方向に基準調整値:Δθcだけ回転して、波長板の基準を設定する工程とからなることを特徴とするフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法。
  2. 前記透明基板の一方向に周期凹凸構造を形成する工程において、前記透明基板の両方の面に周期凹凸構造を形成し、前記周期凹凸構造上に屈折率の異なる2種類以上の透明体を積層した多層膜よりなる積層周期構造体を設けてフォトニック結晶波長板を形成することを特徴とする請求項1記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法
  3. 前記フォトニック結晶波長板において、透明基板と積層周期構造体の多層膜との中間に反射防止機能を形成する工程を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法
  4. 前記フォトニック結晶波長板において、積層周期構造体となる多層膜の表面に反射防止機能を形成する工程を設けたことを特徴とする請求項1、2または3記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法
  5. 前記反射防止機能が、1種類もしくは複数種類の透明体よりなり単層もしくは複数層の光学薄膜であることを特徴とする請求項3または4記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法
  6. 前記フォトニック結晶波長板において、所望の位相差とするために、方位軸方向に回転させて切り出す工程を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法
  7. 前記フォトニック結晶波長板において、積層周期構造体となる多層膜として積層する透明体が、SiO およびAl 3 およびTa およびNb およびTiO のいずれかにより構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに1項に記載のフォトニック結晶を用いた波長板の製造方法
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