JP5169727B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸エステル製造用の強酸性陽イオン交換樹脂、及び強酸性陽イオン交換樹脂を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関するものである。なお、本明細書における(メタ)アクリル酸エステル(以下、「MMA」と称する場合がある。)は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの総称である。
(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応による(メタ)アクリル酸エステルの製造触媒としては、強酸性陽イオン交換樹脂が広く使用されている。強酸性陽イオン交換樹脂としては、多孔質タイプ(ポーラス型)、ゲルタイプ(ゲル型)のものが知られている。
特許文献1及び2に、前記(メタ)アクリル酸エステルの製造触媒として、ポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂が好適に用いることができると記載されている。
特許文献3及び4に、前記(メタ)アクリル酸エステルの製造触媒として、ゲル型の強酸性陽イオン交換樹脂が使用された実施例が記載されている。
特開平10−279523号公報 特開2005−263731号公報 特開2002−88019号公報 特開2003―206319号公報
特許文献1及び2に記載されているような従来公知のポーラス型陽イオン交換樹脂では、工業的な(メタ)アクリル酸エステルの製造に使用しようとした場合において、触媒活性が低く、さらには耐久性も低いという欠点があった。
また、特許文献3及び4に記載されているような従来公知のゲル型陽イオン交換樹脂では、耐久性が低いという問題があった。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、上記特許文献1〜4に記載されるような従来公知の陽イオン交換樹脂の耐久性が低い原因としては、ポーラス型、ゲル型に限らず、使用中に膨潤する傾向があること、及び膨潤性が高いほどイオン交換樹脂が破砕する可能性が高くなり、長期の使用に耐えられないことを見出した。その上で、この点に着目し、膨潤性の低い強酸性陽イオン交換樹脂、及びその製造方法を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、以下の(1)〜(5)に存する。
(1)下記(A)、(B)、及び(C)を満たすことを特徴とする、(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂。
(A)窒素吸着法で測定される表面積が2m2/g以下である
(B)架橋度が2重量%以上7.5%重量以下である
(C)膨潤度が2以下である
(当該膨潤度とは、下記式(I)で表される値である。
(前記強酸性陽イオン交換樹脂にメタクリル酸メチルモノマーを加え、70℃の恒温槽中で72時間静置することにより膨潤させた後の体積)/(H形に再生させた前記強酸性陽イオン交換樹脂の膨潤前の体積))・・・式(I))
(2)水分含有率が35重量%以上であることを特徴とする、(1)に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂。
(3)重合禁止剤を含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂。
(4)オリウムを0.1重量%以上含有する硫酸を用いてスルホン化する工程を有することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂の製造方法。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の強酸性陽イオン交換樹脂を用いることを特徴とする、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
本発明の強酸性陽イオン交換樹脂は耐久性に優れるものであり、長期間通して(メタ)アクリル酸エステルの製造反応に使用することができる。
さらに、本発明の強酸性陽イオン交換樹脂を用いれば、(メタ)アクリル酸エステルを高収率で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂、及びそれを用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関するものである。
[陽イオン交換樹脂]
本発明の陽イオン交換樹脂は、下記(A)、(B)、及び(C)を満たすことを特徴とするものである。
(A)窒素吸着法で測定される表面積が2m2/g以下である
(B)架橋度が2重量%以上7.5%重量以下である
(C)膨潤度が2以下である
(当該膨潤度とは、下記式(I)で表される値である。
(前記強酸性陽イオン交換樹脂にメタクリル酸メチルモノマーを加え、70℃の恒温槽中で72時間静置することにより膨潤させた後の体積)/(H形に再生させた前記強酸性陽イオン交換樹脂の膨潤前の体積))・・・式(I))
(A)表面積
本発明の陽イオン交換樹脂は、表面積が比較的小さいことをその特徴とする。
本発明の陽イオン交換樹脂は、乾燥状態での表面積が、通常2m2/g以下、好ましく
は、1m2/g以下、特に好ましくは 0.2m2/g以下である。表面積が小さい陽イオン交換樹脂を用いると、(メタ)アクリル酸エステル製造の収率が向上する傾向にあるので、0.1m2/g以下であることが最も好ましい。陽イオン交換樹脂の表面積が大きす
ぎると、収率が低下する傾向にある。
上記表面積は、窒素吸着法によって測定されるものであり、例えば、陽イオン交換樹脂を真空乾燥した後、マイクロメトリクス社製フローソーブ2300型を用いて測定することができる。
(B)架橋度
本発明の陽イオン交換樹脂は、その架橋度が通常2重量%以上、好ましくは2.5重量%以上、より好ましくは3重量%以上、また、通常7.5%重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは6重量%以下、更に好ましくは5.5重量%以下である。架橋度が高すぎると、(メタ)アクリル酸エステル製造の収率が低下する傾向にある。一方で、架橋度が低すぎると、(メタ)アクリル酸エステル製造の収率が低下する傾向にあり、さらには、通液する際に圧力損失が大きく、長期間使用するにはプロセス上の制約が多くなる場合がある。
触媒活性は、樹脂の架橋度に大きく依存する傾向にあり、架橋度が低い、即ち、ゲルの三次元網目構造が緩やかな陽イオン交換樹脂の方が、ゲルの内部で基質が拡散しやすく、触媒活性が高い傾向にある。特に、本発明の陽イオン交換樹脂がゲル型である場合、架橋度が7.5%より高くなると、基質がゲル内部に拡散しにくくなり、触媒活性が低下する傾向にある。
また、本発明の陽イオン交換樹脂がポーラス型である場合、沈澱溶媒(例えば、炭化水素類(イソドデカン、ドデカン、イソオクタン、ヘプタン類)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン)、アルコール類(アミルアルコール、エチルヘキサノール、オクタノール)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン))で重合したポリマーを用いて製造したものは、樹脂内部で基質が拡散しにくく、触媒活性が低下する傾向にある。本発明では、沈澱溶媒で合成したポーラス型樹脂よりも、例えば、ゲル型の樹脂のようにミクロポアが発達した三次元架橋構造を有する樹脂が好ましい。
なお、架橋度は、陽イオン交換樹脂を重合反応により製造する際に仕込み原料として用いる、いわゆる架橋剤であるモノマー中の多官能性ビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン)の含有率によって算出することができる。
(C)膨潤度
本発明の陽イオン交換樹脂は、膨潤性評価における膨潤度が小さいことをその特徴とする。
当該膨潤度とは、膨潤前のH形強酸性陽イオン交換樹脂の体積に対する、当該イオン交換樹脂にメタクリル酸メチルモノマーを加え、70℃の恒温槽中で72時間静置することにより膨潤させた後の体積の割合を示すものであり、下記式(I)で表される値である。(前記強酸性陽イオン交換樹脂にメタクリル酸メチルモノマーを加え、70℃の恒温槽中で72時間静置することにより膨潤させた後の体積)/(H形に再生させた前記強酸性陽イオン交換樹脂の膨潤前の体積))・・・式(I)
本発明の陽イオン交換樹脂の膨潤度は、通常2以下、好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.3以下であり、1に近いほど好ましい。膨潤度が小さい陽イオン交換樹脂を用いると、耐久性が向上する傾向にあり、長期間の使用が可能となる。一方、膨潤度が大きい陽イオン交換樹脂を用いると、長期間使用すると樹脂が膨潤することにより体積が増加してしまうので、耐久性が低下する傾向にある。
本発明のように膨潤度の小さい陽イオン交換樹脂は、重合条件や、スルホン化条件を制御することにより得ることができる。
これに対して、従来公知のイオン交換樹脂は、メタクリル酸メチルモノマー等の原料を含む溶液中に陽イオン交換樹脂を浸して加熱すると、重合反応が進むに連れて陽イオン交換樹脂が膨潤する傾向にある。陽イオン交換樹脂の粒径は、通常0.7mm程度であるが、膨潤すると1mmから3mm程度になる。この膨潤の原因は、以下のように考えられる。例えば、原料としてメタクリル酸メチルモノマー(以下、「MMAモノマー」と称する場合がある。)を用いる場合について考えると、重合反応においては、原料溶液中のMMAだけではなく、樹脂内部に拡散しているMMAの重合も進むが、このとき、原料溶液中に存在するMMAの方が、樹脂内部に拡散したMMAより重合が速く進む傾向にある。原料溶液中でポリメタクリル酸メチル(以下、「pMMA」と称する場合がある。)が重合されるにつれて、pMMAが樹脂内部に拡散しにくくなる傾向にあるが、ポーラス型の樹脂であれば細孔径が大きいため、樹脂内部にまで拡散することができる。樹脂内部でのMMAの重合が進むと、高分子量化、さらには極性が低下することで、樹脂自体がアルコールを吸収しやすくなる。この結果、樹脂内部でのMMAの重合反応が促進され、図4に表されるように樹脂が爆裂するくらい膨潤する現象が観察されるものと推測される。
このとき、本発明の陽イオン交換樹脂であれば、膨潤圧に耐えることができるので、図2に表されるように樹脂が破砕しにくく、耐久性が向上するものと考えられる。本発明においては、樹脂内部でMMAが重合しにくい環境にすることと、pMMAが樹脂の内部で重合しても膨潤圧に耐えられるようなゲル構造を形成することが重要である。
なお、膨潤度は、具体的には、以下の方法により測定することができる。膨潤性の評価試験には、予め以下のような処理を行ったメタクリル酸メチルモノマー(MMAモノマー)を用いる。メタクリル酸メチル(和光純薬製、特級試薬)、メトキノン(ハイドロキノンのメチルエーテルを50ppm含む。)100gを、ガラスカラムに充填した50℃で8時間真空乾燥したアルミナ(メルク製アルミナ 60メッシュ品)にSV2で通液することにより、重合禁止剤であるメトキノンを除去し、MMAモノマーを全量回収する。得られた溶液を60mmHg、36℃の条件下、減圧蒸留で精製する。具体的には、500mlのナスフラスコにクライゼンアダプターを装着し(具体的には、Y字型蒸留ヘッドを装着し、ジムロー冷却管で凝縮させる。冷却管には5℃の冷却液を循環させる。)、前記モノマー溶液を60mmHg、36℃の条件下で減圧蒸留を行なうことにより精製する。初留は仕込み重量に対し10%、釜残も10重量%残す。蒸留後は−20℃の冷蔵庫で保管し、3日以内に使用することが好ましい。
膨潤性の評価に用いる溶液としては、上述のようにして精製したMMAモノマー40重量%とメタノール60重量%とを混合して得られる、MMAモノマー溶液を用いる。
被検体である陽イオン交換樹脂に、2N−HClを10BVで通液することにより、H形に再生し、遠心分離器で付着水分を除去する。この陽イオン交換樹脂(水切り樹脂)を、メスシリンダーで20.0ml計り取り、200mlの耐圧性ガラス容器(耐圧硝子工業製)に入れ、そこに前記MMAモノマー溶液(メタノールを含む。)100gを加える。前記耐圧性ガラス容器に窒素ガスを0.5MPaまで加圧した後、大気圧まで戻す操作を3回繰り返し、圧力容器を窒素ガスで置換する。次いで、30℃で30分間加温し、その後、耐圧性ガラス容器を密栓する。この耐圧性ガラス容器を70℃の恒温槽中で静置する。72時間後、ゲル化したポリメタクリル酸メチル中の陽イオン交換樹脂の体積を測定し、試験前の20.0mlに対して、何倍に膨潤したかを計算することにより、前記膨潤度を算出することができる。
(D)水分含有率
本発明の陽イオン交換樹脂は、水分含有率が小さいことをその特徴とする。
本発明の陽イオン交換樹脂がゲル型である場合、そのイオン形がH形であるときの水分含有率が、通常85重量%以下、好ましくは、80重量%以下、特に好ましくは、75重量%以下であり、また、通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは55重量%以上である。
本発明の陽イオン交換樹脂がポーラス型である場合、そのイオン形がH形であるときの水分含有率が、通常80重量%以下、好ましくは、75重量%以下、特に好ましくは、70重量%以下であり、また、通常35重量%以上、好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。
(メタ)アクリル酸エステルの製造プロセスにおいて、水が副生成物として生成するため、水分含有率が大きい陽イオン交換樹脂を用いると、反応が抑制される傾向にある。一方、水分含有率が小さすぎても触媒活性が低下する傾向にある。
上記水分含有率は、例えば、以下のような手順で測定することができる。
<水分含有率の測定>
被検体である陽イオン交換樹脂に塩酸水溶液を接触させて、その陽イオン交換基を再生した後、遠心分離機等の適切な機器によって脱水し、脱水した陽イオン交換樹脂の適切量を秤量する。秤量した陽イオン交換樹脂を更に真空乾燥し、真空乾燥させた陽イオン交換樹脂の質量を測定する。そして、脱水後の質量と、真空乾燥後の質量から、陽イオン交換樹脂の水分含有量を算出することができる。また、カールフィッシャー水分計で、樹脂中の水分を直接測定することもできる。
(E)粒径
本発明の陽イオン交換樹脂は、その粒径が通常100μm以上、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上、また、通常1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは 700μm以下である。粒径が大きすぎると、陽イオン交換樹脂が破砕しやすい傾向にあり、特に、陽イオン交換樹脂を反応器に入れて原料を上向流で通液する場合においては、陽イオン交換樹脂の粒径が大きいと、陽イオン交換樹脂が流動しにくくなり、反応熱が蓄積しやすい傾向にある。粒径が小さすぎると、圧力損失が大きく原料を通液しにくい傾向にある。
陽イオン交換樹脂の粒径は、実際には、原料溶液により収縮するが、本発明においては、H形に再生し、水中で重量平均粒子径を測定した値を、陽イオン交換樹脂の粒径と定義する。
陽イオン交換樹脂の粒径、即ち、粒径重量平均粒子径の測定は、例えば、以下のような手順で行われる。
<重量平均粒子径測定法>
篩目の径が1180μm、850μm、710μm、600μm、425μm、300μmの篩を、下方になる程、篩目の径が小さくなる様に積み重ねる。この積み重ねた篩をバットの上に置き、最上段に積み重ねられた1180μmの篩の中に陽イオン交換樹脂を約100mL入れる。
水道水につないだゴム管から樹脂上にゆるやかに水を注ぎ小粒を下の方へ篩別する。1180μmの篩の中に残った陽イオン交換樹脂は、さらに以下の方法により、厳密に小粒を篩別する。即ち、別のバットの1/2位の深さまで水を満たし、1180μmの篩を前記バットの中で上下及び回転運動を与えて動揺させることを繰り返し、小粒を篩別する。
前記バットの中の小粒は次の850μmの篩の上へ戻し、また1180μmの篩の上に残った陽イオン交換樹脂はさらに別のバットに採取する。篩の目に陽イオン交換樹脂が詰まっていれば、篩をバットに逆に置き、水道水につないだゴム管に密着させ、水を強く流して篩の目に詰まった陽イオン交換樹脂を取り出す。取り出した陽イオン交換樹脂は、1180μmの篩上に残った陽イオン交換樹脂を採取したバットに移し、合計をメスシリンダーで容積を測定する。この容積をa(mL)とする。1180μmの篩を通った陽イオン交換樹脂は850μm、710μm、600μm、425μm、300μmの篩についてそれぞれ同様の操作を行い、メスシリンダーを用いて容積b(mL)、c(mL)、d(mL)、e(mL)、f(mL)を求め、最後に300μmの篩を通った樹脂の容積をメスシリンダーで測定しg(mL)とする。
V=a+b+c+d+e+f+gとし、a/V×100=a'(%)、b/V×100 =b'(%)、c/V×100=c'(%)、d/V×100=d'(%)、e/V×10 0=e'(%)、f/V×100=f'(%)、g/V×100=g'(%)を算出する。
前記a'〜g'より片軸に各篩の残留分累計(%)、他の軸に篩目の径(mm)をとり、これを対数確率紙上にプロットする。残留分の多い順に3点を取り、この3点を出来るだけ満足するような線を引き、この線から残留分累計が50%に相当する篩目の径(mm)を求め、これを重量平均粒子径とする。
なお、上記重量平均粒子径の算出法は、例えば三菱化学株式会社イオン交換樹脂事業部発行「ダイヤイオンI基礎編」第14版(平成11年9月1日)第139〜141頁に記載される公知の算出法である。
陽イオン交換樹脂の均一係数は、懸濁重合法で製造された場合は、通常、1.5前後であるが、粒径が均一となるように、均一の液滴を発生させ、その液滴を重合する方法において製造された場合は、均一係数が1.0〜1.1程度となる。本発明においては、いずれの樹脂を使用することも可能である。バッチ反応や懸濁状態でのバッチ反応、固定床による流通反応で使用する場合、均一粒径であることが好ましい。その均一係数は1以上、1.5以下、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.1以下である陽イオン交換樹脂であることが好ましい。粒径が均一な陽イオン交換樹脂を使用すると、下向流で通液する際に圧力損失が低くなる傾向にある。また、粒径が均一な陽イオン交換樹脂を上向流で通液すると、逆洗展開率が小さく、粒子の広がりが少なくなる傾向にあり、また、リフトベットで使用する場合においても、通液の圧力損失が小さくなる傾向にあり、好ましい。
(F)中性塩分解容量
本発明の陽イオン交換樹脂は、その体積当たりの中性塩分解容量(meq/ml)が、通常0.5meq/ml以上、2.5meq/ml以下である。本発明の陽イオン交換樹脂は、その体積当たりの中性塩分解容量が前記の範囲内にあることが好ましい。一般に、架橋度が高くなるほど、体積当たりの中性塩分解容量は高くなる傾向はあるが、体積当たりの中性塩分解容量が高くても、架橋度が高ければ基質である(メタ)アクリル酸やアルコール類が拡散しにくくなり、触媒活性が低下する傾向にある。
また、本発明の陽イオン交換樹脂の乾燥重量当たりの中性塩分解容量(meq/g−乾燥樹脂)は、一般に、架橋度が高くなるとスルホン化反応が進みにくくなるため、架橋度が低い方が高くなる傾向にある。具体的には、通常4.0meq/g−乾燥樹脂以上が好ましい。
中性塩分解容量とは、強酸性陽イオン交換容量と定義され、スルホン酸基の含有率を表す。この中性塩分解容量は、例えば、以下のような手順で測定される。
<中性塩分解容量測定法>
本発明の陽イオン交換樹脂の中性塩分解容量は、以下の方法で分析され測定される。
先ず、陽イオン交換樹脂をカラムに詰め、これに樹脂容量の25倍量の2N−HCl水溶液を通液し、対イオンをH形に変換し、脱塩水で水洗する。この樹脂を10.0ml採り、ガラスカラムに充填し、洗浄濾液が中性になるまで十分に脱塩水で洗浄する。その後5%NaCl水溶液を25倍量通液し流出液を全て捕集する。この流出液を1N−塩酸で滴定することにより、中性塩分解容量を測定する。これを1mlの樹脂当たりに換算し、体積当たりの中性塩分解容量を算出する。一方、H形に再生した10.0mlの樹脂を取り、これを遠心分離器で水切り状態にして、水切り後の樹脂の重量を測定する。この樹脂を真空乾燥器で、50℃で8時間乾燥し、乾燥後の樹脂重量を測定する。この水切り状態の重量と乾燥後の重量から乾燥重量当たりの中性塩分解容量を算出する。
(G)化学構造
イオン交換樹脂は、イオン交換基を有する溶媒不溶性の球状又は粉末状のプラスチックと定義できる。
このプラスチックの素材としては、一般的にはスチレン系樹脂のものが多く、スチレンジビニルベンゼンの架橋共重合体で形成されており、この重合体にイオン交換基が化学結合で固定化されている。
本発明の陽イオン交換樹脂が有するイオン交換基としては、上述のような特性を有するものであれば特に制限はないが、強酸性のものが好ましい。具体的には、スルホン酸基、パフルオロアルキルスルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、中でもスルホン基が好ましい。より具体的には、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体をスルホン化したものであることが好ましい。
[陽イオン交換樹脂の製造方法]
本発明の陽イオン交換樹脂は、水相と油相とを別々に調整し、水相と油相とを重合反応させることにより調整することができる。より具体的には、分散剤を溶解した水性媒体(水相)に、重合開始剤を含む架橋作用を有する二官能性不飽和単量体の混合物(油相)を加え、撹拌して懸濁液を形成し、次いで所定の重合温度に保持することにより行なわれる。
〈水相〉
水性媒体としては、水を用いることができる。
分散剤としては、キサンタンガム、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体の加水分解物及びその塩、カルボキシメチルセルロース、ハイドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチンなど常用のものを用いることができる。
また、必要に応じてpHを適正に維持するためアルカリや硼酸塩などの緩衝塩を加えてもよい。
〈油相〉
架橋作用を有する二官能性不飽和単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニルエチルベンゼン等の芳香族単量体類、エチレングリコールポリ(メタ)アクリレート等の脂肪族単量体等を用いることができる。必要に応じて、これらの溶液の2種以上を併用してもよい。
ポーラス型樹脂の場合は、多孔化するために、上記二官能性不飽和単量体に加えて沈殿溶媒を用いることが好ましい。沈殿溶媒としては、具体的には、炭化水素類(イソドデカン、ドデカン、イソオクタン、ヘプタン類)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン)、アルコール類(アミルアルコール、エチルヘキサノール、オクタノール)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン)等を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネイト、アセチルアセトンパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘイサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、ジーt−ヘキシルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジーt−ヘキシルパーオキベンゾエート等の脂肪族のパーオキシエステルを用いることができる。
ラジカル重合開始剤(以下、単に「重合開始剤」と称する場合がある。)の使用量は、重合開始剤の種類や、上記の二官能性不飽和単量体(以下、単に「原料モノマー」と称する場合がある。)や多孔化のための沈澱溶媒の種類及び組成比により変化するので一概には決められないが、原料モノマーに対して通常0.03重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、また、通常5重量%以下、好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1.5重量%以下である。重合開始剤の使用量が0.03重量%未満だと、重合が実質的に進まないことがある。また、重合開始剤の使用量が5重量%を超えると、経済的でない上に、場合によっては重合中に発泡したり、重合によって得られる組成物の分子量が著しく小さくなったり、開始剤が残留したり、樹脂の強度が低下したりすることがある。
〈重合反応〉
原料モノマーの混合物と水性媒体との比率(容積比)は、一般に1:10〜1:1とし、水性媒体の方を多くすることが好ましい。
重合反応は、通常、油相と水相とを混合した懸濁液を、攪拌しながら加熱することにより行う。
重合温度及び重合時間については、使用する重合開始剤の種類及びその使用量により異なるため一概には規定できないが、重合温度については通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは150℃以下の範囲である。また、重合時間については、通常0.5時間以上、好ましくは2時間以上、また、通常24時間以下、好ましくは12時間以下の範囲である。
この重合反応は、常圧、もしくは、1.5気圧〜5気圧程度の条件下において行なうことができる。
本発明において重合方法は特に限定されないが、球状の共重合体を生成させる為には、水または他の水性媒体中でモノマー混合物及び重合開始剤を撹拌により懸濁状態を保ちつつ重合反応を行う。
重合反応終了後は、適宜、洗浄、乾燥を行うことが好ましい。
〈陽イオン交換基の導入〉
導入する陽イオン交換基としては、スルホン基が好ましい。スルホン基の導入に用いる試薬としては、硫酸(濃硫酸であることが好ましい。)、発煙硫酸、クロロ硫酸等が挙げられ、中でも、濃硫酸が好ましい。具体的な濃硫酸の濃度としては、通常95重量%以上、好ましくは 98%重量%以上、更に好ましくは100重量%以上である。
中でも、オリウムを含有する硫酸を用いることが好ましい。ゲル型の陽イオン交換樹脂の場合、0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上のオリウムを含有する硫酸を用いることが好ましい。また、ポーラス型の陽イオン交換樹脂の場合、ゲル型の場合よりもオリウム含有量を多くすることが好ましく、具体的には、1重量%以上、好ましくは3重量%以上、更に好ましくは5重量%以上、特に好ましくは7重量%以上のオリウムを含有する硫酸を用いることが好ましい。
陽イオン交換基の導入の際に、オリウムを含有する硫酸を用いて製造した陽イオン交換樹脂を用いると、乾燥重量当たりの中性塩分解容量(meq/g−乾燥樹脂)が高くなり、陽イオン交換樹脂が膨潤しにくくなるという効果が得られるからである。特に、ポーラス型の樹脂においては、陽イオン交換基導入時のオリウム濃度は高い方が、前記膨潤度が小さくなる傾向があり、耐久性が向上するので好ましい。そのため、ポーラス型の樹脂では、必ずしも硫酸を用いる必要はなく、オリウム濃度を上げるため、通常、スルホン化反応において使用される溶媒を少なくする、あるいは、溶媒を添加しないで、高濃度のオリウム溶液を用いてスルホン化してもよい。
なお、上記のオリウムを含有する硫酸に代えて、オリウムを含有する硫酸と、濃度100%以下の硫酸(例えば、濃度98%の硫酸や、濃度95%の硫酸)を混合してスルホン化することもできる。
陽イオン交換基の導入の際に用いる溶媒としては、ニトロメタン、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロホルム、ジクロルプロパン等のハロゲン化炭化水素類等の他、ニトロベンゼン、クロロベンゼン等も用いることができる。あるいは、無溶媒で陽イオン交換基を導入することも可能である。
陽イオン交換基の導入は、上記の試薬(濃硫酸等)と、上述の重合反応により得られた重合体とを反応させることにより行なうことができる。この際、上記の試薬(濃硫酸等)の添加量(溶媒を含む。)は、重合体を浸す程度の量が好ましい。
陽イオン交換基の導入の際の反応温度は、通常30℃以上、好ましくは50℃以上であり、反応時間は、1時間以上、好ましくは2時間以上、また、通常24時間以下、好ましくは12時間以下、更に好ましくは8時間以下である。
〈重合禁止剤の添加〉
陽イオン交換樹脂に重合禁止剤を添加すると、樹脂表面や樹脂内部で(メタ)アクリル酸誘導体のポリマーによる有機汚染が抑制されるという効果が得られるため、好ましい。
重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、フェノチアジン誘導体(具体的には、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α―ジメチルベンジル)フェノチアジン等が挙げられる。)、TEMPO又はその誘導体(TEMPOとは、即ち、ピペリジン−1−オキシルを有する化合物であって、具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ等が挙げられる。)、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)、ニトロソ化合物(具体的には、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシアミン、ニトロソジフェニルアミン、ジメチルニトロソアミン、亜硝酸イソアミル等が挙げられる。)等を用いることができる。これらの重合禁止剤は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記の重合禁止剤の中でも、重合禁止能に優れることから、アミノ基を有するものが好ましく、より具体的には、フェノチアジン、メチレンブルー、4−アミノ−TEMPO、DPPHが特に好ましい。
重合禁止剤の添加量は、その種類により異なるが、陽イオン交換樹脂1Lに対し、通常10ppm以上、好ましくは50ppm以上であり、また、通常1%以下、好ましくは5000ppm以下である。
[(メタ)アクリル酸エステルの製造方法]
本発明の製造方法は、前述した本発明の陽イオン交換樹脂を用いることを必須とするものである。本発明の陽イオン交換樹脂を用いていれば、その他の製造条件については、公知の手法を用いることができる。例えば、本発明の陽イオン交換樹脂が充填された固定床あるいは攪拌機を備えたバッチ式の反応器に、原料である(メタ)アクリル酸とアルコールとを供給することにより、(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。
固定床で製造する場合、原料の通液量は特に制限されないが、強酸性陽イオン交換樹脂に対して、通常0.1倍量以上、好ましくは0.2倍量以上、更に好ましくは0.2倍量以上であり、また、通常10倍量以下、好ましくは5倍量以下、更に好ましくは3倍量以下である。
固定床で反応させる場合、反応器の容積に対して、強酸性陽イオン交換樹脂を30%から95%充填することができる。塔径に対する(樹脂を自然沈降させた)樹脂の充填層高の比率は、通常0.2以上、好ましくは0.5以上であり、また、通常10倍以下である。
(メタ)アクリル酸エステル製造反応における原料としては、(メタ)アクリル酸と、アルコール類及び/又はエステル類(以下、単に「アルコール類」と称する場合がある。)である。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、2−エチルヘキサノール、メトキシエタノール等を用いることができる。
エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等を用い
ることができる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル等の炭素数4以下のエステルを用いることが好ましい。これらのエステル類を原料として用いれば、エステル交換反応により(メタ)アクリル酸エステルを合成することができる。
これらの原料を、陽イオン交換樹脂に接触させることにより(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合、これらの原料の組成比は、(メタ)アクリル酸に対するアルコール類の比率は、モル比で通常0.1以上、好ましくは0.3以上、また、通常10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。この比率が大きすぎたり小さすぎたりすると、目的物の生産性が低下する傾向にある。
上記の原料に加えて、原料以外の有機溶媒を添加することもできる。これにより、低沸点成分のアルコールや水を除去しながら、製造することも可能である。添加する有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。その添加量は、原料の(メタ)アクリル酸に対して、通常0倍量から10倍量、好ましくは0倍量から3倍量である。
原料の通液方向は下向流であっても、上向流であってもよい。原料の通液速度は、一般に、投入した樹脂量に対する空間速度で、通常0.1以上、好ましくは0.2以上、また、通常10以下、好ましくは5以下である。粒径の小さい樹脂に対し、原料を上向流で通液すると、樹脂が浮遊してしまうことがある。原料の通液速度を速くした場合には、陽イオン交換樹脂を反応器上部に固定した状態で(リフトベットで)原料を通液してもよい。
陽イオン交換樹脂に原料を接触させる温度としては、通常、25℃以上、好ましくは40℃以上、また、通常140℃以下、好ましくは120℃以下である。反応温度が低いと反応速度が小さくなり、生産性が悪くなる傾向にある。反対に、反応温度が高すぎると、原料の(メタ)アクリル酸や生成物の(メタ)アクリル酸エステルが重合し、陽イオン交換樹脂に蓄積してしまうことがあり、これも反応速度の低下の原因となり得る。
また、この反応は、原料の種類、組成比等により異なるが、常圧、もしくは、0.1MPa〜1MPaの条件下において行なうことができる。
なお、製造反応の様式としては、連続的に原料を供給する方法、回分式(バッチ式)に製造する方法等が挙げられる。蒸留塔を備えたバッチ反応槽で反応を行うことも可能であり、バッチ反応槽を複数器有する場合は、一方に、(メタ)アクリル酸、もう一方にアルコール類を供給しながら、蒸留反応を行うこともできるという利点がある。
その他、多段反応蒸留器(例えば、理論段数25段の反応蒸留器に、上部に7段、下部に3段の蒸留器を有するものがある。)を用いて製造することもできる。具体的には、反応蒸留器のうちの一部(例えば、10段中5段)について、強酸性陽イオン交換樹脂を充填し、樹脂を充填した反応蒸留器の上段に(メタ)アクリル酸を供給し、樹脂を充填した反応蒸留器の下段に原料のメタノール等の低沸点のアルコールを供給し、常圧状態または減圧状態で蒸留することにより、(メタ)アクリル酸エステルを合成することができる。
以下に、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
[物性値の測定方法]
後述する各実施例、及び比較例で用いた強酸性陽イオン交換樹脂の物性値、及び(メタ)アクリル酸エステルの収率は、以下の方法で測定、及び算出することができる。
<粒径>
篩目の径が1180μm、850μm、710μm、600μm、425μm、300μmの篩を、下方になる程、篩目の径が小さくなる様に積み重ねた。この積み重ねた篩をバットの上に置き、最上段に積み重ねられた1180μmの篩の中に陽イオン交換樹脂を約100mL入れた。
水道水につないだゴム管から樹脂上にゆるやかに水を注ぎ小粒を下の方へ篩別した。1180μmの篩の中に残った陽イオン交換樹脂は、さらに以下の方法により、厳密に小粒を篩別した。即ち、別のバットの1/2位の深さまで水を満たし、1180μmの篩を前記バットの中で上下及び回転運動を与えて動揺させることを繰り返し、小粒を篩別した。
前記バットの中の小粒は次の850μmの篩の上へ戻し、また1180μmの篩の上に残った陽イオン交換樹脂はさらに別のバットに採取した。篩の目に陽イオン交換樹脂が詰まっていれば、篩をバットに逆に置き、水道水につないだゴム管に密着させ、水を強く流して篩の目に詰まった陽イオン交換樹脂を取り出した。取り出した陽イオン交換樹脂は、1180μmの篩上に残った陽イオン交換樹脂を採取したバットに移し、合計をメスシリンダーで容積を測定した。この容積をa(mL)とした。1180μmの篩を通った陽イオン交換樹脂は850μm、710μm、600μm、425μm、300μmの篩についてそれぞれ同様の操作を行い、メスシリンダーを用いて容積b(mL)、c(mL)、d(mL)、e(mL)、f(mL)を求め、最後に300μmの篩を通った樹脂の容積をメスシリンダーで測定しg(mL)とした。
V=a+b+c+d+e+f+gとし、a/V×100=a'(%)、b/V×100 =b'(%)、c/V×100=c'(%)、d/V×100=d'(%)、e/V×10 0=e'(%)、f/V×100=f'(%)、g/V×100=g'(%)を算出した。
前記a'〜g'より片軸に各篩の残留分累計(%)、他の軸に篩目の径(mm)をとり、これを対数確率紙上にプロットした。残留分の多い順に3点を取り、この3点を出来るだけ満足するような線を引き、この線から残留分累計が50%に相当する篩目の径(mm)を求め、これを重量平均粒子径(陽イオン交換樹脂の粒径)とした。
<水分含有率>
10倍量の2N−HCl水溶液を用いてH形に再生した陽イオン交換樹脂をメスシリンダーで正確に10.0mlを取り、遠心分離機によって脱水した。この樹脂を全量秤量瓶に移し、50℃で8時間真空乾燥し、真空乾燥させた陽イオン交換樹脂の質量を測定した。そして、脱水後の質量と、真空乾燥後の質量から、陽イオン交換樹脂の水分含有量を算出した。
<中性塩分解容量>
10倍量の2N−HCl水溶液を用いてH形に再生した陽イオン交換樹脂をメスシリンダーで正確に10.0mlを取った。この樹脂をカラムに充填し、25倍量の5%NaCl水溶液を通液した。食塩水の流出液を全て捕集した。この流出液を1N−NaOH又は0.1N−NaOHで滴定することにより、中性塩分解容量を測定し、これを1mlの樹脂当たりに換算し、体積当たりの中性塩分解容量を算出した。
H形に再生した10.0mlの樹脂を測り取り、これを遠心分離器で水切り状態にして、水切り後の樹脂の重量を測定した。この樹脂を真空乾燥器で、50℃で8時間乾燥し、乾燥後の樹脂重量を測定した。この水切り状態の重量と乾燥後の重量とから乾燥重量当たりの中性塩分解容量を算出した。
<表面積>
窒素吸着法により測定を行なった。具体的には、陽イオン交換樹脂を、50℃で8時間、真空乾燥した後、マイクロメトリクス社製フローソーブ2300型を用いて、表面積を測定した。
<架橋度>
ジビニルベンゼン含有量を算出し、架橋度として掲載した。
<膨潤性の評価方法>
膨潤性の評価に用いたメタクリル酸メチルモノマー(以下、「MMAモノマー」と称する場合がある。)として、予め下記のような処理を行ったものを用いた。メタクリル酸メチル(和光純薬製、特級試薬)、メトキノン(ハイドロキノンのメチルエーテルを50ppm含む。)100gを、ガラスカラムに充填した50℃で8時間真空乾燥したアルミナ(メルク製アルミナ 60メッシュ品)にSV2で通液することにより、重合禁止剤であるメトキノンを除去し、MMAモノマーを全量回収した。得られた溶液を60mmHg、36℃の条件下、減圧蒸留で精製した。具体的には、500mlのナスフラスコにクライゼンアダプターを装着し(具体的には、Y字型蒸留ヘッドを装着し、ジムロー冷却管で凝縮させた。冷却管には5℃の冷却液を循環させた。)、前記モノマー溶液を60mmHg、36℃の条件下で減圧蒸留を行なうことにより精製した。初留は仕込み重量に対し10%、釜残も10重量%残した。蒸留後は−20℃の冷蔵庫で保管し、3日以内に使用した。
膨潤性の評価に用いる溶液としては、上述のようにして精製したMMAモノマー40重量%とメタノール60重量%とを混合した、MMAモノマー溶液を用いた。
被検体である陽イオン交換樹脂に、2N−HClを10BVで通液することにより、H形に再生し、遠心分離器で付着水分を除去した。この陽イオン交換樹脂(水切り樹脂)を、メスシリンダーで20.0ml計り取り、200mlの耐圧性ガラス容器(耐圧硝子工業製)に入れ、そこに前記MMAモノマー溶液(メタノールを含む。)100gを加えた。前記耐圧性ガラス容器に窒素ガスを0.5MPaまで加圧した後、大気圧まで戻す操作を3回繰り返し、圧力容器を窒素ガスで置換した。次いで、30℃で30分間加温し、その後、耐圧性ガラス容器を密栓した。この耐圧性ガラス容器を70℃の恒温槽中で静置した。72時間後、ゲル化したポリメタクリル酸メチル中の陽イオン交換樹脂の体積を測定した。膨潤前の体積(20.0ml)と、72時間後(膨潤後)の体積の値を下記式(I)に代入することにより、膨潤度を算出した。
(前記強酸性陽イオン交換樹脂にメタクリル酸メチルモノマーを加え、70℃の恒温槽中で72時間静置することにより膨潤させた後の体積)/(H形に再生させた前記強酸性陽イオン交換樹脂の膨潤前の体積))・・・式(I)
〈流通反応における評価〉
(実験装置)
液体クロマトグラフィー用ポンプ(島津製作所製、LC−6A)に、約2mのSUS製HPLC配管で、SUS316カラム(20mmφ×25cm GLサイエンス製)を接続した。前記カラムに、H形に再生した陽イオン交換樹脂75.0mlを水スラリー状態で充填した。陽イオン交換樹脂を充填したカラム出口には、反応液の冷却用に長さ1mのSUS製HPLC配管を接続し、流出液は100mlのメスシリンダーで受けられるようにした。前記メスシリンダーの下に電子天秤を設置し、流速を測定することができるようにした。前記SUSカラムを深底バス(直径24cm×深さ44cm。上下の攪拌のため、バス内にスリーワンモーターを1台設置した。)の中に入れ、SUSカラムが垂直になるように設置し、深底バス内でSUSカラムを脱塩水に浸した。水銀温度計、及びスリーワンモーターに接続した攪拌羽根により、深底バスは、内温が80.0℃となるように温度を制御した。なお、カラム出口はモノマー液を冷却するため、−5℃のブライン水を通じたシリコンチューブをトレースした。
(原料溶液の調整)
反応の原料となる試薬としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、ハイドロキノン、メトキノン(4−メトキシフェノール)、フェノチアジン(以上全て、東京化成品)、メタノール(低水分50ppm以下、特級品、キシダ化学品)使用し、メタクリル酸とメタノールとが組成比でメタクリル酸1.0モルに対し、メタノール2.0モルを含む溶液となるように調製した。具体的には、メタクリル酸 860.3g、メタノール640.7gに加えて、ハイドロキノン 0.751g、メトキノン0.762g、フェノチアジン0.765gの3種類の重合禁止剤を添加し、室温で攪拌して溶解した。
(陽イオン交換樹脂の前処理)
H形に再生した陽イオン交換樹脂を、前記SUSカラムに充填した。次いで、特級メタノール(キシダ化学品 無水メタノール)150mlを、SV2の流速で、上向流で通液することにより、陽イオン交換樹脂をメタノールで置換した。水からメタノールに置換すると陽イオン交換樹脂は収縮する傾向にあるが、それもその樹脂の実力としてそのまま評価した。更に、上述のようにして調製した原料溶液(即ち、メタクリル酸とメタノールとの混合溶液)150mlを、SV2の流速で、上向流で通液することにより、陽イオン交換樹脂を原料溶液で置換した。
(MMA合成反応、及びその分析)
前記原料溶液を、樹脂量75.0mlに対し75.0g/時間の流速で(即ち、SV1の流速で)、上向流で前記SUSカラムに通液した。前記SV(空間速度)は仕込み時の体積を基準に表示したものである。
前述したように、陽イオン交換樹脂の仕込み時の体積は水スラリー状態で75mlであるが、前記原料溶液に置換すると、陽イオン交換樹脂が約65ml〜70ml程度(樹脂により異なる)に収縮した。
前記メスシリンダーに流出した溶液を、30分毎又は1時間毎にサンプリングした。勿論、原料溶液や反応溶液が粘調になり通液が不能になることはなかった。
サンプリングした溶液を、ガスクロマトグラフィー分析で評価した。具体的には、ガスクロマトグラフィー装置(アジレント社製、Agilent 6850シリーズ)にキャピラリーカラム(HP−5)(内径0.2mmφ×0.33μm×50mカラム)を装着し、このカラムにサンプル溶液1.0μlを、スプリット比200/1で直接注入し、FID検出器で分析した。検量線からMMAの含有量を分析し、収率を算出した。
いずれの実施例、比較例においても反応開始、2時間後にMMAの収率は平衡状態に達したので、4時間目の収率で評価した。
〈バッチ反応(脱水系)による評価〉
(原料溶液の調整)
メタクリル酸426.4g(東京化成品)と、メタノール318.5g(キシダ化学品、無水品)とを入れ(メタノールとメタクリル酸とが2:1(モル比)となるようにした。)、さらに重合禁止剤として、ヒドロキノン(東京化成品)0.371g、メトキノン(p−メトキシヒドロキノン)(東京化成品)0.369g、フェノチアジン(東京化成品)0.364gを加えて溶解し、原料溶液を調整した。なお、フェノチアジンは10分間ほど室温で攪拌したところ、溶解した。
(陽イオン交換樹脂の前処理)
陽イオン交換樹脂に、予め、2N−HClを10BV通液し、H形に再生した。この陽イオン交換樹脂をメスシリンダーで20.0ml計り取り、これを遠心分離器で水切りした。このようにして水切りした陽イオン交換樹脂20.0mlを、300mlの三角フラスコに入れ、50℃で12時間、真空乾燥器を用いて真空乾燥を行なった。
(MMA合成反応、及びその分析)
上述のようにして得られた原料溶液を、予め50.0℃に加温していた振盪器に浸し加温した。50℃に加温した原料溶液50.0gを、上記三角フラスコ(陽イオン交換樹脂を含む。)に加え、恒温振盪器(設定温度50.0℃)を用いて120spm(ストローク長4cm)で振盪した。120spmという振盪速度は、陽イオン交換樹脂が流動状態を維持できる振盪速度である。
反応開始から2時間毎に、フラスコの上澄み液1mlをピペットでサンプリングした。8時間後の溶液をサンプリングして、前記〈流通反応による評価〉と同様の条件でガスクロマトグラフィー分析を行なった。
〈バッチ反応(水切り系)による評価〉
(原料溶液の調整)
メタクリル酸428.65g(東京化成品)と、メタノール319.11g(キシダ化学品、無水品)とを入れ(メタノールとメタクリル酸とが2:1(モル比)となるようにした。)、さらに重合禁止剤として、ヒドロキノン(東京化成品)0.388g、メトキノン(p−メトキシヒドロキノン)(東京化成品)0.357g、フェノチアジン(東京化成品)0.365gを加えて溶解し、原料溶液を調整した。
(陽イオン交換樹脂の前処理)
真空乾燥を行なわなかったこと以外は、前記〈バッチ反応(脱水系)による評価〉と同様の条件で、陽イオン交換樹脂の前処理を行なった。即ち、陽イオン交換樹脂に、予め、2N−HClを10BV通液し、H形に再生した。この陽イオン交換樹脂をメスシリンダーで20.0ml計り取り、これを遠心分離器で水切りした。このようにして水切りした陽イオン交換樹脂20.0mlを、300mlの三角フラスコに入れた。
(MMA合成反応、及びその分析)
前記〈バッチ反応(脱水系)による評価〉と同様の条件で、MMA合成反応、及びその分析を行なった。
[実施例1]
(反応器)
重合反応用の反応器として、攪拌翼、圧力計、窒素管、温度計を取り付けたガラス製重合缶を使用した。
(水相)
水相として、2%ポリビニルアルコール:以下適宜「PVA」と略す。)水溶液15mlと、0.1%メチレンブルー水溶液10mlとを含む水溶液1075mlを調製した。水相中の溶存酸素を除去するため、水相溶液を攪拌しながら窒素ガスを50ml/分で30分間流通した。
(油相(モノマー相))
原料モノマーとして、スチレン(St)249gと63%ジビニルベンゼンのモノマー溶液12.44gとを用いるとともに、重合開始剤として、75%BPO(日本油脂製 純度75%過酸化ベンゾイル)0.78gを用い、これらを混合して油相(モノマー相)を調製した。
(重合反応)
前記水相と前記油相とを、前記反応器に入れた。窒素ガスで置換する脱気操作を3回繰り返すことにより、反応器中の気相を窒素に置換した。次いで、30℃で30分間、110rpmで攪拌し、懸濁液とした。2時間かけて80℃まで昇温し、80℃で8時間保持した。得られた重合体を反応器から取り出して脱塩水で洗浄し、真空乾燥器を用いて50℃で8時間乾燥した。
(陽イオン交換基の導入)
乾燥後の重合体100gを、容量2Lの3つ口フラスコに入れ、溶媒として二塩化エチレン300g(3.0(g/重合ポリマー1g))を加え、50℃で1時間攪拌し、樹脂を膨潤させた。この中に、表1に示すように、重合ポリマー100gに対し、98%硫酸600g、及び25%オリウム350gを加えた。30℃から3時間かけて80℃まで昇温し、80℃で8時間保持した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、脱塩水を加えながら硫酸を除去した。その後、得られた重合体を取り出し、純水で洗浄することにより、陽イオン交換樹脂を得た。
[実施例2]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を258g、ジビニルベンゼンの含有量を18.9g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.69gとしてモノマー相を調整したこと、及び、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を4.5(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを2.5(g/重合ポリマー1g)の割合で添加したこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例3]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を245g、ジビニルベンゼンの含有量を16.4g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.52gとしてモノマー相を調製したこと、及び(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を4.5(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを2.0(g/重合ポリマー1g)の割合で添加し、溶媒として二塩化エチレンの代わりにニトロベンゼンを用いて、110℃で反応させたこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例4]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を220g、ジビニルベンゼンの含有量を14.7g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.75gとしてモノマー相を調製したこと、(重合反応)において、小粒径の陽イオン交換樹脂を得るために攪拌速度450rpmで重合を行なったこと(これにより、約140μmの重合ポリマーを得た。)、及び、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を3.0(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.5(g/重合ポリマー1g)の割合で添加したこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例5]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を224g、ジビニルベンゼンの含有量を15.2g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.72gとしてモノマー相を調製したこと、(重合反応)において、小粒径の陽イオン交換樹脂を得るために攪拌速度550rpmで重合を行なったこと(これにより、約120μmの重合ポリマーを得た。)、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を3.0(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.5(g/重合ポリマー1g)の割合で添加したこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例6]
実施例3の(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を6.0(g/重合ポリマー1g)の割合で添加して、スルホン化を行ったこと以外は、実施例3と同様の条件で陽イオン交換樹脂を得た。
(重合禁止剤の添加)
得られた陽イオン交換樹脂(H形)を遠心分離器で水切りした。この水切りした陽イオン交換樹脂500mlを2Lのビーカーに入れ、この中へメタノールを加え、900mlの溶液とし、攪拌羽根を取り付けた攪拌機を用いて攪拌することにより、陽イオン交換樹脂をスラリー状態とした。
この中に、重合禁止剤としてフェノチアジン50mgをメタノールに溶解した溶液を、5分間かけて滴下ロートで添加し、30分間攪拌した。その後、脱塩水を加えてメタノール溶液を脱塩水に置換した。
[実施例7]
実施例6において、フェノチアジンの代わりに、4−アミノTEMPO(4-Amino-2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxy)を用いた。
具体的には、得られた陽イオン交換樹脂(H形)を遠心分離器で水切りした。この水切りした陽イオン交換樹脂500mlを2Lのビーカーに入れ、この中へ脱塩水を加え、950mlの溶液とし、攪拌羽根を取り付けた攪拌機を用いて攪拌することにより、陽イオン交換樹脂をスラリー状態とした。
この中に、重合禁止剤としてアミノTEMPOを50mg含むメタノール溶液50mlを、滴下ロートを用いて5分間かけて滴下し、添加後、30分間攪拌した。その後、脱塩水を加えてメタノール溶液を脱塩水に置換した。
[実施例8]
4−アミノTEMPOの代わりに、DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)を用いた以外は、実施例7と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例9]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を152g、ジビニルベンゼンの
添加量を16.0g、ポリスチレン(重量平均分子量50000)の添加量を42.1g、過
酸化ベンゾイルの添加量を0.90gとしてモノマー相を調整したこと、(陽イオン交換基の導入)において、98%硫酸を1.5(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを3.5(g/重合ポリマー1g)、溶媒としてニトロベンゼンを3.0(g/重合ポリマー1g)の割合で使用し、105℃でスルホン化したこと以外は実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例10]
(陽イオン交換基の導入)において、25%オリウムを7.5(g/重合ポリマー1g)の割合で添加して、105℃で5時間スルホン化したこと以外は実施例9と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[実施例11]
(重合反応)において、SUS製の加圧重合缶を用いて重合温度を80℃から120℃で8時間重合したこと以外は、実施例9と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例1]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を151g、ジビニルベンゼンの含有量を5.0g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.36gとしてモノマー相を調整したこと、及び、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を8.0(g/重合ポリマー1g)、溶媒として二塩化エチレンを5.0(g/重合ポリマー1g)の割合で使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例2]
実施例3の(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸とオリウムの混合溶液の代わりに、98%硫酸を6.0(g/重合ポリマー1g)の割合で用いたこと以外は、実施例3と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例3]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を145g、ジビニルベンゼンの含有量を9.8g、2−エチルヘキサノール78.3g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.92gとしてモノマー相を調整したこと、及び、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を3.0(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.0(g/重合ポリマー1g)、溶媒として二塩化エチレンを4.0(g/重合ポリマー1g)の割合で使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例4]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を152g、ジビニルベンゼンの含有量を16.0g、n−ヘプタン93.6g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.90gとしてモノマー相を調整したこと、及び、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を1.5(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.0(g/重合ポリマー1g)、溶媒として二塩化エチレンを4.0(g/重合ポリマー1g)の割合で使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例5]
得られた陽イオン交換樹脂に重合禁止剤を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例6]
油相(モノマー相)において、スチレンの添加量を171.6g、ジビニルベンゼンの含有量を58.4g、過酸化ベンゾイルの添加量を0.52gとしてモノマー相を調製したこと、及び(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸を2.0(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.5(g/重合ポリマー1g)の割合で使用したこと以外は、実施例3と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例7]
比較例7の陽イオン交換樹脂として、ロームアンドハース社製のアンバーリスト15を用いた。
[比較例8]
比較例8の陽イオン交換樹脂として、ランクセス社製のレバチットK2629を用いた。
[比較例9]
比較例9の陽イオン交換樹脂として、ランクセスのレバチットSP112を用いた。[比較例10]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を157g、ジビニルベンゼンの添加量を22.8g、ポリスチレン(重量平均分子量50000)の添加量を38.6g、過
酸化ベンゾイルの添加量を0.75gとしてモノマー相を調整したこと、(陽イオン交換基の導入)において、98%硫酸を1.5(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.5(g/重合ポリマー1g)、溶媒としてニトロベンゼンを5.0(g/重合ポリマー1g)の割合で使用し、105℃でスルホン化したこと以外は実施例9と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例11]
(油相(モノマー相))において、スチレンの添加量を78.4g、ジビニルベンゼンの含有量を51.6g、イソドデカン70.0g、過酸化ベンゾイルの添加量を1.45gとしてモノマー相を調整したこと、及び、(カチオン交換基の導入)において、98%硫酸の添加量を1.5(g/重合ポリマー1g)、25%オリウムを1.5(g/重合ポリマー1g)とし、溶媒としてニトロベンゼンを4.0(g/重合ポリマー1g)の割合で使用したこと以外は、比較例4と同様の条件で陽イオン交換樹脂を製造した。
[比較例12]
比較例12の陽イオン交換樹脂として、ロームアンドハース社製のデュオライトC26Hを用いた。
[実施例及び比較例で得られた陽イオン交換樹脂の評価結果]
実施例及び比較例で得られた陽イオン交換樹脂を、前述の測定方法で各物性値を測定して、その結果を表1に示す。なお、表1中の「オリウム濃度(重量%)」は、98%硫酸に含まれる2%の水分を考慮して実際のオリウム濃度を算出したものである。
Figure 0005169727
実施例で得られた陽イオン交換樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの収率が高い傾向にあり、さらに、膨潤度も低いことから、(メタ)アクリル酸エステルの製造に際し、長期に渡って使用することができる。
また、上記<膨潤性の評価方法>における、膨潤前後の変化がわかるよう、実施例10及び比較例3の膨潤前後の写真を図1〜4に示す。実施例10の膨潤前を図1、膨潤後を図2とし、比較例3の膨潤前を図3、膨潤後を図4とした。図2では、陽イオン交換樹脂
の周りにpMMAが観察されるが、陽イオン交換樹脂自体の形状の変化は観察されない。一方、図4では、陽イオン交換樹脂が膨潤し、その圧力に耐え切れずに爆裂し、ポップコーン状になっているのが観察される。
本発明の強酸性陽イオン交換樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの製造に好適に用いることができるため、産業上の利用可能性は極めて高い。
実施例10で製造した陽イオン交換樹脂の膨潤前の写真を示す。 実施例10で製造した陽イオン交換樹脂の膨潤後の写真を示す。 比較例3で製造した陽イオン交換樹脂の膨潤前の写真を示す。 比較例3で製造した陽イオン交換樹脂の膨潤後の写真を示す。

Claims (5)

  1. 下記(A)、(B)、及び(C)を満たす
    ことを特徴とする、(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂。
    (A)窒素吸着法で測定される表面積が2m2/g以下である
    (B)架橋度が2重量%以上7.5%重量以下である
    (C)膨潤度が2以下である
    (当該膨潤度とは、下記式(I)で表される値である。
    (前記強酸性陽イオン交換樹脂にメタクリル酸メチルモノマーを加え、70℃の恒温槽中で72時間静置することにより膨潤させた後の体積)/(H形に再生させた前記強酸性陽イオン交換樹脂の膨潤前の体積))・・・式(I))
  2. 水分含有率が35重量%以上である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂。
  3. 重合禁止剤を含有する
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂。
  4. オリウムを0.1重量%以上含有する硫酸を用いてスルホン化する工程を有する
    ことを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造用強酸性陽イオン交換樹脂の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる
    ことを特徴とする、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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