JP5167668B2 - 感光性樹脂組成物、及び物品 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ可溶性化合物、それを含む樹脂組成物、及びそれらを用いた物品に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、加熱により分解しにくく、アルカリ水溶液に対する親和性や溶解性を付与するアルカリ可溶性化合物、また、そのアルカリ可溶性化合物を含み加熱による分解物の発生が少ない樹脂組成物、および当該アルカリ可溶性化合物を含有する感光性樹脂組成物、及び当該樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されている高耐熱性、高安定性の物品に関する。
紫外線等の放射線の照射によって硬化するか又は溶解性が変化する感光性樹脂は、一般に、露光部の溶解性が良好なもの(ポジ型)と、未露光部の溶解性が良好なもの(ネガ型)の2種に分類される。ネガ型の場合、感光性樹脂自体が露光により硬化し不溶になることから、感光性樹脂が基材上に残存し機能膜として製品の一部となる場合が多い。
ネガ型の感光性樹脂は当初、例えば塗料、印刷インキ、オーバーコート層、接着剤、印刷原版等に用いられてきたが、近年、プリント配線板の配線保護用のソルダーレジストや、層間絶縁膜、カラーフィルターの画素、反射防止膜、ホログラム等を形成するためのレジスト等にまで用途が広がってきている。
一般に多く用いられるネガ型の感光性樹脂の一つに、エチレン性不飽和結合を一つ以上有する化合物、光照射によりラジカルを発生させる光ラジカル開始剤、及び、必要に応じて、現像性や塗膜の柔軟性等を付与する高分子化合物、無機フィラー、顔料等を配合した樹脂組成物がある。この組成物に放射線を照射すると、エチレン性不飽和結合を有する化合物がラジカル反応により結合し、大分子量化して硬化する。
また、これらの感光性樹脂組成物に露光をすることによって、溶解性を変化させたのちに、有機溶媒や水、アルカリ性又は酸性の水溶液等で処理することにより、露光部(ポジ型)や未露光部(ネガ型)のみを除去し所望のパターン像を得ることが出来る。処理液としては環境負荷の観点や、コスト、作業環境の観点から水溶液、特にアルカリ性の水溶液が選ばれることが多い。
アルカリ水溶液で現像を行うタイプのレジストは、現像性を付与する為にカルボキシル基やフェノール性水酸基を有する部位又は、露光後にカルボキシル基やフェノール性水酸基を与える潜在的な置換基をその組成内に含んでいる事が多い。
一般的なレジストには、そういったアルカリ現像性を付与する構造として、高分子化合物やレジストを構成する他の低分子量成分に、アルカリ水溶液に対する溶解性又は親和性を与えるような部位を含むものが用いられている。
一般に、ネガ型感光性樹脂組成物を構成する成分であるエチレン性不飽和結合を1つ以上含む化合物は、疎水性が高く現像液であるアルカリ水溶液に溶解しにくいため、現像時に残渣として基板上に残存し不具合の原因となる場合がある。こういった課題を解決する為、特許文献1及び特許文献2などのように、エチレン性不飽和結合と水酸基を有する化合物に、酸無水物を反応させて、ハーフエステルとすることで、親水性、且つ、アルカリ可溶性のカルボキシル基を導入するという試みがなされている。さらに、水酸基を含有する高分子にハーフエステル構造を導入し、アルカリ可溶性の高分子とし、感光性樹脂組成物のバインダー成分として用いる場合もある(特許文献3)。
ハーフエステルを形成する酸無水物としては、例えば、特許文献2には、飽和又は不飽和酸無水物、具体的には無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水へキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ヘット酸、無水メチルナジック酸、無水イタコン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等などが例示されている。
これらの中で、無水コハク酸や無水ヘキサヒドロフタル酸などの飽和酸無水物を用いて得られたハーフエステル部位を有するアルカリ可溶性化合物は、不飽和酸無水物によって得られたハーフエステル化合物より耐熱性に劣るという課題があった。
一方、不飽和酸無水物から得られるハーフエステル構造は、飽和酸無水物を用いて得られたハーフエステル構造よりも耐熱性が高いものの、不飽和酸無水物が分子内共役構造の酸無水物基を有する場合には安定であることから、不飽和酸無水物と水酸基を有する化合物からハーフエステルを合成する反応は可逆反応となる。そのため、分子内共役構造の酸無水物基を有する不飽和酸無水物から得られるハーフエステル化合物は、加熱により、元の酸無水物と水酸基を有する化合物に分解してしまう(下記式(3))。それゆえ、従来の不飽和酸無水物から得られたハーフエステル部位を有する化合物は、加熱と共にそれを含んだ塗膜の劣化を招いたり、不飽和酸無水物が揮発し、周囲の環境を汚染したりといった課題を有していた。
Figure 0005167668
分解ガスが発生すると、耐光性の悪化、着色や退色、塗膜のはがれやクラックの発生等を引き起こし、最終製品、例えば電子部品用の層間絶縁膜やソルダーレジスト、カラーフィルター用画素形成用レジストの信頼性を低下させる原因になるという問題がある。
特に、液晶ディスプレーのカラーフィルターなどのディスプレー部材や、プリント配線板のソルダーレジストなどの電子部品などでは、その製造工程中で150℃以上の加熱工程があり、さらに高いレベルの信頼性が求められる為に、それらを構成する部材の耐熱性や加熱後の膜の劣化、加熱時の揮発成分の有無などの要求が厳しく、現像時の残渣を低減する改善が必要であると共に、耐熱性や低アウトガスなどの特性が求められている。
特公平1−54390号公報 特開平8−259663号公報 特開2004−359879号公報
本発明は、耐熱性が高く、特に加熱時に分解し難くてアウトガスを発生し難く、且つ有機溶剤に対する溶解性及びアルカリ水溶液に対する親和性、溶解性を有するアルカリ可溶性ハーフエステル化合物、及び、それを含む樹脂組成物、及びそれらを用いた物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明により提供される感光性樹脂組成物は、水酸基を有する重合体と、下記式(1)で表される酸無水物とを反応させて得られるアルカリ可溶性ハーフエステル化合物(以下、単に「本発明に係るアルカリ可溶性化合物」という場合がある。)を必須成分として含有し、樹脂組成物中に重合性不飽和結合を含有する
Figure 0005167668
(式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。Zは、それぞれ独立に、窒素原子、又は置換基Rが結合した炭素原子であり、ここでの置換基Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。また、前記R〜R及び置換基Rのいずれかが、互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物は、好適な態様としては、水酸基を有する重合体と、下記式(1’)で表される酸無水物とを反応させて得られるアルカリ可溶性ハーフエステル化合物である。
Figure 0005167668
(式(1’)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物は、下記式(4)や(4’)に表されるように、芳香環の連結部位を1,1’位とした場合に、2,2’位という特定の部位に酸が結合した酸無水物と、水酸基を有する化合物とを反応させたものであるので、2つの芳香環が連結した骨格のうち異なる芳香環にそれぞれ結合するカルボキシル基とエステル基からなるハーフエステル部位を有することが特徴的である。
Figure 0005167668
(式(4)において、ZとR〜Rは、式(1)と同じである。式(4’)において、ZとR〜Rは、式(1’)と同じである。Aは1価以上の有機基である。)
本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物は、芳香環に由来する高い耐熱性、及び上記のような特異な構造のハーフエステル部位に由来する高い熱分解温度を示しながら、アルカリ水溶液に対する親和性、溶解性を有するので、感光性樹脂組成物、特にアルカリ水溶液による現像工程を必要とするパターン形成材料(レジスト材料)の成分として好適に用いられる。
本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、ビフェニル骨格の2つのベンゼン環など2つの芳香環のπ平面が、その置換基同士の立体障害により平面構造を取らない。その為、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物は、式(3)のように同一平面上にカルボキシル基とエステル基が存在する場合と異なり、加熱により元の酸無水物と水酸基を有する化合物に分解しない。従って、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物は、加熱時に分解し難いためアウトガスを発生し難く、高い熱分解温度を示す。更に本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物は、ビフェニル骨格など、2つの芳香環が連結した骨格の部分が嵩高い立体構造を有している為、有機溶媒への溶解性にも優れる。また、ビフェニル骨格など、2つの芳香環が連結した骨格が芳香環のπ平面のねじれによりπ共役構造が短くなっているので、他の芳香環を複数有してそれらが連結している化合物に比べて、透明性に優れるというメリットも有する。
本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、分子内に重合性不飽和結合を1つ以上有することが好ましい。光や熱などの外部からの刺激によって重合反応(硬化反応)をすることが出来る。さらに、重合性不飽和結合を一分子内に2個以上有している場合には、外部からの刺激によって重合反応(硬化反応)が開始されると、架橋反応が進行する為、より硬く、Tgが高く、耐熱性の優れた塗膜を形成することが出来る。
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、酸無水物と反応しハーフエステル部位を形成する前記水酸基を有する重合体の水酸基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との反応によって形成されたものである場合には、種々のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、種々のフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との組み合わせによって、さまざまな特性のアルカリ可溶性化合物を設計することが可能となる。
本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、前記水酸基を有する重合体の水酸基が、重合性不飽和結合を分子内に有するエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との反応によって形成されたものである場合には、所望の特性を有する重合性のアルカリ可溶性化合物を容易に調製することができる点から好ましい。
特に、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物として、種類の多い脂肪族エポキシ化合物を用いることで、特性の制御が比較的容易に可能となる。また、脂肪族エポキシ化合物は透過率等が良好であることから、得られるアルカリ可溶性化合物の透過率も向上する。
また、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物として、分子量が40〜3000の間であるエポキシ化合物を用いることが反応の収率の向上、反応時間を短縮できる点から好ましい。
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、前記重合性不飽和結合の部位は、下記式(2)で表されるものであることが、反応性が高く、耐熱性が良好な塗膜を得ることができる点から好ましい。
Figure 0005167668
(式(2)において、R〜R11は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又は、一価の有機基である。それらは互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、重量平均分子量が、1000以上1000000以下であることが、取り扱いの容易さ、硬化性、溶解性・相溶性の点から好ましい。
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、2%重量減少温度が、150℃以上であることが、アルカリ可溶性化合物を用いた膜を形成する際や、形成した膜から分解ガスを発生し難い点から好ましい。
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性化合物においては、25℃において、濃度2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に対する溶解度が0.1重量%以上であることが、アルカリ可溶性の点から好ましい。
発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液に対する親和性、または溶解性を有するので、塗膜を形成後、アルカリ水溶液を用いることにより剥離等の処理を行うことが出来る。
さらには、本発明の感光性樹脂組成物は、重合性不飽和結合が含有されているので、本発明に係る感光性樹脂組成物を所定のパターンに塗布するか或いは所定の形状に成形した後に熱や光等の刺激を外部から加えると、重合性不飽和結合を有する配合成分によってさまざまな重合反応を起こし、硬化及び/又は溶解性の変化を引き起こすことができる。
また、上記のような手法を用い、外部からの刺激を所望のパターンで適用させることにより、部分的に溶解性の異なった塗膜を得ることができ、その後アルカリ水溶液で処理することにより、部分的に塗膜を除去し、パターンを得ることが出来る。
このようにして得られた硬化物、パターンは、本発明のアルカリ可溶性化合物由来の高い耐熱性、及び、透明性、低アウトガスといった特性を示す。
その結果、最終製品の信頼性を低下させる問題も解決する。また、露光時の臭気(アウトガス)の発生がない為、製造設備の汚染が抑制され、且つ、作業環境が向上する。
本発明に係る感光性樹脂組成物、所定のパターンに塗布するか或いは所定の形状に成形した後に光を照射すると、配合成分によってラジカル二量化反応や、ラジカル性架橋反応等、さまざまなラジカル反応が進行し、硬化及び/又は溶解性の変化を引き起こすことができる。本発明に係る感光性樹脂組成物がパターン形成材料、例えばレジスト材料として用いられる場合には、本発明のアルカリ可溶性化合物に由来するアルカリ水溶液に対する親和性増大の効果により、未露光部のアルカリ水溶液に対する現像特性が改善し、現像残渣などが発生しにくくなる。
前記本発明に係る感光性樹脂組成物においては、前記アルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合以外の反応性官能基を有する硬化反応性化合物、光重合開始剤、及び、重量平均分子量3000以上の高分子化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1成分を、更に含有しても良い。このようにして、組成物の未硬化状態での成膜性及び硬化後の塗膜物性を適宜調節することができる。
前記本発明に係る感光性樹脂組成物を、パターン形成材料として、或いは、塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料の形成材料として用いる場合には、製品や膜が高耐熱性、高安定性となる効果がある。また、加熱時のアウトガスが発生しにくい為、製造装置の汚染が抑制され、作業環境が向上する。
また、本発明に係る物品は、前記本発明に係る感光性樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料いずれかの物品である。
本発明のアルカリ可溶性化合物は、耐熱性が高く、特に加熱時に分解し難くてアウトガスを発生し難く、且つ有機溶剤に対する溶解性及びアルカリ水溶液に対する溶解性を有する。本発明のアルカリ可溶性化合物は、本発明のアルカリ可溶性化合物は、アルカリ性溶液に対する親和性、溶解性を付与する剤として機能する。
本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、特異な構造を示すハーフエステル部位を有するため、従来のハーフエステル化合物が有していた反応後の分解物に起因する様々な問題、例えば、作業安全性の問題や、耐熱性・耐光性の悪化や、着色や退色、塗膜のはがれやクラックの発生等、最終製品の信頼性を低下させる問題や、アウトガスが発生する問題も全て解決することができる。
また、本発明のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物を必須成分とする樹脂組成物は、従来のハーフエステル部位を有する化合物を含んだ樹脂組成物と異なり、加熱によって分解物を生成する問題が生じない。そのため、成形体や膜が高耐熱性、高安定性となる効果があり、最終製品の信頼性を低下させる問題も解決する。また、加熱時にアウトガスが発生しにくい為、生産設備の汚染が抑制されると共に作業環境が向上する。
本発明に係る感光性樹脂組成物がパターン形成材料、例えばレジスト材料として用いられる場合には、本発明のアルカリ可溶性化合物に由来するアルカリ水溶液に対する親和性増大の効果により、未露光部のアルカリ水溶液に対する現像特性が改善し、現像残渣などが発生しにくくなる。
本発明に係る樹脂組成物は、パターン形成材料(レジスト)、コーティング材、印刷インキ、接着剤、充填剤、電子材料、成形材料、3次元造形等、光の照射によって硬化したり又は溶解性が変化する材料が用いられている公知の全ての分野・製品に利用できるが、特に、耐熱性が必要で高度の信頼性を要求される、塗料、印刷インキ、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料を形成するのに適している。
本発明に係る印刷物、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料いずれかの物品は、高耐熱性、高安定性の樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されているため、製品や膜としても高耐熱性、高安定性であり、そのため生産の歩留まりも高いというメリットがある。
以下において本発明を詳しく説明する。なお本発明において照射光は、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。樹脂組成物の硬化には、主に、波長が2μm以下の電磁波、電子線、電離放射線等が使用される。また本明細書で、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれであっても良いこと、(メタ)アクリロキシとは、アクリロキシ又はメタクリロキシのいずれであっても良いことを意味する。
先ず、本発明に係るアルカリ可溶性化合物について説明する。
本発明により提供されるアルカリ可溶性化合物は、水酸基を有する化合物と、下記式(1)で表される酸無水物とを反応させて得られる、アルカリ可溶性ハーフエステル化合物である。
Figure 0005167668
(式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。Zは、それぞれ独立に、窒素原子、又は置換基Rが結合した炭素原子であり、ここでの置換基Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。また、前記R〜R及び置換基Rのいずれかが、互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
本発明のアルカリ可溶性化合物は、アルカリ溶液、特にアルカリ水溶液に対する親和性、又は溶解性が良好であり、且つ、熱安定性が良好である。本発明のアルカリ可溶性化合物は、アルカリ性溶液に対する親和性、溶解性付与剤として機能する。
さらには、重合性不飽和結合を有する置換基を導入することによって、光の照射や加熱等によって重合反応を起こす。重合性不飽和結合が導入されている場合にはラジカル反応を起こしたり、ラジカル重合をしたりすることができる。また、特に光に対する感度を高めたい場合には、光ラジカル発生剤などを添加することによって反応効率を高めることが出来る。
さらにアルカリ可溶性化合物が一分子内に重合性不飽和結合を2つ以上有する場合には、架橋反応し、網目構造の高分子を形成することもできる。ここで、架橋とは、架橋結合を生成することをいい、架橋結合とは、鎖状に結合した原子からなる分子のうちの任意の2原子間に橋をかけるようにして形成された結合をいい、この場合の結合は、同一分子内でも他分子間でも良い(化学辞典 東京化学同人 p.1082)。
式(1)で表される本発明のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物が、分解が起こりにくく熱安定性が非常に優れたものとなる理由を、以下、類似構造の化合物と対比させながら説明する。
酸無水物と水酸基を有する化合物から得られる化合物の一般的な例として、無水フタル酸(PHA)とエタノール(EtOH)からハーフエステル化合物を得る反応は以下のように示される。
Figure 0005167668
このとき、PHAは、酸無水物部位が安定な5員環構造であり、分子全体にわたってπ共役構造を示す平面構造であるので非常に安定であること、また得られたハーフエステルのエステル結合とカルボキシル基の位置関係、距離が固定されていることから、加熱等によって脱アルコール反応が進行し、原料に戻ってしまう。
この反応は、PHAに限らず、無水マレイン酸や、テトラヒドロフタル酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、2,3−ナフタル酸無水物など、酸無水物基が共役構造をとり、平面に存在しているものは、同様の傾向を示す。
一方で、本発明のアルカリ可溶性化合物は、以下に示すような理由により、脱アルコール反応が起こりにくい。下記に本発明のアルカリ可溶性化合物として、エタノールと上記式(1)で表される酸無水物の一例とを反応させて得られる、アルカリ可溶性ハーフエステル化合物を示す。
Figure 0005167668
本発明のアルカリ可溶性化合物は、連結した2つの芳香環を有し、芳香環の連結部位を1,1’位とした場合に、2,2’位という特定の位置にエステル基及びカルボキシル基が結合している。
具体例として、本発明のアルカリ可溶性化合物は、2,2’位という特定の位置にエステル基及びカルボキシル基が結合したビフェニル骨格を有する。このようなビフェニル骨格を有するハーフエステル構造は、そのエステル基やカルボキシル基の立体障害によりビフェニル骨格の2つのベンゼン環のπ平面が、特に室温付近では同一平面状に存在できない。その為、本発明のアルカリ可溶性化合物に含まれるハーフエステル構造は、エステル基やカルボキシル基の距離が遠くなり、分解反応、すなわちエステル結合とカルボキシル基との反応が進行しにくい。加えて、ハーフエステルから脱アルコール反応によりできると考えられる酸無水物が、酸無水物部位の歪が大きい7員環構造をとるジフェン酸無水物であることから、その歪エネルギーを越えるような熱エネルギーが脱アルコール反応には必要とされる為、さらに脱アルコール反応に対する障壁は高くなり、反応は非常に進行しにくくなる。
その為、上記のような本発明のアルカリ可溶性化合物に含まれるハーフエステル構造に熱が加わった時に、ハーフエステルの分解が起こりにくく熱安定性が非常に優れたものとなる。
本発明のアルカリ可溶性化合物は、例えば、ビフェニル骨格を構成する2つのベンゼン環の2位と2’位に、それぞれエステル結合とカルボキシル基が結合しているものであり、異なるベンゼン環に結合する置換基(エステル結合とカルボキシル基)の間でハーフエステル構造を形成するところに特徴がある。同様にビフェニル骨格にハーフエステル部位を有する化合物であっても、その置換基の位置が本発明と異なり、同じベンゼン環に結合する置換基の間でハーフエステル構造を形成するもの(例えば、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物由来の構造)の場合、上記無水フタル酸(PHA)と同様に加熱等によって脱アルコール反応が進行して原料に戻りやすく、これらを用いた場合、本質的にPHAと同様に逆反応が進行しやすく、化合物の熱分解温度が低くなる。
このようなメカニズムによって本発明のアルカリ可溶性化合物は、加熱の際に分解しにくくなるので、2つの芳香環の3位、4位、5位、6位(式(1)に示されるZ及びR〜R)や、ビフェニル骨格の2つのベンゼン環の3位、4位、5位、6位に直接結合している置換基(式(1’)に示されるR〜R)は、基本的のどのような構造であっても本発明が目的とする機能は発現する。
本発明のアルカリ可溶性化合物は、ビフェニル骨格以外にも、式(1)で表されるような複素環を含む芳香環骨格となっている場合でも、酸無水物が、式(1)に示されるような7員環構造をとっていれば本発明の目的を達することが出来る。式(1)で表される芳香環のうち、複素環としては、ピリジン環やピリミジン環が挙げられる。
このような酸無水物としては具体的には、例えば2,2’−ビピリジン−3,3’−ジカルボン酸の無水物(この場合の1,1’位はピリジン環のNの位置として表現されている)が挙げられる。
特に、その入手の容易さやコストの関係から、本発明のアルカリ可溶性化合物は、水酸基を有する化合物と、下記式(1’)で表される酸無水物とを反応させて得られる、請求項1に記載のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物であることが好ましい。
Figure 0005167668
(式(1’)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
また、前記R〜R及び置換基Rのいずれかが、互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。これらが互いに結合を介して形成する環状構造とは、シクロヘキシル基等の脂肪族性の環構造だけでなく、例えば、R、Rに芳香環が結合してナフタレン構造をとるものなども含まれる。また、環構造は芳香族性の縮合環であっても、脂肪族性の環構造であっても良く、さらに環構成原子として炭素原子以外の異種原子を含んでいても良い。
本発明のアルカリ可溶性化合物を樹脂組成物中に配合する時の溶解性を向上させたい場合には、式(1)に示されるR〜R及びZにおける置換基Rや、式(1’)に示されるR〜Rに導入される置換基としては、炭素数1〜15の飽和及び不飽和アルキル基、炭素数1〜15の飽和及び不飽和アルコキシ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基等を選択することが好ましい。
また、本発明のアルカリ可溶性化合物を樹脂組成物中に配合する時のアルカリ可溶性を更に向上させたい場合には、式(1)に示されるR〜R及びZにおける置換基Rや、式(1’)に示されるR〜Rに導入される置換基として、カルボキシル基又はカルボキシル基を含有する有機基を含んでいても良い。但し、RとRのように同じベンゼン環に隣接して存在する2つの置換基がカルボキシル基であると、上記無水フタル酸(PHA)と同様に加熱等によって脱アルコール反応が進行して原料に戻りやすいため、置換基としてカルボキシル基を導入する場合は同じベンゼン環に隣接して存在しないようにすることが好ましい。また、式(1)における6,6’位のZが共に置換基Rを有する炭素原子である場合の2つの置換基R、並びに、式(1’)におけるRとRは、共にカルボキシル基でなく、酸無水物を形成していない方が、ゲル化防止の点から好ましい。RとRがカルボキシル基であり、その2つのカルボキシル基が酸無水物となってる場合に、その酸無水物も水酸基と反応し、ゲル化しやすくなる傾向がある。
また、上記のように本発明のアルカリ可溶性化合物の、式(1)に示されるR〜R及びZにおける置換基Rや、式(1’)に示されるR〜Rにカルボキシル基を有していなくても、分子内にカルボキシル基が含まれている場合には、そのカルボキシル基の数の増大に伴いアルカリ水溶液に対する親和性が向上する。例えば、後述する、式(1)で表される酸無水物と反応させる水酸基を有する化合物中にカルボキシル基が含まれていても良い。
本発明のアルカリ可溶性化合物が、1分子内に1つ以上の重合性不飽和結合を含む場合には、本発明のアルカリ可溶性化合物は光や熱の刺激によって重合反応を起こすことが出来る。本発明のアルカリ可溶性化合物は、1分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有していることが、反応後のアルカリ可溶性化合物の架橋度を上げる点から好ましい。架橋度が向上すると、柔軟性は低下するものの硬く耐熱性の良好な硬化物が得られる。なお、2つ以上の重合性不飽和結合が存在する場合には、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。本発明のアルカリ可溶性化合物が分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有する態様としては、式(1)に示されるR〜R及びZにおける置換基Rや、式(1’)に示されるR〜Rに導入される置換基中、及び/又は、後述する水酸基を有する化合物中に2つ以上の重合性不飽和結合が含まれていることが挙げられる。
ここで本発明における重合性不飽和結合には、重合性二重結合や重合性三重結合が含まれる。重合性二重結合を構成する官能基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アリルメチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及び、2−トリフルオロメチルアクリロイル基などが挙げられる。重合性三重結合を構成する官能基としては、エチニル基、2−プロピニル基などが挙げられる。
本発明のアルカリ可溶性化合物に含まれるカルボキシル基、および重合性不飽和結合の数は、アルカリ可溶性化合物の親和性・溶解性を持たせたい対象のアルカリ水溶液の濃度や現像などのプロセスの温度、また、硬化性や、硬化後の物性などにより、適宜調整することが好ましい。
また、本発明のアルカリ可溶性化合物を、感光性樹脂組成物の1部として配合し用いる場合には、重合性不飽和結合の部位としてそのうち少なくとも1つは下記式(2)の構造を有していることが、その硬化性、感度、硬化後の機械的、力学的物性の点から好ましい。
Figure 0005167668
(式(2)において、R〜R11は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又は、一価の有機基である。それらは互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
アルカリ可溶性化合物に含まれる重合性不飽和結合上のR、R10及びR11は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又は、一価の有機基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。また、1価の有機基としては、置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、置換又は無置換の芳香族炭化水素基等の炭化水素骨格を有する基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖でも分岐でも環状でも良い。1価の有機基としては、炭素数1〜20程度が好ましい。これら1価の有機基は、酸素や窒素などヘテロ原子等の、炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよい。重合性不飽和結合上のR、R10及びR11は、互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。置換基が互いに結合した環状構造とは、シクロヘキシル基等の脂肪族性の環状構造だけでなく、例えば、R、R11が結合してシクロヘキセン構造をとるものなども含まれる。また、さらに環構成原子として炭素原子以外の異種原子を含んでいても良い。
好ましいR、R10及びR11は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、又は、飽和又は不飽和ヒドロキシアルキル基であり、特に好ましくは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシメチル基である。特に、価格やラジカル反応の速度の観点、最終的な塗膜の物性の観点から、重合性不飽和結合は、Rが水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシメチル基である。特に、価格やラジカル反応の速度の観点、最終的な塗膜の物性の観点から、重合性不飽和結合は、Rが水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシメチル基であり、且つ、R10及びR11がそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子であることが最も好ましい。
重合性不飽和結合の好ましい例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、及び、2−トリフルオロメチルアクリロイル基が挙げられる。
また、入手の容易さ、合成の簡便さから上記式(2)で表される重合性不飽和結合部位のCOO−が、直鎖、分岐鎖、又は、1つ以上の環構造をもつ炭素数1〜20の炭化水素基に結合していることが好ましい。その炭素骨格の途中に、脂肪族又は芳香族の環状の部位、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミノ結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、チオカルバメート結合、カルボジイミド結合、又は、カーボネート結合を含んでいても良い。例えば、エチレンなど、−(CHn−(nは自然数)で表される基や、−CHCH−(O−CHCHn−(nは自然数)、−CH(CH)CH−(O−CH(CH)CHn−(nは自然数)などのエーテル結合を有するものなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
重合性の化合物は、ネガ型感光性樹脂組成物等の樹脂組成物の硬化性や、硬化後の特性を大きく支配する。例えば、重合性不飽和結合1つ辺りの分子量が小さい重合性のアルカリ可溶性化合物は、硬化後の塗膜の硬度を高める作用があり、逆に重合性不飽和結合1つ辺りの分子量が大きい重合性のアルカリ可溶性化合物は硬化後の塗膜の柔軟性を高める作用がある。従って、所望の物性を発現するように、本発明の重合性アルカリ可溶性化合物に導入される重合性不飽和結合の数や、重合性不飽和結合以外の置換部分の構造を、適宜選択する。
次に、本発明のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物に用いられる水酸基を有する化合物について説明する。
本発明に用いられる水酸基を有する化合物としては、酸無水物と反応してハーフエステルを形成するものであれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、脂肪族アルコール性水酸基を有する化合物である。本発明に用いられる水酸基を有する化合物としては、高分子化合物であっても、低分子化合物であっても良い。本発明に用いられる水酸基を有する化合物は、1分子中に水酸基を2つ以上有していても良く、その場合には、水酸基を有する化合物が有している水酸基の全て又はその一部が、式(1)で表される酸無水物と反応してハーフエステル構造を形成する。本発明のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物は、このように水酸基を有する化合物を広範な範囲で選択することにより、所望の特性に応じたアルカリ可溶性化合物を、安価に簡便に合成できるものである。
中でも、本発明に用いられる水酸基を有する化合物が、重合性不飽和結合を有する場合には、本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、重合性のアルカリ可溶性化合物となり、光や熱の刺激によって重合反応を起こすことが出来る。本発明に用いられる水酸基を有する化合物が1分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有している場合には、1分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有している架橋反応が可能な重合性アルカリ可溶性化合物を、容易に調製することが可能である。
水酸基を有する化合物のうち重合体としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートのような水酸基を有する(メタ)アクリレートの重合体、及び、水酸基を有する(メタ)アクリレートと他の重合性不飽和結合を有する化合物との共重合体などが挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリレートと共重合する他の重合性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキシド)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
水酸基を有する化合物のうち重合体ではない化合物としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキサノール、1−プロパノール、2−プロパノール、等の脂肪族アルコール、フェノール、クレゾール、ハイドロキノン、メトキノン、等の芳香族アルコール等が挙げられる。また、水酸基と重合性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びこれら化合物のε−カプロラクトン付加物;等が挙げられる。
また、本発明に用いられる水酸基を有する化合物としては、水酸基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との反応によって形成されたものを利用することが出来る。このようにして得られる水酸基を有する化合物は、構造選択の自由度が高い点から好ましい。
比較的安価で構造選択の幅の広いエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、種々のフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との組み合わせによって、さまざまな特性のアルカリ可溶性化合物を設計することが可能となる。
特に、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基として、種類の多い脂肪族エポキシ化合物を用いることで、特性の制御が比較的容易に可能となる。また、脂肪族エポキシ化合物は透過率等が良好であることから、得られるアルカリ可溶性化合物の透過率も向上する。
また、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物として、分子量が40〜3000の間であるエポキシ化合物を用いることが、反応の収率の向上、反応速度の点から好ましく、分子量が80〜500の間であることがさらに好ましい。
中でも、カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する種々の化合物に、エポキシ基及び/又はオキセタニル基と重合性不飽和結合とを有する種々の化合物を反応させたり、カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基と重合性不飽和結合とを有する種々の化合物に、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する種々の化合物を反応させることで、様々な水酸基と重合性不飽和結合を同時に有する化合物を得ることができる。このようにして得られる水酸基と重合性不飽和結合を同時に有する化合物を用いれば、所望の特性に応じた本発明の重合性アルカリ可溶性化合物を、安価に簡便に合成できる。
上記のエポキシ基を有する化合物のうち、エポキシ基を1つ有する単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、中でも重合性不飽和結合を含有するものとして、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、エポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等があげられる。
上記のオキセタニル基を有する化合物のうち、オキセタニル基を1つ有する単官能オキセタンの例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、中でも重合性不飽和結合を含有するものとして、(メタ)アクリロキシエチルオキシオキセタン等が挙げられる。
オキセタニル基を2つ以上有する多官能オキセタンの例としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3'−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
上記カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する化合物としては、特に限定されないが、酢酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の重合性不飽和結合含有カルボン酸、及びそれらの(共)重合物、フェノール、ハイドロキノン、フロログリシノール、4−メトキシフェノール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、4―エトキシフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2,6−ジメトキシクレゾール、4−アセトキシフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール,カリックスアレン等のフェノール性水酸基を有する化合物、フェノール−ノボラック樹脂、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有高分子などが挙げられる。
本発明におけるアルカリ可溶性化合物は、公知の種々の手法を用いて合成することができる。例えば、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレートのような水酸基を有する高分子化合物に、ジフェン酸無水物をピリジン等の触媒存在下、γ-ブチロラクトン中で、室温で撹拌することで合成できる。
また、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと2等量のグリシジルアクリレートを反応させて得られた水酸基を有する化合物に、ジフェン酸無水物をピリジン等の触媒存在下、γ-ブチロラクトン中室温で反応させることで、重合性不飽和結合を有するアルカリ可溶性化合物を得ることが出来る。
ビフェニル構造を有する同じ骨格の本発明のアルカリ可溶性化合物を作るのであれば、ジフェン酸無水物のような7員環構造の酸無水物と水酸基を有する化合物の反応から合成する方法が最も簡便で好ましい。
上記合成手法における原料としてはジフェン酸無水物の他に、その誘導体を用いても良い。光の吸収波長をシフトさせたり、溶解性を調整する目的で、式(1’)で表されるアルカリ可溶性化合物のビフェニル骨格のR〜Rに置換基を導入する場合、上記の反応を行う前に導入しても良いし、重合性不飽和結合やその他の置換基と結合させた後に、導入しても良い。
本発明のアルカリ可溶性化合物を合成する手法をこれより具体的に例示するが、本発明は下記方法により限定されるものではない。
先ず、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレートとジフェン酸無水物、ジフェン酸無水物と等モルのピリジンを予め乾燥させたγ-ブチロラクトンに投入し室温で1〜15時間程度攪拌する。この時、用いる反応溶媒は、γ-ブチロラクトンに限定されず、最終生成物が溶解する溶媒であればよく、各種の有機溶媒が好適に用いられる。ジフェン酸無水物は、その歪んだ構造の為、反応性が高く水と反応しカルボン酸になりやすいので、反応に用いる器具、試薬はなるべく水分が反応系に混入しないような注意を払って行うことで収率が良好なものとなる。
また、ここで用いる水酸基を有する化合物もポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレートに限定されず、目的に応じて種々の水酸基を有する化合物を用いることができる。水酸基を有する化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、フェノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートなどのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、プロパルギルアルコール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと2等量のグリシジルアクリレートを反応させて得られた化合物、2,2-ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパンと2等量のグリシジルアクリレートを反応させて得られた化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このように、数時間攪拌された反応液の溶媒を留去、または、水等に投入することで除
去し、目的物を取り出す。これを、低分子量のものは、再結晶等の処理を行なうことで、本発明のアルカリ可溶性化合物を得ることができる。精製の方法は、再結晶に限定されず、昇華精製やカラムクロマトグライフィー等、公知のあらゆる方法を用いることが可能である。
本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、嵩高い立体構造をとっているため、芳香環を2つ有するにもかかわらず、溶解性、透明性に優れる。さらに、重合性部位が導入されている場合、光や熱などの刺激を与えると重合性部位の重合反応が進行する。本発明のアルカリ可溶性化合物、及び重合反応後の硬化物は、加熱によりハーフエステル部位が酸無水物部位とアルコールに分解しにくい為、耐熱性に優れる。
加えて、本発明のアルカリ可溶性化合物が、重合性不飽和結合を一分子内に2個以上有している場合は、架橋反応が進行し、より耐熱性の向上した材料を得ることが出来る。
本発明のアルカリ可溶性化合物の重量平均分子量は、200〜10000000の間であることが、取り扱いの容易さ、硬化性、溶解性・相溶性の観点から好ましく500以上、500000以下であることがより好ましく、1000以上、200000以下であることがさらに好ましい。200より小さい場合、ビフェニル骨格など芳香環2つを分子内に含有することが出来ず、耐熱性を高めるという本発明の目的が達せられない。10000000より大きい場合は、溶解性の低下や溶液の粘度上昇に伴う作業性の低下を招く。さらにはアルカリ水溶液に対する親和性といった機能が発現されにくくなる。なお、当該分子量は、本発明のアルカリ可溶性化合物が繰り返し単位を有する場合においては、重量平均分子量であって、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)によるポリスチレン換算の値をいう。
本発明のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物は、カルボキシル基を含有している為、アルカリ溶液の親和性は向上しているが、例えば、アルカリ現像性の感光性樹脂組成物に現像性付与の機能を期待して混合させる場合には2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に、0.1重量%以上溶解することが好ましい。
また、本発明のアルカリ可溶性化合物を、感光性樹脂組成物の一成分として用いる場合には、感光性樹脂組成物の感度を高める為、一般的に感光性樹脂の露光に用いられる高圧水銀ランプの発光波長で、比較的強度の高い365nm(i線)405nm(h線)、436nm(g線)の3種の波長に吸収を出来るだけ持たないことが好ましい。具体的には、上記3種の波長のうち少なくとも1つの波長に対しては吸収を持たないことが好ましい。この場合吸収を持たないとは、アルカリ可溶性化合物の1.0×10−3mol/L以下の濃度のアセトニトリル溶液またはメタノール溶液によって測定されたモル吸光係数が100以下のことをいう。中でも、最も強度が高い365nm(i線)の波長に吸収を持たないことが特に好ましい。
耐熱性の点から、本発明に係るアルカリ可溶性化合物の2%重量減少温度は、150℃以上であることが好ましく、170℃以上であることが更に好ましい。
ここで、2%重量減少温度とは、後述の本発明の実施例と同様の手法で、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から2%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の98%となった時点)の温度である。
上記アルカリ可溶性化合物は、塗布適性、硬化後の透明性、露光時の感度等を向上させる点から、樹脂組成物に配合する時の溶解性が高いことが好ましい。
塗布時の塗工適性の点からは、アルカリ可溶性化合物は特に溶剤に対する溶解性が高いことが好ましい。具体的には、使用する溶剤、特に後述する汎用溶剤のいずれかに対するアルカリ可溶性化合物の溶解性が0.1重量%以上であることが好ましい。
本発明のアルカリ可溶性化合物は、ビフェニル骨格の2つのベンゼン環が平面構造をとっていない為、嵩高い立体構造を有しており、溶媒に対する溶解性、樹脂組成物中で併用される他の重合性化合物や高分子化合物との相溶性が良好である。しかし、さらなるアルカリ可溶性化合物の溶解性又は相溶性の向上を必要とされる場合は、アルカリ可溶性化合物のビフェニル骨格に置換基を導入することによって向上させることができる。例えば、上述のようにビフェニル骨格上の置換基として、炭素数1〜15の飽和又は不飽和のアルキル基、同じく炭素数1〜15の飽和又は不飽和のアルコキシ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基等が好ましい。また、酸無水物と反応させる水酸基を有する化合物に、この部分に溶解性や相溶性を向上させたい対象の化合物の構造に類似の置換基を選択することでも、アルカリ可溶性化合物の溶解性又は相溶性を向上させることができる。
これらの部位に導入される置換基又は施される構造変更は、溶解させたい溶剤又は相溶させたい他の固形成分によって種々選択される。例えば、置換基としてカルボキシル基を選択した場合には、水や有機極性溶剤に溶解し易くなり、エステルを導入した場合には、エステル結合を有する溶剤や化合物への溶解性が向上する。
また、本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、塗膜又は硬化膜の膜厚が10μmの時に、全光線透過率(JIS K7105)が90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
次に、本発明に係る樹脂組成物について説明する。
本発明に係る樹脂組成物は、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物を必須成分として含有するものであり、必要に応じて、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合を有する化合物以外の硬化反応性化合物、高分子量のバインダー成分、光ラジカル発生剤等の光重合開始剤、増感剤等の光重合開始促進剤の他、各種添加剤など、他の成分を含有しても良い。
本発明の樹脂組成物は、アルカリ水溶液に対する親和性、または溶解性を有するので、塗膜を形成後、アルカリ水溶液を用いることにより剥離等の処理を行うことが出来る。
さらには、本発明の樹脂組成物中に重合性不飽和結合が含有されている場合、本発明に係る樹脂組成物を所定のパターンに塗布するか或いは所定の形状に成形した後に熱や光等の刺激を外部から加えると、重合性不飽和結合を有する配合成分によってさまざまな重合反応を起こし、硬化及び/又は溶解性の変化を引き起こすことができる。本発明の樹脂組成物中に重合性不飽和結合が含有される態様としては、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物が重合性不飽和結合を有する場合、及び/又は、前記アルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和基を有する化合物を配合する場合が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物を必須成分として含有しているので、耐熱性、透明性が良好で、重合性不飽和結合を含有する場合に反応終了後に加熱されても分解物を生成しにくく、アウトガスを生じさせないので、信頼性が高い塗膜又は硬化膜が得られるというメリットがある。
特に樹脂組成物中に含有される重合性不飽和結合が、重合性二重結合のように光照射で反応するものである場合には、本発明に係る樹脂組成物は感光性樹脂組成物として用いることができる。この場合、光ラジカル発生剤等の光重合開始剤を含有させることが好ましい。本発明に係る感光性樹脂組成物は、塗布するか或いは所定の形状に成形した後に光照射を行うと、光照射部で光ラジカル反応が開始され、配合成分によってラジカル二量化反応や、ラジカル性架橋反応等、さまざまなラジカル反応が進行し、硬化及び/又は溶解性の変化を引き起こす。従って、適宜マスク等を用いてパターン状に光照射した場合には、光照射した部分のみが硬化され、未露光部のみをアルカリ水溶液で溶出することにより、所望のパターンを形成することができる。また、本発明のアルカリ可溶性化合物に由来するアルカリ水溶液に対する親和性増大の効果により、未露光部のアルカリ水溶液に対する現像特性が改善し、現像残渣などが発生し難い。
本発明に係る樹脂組成物が充分な効果を発揮するためには、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、樹脂組成物の固形分全体の0.1重量%以上であることが、アルカリ水溶液に対する親和性を付与する点、更に樹脂組成物の硬化速度が遅くなったり、塗膜の強度や塗膜のガラス転移温度が低下することを防ぐ点から好ましい。前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、樹脂組成物の固形分全体の1重量%以上であることが、アルカリ水溶液で現像した際の残渣対策の点から、更に好ましい。なお、樹脂組成物の固形分とは溶剤以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
特に、本発明に係る樹脂組成物においては、他の配合成分に対する前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物の相溶性が、その立体構造に由来して高いので、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物がベンゼン骨格を複数有しているのにもかかわらず、その配合割合を大きくして、例えば、固形分濃度を30重量%以上とすることも可能である。このように配合割合を高くする場合、アルカリ現像性が良好になり、残渣等の問題を解決することができる。前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物が、更に重合性不飽和基を含有する場合には、光ラジカル反応の感度を向上させることができ、架橋密度を向上させて硬化膜の耐熱性を向上させることができる。
次に、本発明に係る樹脂組成物に含有させる他の成分について説明する。
本発明に係る樹脂組成物は、さらに、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物を含有していても良い。重合性二重結合(エチレン性二重結合)を有する化合物は、ラジカル重合可能な硬化反応性化合物として従来から広く利用されており、応用範囲が広いことから、本発明においても、樹脂組成物を構成する成分として好適に用いられる。
前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物としては、重合性不飽和結合を1つ又は2つ以上有する化合物、及び、少なくとも1つの重合性不飽和結合と共に他の官能基を有する化合物を用いることができる。例えば、アミド系モノマー、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、及び水酸基含有(メタ)アクリレート、スチレン等の芳香族ビニル化合物を挙げることができる。その他、末端、側鎖等に重合性不飽和結合を有する高分子化合物であっても良い。
アミド系モノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン等のアミド化合物がある。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヘキサヒドロフタルイミドエチルアクリレート、コハクイミドエチルアクリレート等のイミドアクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレンオキシド付加物のアクリレート類及びそのハロゲン核置換体;エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の、グリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールおよびそのアルキレンオキサイドの(メタ)アクリル酸エステル化物、イソシアヌール酸EO変性ジまたはトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネートの反応物に対して、さらに、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートなどのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート,トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート,ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート,ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート,トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート,ポリオキシテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのような(ポリ)オキシC2-4 アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオール等があり、低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。
また、上記ポリオールと反応させる有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、上記ウレタン(メタ)アクリレートで記載したようなポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、フェノールあるいはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加反応体等が挙げられる。
また、末端、側鎖等に重合性不飽和結合を有する高分子化合物としては、スチレン−無水マレイン酸無水物の共重合体に2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させた高分子や、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸の反応から得られる化合物、ポリビニルアルコールやポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレートとアクリロイルオキシエチルイソシアネートとの反応物等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物は、3次元架橋する点からは、重合性不飽和結合を2個以上、特に3個以上有することが好ましい。
また、本発明に係る樹脂組成物を、電子部材やカラーフィルター等の用途で露光によりパターンを形成するレジストとして用いる場合には、樹脂組成物全体のアルカリ現像性を向上させるために、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物としては、更にカルボキシル基やフェノール性水酸基、スルホン酸基、水酸基等のアルカリ可溶性や、親水性の官能基を有するものを用いても良い。
また、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物は、照射光に対する樹脂組成物の感度を阻害しないために、照射波長と非分解型光ラジカル発生部位の吸収波長が重なる波長領域に吸収を持たないことが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、当該組成物の未硬化状態での成膜性及び硬化後の塗膜物性を調節するために、バインダー樹脂として、前記重合性不飽和結合以外の反応性官能基を持つ硬化反応性化合物や高分子化合物を配合しても良い。
上記バインダー樹脂としては、樹脂組成物の用途に合わせて公知のあらゆる高分子化合物又は重合性不飽和結合以外の反応性官能基をもつ硬化反応性化合物を用いることができる。また、高分子化合物としては、非反応性高分子、及び、重合性不飽和結合やそれ以外の反応性官能基を持つ高分子のいずれを用いても良い。バインダー成分として用いられる高分子化合物は、重量平均分子量が3000以上であることが好ましく、また、分子量が大きすぎると、溶解性や加工特性の悪化を招くことから、重量平均分子量が通常、10,000,000以下であることが好ましい。ここで本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)によるポリスチレン換算の値をいう。
前記重合性不飽和結合を有する化合物以外の高分子化合物及び/又は重合性不飽和結合以外の反応性官能基を持つ硬化反応性化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート;酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル又はビニル化合物の重合体及び共重合体;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ホルマール樹脂やブチラール樹脂等のアセタール樹脂;シリコーン樹脂;フェノキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂等に代表されるエポキシ樹脂;ポリウレタン等のウレタン樹脂;フェノール樹脂;ケトン樹脂;キシレン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテル樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリベンゾオキサゾール樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ノボラック樹脂;ポリカルボジイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリノルボルネン等の脂環式高分子;シロキサン系高分子等の公知のあらゆる高分子化合物又は硬化反応性化合物が挙げられる。
以上のような、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、高分子化合物、前記重合性不飽和結合以外の反応性官能基を有する硬化反応性化合物はそれぞれ、単独で用いても、2種以上を組合わせて用いても良い。
樹脂組成物全体に含まれる、重合性不飽和結合を有するアルカリ可溶性化合物、及び当該アルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物の合計の含有割合は、樹脂組成物の用途、目標とする諸物性を考慮のうえ適宜選択できる。上記2種類の重合性不飽和結合を有する化合物の合計の含有割合は、充分な硬化性を得るために、樹脂組成物の固形分全体の1重量%以上であることが好ましい。
本発明に係る樹脂組成物に含まれる、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、高分子化合物、及び/又は前記重合性不飽和結合を有する化合物以外の反応性官能基を持つ硬化反応性化合物の含有量は、それぞれ用途に応じた必要な物性に対して適宜調整されるものであって特に限定されない。
また、本発明に係る樹脂組成物は、非反応性の高分子化合物を含む場合、用途に応じて、非反応性の高分子化合物が樹脂組成物全体の固形分の1重量%以上97重量%以下となるように含むことが好ましい。非反応性の高分子化合物が97重量%よりも多い場合は、光による硬化性が低下しやすい。
また、本発明に係る樹脂組成物は、重合性不飽和結合を有する化合物と共に他の反応性官能基を有する硬化反応性化合物を組み合わせて用いる場合には、組み合わせる当該硬化反応性化合物の種類及び量に応じて重合性不飽和結合を有する化合物の量を適宜調節する。
本発明の樹脂組成物を光により硬化させる際には、光重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、ラジカル反応を促進するために、必要に応じてその他の光ラジカル発生剤を使用しても良い。
光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のモノアシルホスフィンオキシドあるいはビスアシルホスフィンオキシド;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等が挙げられる。
これらの光ラジカル発生剤等の光重合開始剤は単独で使用することも、安息香酸系、アミン系等の光重合開始促進剤と組み合わせて使用することもできる。これら光ラジカル発生剤等の光重合開始剤の好ましい配合割合は、樹脂組成物の固形分全体に対して0.1重量%以上35重量%以下で、より好ましくは、1重量%以上10重量%以下である。
本発明に係る樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子、増感剤等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、その機能又は形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。
これら任意成分の配合割合は、樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜95重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、95重量%を越えると、本発明に係る樹脂組成物の特性が最終生成物に反映されにくい。
本発明に係る樹脂組成物を感光性樹脂組成物として用いる場合、照射光を吸収してしまうような成分を樹脂組成物中に多量に配合する場合には、光が十分到達しなくなり、感度が低下する。そのため、樹脂組成物の感度を重視する点から、照射光源の発光波長と樹脂組成物に混合されている重合性不飽和結合を有する化合物の吸収波長が重なる波長領域における、重合性不飽和結合を有する化合物以外の全成分の透過率が20%以上であるように調節して、樹脂組成物に用いられる成分を適宜選択することが好ましい。
また、本発明に係る樹脂組成物は、溶剤を用いて適切な濃度に希釈しても良い。溶剤としては各種の汎用溶剤、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノエーテル類(いわゆるセロソルブ類);メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、前記グリコールモノエーテル類の酢酸エステル(例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート)、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート、修酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、その他の有機極性溶媒類等が挙げられ、更には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び、その他の有機非極性溶媒類等も挙げられる。また、反応性希釈剤として、常温で液体のエチレン性不飽和化合物等、反応性官能基を構造中に有するような化合物を溶剤として用いても良い。これらの溶媒は単独もしくは組み合わせて用いられる。また、これら溶剤は、通常例えば孔径0.05μm〜0.2μm程度のフィルター等、既知の種々の方法で不純物を濾過して用いても良い。
また、溶剤を用いて透明に溶解した樹脂組成物であっても、その中に含有される固形分同士の相溶性が低い場合には、塗工時に溶剤が揮発すると乾燥中の塗膜内で析出物が生じ、充分な透明性が得られない。そのため、光学部材のように透明性が高い塗膜又は成形体が要求される場合には、樹脂組成物中の他の固形成分との相溶性が高いアルカリ可溶性化合物を適宜選択して用いることが好ましい。高い透明性が求められる場合には、樹脂組成物を硬化させて形成した塗膜の膜厚が10μmの時に、全光線透過率(JIS K7105)が90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
本発明に係る樹脂組成物は、必須成分である前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物と、必要に応じてアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合を有する化合物以外の硬化反応性化合物、高分子量のバインダー成分等、その他任意成分を場合や用途に応じて混合することにより調製できる。
このようにして得られる本発明に係る樹脂組成物は、パターン形成材料(レジスト)、コーティング材、印刷インキ、接着剤、充填剤、電子材料、成形材料、3次元造形等、光照射や加熱によって硬化したり又は溶解性が変化する材料が用いられている公知の全ての分野・製品に利用できる。特に、耐熱性が必要で高度の信頼性を要求される、塗料、印刷インキ、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料を形成するのに適している。
例えば、カラーフィルターの場合には、画素部、当該画素部の境界に設けられる遮光部(ブラックマトリックス)、保護膜、セルギャップを維持するためのスペーサーを上記感光性樹脂組成物の硬化物により形成することができる。
電子部品の場合には、例えば、半導体装置のアンダーフィル剤、封止剤、等が例示できる。
層間絶縁膜としては、耐熱性、絶縁信頼性が要求されるビルドアップ基板用の層間絶縁膜や燃料電池における層間絶縁膜、自動車部品や家電製品の絶縁コーティング等を上記樹脂組成物の硬化物により形成することができる。
また、配線保護膜としては、プリント配線板の表面の配線保護層であるソルダーレジストや、電線の表面被覆、等が例示できる。
光学部材の場合には、各種光学レンズのオーバーコートや、反射防止膜、光導波路、分波装置等の光回路部品、レリーフ型、及び体積型のホログラム、等が例示できる。
建築材料の場合には、壁紙、壁材、床材その他の揮発成分の少ない表皮材料、接着・粘着材料、インキ等が例示できる。
本発明に係る印刷物、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料は、高耐熱性、高安定性の感光性樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されているため、高耐熱性、高安定性であり、そのため生産の歩留まりも高いというメリットがある。
1.アルカリ可溶性化合物の合成
(実施例1)
<アルカリ可溶性化合物1の合成>
50mL(リットル)のなす型フラスコに、ジフェン酸無水物 448mg(2mmol)、ポリ−2−ヒドロキシメタクリレート(重量平均分子量 300000 521mg :4mmol)と乾燥させたγ−ブチロラクトン15mlと乾燥させたピリジン 158.2mg (2mmol)を入れ、窒素気流下、室温で16時間攪拌した後、反応液を0.1規定の塩酸500mlに適量のNaClを加えた水溶液に滴下し、再沈殿を行った。沈殿物をろ過し、乾燥させることで白色固体を921mg得た。(アルカリ可溶性化合物1)
1H−NMRの積分比によりジフェン酸無水物由来部位の、ポリ−2−ヒドロキシメタクリレートの水酸基に対する導入率を求めたところ、26%の導入率であった。
Figure 0005167668
(実施例2)
<感光性樹脂組成物1の調製>
アルカリ可溶性化合物1を300mg、3官能アクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート)(商品名 アロニックスM−305、東亞合成製)175mg、光重合開始剤(商品名イルガキュアOXE−02、チバスペシャリティケミカルズ製)25mgを、2mLのγ−ブチロラクトンに溶解させ感光性樹脂組成物1を調製した。
(比較例1)
<比較アルカリ可溶性化合物1の合成>
50mL(リットル)のなす型フラスコに、無水フタル酸 296mg(2mmol)、ポリ−2−ヒドロキシメタクリレート(重量平均分子量 300000 521mg :4mmol)と乾燥させたγ−ブチロラクトン15mlと乾燥させたピリジン 158.2mg (2mmol)を入れ、窒素気流下、室温で16時間攪拌した後、反応液を0.1規定の塩酸500mlに適量のNaClを加えた水溶液に滴下し、再沈殿を行った。沈殿物をろ過し、乾燥させることで白色固体を767mg得た。(比較アルカリ可溶性化合物1)
1H−NMRの積分比により無水フタル酸由来部位のポリ−2−ヒドロキシメタクリレートの水酸基に対する導入率を求めたところ、27%の導入率であった。
Figure 0005167668
2.評価
(1)溶解性評価
アルカリ可溶性化合物1、比較アルカリ可溶性化合物1、及びポリ−2−ヒドロキシメタクリレート(重量平均分子量 300000)をそれぞれ10mgを10gの2.38重量%の濃度の水酸化テトラヒドロアンモニウム水溶液に加え、マグネテックスターラーにより2時間撹拌したところ、アルカリ可溶性化合物1と比較アルカリ可溶性化合物1は完全に溶解したが、ポリー2−ヒドロキシメタクリレートはほとんど溶解せず白い沈殿が見受けられた。
(2)熱分解温度測定
差動型示差熱天秤(製品名:TG8120、(株)リガク製)を用いて、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で、アルカリ可溶性化合物1と比較アルカリ可溶性化合物1の2%重量減少温度を測定した。以下の表に結果を示す。
Figure 0005167668
(3)パターン形成評価
感光性樹脂組成物1(実施例2)を、ガラス板上に最終膜厚1μmになるようにスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)により、所定パターンを有するフォトマスクを介して、h線換算で300mJ紫外線照射を行い、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。溶出部には残渣等は見受けられなかった。
この結果から、本発明の感光性樹脂組成物1は、良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。

Claims (16)

  1. 水酸基を有する重合体と下記式(1)で表される酸無水物とを反応させて得られるアルカリ可溶性ハーフエステル化合物を必須成分として含有し、樹脂組成物中に重合性不飽和結合を含有する、感光性樹脂組成物。
    Figure 0005167668
    (式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。Zは、それぞれ独立に、窒素原子、又は置換基Rが結合した炭素原子であり、ここでの置換基Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良い。また、前記R〜R及び置換基Rのいずれかが、互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
  2. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物が、水酸基を有する重合体と、下記式(1’)で表される酸無水物とを反応させて得られるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005167668
    (式(1’)において、R 〜R は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基であり、それらは互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
  3. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物が、分子内に重合性不飽和結合を1つ以上有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記水酸基を有する重合体の水酸基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との反応によって形成されたものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物が、重合性不飽和結合を分子内に有する、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物が、脂肪族エポキシ化合物である、請求項4又は5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物が、分子量が40〜3000の間であるエポキシ化合物である、請求項4乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記重合性不飽和結合の部位が、下記式(2)で表されるものである、請求項3乃至7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物
    Figure 0005167668
    式(2)において、R 〜R 11 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又は、一価の有機基である。それらは互いに同一であっても異なっていても良く、それらが互いに結合を介して環状構造を形成していても良い。)
  9. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物の分子量が、1000以上1000000以下である、請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物の2%重量減少温度が、150℃以上である、請求項1乃至9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物は、25℃において、濃度2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に対する溶解度が0.1重量%以上である、請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合以外の反応性官能基を有する硬化反応性化合物、光重合開始剤、及び、重量平均分子量3000以上の高分子化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1成分を、更に含有する、請求項1乃至11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  13. 前記重合性不飽和結合が、エチレン性二重結合である、請求項1乃至12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  14. パターン形成材料として用いられる、請求項1乃至13のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  15. 塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料の形成材料として用いられる請求項1乃至14のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  16. 前記請求項1乃至15のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料いずれかの物品。
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