JP5167668B2 - 感光性樹脂組成物、及び物品 - Google Patents
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Description
ネガ型の感光性樹脂は当初、例えば塗料、印刷インキ、オーバーコート層、接着剤、印刷原版等に用いられてきたが、近年、プリント配線板の配線保護用のソルダーレジストや、層間絶縁膜、カラーフィルターの画素、反射防止膜、ホログラム等を形成するためのレジスト等にまで用途が広がってきている。
一般的なレジストには、そういったアルカリ現像性を付与する構造として、高分子化合物やレジストを構成する他の低分子量成分に、アルカリ水溶液に対する溶解性又は親和性を与えるような部位を含むものが用いられている。
ハーフエステルを形成する酸無水物としては、例えば、特許文献2には、飽和又は不飽和酸無水物、具体的には無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水へキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ヘット酸、無水メチルナジック酸、無水イタコン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等などが例示されている。
一方、不飽和酸無水物から得られるハーフエステル構造は、飽和酸無水物を用いて得られたハーフエステル構造よりも耐熱性が高いものの、不飽和酸無水物が分子内共役構造の酸無水物基を有する場合には安定であることから、不飽和酸無水物と水酸基を有する化合物からハーフエステルを合成する反応は可逆反応となる。そのため、分子内共役構造の酸無水物基を有する不飽和酸無水物から得られるハーフエステル化合物は、加熱により、元の酸無水物と水酸基を有する化合物に分解してしまう(下記式(3))。それゆえ、従来の不飽和酸無水物から得られたハーフエステル部位を有する化合物は、加熱と共にそれを含んだ塗膜の劣化を招いたり、不飽和酸無水物が揮発し、周囲の環境を汚染したりといった課題を有していた。
また、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物として、分子量が40〜3000の間であるエポキシ化合物を用いることが反応の収率の向上、反応時間を短縮できる点から好ましい。
さらには、本発明の感光性樹脂組成物は、重合性不飽和結合が含有されているので、本発明に係る感光性樹脂組成物を所定のパターンに塗布するか或いは所定の形状に成形した後に熱や光等の刺激を外部から加えると、重合性不飽和結合を有する配合成分によってさまざまな重合反応を起こし、硬化及び/又は溶解性の変化を引き起こすことができる。
また、上記のような手法を用い、外部からの刺激を所望のパターンで適用させることにより、部分的に溶解性の異なった塗膜を得ることができ、その後アルカリ水溶液で処理することにより、部分的に塗膜を除去し、パターンを得ることが出来る。
このようにして得られた硬化物、パターンは、本発明のアルカリ可溶性化合物由来の高い耐熱性、及び、透明性、低アウトガスといった特性を示す。
その結果、最終製品の信頼性を低下させる問題も解決する。また、露光時の臭気(アウトガス)の発生がない為、製造設備の汚染が抑制され、且つ、作業環境が向上する。
本発明に係るアルカリ可溶性化合物は、特異な構造を示すハーフエステル部位を有するため、従来のハーフエステル化合物が有していた反応後の分解物に起因する様々な問題、例えば、作業安全性の問題や、耐熱性・耐光性の悪化や、着色や退色、塗膜のはがれやクラックの発生等、最終製品の信頼性を低下させる問題や、アウトガスが発生する問題も全て解決することができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物がパターン形成材料、例えばレジスト材料として用いられる場合には、本発明のアルカリ可溶性化合物に由来するアルカリ水溶液に対する親和性増大の効果により、未露光部のアルカリ水溶液に対する現像特性が改善し、現像残渣などが発生しにくくなる。
本発明に係る印刷物、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料いずれかの物品は、高耐熱性、高安定性の樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されているため、製品や膜としても高耐熱性、高安定性であり、そのため生産の歩留まりも高いというメリットがある。
本発明により提供されるアルカリ可溶性化合物は、水酸基を有する化合物と、下記式(1)で表される酸無水物とを反応させて得られる、アルカリ可溶性ハーフエステル化合物である。
さらには、重合性不飽和結合を有する置換基を導入することによって、光の照射や加熱等によって重合反応を起こす。重合性不飽和結合が導入されている場合にはラジカル反応を起こしたり、ラジカル重合をしたりすることができる。また、特に光に対する感度を高めたい場合には、光ラジカル発生剤などを添加することによって反応効率を高めることが出来る。
さらにアルカリ可溶性化合物が一分子内に重合性不飽和結合を2つ以上有する場合には、架橋反応し、網目構造の高分子を形成することもできる。ここで、架橋とは、架橋結合を生成することをいい、架橋結合とは、鎖状に結合した原子からなる分子のうちの任意の2原子間に橋をかけるようにして形成された結合をいい、この場合の結合は、同一分子内でも他分子間でも良い(化学辞典 東京化学同人 p.1082)。
酸無水物と水酸基を有する化合物から得られる化合物の一般的な例として、無水フタル酸(PHA)とエタノール(EtOH)からハーフエステル化合物を得る反応は以下のように示される。
この反応は、PHAに限らず、無水マレイン酸や、テトラヒドロフタル酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、2,3−ナフタル酸無水物など、酸無水物基が共役構造をとり、平面に存在しているものは、同様の傾向を示す。
具体例として、本発明のアルカリ可溶性化合物は、2,2’位という特定の位置にエステル基及びカルボキシル基が結合したビフェニル骨格を有する。このようなビフェニル骨格を有するハーフエステル構造は、そのエステル基やカルボキシル基の立体障害によりビフェニル骨格の2つのベンゼン環のπ平面が、特に室温付近では同一平面状に存在できない。その為、本発明のアルカリ可溶性化合物に含まれるハーフエステル構造は、エステル基やカルボキシル基の距離が遠くなり、分解反応、すなわちエステル結合とカルボキシル基との反応が進行しにくい。加えて、ハーフエステルから脱アルコール反応によりできると考えられる酸無水物が、酸無水物部位の歪が大きい7員環構造をとるジフェン酸無水物であることから、その歪エネルギーを越えるような熱エネルギーが脱アルコール反応には必要とされる為、さらに脱アルコール反応に対する障壁は高くなり、反応は非常に進行しにくくなる。
その為、上記のような本発明のアルカリ可溶性化合物に含まれるハーフエステル構造に熱が加わった時に、ハーフエステルの分解が起こりにくく熱安定性が非常に優れたものとなる。
本発明のアルカリ可溶性化合物は、例えば、ビフェニル骨格を構成する2つのベンゼン環の2位と2’位に、それぞれエステル結合とカルボキシル基が結合しているものであり、異なるベンゼン環に結合する置換基(エステル結合とカルボキシル基)の間でハーフエステル構造を形成するところに特徴がある。同様にビフェニル骨格にハーフエステル部位を有する化合物であっても、その置換基の位置が本発明と異なり、同じベンゼン環に結合する置換基の間でハーフエステル構造を形成するもの(例えば、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物由来の構造)の場合、上記無水フタル酸(PHA)と同様に加熱等によって脱アルコール反応が進行して原料に戻りやすく、これらを用いた場合、本質的にPHAと同様に逆反応が進行しやすく、化合物の熱分解温度が低くなる。
本発明のアルカリ可溶性化合物は、ビフェニル骨格以外にも、式(1)で表されるような複素環を含む芳香環骨格となっている場合でも、酸無水物が、式(1)に示されるような7員環構造をとっていれば本発明の目的を達することが出来る。式(1)で表される芳香環のうち、複素環としては、ピリジン環やピリミジン環が挙げられる。
このような酸無水物としては具体的には、例えば2,2’−ビピリジン−3,3’−ジカルボン酸の無水物(この場合の1,1’位はピリジン環のNの位置として表現されている)が挙げられる。
また、上記のように本発明のアルカリ可溶性化合物の、式(1)に示されるR1〜R4及びZにおける置換基Rや、式(1’)に示されるR1〜R8にカルボキシル基を有していなくても、分子内にカルボキシル基が含まれている場合には、そのカルボキシル基の数の増大に伴いアルカリ水溶液に対する親和性が向上する。例えば、後述する、式(1)で表される酸無水物と反応させる水酸基を有する化合物中にカルボキシル基が含まれていても良い。
重合性不飽和結合の好ましい例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、及び、2−トリフルオロメチルアクリロイル基が挙げられる。
本発明に用いられる水酸基を有する化合物としては、酸無水物と反応してハーフエステルを形成するものであれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、脂肪族アルコール性水酸基を有する化合物である。本発明に用いられる水酸基を有する化合物としては、高分子化合物であっても、低分子化合物であっても良い。本発明に用いられる水酸基を有する化合物は、1分子中に水酸基を2つ以上有していても良く、その場合には、水酸基を有する化合物が有している水酸基の全て又はその一部が、式(1)で表される酸無水物と反応してハーフエステル構造を形成する。本発明のアルカリ可溶性ハーフエステル化合物は、このように水酸基を有する化合物を広範な範囲で選択することにより、所望の特性に応じたアルカリ可溶性化合物を、安価に簡便に合成できるものである。
比較的安価で構造選択の幅の広いエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、種々のフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との組み合わせによって、さまざまな特性のアルカリ可溶性化合物を設計することが可能となる。
特に、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基として、種類の多い脂肪族エポキシ化合物を用いることで、特性の制御が比較的容易に可能となる。また、脂肪族エポキシ化合物は透過率等が良好であることから、得られるアルカリ可溶性化合物の透過率も向上する。
また、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物として、分子量が40〜3000の間であるエポキシ化合物を用いることが、反応の収率の向上、反応速度の点から好ましく、分子量が80〜500の間であることがさらに好ましい。
また、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと2等量のグリシジルアクリレートを反応させて得られた水酸基を有する化合物に、ジフェン酸無水物をピリジン等の触媒存在下、γ-ブチロラクトン中室温で反応させることで、重合性不飽和結合を有するアルカリ可溶性化合物を得ることが出来る。
ビフェニル構造を有する同じ骨格の本発明のアルカリ可溶性化合物を作るのであれば、ジフェン酸無水物のような7員環構造の酸無水物と水酸基を有する化合物の反応から合成する方法が最も簡便で好ましい。
先ず、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレートとジフェン酸無水物、ジフェン酸無水物と等モルのピリジンを予め乾燥させたγ-ブチロラクトンに投入し室温で1〜15時間程度攪拌する。この時、用いる反応溶媒は、γ-ブチロラクトンに限定されず、最終生成物が溶解する溶媒であればよく、各種の有機溶媒が好適に用いられる。ジフェン酸無水物は、その歪んだ構造の為、反応性が高く水と反応しカルボン酸になりやすいので、反応に用いる器具、試薬はなるべく水分が反応系に混入しないような注意を払って行うことで収率が良好なものとなる。
去し、目的物を取り出す。これを、低分子量のものは、再結晶等の処理を行なうことで、本発明のアルカリ可溶性化合物を得ることができる。精製の方法は、再結晶に限定されず、昇華精製やカラムクロマトグライフィー等、公知のあらゆる方法を用いることが可能である。
加えて、本発明のアルカリ可溶性化合物が、重合性不飽和結合を一分子内に2個以上有している場合は、架橋反応が進行し、より耐熱性の向上した材料を得ることが出来る。
ここで、2%重量減少温度とは、後述の本発明の実施例と同様の手法で、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から2%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の98%となった時点)の温度である。
塗布時の塗工適性の点からは、アルカリ可溶性化合物は特に溶剤に対する溶解性が高いことが好ましい。具体的には、使用する溶剤、特に後述する汎用溶剤のいずれかに対するアルカリ可溶性化合物の溶解性が0.1重量%以上であることが好ましい。
これらの部位に導入される置換基又は施される構造変更は、溶解させたい溶剤又は相溶させたい他の固形成分によって種々選択される。例えば、置換基としてカルボキシル基を選択した場合には、水や有機極性溶剤に溶解し易くなり、エステルを導入した場合には、エステル結合を有する溶剤や化合物への溶解性が向上する。
本発明に係る樹脂組成物は、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物を必須成分として含有するものであり、必要に応じて、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合を有する化合物以外の硬化反応性化合物、高分子量のバインダー成分、光ラジカル発生剤等の光重合開始剤、増感剤等の光重合開始促進剤の他、各種添加剤など、他の成分を含有しても良い。
さらには、本発明の樹脂組成物中に重合性不飽和結合が含有されている場合、本発明に係る樹脂組成物を所定のパターンに塗布するか或いは所定の形状に成形した後に熱や光等の刺激を外部から加えると、重合性不飽和結合を有する配合成分によってさまざまな重合反応を起こし、硬化及び/又は溶解性の変化を引き起こすことができる。本発明の樹脂組成物中に重合性不飽和結合が含有される態様としては、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物が重合性不飽和結合を有する場合、及び/又は、前記アルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和基を有する化合物を配合する場合が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物を必須成分として含有しているので、耐熱性、透明性が良好で、重合性不飽和結合を含有する場合に反応終了後に加熱されても分解物を生成しにくく、アウトガスを生じさせないので、信頼性が高い塗膜又は硬化膜が得られるというメリットがある。
本発明に係る樹脂組成物は、さらに、前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物を含有していても良い。重合性二重結合(エチレン性二重結合)を有する化合物は、ラジカル重合可能な硬化反応性化合物として従来から広く利用されており、応用範囲が広いことから、本発明においても、樹脂組成物を構成する成分として好適に用いられる。
前記本発明に係るアルカリ可溶性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物としては、重合性不飽和結合を1つ又は2つ以上有する化合物、及び、少なくとも1つの重合性不飽和結合と共に他の官能基を有する化合物を用いることができる。例えば、アミド系モノマー、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、及び水酸基含有(メタ)アクリレート、スチレン等の芳香族ビニル化合物を挙げることができる。その他、末端、側鎖等に重合性不飽和結合を有する高分子化合物であっても良い。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヘキサヒドロフタルイミドエチルアクリレート、コハクイミドエチルアクリレート等のイミドアクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレンオキシド付加物のアクリレート類及びそのハロゲン核置換体;エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の、グリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールおよびそのアルキレンオキサイドの(メタ)アクリル酸エステル化物、イソシアヌール酸EO変性ジまたはトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、フェノールあるいはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加反応体等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、樹脂組成物の用途に合わせて公知のあらゆる高分子化合物又は重合性不飽和結合以外の反応性官能基をもつ硬化反応性化合物を用いることができる。また、高分子化合物としては、非反応性高分子、及び、重合性不飽和結合やそれ以外の反応性官能基を持つ高分子のいずれを用いても良い。バインダー成分として用いられる高分子化合物は、重量平均分子量が3000以上であることが好ましく、また、分子量が大きすぎると、溶解性や加工特性の悪化を招くことから、重量平均分子量が通常、10,000,000以下であることが好ましい。ここで本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)によるポリスチレン換算の値をいう。
光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のモノアシルホスフィンオキシドあるいはビスアシルホスフィンオキシド;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等が挙げられる。
これら任意成分の配合割合は、樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜95重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、95重量%を越えると、本発明に係る樹脂組成物の特性が最終生成物に反映されにくい。
電子部品の場合には、例えば、半導体装置のアンダーフィル剤、封止剤、等が例示できる。
層間絶縁膜としては、耐熱性、絶縁信頼性が要求されるビルドアップ基板用の層間絶縁膜や燃料電池における層間絶縁膜、自動車部品や家電製品の絶縁コーティング等を上記樹脂組成物の硬化物により形成することができる。
光学部材の場合には、各種光学レンズのオーバーコートや、反射防止膜、光導波路、分波装置等の光回路部品、レリーフ型、及び体積型のホログラム、等が例示できる。
建築材料の場合には、壁紙、壁材、床材その他の揮発成分の少ない表皮材料、接着・粘着材料、インキ等が例示できる。
(実施例1)
<アルカリ可溶性化合物1の合成>
50mL(リットル)のなす型フラスコに、ジフェン酸無水物 448mg(2mmol)、ポリ−2−ヒドロキシメタクリレート(重量平均分子量 300000 521mg :4mmol)と乾燥させたγ−ブチロラクトン15mlと乾燥させたピリジン 158.2mg (2mmol)を入れ、窒素気流下、室温で16時間攪拌した後、反応液を0.1規定の塩酸500mlに適量のNaClを加えた水溶液に滴下し、再沈殿を行った。沈殿物をろ過し、乾燥させることで白色固体を921mg得た。(アルカリ可溶性化合物1)
1H−NMRの積分比によりジフェン酸無水物由来部位の、ポリ−2−ヒドロキシメタクリレートの水酸基に対する導入率を求めたところ、26%の導入率であった。
<感光性樹脂組成物1の調製>
アルカリ可溶性化合物1を300mg、3官能アクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート)(商品名 アロニックスM−305、東亞合成製)175mg、光重合開始剤(商品名イルガキュアOXE−02、チバスペシャリティケミカルズ製)25mgを、2mLのγ−ブチロラクトンに溶解させ感光性樹脂組成物1を調製した。
<比較アルカリ可溶性化合物1の合成>
50mL(リットル)のなす型フラスコに、無水フタル酸 296mg(2mmol)、ポリ−2−ヒドロキシメタクリレート(重量平均分子量 300000 521mg :4mmol)と乾燥させたγ−ブチロラクトン15mlと乾燥させたピリジン 158.2mg (2mmol)を入れ、窒素気流下、室温で16時間攪拌した後、反応液を0.1規定の塩酸500mlに適量のNaClを加えた水溶液に滴下し、再沈殿を行った。沈殿物をろ過し、乾燥させることで白色固体を767mg得た。(比較アルカリ可溶性化合物1)
1H−NMRの積分比により無水フタル酸由来部位のポリ−2−ヒドロキシメタクリレートの水酸基に対する導入率を求めたところ、27%の導入率であった。
(1)溶解性評価
アルカリ可溶性化合物1、比較アルカリ可溶性化合物1、及びポリ−2−ヒドロキシメタクリレート(重量平均分子量 300000)をそれぞれ10mgを10gの2.38重量%の濃度の水酸化テトラヒドロアンモニウム水溶液に加え、マグネテックスターラーにより2時間撹拌したところ、アルカリ可溶性化合物1と比較アルカリ可溶性化合物1は完全に溶解したが、ポリー2−ヒドロキシメタクリレートはほとんど溶解せず白い沈殿が見受けられた。
差動型示差熱天秤(製品名:TG8120、(株)リガク製)を用いて、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で、アルカリ可溶性化合物1と比較アルカリ可溶性化合物1の2%重量減少温度を測定した。以下の表に結果を示す。
感光性樹脂組成物1(実施例2)を、ガラス板上に最終膜厚1μmになるようにスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)により、所定パターンを有するフォトマスクを介して、h線換算で300mJ紫外線照射を行い、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。溶出部には残渣等は見受けられなかった。
この結果から、本発明の感光性樹脂組成物1は、良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。
Claims (16)
- 水酸基を有する重合体と下記式(1)で表される酸無水物とを反応させて得られるアルカリ可溶性ハーフエステル化合物を必須成分として含有し、樹脂組成物中に重合性不飽和結合を含有する、感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物が、分子内に重合性不飽和結合を1つ以上有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記水酸基を有する重合体の水酸基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物と、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との反応によって形成されたものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物が、重合性不飽和結合を分子内に有する、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物が、脂肪族エポキシ化合物である、請求項4又は5に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物における、前記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物が、分子量が40〜3000の間であるエポキシ化合物である、請求項4乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物の分子量が、1000以上1000000以下である、請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物の2%重量減少温度が、150℃以上である、請求項1乃至9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物は、25℃において、濃度2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に対する溶解度が0.1重量%以上である、請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性ハーフエステル化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合以外の反応性官能基を有する硬化反応性化合物、光重合開始剤、及び、重量平均分子量3000以上の高分子化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1成分を、更に含有する、請求項1乃至11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記重合性不飽和結合が、エチレン性二重結合である、請求項1乃至12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- パターン形成材料として用いられる、請求項1乃至13のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料の形成材料として用いられる請求項1乃至14のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記請求項1乃至15のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光学部材、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム又は建築材料いずれかの物品。
Priority Applications (1)
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