JP5167475B2 - 光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置 - Google Patents

光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、光殺菌装置、および、紫外線とエックス線とを同時に発生させることができる紫外線エックス線発生装置に関するものである。
紫外線発生装置が従来から知られている。紫外線発生装置には、低圧水銀ランプが多用されているが、紫外線発光材料に電子を衝突させて紫外線を発生させるものも提供されている(特許文献1を参照)。図5は、特許文献1に記載の紫外線光源を示す図である。紫外線光源は、透光性を有する陽極基板6、陽極基板6と所定間隔をおいて対面する対向基板7、陽極基板6と対向基板7との間の外周部分に設けられる枠状の側面板8とを有する。陽極基板6の内面には、紫外線を発光する蛍光体層3bが形成され、蛍光体層3bを覆うようにメタルバック層3cが形成される。電子を放出する線状陰極5が張架され、加速制御電極4が設けられる。線状陰極5から放出される電子を加速制御電極4で加速制御して蛍光体層3bに射突させることにより蛍光体層3bが発光する。また、このような紫外線発生装置を利用した光殺菌装置が知られている。光殺菌装置としては、紫外線を用いた単一波長帯の光殺菌装置の他に、ガンマ(γ)線を用いた光殺菌装置、またはエックス(X)線を用いた光殺菌装置の各々が知られている。
特開2002−033080号公報
単一波長帯の光殺菌装置では、多くの種類の菌を殺菌しようとすると、光強度を強くしなければならず、装置が大型化し、装置価格も高価なものとなり、装置の消費電力は大きなものとなっていた。本発明は、上述した課題を解決して、光強度がより弱くても十分な殺菌効果を有し、装置の小型化を図り、装置の消費電力の省電力化を図った光殺菌装置を提供する。また、このような光殺菌装置に用いるに好適な紫外線とエックス線を発生する紫外線エックス線発生装置を提供する。
本発明の紫外線エックス線発生装置は、陽極基板と対向基板と側面板とによって囲まれた内部に真空の密閉空間を形成する外囲筺体部と、前記外囲筺体部の内部に配置される電子放出部と、前記陽極基板の前記密閉空間の側に配され、前記電子放出部から放出される電子を衝突させて紫外線とエックス線とを発生させる紫外線エックス線放射部と、を備え、前記紫外線エックス線放射部は、前記電子放出部に面してエックス線放出用材料が配置され、前記陽極基板に面して紫外線発光用蛍光体が配置され、該エックス線放出用材料、陽極、該紫外線発光用蛍光体の順に積層されて形成され、前記陽極に前記電子放出部に対して正の電圧が印加されて加速された前記電子が前記エックス線放出用材料に衝突して透過してエックス線を発生させ、前記陽極を透過した前記電子が前記紫外線発光用蛍光体に衝突して紫外線を発生させ、前記陽極基板は、前記エックス線および前記紫外線を透過する部材で形成される。
本発明の光殺菌装置は、陽極基板と対向基板と側面板とによって囲まれた内部に真空の密閉空間を形成する外囲筺体部と、前記外囲筺体部の内部に配置される電子放出部と、前記陽極基板の前記密閉空間の側に配され、前記電子放出部から放出される電子を衝突させて紫外線とエックス線とを発生させる紫外線エックス線放射部と、を備え、前記紫外線エックス線放射部は、前記電子放出部に面してエックス線放出用材料が配置され、前記陽極基板に面して紫外線発光用蛍光体が配置され、該エックス線放出用材料、陽極、該紫外線発光用蛍光体の順に積層されて形成され、前記陽極に前記電子放出部に対して正の電圧が印加されて加速された前記電子が前記エックス線放出用材料に衝突して透過してエックス線を発生させ、前記陽極を透過した前記電子が前記紫外線発光用蛍光体に衝突して紫外線を発生させ、前記陽極基板は、前記エックス線および前記紫外線を透過する部材で形成される。
本発明の光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置では、紫外線エックス線放射部は、エックス線放出用材料、陽極、紫外線発光用蛍光体の順に積層されて形成され、加速された電子がエックス線放出用材料に衝突して透過してエックス線を発生させ、電子が紫外線発光用蛍光体に衝突して紫外線を発生させるので、紫外線とエックス線とを同時に発生することができ、光強度がより弱くても十分な殺菌効果を有し、装置の小型化を図り、装置の消費電力の省電力化を図ることができる。
単一波長帯の光を用いる場合の殺菌に必要な必要光量を示す図である。 実施形態の殺菌の原理を示す図である。 紫外線とエックス線とを同時に発生させる実施形態の紫外線エックス線発生装置を示す図である。 陽極基板の材質によるエックス線の透過率の違いを示す図である 背景技術に示す紫外線光源を示す図である。
実施形態の光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置は、陽極基板と対向基板と側面板とによって囲まれた内部に真空の密閉空間を形成する外囲筺体部と、電子放出部と、電子放出部から放出される電子を衝突させて紫外線とエックス線とを発生させる紫外線エックス線放射部と、を備える。紫外線エックス線放射部は、電子放出部に面してエックス線放出用材料が配置され、陽極基板に面して紫外線発光用蛍光体が配置され、エックス線放出用材料、陽極、紫外線発光用蛍光体の順に積層されて形成される。加速された電子がエックス線放出用材料に衝突して透過してエックス線を発生させ、陽極を透過した電子が紫外線発光用蛍光体に衝突して紫外線を発生させる。陽極基板は、エックス線および紫外線を透過する部材で形成される。
「光殺菌の原理」
(光殺菌に必要な単一波長帯の光量)
図1は、単一波長帯の光を用いる場合の殺菌に必要な必要光量を示す図である。図1では、単一波長帯の光として、紫外線、ガンマ線、エックス線について示す。また、必要光量とは、菌の99.99%を殺菌できる光量を言う。ガンマ線とエックス線とは、波長帯は共通するが、発生原理によって通常は区別される。以下では、ガンマ線とエックス線とを代表するものとしてエックス線の用語を用いて説明をする。また、以下では、通常用いられる用語に従い、エックス線の光量はエックス線線量と称し、紫外線の光量は紫外線光量と称する。図1の縦軸はエックス線線量を示し、単位はkGy(キログレイ)である。図1の横軸は紫外線光量を示し、単位はmW/cm2(ミリワット/平方センチメートル)である。
図1の横軸に注目すれば、例えば、水銀ランプからの波長254nmの紫外線のみを照射した場合には、例えば、黄色ブドウ球菌、アデノウイルス、大腸菌、枯草菌(芽胞)、黒麹カビ(胞子)、の順に、殺菌の目的を達するためにより強い光量(大きい光量)の紫外線が必要とされる。そして、900mW/cm2付近の光量によって、上述した菌がすべて殺菌される(図1の紫外線のみ(B)の線を参照)。
図1の縦軸に注目すれば、エックス線のみを照射した場合には、例えば、大腸菌、黒麹カビ(胞子)、黄色ブドウ球菌、枯草菌(芽胞)、アデノウイルス、の順に、殺菌の目的を達するためにより強い線量(大きい線量)のエックス線が必要とされる。そして、50kGy付近の線量によって、上述した菌がすべて殺菌される(図1のX線のみ(A)の線を参照)。
上述したように、図1によれば、紫外線によって殺菌されやすい菌と、エックス線によって殺菌されやすい菌があることが判明する。これは、エックス線による殺菌のメカニズムと紫外線による殺菌のメカニズムとが異なることに起因するものである。
本特許出願の願書に記載の発明者ら(以下、発明者らと省略する)が認識するところの殺菌のメカニズムについて簡単に説明をする。エックス線など電離放射線により引き起こされるDNA損傷は、1本鎖切断、2本鎖切断、塩基損傷、塩基遊離、架橋形成などがある。これに対し、紫外線では、電離は起こさず励起のみが起こりピリミジンダイマーなどを形成する。このように、紫外線とエックス線とでは、DNAに対する反応メカニズムが異なる。また、紫外線とエックス線とでは、物質の透過特性も異なる。すなわち、エックス線は紫外線に比べてより深く浸透する。このように、紫外線とエックス線とでは、DNAに対する反応メカニズムが異なり、さらには物質の透過特性も異なることが、上述したように各菌に対する殺菌効果の違いとなるのではないかと発明者らは考えている。
(実施形態の殺菌の原理)
図2は実施形態の殺菌の原理を示す図である。図2に示すように、紫外線とエックス線の両方を用いて、紫外線で殺菌すると効率的である菌(他の菌よりも小さい光量で殺菌ができる菌)に対しては紫外線を照射して殺菌し、エックス線で殺菌すると効率的である菌(他の菌よりも小さい線量で殺菌ができる菌)に対してはエックス線を照射して殺菌するのが実施形態の原理である。なお、図2の破線(A)はエックス線のみを用いた場合の線量を示し、図2の破線(B)は紫外線のみを用いた場合の光量を示すものである(図1を参照)。図2の線(A’)、線(B’)から見てとれるように、エックス線線量を例えば、2kGy付近とし、紫外線光量を例えば、200mw/cm2付近とすれば効率良く、図1に示すと同じ種類の菌を殺菌できる。図2に示すように、殺菌のために必要とされるエックス線線量は50kGy付近から2kGy付近と約1/25に低減し、殺菌のために必要とされる紫外線光量は900mW/cm2付近から200mw/cm2付近と約1/4.5に低減している。ここで、エックス線線量と紫外線光量とをどのような比率で割り振るかについては、適宜に定め得るものである。
図2において、右側縦軸と破線(A)と線(A’)と線(B’)とで囲まれた左上の領域は紫外線で殺菌がおこなわれる領域(紫外線殺菌エリア)であり、破線(B)と線(A’)と線(B’)とで囲まれた右下の領域はエックス線で殺菌がおこなわれる領域(エックス線殺菌エリア)であり、右側縦軸と横軸と線(A’)と線(B’)とで囲まれた左下の領域は紫外線およびエックス線のいずれでも殺菌がおこなわれる領域(紫外線・エックス線殺菌エリア)である。
同時に紫外線とエックス線とを発生させるのではなく、紫外線とエックス線とを従来の技術を用いて順次発生させ、紫外線で殺菌してその後にエックス線で殺菌する殺菌方法、またはエックス線で殺菌してその後に紫外線で殺菌する殺菌方法、のいずれかを採用することもできる。しかしながら、この順次殺菌の方法では、エックス線発生装置と紫外線発生装置との2種類の装置を用いなければならず、装置の小型化、低価格化、迅速な殺菌、省電力化には限界がある。実施形態の殺菌装置では、紫外線とエックス線の両方を同時に発生することができる紫外線エックス線発生装置を用いて、これによって殺菌をするものである。このようにして、実施形態の殺菌装置では、装置の小型化、低価格化、迅速な殺菌、省電力化を図っている。
「実施形態の光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置」
(光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置の構成の概略)
図3は、実施形態の紫外線とエックス線とを同時に発生させる紫外線エックス線発生装置を示す図である。図3(a)は紫外線とエックス線の放出方向の断面図を示し、図3(b)は一部拡大図を示す。
図3に示す紫外線エックス線発生装置1では、陽極基板20と側面板22の一方の端面とがフリットガラスで固着され、対向基板21と側面板22の他方の端面とがフリットガラスで固着されている。側面板22は、陽極基板20と対向基板21とが大気圧に耐えて所定間隔を保つようにする柱材として機能する。そして、陽極基板20と対向基板21と側面板22とで囲まれて形成される内部領域に密閉空間18を形成している。密閉空間18は高真空状態に保たれている。
陽極基板20は、紫外線とエックス線の両方を透過する材料によって形成され、その透過方向の厚さは紫外線とエックス線との減衰量を小さくして透過特性を良好とするように十分に薄いものとされるとともに大気圧によって大きく変形することがない厚さを有するようにされている。
上述したようにして陽極基板20と対向基板21と側面板22とは外囲筺体部を構成している。
密閉空間18の内部には、フィラメント10、フィラメント10と対向基板21の間に配置された背面電極11、フィラメント10を挟んで対向基板21の反対側に配置された制御電極12、制御電極12を挟んでフィラメント10の反対側に配置されたシールド電極13、が各々配置されている。シールド電極13は、陽極基板20に配された後述するエックス線放出用材料19と対面して配置されている。
図3には図示しない導電線が、フィラメント10、背面電極11、制御電極12、シールド電極13、後述する陽極(メタルバック)14の各々に接続されて密閉状態を維持しつつ、密閉空間18の内部から外囲筺体部の外部に引き出されている。そして、これらの各々の導電線によって所定の電圧が各々の電極に印加されるようになされている。
フィラメント10は、図3の紙面の表裏方向に延びる線状の形状に形成され、その表面には、電子放射物質として、例えば、Ba、Sr、Caの酸化物が塗布されている。フィラメント10に電流を流し電子放射物質を高温にすることによって熱電子放射をさせる陰極として機能する。
背面電極11は熱電子が制御電極12の方向に向かうように、または、電子の拡散を目的として、フィラメント10に対して電圧が印加される板状の電極である。
制御電極12は、フィラメント10で発生した電子を加速してシールド電極13側に電子を走行させるか、制御電極12とフィラメント10の間に電子を閉じ込めてシールド電極13側に電子を走行させないようにするか、を制御するための電極である。制御電極12は、フィラメント10と同方向に延びる線状のメッシュまたはフィラメント10と同方向に線状に延びる開口部を有する導体板として形成されている。
シールド電極13は、制御電極12で加速した電子をさらに加速してエックス線放出用材料19側に走行させる。シールド電極13は、フィラメント10と同方向に延びる線状のメッシュまたはフィラメント10と同方向に延びる線状の開口部を有する導体板として形成されている。
フィラメント10、背面電極11、制御電極12、シールド電極13、は電子を放出する電子放出部を構成している。図3の太い白抜きの矢印は、電子放出部で発生する電子の放出方向を示すものである。
外囲筺体部の一部である陽極基板20の密閉空間18の内部には電子の衝突によってエックス線を発生させるエックス線放出用材料19と、エックス線放出用材料19にその一面が接する陽極14が配置されている。陽極14の他面の側には紫外線発光用蛍光体17が配置されている。エックス線放出用材料19は陽極14の一面に蒸着法またはスパッタリング法により配置され、紫外線発光用蛍光体17は陽極14の他の面に塗布により配置されている。電子放出部に対して、エックス線放出用材料19、陽極14、紫外線発光用蛍光体17、陽極基板20の順に各部材は積層して配置されている。
紫外線発光用蛍光体17、エックス線放出用材料19、陽極14は紫外線エックス線放射部を構成している。ここで、陽極基板20は外囲筺体部を構成する部材であるとともに、この陽極基板20の密閉空間の側に、紫外線エックス線放射部を配することができる部材とされている。
陽極14は導電材料で形成され、電子が透過できる程度に薄い箔状とされており、メタルバックとして機能する。陽極14には、電子放出部のフィラメント10に対して数kV(キロボルト)以上の電圧であるアノード電圧が印加されている。陽極14に印加されるアノード電圧に応じて、紫外線発光用蛍光体17、エックス線放出用材料19、陽極14における電子の速度が異なる。アノード電圧が高ければ高いほど電子は加速され電子の運動エネルギーの大きさは大きくなる。運動エネルギーが一定値以上となると電子はエックス線放出用材料19に衝突して透過し、さらに陽極14を透過し、紫外線発光用蛍光体17に衝突する。
(実施形態の紫外線とエックス線の発生装置の特徴)
実施形態の紫外線エックス線発生装置では、エックス線放出用材料19に電子を衝突させてエックス線(図3(a)、図3(b)の破線白抜き矢印を参照)を放出させるとともに陽極14を透過した電子を紫外線発光用蛍光体17に衝突させて紫外線(図3(a)、図3(b)の実線黒塗り矢印を参照)を放出させて、紫外線とエックス線とを発生させるようにしている。また、陽極基板20は、紫外線とエックス線とを透過するように、その材料と厚さが選択されている。
(実施形態の各部について)
陽極14は、導電材料であり、薄くした場合に電子を透過させる材料であれば、広範囲のものが使用可能である。例えば、アルミニウム(Al)を用いることができる。
紫外線発光用蛍光体17としては、紫外線を発生させる材料として公知の種々の材料を用いることができる。例えば、六方晶窒化ホウ素(hBN)を用いることができる。六方晶窒化ホウ素は、窒素原子とホウ素原子が六角形ネットの層状構造をとる材料である。化学的に安定・無害な材料であり、環境にやさしい材料であるので水銀を用いない紫外線発光装置に用いる材料として近年注目されている。
エックス線放出用材料19としては、種々の材料を用いることができる。例えば、タングステン(W)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、銀(Ag)を用いることができる。エックス線放出用材料19の厚さは、例えば、1000Å(オングストロ−ム)以下として電子が透過できるようにする。
陽極基板20としては、種々の材料を用いることができる。例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、石英、サファイア、水晶を用いることができる。図4は陽極基板20の材質によるエックス線の透過率の違いを示す図である。図4の縦軸は透過率を示す。図4の横軸はエネルギーであり、単位はkeV(キロエレクトロンボルト)である。陽極基板20の材質は、図4の線(1)で示す厚み1.0mmのイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、線(2)で示す厚み1.8mmの石英、線(3)で示す厚み1.0mmのサファイア、線(4)で示す厚み1.0mmの水晶である。
「実施形態の光殺菌装置および紫外線エックス線発生装置の変形例」
(電子放出部)
電子放出部の構造は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、電子放出部はフィラメント、制御電極、シールド電極を用いるものの他に、フィラメントおよび制御電極のみを用いるものであっても良い。また、電子放出部はフィラメントを用いて熱電子放出の原理により電子を発生するのみならず、高電界電子放射の原理により電子を発生するものとしても良い。高電界電子放射をする電子放出部としては、周知技術である、フィールドエミッションデバイス(FED)、カーボンナノチューブ(CNT)を用いる電子放出部とすることができる。
(陽極基板)
上述した、イットリウム・アルミニウム・ガーネット、石英、サファイア、水晶の各陽極基板の厚みに関しては、いずれについても厚さが薄ければ薄い程、紫外線およびエックス線の透過率が向上することは公知である。陽極基板を選択するに際しては、強度と透過率の関係を考慮して、陽極基板の材料とその厚さとを適宜に選択することが可能である。また、陽極基板の紫外線およびエックス線が透過する部分にのみ厚さを薄くした上述した材料を用い、陽極基板の紫外線およびエックス線を透過させる必要がない部分は厚さを厚くするかまたは剛性の高い他の材料を用いて、陽極基板全体として大気圧に耐える十分な剛性を得ることができる。
(紫外線エックス線放射部)
エックス線放出用材料としては上述した材料に限ることなく公知の種々の材料を用いることが可能であり、紫外線発光用蛍光体としては上述した材料に限ることなく公知の種々の材料を用いることが可能である。また、陽極に関してもメタルバックとして機能する公知の種々の材料を用いることが可能である。そして、紫外線エックス線放射部は、公知のエックス線放出用材料、公知の紫外線発光用蛍光体、公知のメタルバック材、公知の陽極基板の材料を任意に組み合わせて構成することができる。そして、このときに発生するエックス線のエネルギーに応じて、十分な透過率を確保できるように陽極基板の厚さを選択するようにして効率的に紫外線とエックス線を同時に放出するように構成することができる。
1 紫外線エックス線発生装置、 10 フィラメント、 11 背面電極、 12 制御電極、 13 シールド電極、 14 陽極、 17 紫外線発光用蛍光体、 18 密閉空間、 19 エックス線放出用材料、 20 陽極基板、 21 対向基板、 22 側面板

Claims (3)

  1. 陽極基板と対向基板と側面板とによって囲まれた内部に真空の密閉空間を形成する外囲筺体部と、
    前記外囲筺体部の内部に配置される電子放出部と、
    前記陽極基板の前記密閉空間の側に配され、前記電子放出部から放出される電子を衝突させて紫外線とエックス線とを発生させる紫外線エックス線放射部と、を備え、
    前記紫外線エックス線放射部は、
    前記電子放出部に面してエックス線放出用材料が配置され、前記陽極基板に面して紫外線発光用蛍光体が配置され、該エックス線放出用材料、陽極、該紫外線発光用蛍光体の順に積層されて形成され、
    前記陽極に前記電子放出部に対して正の電圧が印加されて加速された前記電子が前記エックス線放出用材料に衝突して透過してエックス線を発生させ、前記陽極を透過した前記電子が前記紫外線発光用蛍光体に衝突して紫外線を発生させ、
    前記陽極基板は、前記エックス線および前記紫外線を透過する部材で形成される、
    紫外線エックス線発生装置。
  2. 前記紫外線エックス線放射部は、
    前記陽極は箔状の導体で形成され、
    前記陽極の一面に対して蒸着法またはスパッタリング法により前記エックス線放出用材料が配置され、
    前記陽極の他の面に対して塗布により前記紫外線発光用蛍光体が配置される、請求項1に記載の紫外線エックス線発生装置。
  3. 陽極基板と対向基板と側面板とによって囲まれた内部に真空の密閉空間を形成する外囲筺体部と、
    前記外囲筺体部の内部に配置される電子放出部と、
    前記陽極基板の前記密閉空間の側に配され、前記電子放出部から放出される電子を衝突させて紫外線とエックス線とを発生させる紫外線エックス線放射部と、を備え、
    前記紫外線エックス線放射部は、
    前記電子放出部に面してエックス線放出用材料が配置され、前記陽極基板に面して紫外線発光用蛍光体が配置され、該エックス線放出用材料、陽極、該紫外線発光用蛍光体の順に積層されて形成され、
    前記陽極に前記電子放出部に対して正の電圧が印加されて加速された前記電子が前記エックス線放出用材料に衝突して透過してエックス線を発生させ、前記陽極を透過した前記電子が前記紫外線発光用蛍光体に衝突して紫外線を発生させ、
    前記陽極基板は、前記エックス線および前記紫外線を透過する部材で形成される、
    光殺菌装置。
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